【解決手段】半導体装置100は、縦型構造のパワートランジスタN1と、パワートランジスタN1の異常発熱を検出する温度検出素子10aと、を有する。パワートランジスタはN1、半導体基板200の第1主面側(表面側)に形成された第1電極208と、半導体基板200の第2主面側(裏面側)に形成された第2電極209と、第1電極208上で偏在配置されたパッド210a〜210fと、を含む。温度検出素子10aは、パッド210a〜210fの偏在配置により特定されるパワートランジスタN1の最大発熱箇所(最も電流の集中しやすいパッド210bの近傍)に形成されている。
前記第1電極には、前記温度検出素子の配線を端辺まで引き出すためのスリットが形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記複数のパッドは、それらのうちで最も温度保護回路に近いパッドの角部に最も電流が集中するように、前記第1電極上で偏在配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
前記温度検出素子は、前記角部から前記第1電極の端辺に至る複数の方向のうち、前記角部から各端辺までの距離が長い方向に配置されていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の半導体装置。
前記温度検出素子で前記パワートランジスタの異常発熱が検出されたときに前記パワートランジスタを強制的にオフさせる温度保護回路をさらに有することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<半導体装置>
図1は、半導体装置の全体構成を示すブロック図である。本構成例の半導体装置100は、車載用ハイサイドスイッチICであり、装置外部との電気的な接続を確立する手段として、複数の外部端子(INピン、GNDピン、OUTピン、STピン、VBBピン)を備えている。INピンは、CMOSロジックICなどから制御信号の外部入力を受け付けるための入力端子である。GNDピンは、接地端子である。OUTピンは、負荷(エンジン制御用ECU[electronic control unit]、エアコン、ボディ機器など)が外部接続される出力端子である。STピンは、CMOSロジックICなどに自己診断信号を外部出力するための出力端子である。VBBピンは、バッテリから電源電圧Vbb(例えば4.5V〜18V)の供給を受け付けるための電源端子である。なお、VBBピンは、大電流を流すために複数並列(例えば4ピン並列)に設けてもよい。
【0027】
また、本構成例の半導体装置100は、内部電源回路1と、定電圧生成回路2と、発振回路3と、チャージポンプ回路4と、ロジック回路5と、ゲート制御回路6と、クランプ回路7と、入力回路8と、基準生成回路9と、温度保護回路10と、減電圧保護回路11と、オープン保護回路12と、過電流保護回路13と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタN1〜N3と、抵抗R1及びR2と、センス抵抗Rsと、ツェナダイオードZ1及びZ2と、を集積化して成る。
【0028】
内部電源回路1は、VBBピンとGNDピンとの間に接続されており、電源電圧Vbbから所定の内部電源電圧VREGを生成して半導体装置100の各部に供給する。なお、内部電源回路1は、イネーブル信号ENの論理レベルに応じて動作可否が制御される。より具体的に述べると、内部電源回路1は、イネーブル信号ENがイネーブル時の論理レベル(例えばハイレベル)であるときに動作状態となり、イネーブル信号ENがディセーブル時の論理レベル(例えばローレベル)であるときに停止状態となる。
【0029】
定電圧生成回路2は、VBBピンとGNDピンとの間に接続されており、電源電圧Vbbに応じたハイ電圧VH(=電源電圧Vbb)と、ハイ電圧VHよりも定電圧REF(=例えば5V)だけ低いロー電圧VL(=Vbb−REF)とを生成して発振回路3及びチャージポンプ回路4に供給する。なお、定電圧生成回路2は、イネーブル信号EN及び異常保護信号S5aの論理レベルに応じて動作可否が制御される。より具体的に述べると、定電圧生成回路2は、イネーブル信号ENがイネーブル時の論理レベル(例えばハイレベル)であるとき、若しくは、異常保護信号S5aが異常未検出時の論理レベル(例えばハイレベル)であるときに動作状態となり、イネーブル信号ENがディセーブル時の論理レベル(例えばローレベル)であるとき、若しくは、異常保護信号S5aが異常検出時の論理レベル(例えばローレベル)であるときに停止状態となる。
【0030】
発振回路3は、ハイ電圧VHとロー電圧VLの供給を受けて動作し、所定周波数のクロック信号CLKを生成してチャージポンプ回路4に出力する。なお、クロック信号CLKは、ハイ電圧VHとロー電圧VLとの間でパルス駆動される矩形波信号である。
【0031】
チャージポンプ回路4は、ハイ電圧VHとロー電圧VLの供給を受けて動作し、クロック信号CLKを用いてフライングキャパシタを駆動することにより、電源電圧Vbbよりも高い昇圧電圧VCPを生成してゲート制御回路6及び過電流保護回路13に供給する。
【0032】
