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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-211285(P2019-211285A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】測定装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/26 20060101AFI20191115BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   G01R29/26 B
   H04L27/26 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-106204(P2018-106204)
(22)【出願日】2018年6月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100163511
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 啓太
(72)【発明者】
【氏名】井地口 朋也
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 慎悟
(72)【発明者】
【氏名】本田 円香
(72)【発明者】
【氏名】土田 健一
(57)【要約】
【課題】NUCにおいて、より正確にCNRを測定する。
【解決手段】本発明に係る測定装置10は、誤り訂正符号の符号化率とキャリア変調方式とに応じた不均一コンスタレーションにおける理想信号点の配置を特定し、配置を特定した理想信号点と、IQ信号の信号点との誤差を示す変調誤差比(MER)を算出するMER算出部12と、符号化率とキャリア変調方式とに応じて予め求められた、変調誤差比(MER)と搬送波対雑音比(CNR)との対応関係に基づき、MER算出部12により算出された変調誤差比を搬送波対雑音比に変換するMER to CNR変換部14と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誤り訂正符号化後のデータが、キャリア変調により、IQ平面において信号点が不均一に配置された不均一コンスタレーション上の信号点にマッピングされた信号を受信して、受信信号の搬送波対雑音比(CNR:Carrier to Noise Ratio)を測定する測定装置であって、
前記誤り訂正符号化の符号化率とキャリア変調方式とに応じた前記不均一コンスタレーションにおける理想信号点の配置を特定し、該理想信号点と、前記受信信号から得られたIQ信号の信号点との誤差を示す変調誤差比(MER:Modulation Error Ratio)を算出するMER算出部と、
前記符号化率と前記キャリア変調方式とに応じて予め求められた、前記変調誤差比と前記搬送波対雑音比との対応関係に基づき、前記MER算出部により算出された変調誤差比を搬送波対雑音比に変換する変換部と、を備えることを特徴とする測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置において、
前記変換部は、前記キャリア変調方式が16QAMである場合、以下の変換表における、前記データの誤り訂正符号化の符号化率での変調誤差比と搬送波対雑音比との対応関係に基づき、前記MER算出部により算出された変調誤差比を搬送波対雑音比に変換することを特徴とする測定装置。
【表1】
【請求項3】
請求項1または2に記載の測定装置において、
前記変換部は、前記キャリア変調方式が64QAMである場合、以下の変換表における、前記データの誤り訂正符号化の符号化率での変調誤差比と搬送波対雑音比との対応関係に基づき、前記MER算出部により算出された変調誤差比を搬送波対雑音比に変換することを特徴とする測定装置。
【表2】
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記変換部は、前記キャリア変調方式が256QAMである場合、以下の変換表における、前記データの誤り訂正符号化の符号化率での変調誤差比と搬送波対雑音比との対応関係に基づき、前記MER算出部により算出された変調誤差比を搬送波対雑音比に変換することを特徴とする測定装置。
【表3】
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記変換部は、前記キャリア変調方式が1024QAMである場合、以下の変換表における、前記データの誤り訂正符号化の符号化率での変調誤差比と搬送波対雑音比との対応関係に基づき、前記MER算出部により算出された変調誤差比を搬送波対雑音比に変換することを特徴とする測定装置。
【表4】
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記変換部は、前記キャリア変調方式が4096QAMである場合、以下の変換表における、前記データの誤り訂正符号化の符号化率での変調誤差比と搬送波対雑音比との対応関係に基づき、前記MER算出部により算出された変調誤差比を搬送波対雑音比に変換することを特徴とする測定装置。
【表5】
