【解決手段】パーマネント用ロッド200の内部に挿入され、パーマネント用ロッド200を着脱自在に保持し、弾性を備える樹脂で形成されたロッド保持部10と、ロッド保持部10の一端側を回転可能に保持する回転駆動部20と、を備え、ロッド保持部10は、一端側にパーマネント用ロッド200の末端に係合可能な係合部14(係合部14a、係合部14b)、およびパーマネント用ロッド200の内周面を径方向外側に押圧する押圧部13(突出部13a〜突出部13c)を有し、押圧部13(突出部13a〜突出部13c)は、ロッド保持部10の回転軸10cに対して回転対称に押圧可能な、パーマネント用ロッド回転装置100である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための実施形態について、
図1〜
図8を用いて説明する。本実施形態のパーマネント用ロッド回転装置100は、パーマネント用ロッド200を回転可能に保持する。
図1の分解斜視図に示す様に、パーマネント用ロッド回転装置100は、ロッド保持部10と、回転駆動部20とを備え、これらは着脱自在に構成されている。そして、ロッド保持部10は、一方側が、円筒状のパーマネント用ロッド200に挿入され、その反対側が、回転駆動部20に連結可能に構成されている。ここで、
図1に示す様に、ロッド保持部10のパーマネント用ロッド200が挿入される側の先端方向を前方とし、前方の反対方向を後方とする。前方、後方が記載されているすべての図において、これらの方向は同一の方向を示し、以下の説明において方向に関する記述はこれらの方向を基準とすることがある。なお、以下の説明において、パーマネント用ロッド回転装置100の付随的な構成については、その図示および詳細な説明を省略する。
【0017】
<1.パーマネント用ロッド回転装置100の構成(
図1〜
図4)>
上述した様に、パーマネント用ロッド回転装置100は、前側にロッド保持部10、後側に回転駆動部20を備えている(
図1参照)。そして、パーマネント用ロッド200は、
図1に示すように、円筒状に形成されており、前端部211に前方に開口する複数の溝211aを周方向に等間隔に備え、同様に、後端部212に後方に開口する複数の溝212aを周方向に等間隔に備えている。なお、本明細書では、円筒状とは、前端と後端が開口し、断面が円で筒状に構成されていることである。
【0018】
ロッド保持部10は、
図1に示すように、前側に円柱状の中心軸部11と、中心軸部11の後端から後方に延びるスプライン軸部12とを備え、これらは弾性を備える樹脂で一体に形成されている。弾性を備える樹脂として、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、軟質ウレタン樹脂、アクリルエラストマー、軟質PVC、ポリ塩化ビニル等を用いることができる。そして、
図1および
図2に示す様に、中心軸部11は、前端部から後側にかけて径方向外側に突出する3つの突出部13a〜突出部13cからなる押圧部13と、押圧部13より後側で径方向外側に突出する2つの係合部14a、係合部14bからなる係合部14とを備えている。
【0019】
3つの突出部13a〜突出部13cは、
図1および
図2に示すように、中心軸部11から径方向外側に突出し、中心軸部11の前端から長軸に沿って伸びている。これらの3つの突出部13a〜突出部13cは、
図1および
図2に示すように、中心軸部11の周方向に等間隔に配置されており、突出部13a〜突出部13cは中心軸部11中心に回転対称に形成されている。突出部13a〜突出部13cを代表して、突出部13aについて説明する。突出部13aの側面は、
図3に示すように、前端から後に向かうにつれ、中心軸部11から径方向外側に次第に離れる傾斜面13aaを前側に備え、傾斜面13aaより後の上面13abでは、径方向の長さ13aLが一定となっている。この様に、突出部13aは側面が台形状に形成されている。また、突出部13aは、前端から後端にかけて、中心軸部11の周方向の厚み13T(
図2参照)が一定で、弾性を備える樹脂で薄板状に形成されている。
【0020】
ここで、後述する様に、ロッド保持部10にパーマネント用ロッド200が挿入されたとき、突出部13aの上面13abがパーマネント用ロッド200の内周面を押圧できるように、突出部13aの中心軸部11の周方向の厚み13T(
