特開2019-212352(P2019-212352A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-212352(P2019-212352A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】半導体記憶装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 13/00 20060101AFI20191115BHJP
   H01L 21/8239 20060101ALI20191115BHJP
   H01L 27/105 20060101ALI20191115BHJP
   H01L 45/00 20060101ALI20191115BHJP
   H01L 49/00 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   G11C13/00 314
   G11C13/00 270A
   G11C13/00 320
   G11C13/00 270G
   H01L27/105 448
   H01L27/105 449
   H01L45/00 Z
   H01L49/00 Z
   H01L45/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-107924(P2018-107924)
(22)【出願日】2018年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】東芝メモリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】川澄 篤
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083EP17
5F083EP22
5F083EP32
5F083ER21
5F083FR02
5F083FZ10
5F083GA10
5F083GA11
5F083KA01
5F083KA06
(57)【要約】

【課題】選択メモリセルの電圧ばらつきを抑えることが可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る半導体記憶装置は、互いに平行に配列された複数の第1配線と、複数の第1配線と交差する方向で、互いに平行に配列された複数の第2配線と、複数の第1配線と複数の第2配線との交差部分に設けられた複数のメモリセルと、複数のメモリセルのうち、少なくとも2つのメモリセルを選択メモリセルとして同時に選択する選択部と、第1配線と第2配線を通じて選択メモリセルに電圧を印加するドライバと、を備える。電圧は、ドライバから複数のメモリセルまでの電流経路の長さに応じて区分けされた複数の区域ごとに設定されている。選択メモリセルは、同一区域内に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に配列された複数の第1配線と、
前記複数の第1配線と交差する方向で、互いに平行に配列された複数の第2配線と、
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線との交差部分に設けられた複数のメモリセルと、
前記複数のメモリセルのうち、少なくとも2つのメモリセルを選択メモリセルとして同時に選択する選択部と、
前記第1配線と前記第2配線を通じて前記選択メモリセルに電圧を印加するドライバと、を備え、
前記電圧は、前記ドライバから前記複数のメモリセルまでの電流経路の長さに応じて区分けされた複数の区域ごとに設定され、
前記選択メモリセルは、同一区域内に配置されている、半導体記憶装置。
【請求項2】
前記複数の区域は、前記第1配線の長さ方向に沿って区分けされている、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記複数の第1配線から前記選択メモリセルに対応する第1選択配線を選択する第1選択部と、前記複数の第2配線から前記選択メモリセルに対応する第2選択配線を選択する第2選択部と、を有し、
前記ドライバは、前記第1選択配線に第1電圧を印加する第1ドライバと、前記第2選択配線に第2電圧を印加する第2ドライバと、を有する、請求項1または2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1ドライバは、並列接続された複数の電源回路を含み、前記複数の電源回路は、前記複数の区域ごとに設定された前記第1電圧を出力する、請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記複数の第1配線は、櫛形に接続され、前記第1電圧は、前記第1配線の先端部に近い区域ほど高く設定されている、請求項3または4に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記複数の第2配線は、前記複数の第1配線間に配列された複数の第1導電線と、前記複数の第1導電線の一端に接続された第2導電線と、を有する、請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線とが、交互に積層されている、請求項1から4のいずれかに記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