【請求項7】
コンピュータを、請求項1から6のいずれか一項に記載の測定装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の地上デジタル放送であるISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)で採用されているOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が、次世代地上波放送でも採用されている。現在の地上デジタル放送では、キャリア変調方式として、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)が用いられており、1キャリアシンボルで6ビットが伝送される(非特許文献1参照)。
【0003】
次世代地上波放送では、SHV(Super Hi-Vision)などの大容量コンテンツサービスの提供のために、超多値OFDM変調技術を用いて、伝送容量を拡大している(非特許文献2参照)。超多値OFDM変調技術では、キャリア変調方式の多値数を増やし、従来の64QAMに加えて、256QAM,1024QAM,4096QAMまで拡大することで、それぞれ1キャリアシンボルで6ビット、8ビット、10ビット、12ビットを伝送することができる。
【0004】
ISDB−Tでは、IQ平面へのマッピングの信号点が均一に配置された均一コンスタレーション(UC:Uniform Constellation)が用いられている。一方、次世代地上波放送では、ATSC(Advanced Television Systems Committee)3.0で採用されている不均一コンスタレーション(NUC:Non-Uniform Constellation)の導入が検討されている(非特許文献3参照)。NUCは、マッピングの信号点の配置を不均一にすることで、伝送特性を改善する技術である。
【0005】
受信品質の指標として、搬送波対雑音比(CNR:Carrier to Noise Ratio)がある。ISDB−Tでは、CNRを直接測定することができないため、受信信号点と理想的な信号点との誤差を示す変調誤差比(MER:Modulation Error Ratio)を測定し、測定したMERからCNRを求めている。具体的には、CNRが所定値以上の線形領域(例えば、20dB以上の領域)では、MER≒CNRとみなされ、測定されたMERがCNRに換算される(非特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ARIB−STD−B31
【非特許文献2】「次世代地上放送に向けた伝送技術−Non-Uniform Constellationによる超多値信号の伝送特性改善−」、蔀拓也・朝倉慎悟・齋藤進・斉藤知弘・渋谷一彦
【非特許文献3】ATSC Proposed Standard:Physical Layer Protocol(A/322)
【非特許文献4】DXアンテナ株式会社、“地デジで知っておきたい測定項目”、[平成30年4月17日検索]、インターネット<URL:https://www.dxantenna.co.jp/help_tools/pdf/jyoukyu/2015spr/jokyu_01.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
UCでは、マッピングの信号点の配置が、変調多値数、すなわち、キャリア変調方式によって異なるのに対し、NUCでは、マッピングの信号点配置が、変調多値数だけでなく、LDPC(Low Density Parity Check)符号化の符号化率によっても異なる。そのため、UCのように、変調多値数だけでは信号点配置が定まらず、MERを正確に測定することができない。そこで、UCの信号点配置を利用して、NUCにおいてもMERを測定することも考えられる。しかしながら、NUCにおける信号点配置は、従来のISDB−TおよびDVB−T2(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)で採用されているUCにおける信号点配置とは異なるため、UCの信号点配置を利用しても、MERを正確に測定することができない。このように、従来と同様の方法では、NUCにおいて、正確なMERの値を測定することができず、その結果、CNRを正確に測定することができない。
【0008】
上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、NUCにおいて、より正確にCNRを測定することができる測定装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る測定装置は、誤り訂正符号化後のデータが、キャリア変調により、IQ平面において信号点が不均一に配置された不均一コンスタレーション上の信号点にマッピングされた信号を受信して、受信信号の搬送波対雑音比(CNR:Carrier to Noise Ratio)を測定する測定装置であって、前記誤り訂正符号化の符号化率とキャリア変調方式とに応じた前記不均一コンスタレーションにおける理想信号点の配置を特定し、該理想信号点と、前記受信信号から得られたIQ信号の信号点との誤差を示す変調誤差比(MER:Modulation Error Ratio)を算出するMER算出部と、前記符号化率と前記キャリア変調方式とに応じて予め求められた、前記変調誤差比と前記搬送波対雑音比との対応関係に基づき、前記MER算出部により算出された変調誤差比を搬送波対雑音比に変換する変換部と、を備える。