ロジック回路5は、内部電源電圧VREGの供給を受けて動作し、ゲート制御信号S5bを生成してゲート制御回路6に出力する。ゲート制御信号S5は、トランジスタN1及びN2をオンさせるときにハイレベル(=VREG)となり、トランジスタN1及びN2をオフさせるときにローレベル(=GND)となる2値信号である。また、ロジック回路5は、温度保護信号S10、減電圧保護信号S11、オープン保護信号S12、及び、過電流保護信号S13をそれぞれ監視し、必要に応じた異常保護動作を行う機能を備えている。より具体的に述べると、ロジック回路5は、半導体装置100に何らかの異常が検出されたときに、異常保護信号S5aを異常検出時の論理レベルとして定電圧生成回路2を停止させるとともに、ゲート制御信号S5bをローレベルとしてトランジスタN1及びN2をいずれも強制的にオフさせる。また、ロジック回路5は、異常検出結果に応じてトランジスタN3のゲート信号S5cを生成する機能も備えている。
【0033】
ゲート制御回路6は、昇圧電圧VCPの印加端とOUTピン(=出力電圧Voutの印加端)との間に接続されており、ゲート制御信号S5bの電流能力を高めたゲート電圧VGを生成してトランジスタN1及びN2のゲートに出力する。ゲート電圧VGは、ゲート制御信号S5bがハイレベルであるときにハイレベル(=VCP)となり、ゲート制御信号S5bがローレベルであるときにローレベル(=Vo)となる。なお、ゲート制御回路6は、過電流保護信号S13の論理レベルに応じて動作可否が制御される。より具体的に述べると、ゲート制御回路6は、過電流保護信号S13が異常未検出時の論理レベル(例えばローレベル)であるときに動作状態となり、過電流保護信号S13が異常検出時の論理レベル(例えばハイレベル)であるときに停止状態となる。
【0034】
クランプ回路7は、VBBピンとトランジスタN1及びN2の両ゲートとの間に接続されている。OUTピンに誘導性負荷が接続されるアプリケーションでは、トランジスタN1をオンからオフへ切り替える際、誘導性負荷の逆起電力によりOUTピンが負電圧となる。そのため、エネルギー吸収用にクランプ回路7(いわゆるアクティブクランプ回路)が設けられている。なお、Vbb−(Vclp+Vgs)で表されるアクティブクランプ電圧は、例えば48Vに設定するとよい(ただし、Vbbは電源電圧、VclpはOUTピンの負側クランプ電圧、VgsはトランジスタN1のゲート・ソース間電圧)。
【0035】
入力回路8は、INピンから制御信号の入力を受け付けてイネーブル信号ENを生成するシュミットトリガである。
【0036】
基準生成回路9は、内部電源電圧VREGの供給を受けて動作し、所定の基準電圧Vrefや基準電流Irefを生成して半導体装置100の各部に供給する。なお、例えば、基準電圧Vrefや基準電流Irefは、内部電源回路1において内部電源電圧VREGの目標値を設定したり、各種保護回路9〜13において異常検出用の閾値を設定したりするために用いられる。
【0037】
温度保護回路10は、内部電源電圧VREGの供給を受けて動作し、トランジスタN1の異常発熱を検出する温度検出素子(不図示)を含み、その検出結果(=異常発熱が生じているか否か)に応じた温度保護信号S10を生成してロジック回路5に出力する。温度保護信号S10は、例えば、異常未検出時にローレベル(=GND)となり、異常検出時にハイレベル(=VREG)となる2値信号である。
【0038】
減電圧保護回路11は、内部電源電圧VREGの供給を受けて動作し、電源電圧Vbbないしは内部電源電圧VREGの監視結果(=減電圧異常が生じているか否か)に応じた減電圧保護信号S11を生成してロジック回路5に出力する。減電圧保護信号S11は、例えば、異常未検出時にローレベル(=GND)となり、異常検出時にハイレベル(=VREG)となる2値信号である。
【0039】
オープン保護回路12は、電源電圧Vbbと内部電源電圧VREGの供給を受けて動作し、出力電圧Voutの監視結果(=負荷のオープン異常が生じているか否か)に応じたオープン保護信号S12を生成してロジック回路5に出力する。なお、オープン保護信号S12は、例えば、異常未検出時にローレベル(=GND)となり、異常検出時にハイレベル(=VREG)となる2値信号である。
【0040】
過電流保護回路13は、昇圧電圧VCPの印加端とOUTピン(=出力電圧Voutの印加端)との間に接続されており、センス電圧Vsの監視結果(=過電流が生じているか否か)に応じた過電流保護信号S13を生成してロジック回路5に出力する。過電流保護信号S13は、例えば、異常未検出時にローレベル(=GND)となり、異常検出時にハイレベル(=VREG)となる2値信号である。
【0041】
トランジスタN1は、ドレインがVBBピンに接続されてソースがOUTピンに接続されたパワートランジスタであり、バッテリから負荷に向けた出力電流I1が流れる電流経路を導通/遮断するためのスイッチ素子(ハイサイドスイッチ)として機能する。なお、トランジスタN1は、ゲート電圧VGがハイレベルであるときにオンし、ゲート電圧VGがローレベルであるときにオフする。
【0042】
