(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-211460(P2019-211460A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】プローブカード装置及びその平板型信号授受構造
(51)【国際特許分類】
G01R 1/073 20060101AFI20191115BHJP
G01R 31/26 20140101ALI20191115BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
G01R1/073 E
G01R31/26 J
G01R31/28 K
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-174667(P2018-174667)
(22)【出願日】2018年9月19日
(31)【優先権主張番号】107119478
(32)【優先日】2018年6月6日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517009143
【氏名又は名称】中華精測科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHUNGHWA PRECISION TEST TECH.CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 文聰
(72)【発明者】
【氏名】謝 開傑
(72)【発明者】
【氏名】蘇 偉誌
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
2G132
【Fターム(参考)】
2G003AA10
2G003AG04
2G003AG12
2G003AG20
2G003AH04
2G003AH05
2G011AA02
2G011AA10
2G011AA15
2G011AA16
2G011AB01
2G011AB05
2G011AB07
2G011AC11
2G011AC14
2G011AC32
2G011AD01
2G011AE01
2G011AE03
2G011AF07
2G132AF02
2G132AF03
2G132AL18
(57)【要約】
【課題】従来のプローブカードで生じる課題を解決できる、プローブカード装置及びその平板型信号授受構造を提供する。
【解決手段】本発明はプローブカード装置及びその平板型信号授受構造を開示する。前記平板型信号授受構造には、転送基板、及び位置決めカバーが含まれる。前記転送基板には収納層が前記転送基板の板面から凹むように設けられ、複数の信号回路を含み、かつ、信号回路毎が収納槽の底部に信号接点を形成する。収納槽を取り囲む転送基板の部分は支持部と定義される。前記位置決めカバーには複数の貫通孔が形成され、かつ前記位置決めカバーが前記支持部に位置され、以て前記位置決めカバー及び転送基板の収納槽は共同に収納空間を区画するように取り囲む。それにより、本発明は従来の構成と異なるように形成される平板型信号授受構造を提供する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板型信号授受構造及び複数の導電性探針を備えるプローブカード装置であって、
前記平板型信号授受構造は、
反対する両側に位置される、収納槽を凹むように形成される第1の板面と第2の板面とを有し、前記収納槽にそれぞれ信号接点を形成する複数の信号回路を備える、転送基板と、
複数の貫通孔が形成され、支持部に配置される位置決めカバーと、を含み、
中でも、前記収納槽を取り囲む前記転送基板の部分は支持部と定義され、かつ、前記位置決めカバー、及び前記転送基板の前記収納槽は共同に収納空間を区画するように取り囲み、
また、複数の導電性探針のそれぞれは、弾性部と、前記弾性部の反対する両側に位置される接続部及びテスト部を備え、複数の前記導電性探針がそれぞれ前記位置決めカバーの複数の前記貫通孔を貫通することにより、前記導電性探針毎の前記弾性部と前記接続部とを前記収納空間内に位置し、かつ、前記導電性探針毎の前記テスト部が前記収納空間の外部に露出され、前記第1の板面から突出され、複数の前記導電性探針の前記接続部がそれぞれ前記転送基板の複数の前記信号接点に固定される、ことを特徴とするプローブカード装置。
【請求項2】
前記転送基板は多層積層体であり、かつ前記位置決めカバーの外面は前記転送基板の前記第1の板面と面一に形成される、ことを特徴とする請求項1に記載するプローブカード装置。
【請求項3】
前記位置決めカバーは前記支持部に対して、埋め込み位置と位置決め位置との間に移動することが可能であり、
前記位置決めカバーが前記埋め込み位置に位置される場合、前記位置決めカバーの複数の前記貫通孔は、複数の前記導電性探針がそれぞれ複数の前記貫通孔を貫通して複数の前記信号接点にそれぞれ当接させるように、高さ方向に沿ってそれぞれが複数の前記信号接点と対応するように形成され、
前記位置決めカバーが前記位置決め位置に位置される場合、複数の前記導電性探針の前記弾性部が圧縮により湾曲される、ことを特徴とする請求項1に記載するプローブカード装置。
【請求項4】