互いに平行に配列された複数の第1配線と、前記複数の第1配線と交差する方向で互いに平行に配列された複数の第2配線との交差部分に設けられた複数のメモリセルから少なくとも2つのメモリセルを選択メモリセルとして同時に選択する半導体記憶装置の制御方法であって、
前記第1配線および前記第2配線を通じて前記選択メモリセルにドライバから印加する電圧を、前記ドライバから前記複数のメモリセルまでの電流経路の長さに応じて区分けした複数の区域ごとに設定し、
前記選択メモリセルを、同一区域内で同時に選択する、
半導体記憶装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置には、ワードラインを共有する複数のメモリセルを同時に選択するものがある。このような半導体記憶装置は、ワード線の電圧降下を最小限に抑えるために、例えば、ワード線の先端に位置するメモリセルと、後端に位置するメモリセルとを同時に選択する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9218886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなメモリセルの組み合わせでは、選択メモリセル同士で電圧ばらつきが大きくなることが懸念される。この電圧ばらつきが大きいと、動作不良が起こり得る。
【0005】
本発明の実施形態は、選択メモリセルの電圧ばらつきを抑えることが可能な半導体記憶装置およびその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る半導体記憶装置は、互いに平行に配列された複数の第1配線と、複数の第1配線と交差する方向で、互いに平行に配列された複数の第2配線と、複数の第1配線と複数の第2配線との交差部分に設けられた複数のメモリセルと、複数のメモリセルのうち、少なくとも2つのメモリセルを選択メモリセルとして同時に選択する選択部と、第1配線と第2配線を通じて選択メモリセルに電圧を印加するドライバと、を備える。電圧は、ドライバから複数のメモリセルまでの電流経路の長さに応じて区分けされた複数の区域ごとに設定されている。選択メモリセルは、同一区域内に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置の概略的な構成を示すブロック図である。
図2図2は、第1実施形態に係るメモリセルアレイの斜視図である。
図3】1レイヤ分のワードラインとメモリセルのレイアウトを示す平面図である。
図4】変形例に係るメモリセルアレイの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の概略的な構成を示すブロック図である。図1に示す半導体記憶装置1は、メモリセルアレイ10と、WLデコーダ20と、GBLデコーダ30と、セレクタデコーダ40と、制御部50と、電源60と、を備える。
【0010】
まず、図2を参照してメモリセルアレイ10について説明する。図2は、メモリセルアレイ10の斜視図である。
【0011】
図2に示すメモリセルアレイ10では、複数のメモリセルMCが、複数のワードラインWLと、複数のビットラインBLとの交差部分に設けられている。各メモリセルMCは、例えば、抵抗変化型のメモリ素子として形成される。
【0012】
複数のワードラインWLは、X方向(長さ方向)に延び、X方向に直交するY方向およびZ方向のそれぞれで互いに平行に配列されている。ワードラインWLは、第1配線とも称する。
【0013】
複数のビットラインBLは、Z方向に延び、複数のワードラインWL間に配列されている。各ビットラインBLの一端は、選択トランジスタSTを介してグローバルビットラインGBLに接続されている。グローバルビットラインGBLは、方向Yに延びている。ビットラインBLは、第1導電線とも称し、グローバルビットラインGBLは第2導電線とも称する。また、第1導電線および第2導電線を第2配線とも称する。
【0014】
選択トランジスタSTは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)として形成される。また、選択トランジスタSTは、X方向に延びる選択ゲートSGに印加される電圧に基づいて動作する。
【0015】
ここで、図1に戻ってWLデコーダ20を説明する。WLデコーダ20は、選択部21およびドライバ22を含む。選択部21は第1選択部とも称し、ドライバ22は第1ドライバとも称する。
【0016】
選択部21は、制御部50から選択メモリセルを特定するためのワードラインアドレスを受信すると、そのワードラインアドレスに基づいてワードラインWLを選択する。ドライバ22は、選択ワードラインおよび非選択ワードラインに対して、データの読み出し、書き込み、および消去に必要な電圧を印加する。この電圧は、電源60から供給される。
【0017】
GBLデコーダ30は、選択部31およびドライバ32を含む。選択部31は第2選択部とも称し、ドライバ32は第2ドライバとも称する。
【0018】
選択部31は、制御部50から選択メモリセルを特定するためのカラムアドレスを受信すると、そのカラムアドレスに基づいてグローバルビットラインGBLを選択する。ドライバ32は、選択グローバルビットラインおよび非選択グローバルビットラインに対して、データの読み出し、書き込み、および消去に必要な電圧を印加する。この電圧も、電源60から供給される。
【0019】
