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特開2019-214028水熱処理装置及びバイオマス燃料製造プラント並びに水熱処理方法及びバイオマス燃料製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-214028(P2019-214028A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】水熱処理装置及びバイオマス燃料製造プラント並びに水熱処理方法及びバイオマス燃料製造方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/08 20060101AFI20191122BHJP
   C02F 11/12 20190101ALI20191122BHJP
   B01F 7/18 20060101ALI20191122BHJP
   B01F 15/02 20060101ALI20191122BHJP
   B01F 15/04 20060101ALI20191122BHJP
   B01F 15/06 20060101ALI20191122BHJP
   B01D 3/26 20060101ALI20191122BHJP
   B09B 3/00 20060101ALI20191122BHJP
   C10L 5/44 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
   C02F11/08ZAB
   C02F11/12 C
   B01F7/18 B
   B01F15/02 B
   B01F15/02 C
   B01F15/04 E
   B01F15/06 Z
   B01D3/26 Z
   B09B3/00 304Z
   B09B3/00 C
   C10L5/44
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2018-113616(P2018-113616)
(22)【出願日】2018年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(72)【発明者】
【氏名】真保 陽一
(72)【発明者】
【氏名】小澤 雄太
(72)【発明者】
【氏名】吉田 章人
【テーマコード(参考)】
4D004
4D059
4D076
4G037
4G078
4H015
【Fターム(参考)】
4D004AA02
4D004AA50
4D004AC05
4D004BA03
4D004CA13
4D004CA14
4D004CA15
4D004CA18
4D004CA39
4D004CA42
4D004CB05
4D004CB27
4D004CB31
4D059AA00
4D059AA03
4D059BA12
4D059BC01
4D059BE15
4D059BE38
4D059BE49
4D059BF15
4D059BJ03
4D059BK08
4D059CA01
4D059CA10
4D059CA12
4D059CA14
4D059CA22
4D059CC03
4D059EB01
4D059EB06
4D059EB20
4D076AA02
4D076AA14
4D076AA24
4D076DA02
4D076DA25
4D076DA28
4D076DA36
4D076DA37
4D076HA09
4D076HA20
4D076JA03
4D076JA04
4G037AA04
4G037AA12
4G037BD01
4G037BD09
4G037CA05
4G037DA21
4G037EA04
4G078AA02
4G078AA07
4G078AB05
4G078BA05
4G078DA01
4G078EA03
4G078EA10
4H015AA02
4H015AA12
4H015AB01
4H015BA09
4H015BA13
4H015BB03
4H015BB04
4H015BB05
4H015CB01
(57)【要約】
【課題】水熱処理後の処理物の水分含有量を低減させて、水熱処理後に処理物から水分を分離・除去する際に要するエネルギーを低減することを目的とする。
【解決手段】水熱処理装置3は、高含水率バイオマスを加熱することで水熱処理する水熱処理装置3であって、汚泥を貯留する処理容器21と、処理容器21の鉛直方向上部に空間Sが形成されるように処理容器21の内部に汚泥を供給する汚泥供給部22と、処理容器21の内部に設けられ、上下方向の対向流が発生するように貯留物を撹拌する撹拌機23と、処理容器21の内部に水平方向に配置され、内部を流通する蒸気の熱によって汚泥を加熱する伝熱管24と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高含水率バイオマスを加熱することで水熱処理する水熱処理装置であって、