前記位置決めカバーが前記支持部に固定され、前記位置決めカバーにおける複数の前記貫通孔がそれぞれ高さ方向に沿って複数の前記信号接点と対応するように形成し、
前記導電性探針毎の前記弾性部が弾性変形により対応する前記貫通孔を貫通し、また、複数の前記導電性探針が前記収納空間内に位置される複数の前記弾性部により、互いの相対位置を保持するように、前記位置決めカバーにそれぞれ当接する、ことを特徴とする請求項1に記載するプローブカード装置。
【請求項5】
前記転送基板における前記信号接点毎に前記収納槽の槽底部に位置される凹部が形成され、導電性探針毎が前記信号接点と対応され形成される前記凹部に差し込むように固定される、ことを特徴とする請求項1に記載するプローブカード装置。
【請求項6】
前記転送基板は前記転送基板に埋め込むように構成されるインピーダンス整合回路を含み、
前記インピーダンス整合回路は複数の前記信号回路における少なくとも一部の前記信号回路及びそれと対応する少なくとも一部の前記導電性探針に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載するプローブカード装置。
【請求項7】
前記インピーダンス整合回路が前記支持部に埋め込み、かつ、前記インピーダンス整合回路は前記複数の導電性探針と近接するように設けられる、ことを特徴とする請求項6に記載するプローブカード装置。
【請求項8】
反対する両側に位置される、収納槽を凹むように形成される第1の板面と第2の板面とを有し、前記収納槽にそれぞれ信号接点を形成する複数の信号回路を備える、転送基板と、
複数の貫通孔が形成され、支持部に配置される位置決めカバーと、を含み、
中でも、前記収納槽を取り囲む前記転送基板の部分は支持部と定義され、かつ、前記位置決めカバー、及び前記転送基板の前記収納槽は共同に収納空間を区画するように取り囲むことを特徴とするプローブカード装置の平板型信号授受構造。
【請求項9】
前記転送基板は多層積層体であり、かつ前記位置決めカバーの外面は前記転送基板の前記第1の板面と面一に形成される、ことを特徴とする請求項8に記載するプローブカード装置の平板型信号授受構造。
【請求項10】
前記転送基板は前記支持部内に埋め込むインピーダンス整合回路を含み、かつ、前記インピーダンス整合回路は、複数の前記信号回路における少なくとも一部の前記信号回路に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項8に記載するプローブカード装置の平板型信号授受構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプローブカードに関し、特にプローブカード装置及びその平板型信号授受構造を関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプローブカードは、プローブ保持部と、プローブ保持部を貫通して配置された複数のプローブと、上記プローブ保持部から離間して複数のプローブに接続されたトランスファープレートとを含む。中でも、前記プローブ保持部は2つの案内板を含み、かつ、プローブ毎の端部が前記トランスファープレートに当接ように、プローブの両端部はそれぞれ前記プローブ保持部における2つの案内板から通じ出す。なお、前記プローブ毎の他端部は対象物(例えば、ウェーハ)を検出するために用いられる。
【0003】
しかしながら、従来のプローブカードの上記構成は長年にわたって存在しており、当業者によるプローブカードの研究は従来の構成から逸脱することができなかったので、従来のプローブカードはかなりの進歩を達成することに限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、上記従来のプローブカードが生じた課題を解決できる、プローブカード装置及びその平板型信号授受構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、平板型信号授受構造及び複数の導電性探針を備えるプローブカード装置を開示する。前記平板型信号授受構造は転送基板及び位置決めカバーを含む。前記転送基板は、反対する両側に位置される第1の板面と第2の板面と備え、前記転送基板に収納槽が前記第1の板面から凹むように設けられ、複数の信号回路が含まれ、かつ、複数の前記信号回路は前記収納槽の槽底部にそれぞれ信号接点を形成する。中でも、前記収納槽を取り囲む前記転送基板の部分は支持部と定義され、前記位置決めカバーには複数の貫通孔が形成され、前記位置決めカバーが前記支持部に設けられる。中でも、前記位置決めカバー及び前記転送基板の前記収納槽は共同に収納空間を区画するように取り囲む。前記複数の導電性探針のそれぞれは弾性部と、前記弾性部の反対する両側に位置される接続部及びテスト部とを備える。前記導電性探針毎の前記弾性部と前記接続部とが前記収納空間に位置されるように、前記複数の前記導電性探針がそれぞれ前記位置決めカバーの複数の前記貫通孔を貫通する。前記導電性探針毎の前記テスト部は前記収納空間の外部に露出されると共に前記第1の板面から延び出す。複数の前記導電性探針の前記接続部はそれぞれ前記転送基板の複数の前記信号接点に固定される。
【0006】
