【解決手段】実施形態の無線通信モジュールは、第1の面と、第2の面と、第3の面と、第4の面と、第5の面と、第6の面と、を有し樹脂を含む立体物と、第1の面に設けられた第1のアンテナと、第2の面に設けられた第2のアンテナと、第3の面に設けられた第3のアンテナと、第4の面に設けられた第4のアンテナと、第5の面に設けられた第5のアンテナと、第6の面に設けられた第6のアンテナと、立体物内に設けられ、第1のアンテナ、第2のアンテナ、第3のアンテナ、第4のアンテナ、第5のアンテナ又は第6のアンテナに接続された通信回路と、を備える。
前記第1のアンテナの第1の共振周波数と、前記第2のアンテナの第2の共振周波数と、前記第3のアンテナの第3の共振周波数と、前記第4のアンテナの第4の共振周波数と、前記第5のアンテナの第5の共振周波数と、前記第6のアンテナの第6の共振周波数はそれぞれ互いに異なる請求項1記載の無線通信モジュール。
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、前記第3のアンテナ、前記第4のアンテナ、前記第5のアンテナ又は前記第6のアンテナは、線状アンテナ、平面アンテナ又はチップアンテナである請求項1又は請求項2記載の無線通信モジュール。
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、前記第3のアンテナ、前記第4のアンテナ、前記第5のアンテナ又は前記第6のアンテナと前記基板の間に前記樹脂が設けられ、
前記樹脂と前記基板の間に前記シールドケースが設けられ、
前記シールドケースと前記基板の間に前記通信回路が設けられる、
請求項5記載の無線通信モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて実施形態を説明する。なお、図面中、同一又は類似の箇所には、同一又は類似の符号を付している。
【0009】
本明細書中、同一又は類似する部材については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0010】
本明細書中、部品等の位置関係を示すために、図面の上方向を「上」、図面の下方向を「下」と記述する。本明細書中、「上」、「下」の概念は、必ずしも重力の向きとの関係を示す用語ではない。
【0011】
(第1の実施形態)
本実施形態の無線通信モジュールは、第1の面と、第2の面と、第3の面と、第4の面と、第5の面と、第6の面と、を有し樹脂を含む立体物と、第1の面に設けられた第1のアンテナと、第2の面に設けられた第2のアンテナと、第3の面に設けられた第3のアンテナと、第4の面に設けられた第4のアンテナと、第5の面に設けられた第5のアンテナと、第6の面に設けられた第6のアンテナと、立体物内に設けられ、第1のアンテナ、第2のアンテナ、第3のアンテナ、第4のアンテナ、第5のアンテナ又は第6のアンテナに接続された通信回路と、を備える。
【0012】
また、本実施形態の無線通信モジュールは、少なくとも、第1の面と、第2の面と、を有し樹脂を含む立体物と、第1の面に設けられ第1の共振周波数を有する第1のアンテナと、第2の面に設けられ第1の共振周波数と異なる第2の共振周波数を有する第2のアンテナと、立体物内に設けられ、第1のアンテナ又は第2のアンテナに接続された通信回路と、を備える。
【0013】
図1は、本実施形態の無線通信モジュール100の模式図である。
【0014】
ここで、x軸と、x軸に垂直なy軸と、x軸及びy軸に垂直なz軸を定義する。
図1(a)は、z方向から見たときの無線通信モジュール100の模式図である。
図1(b)は、x方向から見たときの無線通信モジュール100の模式図である。
図1(c)は、y方向から見たときの無線通信モジュール100の模式図である。
図1(d)は、
図1(a)に示したA−A’断面においてy方向から見たときの無線通信モジュール100の模式断面図である。なお、
図1(a)においては、紙面奥に配置されている基板18の図示を省略している。
【0015】
無線通信モジュール100は、立体物50と、線状アンテナ70と、通信回路2と、を備える。
【0016】
立体物50は、第1の面52と、第2の面54と、第3の面56と、第4の面58と、第5の面60と、第6の面62と、を有する。
【0017】