セレクタデコーダ40は、選択部41およびドライバ42を含む。選択部41は、制御部50から選択メモリセルを特定するためのシートアドレスを受信すると、そのシートアドレスに基づいて選択ゲートSGを選択する。ドライバ42は、選択された選択ゲートおよび非選択の選択ゲートに対して、データの読み出し、書き込み、および消去に必要な電圧を印加する。
【0020】
以下、図3を参照して本実施形態に係る半導体記憶装置1の動作について説明する。ここでは、メモリセルMCの選択動作について説明する。
【0021】
図3は、1レイヤ分のワードラインとメモリセルのレイアウトを示す平面図である。本実施形態では、複数のワード線WLが、1本おきに共通に接続されている。換言すると、奇数ワードラインWL1、WL3、WL5と、偶数ワードラインWL2、WL4とが、交互に入り組んだ2組の櫛形に接続されている。なお、1組の櫛形に接続されるワードラインWLの本数は、特に制限されない。
【0022】
奇数ワードラインWL1、WL3、WL5は、MOSトランジスタQ10を介してドライバ22aに接続される。一方、偶数ワードラインWL2、WL4は、MOSトランジスタQ20を介してドライバ22bに接続される。ドライバ22aおよびドライバ22bは、上述したドライバ22の一部である。
【0023】
ドライバ22aは、並列接続された4つの電源回路23a〜23dを有する。各電源回路には、MOSトランジスタQ11a〜Q11dが直列接続されている。MOSトランジスタQ11a〜Q11dのいずれかがオンすると、オンしたMOSトランジスタに接続された電源回路から電圧が出力される。
【0024】
一方、ドライバ22bも、同様に、並列接続された4つの電源回路24a〜24dを有する。各電源回路には、MOSトランジスタQ21a〜Q21dが直列接続されている。MOSトランジスタQ21a〜Q21dのいずれかがオンすると、オンしたMOSトランジスタに接続された電源回路から電圧が出力される。
【0025】
電源回路23a〜23dは、電源60から供給された電圧を昇降圧して、それぞれ異なる電圧を出力する。電源回路23a〜23dの出力電圧は、4つの区域Z1〜Z4にそれぞれ対応する。4つの区域Z1〜Z4は、ワードラインWLの長さ方向Xに沿って区切られている。各区域の電圧は、ドライバ22aからメモリセルMCまでの電流経路が長いほど高い値に設定されている。なお、区域の数は、特に制限されない。
【0026】
本実施形態では、ワードラインWL1、WL3、W5の先端部を含む区域Z4が、ドライバ22aから最も離れている。また、同一区域内に配置された少なくとも2つ以上のメモリセルMCが同時に選択される。そのため、例えば、ワードラインWL3の区域Z4に配置されたメモリセルMC3が選択メモリセルとして同時に選択されると、MOSトランジスタQ10およびMOSトランジスタQ11dがオンし、電源回路23dから最も高い電圧が出力される。
【0027】
一方、電源回路24a〜24の出力電圧も、4つの区域Z1〜Z4にそれぞれ対応する。本実施形態では、ワードラインWL2,WL4の先端部を含む区域Z1が、ドライバ22bから最も離れている。そのため、例えば、ワードラインWL4の区域Z1に配置されたメモリセルMC4が選択メモリセルとして同時に選択されると、MOSトランジスタQ20およびMOSトランジスタQ21dがオンし、電源回路24dから最も高い電圧が出力される。
【0028】
本実施形態によれば、各メモリセルMCに印加される電圧が、ドライバ22からの電流経路の長さ、換言すると電圧降下の大きさに基づいて区分けされている。また、同一区域内に配置されている複数のメモリセルが、同時に選択される。同一区域内では、メモリセルに印加される電圧ばらつきは小さくなる。これにより、選択メモリセルの電圧ばらつきを抑え、動作不良を回避することが可能となる。
【0029】
なお、ワードライン用のドライバ22aおよびドライバ22bは、図3に示す複数の電源回路を有する構成に限定されず、各区域に応じて異なる電圧を出力できる機能を有していればよい。また、図3に示す複数の電源回路は、ビットライン用のドライバ32に設けられていてもよい。この場合、各電源回路の出力電圧は、レイヤの位置に応じて設定される。具体的には、高層側のレイヤほど高い電圧が設定される。
【0030】
(変形例)
図4は、変形例に係るメモリセルの斜視図である。以下、上述した第1実施形態と異なる点を説明し、同様の事項については説明を省略する。
【0031】
本変形例に係るメモリセルアレイ11は、複数のワードラインWLと複数のビットラインBLとが交互に積層された、いわゆるクロスポイント型メモリセルである。本変形例においても、第1実施形態と同様に、ドライバ22が各ワードラインWLに電圧を出力する。また、ドライバ22の出力電圧は、ワードラインWLの長さ方向Xに沿って区分けされた区域ごとに設定されている。さらに、選択部21が、同一区域内に配置された少なくとも2つ以上のメモリセルMCを選択メモリセルとして選択する。
【0032】
よって、クロスポイント型メモリセルを有する半導体記憶装置であっても、選択メモリセルの電圧ばらつきを抑え、動作不良を回避することが可能となる。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0034】
WL ワードライン(第1配線)、BL ビットライン(第2配線、第1導電線)、GBL グローバルビットライン(第2配線、第2導電線)、MC メモリセル、21 第1選択部、31 第2選択部、22 第1ドライバ、32 第2ドライバ
図1
図2
図3
図4