【解決手段】種々の機能を実現する制御部101を備えたネットワークロボット装置100において、インターネット上の外部機能201と通信する通信部102と、ネットワークロボット装置100の内部処理用の情報と外部機能201に渡す外部処理用の情報とを記憶する記憶部103とを備え、制御部101は、内部処理用の情報を記憶部103から読み出して処理することにより装置本体100の機能を実現すると共に、外部処理用の情報を記憶部103から読み出し通信部102を通じて外部機能201に送信することにより外部機能201を機能させる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0012】
[本体のハードウェア構成]
図1は、ネットワークロボット装置としての買物支援装置の実施形態を示している。本実施形態の買物支援装置は、キャラクター外装1に包まれており、テンキー2の接続部と、カードリーダ3の接続部とを備えている。また、キャラクター外装1の両手と鼻に、それぞれ触覚スイッチ11を内蔵している。
【0013】
キャラクター外装1は、人や動物等のキャラクターの外観を呈する外装であり、本実施形態では猿の外観を呈しているが、様々なキャラクターの外観とすることができる。外観はユーザに親しみを与えるものが望ましいが、それに限るものではない。素材は、例えば、ぬいぐるみに用いられる素材を採用することができる。
【0014】
テンキー2は、必ずしも数字キーだけに限るものではなく、1つのキーで特別な指示を入力することのできるファンクションキーが含まれる。キーの数を必要最小限にした小型のキーボードが好ましいことから、本願ではテンキーと呼ぶ。
【0015】
カードリーダ3は、ユーザが所持するカード等から情報を読み込む装置であり、ICチップから情報を読み込むものでもよいし、磁気ストライプから情報を読み込むものでもよい。ユーザは、キャラクター外装1から発せられる音声に従って、テンキー2を操作することにより、また、カードリーダ3にカード等を読ませることにより、買物ができるようになっている。カードとして、クレジットカード、電子マネーカード、スーパーや商店街のポイントカードもしくはマイナンバーカード等又はこれらのカードと同様に機能するICチップを備えた携帯端末等を利用することができる。
【0016】
触覚スイッチ11は、ユーザがキャラクター外装1の手や鼻等を加圧した際に、加圧した部位に応じた音声を再生させるためのスイッチである。
【0017】
図2は、キャラクター外装1に内蔵された装置本体のブロック構成図である。
【0018】
キャラクター外装1の内部には、上記の触覚スイッチ11、テンキー接続部12、カードリーダ接続部13、制御部14、記憶部15、音声出力部16および通信部17を備えている。
【0019】
テンキー接続部12は、テンキー2を接続するUSB(ユニバーサルシリアルバス)等のインターフェースである。カードリーダ接続部13は、カードリーダ3を接続するUSB等のインターフェースである。制御部14は、プロセッサを備え、プログラムを実行することにより種々の機能を実現する。記憶部15は、フラッシュメモリ等の記憶装置に設けられ、音声記憶部、カタログ記憶部およびユーザ記憶部を含む。音声出力部16は、ユーザ向けに音声を発するスピーカであり、好ましくはキャラクター外装1の口あたりに配置される。通信部17は、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)のアダプタを備え、買物支援装置が生成した注文書の送信等に用いられる。買物支援装置の電源をバッテリーにすると、キャラクター外装1と共に装置本体を持ち運ぶことが容易になる。
【0020】
[本体内のデータ構造]
図3は、記憶部15に格納されるデータの構造を示す。
【0021】
図3(a)は、音声記憶部に格納されるデータの構造を示す。音声記憶部は、ユーザ識別子、音声セット識別子、音声識別子および音声データを関連付けて記憶する。
【0022】
「ユーザ識別子」は、カードリーダ3から読み込まれるカード番号等のカード固有の識別子の値に等しい。つまり、読み込むカードごとにユーザ識別子は異なる値を持ち、同一人物であっても、読み込むカードによって使用する音声データが異なる場合がある。
【0023】
「音声セット識別子」は、そのユーザ識別子に対応して使用される複数の音声のセットを示す識別子である。ユーザ識別子ごとに、使用される音声のセットは異なる場合がある。例を挙げると、あるユーザには丁寧語の音声セットを、あるユーザにはもっと砕けた言い回しの音声セットを使用する、というように、他にも標準語セット、方言セット、男性ボイスセット、女性ボイスセット、日本語セット、英語セット、など様々な音声セットをユーザに応じて使い分けることができるようになっている。
【0024】
「音声識別子」は、その音声セットに含まれる複数の音声を区別するための識別子である。音声識別子は音声データごとに固有の値が付与されるが、各音声セットは、同じ値の音声識別子のセットを持つ。例えば、オープニングに音声識別子sに対応する挨拶音声をプログラムが再生する場合に、ユーザに応じて音声セットAから音声識別子sに対応する挨拶音声(例えば標準語)を読み出して再生する場合と、ユーザに応じて音声セットBから音声識別子sに対応する挨拶音声(例えば方言)を読み出して再生する場合とがある。このとき、各音声セットが、同じ場面の音声に同じ音声識別子を持つことにより、共通のプログラムでの処理が可能となる。
【0025】
「音声データ」は、その音声識別子に対応する言葉や歌などのオーディオデータであり、ユーザが買物を進めるための案内音声(誘導音声)を含む。複数の音声データを繋いで意味をなす言葉を再生する場合もある。
【0026】
図3(b)は、カタログ記憶部に格納されるデータの構造を示す。カタログ記憶部は、ユーザ識別子、カタログ識別子、掲載識別子、商品識別子、音声識別子および商品情報を関連付けて記憶する。
【0027】
「ユーザ識別子」は、上述の通りである。「カタログ識別子」は、ユーザ識別子に対応して利用可能な商品カタログの識別子である。ユーザは、紙媒体等の商品カタログを見ながら商品を注文するようになっている。本願において、「商品」の語は「役務」を含む概念として用いている。
【0028】
「商品識別子」は、商品毎に固有の識別子である。同じ商品であっても、その提供者や仲介者が異なれば、異なる商品識別子が付与されている。
【0029】
「掲載識別子」は、その商品カタログに掲載されてる商品を区別するための識別子である。ユーザは、掲載識別子を入力することにより、注文する商品を商品カタログから選択するようになっている。
【0030】
「音声識別子」は、その商品の商品名を発音する音声データの識別子である。
【0031】
「商品情報」は、その商品に関する情報であり、商品名、商品画像、価格および説明文が含まれる。
【0032】
図3(c)は、ユーザ記憶部に格納されるデータの構造を示す。ユーザ記憶部は、ユーザ識別子、呼び名および個人情報を関連付けて記憶する。
【0033】
「ユーザ識別子」は、上記の通りである。「呼び名」は、そのユーザの呼び名(愛称)を発音する音声データである。「個人情報」は、そのユーザの個人情報であって、住所、氏名および電話番号を含む。「個人情報」は、カードリーダ3を通じてカードから個人情報を読み込めなかった場合に用いられる場合がある。
【0034】
[カタログ(チラシ)の構成]
図4は、ユーザが目にする商品カタログの一例を示している。本実施形態では、紙媒体の商品カタログであり、いわゆるチラシである。この商品カタログは、ユーザが所持している一のカードに対応しており、そのカードをカードリーダ3に読み込ませた場合に、購入可能となる商品を掲載している。各商品には1〜6の通し番号が付記されており、この1〜6の通し番号は
図3(b)に示した掲載識別子を示している。
【0035】
[商品の注文]
図5は、ユーザが商品を注文する手順を示したフローチャートである。このフローチャートに沿って、ユーザが
図4の商品カタログに掲載された商品を注文する動作を説明する。
図2の買物支援装置を稼働状態に設定し、ユーザは、
図4の商品カタログに対応するカード等をカードリーダ3に読ませる。制御部14は、カードリーダ3を通じてカード等からユーザ識別子Uとしてのカード固有番号を読み込む。また、当該カード等から読み出すことが可能な場合は、ユーザの住所、氏名および電話番号を読み込む(S1)。
