特開2019-210810(P2019-210810A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2019-210810洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-210810(P2019-210810A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具
(51)【国際特許分類】
   F03D 13/25 20160101AFI20191115BHJP
   F03D 13/40 20160101ALI20191115BHJP
   B63B 35/44 20060101ALI20191115BHJP
   B63B 35/00 20060101ALI20191115BHJP
   B63B 27/10 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   F03D13/25
   F03D13/40
   B63B35/44 Z
   B63B35/00 C
   B63B35/00 T
   B63B27/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-104426(P2018-104426)
(22)【出願日】2018年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】飛永 育男
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA24
3H178AA43
3H178BB77
3H178CC23
3H178DD67X
(57)【要約】      (修正有)
【課題】仮組立された風力発電装置用タワーを、そのまま一括でSEP船に搭載するに十分な強度があり、しかも、洋上風力発電装置の建設時に冶具等の取り外しの必要がなく、施工時間の短縮を図ることが可能で、メンテナンスの必要がない吊治具を提供する。
【解決手段】洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具10は、仮組立した洋上風力発電装置用タワーを自己昇降式作業台船に搭載する際に用いられる洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具であって、前記洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具は、ウェイト部1と、該ウェイト部を覆うカバー部2と、該カバー部に設置され、吊り上げ装置により吊り上げられる吊りブラケット3とから成り、前記洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具は、前記洋上風力発電装置用タワーの頂上部に設置されるナセルの重量の1/5以上の質量をもち、かつ、前記洋上風力発電装置用タワーの頂上部の全面を覆っていることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮組立した洋上風力発電装置用タワーを自己昇降式作業台船に搭載する際に用いられる洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具であって、
前記洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具は、ウェイト部と、該ウェイト部を覆うカバー部と、該カバー部に設置され、吊り上げ装置により吊り上げられる吊りブラケットとから成り、
前記洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具は、前記洋上風力発電装置用タワーの頂上部に設置されるナセルの重量の1/5以上の質量をもち、かつ、前記洋上風力発電装置用タワーの頂上部の全面を覆っていることを特徴とする洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具。
【請求項2】
請求項1に記載の洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具であって、
前記洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具の中央部には、作業員が出入りするマンハッチが形成されていることを特徴とする洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具。
【請求項3】
請求項2に記載の洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具であって、
前記マンハッチは、開閉自在に構成されていることを特徴とする洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具であって、
前記カバー部は円形を成し、前記吊りブラケットは前記カバー部に等間隔で複数個設置されていることを特徴とする洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具に係り、特に、洋上風力発電装置を建設する際に、仮組立した洋上風力発電装置用タワーを自己昇降式作業台船(以下、SEP(Self Elevating Platform)船という)に搭載する時に用いられるものに好適な洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、洋上は、陸上に比べて風速が強く、しかも、良好で安定した風が吹くという特徴があり、加えて、洋上には障害物が少なく、騒音、電波障害もない。また、経済的理由から大型化しつつある風車の機材を運搬設置する施工コストも陸上より洋上の方が少ないし、更に、大規模な電力消費地帯は沿岸区域に集中しており、その他の電力系設備も沿岸部の方が整備されている傾向にある。
【0003】
このように、洋上は陸上よりも風力発電に有利な条件を備えており、近年、洋上風力発電装置が多く採用されるようになっている。
【0004】
ところで、洋上風力発電装置を構成する部品の一つに、風力発電用の風車の支柱である風力発電装置用タワーがある。
【0005】
この風力発電装置用タワーは、その頂上部に水平軸に支持された複数枚のブレードを備え、風車の回転により発電する発電機、風車の指向方向を風上に合わせる回転機構等の重量物となるナセルが設置されている。
【0006】
このような風力発電装置用タワーは、洋上風力発電装置を建設する際には、洋上での組立作業時間を最小化するために、風力発電装置の設置海域近傍の港で事前に仮組立が行われ、仮組立した風力発電装置用タワーを吊り冶具を用いてクレーン等の吊り上げ装置でSEP船に搭載する必要がある。
【0007】
仮組立した風力発電装置用タワーを吊り冶具を用いてSEP船に搭載する際には、上述したナセルが風力発電装置用タワー上には搭載されていないので、風力発電装置用タワーの固有振動数が風力発電装置の完成状態よりも上昇し、保管状態でカルマン渦による振動が発生するリスクがある。
【0008】
これの防止策として、ストレイキを風力発電装置用タワーに巻きつけてカルマン渦を防止することや制振ダンパを設けて振動を抑制することが行われている。
【0009】