【0010】
また、上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、コンピュータを上記の測定装置として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る測定装置およびプログラムによれば、NUCにおいて、より正確にCNRを測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る測定装置の構成例を示す図である。
図2図1に示すMER算出部の構成例を示す図である。
図3図1に示す変換記憶部が記憶する、キャリア変調方式が16QAMである場合の、MERとCNRとの変換グラフの例を示す図である。
図4図1に示す変換記憶部が記憶する、キャリア変調方式が64QAMである場合の、MERとCNRとの変換グラフの例を示す図である。
図5図1に示す変換記憶部が記憶する、キャリア変調方式が256QAMである場合の、MERとCNRとの変換グラフの例を示す図である。
図6図1に示す変換記憶部が記憶する、キャリア変調方式が1024QAMである場合の、MERとCNRとの変換グラフの例を示す図である。
図7図1に示す変換記憶部が記憶する、キャリア変調方式が4096QAMである場合の、MERとCNRとの変換グラフの例を示す図である。
図8図2に示す理想信号点読み出し部による理想信号点の読み出しについて説明するための図である。
図9図2に示す最近傍理想信号点探索部による受信信号点の最近傍の理想信号点の探索について説明するための図である。
図10図1に示すMER to CNR変換部によるMERのCNRへの変換について説明するための図である。
図11】変換表の作成方法について説明するための図である。
図12】従来の測定装置の構成例を示す図である。
図13図12に示すMER算出部の構成例を示す図である。
図14図13に示す算出部によるMERの算出について説明するための図である。
図15】UCにおけるMERとCNRとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。各図中、同一符号は、同一または同等の構成要素を示している。
【0014】
まず、比較のために、図12図15を参照して、従来の測定装置10Aについて説明する。測定装置10Aは、キャリア変調により、IQ平面において信号点が均一に配置された均一コンスタレーション(UC)上の信号点にデータがマッピングされて送信された信号を受信し、受信信号を直交復調して得られたIQ信号とUCにおける理想信号点との誤差を示す変調誤差比(MER)を測定し、測定したMERから搬送波対雑音比(CNR)を求めるものである。
【0015】
図12に示す測定装置10Aは、理想信号点記憶部11Aと、MER算出部12Aと、MER to CNR変換部14Aとを有する。受信信号から得られたIQ信号と、キャリア変調方式(すなわち、変調多値数)を示す変調多値数情報とが、MER算出部12Aに入力される。変調多値数情報は、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)情報から取得することができる。
【0016】
理想信号点記憶部11Aは、キャリア変調方式(変調多値数)ごとの、UCにおける、マッピングの理想的な信号点(理想信号点)の配置を示す理想信号点配置情報を記憶する。
【0017】
MER算出部12Aは、入力されたIQ信号と、変調多値数情報とに基づき、MERを算出する。具体的には、MER算出部12Aは、入力された変調多値数情報に示されるキャリア変調方式に応じた、UCにおける理想信号点の配置を、理想信号点記憶部11Aに記憶されている理想信号点の配置の中から特定して読み出す。そして、MER算出部12Aは、配置を特定した理想信号点と、IQ信号の信号点(受信信号点)との誤差を示すMERを算出し、MER to CNR変換部14Aに出力する。MERの算出の詳細については後述する。
【0018】
MER to CNR変換部14Aは、MER算出部12Aから出力されたMERをCNRに変換して出力する。MER to CNR変換部14AによるMERのCNRへの変換の詳細については後述する。
【0019】
図13は、MER算出部12Aの構成例を示す図である。
【0020】
MER算出部12Aは、理想信号点読み出し部121Aと、最近傍理想信号点探索部122と、算出部123とを備える。変調多値数情報が、理想信号点読み出し部121Aに入力される。また、IQ信号が、最近傍理想信号点探索部122に入力される。
【0021】
理想信号点読み出し部121Aは、理想信号点記憶部11Aにアクセスし、入力された変調多値数情報に応じた理想信号点の配置を読み出し、最近傍理想信号点探索部122に出力する。
【0022】
