特開2019-210879(P2019-210879A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-210879(P2019-210879A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】コンバインドサイクル発電プラント
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/232 20060101AFI20191115BHJP
   F02C 6/16 20060101ALI20191115BHJP
   F01D 21/00 20060101ALI20191115BHJP
   F01K 23/10 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   F02C7/232 C
   F02C6/16
   F01D21/00 V
   F01K23/10 U
   F01K23/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-108308(P2018-108308)
(22)【出願日】2018年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 泰浩
(72)【発明者】
【氏名】片桐 幸徳
(72)【発明者】
【氏名】小林 啓信
(72)【発明者】
【氏名】清野 隆正
【テーマコード(参考)】
3G071
3G081
【Fターム(参考)】
3G071AB04
3G071BA22
3G071CA02
3G071DA11
3G071GA01
3G081BC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】起動時のパージ時間を短縮し、さらに起動時における排熱回収ボイラ内部機器の熱応力を低減することが可能なコンバインドサイクル発電プラントの起動停止方法を提供する。
【解決手段】コンバインドサイクル発電プラントであって、排ガスダクト2に設けられ、ガスタービンの排ガスが排熱回収ボイラ3へ流入することを防止する排ガスダクトダンパー6と、排ガスダクトダンパーの排ガス上流側に設けられ、ガスタービンの排ガスを外部へ排出するための開口部7を備え、ガスタービンを停止する際に、ガスタービン消火後にガスタービンから排出された圧縮空気量が排熱回収ボイラのパージ量相当に達したら排ガスダクトダンパーを閉じ、ガスタービンから排出される圧縮空気を開口部から外部に放出することを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を圧縮して圧縮空気を得る圧縮機と、圧縮空気を用いて燃焼する燃焼器とを含み燃焼ガスにより動力を得るガスタービンと、前記ガスタービンの排ガスとの熱交換により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、前記ガスタービンの排ガスを前記排熱回収ボイラに導く排ガスダクトと、前記ガスタービンの動力を電力に変換する発電機とから構成されるコンバインドサイクル発電プラントであって、
前記排ガスダクトに設けられ、前記ガスタービンの排ガスが前記排熱回収ボイラへ流入することを防止する排ガスダクトダンパーと、前記排ガスダクトダンパーの排ガス上流側に設けられ、前記ガスタービンの排ガスを外部へ排出するための開口部を備え、
前記ガスタービンを停止する際に、前記ガスタービン消火後に前記ガスタービンから排出された圧縮空気量が前記排熱回収ボイラのパージ量相当に達したら前記排ガスダクトダンパーを閉じ、前記ガスタービンから排出される圧縮空気を前記開口部から外部に放出することを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項2】
請求項1に記載のコンバインドサイクル発電プラントであって、
前記ガスタービン消火後に前記ガスタービン出口から排出された圧縮空気量が前記排熱回収ボイラのパージ量相当となるまで、前記ガスタービンの回転数を予め定めた値に保持することを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のコンバインドサイクル発電プラントであって、
前記ガスタービンを起動する際に、前記ガスタービンのパージ量に相当する圧縮空気が前記ガスタービン出口から排出されるまで前記排ガスダクトダンパーを閉じ、圧縮空気を前記開口部から外部へ放出するとともに、前記ガスタービンのパージ量に相当する圧縮空気が前記ガスタービン出口から排出されたあとは、前記排ガスダクトダンパーを開き、前記開口部を閉じることを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項4】
請求項3に記載のコンバインドサイクル発電プラントであって、
