【実施例1】
【0012】
実施例1における運転支援装置と運転支援システムは、ナビゲーション装置により案内された誘導経路(移動経路)に沿って、予め設定された速度で自動運転する移動体としての自車両に搭載される。
【0013】
[運転支援装置と運転支援システムの構成]
図1は、実施例1の運転支援装置と運転支援システムの構成を示す構成図である。
図2は、実施例1の道路情報DBを説明する説明図である。
図3は、実施例1の地図道路対応テーブルを説明する説明図である。
図4は、実施例1の車速テーブルを説明する説明図である。以下、
図1〜
図4に基づいて、実施例1の運転支援装置と運転支援システムの構成を説明する。
【0014】
運転支援装置1は、道路情報受信部5と、位置情報受信部6と、報知部としての表示部15と、報知部としての音声出力部16と、制御部20と、を備える。運転支援システム50は、運転支援装置1と、検知部としてのカメラ部10と、を備える。
【0015】
道路情報受信部5は、例えば、FM多重放送を受信するものとする。道路情報受信部5は、通信ネットワーク3を介して、道路情報サーバ2としてのVICS(登録商標、Vehicle Information and Communication System)から、VICSリンクに対応した道路情報を受信する。この道路情報は、例えば、高速道路や一般道路における渋滞情報や規制情報(事故、工事、災害、気象条件等による規制情報)等である。VICSリンクとは、交差点などの単位で区切って符号を付けた道路の区間である。なお、道路情報受信部5は、ビーコン情報を受信するものであってもよい。道路情報受信部5が受信した道路情報は、制御部20に送信される。
【0016】
位置情報受信部6は、例えば、GPS衛星から信号を受信するものとする。位置情報受信部6は、受信した信号に基づいて自車両の位置情報を取得する。位置情報受信部6が受信した位置情報は、制御部20に送信される。
【0017】
カメラ部10は、自車両の右側に設けられて自車両の右方を撮影する右方カメラ部11と、自車両の前側に設けられて自車両の前方を撮影する前方カメラ部12と、自車両の後側に設けられて自車両の後方を撮影する後方カメラ部13と、自車両の左側に設けられて自車両の左方を撮影する左方カメラ部14と、で構成される。4台のカメラ部10により、自車両の周囲の領域を漏れなく観測することができるようになっている。なお、実施例1では、4台のカメラ部10を使用しているが、使用されるカメラ部の数は、この態様に限定されない。カメラ部10が検知した検知情報は、制御部20に送信される。
【0018】
表示部15は、自車両の車室内のインストルメントパネルに設けられ、例えば、タッチパネルと一体型になった液晶ディスプレイとする。乗員は、このタッチパネルを操作することで、目的地の設定をすることができる。表示部15は、ナビゲーション装置から提供された誘導経路(移動経路)を表示する。表示部15は、後述する設定可能な速度を画像により表示する。表示部15に入力された目的地の情報は、制御部20に送信される。
【0019】
音声出力部16は、自車両の車室内に設けられたスピーカとする。音声出力部16は、後述する設定可能な速度を音声により出力する。
【0020】
制御部20は、渋滞列判断部21と、距離算出部22と、速度判断部23と、報知判断部24と、車線変更判断部25と、記憶部30と、を備える。なお、制御部20は、運転支援装置1の全体の制御を司る。制御部20は、後述する速度報知処理を実行し、その処理情報を表示部15と音声出力部16に送信する。
【0021】
記憶部30は、道路情報DB31と、地図情報DB32と、地図道路対応テーブル33と、運転者情報DB34と、車速テーブル35と、を備える。
【0022】
道路情報DB31は、道路情報受信部5が受信した道路情報を記憶する。道路情報DB31は、
