(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-213664(P2019-213664A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】酸素供給装置
(51)【国際特許分類】
A61M 16/10 20060101AFI20191122BHJP
A61M 16/12 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
A61M16/10 B
A61M16/12
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-111981(P2018-111981)
(22)【出願日】2018年6月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】右近 哲哉
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単な構成で大容量化を図ることができる酸素供給装置を提供する。
【解決手段】空気中の酸素濃度よりも高濃度の酸素を生成して供給する酸素供給装置1であって、それぞれが高濃度の酸素を生成する複数の酸素濃縮部A,Bと、当該複数の酸素濃縮部の作動を制御する1つの制御部Cとを備えている。前記制御部Cは、既設の酸素濃縮部の取り外し時及び新規の酸素濃縮部の追加時に、取り外し後又は追加後の、酸素供給装置1が備える酸素濃縮部A,Bの作動が可能であるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の酸素濃度よりも高濃度の酸素を生成して供給する酸素供給装置(1)であって、
それぞれが高濃度の酸素を生成する複数の酸素濃縮部(A,B)と、
当該複数の酸素濃縮部の作動を制御する1つの制御部(C)と
を備えており、
前記制御部(C)は、既設の酸素濃縮部の取り外し時及び新規の酸素濃縮部の追加時に、取り外し後又は追加後の、酸素供給装置(1)が備える酸素濃縮部(A,B)の作動が可能であるように構成されている、酸素供給装置(1)。
【請求項2】
前記制御部(C)は、前記複数の酸素濃縮部(A,B)の運転サイクルを互いにずらして作動させる、請求項1に記載の酸素供給装置(1)。
【請求項3】
前記複数の酸素濃縮部(A,B)のそれぞれから排出される廃棄ガスが合流する排気部(11)を有する、請求項1又は請求項2に記載の酸素供給装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は酸素供給装置に関する。さらに詳しくは、空気中の酸素濃度よりも高濃度の酸素を生成して供給する酸素供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気中の酸素濃度よりも高濃度の酸素を生成して、これをユーザーに供給する種々の酸素供給装置が知られている。これらの装置は、例えば肺に疾患を有し当該肺の機能が低下している患者が行っている在宅酸素療法に使用されるほか、居住環境を向上させるために居室の酸素濃度を上昇させるために使用されている。
【0003】
近年、これらの酸素供給装置に対し、大型化ないし大容量化が求められるようになっている。大容量化の要求に対し、装置を構成するポンプや吸着筒等を大型化して装置全体をスケールアップすることが考えられるが、大型のポンプや吸着筒の開発には多大な工数が必要になるという問題や、大型ポンプ等の稼働により運転音や排気音が大きくなるという問題がある。
【0004】