IQ信号の受信信号点は、ノイズが全くない場合、理想信号点と同じ配置となる。しかしながら、装置雑音、伝搬路雑音、フェージングなどの影響により、位相雑音、振幅雑音、白色雑音などが加わると、IQ信号の受信信号点は、理想信号点からずれた配置となる。最近傍理想信号点探索部122は、理想信号点からずれたIQ信号の受信信号点と、理想信号点との距離ベクトルを求め、IQ信号の受信信号点に最も近い理想信号点を探索する。そして、最近傍理想信号点探索部122は、探索した理想信号点の座標を示す理想信号点情報およびIQ信号を算出部123に出力する。
【0023】
算出部123は、最近傍理想信号点探索部122から出力された理想信号点情報とIQ信号とに基づき、MERを算出する。
【0024】
図14は、算出部123によるMERの算出について説明するための図である。図14に示すように、理想信号点RのI軸成分をIとし、Q軸成分をQとする。また、理想信号点Rから受信信号点Pへの距離ベクトルδPのI軸成分をδIとし、Q軸成分をδQとすると、算出部123は、以下の式(1)に基づき、MERを算出する。
【0025】
【数1】
【0026】
すなわち、算出部123は、原点から理想信号点Rまでの距離ベクトルの和を分子とし、理想信号点Rから受信信号点Pまでの距離ベクトルδPの和を分母とした値の対数をとり、10を乗算した値をMERとして算出する。
【0027】
次に、MER to CNR変換部14AによるMERのCNRへの変換について説明する。
【0028】
図15に示すUCの例では、CNRが20dB以上の領域(線形領域)で、MERとCNRとは線形性を有している。MER to CNR変換部14Aは、これを利用し、線形領域では、MER≒CNRとみなして、MER算出部12Aにより算出されたMERをCNRに変換する。したがって、従来の測定装置10Aでは、線形領域よりもCNRが小さい領域では、CNRを正確に測定することが困難であった。
【0029】
次に、本発明の一実施形態に係る測定装置10について説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係る測定装置10の構成例を示す図である。測定装置10は、誤り訂正符号化(LDPC符号化)後のデータが、キャリア変調により、IQ平面において信号点が不均一に配置された不均一コンスタレーション(NUC)上の信号点にマッピングされた信号を受信し、受信信号を直交復調して得られたIQ信号とNUCにおける理想信号点との誤差を示す変調誤差比(MER)を測定し、測定したMERから搬送波対雑音比(CNR)を求めるものである。
【0031】
図1に示す測定装置10は、理想信号点記憶部11と、MER算出部12と、変換記憶部13と、変換部としてのMER to CNR変換部14とを備える。受信信号から得られたIQ信号が、MER算出部12に入力される。また、キャリア変調方式(すなわち、変調多値数)を示す変調多値数情報と、LDPC符号化のLDPC符号化率を示すLDPC符号化率情報とが、MER算出部12およびMER to CNR変換部14に入力される。変調多値数情報およびLDPC符号化率情報は、TMCC情報から取得することができる。また、変調多値数情報およびLDPC符号化率情報は、測定装置10の外部から入力されてもよい。
【0032】
理想信号点記憶部11は、キャリア変調方式と、LDPC符号化率とに応じた、NUCにおける、マッピングの理想信号点の配置を示す理想信号点情報を記憶する。上述したように、NUCでは、理想信号点の配置は、キャリア変調方式(変調多値数)だけでなく、LDPC符号化率によっても異なる。
【0033】
以下では、NUCにおける理想信号点配置について、キャリア変調方式が64QAMであり、かつ、符号化率が14/16である場合を例として説明する。
【0034】
キャリア変調方式が64QAMであり、かつ、符号化率が14/16である場合、64QAMで伝送される6ビット(b0,b1,b2,b3,b4,b5)のうち下位4ビット(b2,b3,b4,b5)が、例えば、
【表1】
に従うように、各信号点が配置される。
【0035】
なお、64QAMで伝送される6ビット(b0,b1,b2,b3,b4,b5)のうち上位2ビット(b0,b1)については、コンスタレーションの象限を表す。かかる象限は、日本の地上デジタル放送の伝送方式であるISDB-T(ARIB STD-B31「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」、3.9.3「ビットインターリーブ及びマッピング」)と同様に、表2のように設定されていてもよいし、米国の地上デジタル放送の伝送方式であるATSC3.0(ATSC Standard:Physical Layer Protocol (A/322)、6.3.4「Bit to IQ Mapping)と同様に、表3のように設定されていてもよい。
【表2】
【表3】
【0036】
ここで、本明細書において、「符号化率が14/16(である場合)」とは、符号化率14/16の誤り訂正符号のLDPC符号を用いる場合を意味するが、かかる記載は、符号化率が厳密に14/16であることに限定するものではない。
【0037】