なお、トランジスタN1のオン抵抗が低いほど、OUTピンの地絡時(=接地端ないしはこれに準ずる低電位端への短絡時)に過電流が流れやすくなり、異常発熱を生じやすくなる。従って、トランジスタN1のオン抵抗を下げるほど、温度保護回路10や過電流保護回路13の重要性が高くなる。
【0043】
トランジスタN2は、トランジスタN1に対して並列接続されたミラートランジスタであり、出力電流I1に応じたミラー電流I2を生成する。トランジスタN1とトランジスタN2とのサイズ比は、m:1(ただしm>1、例えばm=1000)である。従って、ミラー電流I2は、出力電流I1を1/mに減じた大きさとなる。なお、トランジスタN2は、トランジスタN1と同じく、ゲート電圧VGがハイレベルであるときにオンし、ゲート電圧VGがローレベルであるときにオフする。
【0044】
トランジスタN3は、ドレインがSTピンに接続されてソースがGNDピンに接続されたオープンドレイン形式のトランジスタである。なお、トランジスタN3は、ゲート信号S5cがハイレベルであるときにオンし、ゲート信号S5cがローレベルであるときにオフする。すなわち、STピンから外部出力される自己診断信号は、ゲート信号S5cのハイレベルであるとき(=トランジスタN3がオンしているとき)にローレベルとなり、ゲート信号S5cがローレベルであるとき(=トランジスタN3がオフしているとき)にハイレベルとなる。
【0045】
抵抗R1は、INピンと入力回路8の入力端との間に接続されており、過大なサージ電流などを抑制するための電流制限抵抗として機能する。
【0046】
抵抗R2は、入力回路8の入力端とGNDピンとの間に接続されており、INピンがオープン状態であるときに入力回路8への入力論理レベルをローレベル(=ディセーブル時の論理レベル)に確定させるためのプルダウン抵抗として機能する。
【0047】
センス抵抗Rsは、トランジスタN2のソースとOUTピンとの間に接続されており、ミラー電流I2に応じたセンス電圧Vs(=I2×Rs)を生成する電流検出素子として機能する。
【0048】
ツェナダイオードZ1は、トランジスタN1及びN2のゲートとOUTピンとの間で、カソードがトランジスタN1及びN2のゲート側となり、アノードがOUTピン側となる向きに接続されている。このように接続されたツェナダイオードZ1は、VBBピンにバッテリを接続してOUTピンに負荷を接続した正規接続状態において、トランジスタN1及びN2のゲート・ソース間電圧を所定の上限値以下に制限するクランプ素子(サージ電圧吸収素子)として機能する。
【0049】
ツェナダイオードZ2は、トランジスタN1及びN2のゲートとOUTピンとの間で、アノードがトランジスタN1及びN2のゲート側となり、カソードがOUTピン側となる向きに接続されている。このように接続されたツェナダイオードZ2は、VBBピンに負荷を接続してOUTピンにバッテリを接続した逆接続状態において、OUTピンからトランジスタN1及びN2のゲートに至る電流経路を遮断するための逆接続保護素子として機能する。
【0050】
上記したように、半導体装置100は、CMOSロジック(ロジック回路5など)と、パワーMOSデバイス(トランジスタN1など)と、を1チップ上に組み込んだモノリシックパワーICとして構成されている。
【0051】
<パワートランジスタ(第1実施形態)>
図2は、トランジスタN1の第1実施形態を示す模式図である。本図の上段には、トランジスタN1の上面図が描写されており、パッドの配置レイアウトやパッド周辺の電流密度分布(延いては温度分布)が描写されている。なお、上面図のハッチング領域は、斜線密度(濃度)が高い領域ほど電流密度が高いことを示している。一方、本図の下段には、トランジスタN1を上面図の一点鎖線α1−α2で切断したときの縦断面図が描写されている。なお、図示の便宜上、層の厚さ、トレンチゲートのサイズや数、パッドのサイズや数、温度検出素子10aのサイズなどについては、実際と異なっている場合がある。
【0052】
本実施形態のトランジスタN1は、縦型構造(トレンチゲート型)のパワートランジスタであり、半導体基板200と、半導体基板200の表面側(=第1主面側に相当)に形成されたソース電極208(=第1電極に相当)と、半導体基板200の裏面側(=第2主面側に相当)に形成されたドレイン電極209(=第2電極に相当)と、ソース電極208上に複数形成されたワイヤボンディング用のパッド210a〜210fとを有する。
【0053】
半導体基板200は、その土台としてn型半導体基板層201を含む。n型半導体基板層201の表面には、低濃度n型半導体層202が形成されている。さらに、低濃度n型半導体層202の表面には、高濃度p型半導体層203が形成されている。
【0054】
また、半導体基板200には、高濃度p型半導体層203の表面から低濃度n型半導体層202に至るトレンチゲートが複数形成されている。トレンチゲートの内壁面は、ゲート酸化膜204で被覆されており、かつ、その内部にゲートポリシリコン205が充填されている。また、高濃度p型半導体層203の表面近傍において、トレンチゲートの周囲には、高濃度n型半導体領域206が形成されている。なお、トレンチゲートの表面は、層間絶縁膜207で被覆されている。
【0055】