そこで、複数の酸素供給装置を同時に運転し、各酸素供給装置から得られる高濃度酸素を合わせてユーザーに供給することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の酸素供給装置では、複数の酸素濃縮器で生成した酸素ガスを酸素導入ポートで合体させ、酸素出口よりカニューラ等の供給手段に供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−46566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の装置では、従来の酸素濃縮器を個別に運転し、各酸素濃縮器から得られる酸素を同時に合わせてユーザーに供給するため、前述した大型化のための開発費用は不要となるが、高濃度酸素生成のための部品又は要素が各酸素濃縮器に必要であり、共有化可能な部品等も各酸素濃縮器に独立して存在していることから、コスト高になるという問題がある。
【0007】
本開示は、簡単な構成で大容量化を図ることができる酸素供給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の酸素供給装置は、
(1)空気中の酸素濃度よりも高濃度の酸素を生成して供給する酸素供給装置であって、
それぞれが高濃度の酸素を生成する複数の酸素濃縮部と、
当該複数の酸素濃縮部の作動を制御する1つの制御部と
を備えており、
前記制御部は、既設の酸素濃縮部の取り外し時及び新規の酸素濃縮部の追加時に、取り外し後又は追加後の、酸素供給装置の酸素濃縮部の作動が可能であるように構成されている。
【0009】
本開示の酸素供給装置では、酸素を生成する複数の酸素濃縮部の作動を1つの制御部が制御し、この制御部は、既設の酸素濃縮部の取り外し時及び新規の酸素濃縮部の追加時において、取り外し後又は追加後の、酸素供給装置が備える酸素濃縮部の作動が可能であるように構成されている。すなわち、本開示の酸素供給装置では、電磁弁等の開閉タイミングの制御や運転状態の表示等を行う制御部に含まれる記憶部に適宜の数(例えば、2〜5つ)の酸素濃縮部を作動させることができるプログラムが予め格納されており、酸素供給装置に含まれる酸素濃縮部の数を設定することで、設定した数の酸素濃縮部の作動を当該制御部で制御することができる。これにより、少なくとも制御部を共通化した簡単な構成で装置の大容量化を図ることができ、その結果、低コストを図ることができる。
また、本開示の酸素供給装置では、必要とされる酸素流量に応じて、酸素濃縮部を追加したり取り外したりすることができるので、例えば、装置の購入時には小容量でも問題なかったが、後に容量を大きくしたくなった場合に、必要な容量分の酸素濃縮部を装置に追加することができる。また、不要になった場合は、酸素濃縮部を取り外して必要台数の酸素濃縮部を稼働させることで、省エネを図ることができる。一部の酸素濃縮部が故障した場合、当該故障した酸素濃縮部だけを新しいものと交換することができる。この場合、交換完了までの間、一部が故障していても、酸素流量は低下するものの残りの酸素濃縮部だけを運転させることができる。
【0010】
(2)前記(1)の酸素供給装置において、前記制御部は、前記複数の酸素濃縮部の運転サイクルを互いにずらして作動させるものとすることが望ましい。この場合、複数の酸素濃縮部の吸着筒内が最大圧(最低圧)となるタイミングを互いにずらすことで、当該吸着筒内を最大圧にするために必要なポンプの電力値(電流×電圧)になるタイミングをずらすことができる。これにより、装置の消費電力の変動を小さくすることができ、最大の消費電力に対応できるように選定する必要がある電気回路を小容量化することができる。また、酸素供給装置に電力を供給する電源に余裕がない場合、消費電力の大きな変動は当該電源に接続されている他の電気機器への電力供給に影響を与えることになるが、本開示の酸素供給装置では、消費電力の変動を小さくすることができるので、装置外部に与える電力変動の影響を小さくすることができる。
【0011】
(3)前記(2)の酸素供給装置において、前記複数の酸素濃縮部のそれぞれから排出される廃棄ガスが合流する排気部を有することが望ましい。複数の酸素濃縮部の運転サイクルを互いにずらして作動させることから、吸着筒からの廃棄ガスを装置外に排出するタイミングもすらすことができるので、装置からの廃棄ガスの瞬間最大排出量を小さくすることができる。その結果、例えば排気部における配管径を、複数台の酸素濃縮部から同時に廃棄ガスが排出される場合に比べて小さくすることができる。また、ガスの排出時には排気音が発生するが、この排気音も同時に排出される場合に比べて小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の酸素供給装置の一実施形態のブロック図である。