【0036】
続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、オープニング音声に対応する音声識別子に関連付けられた音声データを音声記憶部から読み出す。また、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた呼び名の音声データをユーザ記憶部から読み出す。そして、制御部14は、読み出したオープニング音声の音声データと呼び名の音声データとを組み合わせ、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S2)。「○○さん、こんにちは。□□モンキーだよ!」。キャラクター外装1が発音する。記憶部15に登録されていないユーザ識別子のカードが使用された場合は、「このカードは使えないよ!」などと発音させ、装置を使用できないように制御するとよい。子供が遊びで注文する等の事態を防止することができる。
【0037】
続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、商品選択案内音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S3)。「○月のチラシの欲しい番号を押してね!」。ユーザは、
図4の商品カタログを見ながら、欲しい商品の掲載識別子1〜6のいずれかをテンキー2から入力する。
【0038】
制御部14は、ユーザが入力した掲載識別子Kをテンキー2から取得する(S4)。続いて、制御部14は、ユーザが選択した商品の商品名を発音する音声データを音声記憶部から取得する。つまり、制御部14は、ユーザ識別子Uおよび掲載識別子Kに関連付けられた音声識別子Vをカタログ記憶部から読み出し、更に、ユーザ識別子Uおよび音声識別子Vに関連付けられた商品名の音声データを音声記憶部から読み出す。また、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、商品確認音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出す。そして、制御部14は、読み出した商品確認音声の音声データと商品名の音声データとを組み合わせ、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S5)。「K番の○○(商品名)だね!これでよければ「はい」を、違うときは「いいえ」を押してね!」。
【0039】
ユーザは、テンキー2から「はい」又は「いいえ」を入力する。「いいえ」が入力された場合、制御部14は、S3の商品選択案内に戻る。一方、「はい」が入力された場合、以下の処理に進む(S5)。
【0040】
制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、数量入力案内音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S6)。「何個欲しいか、数を押してね!」。ユーザは、先ほど選択した商品の注文数量をテンキー2から入力する。
【0041】
制御部14は、ユーザが入力した注文数量をテンキー2から取得する(S7)。続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、ユーザが入力した数量の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出す。また、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、数量確認音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出す。そして、制御部14は、読み出した数量確認音声の音声データと数量の音声データとを組み合わせ、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S8)。「何個だね!これでよければ「はい」を、違うときは「いいえ」を押してね!」。
【0042】
ユーザは、テンキー2から「はい」又は「いいえ」を入力する。「いいえ」が入力された場合、制御部14は、S6の数量入力案内に戻る。一方、「はい」が入力された場合、以下の処理に進む。
【0043】
制御部14は、ユーザが選択した商品の商品識別子とその商品の注文数量とを記憶部15に記憶する。また、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、追加確認音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S9)。「他に欲しいものがあれば「はい」を、無いときは「いいえ」を押してね!」。
【0044】
ユーザは、テンキー2から「はい」又は「いいえ」を入力する。「はい」が入力された場合、制御部14は、S3の商品選択案内に戻る。一方、「いいえ」が入力された場合、以下の処理に進む。
【0045】
制御部14は、これまでにユーザが選択した各商品の商品識別子と各商品の各注文数量とを記憶部15から読み出す。制御部14は、読み出した各商品識別子に対応する商品の価格をカタログ記憶部の商品情報から読み出す。制御部14は、読み出した各商品の価格と各商品の注文数量とに基づいて注文合計金額を算出する。制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、算出された金額の音声識別子に対応する音声データと、各商品名の音声識別子に対応する音声データと、各商品の数量の音声識別子に対応する音声データとを、音声記憶部から読み出す。また、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、注文明細確認音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出す。そして、制御部14は、読み出した各音声データを組み合わせて、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S11)。
「それじゃあ、ご注文の商品を確認するよ!」
「長ねぎを3つと、大玉ももを2つと、だいこんを3つだね!」
「金額は、○○○○円だよ!」
「これでよければ「はい」を、違うときは「いいえ」を押してね!」
【0046】
ユーザは、テンキー2から「はい」又は「いいえ」を入力する。「いいえ」が入力された場合、制御部14は、S9の追加確認に戻る。一方、「はい」が入力された場合、次の処理に進む。ユーザは、どのタイミングにおいても、すべての入力を取り消すことができる。ユーザがテンキー2から「取り消し」を示すボタンを押した場合、制御部14は、記憶部15に記憶している商品識別子および注文数量をリセットし、S1のカード読み込みに戻る。
【0047】
制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、お届け日確認音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出す。また、制御部14は、カレンダーを参照し、本日から数日後にあたるお届けの第1候補日を決定する。また、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、決定した日付の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出す。そして、制御部14は、読み出した各音声データを組み合わせて、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S12)。
「お届け日は、○月×日でいい?」
「これでよければ「はい」を、違うときは「いいえ」を押してね!」
【0048】
ユーザは、テンキー2から「はい」又は「いいえ」を入力する。「いいえ」が入力された場合、制御部14は、お届けの候補日を変更しながら、S12のお届け日確認を繰り返す。一方、「はい」が入力された場合、以下の処理に進む。
【0049】