さらに、半導体基板200の表面には、パワートランジスタ形成領域の全体を被覆するようにソース電極208が形成されている。一方、半導体基板200の裏面には、パワートランジスタ形成領域の全体を被覆するようにドレイン電極209が形成されている。
【0056】
このような縦型構造のトランジスタN1では、複数のトレンチゲート毎に単位セルが構成されており、多数の単位セルを並列接続することによって、一つのパワートランジスタが形成されている。特に、トレンチゲート型のトランジスタN1であれば、単位セルを微細化することができるので、トランジスタN1の低オン抵抗化(数十mΩ)を実現することが可能である。
【0057】
また、本実施形態のトランジスタN1では、ソース電極208上で6個のパッド210a〜210fが上下左右に均等な間隔で格子状(縦3個×横2個)に配置されている。このような配置レイアウトを採用した場合、ドレイン電極209からソース電極208に至る電流は、パワートランジスタ形成領域内を均等に流れるので、パッド210a〜210fそれぞれの周囲における電流密度分布は、全方位に偏りのないものとなる。従って、トランジスタN1の発熱箇所を分散させることができるので、半導体装置100の安全性を高めたり製品寿命を延ばしたりすることが可能となる。
【0058】
なお、上面図のハッチング領域で示したように、トランジスタN1は、通常、パッド210a〜210fの近傍で発熱を生じやすい。これを鑑みると、トランジスタN1の異常発熱を検出するための温度検出素子10a(例えば、ベース・エミッタ間電圧Vbeが温度依存性を持つバイポーラトランジスタ)は、複数のパッド210a〜210fのうち、最も発熱の大きいものの近傍に設けることが望ましい。
【0059】
なお、本実施形態のトランジスタN1では、ソース電極208上でパッド210a〜210fを均等配置したことに伴い、同等の発熱箇所が複数存在している。そこで、本図の例では、パッド210a〜210fそれぞれの周囲における電流密度分布(延いては温度分布)には差がないという前提の下、パッド210bの左側近傍におけるパワートランジスタ形成領域内に温度検出素子10aが形成されている。
【0060】
ただし、トランジスタN1の製造ばらつきなどにより、パッド210b以外に電流集中が生じた場合や、パッド210bの周囲における電流密度分布に偏りが生じた場合には、トランジスタN1の最大発熱箇所を正しく監視することができていない状態(=より温度の低い箇所を監視している状態)となる。このような状態に陥ると、温度検出素子10aによる異常発熱の検出が遅れるので、トランジスタN1の熱破壊を生じるおそれがある。
【0061】
<パワートランジスタ(第2実施形態)>
図3は、トランジスタN1の第2実施形態を示す模式図である。本実施形態のトランジスタN1は、先の第1実施形態(
図2)をベースとしつつ、パッド210a〜210fの配置レイアウトに工夫を凝らした点に特徴を有する。そこで、第1実施形態と同様の構成要素については、
図2と同一の符号を付すことで重複した説明を割愛し、以下では、第2実施形態の特徴部分について重点的な説明を行う。
【0062】
本実施形態のトランジスタN1において、パッド210a〜210fは、ソース電極208の全面に均等配置されておらず、ソース電極208の右半面だけに寄せるように偏在配置されている。このような偏在配置に伴い、ドレイン電極209からソース電極208の左反面に流れる電流は、パッド210a〜210fのうち、左列に並ぶパッド210a〜210cに対して、それぞれの左側方向から集中的に流れ込む。
【0063】
従って、パッド210a〜210fそれぞれの周囲における電流密度分布については、パッド210a〜210cの左側近傍が最も電流密度の高い領域となり、延いては、トランジスタN1の最大発熱箇所となる。これに鑑み、本図の例では、パッド210bの左側近傍におけるパワートランジスタ形成領域内に温度検出素子10aが形成されている。
【0064】
このように、本実施形態におけるパッド210a〜210fの配置レイアウトを採用すれば、電流の集中しやすいパッド210a〜210cを意図的に限定し、温度検出素子10aを形成すべき最大発熱箇所を絞り込むことができるので、温度検出素子10aによる異常発熱の検出精度(延いては温度保護回路10の信頼性)を高めることが可能となる。
【0065】
<パワートランジスタ(第3実施形態)>
図4は、トランジスタN1の第3実施形態を示す模式図である。本実施形態のトランジスタN1は、先の第2実施形態(
図3)をベースとしつつ、パッド210a〜210fの配置レイアウトにさらなる工夫を凝らした点に特徴を有する。そこで、第2実施形態と同様の構成要素については、
図3と同一の符号を付すことで重複した説明を割愛し、以下では、第3実施形態の特徴部分について重点的な説明を行う。
【0066】
先の第2実施形態では、パッド210a〜210fのうち、電流の集中しやすい3つのパッド210a〜210cを絞り込むことができるが、それらのパッド210a〜210cには同条件で電流が流れる。そのため、トランジスタN1の製造ばらつきなどにより、温度検出素子10aに近いパッド210bではなく、パッド210aやパッド210cにより大きな電流が集中して流れることも完全には否定できない。