前記高含水率バイオマスを貯留する処理容器と、
前記処理容器の鉛直方向上部に空間が形成されるように、前記処理容器の内部に前記高含水率バイオマスを供給する第1供給部と、
前記処理容器の内部に設けられ、所定方向の流れが発生するように該高含水率バイオマスを撹拌する撹拌部と、
前記処理容器の内部に前記所定方向と交差するように配置され、内部を流通する蒸気の熱によって前記高含水率バイオマスを加熱する少なくとも1つの伝熱管と、を備える水熱処理装置。
【請求項2】
前記撹拌部は、水平面に対して傾斜するように配置される羽根部を備え、
前記羽根部は、鉛直上下方向に延在する軸方向を中心として回転し、
前記羽根部の径方向の先端は、前記処理容器の内周面に近接するように配置され、
前記伝熱管は、水平方向に延在している請求項1に記載の水熱処理装置。
【請求項3】
前記撹拌部は、鉛直上下方向に延在する軸方向を中心として回転する複数の羽根部を備え、
複数の前記羽根部は、回転の中心となる前記軸方向から、径方向に所定距離離間した位置に、前記軸方向の周方向に沿って等間隔に配置されるとともに、各々、水平面に対して回転方向に向かって所定の角度で傾斜するように配置されていて、
前記伝熱管は、水平方向に延在していて、
前記所定方向の流れは、鉛直上方向および鉛直下方向を含む対向流である請求項1に記載の水熱処理装置。
【請求項4】
前記処理容器内の貯留物の少なくとも一部が所定の含水率を維持するように水または蒸気を前記処理容器に供給する第2供給部を備えた請求項1から請求項3のいずれかに記載の水熱処理装置。
【請求項5】
前記処理容器は、側面と底面をなす本体部及び鉛直上面をなす天井部を有する外殻と、前記伝熱管の少なくとも1つを前記本体部に対して固定する固定部と、を備え、
前記天井部は、前記本体部に取外し可能に固定され、
前記固定部は、前記本体部に取外し可能に固定されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の水熱処理装置。
【請求項6】
前記処理容器に前記高含水率バイオマスを供給する供給チャンバーと、
前記処理容器内に貯留された貯留物が排出される排出チャンバーと、
前記供給チャンバーと前記処理容器とが連通した状態と、前記供給チャンバーと前記処理容器とが隔絶された状態と、を切替える第1切替え手段と、
前記排出チャンバーと前記処理容器とが連通した状態と、前記排出チャンバーと前記処理容器とが隔絶された状態と、を切替える第2切替え手段と、を備え、
前記処理容器内の温度及び圧力を所定の温度及び圧力に保った状態で、前記供給チャンバーから前記処理容器への前記高含水率バイオマスの供給を行うとともに、前記処理容器から前記排出チャンバーへの前記貯留物の排出を行う請求項1から請求項5のいずれかに記載の水熱処理装置。
【請求項7】
前記処理容器内で水熱処理時に、前記処理容器内の前記高含水率バイオマスの位置による温度差が、所定の温度差の範囲内となるように、前記撹拌部の回転速度を調整する制御部を備えた請求項1から請求項6のいずれかに記載の水熱処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の水熱処理装置を備えたバイオマス燃料製造プラントであって、
前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスを脱水する脱水部と、
前記脱水部において前記高含水率バイオマスから分離された分離水を前記処理容器へ導く第1分離水流路と、
前記処理容器内で発生した蒸気を、該処理容器の外部に排出する蒸気排出部と、
前記蒸気排出部から排出された蒸気から不純物を分離する分離処理部と、を備えたバイオマス燃料製造プラント。
【請求項9】
前記第1分離水流路が分岐した複数の分岐配管を備え、
複数の前記分岐配管は、前記処理容器の鉛直上下方向の異なる位置へ連通している請求項8に記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項10】
前記脱水部で分離された分離水のうち、所定の割合の分離水を外部へ排出するブロー配管を備えた請求項8または請求項9に記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項11】
投入した燃料の燃焼熱で蒸気を生成し、生成した蒸気を前記伝熱管に供給するボイラと、
前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスと前記ボイラから排出されるボイラ排ガスとを熱交換させる第1熱交換部と、を備えた請求項8から請求項10のいずれかに記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項12】