本発明の実施形態はさらに、転送基板、及び位置決めカバーを含むプローブカード装置の平板型信号授受構造を開示する。前記転送基板はそれの反対する側に位置される第1の板面と第2の板面とを備え、前記転送基板は収納槽が前記第1の板面から凹むように設けられ、複数の信号回路を含み、複数の前記信号回路は前記収納槽の槽底部にそれぞれ信号接点が形成される。中でも、前記収納槽を取り囲む前記転送基板の部分は支持部と定義される。前記位置決めカバーには複数の貫通孔が形成され、かつ、前記位置決めカバーは前記支持部に設けられる。中でも、前記位置決めカバー及び前記収納槽は共同に収納空間を区画するように取り囲む。
【発明の効果】
【0007】
上述記載を纏めて、本発明の実施形態が開示するプローブカード装置及びその平板型信号授受構造では、既存の構成とは異なり、従来のスペーサプレートの代わりに単一の位置決めカバーを採用して、効果的にプローブカード装置の製造コストを削減することができ(例えば、構造の複雑さと組み立てプロセスの削減)、そして新しい研究方向を提供することができる。さらに言えば、上記プローブカード装置が採用する平板型信号授受構造は短い導電性探針と合わせることができ、プローブカード装置はより高い周波数の信号伝送に適用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本発明の第1の実施形態に係る平板型信号授受構造を示す模式図である。
【
図1B】本発明の第1の実施形態に係る平板型信号授受構造の変形例を示す模式図である。
【
図1C】本発明の第1の実施形態に係る平板型信号授受構造の他の変形例を示す模式図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る平板型信号授受構造にプローブが埋め込まれる過程を示す模式図である。
【
図3】
図2のIIIエリアを示す部分拡大図である。
【
図4】
図2のIIIエリアの変形例を示す部分拡大図である。
【
図5A】本発明の第1の実施形態に係るプローブカード装置を示す模式図である。
【
図5B】本発明の第1の実施形態に係るプローブカード装置の変形例を示す模式図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る対象物を検出するように回路基板に取り付けられるプローブカード装置を示す模式図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る平板型信号授受構造にプローブが埋め込まれる過程を示す模式図(I)である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る平板型信号授受構造にプローブが埋め込まれる過程を示す模式図(II)である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係るプローブカード装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0010】
[第1の実施形態]
図1Aないし
図6は、本発明の第1の実施形態を示す。本実施形態は対象物200(例えば、半導体ウェーハ)の検出に用いられるプローブカード装置100を開示する。前記プローブカード装置100は、平板型信号授受構造1、及び該平板型信号授受構造1に取り付けられる複数の導電性探針2を含む。本実施形態においては、前記平板型信号授受構造1は前記複数の導電性探針2と合わせて説明するが、本発明はそれに制限されない。例えば、本発明に図示しない他の実施形態において、前記平板型信号授受構造1を個別に適用することができる(例えば、販売する)。
【0011】
図1Aを参照する。前記平板型信号授受構造1は、転送基板11、及び前記転送基板11に取り付けられる位置決めカバー12含む。本実施形態において、前記平板型信号授受構造1は回路基板の形状を呈し、かつ前記平板型信号授受構造1はいずれの非平坦な構成も排除するものが好ましい(例えば、何れの導電性探針2の少なくとも50%が転送基板11の外部に位置される)。次は、前記平板型信号授受構造1における転送基板11及び位置決めカバー12の構成及び連結関係について説明する。
【0012】
図1A及び
図2を参照する。本実施形態において、前記転送基板11は略平板状と形成され、かつ、前記転送基板11は反対する両側に位置される第1の板面111と第2の板面112とを有する。さらに言えば、前記転送基板11は多層積層体であることが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。中でも、前記転送基板11には収容槽113が前記第1の板面111から凹むように前記転送基板11に配置され、かつ、前記転送基板11が複数の信号回路114を含む。上記複数の信号回路114が収納槽113の槽底部1131にそれぞれ形成される。すなわち、前記転送基板11の複数の信号接点1141は上記収納槽113内に位置される。また、前記転送基板11の第2の板面112は回路基板300が実装するために用いられている(例えば、
図6に示すように)。
【0013】
さらに言えば、
図2ないし
図4に示すように、前記転送基板11は信号接点1141毎に前記収納槽113の槽底部1131に位置される凹部115が設けられる。中でも、上記凹部115は信号接点1141及びそれと近接する転送基板11の部分により構成され(