【0067】
そこで、本実施形態のトランジスタN1では、上記3つのパッド210a〜210cのうち、パッド210bだけがソース電極208の中央寄り(左端寄り)に突出して配置されている。このような偏在配置に伴い、ドレイン電極209からソース電極208の左反面に流れる電流は、パッド210a〜210fのうち、ソース電極208の左端に最も近いパッド210bに対して、その左側方向から集中的に流れ込む。
【0068】
従って、パッド210a〜210fそれぞれの周囲における電流密度分布については、パッド210bの左側近傍が最も電流密度の高い領域となり、延いては、トランジスタN1の最大発熱箇所となる。これに鑑み、本図の例では、パッド210bの左側近傍におけるパワートランジスタ形成領域内に温度検出素子10aが形成されている。
【0069】
このように、本実施形態におけるパッド210a〜210fの配置レイアウトを採用すれば、最も電流の集中しやすいパッド210bを唯一に特定することができるので、温度検出素子10aを形成すべき最大発熱箇所を唯一に特定することが可能となる。従って、温度検出素子10aによる異常発熱の検出精度(延いては温度保護回路10の信頼性)を高めることが可能となる。
【0070】
なお、
図3や
図4では、説明の便宜上、電流集中パッドとそれ以外のパッドとの間で、それぞれの周囲における電流密度に顕著な差があるかのような描写を行ったが、特定のパッドに対する過度な電流集中は、メタル層やボンディングワイヤの局部劣化を招くので、本来的にはできる限り忌避すべきである。
【0071】
これを鑑みると、パッド210a〜210fの配置レイアウトについては、パッド210a〜210fそれぞれの周囲における電流密度の差が必要最小限となるように、すなわち、トランジスタN1の製造ばらつきなどが生じた場合であっても、電流集中パッドとそれ以外のパッドとの間で、電流密度の大小関係が逆転しない程度の差を付けるように、ソース電極208上でパッド210a〜210fを適切に偏在配置することが望ましい。
【0072】
<パワートランジスタ(第4実施形態)>
図5は、トランジスタN1の第4実施形態を示す模式図である。本実施形態のトランジスタN1は、先の第1実施形態(
図2)をベースとしつつ、パッド210a〜210fを単一のパッド210gに集約し、さらに、そのパッド210gの配置レイアウトに工夫を凝らした点に特徴を有する。そこで、第1実施形態と同様の構成要素については、
図2と同一の符号を付すことで重複した説明を割愛し、以下では、第4実施形態の特徴部分について重点的な説明を行う。
【0073】
パッド210gは大径(例えば数百μm)のボンディングワイヤを接続することのできる大電流用パッドであり、ソース電極208上に一つだけ設けられている。特に、本図の例では、ソース電極208の重心点から紙面右方向へずれた位置にパッド210gが偏在配置されている。このような偏在配置に伴い、パッド210gの周囲における電流密度分布は、全方位に均等なものではなく、特定の方向(本図の例ではパッド210gの左側)に電流密度の高い領域が偏ったものとなり、延いては、当該領域がトランジスタN1の最大発熱箇所となる。これに鑑み、本図の例では、パッド210gの左側近傍におけるパワートランジスタ形成領域内に温度検出素子10aが形成されている。
【0074】
このように、ソース電極208上に単一のパッド210gを設ける場合であっても、これをソース電極208上で偏在配置することにより、パッド210gの周囲で最も電流の集中しやすい領域を唯一に特定することができるので、温度検出素子10aを形成すべき最大発熱箇所を唯一に特定することが可能となる。従って、温度検出素子10aによる異常発熱の検出精度(延いては温度保護回路10の信頼性)を高めることが可能となる。
【0075】
<電源ライン>
図6は、半導体装置100における電源ラインの敷設例を示す模式図である。本図の半導体装置100は、n型半導体基板層を土台とする半導体基板300(
図2〜
図5の半導体基板200に相当)を有する。
【0076】
半導体基板300には、縦型構造のトランジスタN1が形成されるパワートランジスタ形成領域301(
図2〜
図5それぞれの下段を参照)が作り込まれている。パワートランジスタ形成領域301の表面側(第1主面側に相当)には、ソース電極302が形成されている。ソース電極302は、パッドを介してOUTピンに接続されている。一方、パワートランジスタ形成領域301の裏面側(第2主面側に相当)には、ドレイン電極303が形成されている。ドレイン電極303は、VBBピンに接続されている。
【0077】
なお、半導体基板300の裏面には、その全面に亘ってn型半導体基板層に電源電圧Vbb(系内の最高電圧)を印加するための基板電極(裏面電極)が形成されている。従って、上記のドレイン電極303としては、半導体基板300の基板電極をそのまま流用することができる。
【0078】
また、半導体基板300には、パワートランジスタ形成領域301のほかにも、複数の回路形成領域304a及び304bが作り込まれている。これらの回路形成領域304a及び304bには、電源電圧Vbbの供給を受けて動作する回路ブロック(内部電源回路1や定電圧生成回路2など)が形成されている。