制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、お届け日案内音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出す。そして、制御部14は、読み出したお届け日案内音声の音声データと、直前に読み出したお届け候補日の音声データとを組み合わせて、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる。「じゃあ、○月△日に届けるようにするね!」。制御部14は、決定したお届け日を記憶部15に記憶する。
【0050】
続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、決済方法確認音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S13)。
「お支払いは代金引換でいい?」。
「これでよければ「はい」を、違うときは「いいえ」を押してね!」
【0051】
ユーザは、テンキー2から「はい」又は「いいえ」を入力する。「いいえ」が入力された場合、制御部14は、決済方法を「電子マネー決済」や「クレジットカード決済」に変更しながら、S13の支払方法確認を繰り返す。または、決済方法ごとに対応するボタンをテンキー2に設け、ボタンを押すことにより決済方法を選択させてもよい。電子マネーは1、クレジット払いは2などのようにボタンを押して選択する方式にしてもよい。一方、「はい」が入力された場合、以下の処理に進む。制御部14は、決定した決済方法を記憶部15に記憶する。
【0052】
制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、決定した決済方法の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(代金引換の場合)。
「ご注文ありがとう!」
「代金はお届けのときに頂くから、用意しておいてね!」
【0053】
続いて、制御部14は、ユーザが注文した各商品の商品識別子、商品名、価格、注文数量、お届け日および決済方法を記憶部15から読み出す。また、制御部14は、カードリーダ3を通じてカード等からユーザの住所、氏名および電話番号を読み込む。又は、制御部14は、ユーザ記憶部からユーザの住所、氏名および電話番号を読み出す。又は、制御部14は、通信部17を通じてインターネット上からユーザの住所、氏名および電話番号を取得してもよい。そして、制御部14は、ユーザが注文した各商品の商品識別子、商品名、価格、注文数量、注文合計金額、お届け日、決済方法、ユーザの住所、氏名、電話番号および注文日を含む注文書データを生成する。そして、制御部14は、生成した注文書データを、通信部17を介してインターネット上の取引支援システムに送信する(S14)。
【0054】
また、制御部14は、決済方法が電子マネー決済又はクレジットカード決済である場合は、カードリーダ3を通じてカード等から読み込んだ情報に基づき、通信部17を介してインターネット上の決済サービスに対し、電子マネー決済又はクレジットカード決済の処理を実行する(S15)。
【0055】
また、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、エンディング音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16に発音させる(S16)。「またね、ばいばい!」。
【0056】
注文書データを受信した取引支援システムは、注文書データを注文された各商品の提供者に送信し、注文された商品がユーザに届くように手配する。この際、商品の提供者は、注文された商品を仕入れ、予約品として店舗に取り置いてもよい。
【0057】
以上の実施形態によれば、カードリーダ3にカードを読ませ、また、誘導音声に従ってテンキー2を操作するだけで商品を注文できるので、コンピュータの操作に不慣れなユーザであっても、従来に比べ簡単にインターネットを利用した買物等を利用することができる。また、親しみやすいキャラクター外装1により癒し効果も期待できる。さらに、ユーザの応答を音声認識する方法ではなく、入力できる情報が限られたテンキー2を用いることにより、ユーザの想定外の応答を考慮することなく、安価に装置を設計することができる。また、商品が掲載されたチラシ等に基づいて注文することにより、画面を不要にすることができ、買物支援装置をより安価に提供することが可能である。また、例えば携帯電話キャリアが自社のCMキャラクターをキャラクター外装1に採用したり、触覚スイッチ11の操作によりCMソングが流れるようにするなど、ユーザにとって愛着の湧く仕様に仕上げることも可能である。また、ICカードから住所や氏名等の個人情報を読み込むことが可能であり、ユーザは住所等を入力する必要もない。
【0058】
[タクシーの配車指示]
次に
図6は、買物支援装置によりタクシーの配車を要求する手順を示したフローチャートである。
図2の買物支援装置を稼働状態に設定し、ユーザは、所定のカード等をカードリーダ3に読ませる。制御部14は、カードリーダ3を通じてカード等からユーザ識別子Uとしてのカード固有番号を読み込む(S21)。続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、オープニング音声に対応する音声識別子に関連付けられた音声データを音声記憶部から読み出す。また、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた呼び名の音声データをユーザ記憶部から読み出す。そして、制御部14は、読み出したオープニング音声の音声データと呼び名の音声データとを組み合わせ、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S22)。「○○さん、こんにちは。□□モンキーだよ!」。キャラクター外装1が発音する。
【0059】
続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、商品選択案内音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S231)。「欲しいボタンを押してね!」。ここで、ユーザは、テンキー2に設けられた「タクシーの配車」を示すキーを押下する。
【0060】
制御部14は、ユーザが入力した「タクシーの配車」の要求をテンキー2から取得する(S232)。続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、商品確認音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S233)。「タクシーを呼ぶね!これでよければ「はい」を、違うときは「いいえ」を押してね!」。
【0061】
ユーザは、テンキー2から「はい」又は「いいえ」を入力する。「いいえ」が入力された場合、制御部14は、S23の商品選択案内に戻る。一方、「はい」が入力された場合、以下の処理に進む(S233)。
【0062】
続いて、制御部14は、タクシーを配車する時刻の指定を受け付ける(S24)。制御部14は、ユーザ識別子に対応する所定の音声データを音声記憶部から読み出し、例えば「すぐに呼ぶ?後で呼ぶ?すぐに呼ぶときは「はい」を、後で呼ぶときは「いいえ」を押してね。」と音声出力部16から発音させる。次いで、テンキー2から「はい」又は「いいえ」の入力を受け付け、「はい」の場合は配車時刻として「すぐに呼ぶ」旨を記憶部15に記憶する。一方、「いいえ」の場合はユーザ識別子に対応する所定の音声データを音声記憶部から読み出し、例えば「タクシーに来て欲しい時刻を押してね。」と音声出力部16から発音させる。そして、来て欲しい時刻をテンキー2から受け付け、入力された時刻を配車時刻として記憶部15に記憶する。
【0063】
続いて、制御部14は、タクシーを配車する場所の指定を受け付ける(S25)。記憶部15には、予めユーザ識別子に関連付けて複数の場所を表す情報を登録しているものとする。場所を表す情報は、場所の名称(自宅や病院など)と、その場所の住所又は位置情報とを関連付けて構成されている。制御部14は、ユーザ識別子に関連付けられた所定の音声データを音声記憶部から読み出し、例えば「場所は自宅でいい?あるいは病院かな?」などと音声出力部16から発音させる。次いで、テンキー2から場所の指定を受け付け、指定された場所を配車場所として記憶部15に記憶する。住所又は位置情報を予め登録していない場所の場合、テンキー2から住所を特定する情報(郵便番号、市町村名、番地など)を音声案内に従ってテンキー2から入力又は選択させてもよい。