前記処理容器に供給する前の前記高含水率バイオマスが導入される消化槽と、
前記脱水部において前記高含水率バイオマスから分離された分離水を前記消化槽へ導く第2分離水流路と、
前記消化槽から排出される燃料ガスを含む内燃機関用燃料ガスを燃焼することで駆動する内燃機関と、
前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスと前記内燃機関から排出される内燃機関排ガスとを熱交換させる第2熱交換部と、を備える請求項8から請求項11のいずれかに記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項13】
投入した燃料の燃焼熱で蒸気を生成し、生成した蒸気を前記伝熱管に供給するボイラと、
前記処理容器に供給する前の前記高含水率バイオマスが導入される消化槽と、
前記脱水部において前記高含水率バイオマスから分離された分離水を前記消化槽へ導く第2分離水流路と、
前記消化槽から排出される燃料ガスを含む内燃機関用燃料ガスを燃焼することで駆動する内燃機関と、
前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスと前記ボイラから排出されるボイラ排ガス及び前記内燃機関から排出される内燃機関排ガスとを熱交換させる第3熱交換部と、を備える請求項8から請求項10のいずれかに記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項14】
前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスと前記伝熱管から排出された蒸気とを熱交換させる第4熱交換部を備える請求項8から請求項13のいずれかに記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項15】
前記伝熱管から排出された蒸気と前記脱水部から排出された前記分離水とを熱交換させる第5熱交換部を備えた請求項8から請求項14のいずれかに記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項16】
前記処理容器に供給する前記高含水率バイオマスを貯留する高含水率バイオマスタンクと、
前記伝熱管から排出された蒸気と前記高含水率バイオマスタンク内の前記高含水率バイオマスとを熱交換させる第6熱交換部と、を備えた請求項8から請求項15のいずれかに記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項17】
高含水率バイオマスを加熱することで水熱処理する水熱処理方法であって、
処理容器の鉛直方向上部に空間が形成されるように、前記処理容器の内部に前記高含水率バイオマスを供給する供給工程と、
前記処理容器の内部に設けられ撹拌部によって、所定方向の流れが発生するように該高含水率バイオマスを撹拌する撹拌工程と、
前記処理容器の内部に前記所定方向と交差するように配置された少なくとも1つの伝熱管の内部を流通する蒸気によって、前記高含水率バイオマスを加熱する加熱工程と、を備える水熱処理方法。
【請求項18】
請求項17に記載された水熱処理方法を用いたバイオマス燃料製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水熱処理装置及びバイオマス燃料製造プラント並びに水熱処理方法及びバイオマス燃料製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
国際的な二酸化炭素排出規制によりカーボンニュートラルなバイオマス燃料の利用が注目を集めているが、バイオマス燃料の代表例である木質ペレットは高コストであるため、コストの低減等を含めて、様々なバイオマス燃料の製造手段が検討されている。
バイオマス燃料の製造手段の1つとして、下水汚泥等の高含水率バイオマスからバイオマス燃料を製造する方法がある。しかしながら、含水率の高いバイオマスは、自燃不能であり、前処理として乾燥処理を行わなければ燃焼用の燃料として活用することが難しいという問題がある。また、高含水率バイオマスを燃料化する場合、乾燥のために脱水させる水分が多いため乾燥に必要なエネルギーが大きく、脱水させた水分に含まれる不純物の処理が必要になりコストアップとなる。また、高含水率バイオマスは、水分が生物由来の細胞壁内に拘束されており、乾燥効率が低いという課題がある。
【0003】
バイオマスの乾燥効率を向上させるための方法として、バイオマスに対して、所定の温度及び圧力の蒸気を供給して水熱処理(加水分解処理)を行うことで、バイオマスの細胞壁を破壊して、乾燥効率を向上させる方法が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6190082号公報