【0079】
ここで、半導体基板300の表面側に電源パッドを設け、その電源パッドから回路形成領域304a及び304bに電源電圧Vbbを供給しようとする場合、回路形成領域304a及び304bの配置レイアウトによっては、電源パッドから回路形成領域304a及び304bに至る最短距離で電源ラインを敷設することができず、電源ラインを不必要に引き回さなければならない状況も想定される。
【0080】
上記の状況を回避すべく、本構成例の半導体装置100では、半導体基板300の表面上には、回路形成領域304a及び304b毎に別個独立した電源ライン305a及び305bが敷設されており、かつ、半導体基板300の内部には、半導体基板300の裏面全面に形成された基板電極(=ドレイン電極303)と電源ライン305a及び305bとの間をそれぞれ電気的に接続する層間ビア306a及び306bが形成されている。なお、層間ビア306a及び306bは、それぞれ、回路形成領域304a及び304bの近傍に設けることが望ましい。
【0081】
このような構成とすることにより、電源パッドから電源ライン305a及び305bを引き回す必要がなくなる。従って、回路形成領域304a及び304bの配置レイアウトに依ることなく、電源ライン305a及び305bの敷設距離を必要最小限に抑えることが可能となる。
【0082】
なお、
図2〜
図6では、トランジスタN1の縦型構造としてトレンチゲート型を採用した場合を例に挙げて説明を行ったが、トランジスタN1の縦型構造としては、プレーナゲート型を採用してもよい。
【0083】
また、トランジスタN1を横型構造とする場合においても、その電極上でパッドの偏在配置を行うことにより、温度検出素子10aの形成位置を適切に決定することができる。以下では、
図7を参照しながら、この点について詳細に説明する。
【0084】
<パワートランジスタ(第5実施形態)>
図7は、トランジスタN1の第5実施形態を示す模式図(上面図)である。本実施形態のトランジスタN1は、横型構造のパワートランジスタであり、半導体基板400と、半導体基板400上に形成されたチャネル領域401と、チャネル領域401から半導体基板400の端辺に向けて敷設されたソース電極402及びドレイン電極403と、各電極上にそれぞれ形成されたワイヤボンディング用のパッド列404及び405と、を含むほか、さらに、ソース電極402上でパッド列404よりもチャネル領域401寄りに偏在配置された電流集中パッド406を含む。
【0085】
上記した電流集中パッド406の偏在配置に伴い、ドレイン電極403からソース電極402に流れる電流は、チャネル領域401に最も近い電流集中パッド406に対して集中的に流れ込む。なお、本図中の白抜き矢印は、ドレイン電極403からチャネル領域401を介してソース電極402に流れる電流を示しており、矢印の太さは電流の大きさを示している。
【0086】
従って、電流集中パッド406の近傍が最も電流密度の高い領域となり、延いては、トランジスタN1の最大発熱箇所となる。これに鑑み、本図の例では、電流集中パッド406の近傍に温度検出素子10aが形成されている。
【0087】
このように、横型のトランジスタN1においても、ソース電極402上で電流集中パッド406を偏在配置することにより、温度検出素子10aを形成すべき最大発熱箇所を唯一に特定することが可能となる。従って、温度検出素子10aによる異常発熱の検出精度(延いては温度保護回路10の信頼性)を高めることが可能となる。
【0088】
<ローサイドスイッチへの適用>
上記では、いずれもハイサイドスイッチを適用対象としてパッドの配置レイアウトに関する説明を行ったが、これまでに説明してきたパッドの配置レイアウトについては、ローサイドスイッチ(
図8を参照)にも適用することが可能である。
【0089】
図9は、ローサイドスイッチへの適用例を示す模式図であり、ここでは、先出の第4実施形態(
図5)と同じパッドの配置レイアウトを適用したローサイドスイッチLSWが例示されている。本図で示したように、ローサイドスイッチLSWへの適用時には、ソース電極210g(=第1電極に相当)がGNDピンに接続されて、ドレイン電極209(=第2電極に相当)がOUTピンに接続された構成となる。
【0090】
<パワートランジスタ(第6実施形態)>
図10は、トランジスタN1の第6実施形態を示す模式図である。本実施形態では、先出の第3実施形態(
図4)をベースとしつつ、実機に即してより具体的な構造が描写されている。なお、本図下段には、本図上段の破線領域(=温度検出素子10aの周辺領域)における縦断面図が描写されている。
【0091】
本図上段で示すように、ソース電極208には、パッド210bの近傍に設けられた温度検出素子10aのメタル配線10bを自身の端辺まで引き出すためのスリット208aが形成されている。このように、温度検出素子10aは、厳密的に述べると、トランジスタN1の内部に埋め込まれているのではなく、トランジスタN1を部分的に切り欠いた領域(=スリット208aの形成領域)に配置されている。
【0092】
