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特開2019-211964チェックルール作成装置およびチェックルール作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-211964(P2019-211964A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】チェックルール作成装置およびチェックルール作成方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/27 20060101AFI20191115BHJP
【FI】
   G06F17/27 665
   G06F17/27 695
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-106960(P2018-106960)
(22)【出願日】2018年6月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 香織
(72)【発明者】
【氏名】野尻 周平
(72)【発明者】
【氏名】三部 良太
(72)【発明者】
【氏名】土屋 良介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 秀朗
(72)【発明者】
【氏名】中川 雄一郎
【テーマコード(参考)】
5B091
【Fターム(参考)】
5B091AA15
5B091AB17
5B091CA02
5B091CD11
(57)【要約】
【課題】情報システムに関する作業において不具合がないことをチェックするためのチェックリストについて一意に解釈できるチェックルールを作成する。
【解決手段】既存チェックリストのチェック項目毎に、チェック項目に含まれる記述から所定の単語を抽出し、該単語を列挙した整形チェックリストを作成するチェックリスト前処理部101と、情報システムに関する事項とそれを示す単語とを対応づけた自然語変換情報を蓄積した自然語変換情報蓄積部112と、整形チェックリストの単語と自然語変換情報の単語とを比較することにより、整形チェックリストにおける情報システムのチェック項目としての曖昧箇所を抽出する曖昧性評価部102と、自然語変換情報に基づいて曖昧箇所の内容を推定する曖昧箇所補完部103と、抽出された曖昧箇所に推定された内容を付加してチェックルールを作成するチェックルール変換部104とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報システムをチェック対象とし前記情報システムに関する作業において不具合がないことをチェックするためのチェックルールを作成するチェックルール作成装置であって、
情報システムをチェック対象とし前記情報システムに関する作業において不具合がないことをチェックするための自然語による記述を含む既存チェックリストのチェック項目毎に、該チェック項目に含まれる記述を形態素解析して所定の単語を抽出し、該単語を列挙した整形チェックリストを作成する前処理部と、
情報システムに関する事項とそれを示す自然語による単語とを対応づけた自然語変換情報を蓄積した自然語変換情報蓄積部と、
前記整形チェックリストの単語と前記自然語変換情報の単語とを比較することにより、前記整形チェックリストにおける前記情報システムのチェック項目としての曖昧箇所を抽出する曖昧性評価部と、
前記自然語変換情報に基づいて前記曖昧箇所の内容を推定する曖昧箇所補完部と、
前記抽出された前記曖昧箇所に前記推定された内容を付加して前記チェックルールを作成するチェックルール変換部と、
を有するチェックルール作成装置。
【請求項2】
前記整形チェックリストと情報システムのチェック作業ログとを比較し、前記整形チェックリストに含まれる互いに異なる単語について、チェック作業が同一となる単語を同義語と定義し、当該同義語を、前記曖昧性評価部が単語を比較する処理に反映する同義語学習部を更に有する、
請求項1に記載のチェックルール作成装置。
【請求項3】
前記チェックルールと情報システムのチェック作業ログとを比較し、前記チェックルールと情報システムのチェック作業ログとの対応状況に基づいて、前記チェックルールに対するチェック作業の法則性を学習し、当該法則性を、前記曖昧箇所補完部が前記曖昧箇所の内容を推定する処理に反映するチェックルール信頼性学習部を更に有する、
請求項1に記載のチェックルール作成装置。
【請求項4】
前記前処理部は、前記整形チェックリストにおいて、前記既存チェックリストの幾何学構造に表された階層構造に従って前記チェック項目毎に単語を列挙する、
請求項1に記載のチェックルール作成装置。
【請求項5】
前記曖昧性評価部は、前記整形チェックリストの単語と前記自然語変換情報の単語とを対応づけていき、前記整形チェックリストに前記自然語変換情報にある単語に対応づける単語がなければ該単語に相当する箇所を曖昧箇所とする、