図2参照)および上面13abの径方向の長さ13aL(
図3参照)が設定されている。また、突出部13aは、上述した様に、弾性を備える樹脂で形成されており、弾性を備えている。このためパーマネント用ロッド200の内周面に押圧されると、その上面13abの外径13abr(
図3参照)が短くなる。突出部13bおよび突出部13cの側面の形状および厚みは、以上で説明した突出部13aの側面の形状および厚みと同様である。従って、詳細は後述するが、突出部13a〜突出部13cは、ロッド保持部10にパーマネント用ロッド200が挿入されたとき、パーマネント用ロッド200の内周面を押圧し、保持することができる(
図8参照)。
【0021】
係合部14(係合部14a、係合部14b)は、
図1および
図2に示すように、上述した押圧部13(突出部13a〜突出部13c)の後側に隣接している。係合部14aおよび係合部14bは、中心軸部11から互いに反対方向に突出し、それぞれが板状に形成されている。ここで、後述する様にロッド保持部10にパーマネント用ロッド200が挿入されたとき、係合部14(係合部14a、係合部14b)は、パーマネント用ロッド200の後端部212の溝212aに係合するように、中心軸部11の周方向の厚み14Tが設定されている(
図2参照)。
【0022】
スプライン軸部12は、
図1に示す様に、中心軸部11の後端(すなわち、係合部14aおよび係合部14bの後側)から後方に延びる、溝数8の角形スプラインのスプライン軸である。スプライン軸部12は、
図1および
図4に示す様に、前後方向に延びる円柱状の中心部12aと、その周方向に等間隔に並んだ8つの溝12bとを備えている。スプライン軸部12は、
図1に示す様に回転駆動部20の筒軸部21のスプライン穴21aに着脱自在に嵌ることができる。また、
図1に示す様に、これらの溝12bのうち隣り合う2つの溝12bの間に球12cが保持されている。
図5には、スプライン軸部12を回転駆動部20の筒軸部21に嵌めた状態における、回転駆動部20およびスプライン軸部12の断面図を示した。ここで、
図5は、球12cの断面を含む断面の断面図となっている。
【0023】
図5に示す様に、スプライン軸部12は、2つの球12cを備えており、これらの2つの球12cは、ロッド保持部10の回転軸10cから互いに反対方向に突出しており、中心部12aを貫通する貫通孔12d(
図5参照)に嵌められている。貫通孔12dの内部には、コイルバネ12eが設けられており、コイルバネ12eは、2つの球12cを貫通孔12dから外側へ付勢している。なお、本実施形態では、スプライン軸部12の溝数を8としたが、この溝数は適宜変更してもよく、例えば、6としてもよい。
【0024】
以上で説明した様に、パーマネント用ロッド200は、ロッド保持部10の中心軸部11から径方向外側に突出する押圧部13(突出部13a〜突出部13c)によって内周面を径方向外側に押圧され、さらに、係合部14(係合部14a、係合部14b)が後端部212の溝212aに係合することでロッド保持部10に保持される。ここで、上述した様に、突出部13a〜突出部13cは、弾性を備える樹脂で薄板状に形成されており、弾性を備えている。これにより、突出部13a〜突出部13cは、パーマネント用ロッド200の内周面に押圧されると、弾性的に変形し、その外径(
図3に示す外径13abr)が短くなる。このため、パーマネント用ロッド回転装置100のロッド保持部10が保持できるパーマネント用ロッド200は、特定の内径のパーマネント用ロッド200だけでなく、内径が突出部13aの上面13abの外径13abr(
図3参照)よりも小さい種々のパーマネント用ロッド200を保持し得る。換言すれば、パーマネント用ロッド回転装置100に保持させて髪を巻きつけるパーマネント用ロッド200として、3つの突出部13a〜突出部13cに接触しうる、内径の異なる種々のパーマネント用ロッド200を用いることができる。
【0025】