なお、スリット208aは、温度検出素子10aから見て、パッド210bとは反対の方向に向けて一直線に形成されている。このような構成とすることにより、パッド210a〜210fへの電流経路を極力遮断せずに、メタル配線10bをソース電極208の端辺まで引き出すことが可能となる。
【0093】
次に、本図下段の縦断面図について説明する。本実施形態では、温度検出素子10aとしてダイオードが用いられている。具体的に述べると、低濃度n型半導体層202には、ダイオードのアノードに相当する高濃度p型半導体領域10a1が形成されており、高濃度p型半導体領域10a1の内部には、ダイオードのカソードに相当する高濃度n型半導体領域10a2が形成されている。このようなpn接合により形成されたダイオードは、その順方向降下電圧Vfがジャンクション温度Tjに依存して変化するので、温度検出素子10aとして好適である。
【0094】
次に、トランジスタN1の構成要素について補足的に説明する。これまでの実施形態でも説明してきたように、トランジスタN1では、複数のトレンチゲート毎に単位セルが構成されており、多数の単位セルを並列接続することによって、一つのパワートランジスタが形成されている。例えば、パッド210bのサイズは一辺70μm以上であり、トレンチゲートの幅及び間隔は数μmである。従って、本図で示したように、パッド210bの直下には、複数のトレンチゲートが存在することになる。
【0095】
なお、本実施形態では、先出の第3実施形態(
図4)をベースとして説明を行ったが、第1実施形態(
図1)、第2実施形態(
図3)、及び、第4実施形態(
図5)をベースとした場合でも、上記と同様の構造を採用することが可能である。
【0096】
<ICレイアウト>
図11は、ICレイアウトの一具体例を示す模式図である。本図の半導体装置500には、2チャンネル分のNチャネル型MOS電界効果トランジスタ510及び520(それぞれ先出のトランジスタN1に相当)が集積化されている。
【0097】
なお、トランジスタ510及び520は、それぞれ、半導体装置500の中央部ではなく側辺部に寄せて配置されている。一方、半導体装置500の中央部には、自身に入力される制御信号に応じてトランジスタ510及び520をそれぞれオン/オフするためのドライバDRV(
図1のゲート制御回路6などがこれに相当)と、温度異常検出時にトランジスタ510及び520をいずれも強制オフするための温度保護回路TSD(
図1の温度保護回路10に相当)が形成されている。また、半導体装置500の残余領域には、その他の回路要素others(
図1のチャージポンプ回路4などがこれに相当)が形成されている。
【0098】
また、トランジスタ510及び520は、半導体装置500の平面視において、L字型に形成されている。このようなレイアウトを採用することにより、インダクタなどの誘導性負荷に対する耐量を高めることが可能となる。
【0099】
また、トランジスタ510及び520は、半導体装置500の平面視において、左右対称にレイアウトされている。このようなレイアウトを採用することにより、特性の均等性や配線の敷設容易性を高めることが可能となる。
【0100】
次に、トランジスタ510におけるパッドの偏在配置について説明する。トランジスタ510のソース電極511上には、複数(ここでは2つ)の主パッド512a及び512bと、これよりも小さい複数(ここでは7つ)の副パッド513が形成されている。
【0101】
例えば、ソース電極511の下には、均等的にトランジスタ素子(単位セル)が配置されていると仮定した場合、それぞれのトランジスタ素子から流れる電流は、ソース電極511上に配置された各パッド(512a、512b、513)に集中する。また、1つのトランジスタ素子に着目すると、そのトランジスタ素子に流れる電流の導通経路は、パッドの配置位置により固定されている。なぜなら、電流は最短の経路(最も抵抗値の小さい経路)に流れる性質を持つからである。
【0102】
すなわち、トランジスタ510を形成する無数のトランジスタ素子から各パッド(512a、512b、513)に至る無数の電流経路は、各パッドの配置位置により決定されている。そして、トランジスタ510の形成領域内で最も電流が集中しているところは、トランジスタ素子からの電流経路が最も集中しているところである。例えば、
図12(=
図11における破線領域Aの拡大図)を見ると、ソース電極511上で電流が最も集中する場所は、主パッド512a右下の角部P1であることが分かる。
【0103】
具体的に説明すると、エリアzone1内のトランジスタ素子から流れる電流は、いずれも角部P1に流れ込む。一方、角部P1との比較例として、副パッド513右下の角部P2を参照すると、エリアzone2内のトランジスタ素子から流れる電流は、いずれも角部P2に流れ込む。なお、エリアzone2は、主パッド512aの右辺からの距離と副パッド513の角部P2からの距離とが互いに等しくなる点x1及びx2により特定される。
図12から分かるように、エリアzone1の面積は、エリアzone2の面積よりも大きいので、角部P1の電流密度は、角部P2の電流密度よりも大きい。その他のパッド角部についても、上記と同様の考察を行うことにより、ソース電極511上において主パッド512a右下の角部P1の電流密度が最も大きいことを証明することができる。