【0064】
続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、数量入力案内音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S26)。「何台呼ぶか、数を押してね!」。ユーザは、配車を望むタクシーの台数をテンキー2から入力する。
【0065】
制御部14は、ユーザが入力した台数をテンキー2から取得する(S27)。続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、ユーザが入力した台数の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出す。また、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、数量確認音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出す。そして、制御部14は、読み出した数量確認音声の音声データと台数の音声データとを組み合わせ、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S28)。「○台だね!これでよければ「はい」を、違うときは「いいえ」を押してね!」。
【0066】
ユーザは、テンキー2から「はい」又は「いいえ」を入力する。「いいえ」が入力された場合、制御部14は、S26の数量入力案内に戻る。一方、「はい」が入力された場合、以下の処理に進む。ユーザは、どのタイミングにおいても、すべての入力を取り消すことができる。ユーザがテンキー2から「取り消し」を示すボタンを押した場合、制御部14は、S21のカード読み込みに戻る。
【0067】
制御部14は、カードリーダ3を通じてカード等からユーザの住所、氏名および電話番号を読み込む。又は、制御部14は、ユーザ記憶部からユーザの住所、氏名および電話番号を読み出す。又は、制御部14は、通信部17を通じてインターネット上からユーザの住所、氏名および電話番号を取得してもよい。そして、制御部14は、記憶部15に記憶した情報に基づき、ユーザが希望した台数のタクシーの配車要求データを生成し、取引支援システム又は所定のタクシー会社のコンピュータに送信する(S29)。配車要求データは、タクシー配車に対応する商品識別子、配車先の住所、氏名、配車時刻および電話番号を含む。
【0068】
また、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、エンディング音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16に発音させる(S30)。「タクシーを呼んだよ。到着まで待ってね!」。
【0069】
以上の実施形態によれば、ユーザは、カード等を読ませ、また、買物支援装置へのテンキー入力だけでタクシーの配車を手配することができる。
【0070】
[ふるさと納税の申し込み]
図7は、買物支援装置により、ふるさと納税を申し込む手順を示したフローチャートである。
図2の買物支援装置を稼働状態に設定し、ユーザは、所定のカード等をカードリーダ3に読ませる。制御部14は、カードリーダ3を通じてカード等からユーザ識別子Uとしてのカード固有番号を読み込む(S31)。続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、オープニング音声に対応する音声識別子に関連付けられた音声データを音声記憶部から読み出す。また、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた呼び名の音声データをユーザ記憶部から読み出す。そして、制御部14は、読み出したオープニング音声の音声データと呼び名の音声データとを組み合わせ、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S32)。「○○さん、こんにちは。□□モンキーだよ!」。キャラクター外装1が発音する。
【0071】
続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、商品選択案内音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S33)。「欲しいボタンを押してね!」。ここで、ユーザは、テンキー2に設けられた「ふるさと納税」を示すキーを押下する。
【0072】
制御部14は、ユーザが入力した「ふるさと納税」の要求をテンキー2から取得する(S34)。続いて、制御部14は、ふるさと納税の寄付先の自治体名を発音する音声データを音声記憶部から取得する。つまり、制御部14は、ユーザ識別子Uおよびふるさと納税に対応する商品識別子に関連付けられた音声識別子をカタログ記憶部から読み出し、更に、そのユーザ識別子Uおよび音声識別子に予め関連付けられた商品名としての自治体名の音声データを音声記憶部から読み出す。また、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、商品確認音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出す。そして、制御部14は、読み出した商品確認音声の音声データと自治体名の音声データとを組み合わせ、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S35)。「○○県□□市にふるさと納税をするね!これでよければ「はい」を、違うときは「いいえ」を押してね!」。
【0073】
ユーザは、テンキー2から「はい」又は「いいえ」を入力する。「いいえ」が入力された場合、制御部14は、S33の商品選択案内に戻る。一方、「はい」が入力された場合、以下の処理に進む(S35)。
【0074】
制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、数量入力案内音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S36)。「幾ら納めるか、金額を押してね!」。ユーザは、ふるさと納税として寄付する金額をテンキー2から入力する。
【0075】
制御部14は、ユーザが入力した金額をテンキー2から取得する(S37)。続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、ユーザが入力した金額の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出す。また、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、数量確認音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出す。そして、制御部14は、読み出した数量確認音声の音声データと金額の音声データとを組み合わせ、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S38)。「○万円だね!これでよければ「はい」を、違うときは「いいえ」を押してね!」。
【0076】
ユーザは、テンキー2から「はい」又は「いいえ」を入力する。「いいえ」が入力された場合、制御部14は、S36の数量入力案内に戻る。一方、「はい」が入力された場合、以下の処理に進む。ユーザは、どのタイミングにおいても、すべての入力を取り消すことができる。ユーザがテンキー2から「取り消し」を示すボタンを押した場合、制御部14は、S31のカード読み込みに戻る。
【0077】
続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、決済方法確認音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる(S39)。
「お支払いはクレジットカードでいい?」。
「これでよければ「はい」を、違うときは「いいえ」を押してね!」
【0078】
ユーザは、テンキー2から「はい」又は「いいえ」を入力する。「いいえ」が入力された場合、制御部14は、決済方法を他の決済方法に変更しながら、S39の支払方法確認を繰り返す。一方、「はい」が入力された場合、以下の処理に進む。制御部14は、決定した決済方法を記憶部15に記憶する。
【0079】