請求項1に記載のチェックルール作成装置。
【請求項6】
前記情報システムに関する作業にて想定される不具合には、前記情報システムの構成要素に関する原因で生じる不具合と、前記情報システムにて利用されるファイルに関する原因で生じる不具合とが含まれ、
前記自然語変換情報は、前記情報システムのシステム構成要素と該システム構成要素を表す単語とを対応づけたシステム構成情報と、前記情報システムにて利用されファイル内に単語を含むファイルを列挙したファイル構成情報と、前記情報システムに関する作業にて想定される前記構成要素に関する原因の不具合および前記ファイルに関する原因の不具合の有無を判定するためのメトリクスと該メトリクスに関連する単語とを対応づけたメトリクス構成情報と、前記不具合の有無を区別する前記メトリクスの状態を示す単語と該メトリクスの状態を示す演算子および値とを対応づけた値演算子構成情報と、が含まれ、
前記曖昧性評価部は、前記整形チェックリストのチェック項目に列挙された前記単語と、前記システム構成情報に含まれる単語と、前記ファイル構成情報にファイル名が示されたファイルに含まれる単語と、に基づき、前記チェック項目がシステム構成要素の状態をチェック対象とする項目かファイルの状態をチェック対象とする項目かを判定し、前記チェック項目がシステム構成要素の状態をチェック対象とする項目かファイルの状態をチェック対象とする項目かということと、前記チェック項目に列挙された前記単語と、前記メトリクス構成情報に含まれる単語と、に基づいて、前記チェック項目の判定を行うためのメトリクスを特定し、前記チェック項目に列挙された前記単語と、前記値演算子構成情報に含まれる単語とに基づいて、前記チェック項目による判定で不具合の有無を区別する前記メトリクスの状態を示す演算子と値の組み合わせを特定し、
前記チェック項目の単語と、前記システム構成情報または前記ファイル構成情報に含まれる単語と、前記メトリクス構成情報における前記特定されたメトリクスに関連する単語と、前記値演算子構成情報における前記特定された演算子と値の組合せに対応づけられた単語と、に基づいて、前記整形チェックリストの曖昧箇所を特定する、
請求項1に記載のチェックルール作成装置。
【請求項7】
情報システムをチェック対象とし前記情報システムに関する作業において不具合がないことをチェックするためのチェックルールを作成するためのチェックルール作成方法であって、
情報システムをチェック対象とし前記情報システムに関する作業において不具合がないことをチェックするための自然語による記述を含む既存チェックリストのチェック項目毎に、該チェック項目に含まれる記述を形態素解析して所定の単語を抽出し、該単語を列挙した整形チェックリストを作成し、
情報システムに関する事項とそれを示す自然語による単語とを対応づけた自然語変換情報を蓄積し、
前記整形チェックリストの単語と前記自然語変換情報の単語とを比較することにより、前記整形チェックリストにおける前記情報システムのチェック項目としての曖昧箇所を抽出し、
前記自然語変換情報に基づいて前記曖昧箇所の内容を推定し、
前記抽出された前記曖昧箇所に前記推定された内容を付加して前記チェックルールを作成する、
ことをコンピュータが実行するチェックルール作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報システムに関する作業において不具合がないことをチェックするためのチェックルールを作成するチェックルール作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
企業あるいは官公庁のエンタープライズシステムなどの情報システムの開発、運用、および保守の各作業において、それら作業の担当者は作業に手落ちがないように、あらかじめ作成したチェックリストのチェック項目をチェックしながら作業を行う。チェックリストはチェックする作業の担当者自身が作成することもあるし、他の作業の担当者が作成することもある。
【0003】
チェックリストの作成者は、チェックの対象となる情報システム(以下「チェック対象システム」ともいう)の開発、運用、および保守に関わるガイドライン、既存の他の情報システムのチェックリストなどチェックリストの作成に利用可能な情報(以下「参照情報」ともいう)を参照しながら、チェック対象システムに適合したチェック項目を手作業で作成していく。
【0004】
しかしながら、上記参照情報は曖昧な文で記述されている可能性がある。また、チェックリストに挙げるべきチェック項目はチェック対象システム毎に異なる。そのため、チェック対象システムに対してチェックリストを個別に作成する作業には時間がかかる。そのようなチェックリスト作成の作業を軽減する技術が求められる。
【0005】