【
図2】
図1に示される制御部Cのブロック図である。
【
図3】1つの酸素濃縮部における吸着筒の圧力と装置の消費電力との関係を示す図である。
【
図4】2つの酸素濃縮部を備えた本開示の酸素供給装置、及び、当該酸素濃縮部の2倍の容量を有する酸素濃縮部を備えた参照例に係る酸素供給装置の消費電力を示す図である。
【
図5】本開示の酸素供給装置の他の実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の酸素供給装置を詳細に説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0014】
〔第1実施形態〕
図1は、本開示の一実施形態(第1実施形態)に係る酸素供給装置1のブロック図である。酸素供給装置1は、空気中の酸素濃度よりも高濃度の酸素を生成して供給する装置であり、例えば呼吸器疾患患者等に対して高濃度酸素を提供する在宅酸素療法において用いられる。酸素供給装置1は、それぞれが高濃度の酸素を生成する複数(本実施形態では2つ)の酸素濃縮部A,Bと、1つの制御部Cとを備えている。
【0015】
酸素濃縮部Aと酸素濃縮部Bは同じ構成である。したがって、同じ要素ないし構成には、同じ参照符号を付して説明する。
酸素濃縮部A及び酸素濃縮部Bは、それぞれ、外部から吸い込んだ空気を圧縮するコンプレッサ2と、当該コンプレッサ2から供給される圧縮空気中の窒素を吸着する吸着剤が収容された第1吸着筒3a及び第2吸着筒3bと、当該第1吸着筒3a及び第2吸着筒3bで生成された高濃度の酸素を収容する酸素タンク4とを備えている。また、酸素濃縮部A及び酸素濃縮部Bは、それぞれ、圧縮空気等の流体の流量又は流れを制御するための種々弁、すなわち制御弁5a,5b,パージ弁6、チェック弁7a,7b、プロダクト弁8、減圧弁9,及び流量調節弁10を備えている。
【0016】
本実施形態の酸素濃縮部A,Bは、一方の吸着筒にコンプレッサ2で圧縮された空気が供給されている間に、他方の吸着筒が大気開放されることで減圧されるPSA(Pressre Swing Adsorption System)タイプの酸素濃縮部であるが、大気開放により吸着筒を減圧するのではなく、吸着筒を真空ポンプによって吸引することで減圧するVPSA(Vacuum Pressre Swing Adsorption System)タイプの酸素濃縮部を採用することもできる。
【0017】
制御弁5a、5bは、3ポート弁であり、コンプレッサ2から吐出された圧縮空気を第1吸着筒3a(第2吸着筒3b)に供給する加圧状態と、大気に開放して当該第1吸着筒3a(第2吸着筒3b)内の空気を外部に排出する減圧状態とを切り換える。一方の吸着筒が加圧状態にあるときは、他方の吸着筒は減圧状態にある。
【0018】
チェック弁7aは第1吸着筒3aの下流側のガス流路に配設され、チェック弁7bは第2吸着筒3bの下流側のガス流路に配設されている。両チェック弁7a、7bは、第1吸着筒3a及び第2吸着筒3bから排出される酸素濃縮ガスが下流側に向かってだけ流れるように構成されている。パージ弁6は、第1吸着筒3aとチェック弁7aとの間のガス流路と、第2吸着筒3bとチェック弁7bとの間の流路とを接続する流路に配設されている。
【0019】
チェック弁7aからの酸素濃縮ガスと、チェック弁7bからの酸素濃縮ガスとが交互にプロダクト弁8を経由して酸素タンク4に供給され、当該酸素タンク4に貯留される。酸素タンク4の下流側には、当該酸素タンク4からの酸素濃縮ガスを減圧する減圧弁9と、酸素濃縮ガスの流量を調節する流量調節弁10が配設されており、当該流量調節弁10で流量調節された酸素濃縮ガスは酸素濃縮部A,Bの取出口(図示せず)から供給される。
【0020】