続いて、制御部14は、ふるさと納税のお礼品を選択する処理を実行する(S40)。ここで、制御部14は、
図5のS3からS5の処理と同様に、お礼品をユーザに選択させる処理を実行し、選択されたお礼品の商品識別子を記憶部15に記憶する。
【0080】
続いて、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、決定した決済方法の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16から発音させる。
「お申込みありがとう!」
「お礼品を楽しみに待っていてね!」
【0081】
制御部14は、カードリーダ3を通じてカード等からユーザの住所、氏名および電話番号を読み込む。又は、制御部14は、ユーザ記憶部からユーザの住所、氏名および電話番号を読み出す。又は、制御部14は、通信部17を通じてインターネット上からユーザの住所、氏名および電話番号を取得してもよい。そして、制御部14は、ユーザが希望した金額のふるさと納税の申込書データを生成し、通信部17を通じて取引支援システムに送信する(S41)。申込書データは、ふるさと納税に対応する商品識別子、寄付金額、決済方法、お礼品の商品識別子、ユーザの住所、氏名および電話番号を含む。申込書データを受けた取引支援システムは、ふるさと納税を代行する。
【0082】
また、制御部14は、決済方法がクレジットカード決済である場合は、カードリーダ3を通じてカード等から読み込んだ情報に基づき、通信部17を介してインターネット上の決済サービスに対し、クレジットカード決済の処理を実行する(S42)。ここで、S42の決済処理は、支払方法確認(S39)の後、お礼品選択処理(S40)の前に実行してもよい。
【0083】
そして、制御部14は、ユーザ識別子Uに関連付けられた音声データであって、エンディング音声の音声識別子に対応する音声データを音声記憶部から読み出し、例えば次の言葉を音声出力部16に発音させる(S43)。「またね、ばいばい!」。
【0084】
以上の実施形態によると、ユーザは、買物支援装置から特定の自治体へのふるさと納税を簡単に行うことができる。自治体は、ご当地のキャラクター外装(例えば岡山県は桃太郎)とした買物支援装置をユーザに与えることにより、ユーザからのふるさと納税を得やすくなり、かつ、他の自治体へのユーザの移り気を抑えることができる。買物支援装置の装置固有番号と寄付先の自治体とを予め紐付けておき、取引支援システムでは買物支援装置の装置固有番号に基づいて寄付先の自治体を判定することも可能である。
【0085】
[触覚スイッチの機能]
図8は、ユーザが触覚スイッチ11を押圧した際の買物支援装置の動作を示す。ユーザがキャラクター外装1の手や鼻に内蔵された触覚スイッチ11を押圧し、触覚スイッチ11がオンになると、制御部14は、触覚スイッチ11のオンを検知し(S51)、オンになった触覚スイッチ11に対応する音声データを音声記憶部から読み出し(S52)、読み出した音声データを音声出力部16から再生させる(S53)。各触覚スイッチ11には、それぞれ異なる音声識別子を紐付けており、制御部14は、オンになった触覚スイッチ11に紐付けられた音声識別子について、音声識別子に関連付けられた音声データを音声記憶部から読み出す。音声データの内容は、例えば、右手を握ると挨拶、左手を握るとまた違う挨拶、鼻をつまむと歌を歌う、というように、場所に応じて異なる音声になっている。これにより、ユーザと買物支援装置との間でコミュニケーションを取ることができ、ユーザにとってますます買物支援装置は愛着の湧く存在となる。
【0086】
[音声データの取得方法]
以上説明した買物支援装置では、音声記憶部に音声データを記憶し、発音の際には、当該音声データを読み出して再生しているが、音声データに代えてテキストデータを記憶しておき、制御部14は、発音の都度、テキストデータを当該テキストデータに対応する言葉を発音する音声データに変換して発音に用いてもよい。
【0087】
また、制御部14は、発音の都度、テキストデータをインターネット上の音声合成システムに送信し、当該音声合成システムからテキストデータに対応する言葉を発音する音声データを受信して発音に用いてもよい。
【0088】
また、制御部14は、発音の都度、音声識別子をインターネット上のサーバシステムに送信し、当該サーバシステムから音声識別子に対応する音声データを受信して発音に用いてもよい。
【0089】
また、制御部14は、発音の都度、音声識別子をインターネット上のサーバシステムに送信し、当該サーバシステムから音声識別子に対応するテキストデータを受信し、受信したテキストデータを当該テキストデータに対応する言葉を発音する音声データに変換して発音に用いてもよい。以上において、最終的に音声データに変換できるものであれば、上記のテキストデータに代えて任意の電子データを採用することができる。
【0090】
[本体へのタッチパネルの搭載]
また、本実施形態の買物支援装置は、表示用のディスプレイを持たないが、買物支援装置10のキャラクター外装1の腹部にタブレット端末等のタッチパネルを備え、制御部14は、ユーザの入力をタッチパネルから受け付けると共に、音声で出力していた内容をタッチパネルに表示するようにしてもよい。制御部14は、注文処理の進行に合せて所定のコンテンツを内蔵のタッチパネルに表示してもよい。制御部14は、カタログ記憶部のデータに基づいて内蔵のタッチパネルに商品カタログ画面を表示させてもよい。
【0091】
[スマートフォン等のインターフェースの利用]
また、買物支援装置10は、外部装置と有線又は無線で通信することにより、外部装置の入力装置と表示装置を利用してもよい。外部装置として、タブレット端末、スマートフォン又はテレビ等を利用することが可能である。制御部14は、外部装置の入力装置又はテンキー2からの入力に基づき、通信部17を介して外部装置に対しコンテンツを送信し、注文処理の進行に合せて所定のコンテンツを外部装置に表示させてもよい。制御部14は、カタログ記憶部のデータに基づいて外部装置に商品カタログ画面を表示させてもよい。
【0092】
[レシートの印刷]
また、キャラクター外装1の腹部や背中等にレシートプリンタを内蔵し、制御部14は、注文内容のレシートをユーザ用に印刷してもよい。
【0093】
[住所の取得]
ユーザの住所は、前述した方法で取得するほか、テンキー2から入力してもよい。この場合、テンキー2から入力された郵便番号に基づいて当該郵便番号に対応する番地以外の住所情報を住所データベースから取得し、これに加えて、テンキー2から番地を入力させることによりユーザの完全な住所を取得してもよい。この際、外部のコンピュータが記憶している住所データベースをネットワーク経由で利用してもよい。この住所取得の処理は、買物支援装置10の制御部14が行ってもよいし、サーバ側のコンピュータが実行して取得した住所情報を買物支援装置10に提供してもよい。
【0094】
[決済方法の選択]
決済方法の選択は、前述した方法で選択するほか、テンキー2のボタンを押して選択してもよい。テンキー2のボタンに予め「代引」等の決済方法を表示しておき、選択する決済方法のボタンを押すようにしてもよい。また、音声案内により「代引きは1を、クレジットカードは2を、電子マネーは3を押してね」のように発音し、選択する決済方法に対応した数字のボタンを押すようにしてもよい。
【0095】
[音声データの選択]
上記実施形態では、カードリーダ3からユーザ識別子Uとしてのカード固有番号を読み込み、読み込んだユーザ識別子Uに対応する音声データを発音させ、これにより、ユーザ毎に異なる音声での発音を可能とした。これに対し、カードリーダ3から商品等の取引者又はサービス等の提供者を一意に特定する業者識別子を読み込み、読み込んだ業者識別子に対応する音声データを発音させ、これにより、商品等の取引者又はサービス等の提供者毎に異なる音声や言葉遣いでの発音をしてもよい。
図3(a)の「ユーザ識別子」を「業者識別子」に代えることにより実現することができる。
【0096】
これによると、ユーザが業者Aとの取引用のカードを読ませると、その後は業者Aに対応する音声で案内がなされ、ユーザが業者Bとの取引用のカードを読ませると、その後は業者Bに対応する音声で案内がなされる。また、この方法によらず、商品番号(商品識別子)に基づいて対応する業者識別子(仲介者識別子や提供者識別子)を特定し、その業者識別子ごとに異なる音声や言葉遣いで発音してもよい。この場合、業者識別子と音声セット識別子とを予め紐付けて記憶しておくと共に、商品識別子と業者識別子とを予め紐付けて記憶しておくとよい。
