【解決手段】予想設定手段200は、プレイヤキャラクタ毎に分割枠の形状が設定されたコースパネルに対応して、ユーザにより指定された分割枠を、移動オブジェクトが到来する予想コースとして設定する。命中率変更手段201は、予想設定手段200により設定された分割枠に移動オブジェクトが到来した場合、移動オブジェクトへの命中率を、プレイヤキャラクタに設定された通常命中率より上昇させる。命中判断手段202は、命中率変更手段201により上昇させた命中率と、通常命中率とにより、移動オブジェクトに命中したか否かを判断する。描画制御手段203は、命中判断手段202により命中したと判断された場合、移動オブジェクトの命中に対する描画を行う。
前記コースパネルの前記分割枠は、前記プレイヤキャラクタが命中させやすい得意箇所の前記予想コースの箇所の面積を広くし、命中させにくい不得意箇所の面積を前記得意箇所より狭くする又は分割自体を行わない
請求項1に記載のゲームプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
本発明の実施形態に係るゲームシステムXについて、図面を参照して説明する。
図1に示す本実施形態のゲームシステムXは、サーバ装置1(コンピュータ)及び複数のゲーム装置2(コンピュータ)にて構成される。
ゲームシステムXでは、例えば、スマートフォンやPC(Personal Computer)等のゲーム装置2にインストールされるアプリケーションソフトウェア(Application Software、ネイティブ(Native)アプリ、以下、単に「アプリ」という。)を実行することで、サーバ装置1との間で通信を行い、ユーザにゲームを実行(プレイ)させるゲームシステムXを実現する。
【0010】
本実施形態で説明されるゲームの概要について説明する。本実施形態の移動体オブジェクトを用いるゲームは、野球を基にしたゲームである。このゲームにおいては、ユーザは、ネコのようなコミカルなプレイヤキャラクタ(キャラクタオブジェクト、ゲーム媒体)を選択して、自分の球団を作成する。そして、世界中のユーザ、又はコンピュータの思考プログラムと野球の公式戦(試合)を行い、勝ち進むことで、球団のランクを上げ、最上位リーグへの昇格を目指す。試合においては、所有する選手から、例えば、最大二十四体のプレイヤキャラクタを選択して、デッキを組んで、相手のデッキと戦う。
【0011】
本実施形態の野球ゲームの基本ルールは野球に準拠する。
試合の際、「攻め(攻撃)」の場面では、相手の投手が投げる移動オブジェクトである球(ボール)の球種及びコース(ボールの到来するコース、以下「予想コース」という。)を予想する。この際に、プレイヤキャラクタ毎に異なる分割枠の形状が設定されたコースパネル600を用いて、予想コースを設定する。「守り」の場面では捕手になり投手をリードする。この際、守備は、プレイヤキャラクタの能力に応じて自動で行う。
さらに、「自動(オート)」設定すれば、全て自動で試合を進行できる。このため、どのようなユーザでも、簡単で手軽に、本格敵な野球ゲームを楽しむことができる。すなわち、本実施形態の野球ゲームは、簡単操作、短時間で本格的な野球の雰囲気と醍醐味を味わえる「タクティカル」(戦略)野球ゲームである。
【0012】
<ハードウェア構成について>
本実施形態のゲームシステムXのハードウェア構成について説明する。
ここでは、サーバ装置1のハードウェア構成、及び、このサーバ装置1とインターネット回線等のネットワーク3を介して互いに通信接続される複数のゲーム装置2のハードウェア構成について説明する。
【0013】
・サーバ装置1のハードウェア構成
サーバ装置1は、制御部10、記憶部11、及び接続部12を備える。
記憶部11及び接続部12は、それぞれ、専用のバス及びインターフェイス等を介して、サーバ装置1の制御部10に接続される。
【0014】
制御部10は、サーバ装置1の動作を制御する。
【0015】
記憶部11は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)で構成される。
【0016】
接続部12は、サーバ装置1と各ゲーム装置2との間で、各種プロトコルによりデータを送受信するために、インターネット等のネットワーク3に接続される。
【0017】
・ゲーム装置2のハードウェア構成
ゲーム装置2には、操作部25、表示部26、及び音声入出力部27が備えられている。
このゲーム装置2において、アプリ用サーバからダウンロードされたゲームプログラム210及びデータに基づいてゲームが進行する。
ゲーム装置2は、他ゲーム装置2及びサーバ装置1との間で、ネットワーク3又は近距離無線通信等を介して、互いにデータ通信をすることも可能である。
【0018】
ゲーム装置2は、制御部20、記憶部21、接続部22、画像処理部23、音声処理部24、及び操作部25を備える。
記憶部21、接続部22、画像処理部23、音声処理部24、及び操作部25は、専用のバス及びインターフェイス等を介して、制御部20に接続される。
【0019】
制御部20は、ゲーム装置2の動作を制御する。
【0020】
記憶部21は、主にHDD、RAM、及びROMで構成される。
【0021】
接続部22は、ネットワーク3に接続され、サーバ装置1と各ゲーム装置2との間で、又はゲーム装置2同士で、データを各種プロトコルで送受信する。
【0022】
画像処理部23は、制御部20の指示に従って、仮想空間及び各オブジェクト等を含む二次元又は三次元のゲーム画像を、例えば、フレーム単位で描画(レンダリング)する。画像処理部23にて描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として、表示部26に表示される。
【0023】
音声処理部24は、制御部20の指示に対応して、音声データを再生及び合成し、D/A(Digital to Analog)変換してゲーム音声として出力する。ゲーム音声は、音声処理部24に接続された音声入出力部27のスピーカやイヤホン出力端子等から音声出力される。音声処理部24は、音声入出力部27のマイクロフォンから入力した音声信号をA/D(Analog to Digital)変換して、入力することも可能である。
【0024】
操作部25は、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスやキーボード、コントローラ及び各種センサにより、操作入力に関するデータを送受信することが可能である。ユーザは、操作部25により、ゲーム装置2へ操作指示を行う。
【0025】
表示部26は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ等のドットマトリクスティスプレイである。