前記ガスタービンを起動する際に、前記ガスタービンの圧縮機の駆動を開始してから排出された圧縮空気量を計算し、計算された圧縮空気量の総量に基づき前記ガスタービンの点火タイミングを決定することを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコンバインドサイクル発電プラントであって、
前記開口部から排出される流体が200℃以下の圧縮空気であることを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコンバインドサイクル発電プラントであって、
前記ガスタービンの圧縮機の中間段から抽気した圧縮空気を蓄える蓄圧槽を備えることを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項7】
請求項6に記載のコンバインドサイクル発電プラントであって、
無負荷状態の前記ガスタービンの圧縮機を駆動し、圧縮機中間段から抽気した圧縮機を前記蓄圧槽にて蓄えることを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項8】
空気を圧縮して圧縮空気を得る圧縮機と、圧縮空気を用いて燃焼する燃焼器とを含み燃焼ガスにより動力を得るガスタービンと、前記ガスタービンの排ガスとの熱交換により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、前記ガスタービンの排ガスを前記排熱回収ボイラに導く排ガスダクトと、前記ガスタービンの動力を電力に変換する発電機とから構成されるコンバインドサイクル発電プラントであって、
前記排ガスダクトに設けられ、前記ガスタービンの排ガスが前記排熱回収ボイラへ流入することを防止する排ガスダクトダンパーと、前記排ガスダクトダンパーの排ガス上流側に設けられ、前記ガスタービンの排ガスを外部へ排出するための開口部を備え、
前記ガスタービンを停止する際に、前記ガスタービンから排出された圧縮空気を前記排熱回収ボイラに与えるとともに、前記ガスタービン消火から一定時間経過後に前記排ガスダクトダンパーを閉じ、前記ガスタービンから排出される圧縮空気を前記開口部から外部に放出することを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項9】
請求項8に記載のコンバインドサイクル発電プラントであって、
前記ガスタービンを起動する際に、前記ガスタービンの圧縮機の駆動を開始してから一定時間経過後に前記排ガスダクトダンパーを開放し、前記開口部を閉止することを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービン、排熱回収ボイラ、蒸気タービンにより構成されたコンバインドサイクル発電プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化の原因物質の一つとされる二酸化炭素の大気への放出量削減に向けた国際的な取り組みから、各国において太陽光・風力など二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギー発電の導入が推進されている。
【0003】
この結果として近年の電力系統の運用では、風速や日射量の変化にともなう再生可能エネルギーの発電量の変動に対応するため、ガスタービン、排熱回収ボイラ、蒸気タービンにより構成されたコンバインドサイクル発電プラントに対して、今まで以上に急速な起動・停止による系統安定化の役割が求められるようになってきている。これらの運用は例えば朝夕の起動停止運用であり、朝起動停止し、また夕方に起動停止運用を実行するというものである。
【0004】
然るに、コンバインドサイクル発電プラントの起動では、停止中に機器内に滞留した燃料ガスがタービン排ガスで加熱されることによる発火を防止するため、ガスタービン点火前にガスタービンの圧縮機を予め定めた回転数で駆動し、ガスタービンと排熱回収ボイラの体積の3〜5倍の体積の圧縮空気で機器内の気体を置換するパージ運転を実施する必要がある。従来の起動前パージ運転の運用によれば、起動に長時間を要していた。
【0005】
また、起動時のパージ運転により大気温度に近い低温の圧縮空気が大量に排熱回収ボイラを通過するため、排熱回収ボイラ過熱器が冷却されるが、この直後のパージ運転完了後には、ガスタービンに点火しタービン排ガス温度が上昇することで過熱器が急激に熱せられるため、急速冷却後に急速加熱されることになり、この部分の熱応力が増大して機器寿命を消費することになる。
【0006】
特許文献1では、パージ用のファンを追設することで量を増しパージ時間の短縮を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−60529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1ではパージ運転時間は短縮できるが、排熱回収ボイラを通過する圧縮空気量は従来と同等であるため、起動時に排熱回収ボイラ過熱器の熱応力を増大させる点については解決されていない。
【0009】