【特許文献2】特開2008−100218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の装置では、蒸気と高含水率バイオマスとを直接接触させて水熱処理を行っている。蒸気と高含水率バイオマスを直接接触させる場合、高含水率バイオマスを加熱する際に蒸気が凝縮し、この凝縮水(ドレン)が処理物(水熱処理した高含水率バイオマス)に混ざるので、水熱処理後の処理物に含まれる水分が増加してしまう。バイオマス燃料の製造のためには、水熱処理後の工程で、処理物から水分を分離・除去する必要があるが、水熱処理後の処理物の水分が増加することで、分離・除去に要するエネルギーが増大する可能性がある。
なお、特許文献1及び特許文献2に記載の装置では、水熱処理をバッチ処理するために水熱処理後には温度と圧力を低下して処理物を搬出して、再度に高含水率バイオマスを搬入充填して温度と圧力の上昇を行う必要があり、分離・除去に要するエネルギーが増大するとともに、水熱処理時間以外に必要な前後の処置時間を要するため生産性を向上できないというさらなる課題もある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、水熱処理後の処理物の水分含有量を低減させて、水熱処理後に処理物から水分を分離・除去する際に要するエネルギーを低減することができる水熱処理装置及びバイオマス燃料製造プラント並びに水熱処理方法及びバイオマス燃料製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の水熱処理装置及びバイオマス燃料製造プラント並びに水熱処理方法及びバイオマス燃料製造方法は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る水熱処理装置は、高含水率バイオマスを加熱することで水熱処理する水熱処理装置であって、前記高含水率バイオマスを貯留する処理容器と、前記処理容器の鉛直方向上部に空間が形成されるように、前記処理容器の内部に前記高含水率バイオマスを供給する第1供給部と、前記処理容器の内部に設けられ、所定方向の流れが発生するように該高含水率バイオマスを撹拌する撹拌部と、前記処理容器の内部に前記所定方向と交差するように配置され、内部を流通する蒸気の熱によって前記高含水率バイオマスを加熱する少なくとも1つの伝熱管と、を備える。
【0008】
上記構成では、伝熱管の内部を流通する蒸気と処理容器の内部に貯留された高含水率バイオマスとを熱交換させて高含水率バイオマスを加熱することで、加水分解反応を発生させて、高含水率バイオマスを水熱処理している。水熱処理することで、高含水バイオマスの細胞壁内に拘束されている水分が放出される。水分が放出されると、放出された水分と高含水バイオマスとが混ざり合うことで、処理容器内で高含水バイオマスの流動性が向上する。これにより、撹拌部での撹拌を好適に行うことができる。したがって、処理容器内の高含水率バイオマスを均一に加水分解反応させることができるので、好適に水熱処理を行うことができる。
【0009】
また、上記構成では、伝熱管を介して、蒸気と高含水率バイオマスとの熱交換を行っている。すなわち、高含水率バイオマスと蒸気とを直接的に接触させずに、伝熱管を介して間接的に高含水率バイオマスを加熱することで、高含水率バイオマスの水熱処理を行っている。また、高含水率バイオマスを流動化させるために必要な水分を、高含水率バイオマスに含まれる水分を有効に活用して賄っている。このように、水熱処理のために高含水率バイオマスに対して蒸気等の水分を供与する量を低減できる。直接的に蒸気を接触させる方法と比較して、高含水率バイオマスに対して水熱処理を行った処理物(以下、単に「処理物」という。)の水分含有量を低減することができる。したがって、水熱処理後に、処理物から水分を分離・除去する場合には、水分の分離・除去に要するエネルギーを低減することができる。
【0010】
また伝熱管を介して間接的に高含水率バイオマスを加熱することで、伝熱管内を流通する蒸気へ高含水率バイオマスの不純物が混入しない。これにより、伝熱管内を流通する蒸気やドレン化した温水を、別の熱交換器での乾燥工程に使用することができ、温度が低下した分を再度加熱して伝熱管へ再度供給することで間接的に高含水率バイオマスを加熱することができるので、エネルギー損失を低減できる。
【0011】
また、処理容器内の鉛直方向上部に空間が形成されるので、処理容器内に所望の加圧空間を形成することができる。したがって、処理容器内で、安定的に水熱処理を行うことができる。また、処理容器の鉛直方向上部に形成された空間により、新規に投入される高含水率バイオマスと処理容器内に貯留する高含水率バイオマスの混合が効率よく行われる。これにより、加水分解反応を促進させ、好適に水熱処理を行うことができる。