特許文献1には、あらかじめデータベース(以下「DB」ともいう)にチェック項目を格納しておき、これから行う作業の条件を指定すると、その条件に基づいてDBから作業のチェックに必要なチェック項目を抽出し、新たなチェックリストを作成するということが記載されている。
【0006】
特許文献2には、日本語文について、主語および目的語等といった本来は必須の構成要素が省略されている文を正確に統語解析し、意味解析するために、「名詞句を受けない句結合子」を検索し、省略された構成要素の品詞を特定する技術が開示されている。
【0007】
特許文献3には、検索ボックスなどの文字入力ボックスにスペースなど特定文字で区切られた複数の語句で構成された文字列を入力するとき、文字入力ボックスにある語句を入力すると、過去に入力した文字列の履歴に基づいて、その語句と共に入力されるであろう語句を予測し、補完する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012−53755号公報
【特許文献2】特開2007−133905号公報
【特許文献3】特開2007−58444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1の技術は、DBに登録されているチェック項目を抽出して用いるので、チェック対象システムが、DBに格納されたチェック項目によるチェックの対象とされたシステムと全く異なる場合には適切なチェック項目が抽出されない場合がある。また、DBに登録されているチェック項目に曖昧性があれば、抽出されるチェック項目も曖昧なものとなってしまう。
【0010】
特許文献2の技術は、省略された構成要素の品詞を特定することはできるが、省略された単語そのものの意味を特定できないため、省略された部分を補完して日本語文の曖昧性を改善することはできない。
【0011】
特許文献3の技術は、入力されるであろう語句を過去に入力された文字列における語句の組み合わせに基づいて補完するので、チェック項目のように全体として意味を持つ情報を補完するのには適していない。
【0012】
本発明の目的は、情報システムに関する作業において不具合がないことをチェックするためのチェックリストについて一意に解釈できるチェックルールを作成する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によるチェックルール作成装置は、情報システムをチェック対象とし前記情報システムに関する作業において不具合がないことをチェックするためのチェックルールを作成するチェックルール作成装置であって、情報システムをチェック対象とし前記情報システムに関する作業において不具合がないことをチェックするための自然語による記述を含む既存チェックリストのチェック項目毎に、該チェック項目に含まれる記述を形態素解析して所定の単語を抽出し、該単語を列挙した整形チェックリストを作成する前処理部と、情報システムに関する事項とそれを示す自然語による単語とを対応づけた自然語変換情報を蓄積した自然語変換情報蓄積部と、前記整形チェックリストの単語と前記自然語変換情報の単語とを比較することにより、前記整形チェックリストにおける前記情報システムのチェック項目としての曖昧箇所を抽出する曖昧性評価部と、前記自然語変換情報に基づいて前記曖昧箇所の内容を推定する曖昧箇所補完部と、前記抽出された前記曖昧箇所に前記推定された内容を付加して前記チェックルールを作成するチェックルール変換部と、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、情報システムに関する作業において不具合がないことをチェックするためのチェックリストについて一意に解釈できるチェックルールを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態によるチェックルール作成装置の機能構成図である。
図2図1示したチェックリスト作成装置の機能ブロック図である。
図3図1に示したチェックリスト作成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図4図2に示した参照元チェックリストの一例を示す図である。
図5図1に示したチェックリスト前処理部における形態素解析結果の一例を示す図である。
図6図1に示したチェックリスト前処理部における幾何学的情報の解析結果の一例を示す図である。
図7図1に示した自然語変換情報蓄積部に蓄積された情報のひとつであるシステム構成情報の具体例を示す図である。
図8図1に示した自然語変換情報蓄積部に蓄積された情報のひとつであるファイル構成情報の具体例を示す図である。
図9図1に示した自然語変換情報蓄積部に蓄積された情報のひとつであるメトリクス情報の具体例を示す図である。
図10図1に示した自然語変換情報蓄積部に蓄積された情報のひとつである値・演算子情報の具体例を示す図である。
図11図1に示した曖昧性箇所補完部における処理を説明するための図である。
図12図1に示した曖昧性箇所補完部における処理を説明するための図である。