図2に示すように、例えば、各VICSリンクに対応した渋滞レベルと、各VICSリンクの渋滞列の最後尾の位置(所定の地点)を記憶する。渋滞レベルは、「順調」、「混雑」、「渋滞」に区分けされる。渋滞レベルが「渋滞」とは、例えば、道路種別が一般道路においては、車両の移動速度が10[km/h]以下の場合をいい、道路種別が都市内高速道路においては、車両の移動速度が20[km/h]以下の場合をいい、道路種別が都市間高速道路においては、車両の移動速度が40[km/h]以下の場合をいう。渋滞レベルが「混雑」とは、例えば、道路種別が一般道路においては、車両の移動速度が10〜20[km/h]の場合をいい、道路種別が都市内高速道路においては、車両の移動速度が20〜40[km/h]の場合をいい、道路種別が都市間高速道路においては、車両の移動速度が40〜60[km/h]の場合をいう。渋滞レベルが「順調」とは、例えば、道路種別が一般道路においては、車両の移動速度が20[km/h]以上の場合をいい、道路種別が都市内高速道路においては、車両の移動速度が40[km/h]以上の場合をいい、道路種別が都市間高速道路においては、車両の移動速度が60[km/h]以上の場合をいう。実施例1では、渋滞列とは、渋滞レベルが「渋滞」と「混雑」である場合の、車両の列を示す。
【0023】
具体的には、例えば、道路情報DB31は、VICSリンクがリンク100では、VICSリンクの終点から80000[m]の地点に、渋滞レベルが「混雑」である渋滞列の最後尾があるという情報を記憶する。道路情報DB31は、VICSリンクがリンク200では、VICSリンクの終点から30000[m]の地点に、渋滞レベルが「渋滞」である渋滞列の最後尾があるという情報を記憶する。道路情報DB31は、VICSリンクがリンク300では、VICSリンクの終点から18000[m]の地点に、渋滞レベルが「混雑」である渋滞列の最後尾があるという情報を記憶する。道路情報DB31は、VICSリンクがリンク400では、渋滞レベルが「順調」であるという情報を記憶する。道路情報DB31は、VICSリンクがリンク500では、VICSリンクの終点から7000[m]の地点に、渋滞レベルが「渋滞」である渋滞列の最後尾があるという情報を記憶する。
【0024】
地図情報DB32は、位置情報受信部6が取得した自車両の位置情報を記憶する。地図情報DB32は、地図リンクに対応した地図情報を予め記憶する。地図情報は、例えば、所定の地域(例えば、日本全国)の道路の形状等の情報である。また、地図情報DB32は、各道路の制限速度(法定速度)等の予め規定された車両の速度に関する情報を記憶する。
【0025】
地図道路対応テーブル33は、
図3に示すように、道路情報DB31が記憶したVICSリンクと、地図情報DB32が記憶した地図リンクとを対応させる。すなわち、VICSリンクの単位と、地図リンクの単位とを対応させる。
【0026】
具体的には、例えば、VICSリンクのリンク100は、地図リンクのリンクL1001、リンクL1002及びリンクL1003と対応する。VICSリンクのリンク200は、地図リンクのリンクL2001、リンクL2002、リンクL2003及びリンクL2004と対応する。VICSリンクのリンク300は、地図リンクのリンクL3001及びリンクL3002と対応する。VICSリンクのリンク400は、地図リンクのリンクL4001及びリンクL4002と対応する。VICSリンクのリンク500は、地図リンクのリンクL5001と対応する。これにより、制御部20は、地図上における道路の混雑状況を取得する。
【0027】
運転者情報DB34は、位置情報受信部6が取得した自車両の位置情報や、乗員が表示部15で設定した目的地の情報等を記憶する。
【0028】
車速テーブル35は、
図4に示すように、渋滞列の最後尾から自車両までの距離と、自車両へ設定可能な速度とを対応させる。車速テーブル35は、渋滞列の最後尾から自車両までの距離が長いほど、設定可能な速度を速くするように設定する。なお、設定可能な速度は、地図情報DB32に記憶された各道路の制限速度(法定速度)等の予め規定された車両の速度に関する情報を考慮する。
【0029】
具体的には、例えば、渋滞列の最後尾から自車両までの距離Δdが10000[m]≦Δd<30000[m]の場合、設定可能な速度は、自車両の自動運転のために予め設定された速度に対して、+10[km/h]とする。渋滞列の最後尾から自車両までの距離Δdが30000[m]≦Δd<50000[m]の場合、設定可能な速度は、自車両の自動運転のために予め設定された速度に対して、+20[km/h]とする。渋滞列の最後尾から自車両までの距離Δdが50000[m]≦Δdの場合、設定可能な速度は、自車両の自動運転のために予め設定された速度に対して、+30[km/h]とする。ナビゲーション装置から提供された目的地までの誘導経路に渋滞列が存在しない場合、設定可能な速度は、自車両の自動運転のために予め設定された速度に対して、+40[km/h]とする。