立体物50は、樹脂8を含む。ここで樹脂8は、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂である。さらに、立体物50は、酸化シリコンや酸化アルミニウム等で形成されたフィラーを含むエポキシ樹脂等を含むものであっても良い。
【0018】
図1に示した無線通信モジュール100において、立体物50の形状は直方体状である。第1の面52は立体物50の底面に、第2の面54は立体物50の上面に対応する。第3の面56、第4の面58、第5の面60及び第6の面62は、立体物50の側面に対応する。ここで、第3の面56と第4の面58、及び第5の面60と第6の面62は、それぞれ互いに向かい合う面である。なお、立体物50の形状は直方体状に限定されない。また、立体物50にはさらに他の面が設けられていても良い。さらに、立体物50の形状は、例えば三角錐、円柱等であってもかまわない。例えば、樹脂8を用い、通信回路2の形状にかかわらず、楕円の形状、球形の形状等に成型することが出来るのは勿論である。
【0019】
立体物50の面、例えば第1の面52には、基板18が設けられている。基板18は、例えばガラスエポキシ基板である。
【0020】
本実施形態の無線通信モジュール100は、アンテナとして、線状アンテナ70を備える。具体的には、線状アンテナ70としての第1のアンテナ70aは、第1の面52に設けられている。線状アンテナとしての第2のアンテナ70bは、第2の面54に設けられている。線状アンテナとしての第3のアンテナ70cは、第3の面56に設けられている。線状アンテナとしての第4のアンテナ70dは、第4の面58に設けられている。線状アンテナとしての第5のアンテナ70eは、第5の面60に設けられている。線状アンテナとしての第6のアンテナ70fは、第6の面62に設けられている。
【0021】
ここで、「所定のアンテナは、所定の面に設けられている」とは、所定のアンテナが所定の面の表面に設けられていること、及び、所定のアンテナが立体物50の内部の、所定の面の近傍に設けられていることを含むものとする。また、例えば、所定のアンテナの一部が立体物50の内部に設けられ、一部が所定の面から突き出ている場合も含まれる。
【0022】
線状アンテナ70とは、例えば、スパイラルアンテナ、ミアンダアンテナ、ダイポールアンテナのような直線アンテナ等である。本実施形態の無線通信モジュール100において、第1のアンテナ70a、第2のアンテナ70b、第3のアンテナ70c、第4のアンテナ70d、第5のアンテナ70e及び第6のアンテナ70fは、ミアンダアンテナである。
【0023】
第1のアンテナ70aの第1の共振周波数と、第2のアンテナ70bの第2の共振周波数と、第3のアンテナ70cの第3の共振周波数と、第4のアンテナ70dの第4の共振周波数と、第5のアンテナ70eの第5の共振周波数と、第6のアンテナ70fの第6の共振周波数は、それぞれ互いに異なることが好ましい。なお、第1の共振周波数と、第2の共振周波数と、第3の共振周波数と、第4の共振周波数と、第5の共振周波数と、第6の共振周波数は、全てが等しくても構わない。また、例えば、第1の共振周波数と第2の共振周波数が等しいものであり、第3の共振周波数、第4の共振周波数、第5の共振周波数及び第6の共振周波数は第1の共振周波数と第2の共振周波数と異なるものであっても良い。
【0024】
本実施形態の無線通信モジュール100においては、第1のアンテナ70aは、樹脂8内部の基板18表面に形成された配線として、第1の面52の近傍に設けられている。第2のアンテナ70bは、第2の面54の表面に形成されている。第3のアンテナ70cは、第3の面56の表面に形成されている。第4のアンテナ70dは、第4の面58の表面に形成されている。第5のアンテナ70eは、第5の面60の表面に形成されている。第6のアンテナ70fは、第6の面62の表面に形成されている。
【0025】
通信回路2として、第1の通信回路2a、第2の通信回路2b、第3の通信回路2c、第4の通信回路2d、第5の通信回路2e、第6の通信回路2f及び第7の通信回路2gは、樹脂8内部の基板18の表面(基板面)に実装されて設けられている。
【0026】