以上のことから本発明においては、起動時のパージ時間を短縮し、さらに起動時における排熱回収ボイラ内部機器の熱応力を低減することが可能なコンバインドサイクル発電プラントを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のことから本発明においては、「空気を圧縮して圧縮空気を得る圧縮機と、圧縮空気を用いて燃焼する燃焼器とを含み燃焼ガスにより動力を得るガスタービンと、ガスタービンの排ガスとの熱交換により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、ガスタービンの排ガスを排熱回収ボイラに導く排ガスダクトと、ガスタービンの動力を電力に変換する発電機とから構成されるコンバインドサイクル発電プラントであって、排ガスダクトに設けられ、ガスタービンの排ガスが排熱回収ボイラへ流入することを防止する排ガスダクトダンパーと、排ガスダクトダンパーの排ガス上流側に設けられ、ガスタービンの排ガスを外部へ排出するための開口部を備え、ガスタービンを停止する際に、ガスタービン消火後にガスタービンから排出された圧縮空気量が排熱回収ボイラのパージ量相当に達したら排ガスダクトダンパーを閉じ、ガスタービンから排出される圧縮空気を開口部から外部に放出することを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント」のように構成したものである。
【0011】
また本発明は、「空気を圧縮して圧縮空気を得る圧縮機と、圧縮空気を用いて燃焼する燃焼器とを含み燃焼ガスにより動力を得るガスタービンと、ガスタービンの排ガスとの熱交換により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、ガスタービンの排ガスを排熱回収ボイラに導く排ガスダクトと、ガスタービンの動力を電力に変換する発電機とから構成されるコンバインドサイクル発電プラントであって、排ガスダクトに設けられ、ガスタービンの排ガスが排熱回収ボイラへ流入することを防止する排ガスダクトダンパーと、排ガスダクトダンパーの排ガス上流側に設けられ、ガスタービンの排ガスを外部へ排出するための開口部を備え、ガスタービンを停止する際に、ガスタービンから排出された圧縮空気を排熱回収ボイラに与えるとともに、ガスタービン消火から一定時間経過後に排ガスダクトダンパーを閉じ、ガスタービンから排出される圧縮空気を開口部から外部に放出することを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント」のように構成したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のコンバインドサイクル発電プラントによれば、プラント機器内に滞留する燃料ガスの排出に必要なパージ運転の時間を短縮しながら、排熱回収ボイラ内部機器の熱応力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例1に係るコンバインドサイクル発電プラントの概略構成例を示す図。
図2】本発明に係るコンバインドサイクル発電プラントの停止時操作を説明する図。
図3】本発明に係るコンバインドサイクル発電プラントの起動時操作とそのときのプラント各部の状態量を示す図。
図4】従来におけるコンバインドサイクル発電プラントの起動時操作とそのときのプラント各部の状態量を示す図。
図5】本発明の実施例2に係るコンバインドサイクル発電プラントの概略構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るコンバインドサイクル発電プラントについて図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0015】
図1に例示する本発明の実施例に係るコンバインドサイクル発電プラントは、ガスタービン1、排熱回収ボイラ3、蒸気タービン(図示せず)、発電機9を主たる構成機器として構成されている。ここでは、ガスタービン1、蒸気タービン、発電機9は駆動軸10を介して連結されている。なおガスタービン1は、圧縮機22、燃焼器23を含んで構成されている。
【0016】
図1に例示するコンバインドサイクル発電プラントは、まずガスタービン1において外部空気24を圧縮機22に取り込んで圧縮し、この圧縮空気21を燃焼器23に導き燃料を燃焼して発生した高温高圧ガスにより動力を得、駆動軸10上によりガスタービン1に接続された発電機9を駆動する。
【0017】
またガスタービン1の出口から排出するタービン排ガス12を、排ガスダクト2を通して排熱回収ボイラ3へ供給し、給水を熱交換器群(熱交換器群のうちタービン排ガス12の最上流に位置する過熱器5のみを図示)によって加熱する。タービン排ガス12により加熱した蒸気14を図示せぬ蒸気タービンに供給することで動力を得る。なお蒸気タービンによる動力は、発電機に伝達されてこれを駆動するが、この場合の発電機は図示のガスタービン駆動発電機9であっても、また駆動軸10とは別軸上の発電機であってもよい。排熱回収ボイラ3内の熱交換器群を通過したタービン排ガス12は煙突4から外部に放出する。