【0097】
[店頭や商店街におけるポイント付与]
図1のような買物支援装置10を店舗のレジ脇等に設置し、ポイントカードにポイントを加算する目的で使用することが可能である。その際、キャラクター外装として、その店舗又はその店舗の所在地に縁のあるキャラクターを採用することができる。カードリーダ3は、買い物客がカードをかざすことができる場所に設置し、テンキー2はレジを打つ店員が操作する位置に設置する。
図2において、制御部14は、カードリーダ3にかざされたカードから、カードリーダ接続部13を介してユーザ識別子又は業者識別子を読み込む。そして、制御部14は、上述した実施形態と同様に、ユーザ識別子又は業者識別子に対応した音声による案内を音声出力部16から出力させる。
店員は、買い物客が購入した商品に応じて、付与するポイント数(加算ポイント数)をテンキー2から入力する。
【0098】
ポイントをカード内の記憶部に加算する場合、制御部14は、カードリーダ接続部13を介してカードに記憶されている現在のポイント数を取得する。また、制御部14は、テンキー2から入力された加算ポイント数を、テンキー接続部12を介して取得する。そして、制御部14は、現在のポイント数に加算ポイント数を加えた合計ポイント数を、カードリーダにかざされているカードの記憶部に、カードリーダ接続部13を介して更新する。
また、ポイントを外部のポイント管理システムに加算する場合、制御部14は、カードから読み取ったカード固有の識別子と、加算ポイント数又は加算後の合計ポイント数とを紐付けて、通信部17を介してポイント管理システムに送信する。
このようにすると、新たなポイントカードサービスを買い物客に提供することができる。
【0099】
[テンキー入力のメリット]
上記各実施形態では、ユーザからの入力をテンキーの操作により行っている。一方、ユーザから入力された音声を認識して種々の処理を行うことも知られている。例えば、受付ロボットが音声入力に応答して対話したり、音声リモコンが音声入力に応答して電気機器を操作するものがある。しかし、これらのシステムを実際に利用してみると、正しく音声認識されずにユーザが不満を感じる場合もある。これに対し、本願発明が採用するテンキーによる入力は、現時点で音声入力に比べ入力の確実性が高いというメリットがある。
【0100】
[サーバ側のハードウェア構成]
続いて
図9に示すように、ユーザの手元に置かれる買物支援装置10は、インターネットに複数接続されており、それぞれ取引支援システム20と通信するようになっている。また、取引支援システム20は、商品の生産者、提供者、商品販売の仲介者および商品の配送者のコンピュータと、インターネットを通じて通信できるようになっている。
【0101】
図10は、取引支援システム20の構成を示す。取引支援システム20は、処理部21、記憶部22および通信部23を備えている。処理部21は、プロセッサを備え、プログラムを実行することにより種々の機能を実現する。記憶部22は、HDD(ハードディスクドライブ)等の記憶装置に設けられる。通信部23は、インターネット上の買物支援装置10やコンピュータと通信する通信装置である。
【0102】
[サーバ側のデータ構造]
記憶部22は、配布記憶部、カタログ記憶部、商品記憶部、音声記憶部および取引者記憶部を備えている。各記憶部が記憶するデータの構造を
図11に示す。
【0103】
図11(a)は、配布記憶部のデータ構造を示す。配布記憶部は、ユーザ識別子ごとに、カタログ識別子および音声セット識別子を関連付けて記憶している。ユーザ識別子は、買物支援装置10において取り扱われるユーザ識別子である。カタログ識別子は、そのユーザ識別子に対応して買物支援装置10が記憶している商品カタログの識別子である。音声セット識別子は、そのユーザ識別子に対応して買物支援装置10が記憶している音声セットの識別子である。
【0104】
図11(b)は、カタログ記憶部のデータ構造を示す。カタログ記憶部は、カタログ識別子ごとに、掲載識別子、商品識別子および音声識別子を関連付けて記憶する。カタログ識別子は、通信販売カタログやチラシなどの媒体ごとに固有の値である。掲載識別子は、当該媒体に掲載される商品ごとに固有の値である。商品識別子は、商品ごとに固有の値である。同じ商品であっても、提供者や仲介者が異なれば商品識別子も異なる。音声識別子は、その商品の商品名を発音する音声データの識別子である。ここで、通信販売カタログやチラシはテレビやコンピュータのディスプレイに表示されるものでもよい。
【0105】
図11(c)は、商品記憶部のデータ構造を示す。商品記憶部は、商品識別子ごとに、商品情報、音声識別子、仲介者識別子および提供者識別子を関連付けて記憶する。商品識別子は、上記の通りである。商品情報には、その商品の商品名、商品画像、価格および説明文が含まれる。音声識別子は、その商品の商品名の音声に対応する音声データの識別子である。仲介者識別子は、その商品の販売を仲介する者の識別子であり、例えば、通信販売を運営する業者の識別子である。その商品の仲介者が存在しない場合、仲介者識別子は無効な値をとる。提供者識別子は、その商品を直接ユーザに提供する小売業者、卸業者又は生産者の識別子である。
【0106】
図11(d)は、音声記憶部のデータ構造を示す。音声記憶部は、音声セット識別子ごとに、音声識別子および音声データを関連付けて記憶する。音声セット識別子は、ユーザ識別子ごとに関連付けられる音声データのグループを識別する。音声識別子は、その音声セットに含まれる音声データの識別子である。音声データは、買物支援装置10がユーザに買物等の手順を誘導するための音声を含む。
【0107】
図11(e)は、取引者記憶部のデータ構造を示す。取引者記憶部は、取引者識別子ごとに、取引者情報を記憶する。取引者識別子は、仲介者識別子および提供者識別子を含む。取引者情報は、その仲介者又は提供者(小売業者、卸業者又は生産者)に関する情報であり、業者名、住所、インターネット上の連絡先(メールアドレスや取引支援システムへのセッションID等)およびその他の連絡先(電話番号やFAX番号)等を含む。
【0108】
[受注したサーバ側の処理]
取引支援システム20の処理部21は、買物支援装置10からの連絡に応じて、以下の動作を実行する。買物支援装置10から代金引換の注文書データ又は決済を完了した注文書データを受信した場合、注文された商品の商品識別子に対応する提供者識別子を商品記憶部から読み出すと共に、読み出した提供者識別子(取引者識別子)に対応する取引者情報を取引者記憶部から読み出す。そして、読み出した取引者情報に基づき、その取引者に対し、注文された商品およびその数量並びに注文者の住所、氏名および電話番号を通知する。通知は、通信部23を通じてインターネット上のコンピュータに対して行うか、又は、FAX送信等により行う。そして、注文された商品は、取引者から配送者を経て注文者である買物支援装置10のユーザに届けられる。
【0109】
[仲介者への成果報酬の分配]
また、商品記憶部において、注文された商品の商品識別子に仲介者識別子が関連付けられている場合、処理部21は、その仲介者識別子(取引者識別子)に対応する取引者情報に商品販売の成果報酬(マージン)を加算する。
【0110】
以上の実施形態によれば、仲介者に成果報酬を支払う処理を実現することができる。
【0111】
[配車要求を受けたサーバ側の処理]
また、取引支援システム20が、買物支援装置10からタクシーの配車要求データを受信した場合、処理部21は、配車要求データから商品識別子を読み出す。そして、その商品識別子に対応するタクシー業者の提供者識別子を商品記憶部から読み出すと共に、その提供者識別子(取引者識別子)に対応する取引者情報を取引者記憶部から読み出す。そして、読み出した取引者情報に基づき、その取引者に対し、配車を要求されたタクシーの台数並びに配車先の住所又は位置情報、氏名、配車時刻および電話番号を通知する。通知は、通信部23を通じてインターネット上のコンピュータに対して行うか、又は、電話等により行う。そして、要求された台数のタクシーが取引者であるタクシー業者により要求者である買物支援装置10のユーザの所に配車される。
【0112】
[ふるさと納税の申込を受けたサーバ側の処理]