パージ弁6は、一方の吸着筒内のガスを外部に排出する際に開状態にされ、他方の吸着筒の空気を当該パージ弁6を介して当該一方の吸着筒に移動させることで効率よく前記一方の吸着筒内のガスを排出するために配設されている。酸素濃縮部Aから排出される廃棄ガスと、酸素濃縮部Bから排出される廃棄ガスとは、排気部11で合流して外部に排出される。排気部11は、酸素濃縮部Aからの廃棄ガスの配管と酸素濃縮部Bからの廃棄ガスの配管が合流する合流管の形状を呈している。
【0021】
制御部Cは、制御回路20と、表示回路30とを備えている。制御回路20は、
図2に示されるように、駆動制御部21及び記憶部22を有している。駆動制御部21は、コンプレッサ2、制御弁5a、5b、パージ弁6、プロダクト弁8、減圧弁9、及び流量調節弁10を制御する。記憶部22には、酸素供給装置1を作動させるためのプログラムが予め格納されている。
【0022】
表示回路30は、酸素供給装置1の作動状態や酸素流量などの情報を、当該酸素供給装置1の液晶画面等で構成される表示部(図示せず)に表示する。
【0023】
制御部Cの記憶部22には、適宜の台数(例えば、2〜5台)の酸素濃縮部を作動させることができるプログラムが予め格納されている。したがって、酸素供給装置1に含まれる酸素濃縮部の数(本実施形態では2つ)を設定することで、設定した数の酸素濃縮部の作動を当該制御部Cの駆動制御部21で制御することができる。
【0024】
また、本実施形態の酸素供給装置1では、2つの酸素濃縮部A,Bが配設されているが、必要とされる酸素流量に応じて、酸素濃縮部を追加したり取り外したりすることができる。このため、例えば、装置の購入時には小容量でも問題なかったが、後に容量を大きくしたくなった場合に、必要な容量分の酸素濃縮部を装置に追加することができる。また、不要になった場合は、酸素濃縮部を取り外して必要台数の酸素濃縮部を稼働させることで、省エネを図ることができる。一部の酸素濃縮部が故障した場合、当該故障した酸素濃縮部だけを新しいものと交換することができる。この場合、交換完了までの間、一部が故障していても、酸素流量は低下するものの残りの酸素濃縮部だけを運転させることができる。
【0025】
本実施形態では、2つの酸素濃縮部を同じ運転サイクルで作動させるのではなく、当該運転サイクルを互いにずらして作動させている。具体的には、2つの酸素濃縮部A,Bの吸着筒内が最大圧(最低圧)になるタイミングをずらしており、これにより当該吸着筒内を最大圧にするために必要なコンプレッサ2の電力値(電流×電圧)が最大になるタイミングをずらしている。
【0026】
図3は、1つの酸素濃縮部における吸着筒の圧力と装置の消費電力との関係を示す図である。図の下側の部分は、1対の吸着筒の一方の吸着筒内の圧力(kPa)を示しており、図の上側の部分は当該一対の吸着筒を含む酸素供給装置の消費電力(W)を示している。
図3において、「a」で示される部分は、圧力変化が図示されている一方の吸着筒内の圧力上昇によってコンプレッサ2の負荷が大きくなることに起因する消費電力の上昇を示している。また、「b」で示される部分は、圧力変化が図示されていない他方の吸着筒内の圧力上昇によってコンプレッサ2の負荷が大きくなることに起因する消費電力の上昇を示している。このように、酸素供給装置1の消費電力は、のこ歯状に連続して変動する。
【0027】
図4は、2つの酸素濃縮部A,Bを備えた本実施形態に係る酸素供給装置1、及び、酸素濃縮部A又はBの2倍の容量を有する酸素濃縮部を備えた参照例に係る酸素供給装置の消費電力を示す図である。図の下側の部分は、
図3の下側部分と同じく、1つの酸素濃縮部における1対の吸着筒の一方の吸着筒内の圧力を示している。図の上下方向中央の部分は酸素濃縮部A,Bの消費電力を示している。また、図の上側は、本実施形態における2つの酸素濃縮部A,Bの各消費電力を加えた全体の消費電力と、酸素濃縮部A又はBの2倍の容量を有する酸素濃縮部の消費電力を示している。
【0028】
本実施形態では、酸素濃縮部Aによる消費電力のピークPa(一方の吸着筒の圧力上昇に起因するピーク)と、次のピークPa(他方の吸着筒の圧力上昇に起因するピーク)の中間に酸素濃縮部Bによる消費電力のピークPbが来るように、両酸素濃縮部A,Bの運転サイクルを互いにずらしている。これにより、