そして、一般的にパーマネントには、内径(例えば、10mm、16mm、20mm、24mm、32mm)や前後方向の長さが異なる様々な種類のパーマネント用ロッド200が用いられている。このため、1つのロッド保持部10は、全ての種類のパーマネント用ロッド200を保持できるとは限らない。そこで、本実施形態のパーマネント用ロッド回転装置100は、パーマネント用ロッド200の様々な種類の内径や長さに対応するように、中心軸部11の外径や突出部13a〜突出部13cの側面の形状や厚みを適宜変更した複数の種類のロッド保持部10をあらかじめ用意する。これらの複数の種類のロッド保持部10は、中心軸部11の外径や突出部13a〜突出部13cの側面の形状や厚みは異なるが、スプライン軸部12の形状は、回転駆動部20に着脱自在に構成するために同一の形状に設定する。この様な複数の種類のロッド保持部10を、パーマネント用ロッド200の内径や長さに応じて適宜用いることで、様々な内径や長さのパーマネント用ロッド200をパーマネント用ロッド回転装置100に取り付けて、後述する様に髪を巻きつけることができる。
【0026】
回転駆動部20は、
図1に模式的に示す様に、ロッド保持部10のスプライン軸部12と嵌合するスプライン穴21aを内周に備え、回転駆動部20に回転可能に保持されている筒状の筒軸部21と、筒軸部21を回転させるためのギヤードモータ22と、ギヤードモータ22の駆動力を筒軸部21に伝達する駆動伝達軸機構23と、ギヤードモータ22を操作するスイッチ24と、これらを保持するケース25(
図5参照)とを備えている。ここで、ギヤードモータ22は、ギヤが組み込まれたことで回転数が調整されたモータであり、電池等の電源(図示省略)に接続されている。なお、駆動伝達軸機構23は、
図1には簡略化して示し、
図5により詳細な構造を模式的に示した。
【0027】
筒軸部21は、スプライン穴21a(
図1参照)を内周に備え、
図5に示す様に、前側に径方向外側に輪状に突出した突出部21bを備え、後側に内側に突出した後端部21cを備えている。突出部21bがケース25に保持されていることで、筒軸部21はケース25に回転可能に保持されている。また、筒軸部21は、
図5に示す様に、突出部21bの内周面側で、上述したロッド保持部10のスプライン軸部12の2つの球12cに対応する位置に、球12cが嵌る、突出部21bの内周面側を一周する溝21dを備えている。溝21dに球12cが嵌ることで、ロッド保持部10のスプライン軸部12は、筒軸部21に対して抜け止めされている。また、詳細を以下に説明するが、筒軸部21の後端部21cは、
図5に示す様に、駆動伝達軸機構23と接触している。
【0028】
駆動伝達軸機構23は、
図5に示す様に、前端にフランジ部23aaを備え、後側の外周面に雄螺子部23abを備える管状の伝達軸23aと、フランジ部23aaより後側に伝達軸23aに嵌められたワッシャー23bと、ワッシャー23bの背後で伝達軸23aに嵌められた皿ばね23cと、皿ばね23cの背後で伝達軸23aの雄螺子部23abに係合しているナット23dとを備えている。
【0029】
図5に示す様に、筒軸部21の後端部21cは、伝達軸23aのフランジ部23aaとワッシャー23bに挟まれている。ワッシャー23bとナット23dとの間に設けられた皿ばね23cは、前後方向に弾性を備えている。これにより、ワッシャー23bは、伝達軸23aの雄螺子部23abに係合するナット23dと皿ばね23cにより前側に付勢されている。そして、ナット23dが、締め付けられて前方に移動するほど、皿ばね23cは前方に締め付けられ、筒軸部21の後端部21cは、伝達軸23aのフランジ部23aaとワッシャー23bによってより強く締め付けられる。この逆に、ナット23dが、緩められて後方に移動するほど、筒軸部21の後端部21cは、伝達軸23aのフランジ部23aaとワッシャー23bによってより弱く締め付けられる。
【0030】
伝達軸23aは、