通信回路2は、例えば、電子回路である。通信回路2は、例えば通信に用いられる電子回路等のハードウェア、又は通信に用いられる電子回路等のハードウェアとプログラム等のソフトウェアの組合せで構成されるコンピュータを、封止樹脂等の樹脂で封止したものである。通信回路2は、例えば、ハードウェアとプログラム等のソフトウェアの組み合わせで構成されるコンピュータである。ここでプログラムは、例えばフラッシュメモリ等の記録媒体に保存され、電子回路とあわせて封止される。
【0027】
なお、通信回路2は、基板18の表面に実装されていなくても良く、例えば基板18の表面から離間して樹脂8内部に封止されていても良い。
【0028】
シールドケース4として、第1のシールドケース4a及び第2のシールドケース4bは、樹脂8内部の基板18の表面(基板面)に固定されて設けられている。
【0029】
具体的には、第4の通信回路2dは、第1のシールドケース4aに覆われている。第1のシールドケース4aの内部は、空間44aとなっている。第1のシールドケース4aの一部は、例えば、基板18に設けられた図示しない配線によって、グランドに接続可能となっている。
【0030】
また、第6の通信回路2f及び第7の通信回路2gは、第2のシールドケース4bに覆われている。第2のシールドケース4bの内部は、空間44bとなっている。第2のシールドケース4bの一部は、例えば、基板18に設けられた図示しない配線によって、グランドに接続可能となっている。
【0031】
本実施形態の無線通信モジュール100においては、
図1(d)に示されるように、z方向に平行な方向に、第2のアンテナ70b、樹脂8、第1のシールドケース4a、空間44a、第4の通信回路2d及び基板18の順に配置されている。
【0032】
第1のアンテナ70aは、伝送線路10としての第1の伝送線路10aによって、第6の通信回路2fと接続されている。第1の伝送線路10aは、第6の通信回路2fに接続された第1の配線12aと、第1の配線12aと第1のアンテナ70aを接続するビア14aと、を有する。
【0033】
第2のアンテナ70bは、伝送線路10としての第2の伝送線路10bによって、第4の通信回路2dと接続されている。第2の伝送線路10bは、第4の通信回路2dに接続された第1の配線12bと、第2のアンテナ70bと第1の配線12bを接続する第1のビア14bと、を有する。
【0034】
第3のアンテナ70cは、伝送線路10としての第3の伝送線路10cによって、第1の通信回路2aと接続されている。第3の伝送線路10cは、第1の通信回路2aに接続された第1の配線12cと、第3のアンテナ70cに接続された第2の配線16cと、第1の配線12cと第2の配線16cを接続するビア14cと、を有する。
【0035】
第4のアンテナ70dは、伝送線路10としての第4の伝送線路10dによって、第7の通信回路2gと接続されている。第4の伝送線路10dは、第7の通信回路2gに接続された第1の配線12dと、第4のアンテナ70dに接続された第2の配線16dと、第1の配線12dと第2の配線16dを接続するビア14dと、を有する。
【0036】
第5のアンテナ70eは、伝送線路10としての第5の伝送線路10eによって、第7の通信回路2gと接続されている。第5の伝送線路10eは、第7の通信回路2gに接続された第1の配線12eと、第5のアンテナ70eに接続された第2の配線16eと、第1の配線12eと第2の配線16eを接続するビア14eと、を有する。
【0037】
第6のアンテナ70fは、伝送線路10としての第6の伝送線路10fによって、第2の通信回路2bと接続されている。第6の伝送線路10fは、第2の通信回路2bに接続された第1の配線12fと、第6のアンテナ70fに接続された第2の配線16fと、第1の配線12fと第2の配線16fを接続するビア14fと、を有する。
【0038】
第1の配線12及び第2の配線16は、マイクロストリップラインやコプレーナウェーブガイド等、高周波信号が伝送可能な配線であることが好ましい。なお、マイクロストリップラインやコプレーナウェーブガイド等に用いられるグランドの図示は省略している。
【0039】
通信回路2は、単一の周波数に対応したものであっても良いし、複数の周波数に対応したものであっても良い。例えば、第7の通信回路2gは、第4のアンテナ70d及び第5のアンテナ70eを用いて、第4の共振周波数を有する電波及び第5の共振周波数を有する電波を送受信可能である。このとき、第4の共振周波数と第5の共振周波数が等しい場合には、第7の通信回路2gは、単一の周波数(第4の共振周波数又は第5の共振周波数)の送受信に対応したものであれば良い。一方、第4の共振周波数と第5の共振周波数を異なるものとして、第7の通信回路2gを用いて、互いに異なる第4の共振周波数を有する電波及び第5の共振周波数を有する電波の送受信が可能となっていても良い。