NUCでは、キャリア変調方式(16QAM,64QAM,256QAM,1024QAM,4096QAM)と、各符号化率(2/16,3/16,4/16,5/16,6/16,7/16,8/16,9/16,10/16,11/16,12/16,13/16,14/16)との組み合わせ毎に、信号点配置が異なる。このような信号点配置は、例えば、本出願と同一出願人による特願2017−157173に記載されているため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0038】
理想信号点記憶部11は、上述したような、キャリア変調方式(変調多値数)と符号化率(LDPC符号化率)とに応じた理想信号点の配置を記憶する。
【0039】
MER算出部12は、入力されたIQ信号と、変調多値数情報と、LDPC符号化率情報とに基づき、MERを算出する。具体的には、MER算出部12は、LDPC符号化率情報に示されるLDPC符号化率(符号化率)と変調多値数情報に示されるキャリア変調方式(変調多値数)とに応じた、NUCにおける理想信号点の配置を、理想信号点記憶部11に記憶されている理想信号点の配置の中から特定して読み出す。そして、MER算出部12は、配置を特定した理想信号点と、IQ信号の受信信号点との誤差を示すMERを算出し、MER to CNR変換部14に出力する。
【0040】
変換記憶部13は、LDPC符号化率とキャリア変調方式とに応じて予め求められた、MERとCNRとの対応関係を記憶する。
【0041】
MER to CNR変換部14は、LDPC符号化率情報に示されるLDPC符号化率(符号化率)と変調多値数情報に示されるキャリア変調方式(変調多値数)とに応じた、変換記憶部13に記憶されているMERとCNRとの対応関係に基づき、MER算出部12により算出されたMERをCNRに変換して出力する。
【0042】
図2は、MER算出部12の構成例を示す図である。図2において、図13と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0043】
図2に示すMER算出部12は、図13に示すMER算出部12Aと比較して、理想信号点読み出し部121Aを理想信号点読み出し部121に変更した点が異なる。
【0044】
理想信号点読み出し部121は、変調多値数情報と、LDPC符号化率情報とが入力される。理想信号点読み出し部121は、理想信号点記憶部11にアクセスし、入力された変調多値数情報に示されるキャリア変調方式と、LDPC符号化率情報に示されるLDPC符号化率とに応じた理想信号点の配置を読み出し、最近傍理想信号点探索部122に出力する。
【0045】
以下、図13と同様に、最近傍理想信号点探索部122によるIQ信号の受信信号点に最も近い理想信号点の探索、および、算出部123によるMERの算出が行われる。
【0046】
次に、MER to CNR変換部14による、MERのCNRへの変換について説明する。
【0047】
上述したように、変換記憶部13は、LDPC符号化率とキャリア変調方式(変調多値数)とに応じて予め求められた、MERとCNRとの対応関係を記憶する。例えば、変換記憶部13は、LDPC符号化率とキャリア変調方式とに応じた、MERとCNRとの対応関係を示す変換表を記憶する。
【0048】
キャリア変調方式が16QAMである場合、MERとCNRとの変換表は、例えば、以下の通りである。
【表4】
【0049】
また、キャリア変調方式が64QAMである場合のMERとCNRとの変換表は、例えば、以下の通りである。
【表5】
【0050】
また、キャリア変調方式が256QAMである場合のMERとCNRとの変換表は、例えば、以下の通りである。
【表6】
【0051】
また、キャリア変調方式が1024QAMである場合のMERとCNRとの変換表は、例えば、以下の通りである。
【表7】
【0052】
また、キャリア変調方式が4096QAMである場合のMERとCNRとの変換表は、例えば、以下の通りである。
【表8】
【0053】
また、変換記憶部13は、LDPC符号化率とキャリア変調方式(変調多値数)とに応じた、MERとCNRとの対応関係を示す変換グラフを記憶してもよい。
【0054】
図3は、キャリア変調方式が16QAMである場合の、MERとCNRとの対応関係を示す変換グラフを示す図である。図4は、キャリア変調方式が64QAMである場合の、MERとCNRとの対応関係を示す変換グラフを示す図である。図5は、キャリア変調方式が256QAMである場合の、MERとCNRとの対応関係を示す変換グラフを示す図である。図6は、キャリア変調方式が1024QAMである場合の、MERとCNRとの対応関係を示す変換グラフを示す図である。図7は、キャリア変調方式が4096QAMである場合の、MERとCNRとの対応関係を示す変換グラフを示す図である。
【0055】
変換記憶部13は、上記の変換表あるいは変換グラフを記憶している。なお、上記の変換表および変換グラフでは、参考のために、UCにおけるMERとCNRとの対応関係についても含んでいるが、NUCでの受信品質の測定のためには、UCにおけるMERとCNRとの対応関係は必要ではない。したがって、変換表および変換グラフには、UCにおけるMERとCNRとの対応関係については含まれていなくてもよい。
【0056】
MER to CNR変換部14は、入力された変調多値数情報に示されるキャリア変調方式と、LDPC符号化率情報に示されるLDPC符号化率とに応じた、MERとCNRとの対応関係を示す変換表あるいは変換グラフを参照し、MER算出部12が算出したMERをCNRに変換する。