図13図1に示したチェックルール蓄積部に蓄積されたチェックルール形式の具体例を示す図である。
図14図1に示した同義語学習部における処理を説明するための図である。
図15図1に示したチェックルール信頼性学習部における処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態によるチェックルール作成装置の機能構成図である。
【0018】
本実施形態によるチェックルール作成装置は、図1に示すように、メモリ10と、HDD11と、CPU12と、入力装置13と、表示装置14とを備えた計算機1から構成される。メモリ10は、チェックリスト前処理部101と、曖昧性評価部102と、曖昧性箇所補完部103と、チェックルール変換部104と、同義語学習部105と、チェックルール信頼性学習部106と、自然語変換情報更新部107と、チェックルール出力部108とを備える。これはすなわち、HDD11に格納された処理プログラムがメモリ10上に展開されたものであり、CPU12で演算が実行され、各機能が実現される。HDD11は、整形チェックリスト蓄積部111と、自然語変換情報蓄積部112と、チェック作業ログ蓄積部113と、チェックルール蓄積部114とを備える。これらは、メモリ10の各部、つまり、プログラムの各機能で用いる各種データがHDD11に保持されていることを示す。
【0019】
以下に、上記のように構成されたチェックリスト作成装置のメモリ10上に展開されたプログラムの各機能およびそれによるチェックリスト作成装置の動作について説明する。
【0020】
図2は、図1示したチェックリスト作成装置の機能ブロック図である。図3は、図1に示したチェックリスト作成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0021】
図1示したチェックリスト作成装置においては、まず、チェックリスト前処理部101において、自然言語で記述された参照元チェックリスト201を入力として、チェック前処理機能を実行する。
【0022】
図4は、図2に示した参照元チェックリスト201の一例を示す図である。
【0023】
図2に示した参照元チェックリスト201は、情報システムをチェック対象とし情報システムに関する作業において不具合がないことをチェックするための自然語による記述を含む既存のチェックリストである。参照元チェックリスト201は、例えば図4に示すように、日本語で作業者などによってExcel形式等の電子ファイルに記述されており、チェックリストの題名や、チェック項目の属性を表す大項目や中項目などの上位属性が含まれていてもよい。参照元チェックリスト201は、チェックリスト前処理部101によって言語的・幾何学的な分析を施すため、決まった形式を指定するものではない。
【0024】
チェックリスト前処理部101は、まず、図4に示したような参照元チェックリスト201の各所に存在する日本語文について形態素解析を行ない、所定の単語として用言と体言を抽出し、カンマ区切りで列挙した形に変換する(ステップ1)。
【0025】
図5は、図1に示したチェックリスト前処理部101における形態素解析結果の一例を示す図である。
【0026】
図5に示すように、チェックリスト前処理部101は、参照元チェックリスト201のチェック項目毎に、チェック項目に含まれる記述について形態素解析を行ない、所定の単語として用言と体言を抽出し、カンマ区切りで列挙した形に変換する。
【0027】
さらに、チェックリスト前処理部101は、参照元チェックリスト201の電子ファイルの幾何学的情報を解析し、タイトルや大項目、中項目などの参照元チェックリスト内のある1つのチェック項目に関連する他箇所の体言、用言を特定する。
【0028】
図6は、図1に示したチェックリスト前処理部101における幾何学的情報の解析結果の一例を示す図である。
【0029】
図6に示すように、チェックリスト前処理部101は、参照元チェックリスト201のチェック項目毎に、幾何学構造に表された階層構造に従って、関連するほか箇所の体言、用言も含めてすべてカンマで区切って列挙する(ステップ2)。さらに、チェックリスト前処理部101は、ある語に、「・・・ない」などといった否定語が係っている場合、否定語の有無と否定語が係っている語も記載する。例えば、図5に示した例であれば、大項目が「容量、チェック」、中項目が「ファイル」についてのチェック項目に含まれる「存在しない」が対象となり、「存在」が、否定語が係っている語に相当する。また、日本語文に省略や体言止めが行なわれていて否定語の有無が判定できない場合、不明の旨を記載する。例えば、図4に示した参照元チェックリスト201においては、「承認欄は空白」という項目について「判定不可」とする。
【0030】