また、撹拌部により、該高含水率バイオマスに所定方向の流れが発生するように撹拌されて、伝熱管が高含水率バイオマスの所定方向の流れに交差するように配置されているので、より多くの高含水率バイオマスを伝熱管と効率よく接触させて、加熱することができる。これにより、加水分解反応を促進させ、好適に水熱処理を行うことができる。したがって、水熱処理時間を短縮化することができる。
【0012】
また、本発明の一態様に係る水熱処理装置は、前記撹拌部は、水平面に対して傾斜するように配置される羽根部を備え、前記羽根部は、鉛直上下方向に延在する軸方向を中心として回転し、前記羽根部の径方向の先端は、前記処理容器の内周面に近接するように配置され、前記伝熱管は、水平方向に延在していてもよい。
【0013】
羽根部が鉛直上下方向に延在する軸方向を中心として回転すると、処理容器内に貯留する高含水率バイオマスが羽根部によって押圧される。羽根部は水平面に対して傾斜しているので、押圧された高含水率バイオマスには、鉛直上方または鉛直下方に移動する力が作用して処理容器内で移動することで、高含水率バイオマスが好適に撹拌される。
上記構成では、伝熱管を水平方向に延在するように配置している。したがって、鉛直上下方向に循環する高含水率バイオマスの対向流に対して、確実に、交差するように伝熱管を配置することができる。したがって、確実に、多くの高含水率バイオマスを伝熱管と接触させ、加熱することができる。したがって、処理容器内の高含水率バイオマスを均一に加水分解反応させることができるので、好適に水熱処理を行うことができる。
また、羽根部は、径方向の先端が、処理容器の内周面に近接するように配置されることで、処理容器の内周面に汚泥が付着して固化することを抑制することができる。
【0014】
また、上記構成では、羽根部が上下方向軸を中心として回転しているので、羽根部の軌跡領域は、水平方向に延びるように形成される。一方、伝熱管は水平方向に延在している。これにより、羽根部の軌跡領域と伝熱管とが重なり難くなるので、羽根部と伝熱管とが干渉し難くすることができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係る水熱処理装置は、前記撹拌部は、鉛直上下方向に延在する軸方向を中心として回転する複数の羽根部を備え、複数の前記羽根部は、回転の中心となる前記軸方向から、径方向に所定距離離間した位置に、前記軸方向の周方向に沿って等間隔に配置されるとともに、各々、水平面に対して回転方向に向かって所定の角度で傾斜するように配置されていて、前記伝熱管は、水平方向に延在していて、前記所定方向の流れは、鉛直上方向および鉛直下方向を含む対向流であってもよい。
【0016】
水平面に対して所定の角度で傾斜するように配置された複数の羽根部が、鉛直上下方向軸を中心として回転すると、鉛直上方及び鉛直下方の両方に移動する高含水率バイオマスの流れが発生する。この流れは、貯留する高含水率バイオマスの界面(上端面)または処理容器の底面近傍で、略U字状に折り返し、それまでの移動方向と反対方向に移動する。このようにして、処理容器内では、鉛直上下方向に循環する高含水率バイオマスの対向流が発生することで、高含水率バイオマスが好適に撹拌される。また、伝熱管を水平方向に延在するように配置している。したがって、鉛直上下方向に循環する高含水率バイオマスの対向流に対して、確実に、交差するように伝熱管を配置することができる。したがって、確実に、多くの高含水率バイオマスを伝熱管と接触させ、加熱することができる。したがって、処理容器内の高含水率バイオマスを均一に加水分解反応させることができるので、好適に水熱処理を行うことができる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る水熱処理装置は、前記処理容器内の貯留物の少なくとも一部が所定の含水率を維持するように水または蒸気を前記処理容器に供給する第2供給部を備えていてもよい。
【0018】
高含水率バイオマスを伝熱管との接触で加熱することで水分が蒸発して、処理容器内の貯留物の含水率が低下すると、処理容器内の貯留物の流動性が低くなる可能性があるが、上記構成では、処理容器内の高含水率バイオマスを貯留した貯留物の少なくとも一部が所定の含水率を維持するように水または蒸気を処理容器に供給している。これにより、貯留物の流動性の低減を抑制することができる。したがって、常に、流動性を維持し、好適な撹拌を行うことができるので、均一な加水分解反応を起こして好適に水熱処理を行うことができる。また、流動性を維持しているので、水熱処理が進んだ貯留物を容易に処理容器から排出することができる。
【0019】
また、本発明の一態様に係る水熱処理装置は、前記処理容器は、側面と底面をなす本体部及び鉛直上面をなす天井部を有する外殻と、前記伝熱管の少なくとも1つを前記本体部に対して固定する固定部と、を備え、前記天井部は、前記本体部に取外し可能に固定され、前記固定部は、前記本体部に取外し可能に固定されていてもよい。