図5に示す様に、内面に後側からギヤードモータ22のシャフト22aが挿入され、シャフト22aが回転すると、伝達軸23aも回転する。そして、伝達軸23aの回転は、伝達軸23aのフランジ部23aaと筒軸部21の後端部21cとの摩擦により、筒軸部21に伝わる。この様にフランジ部23aaと後端部21cとの摩擦を介して、ギヤードモータ22の駆動力が伝達軸23aから筒軸部21に伝わる。このため、毛髪がロッド保持部10にからみつくこと等の何らかの原因により、ロッド保持部10の回転駆動部20に対する回転が止められる万が一の場合に対し、次に説明するように、伝達軸23aが筒軸部21に対して空回りし、ギヤードモータ22の駆動力は伝達軸23aから筒軸部21に伝わらない。すなわち、ロッド保持部10の回転駆動部20に対する回転が止められる万が一の場合には、ギヤードモータ22のシャフト22aから伝達軸23aに駆動力が伝達したとしても、伝達軸23aのフランジ部23aaと筒軸部21の後端部21cとの間が滑り、伝達軸23aがら筒軸部21へ駆動力が伝達しなくなる。この様に、ギヤードモータ22の駆動力は筒軸部21に伝わらなくなる。以上で説明したギヤードモータ22の駆動力を制限するトルクリミッタ機構を、駆動伝達軸機構23は備えている。これにより、上述した万が一の場合に対して、ギヤードモータ22の駆動力が過度に筒軸部21に伝わらないため、パーマネント用ロッド回転装置100の使用者は、安全にパーマネント用ロッド回転装置100を用いて髪をパーマネント用ロッド200に巻き付けることができる。
【0031】
そして、上述した様に、ナット23dが、締め付けられて前方に移動するほど、筒軸部21の後端部21cは、伝達軸23aのフランジ部23aaとワッシャー23bによってより強く締め付けられる。そして、この様に強く締め付けられるほど、フランジ部23aaと後端部21cとの摩擦が大きくなる。この様に、フランジ部23aaと後端部21cとの摩擦の大きさを、ナット23dの締め付け度合いで調節できる。この様に、ナット23dの締め付け度合いを調節することで、ロッド保持部10の回転駆動部20に対する回転がどの程度の力で止められた場合に、ギヤードモータ22の駆動力を筒軸部21に伝わらなくさせるかを調節することができる。
【0032】
図1に示す様に、スイッチ24は、R、S、Lの3つの位置に切り替え可能になっている。スイッチ24をSの位置にした場合、ギヤードモータ22の回転は停止する。そして、スイッチ24の位置をRあるいはLにすると、ギヤードモータ22が回転し、ギヤードモータ22の駆動力が駆動伝達軸機構23を介して筒軸部21に伝達され、筒軸部21が回転する。ここで、筒軸部21にロッド保持部10が嵌合している場合は、筒軸部21は、ロッド保持部10と共に回転する。そして、スイッチ24の位置がRの場合はロッド保持部10が右回転し、スイッチ24の位置がLの場合はロッド保持部10が左回転するように設定されている。右回転とは、ロッド保持部10の回転軸10cを後側からみて、ロッド保持部10が右に回転することであり、左回転とはその逆にロッド保持部10が回転することである。以上では、パーマネント用ロッド回転装置100の構成について説明した。
【0033】
<2.パーマネント用ロッド回転装置100の使用について(
図1、
図5〜
図8)>
図6には、使用時のパーマネント用ロッド回転装置100の側面を部分的に示した。パーマネント用ロッド回転装置100を使用するために、使用者は、まず、ロッド保持部10のスプライン軸部12を回転駆動部20のスプライン穴21aに嵌める(
図1参照)。そして、パーマネント用ロッド200をロッド保持部10に嵌める(
図1参照)。ここで、前述した様に、パーマネント用ロッド200をロッド保持部10に嵌めたとき、係合部14(係合部14a、係合部14b)は、パーマネント用ロッド200の後端部212の溝212aに係合する(
図6および
図7参照)。
【0034】
また、突出部13aの上面13abがパーマネント用ロッド200の内周面を押圧し(
図3、
図6、
図8参照)、同様に突出部13b、突出部13cもパーマネント用ロッド200の内周面を押圧する。そして、3つの突出部13a〜突出部13cは、パーマネント用ロッド200の中心軸200cに対して回転対称に配置されている。従って、パーマネント用ロッド200は、中心軸200cがロッド保持部10の回転軸10cと重なる様に押圧部13(突出部13a、突出部13b、突出部13c)によって径方向外側に押圧されている(
図8参照)。なお、以上の手順では、まず、ロッド保持部10のスプライン軸部12を回転駆動部20のスプライン穴21aに嵌め、次に、パーマネント用ロッド200をロッド保持部10に嵌める。
【0035】