本実施形態において、操作部25と表示部26とは一体的に形成されており、表示部26でユーザがオブジェクト等をタッチした座標等を検知可能である。
【0026】
音声入出力部27は、スピーカ、イヤホン出力端子、マイクロフォン等である。
【0027】
上述のゲーム装置2の各部は、本実施形態のゲームプログラム210を実行するハードウェア資源となる。
【0028】
・ゲームシステムXの制御の流れについて
次に、
図2により、ゲームシステムXを実現するサーバ装置1及びゲーム装置2における、ゲーム実行時の制御の流れについて説明する。
【0029】
まず、ゲーム装置2は、ユーザの操作に基づいて、ゲームアプリであるゲームプログラム210を、アプリがダウンロード可能なアプリ用サーバ(図示せず)からダウンロードする。更新(アップデート)用のゲームプログラム210が存在する場合も、このアプリ用サーバからダウンロードされ、インストールされる。
【0030】
インストール後、ゲームプログラム210が初回起動されると、ゲーム装置2とサーバ装置1とは、ネットワーク3を介して互いに通信を行う。
そして、サーバ装置1において、各ユーザには、それぞれ異なるアカウント情報が付与される。元々、ユーザがアカウント情報を付与されていた場合は、そのアカウント情報を設定することも可能である。このアカウント情報は、例えば、ID(識別符号)を含む固有の識別情報である。サーバ装置1は、各アカウントに対応付けられた、ゲームのプレイ上に必要なデータであるゲームデータ211を作成して、アカウント情報と共にゲーム装置2へ送信する。
【0031】
ゲーム装置2は、サーバ装置1から、ゲームデータ211とアカウント情報とを受信して、これを記憶部21に格納する。
その後、ゲームが起動されると、再び、サーバ装置1との通信が行われる。
【0032】
ゲーム装置2は、操作部25によりユーザの指示を取得してゲームを実行する。この際に実行されるゲームは、本実施形態における野球ゲームである。
ゲーム装置2は、ゲーム進行に伴うゲーム演出として、ゲーム画像及びゲーム音声を、表示部26及び音声入出力部27等に出力する。
【0033】
ここで、ゲーム装置2は、ゲームの開始時のみならず、ゲーム進行の特定タイミングでサーバ装置1にゲーム進行状況に関するデータを送信する。この特定タイミングとしては、例えば、試合の開始、各回における、投手と打者の攻防、守備、試合の終了等のデータ更新時が挙げられる。
【0034】
サーバ装置1は、このゲーム進行状況に関するデータをゲーム装置2から受信して解析する。この解析されたデータは、記憶部11に、アカウント毎に格納される。
【0035】
このように、ゲームシステムXは、アプリを介して、所定のタイミングでサーバ装置1とゲーム装置2とで相互に通信を行い、サーバ装置1とゲーム装置2とで同期をとってゲームを進行させる。
【0036】
<ゲーム装置2の機能的構成について>
次に、
図2により、ゲームシステムXを実現するゲーム装置2の制御部20の機能的構成について説明する。
【0037】
・ゲーム装置2の制御部20の機能的構成
ゲーム装置2の制御部20は、記憶部21に格納されたゲームプログラム210を実行することにより、予想設定手段200、命中率変更手段201、命中判断手段202、及び描画制御手段203として機能する。
【0038】
予想設定手段200は、本実施形態の移動オブジェクトである、投手が投げるボールが到来する予想コースを設定する。この際に、打者である攻撃側のプレイヤキャラクタがボールを打つストライクゾーンに対応したコースパネル600を用いて、予想コースが設定される。本実施形態のコースパネル600は、プレイヤキャラクタ毎に分割枠の形状が設定されている。具体的には、これらの分割枠は、プレイヤキャラクタが命中させやすい得意箇所の予想コースの箇所の面積を広くし、命中させにくい不得意箇所の面積を得意箇所より狭くする、又は分割自体を行わないように設定されている。これらの形状が異なる分割枠は、打撃時にユーザにより指定される。予想設定手段200は、これを予想コースとして設定する。すなわち、プレイヤキャラクタ毎に、予想を設定することが可能なコースの形状が異なることになる。
【0039】
さらに、予想設定手段200は、分割枠の隅、境界、又は内部に予想コースを設定することで、予想コースの面積を変化させることが可能である。この際、複数の分割枠を予想コースとして設定することが可能であるものの、命中率変更手段201による命中率の変更度合いも変化する。
加えて、予想設定手段200は、前回、ボールが到来したコースにより、コースパネル600の分割枠自体を変更することも可能である。
【0040】
他にも、予想設定手段200は、サーバ装置1と通信を行うことが可能である。具体的には、予想設定手段200は、ゲームを実行する際に、ユーザのアカウント情報をサーバ装置1へ送信し、サーバ装置1との通信を維持する。この通信において、予想設定手段200は、ゲーム進行状況に関するデータを、ゲーム進行の特定タイミングでサーバ装置1に送信する。
【0041】
命中率変更手段201は、予想設定手段200により設定された分割枠に移動オブジェクトが到来した場合、すなわち、予想が的中した場合には、移動オブジェクトへの命中率を、プレイヤキャラクタに設定された通常命中率より上昇させる。このうち、単一の分割枠が予想コースとして設定された場合、命中率変更手段201は、複数の分割枠が設定された場合よりも、命中率を上昇させる。予想設定手段200により設定された分割枠に移動オブジェクトが到来しなかった場合、すなわち、予想が外れた場合、命中率変更手段201は、上述の通常命中率と同じ又は低下させる。
【0042】
命中判断手段202は、予想コースが設定された場合、命中率変更手段201により変更させた命中率で移動オブジェクトに命中したか否かを判断する。それ以外の場合には、命中判断手段202は、通常命中率により、命中したか否かを判断する。これらの命中の判断の際、本実施形態では、通常命中率の調整パラメータも適用される。
【0043】
描画制御手段203は、命中判断手段202により命中したと判断された場合、移動オブジェクトの命中に対する描画を行う。
加えて、描画制御手段203は、ユーザの指示により野球ゲームを実行するメイン(主)制御手段として機能する。このユーザの指示は、操作部25から取得される。描画制御手段203は、ゲームデータ211を基に、ゲームを進行させる。
【0044】
・ゲーム装置2の記憶部21に格納されたデータの説明
ゲーム装置2は、記憶部21に、本発明のゲームシステムXを実現するためのゲームプログラム210及びゲームデータ211を格納している。