図3に示すように)、或いは、前記凹部115が信号接点1141により構成されてもよいし(例えば、
図4に示すように)、本発明はそれに制限されない。
【0014】
また、前記転送基板11は前記転送基板11に埋め込んだインピーダンス整合回路116を含み、かつ、前記インピーダンス整合回路116は複数の信号回路114における少なくとも一部の信号回路114と電気的に結合される。なお、本実施形態の
図5において、収容槽113を取り囲む前記転送基板11の部分を支持部117と定義し、かつ前記インピーダンス整合回路116が複数の導電性探針2と近接するように配置することが好ましいが、本発明はそれに制限されない。例えば、
図5Bに示すように、前記インピーダンス整合回路116が支持部118以外の転送基板11の部分に埋め込んでもよい。それにより、前記転送基板11は前記インピーダンス整合回路116を前記転送基板11に埋め込む(前記支持部117に埋め込むことが好ましい)ことにより、前記インピーダンス整合回路116とそれに電気的に結合される信号接点1141との距離を短くすることができる。
【0015】
説明すべきことは、前記支持部117は環状(例えば、略長方形となる環状)を呈し、かつ、別途に転送基板11に実装するものの代わりに、転送基板11の一部として形成される独立要素が好ましい。つまり、本実施形態における支持部117としては別途に転送基板11に実装した(例えば、ねじ込み、嵌め合わせ、粘着)独立要素を排除したものが好ましいが、本発明はそれに制限されない。例えば、本発明における図示しない他の実施形態において、前記転送基板11に凹溝を形成し、支持枠を凹溝に配置し、前記支持枠の内縁と凹溝の槽底部とを共同に前記収容槽113を区画し、もって前記支持枠は前記転送基板11の一部と見なして、支持部117と定義することができる。
【0016】
図1A及び
図2を参照する。本実施形態において、前記位置決めカバー12は実質的に平板状を呈し、かつ、前記転送基板11の支持部117に設けられ、かつ、前記位置決めカバー12の外面121は前記転送基板11の第1の板面111と面一になることが好ましいが、本発明はそれに制限されない。例えば、前記位置決めカバー12の外面121は前記転送基板11の第1の板面111よりも低く形成されてもよい(例えば、Bに示すように)。また、前記位置決めカバー12の外面121は前記転送基板11の第1の板面111から突出するように形成されてもよい(例えば、
図1C)。
【0017】
さらに言えば、前記位置決めカバー12に、複数の貫通孔122が形成され、上記複数の貫通孔122が位置決めカバー12における前記支持部117と接触する部分の内側に位置される。中でも、前記位置決めカバー12及び転送基板11の収容槽113は共に収容空間Sを区画するように取り囲む。かつ、上記複数の貫通孔122はそれぞれ前記収納空間Sと連通する。また、前記平板型信号授受構造1の収納空間Sが上記複数の貫通孔122のみで外部空間と連通してもよいが、本発明はそれに制限されない。
【0018】
また、本実施形態において、前記位置決めカバー12が上記支持部117に対して、ずれ方向(第1の板面111に平行する)に沿って埋め込む位置(例えば、
図1A又は
図2に示すように、)と位置決め位置(例えば、
図5Aに示すように)との間に移動する。中でも、前記位置決めカバー12が埋め込み位置又は位置決め位置に位置される場合、上記位置決めカバー12は複数のねじ(図示なし)により支持部117に固定され、それにより位置決めカバー12が埋め込み位置又は位置決め位置に保持される。また、本発明における図示しない他の実施形態において、前記位置決めカバー12は他の手段(例えば、係合手段)により支持部117に固定され、位置決めカバー12を埋め込み位置又は位置決め位置に定位してもよい。
【0019】
図2及び
図5Aに示すように、導電性探針2毎が弾性部21、及び上記弾性部21における反対する両側に位置される検出部23と接続部22を備える。説明すべきことは、本実施形態において、前記導電性探針2が導電性又は柔軟性を有する長尺状構成に形成され、かつ、上記導電性探針2は長方形となる導電性探針、円形となる導電性探針、または他の構成となる導電性探針に限らない。
【0020】
また、複数の導電性探針2はそれぞれ上記位置決めカバー12の複数の貫通孔122に貫通して、導電性探針2毎の弾性部21と接続部22とを実質的に上記収納空間S(又は、収納槽113)内に位置させると共に、導電性探針2毎の検出部23が前記収納空間Sの外部に露出され、前記転送基板11の第1の板面111に突出するように形成される。すなわち、本実施形態に係るプローブカード装置100では、導電性探針2が一方の端部のみ(例えば、検出部23)が上記平板型信号授受構造1の外部に露出し、前記転送基板11の第1の板面111から突出するため、導電性探針2の両端部とも上記平板型信号授受構造1の外部に露出するいずれの装置は本実施形態に係るプローブカード装置100に当たらない。
【0021】
さらに言えば、前記複数の導電性探針2の接続部22はそれぞれ上記転送基板11の複数の信号接点1141に固定され、それにより前記転送基板11のインピーダンス整合回路116が上記少なくとも一部の信号回路114及びその対応する部分の導電性探針2と電気的に接続される。