チェックリスト前処理部101は、上述した形態素解析および幾何学的情報の解析を行うことで、参照元チェックリスト201のチェック項目に含まれる記述から抽出された単語を列挙した整形チェックリストを作成し、整形チェックリスト蓄積部111に蓄積する。なお、チェックリスト前処理部101において、形態素解析のみを行うことも考えられるが、幾何学的情報の解析を行うことで、チェックルールの作成を強化することができる。
【0031】
ここで、図1に示した自然語変換情報蓄積部112には、情報システムに関する事項とそれを示す自然語による単語とを対応づけた自然語情報が蓄積されており、以下に、その蓄積された情報について詳細に説明する。
【0032】
図7は、図1に示した自然語変換情報蓄積部112に蓄積された情報のひとつであるシステム構成情報の具体例を示す図である。
【0033】
図7に示すように、図1に示した自然語変換情報蓄積部112には、チェックルールを作成する対象となる情報システムの構成要素(図中左側)と、その情報システムの各構成要素を表すと予測される自然語による単語(図中右側)とを対応づけたシステム構成情報が、作業者などの入力によって蓄積されている。なお、図中、データや対象としてあり得ないものについては、網掛けで表示してある。
【0034】
図8は、図1に示した自然語変換情報蓄積部112に蓄積された情報のひとつであるファイル構成情報の具体例を示す図である。
【0035】
図8に示すように、図1に示した自然語変換情報蓄積部112には、チェックルールを作成する対象となる情報システムにて利用されファイル内に単語を含むファイルを列挙したファイル構成情報が、作業者などの入力によって蓄積されている。
【0036】
図9は、図1に示した自然語変換情報蓄積部112に蓄積された情報のひとつであるメトリクス情報の具体例を示す図である。
【0037】
図9に示すように、図1に示した自然語変換情報蓄積部112には、システム状態やファイル状態のチェックにあたり、システムやファイルのどの構成要素にどのような不具合が起こりえるか、その不具合を検出するために必要な事項、すなわち、チェックルールを作成する対象となるシステムに関する作業にて想定されるその構成要素に関する原因の不具合およびファイルに関する原因の不具合の有無を判定するためにチェックすべき事項を示すメトリクスと、システムの各構成要素の各不具合を検出するためのメトリクスを表すと予測される日本語、すなわち、このメトリクスに関連する自然語による単語とを対応づけたメトリクス構成情報が、作業者などの入力によって蓄積されている。
【0038】
図10は、図1に示した自然語変換情報蓄積部112に蓄積された情報のひとつである値・演算子情報の具体例を示す図である。
【0039】
図10に示すように、図1に示した自然語変換情報蓄積部112には、システム状態やファイル状態のチェックにあたり、不具合の有無を区別するメトリクスの状態を示す自然語による単語と、そのメトリクスの状態を示す演算子および値とを対応づけた値演算子構成情報が蓄積されている。
【0040】
曖昧性評価部102は、上述したように自然語変換情報蓄積部112に蓄積された単語と、整形チェックリスト蓄積部111に蓄積された整形チェックリストの単語とを比較することにより、整形チェックリストにおける情報システムのチェック項目としての曖昧箇所を抽出する(ステップ3)。
【0041】
曖昧性評価部102はまず、自然語変換情報蓄積部112からシステム構成情報とファイル構成情報を取得し、整形チェックリスト111に蓄積された整形チェックリストの1行を選択し、その1行に含まれる単語がシステム構成情報に記載された単語とファイル構成情報のうちどちらに一致するものがあるかを検索する。もし、整形チェックリストから選択された単語が、システム構成情報にある単語と一致すれば、このチェック項目が、システム構成要素の状態をチェック対象とする項目であると判定し、ファイル構成情報にある単語と一致すれば、このチェック項目が、ファイルの状態をチェック対象とする項目であると判定する。
【0042】
チェック項目がシステム構成要素の状態をチェック対象とする項目であると判定した場合、曖昧性評価部102は、選択した1行に含まれる単語が、システム構成情報に記載された単語と一致するものを検索する。一致した単語に対応するシステム構成を「チェック対象因子」として定義する。
【0043】
また、チェック項目がファイルの状態をチェック対象とする項目であると判定した場合は、曖昧性評価部102は、チェック対象となるファイル内を検索して、選択した1行に含まれる単語が存在するかを、例えば図6に示す整形チェックリスト111の左の単語から検索する。最も左の単語が検索された場合は、次に右隣の単語を検索する。このように続けてチェック対象となるファイル内に単語が検索されなくなるまで行なう。検索順に階層化し、これをこのチェック項目における「チェック対象因子」として定義する。
【0044】
曖昧性評価部102は次に、自然語変換情報蓄積部112からメトリクス情報を取得し、選択した1行に含まれる単語がメトリクス情報に記載された単語と一致するものを検索する。一致した単語に対応するメトリクスを「メトリクス因子」として定義する。