【0045】
ゲームプログラム210は、ゲーム装置2を上述の機能的手段として動作させるためのプログラムである。ゲームプログラム210は、ユーザが操作する以外のプレイヤキャラクタの行動等を乱数による選択、モンテカルロ法、ヒューリスティック法、Min−Max(αβ枝刈り)法、AI(Artificial Intelligence)等で決定する思考プログラムを含んでいる。
【0046】
ゲームデータ211は、本実施形態の野球ゲームのプレイにおいて必要なデータである。このプレイにおいて必要なデータは、サーバ装置1により作成された、ゲーム進行状況に関するデータを含む。
加えて、ゲームデータ211は、各オブジェクトの画像データ、モデリングデータ、メニューやホーム画面のデータ、文字データ、音声データ等、ゲームをプレイするために必要な各種データを含んでいる。これらのゲームデータ211に含まれる各種データは、ゲームプログラム210により選択され、ユーザのアカウント情報に対応した野球ゲームのプレイが実現可能となる。
【0047】
本実施形態において、ゲームデータ211は、球団データ301及びオブジェクトデータ302を含む。
【0048】
球団データ301は、野球ゲームのプレイ時に用いる球団のデータ、及びデッキのデータを含むデータである。
球団のデータは、ユーザのアカウント情報に対応する球団の所属リーグ、成績等のデータを含む。この所属リーグは、例えば、草野球リーグ、実業団、1A、2A、3A、及び最上位リーグである「メニャー」リーグ等が設定される。ユーザは、アカウント設定時に、最下層の「草野球リーグ」に所属する。この上で、同じリーグに所属している他のユーザのデッキや思考プログラムとの試合を行い、勝利して特定の成績に到達すると、上のリーグに所属できる。
【0049】
デッキのデータは、ユーザが所有するプレイヤキャラクタを集めたデッキの設定データである。設定されたデッキは複数格納可能であり、野球ゲームの試合開始時に、いずれかをユーザが選択して用いることが可能である。
【0050】
オブジェクトデータ302は、ユーザが所有するオブジェクトのデータである。オブジェクトデータ302は、オブジェクトの種類と所持数等のデータを含んでいる。
このオブジェクトは、プレイヤキャラクタとアイテムとを含む。
【0051】
プレイヤキャラクタの場合、オブジェクト毎に、タイプ、キャラクタの名称、レアリティ(稀少度)、レベル(経験値)、選手データ等のパラメータが設定される。
このうち、タイプは、投手又は野手が設定され、野手の場合は内野手、外野手等の種類も設定される。
野手の選手データの場合、例えば、基本パラメータ、守備力、個人スキル、チームスキル、調子、コースパネル600、装備、及び必殺技が設定される。このうち、守備力は、野手専用パラメータである。
投手の選手データの場合、例えば、基本パラメータ、投手パラメータ、肩体力ポイント、コースパネル600、装備、及び必殺技が設定される。このうち、投手パラメータ及び肩体力ポイントは、投手専用パラメータである。
アイテムの場合、ターゲットコイン、回復用アイテム、装備品、その他の特殊なアイテムが、種類としてIDにより設定される。ターゲットコインは、予想コースを指定するために用いられるアイテムである。
【0052】
図3により、本実施形態のプレイヤキャラクタの選手データの一例について、具体的に説明する。
図3(a)の画面例500は、野手のプレイヤキャラクタのパラメータを、表示部26に表示させた例である。画面例500は、プレイヤキャラクタの画像、内野手のタイプ、名称が「ネコキチ」、レアリティが「R」(レア)、レベルが「10」であり、選手データの各値が表示された例を示している。
【0053】
野手の選手データの基本パラメータは、投げの向き、打席の向き、打者タイプ等の各種パラメータの他に、「バント力」「ミート力」「パンチ力」のパラメータを含んでいる。このうち、「バント力」は、バントの成功率を示すパラメータである。「ミート力」は、打撃の通常命中率を示すパラメータである。「パンチ力」は、長打の確率を示すパラメータである。加えて、本実施形態において、基本パラメータは、バッティング時の通常命中率を調整する調整パラメータとして、選球眼、対速球、対変化球、対左、得意コース等のパラメータを含んでいる。このうち、「得意コース」は、コースパネル600の分割枠の形状と対応している。
【0054】
野手の選手データの「守備力」は、各守備位置に着いた場合の守備力を表す値である。「個人スキル」は、試合時に、当該プレイヤキャラクタ自身に発動される特殊効果を示す。「チームスキル」は、チーム全体に発動される特殊効果を示す。この「チームスキル」は、当該プレイヤキャラクタがリーダーに指定された場合のみ発動される。「調子」は、命中率の調整パラメータの一つである。「調子」が上がると、打撃での命中率が高まる。打撃時に、ヒットを打つことで、さらに「調子」が上昇する。逆に、凡打をすると徐々に「調子」が低下する。加えて、プレイヤキャラクタを試合に出さない休養を与えたり、アイテムを使用したりすることで低下した「調子」を初期値にリセットしたり、上向かせたりすることも可能である。
【0055】
コースパネル600は、打撃時に投球コースを予想するための、プレイヤキャラクタ毎に分割枠の形状が設定されたコースパネルである。すなわち、選手毎に分割枠の個数や大きさが異なることで、プレイヤキャラクタの個性、特性として設定される。
各コースパネル600における形状が異なる各分割枠は、ユーザの指定により予想コースとして設定可能である。加えて、各分割枠については、命中率の変更の度合い(変更率)が設定されており、これらは、ユーザの指定や前回のボールの到来コース等の状況に対応して変動する。
【0056】
図3(b)のコースパネル600a〜コースパネル600jの概念図にて、詳細について説明する。これらのコースパネル600a〜コースパネル600jは、各選手の特性に合わせた分割枠の形状が設定される。
コースパネル600aは、「5×5 ノーマル(通常)」であり、ストライクゾーンが5×5の枠に等間隔に分割されている。
コースパネル600bは、「アウトコース得意」であり、ストライクゾーンの外角(アウトコース)の分割枠が大きく、内角(インコース)の分割枠が小さく分割されている。小さく分割された分割枠では、予想コースにボールが到来する確率が低下する。つまり、予想が外れやすくなる。逆に、大きく分割されると、予想コースにボールが到来する確率が相対的に高くなる。つまり、予想が当たりやすくなる。
【0057】
コースパネル600cは、「ド真ん中大得意」であり、ストライクゾーンの中心部の分割枠が大きくなり、外側の分割枠は、外側程小さくなり、又は、分割枠自体が存在しない。