【0022】
本実施形態において、導電性探針2毎(導電性探針2毎の接続部22)がそれに対応する前記信号接点1141の凹部115に差し込むように設けられることを例として説明するが、本発明はそれに制限されない。例えば、本発明が図示しない他の実施形態において、前記導電性探針2の接続部22に凹部が形成され、前記転送基板11が信号接点1141に凹部と幾何学的に対応する凸部が形成され、それにより前記導電性探針2の接続部22と上記転送基板11の信号接点1141が凹部と凸部との合わせを介して互いの連結関係を保持することができる。
【0023】
また、前記位置決めカバー12が上記埋め込み位置(例えば、
図2に示すように)に位置される場合、前記位置決めカバー12の複数の貫通孔122は高さ方向H(第1の板面111に垂直する)に沿ってそれぞれ複数の信号接点1141と対応し、それにより複数の導電性探針2(複数の導電性探針2の弾性部21及び接続部22)はそれぞれ複数の貫通孔122を貫通し、もって複数の接続部22がそれぞれ上記複数の信号接点1141に当接する。また、前記位置決めカバー12が上記位置決め位置(例えば、
図5Aに示すように)に位置される場合、複数の導電性探針2の弾性部21は(上記位置決めカバー12の)圧縮により湾曲される。
【0024】
さらに言えば、前記位置決めカバー12が上記埋め込み位置(例えば、
図2に示すように)に位置される場合、上記複数の貫通孔122と複数の信号接点1141との前記高さ方向Hに沿った対応関係は、本実施形態では、前記転送基板11が高さ方向Hに沿って上記位置決めカバー12に正射投影する場合、前記複数の信号接点1141が形成した複数の投影エリアはそれぞれ上記複数の貫通孔122内に位置することが好ましいが、本発明はそれに制限されない。
【0025】
前記によれば、本実施形態プローブカード装置100に係る平板型信号授受構造1には従来のスペーサーを省略して、位置決めカバー12が1つしか設けられないため、従来の構成と区別できると共に、それにより従来の構成によりプローブカード装置100の製造コストを効果的に減削し、もって新しい研究方向を提供することができる。さらに言えば、上記プローブカード装置100に係る平板型信号授受構造1はより短い導電性探針2と合わせることにより、プローブカード装置100がより高周波の信号伝送に用いられることができる。
【0026】
[第2の実施形態]
図7ないし
図9を参照する。本発明の第2の実施形態は上記第1の実施形態と同様であるので、2つの実施形態の同じ部分については、ここでは説明しない。本実施形態と上記第1の実施形態の差異点は主に下記の通りとなる。
【0027】
本実施形態において、前記位置決めカバー12が直接に前記支持部117に固定され、すなわち、上記位置決めカバー12と支持部117とは対応するように設けられるが、相対的に移動することができない。中でも、前記位置決めカバー12の複数の貫通孔122がそれぞれ高さ方向Hに沿って複数の信号接点1141と対応するように形成され、かつ、貫通孔122と複数の信号接点1141同士の相対位置を保持するために、導電性探針2毎の弾性部21が弾性変形を介して貫通孔122を貫通し、もって複数の導電性探針2が収納槽113内に位置される複数の弾性部21を貫通してそれぞれ前記位置決めカバー12に当接する。
【0028】
さらに言えば、本実施形態のプローブカード装置100では、導電性探針2の構成により、前記平板型信号授受構造1の位置決めカバー12を支持部117と相対的に移動する必要がない。それで、プローブカード装置100の構成の複雑性と実装手間をさらに減削することができる。
【0029】
[本発明の実施形態の技術的な効果]
前記を纏めて、本発明の実施形態が開示したプローブカード装置100における平板型信号授受構造1は従来のスペーサーを省略して、位置決めカバー12を1つしか備えず、従来の構成と区別でき、それによりプローブカード装置100の製造コスト(例えば、構成の複雑性と実装手間をさらに減削する)を減削し、新しい研究方向を提供することができる。さらに言えば、上記プローブカード装置100における平板型信号授受構造1はより短い導電性探針2と合わせることにより、プローブカード装置100プローブカード装置100がより高周波の信号伝送に用いられることができる。
【0030】
以上に開示される内容は本発明の好ましい実施可能な実施例に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではないので、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0031】
100:プローブカード装置
1:平板型信号授受構造
11:転送基板
111:第1の板面
112:第2の板面
113:収納槽
1131:槽底部
114:信号回路
1141:信号接点
115:凹部
116:インピーダンス整合回路
117支持部
12:位置決めカバー
121:外面
122:貫通孔
2:導電性探針
21:弾性部
22:接続部
23:検出部
200:対象物
300:回路基板
H:高さ方向
S:収納空間