一方、仮組立された風力発電装置用タワーは、洋上での組立作業時間を最小化するために、そのまま一括でSEP船に搭載する必要があり、その時に用いられる吊り冶具には相当の強度が必要になる。また、仮組した風力発電装置用タワーは、保管に備えて雨水が風力発電装置用タワー内に侵入しないように養生をする必要がある。更に、洋上風力発電装置は、洋上に設置する際に必要となるSEP船のコストが高いため、なるべく短期間に現地組立を完了する必要がある。
【0010】
なお、洋上風力発電装置における洋上風力発電装置用タワーを、SEP船を用いて運搬する洋上風力発電装置の運搬方法の技術が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2017−89447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した風力発電装置用タワーの固有振動数が風力発電装置の完成状態よりも上昇するのを防止するために、ストレイキを風力発電装置用タワーに巻きつけてカルマン渦を防止したり、制振ダンパを設けて振動を抑制することでは、洋上風力発電装置の建設時にストレイキや制振ダンパを外す必要があり、洋上風力発電装置の施工に時間が掛かってしまう。
【0013】
また、ストレイキを風力発電装置用タワーに巻きつけてカルマン渦を防止することは、雨養生のための設備と、仮組の洋上風力発電装置用タワーを吊るための冶具が別に必要になる。
【0014】
更に、制振ダンパを設けて振動を抑制することは、駆動部分があるため、メンテナンスが必要である。
【0015】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、仮組立された風力発電装置用タワーを、そのまま一括でSEP船に搭載するに十分な強度があり、しかも、洋上風力発電装置の建設時に冶具等の取り外しの必要がなく、施工時間の短縮を図ることが可能で、メンテナンスの必要のない洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具は、上記目的を達成するために、仮組立した洋上風力発電装置用タワーを自己昇降式作業台船に搭載する際に用いられる洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具であって、前記洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具は、ウェイト部と、該ウェイト部を覆うカバー部と、該カバー部に設置され、吊り上げ装置により吊り上げられる吊りブラケットとから成り、前記洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具は、前記洋上風力発電装置用タワーの頂上部に設置されるナセルの重量の1/5以上の質量をもち、かつ、前記洋上風力発電装置用タワーの頂上部の全面を覆っていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、仮組立された風力発電装置用タワーを、そのまま一括でSEP船に搭載するに十分な強度があり、しかも、洋上風力発電装置の建設時にダンパやストレイキ、雨養生等の取り外しの必要がなく、施工時間の短縮を図ることが可能で、メンテナンスの必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具の実施例1を示す斜視図である。
図2】本発明の洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具の実施例1を示す平面図である。
図3】本発明の洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具の実施例1を示す断面図である。
図4】本発明の洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具の実施例1を洋上風力発電装置用タワーに設置した状態を示す斜視図である。
図5図4の状態から吊り上げ装置(クレーン等)を用いて洋上風力発電装置用タワーを吊り上げる前の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図示した実施例に基づいて本発明の洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具を説明する。なお、各図において、同一構成部品には同符号を使用する。
【実施例1】
【0020】
図1図2及び図3に、本発明の洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具の実施例1を示す。
【0021】
該図に示すように、本実施例の洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具10は、ウェイト部1と、このウェイト部1を覆うカバー部2と、カバー部2に設置され、クレーン等の吊り上げ装置(図示せず)により吊り上げられる吊りブラケット3とから概略構成されている。
【0022】
また、本実施例の洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具10の中央部には、作業員が出入りするマンハッチ4が形成され、このマンハッチ4は開閉自在に構成されている。
【0023】
また、上述したカバー部2は円形を成し、吊りブラケット3はカバー部2に等間隔で複数個(本実施例では4個)設置されている。
【0024】
そして、本実施例では、洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具10が、洋上風力発電装置用タワー5(図4参照)の頂上部に設置されるナセル(図示せず)の重量の1/5以上の質量をもち、かつ、図4に示すように、洋上風力発電装置用タワー5の頂上部の全面を覆っていることを特徴とする。
【0025】
上述した如く、仮組立された風力発電装置用タワー5は、そのまま一括でSEP船に搭載する必要があり、その時に用いられる洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具10には相当の強度が必要になる。
【0026】
通常、洋上風力発電装置用タワー5の頂上部に設置されるナセルの重量は、数十〜数百トンあるが、経験上、ナセルを吊り上げるための洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具10の質量は、ナセル重量の1/5以上あれば充分である。
【0027】
図5は、図4の状態からクレーン等の吊り上げ装置を用いて洋上風力発電装置用タワー5を吊り上げる前の状態を示し、4個の吊りブラケット3の各々にワイヤロープ6を掛け、この4本のワイヤロープ6を介してクレーン等の吊り上げ装置により、洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具10に固定された洋上風力発電装置用タワー5を吊り上げてSEP船に搭載するものである。
【0028】
このような本実施例の構成とすることにより、仮組立された風力発電装置用タワー5を、そのまま一括でSEP船に搭載するに十分な強度があり、しかも、洋上風力発電装置の建設時に冶具等の取り外しの必要がなく、施工時間の短縮を図ることが可能で、メンテナンスの必要がなくなるという効果がある。
【0029】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0030】
1…ウェイト部、2…カバー部、3…吊りブラケット、4…マンハッチ、5…洋上風力発電装置用タワー、6…ワイヤロープ、10…洋上風力発電装置用タワーの吊り冶具。
図1
図2
図3
図4
図5