コースパネル600dは、「低目得意」であり、上側は分割枠が設定されておらず、逆に、最下部の分割枠が大きくなっている。
コースパネル600eは、「インコース得意」であり、インコース側の分割枠が大きくなっており、アウトコースは小さく又は分割されていない。
【0058】
コースパネル600fは、「アウトコース低目得意」であり、アウトコースの下側の分割枠が大きくなっており、インコースの上側は小さく又は分割されていない。
コースパネル600gは、「高め、低め苦手」であり、ストライクゾーンの上側及び下側が分割されていない。この例では、中央の右下は、分割枠が大きくなっている。
コースパネル600hは、「ド真ん中苦手」であり、中心部が分割されておらず、その周囲の分割枠が上下で分割されている。
【0059】
コースパネル600iは、「インコース苦手」であり、アウトコースの分割枠が大きくなっており、特にアウトコース上下の分割枠が大きくなっている。また、インコースは、小さい又は分割されていない。
コースパネル600jは、「高め、低め得意」であり、中央部が分割されておらず、上側と下側が大きく分割されている。
これらのコースパネル600は、プレイヤキャラクタ単位で設定変更することが可能である。
【0060】
投手の選手データのうち、「投手パラメータ」は、投手としての能力を表す値である。「肩体力ポイント」は、投手の体力等に対応するポイントであり、登板するためには、所定値以上のポイントが必要である。「肩体力ポイント」は、試合に登板すると、投球数に応じて消費される。消費された「肩体力ポイント」は、実時間の経過により回復するか、又は、アイテムにより回復可能である。
【0061】
装備のパラメータは、各プレイヤキャラクタが試合時に装着可能な装備品のパラメータである。この装備品によって、様々な効果がプレイヤキャラクタに付与される。
この装備品は、例えば、クロスプレー時に相手守備がボールを落としやすくなる「殺人スパイク」、パンチ力を上昇させてミート力を減じる「撲殺バット」、高めの球がデッドボールになりやすくなる「リーゼントメット」等、実際の野球のルールでは反則になるもののゲームとしての表現力や面白さを向上させるようなものも含まれる。
本実施形態において、各プレイヤキャラクタが装備可能な装備品の数(装備可能数)は、例えば、レアリティにより変化する。たとえば、レアリティが低い「ノーマル」「レア」のプレイヤキャラクタの場合は0個、「Sレア」は1個、「SSレア」は2個、「Uレア」は3個のような装備可能数が設定される。
【0062】
必殺技は、個人スキル及びチームスキル等のスキルとは別に、一部のプレイヤキャラクタが試合中に任意に発動、又は自動で発動する技である。必殺技は、「打撃」「投球」「守備」「走塁」の四カテゴリに分かれており、発動すると、特別な演出及び効果が生じる。この必殺技も、ゲームとしての表現力や面白さを向上させるようなものも含まれる。たとえば、「コマ回転打撃」の場合、打者のプレイヤキャラクタが高速回転して、通常より命中率及びパンチ力が高まる。「流星打撃」の場合、命中率が高くなり、命中した打球が複数に分かれて飛翔する。「すぐ届くような魔球」の場合、投手の手が伸びて、打者の直前でボールを投げるように演出する。「滝の守備」の場合、ファールやホームランになった打球をキャッチ可能となる。「マーダー走塁」の場合、走塁先を守備する野手を一時、プレイ不能にして、走塁を必ず成功させる。
【0063】
これら以外にも、記憶部21には、アカウント情報、他ゲーム装置2に送信するアカウント情報、フレンド(友達)に設定している他のユーザに関する情報、及び他ゲーム装置2から受信した他のアカウント情報等が含まれている。アカウント情報は、上述したように、ユーザのID(Identification、識別符号)を含む固有の識別情報、電子メールアドレス、パスワード、その他のログイン時のユーザ認証に必要な情報を含んでいる。
【0064】
<野球ゲーム実行処理について>
次に、
図4を用いて、本実施形態のゲーム装置2の予想設定手段200、命中率変更手段201、命中判断手段202、及び描画制御手段203により実行される野球ゲーム実行処理について説明する。
以下で、
図4(a)のフローチャートを参照して、ゲーム装置2の各処理のフローを説明する。ここでは、本実施形態の野球ゲーム実行処理の概要をステップ毎に説明する。
【0065】
(ステップS101)
まず、描画制御手段203が、デッキ設定処理を行う。
描画制御手段203は、ユーザの指示を取得して、球団データ301中のデッキのデータを設定する。本実施形態のデッキは、一つにつき、スタメン(先発出場選手)野手とベンチ入り(控え)の控え野手&投手とを手持ちの選手のプレイヤキャラクタから、最大、24人選択したものである。スタメンの野手は8つのプレイヤキャラクタを選択し、デフォルトの打順も設定可能である。本実施形態においては、先発投手のプレイヤキャラクタはデッキには含まれず、試合開始時に、ユーザにより選択される。
【0066】
(ステップS102)
次に、描画制御手段203は、試合開始処理を行う。
まず、対戦相手の選択を行う。描画制御手段203は、同じ所属リーグ等で対戦可能な他のユーザのリストから、ユーザに対戦相手を選択させる。本実施形態においては、対戦相手のユーザがオンラインの場合は対人戦となり、オフラインの場合は思考プログラムによる「COM」戦となる。
次に、「助っ人」を選択する。描画制御手段203は、主に「フレンド」設定された他のユーザがリーダーに設定しているプレイヤキャラクタから、今回の試合に出場する助っ人選手を一名、ユーザに選択させる。
【0067】
次に、先発投手を設定する。描画制御手段203は、デッキ内の控え投手以外の投手から、先発投手をユーザに選択させる。助っ人選手が投手の場合には、これを先発投手として選択させることも可能である。
次に、リーダーを選択する。描画制御手段203は、ベンチ入りした合計25人のプレイヤキャラクタと、先発投手の中からリーダーをユーザに選択させる。この際、助っ人選手は、リーダー選手として選択できない。ここで選択されたリーダー選手及び助っ人選手のリーダースキルは、試合中に発動可能である。
最後に、打順を設定する。描画制御手段203は、ユーザに、スタメン選手から打順を決定させる。野手である助っ人選手をスタメンに入れる場合は、ここで選択可能である。加えて、デフォルトの打順をそのままユーザに選択させることも可能である。
【0068】
これらの設定が完了すると、先攻後攻が決定され、野球のルールに準拠した試合が開始され、対戦が行われる。
【0069】
(ステップS103)