そして、使用者がスイッチ24の位置をRあるいはLにすれば、筒軸部21がロッド保持部10およびパーマネント用ロッド200と共に回転する。上述した様に、スイッチ24の位置がRの場合はパーマネント用ロッド200が右に回転し、スイッチ24の位置がLの場合はパーマネント用ロッド200が左に回転する。そこで次に、使用者は、スイッチ24をRあるいはLの位置にし、パーマネント用ロッド200を回転させて、パーマネント用ロッド200に髪を巻きつけることができる。使用者は、パーマネント用ロッド200に髪をまきつけたら、スイッチ24の位置をSにし、パーマネント用ロッド200の回転を停止させる。
【0036】
次に、使用者は、髪が巻き付けられたパーマネント用ロッド200を、パーマネント用ロッド回転装置100のロッド保持部10から外す。そして、パーマネント用ロッド200の前端部211の複数の溝211aおよび、後端部212の複数の溝212aに輪ゴムを引っ掛け、パーマネント用ロッド200に巻きつけられた髪を輪ゴムで留める。以上で説明したパーマネント用ロッド200に髪を巻きつける作業を繰り返すことで、使用者は、複数のパーマネント用ロッド200に髪を巻きつけることができる。
【0037】
なお、上記の手順では、髪が巻き付けられたパーマネント用ロッド200を、パーマネント用ロッド回転装置100のロッド保持部10から外した後、パーマネント用ロッド200に巻きつけられた髪を輪ゴムで留めるが、これらの手順を逆にしてもよい。すなわち、まず、髪が巻き付けられたパーマネント用ロッド200を、パーマネント用ロッド回転装置100のロッド保持部10から外すことなく、パーマネント用ロッド200に巻きつけられた髪を輪ゴムで留める。ここで、
図6に示す様に、パーマネント用ロッド200がロッド保持部10に保持されているとき、パーマネント用ロッド200の後端と筒軸部21の前端との間に隙間14gがあくように、係合部14a、係合部14b(
図1参照)の前後方向の長さが設定されている。これにより、パーマネント用ロッド200の後端部212の溝212aに輪ゴムを引っ掛けるときに、隙間14gに輪ゴムを通すことで、容易に輪ゴムを引っ掛けることができる。こうして輪ゴムで髪を留めたら、次に、輪ゴムで髪を留めたパーマネント用ロッド200を、パーマネント用ロッド回転装置100のロッド保持部10から外す。
【0038】
ここで、上述した様に、筒軸部21の溝21dにスプライン軸部12の2つの球12cが嵌ることで、ロッド保持部10のスプライン軸部12は、筒軸部21に対して抜け止めされている(
図5参照)。これにより、パーマネント用ロッド200に髪を巻きつける作業中に、パーマネント用ロッド200が、パーマネント用ロッド回転装置100のロッド保持部10から外れることを防いでいる。そして、髪が巻き付けられたパーマネント用ロッド200を、パーマネント用ロッド回転装置100のロッド保持部10から外すこともできる。
【0039】
また、上述した様に、パーマネント用ロッド200の様々な種類の内径や長さに対応するように、中心軸部11の外径や突出部13a〜突出部13cの側面の形状や厚みを適宜変更した複数の種類のロッド保持部10をあらかじめ用意する。この様な複数の種類のロッド保持部10を、パーマネント用ロッド200の内径や長さに応じて適宜用いることで、様々な内径や長さのパーマネント用ロッド200をパーマネント用ロッド回転装置100に取り付けて、パーマネント用ロッド200に髪を巻きつけることができる。
【0040】
さらに、上述した様に、毛髪がロッド保持部10にからみつくこと等の何らかの原因により、ロッド保持部10の回転駆動部20に対する回転が止められる万が一の場合には、伝達軸23aが筒軸部21に対して空回りし、ギヤードモータ22の駆動力は伝達軸23aから筒軸部21に伝わらないトルクリミッタ機構を駆動伝達軸機構23は備えている。これにより、パーマネント用ロッド回転装置100の使用者は、安全にパーマネント用ロッド回転装置100を用いて髪をパーマネント用ロッド200に巻き付けることができる。
【0041】
<3.パーマネント用ロッド回転装置100の作用効果について>