【0020】
上記構成では、天井部を開放することや、伝熱管を固定する固定部を処理容器の本体部から取り外すことができる。このように、固定部を本体部から取り外すことで、伝熱管にアクセスすることができる。したがって、処理容器の内部および伝熱管のメンテナンスや修理等を容易に行うことができる。
【0021】
また、本発明の一態様に係る水熱処理装置は、前記処理容器に前記高含水率バイオマスを供給する供給チャンバーと、前記処理容器内に貯留された貯留物が排出される排出チャンバーと、前記供給チャンバーと前記処理容器とが連通した状態と、前記供給チャンバーと前記処理容器とが隔絶された状態と、を切替える第1切替え手段と、前記排出チャンバーと前記処理容器とが連通した状態と、前記排出チャンバーと前記処理容器とが隔絶された状態と、を切替える第2切替え手段と、を備え、前記処理容器内の温度及び圧力を所定の温度及び圧力に保った状態で、前記供給チャンバーから前記処理容器への前記高含水率バイオマスの供給及び、前記処理容器から前記排出チャンバーへの前記貯留物の排出を行ってもよい。
【0022】
上記構成では、処理容器内の温度及び圧力を所定の温度及び圧力に保った状態で、前記供給チャンバーから前記処理容器への前記高含水率バイオマスの供給及び、前記処理容器から前記排出チャンバーへの前記貯留物の排出を行っている。このように構成することで、高含水率バイオマスの水熱処理の、いわゆる連続処理が可能となる。これにより、処理容器内を降温させずに処理物(高含水率バイオマスの水熱処理を行ったもの)を連続して搬出が可能となる。水熱処理後には温度と圧力を低下して処理物を搬出して、再度に高含水率バイオマスを搬入充填して温度と圧力の上昇を行う必要がなく、水熱処理以外の前後の処理に要する水熱処理装置の処理容器および処理物の降温によるエネルギーロスを抑制するとともに、水熱処理時間以外に必要な前後の処置時間を要する時間を抑制して生産性を向上できる。
【0023】
また、本発明の一態様に係る水熱処理装置は、前記処理容器内で水熱処理時に、前記処理容器内の前記高含水率バイオマスの位置による温度差が、所定の温度差の範囲内となるように、前記撹拌部の回転速度を調整する制御部を備えてもよい。
【0024】
上記構成では、制御部によって、処理容器内の高含水率バイオマスの位置による温度差が所定の温度差以内になるように撹拌部の回転数を調整することができる。これにより、加水分解反応を促進させ、好適に水熱処理を行うことができる。したがって、水熱処理時間を短縮することができる。
【0025】
本発明の一態様に係るバイオマス燃料製造プラントは、上記のいずれかに記載の水熱処理装置を備えたバイオマス燃料製造プラントであって、前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスを脱水する脱水部と、前記脱水部において前記高含水率バイオマスから分離された分離水を前記処理容器へ導く第1分離水流路と、前記処理容器内で発生した蒸気を、該処理容器の外部に排出する蒸気排出部と、前記蒸気排出部から排出された蒸気から不純物を分離する分離処理部と、を備えている。
【0026】
処理容器内で発生する蒸気には、高含水率バイオマスが含有していた揮発成分(CH、ベンゼン、H化合物等)や不純物が含まれている。このため、処理容器から排出される蒸気に対して、分離処理部で揮発成分や不純物を分離する処理を行っている。
脱水部で分離された分離水にも、高含水率バイオマスに含有していた揮発成分や不純物が含まれているので、揮発成分や不純物を分離する処理を行う必要がある。上記構成では、脱水部で分離された分離水を処理容器へ導いている。このため、分離水は処理容器内で蒸発し、蒸気となって蒸気排出部から排出され、分離処理部で処理される。このように、分離水及び処理容器内で発生した蒸気を、一つの分離処理部で処理しているので、夫々に分離処理部を設ける構成と比較して、バイオマス燃料製造プラントの構造を簡素化することができる。したがって、省スペース化を図れるとともに、設置コストを低減することができる。
【0027】
また、本発明の一態様に係るバイオマス燃料製造プラントは、前記第1分離水流路が分岐した複数の分岐配管を備え、複数の前記分岐配管は、前記処理容器の鉛直上下方向の異なる位置へ連通していてもよい。
【0028】
上記構成では、分岐配管は、前記処理容器の鉛直上下方向の異なる位置へ連通しているので、分離水を、処理容器内に貯留されている貯留物のパージに利用することができる。
したがって、例えば、処理容器内に貯留されている貯留物の上面付近に、分岐配管を接続した場合には、上面付近に配置されている伝熱管に対して分離水を噴出させて高含水率バイオマスをパージすることができるので、上面付近に配置されている伝熱管に高含水率バイオマスの固着を抑制することができる。