【0057】
例えば、MER to CNR変換部14は、キャリア変調方式が16QAMである場合、表4に示す変換表における、データの誤り訂正符号化の符号化率でのMERとCNRとの対応関係に基づき、MER算出部21により算出されたMERをCNRに変換する。また、MER to CNR変換部14は、キャリア変調方式が64QAMである場合、表5に示す変換表における、データの誤り訂正符号化の符号化率でのMERとCNRとの対応関係に基づき、MER算出部21により算出されたMERをCNRに変換する。また、MER to CNR変換部14は、キャリア変調方式が256QAMである場合、表6に示す変換表における、データの誤り訂正符号化の符号化率でのMERとCNRとの対応関係に基づき、MER算出部21により算出されたMERをCNRに変換する。また、MER to CNR変換部14は、キャリア変調方式が1024QAMである場合、表7に示す変換表における、データの誤り訂正符号化の符号化率でのMERとCNRとの対応関係に基づき、MER算出部21により算出されたMERをCNRに変換する。また、MER to CNR変換部14は、キャリア変調方式が4096QAMである場合、表8に示す変換表における、データの誤り訂正符号化の符号化率でのMERとCNRとの対応関係に基づき、MER算出部21により算出されたMERをCNRに変換する。
【0058】
なお、表4〜8においては、符号化率=2/16〜14/16までのそれぞれに場合について、MERとCNRとの対応関係を示しているが、これに限られるものではない。変換表には、実際のデータの誤り訂正符号化に用いられる符号化率での、MERとCNRとの対応関係が含まれていればよい。
【0059】
図3図7に示すように、NUCでは、キャリア変調方式およびLDPC符号化率によっては、MERとCNRとが線形性を有さない場合がある。このような場合にも、従来の測定装置10Aのように、MER≒CNRとみなして、MERをCNRに変換すると誤差が大きくなることがある。一方、本実施形態においては、MER to CNR変換部14は、LDPC符号化率とキャリア変調方式とに応じて予め求められた、MERとCNRとの対応関係を示す変換表あるいは変換グラフを用いて、MERをCNRに変換するので、NUCにおいて、より正確にCNRを測定することができる。
【0060】
また、従来の測定装置10Aにおいては、CNRが所定値以上の線形領域では、MER≒CNRとみなして、MERからCNRを求めていたため、線形領域以外のCNRが所定値より小さい領域では、CNRを求めることできない。一方、本実施形態においては、LDPC符号化率とキャリア変調方式とに応じて予め求められた、MERとCNRとの対応関係を示す変換表あるいは変換グラフを用いて、MERをCNRに変換するので、CNRが小さい領域でも、より正確にCNRを測定することができる。
【0061】
以下では、キャリア変調方式が64QAMであり、LDPC符号化率が14/16である場合を例として、CNRの算出方法について、図8図10を参照して説明する。
【0062】
図8に示すように、変調多値数情報と、LDPC符号化率情報とが理想信号点読み出し部121に入力される。理想信号点記憶部11は、上述したように、変調多値数と、LDPC符号化率とに応じた理想信号点の配置を記憶している。理想信号点読み出し部121は、理想信号点記憶部11にアクセスし、入力された変調多値数情報に示される64QAMと、LDPC符号化率情報に示されるLDPC符号化率14/16と応じた理想信号点の配置(表1参照)を示す理想信号点配置情報を取得する。そして、理想信号点読み出し部121は、取得した理想信号点配置情報を最近傍理想信号点探索部122に出力する。
【0063】
次に、図9に示すように、IQ信号と、理想信号点配置情報とが、最近傍理想信号点探索部122に入力される。最近傍理想信号点探索部122は、理想信号点配置情報により配置が示される理想信号点Rの中から、IQ信号の受信信号点Pに最も近い理想信号点Rを探索する。図9の例では、最近傍理想信号点探索部122は、受信信号点Pと、近傍の4つの理想信号点R1〜R4それぞれとの距離ベクトルδP1〜δP4を算出する。そして、最近傍理想信号点探索部122は、距離ベクトルが最小となる理想信号点Rを、受信信号点Pに最も近い理想信号点であると特定する。図9の例では、距離ベクトルδP1が最小であるため、最近傍理想信号点探索部122は、理想信号点R1を、受信信号点Pに最も近い理想信号点Rであると特定する。最近傍理想信号点探索部122は、受信信号点Pに最も近い理想信号点Rの座標を示す理想信号点情報と、IQ信号とを算出部123に出力する。最近傍理想信号点探索部122は、上述した処理を全てのIQ信号について行う。
【0064】
算出部123は、上述した式(1)に基づき、MERを算出し、MER to CNR変換部14に出力する。以下では、MER=17.3dBとして説明する。また、以下では、変換記憶部13は、表4から表8に示す変換表を記憶しているものとする。
【0065】