次に、予想設定手段200、命中率変更手段201、及び命中判断手段202が、攻撃側処理を行う。この処理は、ユーザのデッキが攻撃側になった際の処理である。このため、先攻後攻の決定により、下記の防御側処理と順番が前後する。
攻撃側処理の詳細については、後述する。
【0070】
(ステップS104)
次に、描画制御手段203が、防御側処理を行う。
ユーザは、捕手として、投手のプレイヤキャラクタにコースと球種を指定することで投手をリードする。
まず、描画制御手段203は、投手の持ち球の中から投げる球種を指定させる。この場合、「ストレート」「カーブ」「フォーク」「おまかせ」等のリストを提示して、投手に投げさせる球種を指定させる。この「おまかせ」は、球種の指定をしない選択である。この場合、描画制御手段203は、思考プログラムに対応して、投球させる。
その他にも、描画制御手段203は、ユーザの指示に対応して、「投球」の必殺技を発動させることも可能である。
【0071】
描画制御手段203は、球種が指定された後は、ユーザに投げるコースを枠で選択させ、投手をリードする。本実施形態においては、上述のコースパネル600aの「5×5 ノーマル(通常)」と同様の5×5の分割枠で指定される。ここでは、投手のプレイヤキャラクタの投手パラメータのうち、「制球力」に対応して、要求された場所に投げる確率が決定される。この際、5×5の分割枠の外に投げるように選択する(例:敬遠球)ことも可能である。
投球後に、描画制御手段203は、投手のスタミナを示す肩体力ポイントを、特定値だけ減少させる。「投球」の必殺技が発動した場合には、この肩体力ポイントは、特定値よりも大きく減少する。この肩体力ポイントが「0」になると、投手のプレイヤキャラクタは、投球できなくなる。
【0072】
(ステップS105)
次に、描画制御手段203が、試合終了か否かを判断する。
描画制御手段203は、特定の回数の攻撃守備のイニングが終了した場合、延長戦が終了した場合、コールドゲームの場合、特殊なアイテムを使用した場合等に、試合終了、すなわちYesと判断する。ここで、個人スキル、チームスキル、リーダースキル、必殺技、特殊なアイテムを使用した等の場合、敵又はユーザのプレイヤキャラクタが行動不能又は退場になることがある。このような場合、いずれかのデッキのプレイヤキャラクタが全て行動不能又は退場、すなわち全滅した場合も、描画制御手段203は、Yesと判断する。描画制御手段203は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、描画制御手段203は、処理をステップS106に進める。
Noの場合、描画制御手段203は、処理をステップS103に戻す。
【0073】
(ステップS106)
試合終了の場合、描画制御手段203が、試合終了処理を行う。
描画制御手段203は、試合の対戦結果(リザルト)を、球団データ301の成績に記録する。加えて、描画制御手段203は、試合に出場した各プレイヤキャラクタのオブジェクトデータ302に、経験値を付加する。さらに、試合に勝利した場合はターゲットコイン等を含む各種アイテム、プレイヤキャラクタ等のオブジェクトが獲得可能である。
以上により、本実施形態の野球ゲーム実行処理を終了する。
【0074】
次に、
図4(b)のフローチャート及び
図5を参照して、本実施形態のステップS103の攻撃側処理の詳細について、ステップ毎に説明する。
【0075】
(ステップS201)
まず、予想設定手段200が、予想球種選択処理を行う。
ユーザのデッキが攻撃側の場合、投手の投球を、打順毎に、打手(打者)のプレイヤキャラクタが打撃(バッティング)する。
まずは、予想設定手段200は、ユーザに、投手が投球する球種をあらかじめ予想させ、狙い球を絞らせる。この場合、予想球種を指定したり、その他の指示をしたりするリストを示して、ユーザに選択させる。
【0076】
このリストには、「ストレート」「カーブ」「フォーク」「絞らない」「見送る」等の選択枝が含まれる。「ストレート」「カーブ」「フォーク」等の球種の予想が的中すると、打撃時の命中率に関係する「タイミング」が合う。ユーザが「絞らない」選択をした場合、打者のプレイヤキャラクタの選手パラメータに対応した命中率のタイミングが設定される。また、下記で説明する「見送る」の選択も可能である。加えて、ユーザは、代打を指定することも可能である。
【0077】
(ステップS202)
次に、予想設定手段200が、ユーザの選択が見送りであったか否かを判断する。
予想設定手段200は、ユーザが「見送る」を選択した場合に、Yesと判断する。予想設定手段200は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、予想設定手段200は、処理をステップS203に進める。
Noの場合、予想設定手段200は、処理をステップS210に進める。この場合、打者はスイングせず、その後の選択枝は表示されない。
【0078】
(ステップS203)
見送りでなかった場合、予想設定手段200が、予想コース設定処理を行う。
予想設定手段200は、プレイヤキャラクタ毎に分割枠の形状が設定されたコースパネル600を表示する。そして、ユーザにより指定された分割枠を、ボールが到来する予想コースとして設定する。
【0079】
図5(a)の画面例501により、この処理の詳細について説明する。
画面例501には、投手のオブジェクトP、打者のオブジェクトB、表示欄610、620、630、640、650、660等が描画されている。
表示欄610は、攻撃側にあることを示すアイコンである。表示欄620は、投手のオブジェクトPのパラメータが表示される。表示欄630は、打者のオブジェクトBのパラメータが表示される。表示欄640は、投手Pの投球したボールの予想コースを指定するためのターゲットコインTが表示される。
【0080】
この例では、オブジェクトPが投げるボールの予想コースを、オブジェクトBのコースパネル600により設定する。この際、ユーザは、コースパネル601の各分割枠にターゲットコインTを「ベット」して指定することで、予想コースを設定する。すなわち、ユーザは、狙い球を絞ることが可能である。この予想コースが的中すると、ボールへの命中率が上昇する。
図5(a)では、上述のコースパネル600aの「5×5 ノーマル(通常)」と同様に、5×5の分割枠から予想コースが設定される例を示す。この場合、予想コースを、5×5=25の分割枠から設定可能である。この分割枠は、上述のように、プレイヤキャラクタによっては、
図3のコースパネル600b〜コースパネル600jのような特殊な形状のものが表示され、各分割枠を予想コースとして設定可能である。