【0030】
渋滞列判断部21は、地図道路対応テーブル33を参照し、運転者情報DB34に記憶された自車両の位置情報と、道路情報DB31に記憶された道路情報と、に基づいて、ナビゲーション装置から提供された誘導経路において、渋滞列の有無を判断する。
【0031】
距離算出部22は、地図道路対応テーブル33を参照し、運転者情報DB34に記憶された自車両の位置情報と、道路情報DB31に記憶された道路情報と、に基づいて、ナビゲーション装置から提供された誘導経路における、渋滞列の最後尾から自車両までの距離を算出する。
【0032】
速度判断部23は、車速テーブル35を参照し、距離算出部22の算出した距離に基づいて、自車両の設定可能な速度を判断する。
【0033】
報知判断部24は、カメラ部10の検知情報に基づいて、報知部としての表示部15と、音声出力部16とに自車両の設定可能な速度を報知させるか否かを判断する。なお、報知部としては、表示部15と音声出力部16との何れか一方とすることができる。
【0034】
車線変更判断部25は、カメラ部10の情報に基づいて、車線変更を必要とする状況であるか否かを判断する。車線変更判断部25の判断情報は、表示部15と音声出力部16と自動運転制御部17とに送信される。
【0035】
[報知判断部の判断動作]
図5及び
図6は、実施例1の報知判断部24の判断動作について説明する説明図である。以下、
図5及び
図6に基づいて、実施例1の報知判断部24の判断動作について説明する。
【0036】
報知判断部24は、カメラ部10の検知情報に基づいて、注意すべき状況であるか否かを判断する。報知判断部24は、注意すべき状況であると判断した場合、報知部としての表示部15と、音声出力部16とに自車両Mの設定可能な速度を報知させないと判断する。
【0037】
(注意すべき状況)
注意すべき状況とは、速度判断部23が自車両Mの設定可能な速度を速くする(上げる)ことができると判断した場合であっても、カメラ部10が検出した自車両Mの周囲の状況から、その旨を報知すべきではない状況をいう。
【0038】
例えば、
図5に示すように、自車両Mが左車線を速度S1で走行しているとする。後方カメラ部13は、右車線を速度S1より速い速度S2で走行し、自車両Mに後方から接近する他車両Nを検知する。
【0039】
この場合、他車両Nは、自車両Mを追い越して、左車線に車線変更する可能性があるため、自車両Mが速度を上げると、自車両Mは、他車両Nに衝突する虞がある。そのため、報知判断部24は、注意すべき状況と判断して、表示部15と音声出力部16とに自車両Mの設定可能な速度を報知させないと判断する。
【0040】
そして、他車両Nが自車両Mを追い越し、自車両Mの遥か前方に移動したことを、前方カメラ部12が検知した場合、自車両Mは、他車両Nに衝突する虞はなくなる。そのため、報知判断部24は、表示部15と音声出力部16とに自車両Mの設定可能な速度を報知させると判断する。
【0041】
例えば、
図6に示すように、自車両Mが左車線を速度S1で走行しているとする。前方カメラ部12は、左車線を速度S1より遅い速度S3で走行し、自車両Mに前方から接近する他車両Nを検知する。
【0042】
この場合、自車両Mが速度を上げると、自車両Mは、他車両Nに衝突する虞がある。そのため、報知判断部24は、注意すべき状況と判断して、表示部15と音声出力部16とに自車両Mの設定可能な速度を報知させないと判断する。
【0043】
そして、他車両Nが右車線に車線変更をしたことを前方カメラ部12が検知した場合、自車両Mは、他車両Nに衝突する虞はなくなる。そのため、報知判断部24は、表示部15と音声出力部16とに自車両Mの設定可能な速度を報知させると判断する。
【0044】
例えば、自車両Mが左車線を走行しているとする。前方カメラ部12は、自車両Mの前方であって、右車線を走行する他車両Nが左ウインカを点灯していることを検知する。
【0045】