【0040】
また、第1の共振周波数と、第2の共振周波数と、第3の共振周波数と、第4の共振周波数と、第5の共振周波数と、第6の共振周波数が互いに異なる場合には、それぞれの通信回路2は、それぞれ互いに異なる周波数の電波の送受信に対応したものであることが好ましい。
【0041】
基板18の、樹脂8が設けられている面と反対側の面には、例えば銅(Cu)で形成された複数の電極40が、基板18に接着されて設けられている。それぞれの電極40にははんだボール42が接合されて設けられている。無線通信モジュール100は、図示されない無線通信機器の回路基板に対し、はんだボール42を介して実装される。なお、無線通信モジュール100の実装方法は、上記のものに限定されない。
【0042】
なお、本実施形態の無線通信モジュール100においては、第1のアンテナ70a、第2のアンテナ70b、第3のアンテナ70c、第4のアンテナ70d、第5のアンテナ70e及び第6のアンテナ70fが設けられている。しかし、用途や通信機能に応じて、上記の6個のアンテナ全てを用いなくても良い。例えば、第6の面62に第6のアンテナ70fを設けずに、第1のアンテナ70a、第2のアンテナ70b、第3のアンテナ70c、第4のアンテナ70d及び第5のアンテナ70eを用いて無線通信モジュールを構成しても良い。
【0043】
本実施形態の無線通信モジュール100の製造方法の一例は、電極40を有する基板18の表面上に第1の通信回路2a、第2の通信回路2b、第3の通信回路2c、第4の通信回路2d、第5の通信回路2e、第6の通信回路2f及び第7の通信回路2gを実装する。次に、第4の通信回路2dを第1のシールドケース4aで覆い、第6の通信回路2f及び第7の通信回路2gを第2のシールドケース4bで覆う。次に、基板18の表面を樹脂で封止し、線状アンテナ70及び伝送線路10を形成する。次に、はんだボール42を電極40表面に形成し、本実施形態の無線通信モジュール100を得る、というものである。
【0044】
ここで、線状アンテナ70及びビア14は、レーザー照射により、樹脂8に対して、微視的粗面化が可能なアンテナパターンと空孔を形成した後に、例えば無電解めっき等を用いて形成可能である。
【0045】
次に、本実施形態の作用効果を記載する。
【0046】
従来、移動通信端末機器や、データ伝送機器等で、複数の周波数を有する電波を送受信可能とする場合には、基板上に周辺回路とのアイソレーションを取るための設計や、伝送損失を低減するための回路設計を、機器ごとに個別に行うことが行われていた。そのため、大変設計に手間がかかるものとなっていた。
【0047】
例えば、ある特定の周波数を送受信するための無線通信モジュールのブロックを検査する際に、不良を有することが判明した場合には、そのブロックについて不良部品の解析をし、再設計をすることが必要となる。しかし、例えば、数百MHzの周波数に対応したブロックの不良が、2.4GHzの周波数に対応したブロックのグランドプレーンの形状に起因しているといったように、ある特定のブロックの不良が他のブロックの設計に起因している場合があった。そのため、不良が発生している箇所を解析して再設計をすることは、大変手間のかかるものとなっていた。
【0048】
また、複数の周波数を送受信可能な無線通信モジュールについて、その無線通信モジュールの同一面に複数のアンテナを配置した場合、複数のアンテナ同士で相互に干渉するため通信障害が生じるおそれがあった。さらに、例えばグランドプレーン等を介して、各ブロック同士で相互に干渉して通信障害が生じるおそれがあった。
【0049】
また、アンテナの指向性等のアンテナ特性は、移動通信端末機器やデータ伝送機器内において、アンテナ周囲に配置される金属によって変化してしまう。そのため、無線通信モジュール内でアンテナの配置が制限されてしまうという問題があった。
【0050】
さらに、特に高周波数で送受信する場合、波長が短くアンテナは小さいため、グランドの形状や、アンテナ周囲の金属導体の影響や、ビアの形状及び接続状況等によりアンテナ特性がさらに敏感に変化するようになる。そのため、これらの点を最適化し、高い指向性が得られるように複数のアンテナを配置して、複数のアンテナ特性を向上させることは困難であった。