また、例えば、処理容器の取出し口近傍に、分岐配管を接続した場合には、貯留物が詰まる可能性がある取出し口に対して分離水を噴射させて、貯留物をパージすることで、取出し口の閉塞を抑制することができる。
【0029】
また、本発明の一態様に係るバイオマス燃料製造プラントは、前記脱水部で分離された分離水のうち、所定の割合の分離水を外部へ排出するブロー配管を備えていてもよい。
【0030】
分離水中に含まれる不純物成分である、例えば、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、リン(P)等が処理容器に供給・蓄積されて不純物成分の濃度が高くならないことが好ましい。上記構成では、分離水を処理容器へ導いているため、プラントの運転を継続するにつれて、不純物が蓄積されて不純物の濃度が高くなる可能性があるが、ブロー配管によって、分離水のうち所定の割合の分離水を外部へ排出しているので、不純物の濃度が高くなる事態を抑制することができる。これにより、不純物の結晶化することを抑制することができる。したがって、処理容器内で不純物の結晶化による貯留物の粘性上昇を抑制し、処理容器内の撹拌による加水分解反応促進や、処理容器からの処理物の排出をスムーズにすることができる。
【0031】
また、本発明の一態様に係るバイオマス燃料製造プラントは、投入した燃料の燃焼熱で蒸気を生成し、生成した蒸気を前記伝熱管に供給するボイラと、前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスと前記ボイラから排出されるボイラ排ガスとを熱交換させる第1熱交換部と、を備えていてもよい。
【0032】
上記構成では、水熱処理装置で利用する蒸気を生成するボイラのボイラ排ガスと、水熱処理された処理物とを熱交換させることで、高含水率バイオマスに水熱処理を行った処理物を排ガスで加熱している。このように、ボイラ排ガスの熱を有効に利用して、水熱処理された処理物を乾燥させることができるので、ボイラ排ガスの熱を利用しない構成と比較して、バイオマス燃料製造プラント全体のエネルギー効率向上させることができる。
【0033】
また、本発明の一態様に係るバイオマス燃料製造プラントは、前記処理容器に供給する前の前記高含水率バイオマスが導入される消化槽と、前記脱水部において前記高含水率バイオマスから分離された分離水を前記消化槽へ導く第2分離水流路と、前記消化槽から排出される燃料ガスを含む内燃機関用燃料ガスを燃焼することで駆動する内燃機関と、前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスと前記内燃機関から排出される内燃機関排ガスとを熱交換させる第2熱交換部と、を備えていてもよい。
【0034】
上記構成では、消化槽で処理容器に供給する前の高含水率バイオマスから燃料ガスを取り出し、取り出した燃料ガス含む内燃機関用燃料ガスで内燃機関を駆動している。また、内燃機関の排ガスと、高含水率バイオマスが水熱処理された処理物とを熱交換させることで、処理物を内燃機関排ガスで加熱している。このように、内燃機関の排ガスの熱を有効に利用して、水熱処理された処理物の乾燥させることができるので、内燃機関の排ガスの熱を利用しない構成と比較して、バイオマス燃料製造プラント全体のエネルギー効率向上させることができる。
また、分離水を消化槽へ導くことで、消化槽で必要な熱を付与している。このように、脱水部から分離された分離水の保有熱を有効に利用しているので、分離水の熱を利用しない構成と比較して、バイオマス燃料製造プラント全体のエネルギー効率向上させることができる。
【0035】
また、本発明の一態様に係るバイオマス燃料製造プラントは、投入した燃料の燃焼熱で蒸気を生成し、生成した蒸気を前記伝熱管に供給するボイラと、前記処理容器に供給する前の前記高含水率バイオマスが導入される消化槽と、前記脱水部において前記高含水率バイオマスから分離された分離水を前記消化槽へ導く第2分離水流路と、前記消化槽から排出される燃料ガスを含む内燃機関用燃料ガスを燃焼することで駆動する内燃機関と、前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスと前記ボイラから排出されるボイラ排ガス及び前記内燃機関から排出される内燃機関排ガスとを熱交換させる第3熱交換部と、を備えていてもよい。
【0036】
上記構成では、ボイラ排ガスと内燃機関排ガスと水熱処理された高含水率バイオマスとの熱交換を、1つの熱交換部で行っている。したがって、ボイラ排ガスと高含水率バイオマスとを熱交換部と、内燃機関排ガスと高含水率バイオマスとを熱交換器する熱交換部とを、別々に設ける場合と比較して、省スペース化及び設置コストの低減を図ることができる。
【0037】
また、本発明の一態様に係るバイオマス燃料製造プラントは、前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスと前記伝熱管から排出された蒸気とを熱交換させる第4熱交換部を備えてもよい。