この場合、他車両Nは、左車線に車線変更をする可能性があるため、自車両Mが速度を上げると、自車両Mは、他車両Nに衝突する虞がある。そのため、報知判断部24は、注意すべき状況と判断して、表示部15と音声出力部16とに自車両Mの設定可能な速度を報知させないと判断する。
【0046】
そして、自車両Mが右車線に車線変更をし、他車両Nが左車線に車線変更をしたことを前方カメラ部12が検知した場合、自車両Mは、他車両Nに衝突する虞はなくなる。そのため、報知判断部24は、表示部15と音声出力部16とに自車両Mの設定可能な速度を報知させると判断する。
【0047】
すなわち、カメラ部10の検知情報が、自車両Mの走行する車線と同一車線又は、自車両Mの走行する車線の隣接車線における、自車両Mに接近する他車両Nの情報である場合、報知判断部24は、表示部15と音声出力部16とに自車両Mの設定可能な速度を報知させないと判断する。なお、カメラ部10の検知情報としては、前方カメラ部12の検知情報、右方カメラ部11の検知情報、左方カメラ部14の検知情報、後方カメラ部13の検知情報の少なくとも1つの検知情報を使用することができる。また、実施例1では、カメラ部の検知情報を用いているが、ソナーやレーダによる検知情報を用いてもよい。
【0048】
[速度報知処理]
図7は、実施例1の速度報知処理を説明するフローチャートである。以下、
図7に基づいて、実施例1の速度報知処理について説明する。
【0049】
速度報知処理は、自車両が予め設定された速度の運転制御が開始されると開始される。速度報知処理が開始されると、制御部20は、道路情報受信部5が受信した道路情報を道路情報DB31に記憶する(ステップS101)。
【0050】
次いで、制御部20は、位置情報受信部6が取得した自車両の位置情報を運転者情報DBに記憶する(ステップS102)。
【0051】
次いで、制御部20は、表示部15に対して目的地の入力があるか否かを判断する(ステップS103)。表示部15に対して目的地の入力があると判断した場合(ステップS103でYES)、ステップS104に進む。一方、表示部15に対して目的地の入力がないと判断した場合(ステップS103でNO)、ステップS103に戻る。
【0052】
次いで、制御部20は、入力された目的地を運転者情報DB34に記憶する(ステップS104)。次いで、渋滞列判断部21は、目的地までの誘導経路に渋滞列があるか否かを判断する(ステップS105)。
【0053】
目的地までの誘導経路に渋滞列があると判断した場合(ステップS105でYES)、距離算出部22は、渋滞列の最後尾から自車両までの距離を算出し(ステップS106)、ステップS108に進む。一方、目的地までの誘導経路に渋滞列がないと判断した場合(ステップS105でNO)、距離算出部22は、目的地までの距離を算出し(ステップS107)、ステップS108に進む。
【0054】
次いで、速度判断部23は、距離算出部22が算出した距離に基づいて、自車両に対して設定可能な速度を判断する(ステップS108)。
【0055】
次いで、報知判断部24は、注意すべき状況があるか否かを判断する(ステップS109)。注意すべき状況があると判断した場合(ステップS109でYES)、ステップS109に戻る。一方、注意すべき状況がないと判断した場合(ステップS109でNO)、ステップS110に進む。
【0056】
次いで、制御部20は、速度判断部23が判断した設定可能な速度を、表示部15に表示させ、音声出力部16に出力させ(ステップS110)、速度報知処理を終了する。
【0057】
[運転支援装置と運転支援システムの作用]
以下、実施例1の運転支援装置と運転支援システムの作用について説明する。実施例1の運転支援装置1と運転支援システム50は、移動体(自車両M)が移動する移動経路における、移動体(自車両M)から所定の地点(渋滞列の最後尾又は目的地)までの距離を算出する距離算出部22と、距離算出部22の算出した距離に基づいて、移動体(自車両M)の設定可能な速度を判断する速度判断部23と、速度判断部23の判断した速度を報知する報知部(表示部15,音声出力部16)と、を備える(
図1)。
【0058】
これにより、所定の地点(渋滞列の最後尾)までの距離が長い程、運転者は、移動体(自車両M)の速度を速く設定することができる。そのため、移動体(自車両M)は、目的地まで早く到着することができる。