【0045】
さらに曖昧性評価部102は、自然語変換情報蓄積部112から値・演算子情報を取得し、選択した1行に含まれる単語が値・演算子情報に記載された単語と一致するものを検索する。一致した単語に対応する値・演算子因子を「値・演算子因子」として定義する。
【0046】
曖昧性評価部102は、上述した自然語変換情報蓄積部112から取得した、システム構成情報、ファイル構成情報、メトリクス情報および値・演算子情報を用いた一連の処理を、整形チェックリスト111に蓄積された整形チェックリストに含まれるすべての単語に対応づけて行い、すべて単語にて一致した場合、「信頼性」を100%とし、加えて「チェック対象因子」「メトリクス因子」「値・演算子因子」それぞれの値を持ち、選択した1行の関する曖昧性評価機能における処理を終える。
【0047】
一方、曖昧性評価部102は、整形チェックリスト111に自然語変換情報蓄積部112に蓄積された自然語変換情報に対応づける単語がない場合は、その単語に相当する箇所を「曖昧箇所」として判定し、加えて「チェック対象因子」「メトリクス因子」「値・演算子因子」のうち単語が一致し決定したものに関してはその値を持ち、選択した1行の関する曖昧性評価機能における処理を終える。
【0048】
このように、語を対応づける単純な処理により曖昧箇所を容易に抽出することができる。
【0049】
次に、曖昧性箇所補完部103において、曖昧性評価部102で判定した「信頼性」が100%ではない整形チェックリスト行の曖昧箇所について、その因子の具体値を推定することで補完する(ステップ4)。
【0050】
図11は、図1に示した曖昧性箇所補完部103における処理を説明するための図である。
【0051】
図11に示した例においては、チェックルールを作成する対象となる情報システムの構成要素(図中左側)について、「チェック対象因子」が「運用監視サーバ」の「CPU」までしか決定しておらず、運用監視サーバの5つのサーバN011,N012,N013,S011,S012のうち、どのサーバのCPUについてチェックすればいいか判断できず、その箇所が[曖昧箇所]として抽出されている(図中右上)。
【0052】
この場合、「運用監視サーバ」はN011,N012,N013,S011,S012のうち5152535455通りのとり方が考えられる。そのため、曖昧性箇所補完部103においては、「チェック対象因子」をN011,N012,N013,S011,S012すべてにして、5つのチェック項目を作成し、5つのチェック項目の「メトリクス因子」「値・演算子因子」はすべて初期値と同じものをとり、信頼性はそれぞれのサーバがとり得る確率23%として処理を終了する(図中右下)。
【0053】
図12は、図1に示した曖昧性箇所補完部103における処理を説明するための図であり、曖昧性箇所補完部103において、「演算子因子」に係る単語に否定語があるか否かが判断できなかったため「=」か「≠」かが判定できなかったものの処理の例を示す。
【0054】
曖昧性箇所補完部103において、日本語文に省略や体言止めが行なわれていて否定語の有無が判定できずに否定語の判定が不可となっていることで、「演算子因子」に係る単語について「=」か「≠」かが判定できなかった場合は(図中左側)、曖昧性箇所補完部103は、その因子を曖昧箇所と判定する(図中右上)。
【0055】
曖昧性箇所補完部103は、曖昧箇所を判定された整形チェックリスト内において、他の項目に否定語があるか否かを検索し、否定語のある割合で「=」「≠」を判断する。図12に示す例では、整形チェックリストの他の9個の項目はすべて否定語がないため、「=」である確率が高く、9/10が否定語でないため、曖昧性箇所補完部103は、信頼性90%として処理を終了する(図中右下)。
【0056】
次に、チェックルール変換部104において、曖昧性評価部102で信頼性100%になったチェック項目と、曖昧性評価部102にて判定された曖昧箇所に曖昧性箇所補完部103にて推定された内容を付加することで改善されたチェック項目チェック項目をあわせて、一つのチェックルールの形式に整えることでチェックルールを作成し、チェックルール蓄積部114に蓄積する(ステップ5)。
【0057】
図13は、図1に示したチェックルール蓄積部114に蓄積されたチェックルール形式の具体例を示す図である。
【0058】
図13に示すように、上述した一連の処理により、チェック対象、メトリクス、値、演算子の4つの因子のそれぞれについて、その記載内容が定式化したものとなり、チェック内容を機械や作業者が一意に解釈できるようになる。
【0059】
チェックルール出力部108においては、チェックルール蓄積部104に蓄積されたチェックルールを図1の表示装置14にて表示出力することで、作業者などがチェックルールを閲覧することができる(ステップ6)。
【0060】