【0051】
本実施形態の無線通信モジュール100は、第1の面52と、第2の面54と、第3の面56と、第4の面58と、第5の面60と、第6の面62と、を有し樹脂8を含む立体物50を備える。そして、第1の面52に第1のアンテナ70a、第2の面54に第2のアンテナ70b、第3の面56に第3のアンテナ70c、第4の面58に第4のアンテナ70d、第5の面60に第5のアンテナ70e、第6の面62に第6のアンテナ70fを備える。また、立体物50内に、第1のアンテナ70a、第2のアンテナ70b、第3のアンテナ70c、第4のアンテナ70d、第5のアンテナ70e又は第6のアンテナ70fに接続された通信回路を備える。
【0052】
これにより、それぞれのアンテナを、立体物50の異なる面に設けることが出来る。そのため、アンテナ同士の相互の干渉を抑制することが出来る。これにより、それぞれのアンテナから送受信される電波が安定する。よって、安定した動作特性を発揮する無線通信モジュールの提供が可能となる。
【0053】
また、アンテナの配置や、伝送線路設計等の自由度が増加するため、各アンテナの指向性を高めることが容易になる。さらに、各アンテナ間の相互干渉が抑制されるため、不良が発生した場合の再設計において、他のアンテナ等の設計を考慮する必要性が減少する。そのため、再設計が容易になる。
【0054】
また、第1の共振周波数と、第2の共振周波数と、第3の共振周波数と、第4の共振周波数と、第5の共振周波数と、第6の共振周波数がそれぞれ異なる場合には、6種類の異なる周波数を有する電波の送受信が可能となる。そのため、無線通信モジュールや、無線通信モジュールを有する移動通信端末機器やデータ伝送機器の小型化が容易になる。
【0055】
また、第1の共振周波数と、第2の共振周波数と、第3の共振周波数と、第4の共振周波数と、第5の共振周波数と、第6の共振周波数が同じ場合には、合計6方向に対して同じ周波数を有する電波の送受信が可能となる。すなわち、大変高い指向性を有するアンテナを備える無線通信モジュールの提供が可能になる。さらに、合計6つのアンテナを用いて電波の送受信を行うため、通信性能(通信速度や通信距離等)を大幅に高めることが出来る。
【0056】
シールドケース4を備える場合、アンテナから送受信される電波は、樹脂8のみならず、シールドケース4によっても遮蔽される。よって、さらに安定した動作特性を発揮する無線通信モジュールの提供が可能となる。そのために、本実施形態の無線通信モジュールのように、z方向に第2のアンテナ70b、樹脂8、第1のシールドケース4a、空間44a、第4の通信回路2d及び基板18の順に配置されていても、第2のアンテナ70bから送受信される電波によって、第4の通信回路2dの動作に悪影響を及ぼす可能性が大幅に減少することとなる。
【0057】
以上、本実施形態の無線通信モジュール100によれば、安定した動作特性を有する無線通信モジュールの提供が可能となる。
【0058】
(第2の実施形態)
本実施形態の無線通信モジュール110は、平面アンテナを備える点で、第1の実施形態と異なっている。ここで、第1の実施形態と重複する点については、記載を省略する。
【0059】
図2は、本実施形態の無線通信モジュール110の模式図である。
【0060】
第1のアンテナ80a、第2のアンテナ80b、第3のアンテナ80c、第4のアンテナ80d、第5のアンテナ80e及び第6のアンテナ80fは、平面アンテナである。ここで平面アンテナとは、例えばパッチアンテナ等である。
【0061】
本実施形態の無線通信モジュール110によっても、安定した動作特性を有する無線通信モジュールの提供が可能となる。
【0062】
(第3の実施形態)
本実施形態の無線通信モジュール120は、チップアンテナを備える点で、第1及び第2の実施形態と異なっている。ここで、第1及び第2の実施形態と重複する点については、記載を省略する。
【0063】
図3は、本実施形態の無線通信モジュール120の模式図である。
【0064】
第1のアンテナ90a、第2のアンテナ90b、第3のアンテナ90c、第4のアンテナ90d、第5のアンテナ90e及び第6のアンテナ90fは、チップアンテナである。