【0018】
本発明においては、概略上記のように構成されたコンバインドサイクル発電プラントにおいて、タービン排ガス12の排熱回収ボイラ3への供給・遮断を制御可能とする排ガスダクトダンパー6を排ガスダクト2内に備える。また、外部への開口部7と、開口部7を開閉可能とする開口部ダンパー8を、排ガスダクトダンパー6のタービン排ガス12上流側に備える。
【0019】
さらに本発明に係る上記構成のコンバインドサイクル発電プラントの制御運用のために、駆動軸10の回転数31、ガスタービン1の圧縮機22の入口案内翼開度32、大気の温度・湿度などの大気計測情報33に基づき圧縮機22の送風量S1を計算するパージ量計算器101と、計算された送風量S1に基づきガスタービン1のパージ完了信号Sgをプラント起動停止制御装置104へ出力するガスタービンパージ完了信号生成器102と、排熱回収ボイラ3のパージ完了信号Sbをプラント起動停止制御装置104へ出力する排熱回収ボイラパージ完了信号生成器103を備える。
【0020】
排ガスダクトダンパー6と開口部ダンパー8の制御により、プラント起動時のパージ時間を短縮する方法を図2図3を用いて説明する。図2は本発明に係るコンバインドサイクル発電プラントの停止時操作を説明する図であり、図3は本発明に係るコンバインドサイクル発電プラントの起動時操作とそのときのプラント各部の状態量を示す図である。
【0021】
まず、図2の停止時操作について、まず時刻t0以前のプラント負荷運転中では、図1の排ガスダクトダンパー6を開、開口部ダンパー8を閉とし、タービン排ガス12は全量を排熱回収ボイラ3へと供給する。
【0022】
時刻t0におけるプラント停止の開始操作に伴いガスタービン出力Pgの下げ操作を行い、無負荷となった時刻t1後に、回転数Nを予め定めた値N1まで低減し、時刻t2においてガスタービンを消火する。ガスタービン消火後、回転数NをN1に維持した状態でガスタービン1出口から排出される圧縮空気にて排熱回収ボイラ3をパージする。
【0023】
この圧縮空気量をパージ量計算器101にて計算しておき、ガスタービン1消火後に排出した圧縮空気の総量が排熱回収ボイラ3のパージ量相当(ガスタービン1と排熱回収ボイラ3の体積の3〜5倍)に達したら、排熱回収ボイラパージ完了信号生成器103にて排熱回収ボイラパージ完了信号Sbをプラント起動停止制御装置104に出力する。排熱回収ボイラパージ完了信号Sbを受信した時刻t3後、排ガスダクトダンパー6を閉、開口部ダンパー8を開とし、排熱回収ボイラ3の入口を封止して残りの圧縮空気は開口部7から外部へ放出する。
【0024】
本発明の停止操作ではこのようにして、プラント停止中に排熱回収ボイラ3のパージを完了し、その後の停止中における燃料ガスの流入を排ガスダクトダンパー6で防止することで、起動時のパージ運転を不要として起動時間を短縮することができる。なおここでは、排熱回収ボイラ3のパージ量に相当する空気量が流れるまで回転数を維持としたが、通常の停止プロセスにおいてパージ量相当の空気量が流れることが過去の運転などから事前に明確であれば、この回転数維持を不要としてもよい。
【0025】
また停止時パージにおいて、ガスタービン1消火後に排出した圧縮空気の総量が排熱回収ボイラ3のパージ量相当(ガスタービン1と排熱回収ボイラ3の体積の3〜5倍)に達したことの判断は、過去運転実績などを参考にして、ガスタービン1消火後の一定時間経過後としてもよい。
【0026】
図3は、本発明に係るコンバインドサイクル発電プラントの起動時操作とそのときのプラント各部の状態量を示すである。図3の上段には、回転数N、ガスタービン出力Pgを、また下段には温度としてタービン排ガス温度θt、過熱器メタル温度θmの起動後時間変化を示している。
【0027】
起動操作ではまず、時刻t10においてガスタービン1の圧縮機22を駆動して予め定めた回転数N2まで上昇させ、その後は時刻t11まで回転数を保持しておく。ここまでの段階では、上述のプラント停止完了後から継続して排ガスダクトダンパー6を閉、開口部ダンパー8を開としているので、ガスタービン1出口の圧縮空気は全量開口部7から外部に放出される。
【0028】
図3に示す起動時パージ操作においては、図2のプラント停止プロセス中に排熱回収ボイラ3のパージを完了としたことから、ガスタービン1のみのパージ運転を実施するのみでよい。
【0029】
起動時パージ操作では、パージ量計算器101で計算したガスタービン1消火後の圧縮空気量がガスタービン1のパージ量相当(ガスタービン1の体積の3〜5倍)に達したらガスタービンパージ完了信号生成器102にてガスタービン停止完了信号Sgをプラント起動停止制御装置104へ出力する。
【0030】
ガスタービン停止完了信号Sgを受信した時刻t11以後に、排ガスダクトダンパー6を開、開口部ダンパー8と閉し、ガスタービン1に点火してタービン排ガス12の全量を排熱回収ボイラ3に供給する。その後は通常の起動プロセスに従い、回転数Nについて昇速制御を実行し、定格回転数に至って同期併入を行った後に、ガスタービン出力Pgを増加させる処理を実行する。