【0081】
図5(b)によると、分割枠の隅、境界、又は内部に予想コースを設定することで、命中率の上昇度合いと予想コースの面積とを変化させることも可能である。
図5(b)のコースパネル601aでは、単一の分割枠がターゲットコインTで指定され、予想コースとして設定されている。
コースパネル601bでは、二つの分割枠の間がターゲットコインTで指定され、二枠分の予想コースが指定されている。
コースパネル601cでは、四つの分割枠の隅を指定され、四枠分の予想コースが指定されている。
【0082】
後述するように、予想コースが的中した場合の命中率の上昇は、設定された分割枠が少ないほど高く、多いほど低くなる。加えて、予想コースを設定した場合、投球でコースの予想が外れた場合には、命中率が低下するように、通常命中率を調整する。
加えて、本実施形態においては、ターゲットコインTを複数「ベット」することで、命中率の上昇を更に狙うことも可能である。また、ターゲットコインTを、命中率の低下を抑えるために使用することも可能である。
【0083】
コースパネル601dでは、ターゲットコインTを「ベット」しておらず、予想コースが指定されていない。これは、ユーザの「予想しない」という選択であり、ストライクゾーン全体に、通常命中率が適用される。
【0084】
(ステップS204)
次に、命中率変更手段201が、予想コースが的中したか否かを判断する。
命中率変更手段201は、投手により投げられたボールが、設定された予想コースに到来した場合に、的中したとして、Yesと判断する。すなわち、ユーザがターゲットコインTをベットして指定した分割枠内に、投球されたボールが通過した場合、命中率変更手段201は、予想コースが的中したと判断する。命中率変更手段201は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、命中率変更手段201は、処理をステップS205に進める。
Noの場合、命中率変更手段201は、処理をステップS206に進める。
【0085】
(ステップS205)
予想コースが的中した場合、命中率変更手段201が、命中率上昇処理を行う。
命中率変更手段201は、ボールへの命中率を、プレイヤキャラクタの選手データの基本パラメータに設定された通常命中率より上昇させる。
加えて、命中率変更手段201は、分割枠の隅、境界、又は内部に予想コースが設定された場合、命中率の上昇度合いを変化させる。この際、命中率の上昇は、設定された分割枠が少ないほど高くなる。つまり、複数の分割枠が予想コースとして設定された場合よりも、単一の分割枠の方が、命中率が上昇する。
【0086】
図5(b)の例では、コースパネル601aのように、単一の分割枠について予想が的中した場合、5.0倍の倍率で命中率が上昇する。コースパネル601bのように、境界に設定され分割枠が二つの場合には、命中率の上昇は、例えば、それぞれの分割枠について2.0倍の倍率となる。コースパネル601cのように、隅に設定され分割枠が四つの場合には、それぞれの分割枠について、命中率の上昇は1.5倍の倍率となる。
逆に、これらの場合において、予想コースが的中しなかった際には、命中率が、通常命中率の0.7倍の倍率で低下する。
【0087】
(ステップS206)
ここで、命中判断手段202が、命中か否かを判断する。
命中判断手段202は、乱数を取得して、上述の調整等が行われた命中率を閾値として命中か否かを判断する。この際、命中判断手段202は、予想コースが的中した場合には、命中率変更手段201により上昇させた命中率で、バットがボールに命中したか否かを判断する。逆に、予想コースが的中しなかった場合には、命中判断手段202は、命中率変更手段201により低下させた命中率で命中したか否かを判断する。さらに、命中判断手段202は、予想コースが設定されなかった場合、通常命中率により命中したか否かを判断する。加えて、命中判断手段202は、命中率の調整パラメータも適用して、命中を判断する。命中した場合、命中判断手段202は、Yesと判断する。命中判断手段202は、命中しなかった場合には、Noと判断する。
Yesの場合、命中判断手段202は、処理をステップS207に進める。
Noの場合、命中判断手段202は、処理をステップS208に進める。
【0088】
(ステップS207)
命中した場合、描画制御手段203が、命中処理を行う。
描画制御手段203は、ボールの命中に対する描画を行う。描画制御手段203は、パンチ力やボールのコース等の選手パラメータを適用した上で、乱数で打球の方向や飛距離等を設定して、打球の描画を行う。これに伴い、描画制御手段203は、出塁、走塁、得点の記録等の処理も行う。
【0089】
(ステップS208)
命中しなかった場合、描画制御手段203が、空振り等処理を行う。
描画制御手段203は、空振りやファウルやデッドボールや振り逃げ等の処理を行う。そして、描画制御手段203は、これによる、アウト、出塁、走塁、得点の記録等の処理も行う。
【0090】
(ステップS209)
ここで、予想設定手段200が、分割枠変更処理を行う。
ボールの到来したコースにより、プレイヤキャラクタのコースパネル600の分割枠を変更する。このコースパネル600の変更は、次の投球について適用される。
図6により詳細について説明する。
図6(a)のコースパネル602aにおいて、インコース高めの顏の近くにボールが投げられると、
図6(b)のコースパネル602bのように分割枠が変化する。この例では、コースパネル602bにおいて、アウトコースの分割枠における命中率の倍率が低下して、通常命中率よりも命中しづらくなる。すなわち、インコース攻めのような、投手と打者との駆け引き要素を実現できる。
この命中率の倍率の変化は、打者の選手データの調整パラメータやスキル等によって、全く影響を受けない場合もある。
【0091】
(ステップS210)
次に、描画制御手段203が、その他処理を行う。
描画制御手段203は、盗塁、エンドラン、打者の交代、攻守の交代等のその他のユーザの指示に対応した処理を行う。
【0092】
盗塁については、攻撃側の際、いつでも、出塁ランナーアイコンを押下することで盗塁を指示することが可能である。
図5(a)の画面例501では、表示欄650に、各塁の出塁状況、すなわち、走者(ランナー)の有無が表示される。この例では、右下が一塁、中上が二塁、左下が三塁であり、濃度の高い位置(一塁)に走者がいる状態(出塁ランナーアイコン)であることを示す。このため、ユーザが一塁をタップ等して指示することで、一塁の走者が盗塁を行う。
【0093】
エンドランについては、攻撃側の際、いつでも、エンドランアイコンを押下することで「エンドラン」の指示を出すことが可能である。