また、取引支援システム20が、買物支援装置10から、ふるさと納税の申込書データを受信した場合、処理部21は、受信した申込書データからふるさと納税の商品識別子を読み出す。そして、その商品識別子に対応する自治体の提供者識別子を商品記憶部から読み出すと共に、その提供者識別子(取引者識別子)に対応する取引者情報を取引者記憶部から読み出す。そして、読み出した取引者情報に基づき、その自治体に対し、ふるさと納税の寄付金額、決済方法、お礼品の識別子、寄付者の住所、氏名および電話番号を通知する。通知は、通信部23を通じてインターネット上のコンピュータに対して行うか、又は、FAX等により行う。そして、通知を受けた自治体では寄付者に対するお礼品や寄付証明書の手配が進められる。寄付先の自治体の識別子として、申込書データに、送信元である買物支援装置10の装置固有識別子(MACアドレス等)が含まれている場合、処理部21は、その装置固有識別子に紐付けられている自治体の提供者識別子を記憶部から読み出して用いてもよい。
【0113】
[商品カタログ/音声セットの更新]
取引支援システム20は、各買物支援装置10に格納された商品カタログおよび音声セットを更新する機能を備えている。処理部21は、通信部23を通じて定期的に各買物支援装置10から商品カタログの更新要求を受け付ける。更新要求には、ユーザ識別子が含まれる。更新要求を受けた処理部21は、受信したユーザ識別子に対応するカタログ識別子および音声セット識別子を配布記憶部から読み出すと共に、そのカタログ識別子に対応するカタログ記憶部の内容が前回配布時以降に更新されたか、また、その音声セット識別子に対応する音声記憶部の内容が前回配布時以降に更新されたかをそれぞれ判定する。この判定にあたり、各ユーザ識別子ごとに、対応するカタログ記憶部の内容及び音声記憶部の内容を配布した日時を記憶部に記憶する。また、各カタログ識別子ごとにカタログ記憶部の内容を更新した日時を記憶部に記憶すると共に、各音声識別子ごとに音声記憶部の内容を更新した日時を記憶部に記憶する。そして、配布日時と更新日時とを比較する。この判定の結果、更新されている場合、更新されたカタログ記憶部のデータと、更新された音声記憶部のデータとを記憶部22から読み出し、通信部23を通じて要求元の買物支援装置10に送信する。また、処理部21は、カタログ識別子に関連付けられた商品識別子に対応する商品情報を商品記憶部から読み出し、読み出した商品情報を対応する商品識別子に関連付け、通信部23を通じて要求元の買物支援装置10に送信する。
【0114】
更新データを受信した買物支援装置10では、制御部14が、受信したカタログ記憶部の更新データを記憶部15のカタログ記憶部に更新する。また、制御部14は、受信した音声記憶部の更新データを音声記憶部に更新する。また、受信した商品情報の更新データを商品記憶部の対応する商品識別子に紐付けて更新する。
【0115】
以上の実施形態によれば、更新されたカタログ、音声および商品情報により、注文を行うことができる。
【0116】
[商品カタログの生成]
次に
図12は、ユーザが手元で参照する商品カタログのイメージを生成するカタログ生成装置の構成図である。カタログ生成装置は、カタログイメージ生成部31、カタログイメージ記憶部32、入力部33、表示部34および出力部35を備えている。商品記憶部36は、
図10の記憶部22に示す取引支援システム20の商品記憶部又はその複製である。また、カタログ記憶部37は、
図10の記憶部22に示す取引支援システム20のカタログ記憶部又はその複製である。カタログイメージ生成部31は、プロセッサを備え、プログラムを実行することにより種々の機能を実現する。カタログイメージ記憶部32および商品記憶部36およびカタログ記憶部37は、HDD等の記憶装置に設けられる。入力部33は、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置である。表示部34は、情報を表示するディスプレイである。出力部35は、印刷用のデータを出力するインターフェースである。
【0117】
カタログイメージ生成部31(以下「生成部31」という)は、
図13に示すように、商品識別子に関連付けられた商品広告パーツ41を表示部34に表示する。商品広告パーツ41は、商品記憶部36に記憶されている商品情報を用いて生成される。商品広告パーツ41は、商品名および価格又はこれらと商品画像との組み合わせを含む。また、生成部31は、カタログ識別子に関連付けられたチラシ画像42(商品カタログ画像)を表示部34に表示する。チラシ画像42には、掲載識別子を関連付けられた商品掲載領域43が設けられている。
【0118】
そして、生成部31は、入力部33の操作により商品広告パーツ41を、商品掲載領域43に紐付ける操作(ドラッグアンドドロップ等)を検知すると、チラシ画像42に関連付けられているカタログ識別子と、商品広告パーツ41がドロップされた商品掲載領域43の掲載識別子と、ドロップされた商品広告パーツ41に関連付けられた商品識別子と、商品記憶部36においてその商品識別子に紐付いている音声識別子とを関連付けて、カタログ記憶部37に登録する。
【0119】
また、生成部31は、チラシ画像42の商品掲載領域43に、ドロップされた商品広告パーツ41の画像を嵌め込んだチラシのイメージ画像を生成し、カタログイメージ記憶部32に記憶する。そして、生成部31は、完成したチラシのイメージを印刷するために、チラシのイメージデータをカタログイメージ記憶部32から読み出し、出力部35からプリンタ等に送信する。
【0120】
これによると、商品記憶部36に登録されている商品情報を利用してチラシを作成することができ、チラシ用に商品情報を別途入力する手間を省くことができる。また、ユーザに配布するためのチラシの作成と、カタログ記憶部37へのデータの登録とを同時に行うことができる。
【0121】
[音声データの生成]
次に
図14は、音声記憶部に登録する音声を生成する音声データ生成装置の構成図である。音声データ生成装置は、テキスト音声変換部51、音声記憶部52、商品情報の記憶部53、入力部54および表示部55を備えている。テキスト音声変換部51は、プロセッサを備え、プログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。音声記憶部52は、
図10の記憶部22に示す取引支援システム20の音声記憶部又はその複製である。商品情報の記憶部53は、
図10の記憶部22に示す取引支援システム20の商品記憶部又はその複製である。入力部54は、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置である。表示部55は、情報を表示するディスプレイである。
【0122】
テキスト音声変換部51は、
図15に示すように、商品識別子に関連付けられた商品情報の編集領域61を表示部55に表示する。商品情報の編集領域61には、商品記憶部53から読み出した商品情報を編集可能な状態で表示する。又は、商品情報の編集領域61には、入力部54から新規に入力された商品情報を表示する。また、テキスト音声変換部51は、音声セット識別子および音声識別子に関連付けられた音声テキストの編集領域62を表示部55に表示する。音声テキストの編集領域62には、音声セット識別子および音声識別子に紐付けて登録したい音声のテキストが入力部54から入力される。
【0123】
テキスト音声変換部51は、商品情報の編集領域61に表示されている商品情報を編集領域62の音声テキストに挿入する操作(ドラッグアンドドロップ等)する操作を検知すると、ドロップされた商品情報をテキスト内のドロップされた位置に挿入し、表示部55に表示する。そして、入力されたテキストに対して入力部54から音声変換が指示されると、テキスト音声変換部51は、音声テキストの編集領域62に入力されているテキストを音声データに変換し、音声テキストの編集領域62に紐付けられている音声セット識別子および音声識別子に関連付けて音声記憶部52に登録する。
【0124】
これによると、商品記憶部53に格納されている商品情報を利用して音声データを生成し登録することができる。
【0125】
[ロボットの一部機能の外部化]
以上説明した実施形態において、買物支援装置10のようなユーザをサポートするロボットは、できるだけ多くのユーザに供給されることが好ましい。そのためには、ロボットに求められる性能を維持しつつ、できるだけ低コストで装置を構成する必要がある。
【0126】