以上のように構成される本実施形態のパーマネント用ロッド回転装置100は、以下のような作用効果を奏する。本実施形態のパーマネント用ロッド回転装置100によれば、パーマネント用ロッド200の内部に挿入され、パーマネント用ロッド200を着脱自在に保持し、弾性を備える樹脂で形成されたロッド保持部10と、ロッド保持部10の一端側を回転可能に保持する回転駆動部20と、を備え、ロッド保持部10は、一端側にパーマネント用ロッド200の末端に係合可能な係合部14(係合部14a、係合部14b)、およびパーマネント用ロッド200の内周面を径方向外側に押圧する押圧部13(突出部13a〜突出部13c)を有し、押圧部13(突出部13a〜突出部13c)は、ロッド保持部10の回転軸10cに対して回転対称に押圧可能である。
【0042】
これにより、パーマネント用ロッド回転装置100に、パーマネント用ロッド200を保持させた場合、回転駆動部20が、ロッド保持部10をパーマネント用ロッド200と共に回転させることができる。ここで、係合部14(係合部14a、係合部14b)がパーマネント用ロッド200の末端に係合することで、確実にパーマネント用ロッド200を回転させることができる。
【0043】
さらに、パーマネント用ロッド回転装置100は、パーマネント用ロッド200の内周面を径方向外側に押圧する押圧部13(突出部13a、突出部13b、突出部13c)が、ロッド保持部10の回転軸10cに対して回転対称に押圧可能である。従って、パーマネント用ロッド200は、中心軸200cがロッド保持部10の回転軸10cと重なる様に押圧部13(突出部13a、突出部13b、突出部13c)によって径方向外側に押圧されることで保持される。これにより、回転駆動部20がロッド保持部10を回転させたとき、パーマネント用ロッド200を、パーマネント用ロッド200の中心軸200cを中心に回転させることができる。
【0044】
以上で説明したように、パーマネント用ロッド回転装置100は、係合部14(係合部14a、係合部14b)がパーマネント用ロッド200の末端に係合することで、確実にパーマネント用ロッド200を回転させることができる。そして、押圧部13(突出部13a〜突出部13c)がロッド保持部10の回転軸10cに対して回転対称に押圧することで、パーマネント用ロッド200を、パーマネント用ロッド200の中心軸200cを中心に回転させることができる。その結果、パーマネント用ロッド200の回転にぶれが生じにくいため、パーマネント用ロッド200に髪を巻き付けるときに、巻き付けにムラが生じにくい。
【0045】
また、ロッド保持部10は弾性を備える樹脂で形成されており、押圧部13(突出部13a〜突出部13c)が、パーマネント用ロッド200を径方向外側に弾性的に押圧することでパーマネント用ロッド200を保持している。ここで、押圧部13(突出部13a〜突出部13c)の弾性により押圧部13の径方向の長さは変わりうる。このため、パーマネント用ロッド200用回転装置は、内径が特定の径のパーマネント用ロッド200に限らず、内径の異なる種々のパーマネント用ロッド200を、ロッド保持部10に回転可能に保持できる。換言すれば、パーマネント用ロッド回転装置100に保持させて髪を巻きつけるパーマネント用ロッド200として、内径の異なる種々のパーマネント用ロッド200を用いることができる。
【0046】
また、押圧部13は、ロッド保持部10から径方向外側に突出する複数(3つ)の突出部13a〜突出部13cを有し、複数の突出部13a〜突出部13cは、ロッド保持部10の回転軸10cに対して回転対称に配置されている。これにより、パーマネント用ロッド200は、複数の突出部13a〜突出部13cに押圧されるため、安定してロッド保持部10に保持される。
[その他の実施形態]
以下で説明するその他の実施形態において、上述した実施形態で説明したパーマネント用ロッド回転装置100と実質的な構成及び作用が同じとなる箇所については、これらと同一の符号を付して説明を省略し、異なる箇所について詳しく説明することとする。その他の実施形態として、例えば、上述した実施形態のパーマネント用ロッド回転装置100は、ロッド保持部10が押圧部13として3つの突出部13a〜突出部13cを備える。しかし、押圧部13は、パーマネント用ロッド200の内周面を径方向外側に押圧可能、かつロッド保持部10の回転軸10cに対して回転対称に押圧可能であればよい。従って、押圧部13は、3つの突出部13a〜突出部13cとして構成されていなくてもよい。例えば、
図9には、本実施形態のロッド保持部10について、