【0104】
このように、各パッド(512a、512b、513)は、それらのうちで最も温度保護回路TSDに近いパッドの角部(本図の例では、主パッド512a右下の角部P1)に最も電流が集中するように、ソース電極511上で偏在配置されている。
【0105】
なお、トランジスタ510の温度を検出する温度検出素子D10(先出の温度検出素子10aに相当)は、トランジスタ510の形成領域内において、最も熱集中を生じやすい箇所に配設することが望ましい。
図12の例では、先にも述べたように、主パッド512a右下の角部P1に最も電流が集中することから、当該部位の近傍に温度検出素子D10を設けることが望ましいと言える。
【0106】
ここで、「近傍」についての具体例を挙げる。例えば、
図11において、半導体装置500の長辺(=紙面左右方向の長さ)が2.8mmである場合、温度検出素子D10からトランジスタ510の端辺(=ソース電極511の右側端辺)までの距離は、例えば0.2mmとすればよく、また、温度検出素子D10から主パッド512aまでの距離は、例えば0.02mmとすればよい。すなわち、温度検出素子D10から主パッド512aまでの距離は、温度検出素子D10からトランジスタ510の端辺までの距離の5%〜20%程度(例えば10%)に設計すればよい。
【0107】
なお、温度検出素子D10は、主パッド512a右下の角部P1からソース電極511の右側端辺に至る第1方向(=紙面左右方向)と、ソース電極511の下側端辺に至る第2方向(=紙面上下方向)のうち、角部P1から各端辺までの距離が長い方向に配置するとよい。
【0108】
また、
図11及び
図12では明示されていないが、ソース電極511には、先の
図10と同じく、温度検出素子D10の配設位置から自身の右側端辺に至る直線状のスリットが形成されているものとする。
【0109】
また、トランジスタ520についても、トランジスタ510と左右が反転されている以外、上記と同様のICレイアウトが採用されている。すなわち、トランジスタ510におけるパッドの偏在配置を説明する中で参照した符号の十の位を「1」から「2」に読み替えれば、トランジスタ520についての説明として理解することができる。
【0110】
<車両への適用>
図13は、車両の一構成例を示す外観図である。本構成例の車両Xは、バッテリ(本図では不図示)と、バッテリから電源電圧Vbbの供給を受けて動作する種々の電子機器X11〜X18と、を搭載している。なお、本図における電子機器X11〜X18の搭載位置については、図示の便宜上、実際とは異なる場合がある。
【0111】
電子機器X11は、エンジンに関連する制御(インジェクション制御、電子スロットル制御、アイドリング制御、酸素センサヒータ制御、及び、オートクルーズ制御など)を行うエンジンコントロールユニットである。
【0112】
電子機器X12は、HID[high intensity discharged lamp]やDRL[daytime running lamp]などの点消灯制御を行うランプコントロールユニットである。
【0113】
電子機器X13は、トランスミッションに関連する制御を行うトランスミッションコントロールユニットである。
【0114】
電子機器X14は、車両Xの運動に関連する制御(ABS[anti-lock brake system]制御、EPS[electric power steering]制御、電子サスペンション制御など)を行うボディコントロールユニットである。
【0115】
電子機器X15は、ドアロックや防犯アラームなどの駆動制御を行うセキュリティコントロールユニットである。
【0116】
電子機器X16は、ワイパー、電動ドアミラー、パワーウィンドウ、ダンパー(ショックアブソーバー)、電動サンルーフ、及び、電動シートなど、標準装備品やメーカーオプション品として、工場出荷段階で車両Xに組み込まれている電子機器である。
【0117】
電子機器X17は、車載A/V[audio/visual]機器、カーナビゲーションシステム、及び、ETC[electronic toll collection system]など、ユーザオプション品として任意で車両Xに装着される電子機器である。
【0118】
電子機器X18は、車載ブロア、オイルポンプ、ウォーターポンプ、バッテリ冷却ファンなど、高耐圧系モータを備えた電子機器である。
【0119】
なお、先に説明した半導体装置100は、電子機器X11〜X18のいずれにも組み込むことが可能である。
【0120】
<その他の変形例>
なお、上記の実施形態では、車載用ハイサイドスイッチICを例に挙げて説明を行ったが、本明細書中に開示されている発明の適用対象は、これに限定されるものではなく、その他の用途に供される車載用IPD[intelligent power device](車載用ローサイドスイッチICや車載用電源ICなど)を始めとして、パワートランジスタを有する半導体装置全般に広く適用することが可能である。
【0121】
すなわち、本明細書中に開示されている発明は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。