【0031】
なお起動時パージにおいて、ガスタービン1消火後の圧縮空気量がガスタービン1のパージ量相当(ガスタービン1の体積の3〜5倍)に達したことの判断は、過去運転実績などを参考にして、ガスタービン1消火後の一定時間経過後としてもよい。
【0032】
図4は、従来におけるコンバインドサイクル発電プラントの起動時操作とそのときのプラント各部の状態量を示しているが、本発明における起動時パージ操作を実行したときのプラント各部の状態量を示す図3と比較して明らかなように、ガスタービンのみをパージする本発明の時のパージ時間Tpgに対して、ガスタービン1と排熱回収ボイラ3をパージする従来例の時のパージ時間Tpgbが長時間であることが理解できる。上述したように、排熱回収ボイラ3のパージを不要とすることでパージ時間を短縮できる。
【0033】
また、ガスタービン1のパージ用の圧縮空気を外部に放出することで起動プロセス中の排熱回収ボイラ過熱器5の温度低下を抑制することができる。従来例を示す図4では、排熱回収ボイラ過熱器5にはガスタービン1と排熱回収ボイラ3の体積の3〜5倍の圧縮空気が流れてこれを冷却するが、本発明の図3では、ガスタービン1の体積の3〜5倍の圧縮空気が流れてこれを冷却することになるため、圧縮空気量が少ないことを反映して起動時パージ中における過熱器メタル温度θmの低下が本発明の場合には小さくなっている。つまり、通過する空気量が少なくなったから過熱器メタル温度θmの温度変化幅が小さくて済んでいる。本発明ではこれにより、ガスタービン1点火後の高温のタービン排ガス12にさらされることで生じる熱応力を低減することができる。
【0034】
さらに本発明の開口部7から排出される流体はガスタービン1点火前の圧縮空気であるため温度は200℃未満と低く、500℃以上の排ガスが放出されるコンバインドサイクルの一般的な二次煙突(Bypass stack)と比較して、開口部7の構造は簡易とすることができ、さらに追加の脱硝装置も不要となる。
【実施例2】
【0035】
本発明の実施例2に係るコンバインドサイクル発電プラントについて図5を用いて説明する。
【0036】
本発明のコンバインドサイクル発電プラントの実施例1と実施例2との違いは、ガスタービン1の圧縮機22中間段から圧縮空気を取り出す抽気管42と、取り出した圧縮空気を蓄える蓄圧槽41を備えたことにある。
【0037】
蓄圧槽41で蓄えた圧縮空気は、緊急停止などの理由によりプラント停止プロセス中に十分な排熱回収ボイラ3のパージ量が得られなかった場合に排熱回収ボイラ3を再度パージするのに用いることができる。
【0038】
また、電力需要がないときに、排ガスダクトダンパー6を閉、開口部ダンパー8を開とした状態で、無負荷状態のガスタービン1の圧縮機を駆動し、圧縮空気を蓄圧槽8に蓄えるとしてもよい。蓄えた圧縮空気を、例えば産業利用に用いることで電力需要が無い場合でもプラント設備を有効利用することが可能となる。
【0039】
さらに、ガスタービン1の圧縮機22の駆動に余剰電力を用い、電力不足時にその蓄えた空気を用いて別置のタービン(図示せず)を駆動して発電することでピークシフトへの対応が可能となる。
【0040】
本発明は上記した各実施例に限定されるものではない。例えば、実施例ではガスタービンと蒸気タービンが同軸で連結される一軸式のコンバインドサイクルを例に説明したが、ガスタービンと蒸気タービンがそれぞれ別軸となる多軸式コンバインドサイクルでもよい。
また、複数のガスタービンと1台の排熱回収ボイラから成る構成としてもよい。この場合、各ガスタービン出口の排ガスダクト内に、排ガスダクトダンパー6と開口部ダンパー8を備える構成となる。
【0041】
また起動停止操作時に、ガスタービン1の回転数Nを一定に制御するための手段として、ガスタービン1の軸10に接続された適宜の電動機を利用するのがよい。この電動機は、ガスタービン起動時の初期動作のために準備される起動用電動機、あるいはガスタービン停止時における軸の偏心を防止するための偏心防止用電動機などが利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、発電用のコンバインドサイクル発電プラントの他、産業用のコジェネレーションプラントやマイクロコンバインドサイクル発電プラントの装置構成および制御方法として利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1:ガスタービン
2:排ガスダクト
3:排熱回収ボイラ
4:煙突
5:排熱回収ボイラ最終過熱器
6:排ガスダクトダンパー
7:開口部
8:開口部ダンパー
9:発電機
10:駆動軸
12:タービン排ガス
13:蒸気
21:圧縮空気
22:圧縮機
23:燃焼器
24:空気
32:ガスタービン圧縮機入口案内翼開度
41:蓄圧槽
42:抽気管
N:回転数
101:パージ量計算器
102:ガスタービンパージ完了信号生成器
103:排熱回収ボイラパージ完了信号生成器
104:プラント起動停止制御装置
図1
図2
図3
図4
図5