【0065】
また、無線通信モジュール120は、マッチング回路20を備える。
【0066】
図4は、マッチング回路20の回路図である。マッチング回路20は、インピーダンスマッチング等のために用いられる。
【0067】
図4(a)は、マッチング回路20の一つである、L型マッチング回路20aの回路図である。信号源30と素子28bは、配線24aを用いて接続されている。素子28bとアンテナ32は、配線24cを用いて接続されている。素子28aと配線24cは、配線24bを用いて接続されている。また、素子28aとグランドは、配線24dを用いて接続されている。ここでアンテナ32は、本実施形態のアンテナのいずれかである。
【0068】
図3に示した無線通信モジュール120は、L型マッチング回路20aを備えている。配線24dはグランドと接続するためのグランドビアである。パッド26aとパッド26bは、素子28aを実装するためのパッドである。また、パッド26cとパッド26dは、素子28bを実装するためのパッドである。
【0069】
なお、他のマッチング回路も好ましく用いることが出来る。例えば、T型マッチング回路、π型マッチング回路等である。
図4(b)は、マッチング回路20の一つである、T型マッチング回路20bの回路図である。信号源30と素子28bは、配線24aを用いて接続されている。素子28bと素子28cは、配線24bを用いて接続されている。素子28cとアンテナ32は、配線24cを用いて接続されている。素子28aと配線24bは、配線24dを用いて接続されている。素子28aとグランドは、配線24eを用いて接続されている。
【0070】
図4(c)は、マッチング回路20の一つである、π型マッチング回路20cの回路図である。信号源30と素子28bは、配線24aを用いて接続されている。配線24aと素子28aは、配線24cを用いて接続されている。素子28aとグランドは、配線24eを用いて接続されている。素子28bとアンテナ32は、配線24bを用いて接続されている。素子28cと配線24bは、配線24dを用いて接続されている。素子28cとグランドは、配線24fを用いて接続されている。
【0071】
素子28a、素子28b及び素子28cは、それぞれコンデンサ又はインダクタである。
【0072】
なお、第1の実施形態、第2の実施形態においても、
図4に示したマッチング回路20が好ましく用いられることは勿論である。
【0073】
本実施形態の無線通信モジュール120によっても、安定した動作特性を有する無線通信モジュールの提供が可能となる。
【0074】
(第4の実施形態)
本実施形態の無線通信モジュール130は、線状アンテナ、平面アンテナ及びチップアンテナが用いられている点で、第1乃至第3の実施形態と異なっている。また、樹脂8内の基板18面に、チップアンテナである第7のアンテナを備える点で、第1乃至第3の実施形態と異なっている。ここで、第1乃至第3の実施形態と重複する点については、記載を省略する。
【0075】
図5は、第4の実施形態の無線通信モジュール130の模式図である。
【0076】
第1のアンテナ、第2のアンテナ、第3のアンテナ、第4のアンテナ、第5のアンテナ及び第6のアンテナとしては、目的や用途に応じて、種々のアンテナを用いる事が可能である。無線通信モジュール130においては、チップアンテナである第1のアンテナ90a、チップアンテナである第2のアンテナ90b、チップアンテナである第3のアンテナ90c、平面アンテナである第4のアンテナ80d、ミアンダアンテナである第5のアンテナ70e、平面アンテナである第6のアンテナ80fが用いられている。
【0077】
また、第7のアンテナ(チップアンテナ)92が基板18面に設けられ、第6の通信回路2fと接続されている。チップアンテナは基板表面への実装が容易なため、複数のチップアンテナ(チップアンテナ90a、チップアンテナ92)を基板表面に設けることが出来る。
【0078】
本実施形態の無線通信モジュール130によっても、安定した動作特性を有する無線通信モジュールの提供が可能となる。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態及び実施例を説明したが、これらの実施形態及び実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。