【0059】
実施例1の運転支援装置1と運転支援システム50は、移動体(自車両M)の周囲の状況を検知する検知部(カメラ部10)と、検知部(カメラ部10)の検知情報に基づいて、報知部(表示部15,音声出力部16)に報知させるか否かを判断する報知判断部24と、を備える(
図1)。
【0060】
これにより、報知判断部24は、移動体(自車両M)の周囲の状況を考慮して、移動体(自車両M)の設定可能な速度を報知することができる。移動体(自車両M)が速度を上げることを注意する状況であると、報知判断部24が判断した場合は、報知判断部24は、報知部(表示部15,音声出力部16)に報知させない。一方、移動体(自車両M)が速度を上げることを注意する状況でないと、報知判断部24が判断した場合は、報知判断部24は、報知部(表示部15,音声出力部16)に報知させる。そのため、移動体(自車両M)は、安全性を考慮して、速度を上げることができる。その結果、移動体(自車両M)は、安全性を考慮して、目的地まで早く到着することができる。
【0061】
実施例1の運転支援装置1と運転支援システム50は、検知部(カメラ部10)の検知情報が、移動体(自車両M)の走行する車線と同一車線又は、移動体(自車両M)の走行する車線と同じ方向に走行する車線における、移動体(自車両M)に接近する他の移動体(他車両N)の情報である場合、報知判断部24は、報知部(表示部15,音声出力部16)に報知させないと判断する(
図1)。
【0062】
これにより、移動体(自車両M)は、安全性を考慮して、速度を上げることができる。その結果、移動体(自車両M)は、安全性を考慮して、目的地まで早く到着することができる。
【実施例2】
【0063】
まず、実施例2における運転支援装置と運転支援システムについて説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一の符号を用いて説明する。
【0064】
実施例2の運転支援装置と運転支援システムは、車線変更判断部の判断が入る点で実施例1の運転支援装置と運転支援システムと相違する。
【0065】
(車線変更判断部の判断動作)
以下、実施例2の車線変更判断部25の判断動作について説明する。
【0066】
車線変更判断部25は、カメラ部10の検知情報に基づいて、車線変更を必要とする状況であるか否かを判断する。車線変更判断部25が車線変更を必要とする状況であると判断した場合、制御部20は、車線変更をする指示を自動運転制御部17に与える。
【0067】
(車線変更を必要とする状況)
車線変更を必要とする状況とは、速度判断部23が自車両Mの設定可能な速度を上げることができると判断した場合であって、自車両Mの設定速度を上げて走行する場合、カメラ部10が検出した自車両の周囲の状況を考慮して、車線変更をするべき状況をいう。
【0068】
例えば、自車両Mが右車線を走行しているとする。後方カメラ部13は、右車線を自車両Mより速い速度で走行し、自車両Mに後方から接近する他車両Nを検知する。
【0069】
この場合、他車両Nは、自車両Mに衝突する虞があるため、車線変更判断部25は、車線変更を必要とする状況と判断する。
【0070】
例えば、自車両Mが左車線を走行しているとする。前方カメラ部12は、左車線を自車両Mより遅い速度で走行し、自車両Mに前方から接近する他車両Nを検知する。
【0071】
この場合、自車両Mは、他車両Nに衝突する虞があるため、車線変更判断部25は、車線変更を必要とする状況と判断する。
【0072】
すなわち、カメラ部10の検知情報が、自車両Mの走行する車線と同一車線における、自車両Mに接近する他車両Nの情報である場合、車線変更判断部25は、車線変更をする必要があると判断する。
【0073】
[速度報知処理]
図8は、実施例2の速度報知処理を説明するフローチャートである。以下、
図8に基づいて、実施例2の速度報知処理について説明する。なお、ステップS201からステップS210は、実施例1のステップS101からステップS110と同様の処理であるため、その説明を省略する。
【0074】