図8と同様の断面図を示したが、
図9に示す様に、ロッド保持部10が4つの突出部113a〜突出部113dからなる押圧部113を備え、これらの4つの突出部113a〜突出部113dを回転軸10cに対して回転対称に配置してもよい。また、押圧部13を、中心軸部11の外周面を一周するリング状の突出部として構成してもよく、このリング状の突出部複数を押圧部13として構成してもよい。
【0047】
上述した実施形態では、パーマネント用ロッド回転装置100のロッド保持部10は、パーマネント用ロッド200を径方向外側に押圧して保持するために、弾性を備える樹脂で一体に形成されている。しかし、ロッド保持部10がパーマネント用ロッド200を径方向外側に押圧して保持できるために、押圧部13が弾性を備えるように形成されていればよく、必ずしもロッド保持部10が弾性を備える樹脂で一体に形成されていなくともよい。例えば、ロッド保持部10の押圧部13(突出部13a〜突出部13c)を、上述した弾性を備える樹脂で形成する。そして、ロッド保持部10の押圧部13以外の部分(中心軸部11、係合部14a、係合部14b、スプライン軸部12)を、押圧部13より硬質の樹脂で形成するものとし、この様に、ロッド保持部10を、弾性を備える樹脂と、より硬質な樹脂とで一体に形成してもよい。より硬質な樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルや、6,6−ナイロン等のポリアミドや、ポリ塩化ビニルや、ポリイミドを用いることができる。
【0048】
また、ロッド保持部10をより硬質の樹脂で一体に形成してもよい。この場合、ロッド保持部10の押圧部13がパーマネント用ロッド200を径方向外側に押圧して保持できるために、押圧部13が弾性を備えるように構成すればよい。例えば、突出部13aの中心軸部11の周方向の厚み13T(
図2参照)をより一層薄くし、突出部13aの上面13abの径方向の長さ13aL(
図3参照)をより長くすればよい。突出部13bおよび突出部13cも同様である。
【0049】
また、上述した実施形態のパーマネント用ロッド回転装置100は、駆動伝達軸機構23にトルクリミッタ機構を設けているが、ギヤードモータ22の備えるギヤに上述したトルクリミッタ機構と同等の機能を有する機構を設けてもよい。
【0050】
パーマネント用ロッド200に髪を巻きつける作業中に、パーマネント用ロッド200が、パーマネント用ロッド回転装置100のロッド保持部10から外れることを防ぐために、ロッド保持部10のスプライン軸部12の2つの球12cと、突出部21bの内周面側を一周する溝21dとを係合させている。このためにロッド保持部10のスプライン軸部12は、2つの球12cと、これらの球12cを付勢するコイルバネ12eと、球12cおよびコイルバネ12eを収容する貫通孔12dと備え(
図5参照)、筒軸部21は、2つの球12cが嵌ることができる、突出部21bの内周面側を一周する溝21dを備えている。ここで、ロッド保持部10の2つ球12cと、コイルバネ12eと、貫通孔12d(
図5参照)に換えて、ロッド保持部10のスプライン軸部12に、突出部21bに溝21dに係合可能な、2つの球12cの前後方向の位置に周方向に一周する輪状の突出部を設けてもよい。
【0051】
上述した実施形態のパーマネント用ロッド回転装置100の回転駆動部20の駆動伝達軸機構23を適宜変更してもよい。例えば、駆動伝達軸機構23に変速機構などを設けることができる。また、上述した実施形態のパーマネント用ロッド回転装置100の回転駆動部20のスイッチ24の構成を適宜変更してもよく、例えば、スイッチ24として、2つの押ボタンスイッチで構成することができる。ここで、これらの押ボタンスイッチいずれもが押されていなければ、ギヤードモータ22および筒軸部21は回転しないが、一方の押ボタンが押された場合は筒軸部21が右回転するようギヤードモータ22が回転し、他方の押ボタンが押された場合は筒軸部21が左回転するようギヤードモータ22が回転するように構成する。
【0052】
本発明のパーマネント用ロッド回転装置100は、上記の実施の形態にて説明した構造、構成、外観、形状等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。