次に、図10に示すように、算出されたMERと、変調多値数情報と、LDPC符号化率情報とが、MER to CNR変換部14に入力される。MER to CNR変換部14は、変換記憶部13にアクセスし、64QAMに対応する変換表(表5)から、LDPC符号化率=14/16、MER=17.3dBに対応するCNR=15dBを読み出す。
【0066】
従来の測定装置10Aでは、MERが17.3dBである場合、線形領域ではないため、MERをCNRに変換することができなかった。また、線形領域と仮定し、MER≒CNRとみなして、MERをCNRに変換した場合、CNRは17dBとなり、実際のCNRと2dBの誤差が生じてしまう。一方、本実施形態においては、LDPC符号化率とキャリア変調方式とに応じて予め求められた、MERとCNRとの対応関係を示す変換表あるいは変換グラフを用いてMERをCNRに変換するため、CNRの値が小さい場合にも、より正確にCNRを算出することができる。
【0067】
次に、MERとCNRとの対応関係を示す変換表の作成方法について、図11を参照して説明する。
【0068】
図11に示すように、入力データと、変調多値数情報と、LDPC符号化率情報とがマッピング部31に入力される。マッピング部31は、理想信号点記憶部32にアクセスし、変調多値数情報に示されるキャリア変調方式と、LDPC符号化率情報に示されるLDPC符号化率とに応じた理想信号点の配置を読み出す。なお、理想信号点記憶部32は、理想信号点記憶部11と同様に、NUCにおける、キャリア変調方式と、LDPC符号化率とに応じた、理想信号点の配置を記憶している。マッピング部31は、入力データの配列に応じた理想信号点の位置に入力データを格納し、IQ信号に変換して、付加部33に出力する。
【0069】
付加部33は、マッピング部31から出力されたIQ信号にノイズを付加し、ノイズの付加後のIQ信号をMER算出部34に出力する。ここで、IQ信号に付加されるノイズは、例えば、CNR=1dBとなるノイズから順に、CNRが1dBずつ増加するようなノイズが付加される。
【0070】
MER算出部34は、ノイズの付加後のIQ信号を用いて、MERを算出する。MER算出部34によるMERの算出方法は、MER算出部12によるMERの算出方法と同様であるので、説明を省略する。MER算出部34は、CNR=1dBから順に、各CNRの値に応じたMERの算出結果に基づき、変換表を作成する。このようにして作成された変換表が、変換記憶部13に記憶される。
【0071】
このように、本実施形態においては、測定装置10は、LDPC誤り訂正符号のLDPC符号化率とキャリア変調方式とに応じたNUCにおける理想信号点の配置を特定し、配置を特定した理想信号点と、IQ信号の信号点との誤差を示す変調誤差比(MER)を算出するMER算出部12と、LDPC符号化率とキャリア変調方式とに応じて予め求められた、MERと搬送波対雑音比(CNR)との対応関係に基づき、MER算出部12により算出されたMERをCNRに変換するMER to CNR変換部14とを備える。
【0072】
LDPC符号化率とキャリア変調方式とに応じて予め求められた、MERとCNRとの対応関係に基づき、MERをCNRに変換するので、NUCにおいて、より正確にCNRを測定することができる。特に、MERとCNRとの対応関係に基づき、MERをCNRに変換することで、線形領域以外のCNRが小さい領域でも、より正確にCNRを測定することができる。
【0073】
以上、測定装置10について説明したが、測定装置10として機能させるために、コンピュータを用いることも可能である。そのようなコンピュータは、測定装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、該コンピュータの記憶部に格納しておき、該コンピュータのCPUによってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。
【0074】
また、プログラムは、コンピュータが読取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。このような記録媒体を用いれば、プログラムをコンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録された記録媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMおよびDVD−ROMなどの記録媒体であってもよい。
【0075】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨および範囲内で、多くの変更および置換が可能であることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形および変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0076】
10,10A 測定装置
11,11A,32 理想信号点記憶部
12,12A,34 MER算出部
13 変換記憶部
14,14A MER to CNR変換部
121,121A 理想信号点読み出し部
122 最近傍理想信号点探索部
123 算出部
31 マッピング部
33 付加部
図1
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