上述したように、既存チェックリストを利用し、かつ既存チェックリストにおける曖昧性を抑制しながら、情報システムのチェックルールを作成することにより、情報システムに関する作業において不具合がないことをチェックするためのチェックリストについて一意に解釈できるチェックルールを作成することができる。
【0061】
以下に、図1に示した同義語学習部105、チェックルール信頼性学習部106および自然語変換情報更新部107の機能および処理について説明する。
【0062】
図1に示した同義語学習部105においては、チェック作業ログ蓄積部113から実際に行われたチェック作業と結果の詳細が書かれたチェック作業ログを取得するとともに、整形チェックリスト蓄積部111からこれまで作成された整形チェックリストをすべて取得し、チェック作業ログのある一つの事象に対し、整形チェックリストがその事象を表している単語が複数ある場合、その単語は同義語と定義する。
【0063】
図14は、図1に示した同義語学習部105における処理を説明するための図である。
【0064】
例えば図14の上図に示すように、整形チェックリスト蓄積部111から取得した整形チェックリストにおいて、「使用率」、「使った、割合」、「利用率」と異なった単語が並んでいるものの、図14の下図に示すように、チェック作業ログ蓄積部113から取得したチェック作業ログにおいて、それらのすべてのチェック項目について、リソースの使用率を計るプログラムが起動している場合、同義語学習部105は、「使用率」と「使った、割合」と「利用率」とを同義語と定義する。
【0065】
このように、同義語学習部105において、整形チェックリスト蓄積部111に蓄積された整形チェックリストと、チェック作業ログ蓄積部113に蓄積された情報システムのチェック作業ログとを比較し、整形チェックリストに含まれる互いに異なる単語について、チェック作業が同一となる単語を同義語と定義することになる。
【0066】
また、図1に示したチェックルール信頼性学習部106においては、整形チェックリスト蓄積部111から整形チェックリストを取得するとともに、チェック作業ログ蓄積部113から実際に行われたチェック作業と結果の詳細が書かれたチェック作業ログを取得し、チェックルールに対するチェック作業の法則性を学習する。
【0067】
図15は、図1に示したチェックルール信頼性学習部106における処理を説明するための図である。
【0068】
例えば図15の左図に示すように、整形チェックリスト蓄積部111に蓄積されたチェックルールにおいて、メモリやCPUの使用率をチェックする際にどのサーバについてチェックすればいいか曖昧なためにすべてがリストアップされている一方、図15の右図に示すように、チェック作業ログ蓄積部113に蓄積されたチェック作業ログが、すべて現用サーバのみをチェックしている旨を示している場合、チェックルール信頼性学習部106において、リソース使用率をチェックする場合は、現用サーバについて行なえばよいという法則性を学習する。
【0069】
このように、チェックルール信頼性学習部106において、整形チェックリスト蓄積部111に蓄積されたチェックルールと、チェック作業ログ蓄積部113に蓄積された情報システムのチェック作業ログとを比較し、チェックルールと情報システムのチェック作業ログとの対応状況に基づいて、チェックルールに対するチェック作業の法則性を学習することになる。
【0070】
また、図1に示した自然語変換情報更新部107においては、同義語学習部105で定義した同義語と、チェックルール信頼性学習部106で学習した事象とをそれぞれ受け取り、その内容を用いて自然語変換情報蓄積部112に蓄積された情報を更新する。それにより、同義語学習部105にて定義した同義語が、曖昧性評価部102が単語を比較する処理に反映されるとともに、チェックルール信頼性学習部106にて学習された法則性が、曖昧性箇所補完部103が曖昧箇所の内容を推定する処理に反映されることになる。
【0071】
この結果、チェック作業ログ蓄積部113に蓄積されたチェック作業ログが増えるほど、自然語変換情報蓄積部112に蓄積された情報の精度が高くなり、曖昧性評価部102および曖昧性箇所補完部103における処理がより精度高く行なえるようになり、チェックルールの信頼性が向上する。
【符号の説明】
【0072】
10…メモリ、11…HDD、12…CPU、13…入力装置、14…表示装置、101…チェックリスト前処理部、102…曖昧性評価部、103…曖昧性箇所補完部、104…チェックルール変換部、105…同義語学習部、106…チェックルール信頼性学習部、107…自然語変換情報更新部、108…チェックルール出力部、111…整形チェックリスト蓄積部、112…自然語変換情報蓄積部、113…チェック作業ログ蓄積部、114…チェックルール蓄積部
図1
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