図5(a)の画面例501では、表示欄660が、エンドランアイコンの例である。ユーザが、このアイコンを押下すると、エンドランの指示ができ、次の投手Pの投球時に、走者全員が走る。
【0094】
これらの処理を、攻撃側の回が終了するまで、各打者のプレイヤキャラクタについて実行する。
以上により、本発明の実施の形態に係る攻撃側処理を終了する。
【0095】
[発明の効果]
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
従来の野球ゲームでは、投手の投球のコースを予想する際に、例えば、特許文献1の段落[0066]、[0067]、
図6に記載されたように、ストライクゾーンを数個に分けた箇所を、カーソル等を動かして、予想コースとして指定できるだけであった。この指定では、プレイヤキャラクタによる差異はなかった。
一方、実際のヒトの選手ではコース毎の打ち分けの得意不得意等の特性が存在する。しかしながら、従来のゲームでは、このような特性をパラメータとして設定したとしても、プレイヤキャラクタの個性として反映させることは、できなかった。
【0096】
これに対して、本実施形態のゲームプログラム210は、記憶部及び表示部を備えるゲーム装置により実行されるゲームプログラム210であって、ゲーム装置をプレイヤキャラクタ毎に分割枠の形状が設定されたコースパネル600に対応して、ユーザにより指定された分割枠を、移動オブジェクトが到来する予想コースとして設定する予想設定手段200と、予想設定手段200により設定された分割枠に移動オブジェクトが到来した場合、移動オブジェクトへの命中率を、プレイヤキャラクタに設定された通常命中率より上昇させる命中率変更手段201と、命中率変更手段201により上昇させた命中率と、通常命中率とにより、移動オブジェクトに命中したか否かを判断する命中判断手段202と、命中判断手段202により命中したと判断された場合、移動オブジェクトの命中に対する描画を行う描画制御手段203として機能させることを特徴とする。
【0097】
このように構成することで、プレイヤキャラクタ毎に設定された、コース毎の打ち分けの得意不得意等の個性を、ボールの到来するコースの予想に反映させることが可能となる。このため、デッキ中のプレイヤキャラクタの選択、打順等の戦略性を考慮し、投球の読みあい等によりゲーム進行を高度化して、試合が単調になるのを防ぐことができる。また、コースパネル600の分割枠の形状により、ユーザがプレイヤキャラクタの打撃の特性を理解しやすくなる。
【0098】
また、ユーザは、実際の野球等のスポーツの試合を観戦した際に、「ここにボールが来るだろう」と予想して、選手に知らせるような介入をしたいと思うことがある。このようなユーザの欲求をゲーム内で実現することで、ゲームの魅力を高めることができる。
結果として、ユーザの試合への意欲を惹起し、プレイを長期にわたって続けさせることができる。
【0099】
本実施形態のゲームプログラム210は、コースパネル600の分割枠は、プレイヤキャラクタが命中させやすい得意箇所の予想コースの箇所の面積を広くし、命中させにくい不得意箇所の面積を得意箇所より狭くする又は分割自体を行わないことを特徴とする。
【0100】
このように構成することで、プレイヤキャラクタの得意不得意の特性をコースパネル600に反映することができる。これにより、ユーザは、投手の投球の予想コースについて、プレイヤキャラクタの特性を基に設定することができる。このため、より特性に合った広い分割枠を指定するか、あえて苦手な予想コースの狭い分割枠を設定するか、代打に変更するか等の指示を戦略的に行うことができ、ゲーム性を高めることができる。
【0101】
本実施形態のゲームプログラム210は、予想設定手段200は、分割枠の隅、境界、又は内部に予想コースを設定することで、予想コースの面積を変化させ、命中率変更手段201による命中率の変更度合いを変化させることを特徴とする。
【0102】
このように構成することで、ユーザの意図に沿った予想コースを選択可能となる。つまり、予想が難しく広いコースを設定したい場合、コースパネル600の分割枠の形状から予想コースの設定がし辛い場合、狭い予想コースにより狙って命中率を高めたい場合等に対応することができる。この際、分割枠に対して「ターゲットコイン」のようなオブジェクトで予想コースを設定することで、この設定を容易にすることができる。
【0103】
本実施形態のゲームプログラム210は、予想設定手段200は、複数の前記分割枠を前記予想コースとして設定してもよいことを特徴とする。
このように構成することで、予想コースの面積の変化、命中率の変更度合い等について、ユーザに分かりやすく提示し、指定させることが可能となる。これにより、戦略性を高めることができる。
【0104】
本実施形態のゲームプログラム210は、予想設定手段200は、前回の移動オブジェクトの到来したコースにより、コースパネル600の分割枠を変更することを特徴とする。
このように構成することで、「インコース責め」「アウトコース責め」等の投手の戦略を、プレイヤキャラクタのコースパネル600の分割枠に反映させることができる。これにより、予想コースの設定を配球によっては変更する必要が生じるため、戦略性を高めることができる。
【0105】
[他の実施形態]
図2〜
図6において説明した制御手段及び処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0106】
上述の実施形態では、打者のプレイヤキャラクタにコースパネル600が設定されている例について記載した。しかし、本発明の実施形態は、これには限られない。
たとえば、投手のプレイヤキャラクタ用のコースパネルが設定されていてもよい。この投手のプレイヤキャラクタ用のコースパネルは、指名打者制でない場合、攻撃側の投手が打席に立った際に、防御側の投手の投球を予測するためのコースパネルであってもよい。
【0107】
また、投手のプレイヤキャラクタ用のコースパネルは、投手が投球する際に、得意不得意のコースを示すような投球用のコースパネルであってもよい。
この場合、捕手がピッチャーにコースを要求するものであるため、分割枠の分割形状は変化しない5×5等のままで、各分割枠でボールの到来率(制球率)を変化させ、濃度の変化等で示してもよい。また、投手の肩体力ポイントに対応して、このコースパネルの分割枠、各分割枠の制球率等が変化するようにしてもよい。
【0108】
また、防御側のコースパネルは、捕手用のコースパネルであってもよい。この場合には、捕手のキャッチが苦手な箇所について、分割枠の形状が変化し、例えば、ストレートやアウトコースばかり要求しなければならなくなるようにしてもよい。