ステップS211では、制御部20が速度の変更があったか否かを判断する。速度の変更があったと判断した場合(ステップS211でYES)、ステップS212に進む。一方、速度の変更がないと判断した場合(ステップS211でNO)、ステップS211に戻る。
【0075】
ステップS212では、車線変更判断部25は、車線変更を必要とする状況であるか否かを判断する。車線変更を必要とする状況であると判断した場合(ステップS212でYES)、ステップS213に進む。一方、車線変更を必要とする状況でないと判断した場合(ステップS212でNO)、ステップS212に戻る。
【0076】
ステップS213では、制御部20は、車線変更をする指示を自動運転制御部17に与え、速度報知処理を終了する。
【0077】
[運転支援装置と運転支援システムの作用]
以下、実施例2の運転支援装置と運転支援システムの作用について説明する。実施例2の運転支援装置1と運転支援システム50は、検知部(カメラ部10)の検知情報に基づいて、車線変更の必要性を判断する車線変更判断部25を備える(
図1)。
【0078】
これにより、移動体(自車両M)の走行している車線の前方に、移動体(自車両M)より速度の遅い移動体(他車両N)がいる場合、車線変更判断部25は、車線変更をする必要があると判断する。移動体(自車両M)は、車線変更判断部25の判断情報に基づいて、車線変更をすることができる。そのため、移動体(自車両M)は、目的地に早く到着することができる。
【0079】
また、移動体(自車両M)の走行している車線の後方に、移動体(自車両M)の速度より速い速度の移動体(他車両N)がいる場合、車線変更判断部25は、車線変更をする必要があると判断する。移動体(自車両M)は、車線変更判断部25の判断情報に基づいて、車線変更をすることができる。そのため、移動体(自車両M)は、安全性を考慮して、目的地まで早く到着することができる。
【0080】
実施例2の運転支援装置1と運転支援システム50は、検知部(カメラ部10)の検知情報が、移動体(自車両M)の走行する車線と同一車線における、移動体(自車両M)に接近する他の移動体(他車両N)の情報である場合、車線変更判断部25は、車線変更をする必要があると判断する。
【0081】
これにより、移動体(自車両M)は、安全性を考慮して、目的地まで早く到着することができる。なお、実施例2のこの他の構成及び作用効果については、実施例1と略同様であるため、説明を省略する。
【0082】
以上、本発明の運転支援装置と運転支援システムを実施例1及び実施例2に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成と動作については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、各実施例の組み合わせ、設計の変更や追加等は許容される。
【0083】
実施例1及び実施例2では、報知部を表示部15と音声出力部16とする例を示した。しかし、報知部としては、表示部15と音声出力部16との何れか一方としてもよい。また、報知部としては、この態様に限定されず、例えば座席を振動させるなどの振動により自車両の設定可能な速度を報知してもよい。
【0084】
実施例1及び実施例2では、渋滞列を、渋滞レベルが「渋滞」と「混雑」である場合とする例を示した。しかし、渋滞列としては、渋滞レベルを「渋滞」である場合だけでもよい。
【0085】
実施例1及び実施例2では、検知部をカメラ部10とする例を示した。検知部としては、レーダであってもよいし、ソナーであってもよいし、レーザーレーダ(ライダー)であってもよい。
【0086】
実施例1及び実施例2では、カメラ部10が検出するものを、他車両Nとする例を示した。しかし、カメラ部10が検出するものは、自動二輪車であってもよいし、歩行者などの移動体であってもよい。
【0087】
実施例1及び実施例2では、本発明の運転支援装置と運転支援システムを自動四輪車に適用する例を示した。しかし、本発明の運転支援装置と運転支援システムとしては、自動二輪車に適用することができる。
【0088】
実施例1及び実施例2では、本発明の運転支援装置と運転支援システムを自動運転により予め設定された速度で走行する車両に適用する例を示した。しかし、本発明の運転支援装置と運転支援システムは、自動運転ではなく走行する車両へも適用することができる。