図4の上側に示されるように、単純に酸素濃縮部A又はBの2倍の容量を有する酸素濃縮部とした場合、すなわち2つの酸素濃縮部A,Bを同じ運転サイクルで作動させた場合に比べて、装置全体の消費電力のピーク値、及び変動を小さくすることができる。その結果、最大の消費電力に対応できるように選定する必要がある電気回路を小容量化することができる。また、酸素供給装置1に電力を供給する電源に余裕がない場合、消費電力の大きな変動は当該電源に接続されている他の電気機器への電力供給に影響を与えることになるが、本実施形態に係る酸素供給装置1では、消費電力の変動を小さくすることができるので、装置外部に与える電力変動の影響を小さくすることができる。
【0029】
また、2つの酸素濃縮部A,Bの運転サイクルを互いにずらして作動させることから、吸着筒からの廃棄ガスを装置外に排出するタイミングもすらすことができ、装置からの廃棄ガスの瞬間最大排出量を小さくすることができる。本実施形態では、2つの酸素濃縮部A,Bから排出される廃棄ガスを合流する排気部11を構成する合流管の配管径を、2つの酸素濃縮部から同時に廃棄ガスが排出される場合に比べて小さくすることができる。また、ガスの排出時には排気音が発生するが、この排気音も同時に排出される場合に比べて小さくすることができる。
【0030】
〔第2実施形態〕
図5は、本開示の第2実施形態に係る酸素供給装置1のブロックを示している。この実施形態は、プロダクト弁8の下流側に配設される酸素タンク4、減圧弁9及び流量調節弁10が2つの酸素濃縮部A1、B1で共有されている点において、
図1に示される実施形態と異なっている。したがって、両実施形態において共通する要素ないし構成には、同じ参照符号を付し、簡単のため、それらについての説明は省略する。
【0031】
本実施形態では、制御部Cに加えて、前記酸素タンク4等を共有させているので、
図1に示される第1実施形態に比べ、装置全体の構成をさらに簡略化して、コストダウンを図ることができる。本実施形態においても、第1実施形態と同様にして、2つの酸素濃縮部の運転サイクルを互いにずらして酸素供給装置1の消費電力のピーク値、及び変動を小さくすることができる。
【0032】
〔その他の変形例〕
本開示は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態では、2つの酸素濃縮部を設けているが、3つ以上の酸素濃縮部を1台の酸素供給装置に設けることもできる。
【符号の説明】
【0033】
1 : 酸素供給装置
2 : コンプレッサ
3a: 第1吸着筒
3b: 第2吸着筒
4 : 酸素タンク
5a: 制御弁
5b: 制御弁
6 : パージ弁
7a: チェック弁
7b: チェック弁
8 : プロダクト弁
9 : 減圧弁
10 : 流量調節弁
11 : 排気部
20 : 制御回路
21 : 駆動制御部
22 : 記憶部
30 : 表示回路
A : 酸素濃縮部
B : 酸素濃縮部
C : 制御部
【手続補正書】
【提出日】2019年10月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の酸素濃度よりも高濃度の酸素を生成して供給する酸素供給装置(1)であって、
それぞれが高濃度の酸素を生成する複数の酸素濃縮部(A,B)と、
当該複数の酸素濃縮部の作動を制御する1つの制御部(C)と、
生成された高濃度の酸素を収容する酸素タンク(4)と
を備えており、
前記制御部(C)は、既設の酸素濃縮部の取り外し時及び新規の酸素濃縮部の追加時に、取り外し後又は追加後の、酸素供給装置(1)が備える酸素濃縮部(A,B)の作動が可能であるように構成されており、
前記制御部(C)は、前記複数の酸素濃縮部(A,B)の吸着筒内が最大圧になるタイミングがずれるように当該複数の酸素濃縮部(A,B)の運転サイクルを互いにずらして作動させる、酸素供給装置(1)。
【請求項2】
前記複数の酸素濃縮部(A,B)のそれぞれから排出される廃棄ガスが合流する排気部(11)を有する、請求項1に記載の酸素供給装置(1)。