このように構成することで、防御側において、投手の投球についても戦略性を高めることが可能となる。
【0109】
上述の実施形態では、プレイヤキャラクタのコースパネル600の分割枠の命中率が、前回の投球のボールの到来したコースで変更される例について記載した。
これに対して、コースパネル600の分割枠の形状自体が、前回の投球のコースで変更されてもよい。さらに、ゲーム進行、得点差や回数等による士気の差、個人スキルの発動、チームスキルの発動、装備等により、分割枠が変化してもよい。たとえば、一例として、上述の「リーゼントメット」を装備した場合、インコース上側の予想コースが分割されなくしてもよい。
【0110】
上述の実施形態では、プレイヤキャラクタのパラメータを、単に表示する例について説明した。これに加えて、「キャラクタクリエイト」のように、選手のプレイヤキャラクタを一から設定したり、取得したプレイヤキャラクタのパラメータを編集したりすることも可能であってもよい。また、ゲーム内通貨により、野手や投手のプレイヤキャラクタの「ガチャ」による取得、トレーニング等も可能であってもよい。
さらに、このゲーム内通貨については、肩体力ポイント等の消耗するポイントの回復、ターゲットコインや装備品等のアイテムの購入、球団の選手最大所有数枠拡張等に用いることも可能である。
このように構成することで、ユーザのプレイヤキャラクタへの思い入れを高め、ゲームへの参加意欲を高め、ゲームの魅力を高めることができる。
【0111】
加えて、ユーザは、各プレイヤキャラクタの選手モデルも変更可能であってもよい。この場合、例えば、プレイヤキャラクタを共通の三次元のモデルを素体として、テクスチャを貼り付けることで表現することが可能である。
【0112】
上述の実施形態には、プレイヤキャラクタを例にして記載されているが、本発明の実施形態はこれには限られない。たとえば、オブジェクトは、カード又はアイテム等のゲーム媒体であってもよい。
【0113】
加えて、1つのプレイヤキャラクタに対して複数のコースパネルが設定されていてもよい。たとえば、プレイヤキャラクタの調子に応じて、どのコースパネルを使用するかを変化させることが可能である。あるいは、試合開始前にどのコースパネルを使用するかを選択できるようにすることも可能である。
【0114】
上述の実施形態には、移動オブジェクトのコースを予想する際に、スマートフォン用の野球ゲームのボールで予想する例について記載されているが、これに限られない。本実施形態は、例えば、サッカー、テニス、バレーボール等の各種ボールを使用するスポーツゲームに適用可能である。さらに、敵がミサイルや砲弾を撃つ際の弾道を予測するアクションゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム等にも適用可能である。加えて、ボードゲーム、及びパズルゲーム等、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0115】
・ハードウェア構成のバリエーション
なお、制御部10、20は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサー)等を含む情報処理部であってもよい。
【0116】
記憶部11は、一時的でない記録媒体であり、主記憶部のRAMとしては、DRAMやSRAM等を用いてもよい。ROMは、補助記憶部として、EEPROM、フラッシュメモリ、3D Xポイント等の各種不揮発性で書き換え可能な半導体メモリを用いてもよい。加えて、補助記憶部として、HDDの代わりに、SSD(Solid State Drive)やeMMC(embedded Multi Media Card)を用いることも可能である。
【0117】
接続部12、22は、LAN、無線LAN、WAN、携帯電話網等のネットワーク3に接続するためのLANボードや無線送受信機等を含むネットワーク接続部であってもよい。
【0118】
画像処理部23は、GPU(Graphics Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等の情報処理部であってもよい。画像処理部23は、専用のメモリを備えていてもよい。
【0119】
操作部25は、専用又は汎用のコントローラと接続されてもよい。この場合、コントローラに設けられたスティックやボタンやタッチパッド等を操作することにより、操作部25を介して、ゲーム装置2へ操作信号が入力される。このコントローラと操作部25とは、無線又は有線で接続される。この無線又は有線の接続は、USB、Bluetooth(登録商標)等であってもよい。
【0120】
なお、ゲーム装置において、制御部20及び画像処理部23は、GPU内蔵CPU等やチップ・オン・モジュールパッケージのように、一体的に形成されていてもよい。
また、制御部10、制御部20、及び画像処理部23は、RAMやROMやフラッシュメモリ等を内蔵していてもよい。
【0121】
上述の実施形態では、本実施形態のゲームプログラム210がネイティブアプリケーションである例について記載されたものの、ウェブアプリとして構成されていてもよい。すなわち、ゲームプログラム210は、ウェブブラウザー等で実行可能なアプリであってもよい。この場合は、記憶部21に格納されるゲームプログラム210及びゲームデータ211は、毎回、RAM等に一時的に格納されてもよい。
さらに、上述の実施形態では、ゲーム装置2において、ゲームプログラム210自体はアプリ用サーバからダウンロードするように記載した。しかしながら、ゲームプログラム210をサーバ装置1からダウンロードするようにしてもよい。また、ゲームプログラム210は、ゲーム装置2において、光学記録媒体やその他の記録媒体から読み込まれ、記憶部21にインストールされてもよい。
【0122】
上述の実施形態には、ゲーム装置2としてスマートフォン等の携帯端末装置やPCを用いた例が記載されているが、本発明の実施形態はこれには限られない。たとえば、ゲームセンター等に提供されるアーケードゲーム筐体を用いて本発明を実現することもできる。また、ゲーム装置2として、家庭用(コンシューマ)のゲーム装置を用いて本発明を実現することもできる。
【0123】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、及び他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【0124】
また、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。