その観点から捉えると、本発明は、以下のように構成されている。即ち、
図16に示すように、種々の機能を実現するプロセッサ101を備えたロボット100において、インターネット上の外部機能201と通信する通信部102と、情報の記憶部103とを備える。そして、プロセッサ101が、前記記憶部103に記憶した元情報を前記通信部102を通じて前記インターネット上の外部機能201に送信すると共に、当該外部機能201によって前記元情報に基づいて取得された結果情報を当該外部機能201から前記通信部102を介して受信し、当該結果情報を用いて前記プログラムを実行し機能を実現する。
【0127】
このようにすると、ロボット自体の機能が限られるとしても、外側にサービス機能を置いて、それと結んで全体として高機能なロボットを実現することができる。このため、ロボット自体のコストを抑えることが可能となる。
【0128】
[説明の補足と変形例]
ここで、本願における「ロボット」は、何らかのキャラクターを備え、種々の機能を実現するプロセッサを備えているものとする。「通信部」は、無線LANアダプタ等のネットワーク通信装置である。「記憶部」は、フラッシュメモリ等の記憶装置に設けられる。「元情報」は、入力装置104からの人為的な入力、各種センサ105からの入力又は本体内における演算等、に基づいて取得される情報である。「外部機能」は、インターネット上の外部装置200によって提供される。
【0129】
先に説明した買物支援装置では、入力装置104に相当するテンキー2から情報を受け付けて動作したが、これに限らず、入力装置104又はセンサ105からの音声入力に基づいて動作するようにロボット100又は買物支援装置を構成してもよい。この場合例えば、買物支援装置の制御部14は、商品選択受付(S4、S232、S34、S40)において音声入力された商品名を音声認識することにより選択された商品を特定してもよい。また、数量入力受付(S7、S27、S36)では音声入力された数を音声認識することにより数量を特定してもよい。また、確認を求める場面では音声入力された「はい」又は「いいえ」の言葉を音声認識することにより分岐を判断してもよい。同様に、時刻指定処理(S24)や場所指定処理(S25)において音声認識により時刻や場所の情報を取得してもよい。
【0130】
[ユーザへの音声通知システム]
図16及び
図17において、外部装置200は、医療関係者の端末又は親族の端末から、ロボット100のユーザに通知する内容とその通知を行うタイミング(日時やロボット100の挙動等)と通知先のロボット100の識別子とを紐付けて受信し、記憶装置に登録する。医療関係者又は親族は、外部装置200が端末に提供する管理画面を通じてテキスト等の通知内容と通知タイミングとを登録できるようになっている。端末はスマートフォンなどでもよい。
外部装置200は、記憶装置に登録されているタイミングの到来を検知すると、そのタイミングに紐付けられたロボット100の識別子に対応するロボット100に対し、そのタイミングに紐付けられた通知内容を送信する。
通信部102を介して通知内容を受信したロボット100のプロセッサ101は、受信した通知内容を言葉にして音声出力部から発音させる。
【0131】
これによると、例えば、病院、介護士や家族などが設定した指示やアドバイスを、ロボット100に適時に発音させ、高齢者などのユーザに伝えることができる。例えば、朝決まった時間に「おはようございます」「今日の診察は10時ですよ」「朝食は食べないでくださいね」「今日の何時に訪問します」などのメッセージをユーザに伝えることができる。これに対し、ユーザがテンキー2から入力した内容を外部装置200に送信すれば、外部装置200と通信する複数の端末がユーザの入力内容を共有することも可能である。例えば、高齢者が入力した内容を病院や介護施設等の共有が許可された関係者間で共有することができる。ユーザである高齢者自身は難しい設定ができなくてもこれらの機能を利用することができる。
また、高齢者に限らず一般ユーザへのモーニングコールなどを行うことも可能である。さらに、母親が子供に対して「もう午後6時だから勉強の時間だよ」などと伝えることもできる。
【0132】
[音声合成の利用]
ロボット100のプロセッサ101は、スピーチシンセサイザの機能を備え、音声出力部から発する言葉を有名なアニメキャラクター等の声で発音してもよい。例えば、上記の母親が子供に対して伝えるメッセージを有名なアニメキャラクターの声で伝えることにより、子供が素直に従うという効果が期待できる。また、外部装置200がスピーチシンセサイザを備え、外部装置200で合成した音声をロボット100に送信して発音させてもよい。
【0133】
[ユーザとの相互通信システム]
図16及び
図17において、インターネット上の任意の端末とロボット100との間で音声による対話を実現してもよい。端末はスマートフォン等でもよい。対話の内容は、英会話などの勉強や遊びが考えられる。例えば、任意の端末とロボット100との間で音声チャットを接続することにより実現が可能である。また、ロボット100のセンサ105としてカメラを備え、ロボット100のユーザの映像を相手方の端末に送信し、ビデオチャットを実行してもよい。
このとき、ロボット100又はロボット100に音声を送信する外部装置200において、上記のスピーチシンセサイザを実行し、ロボット100から発する言葉を有名なアニメキャラクターなどの声で発音してもよい。これにより、例えば、有名なアニメキャラクターと英会話をしているような感覚を子供に与えることができ、学習の効果向上が期待できる。
【0134】
また、上記のユーザへの音声通知システムを利用して、逆にユーザから外部装置200にデータを提出させてもよい。例えば、上記の音声通知システムにより、医療機関の利用者(ロボット100のユーザ)に対し、「おはよう」「今日の体調はいかが?」「体温を測ってね」などとロボット100に発音させる。
これに対しユーザは、センサ105としての体温計で体温を測り、プロセッサ101は、体温計から受信した体温データをユーザの識別子に紐付けて外部装置200に送信する。外部装置200は、ロボット100から受信した体温データを音声通知の相手方である医療関係者などの端末に提供する。同様に、血圧データその他の生体情報データをセンサ105から取得して外部装置200に転送し、医療関係者などの端末に提供する。ユーザの視覚的状態をセンサ105としてのカメラから取得し、外部装置200を介して医療関係者などの端末に提供してもよい。
【0135】
医療関係者等は、ユーザから取得した生体情報データ等に基づき、ユーザ用の薬、サプリメント又は食事等を商店に手配し、商店からユーザ宅に自動的に届くようにしてもよい。さらに、医療関係者等は、上記の音声通知システムを用いて、生体情報データ等を考慮した次のユーザへの音声通知を設定することもできる。
【0136】
[ロボット用アプリのダウンロード]
ロボット100が実行するアプリケーションソフトウェア(アプリ)を外部装置200に備え、ロボット100に接続されたテンキー等の操作に応じて、対応するアプリをASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)型でロボット100が利用するようにしてもよい。英会話アプリ、数学等の学習アプリ、遊びやゲームのアプリ等が該当する。また、実行したいアプリをロボット100にダウンロードしインストールして実行する方式にしてもよい。これらによると、1つのロボット端末で、多くの機能を自由に使うことができ、また、機能をバージョンアップすることもできる。
【0137】
[見守り機能]
図16及び
図17において、プロセッサ101は、ユーザによりロボット100が操作されると、当該操作を検知し、当該操作があったことを示す情報を外部装置200に送信してもよい。操作とは、例えばロボット100の起動や前述した触覚スイッチの操作等である。当該情報を受信した外部装置200は、ユーザが行動していることを把握できるので、ユーザの見守りシステムを構築することができる。
【0138】
ここで、発明は実施形態に記載された以外にも趣旨を逸脱しない他の実施形態をも包含する。実施形態は発明の説明をするものであって、その範囲を限定するものではない。発明の範囲は、クレームの記載によって示されるものであって、明細書の記載によって示されるものではない。従って、発明は、クレームの均等の範囲内における意味や範囲を含む総ての形態を包含する。