【0038】
上記構成では、伝熱管から排出された蒸気の熱によって、処理物を加熱することができる。このように、伝熱管から排出された蒸気の保有熱を有効に利用しているので、伝熱管から排出された蒸気の熱を利用しない構成と比較して、バイオマス燃料製造プラント全体のエネルギー効率向上させることができる。
【0039】
また、本発明の一態様に係るバイオマス燃料製造プラントは、前記伝熱管から排出された蒸気と前記脱水部から排出された前記分離水とを熱交換させる第5熱交換部を備えていてもよい。
【0040】
上記構成では、伝熱管から排出された蒸気の熱によって、分離水を加熱することができる。このように、伝熱管から排出された蒸気の保有熱を有効に利用しているので、伝熱管から排出された蒸気の熱を利用しない構成と比較して、バイオマス燃料製造プラント全体のエネルギー効率向上させることができる。
【0041】
また、本発明の一態様に係るバイオマス燃料製造プラントは、前記処理容器に供給する前記高含水率バイオマスを貯留する高含水率バイオマスタンクと、前記伝熱管から排出された蒸気と前記高含水率バイオマスタンク内の前記高含水率バイオマスとを熱交換させる第6熱交換部と、を備えていてもよい。
【0042】
上記構成では、伝熱管から排出された蒸気の熱によって、処理容器に供給する高含水率バイオマスを加熱することができる。このように、伝熱管から排出された蒸気の保有熱を有効に利用しているので、伝熱管から排出された蒸気の熱を利用しない構成と比較して、バイオマス燃料製造プラント全体のエネルギー効率向上させることができる。
【0043】
本発明の一態様に係る水熱処理方法は、高含水率バイオマスを加熱することで水熱処理する水熱処理方法であって、処理容器の鉛直方向上部に空間が形成されるように、前記処理容器の内部に前記高含水率バイオマスを供給する供給工程と、前記処理容器の内部に設けられ撹拌部によって、所定方向の流れが発生するように該高含水率バイオマスを撹拌する撹拌工程と、前記処理容器の内部に前記所定方向と交差するように配置された少なくとも1つの伝熱管の内部を流通する蒸気によって、前記高含水率バイオマスを加熱する加熱工程と、を備えている。
【0044】
本発明の一態様に係るバイオマス燃料製造方法は、上記の水熱処理方法を用いてバイオマス燃料を製造する。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、水熱処理後の処理物の水分含有量を低減させて、水熱処理後に処理物から水分を分離・除去する際に要するエネルギーを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の第1実施形態に係るバイオマス燃料製造プラントの概略構成図である。
図2図1の水熱処理装置の模式的な断面及び水熱処理装置と他の装置との接続の概略を示す模式的な図である。
図3図2の撹拌機を示す模式的な正面図である。
図4図2の処理容器内の貯留物の流れを示す図である。
図5図2の処理容器の横端面を示す模式的な図である。
図6】バルブの開閉状態と供給チャンバーの充填量及び圧力と処理容器の貯留量とを示すタイムチャートである。
図7図2の変形例を示す模式的な図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るバイオマス燃料製造プラントの概略構成図である。
図9図8の変形例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下に、本発明に係る水熱処理装置及びバイオマス燃料製造プラント並びに水熱処理方法及びバイオマス燃料製造方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明で、上方や上方向などの上および同様に下は、鉛直方向での上や下を示すものとする。
【0048】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図5を用いて説明する。
本実施形態に係るバイオマス燃料製造プラント1は、図1に示すように、蒸気を生成するボイラ2と、ボイラ2からの蒸気の熱を用いて、例えば、汚泥(高含水率バイオマス)を水熱処理する水熱処理装置3と、水熱処理装置3で水熱処理された汚泥(以下、「処理物」という。)を脱水する脱水機(脱水部)4と、脱水機4で脱水された処理物を乾燥させる第1乾燥機(第4熱交換部)5及び第2乾燥機(第1熱交換部)6と、第1乾燥機5及び第2乾燥機6で乾燥された処理物をバイオマス燃料に成型する成型機7と、を備えている。また、バイオマス燃料製造プラント1は、下水処理設備8からの汚泥を、水熱処理装置3に導入する前に、脱水する汚泥脱水機9と、汚泥脱水機9で脱水した汚泥を一時的に貯留する汚泥貯留タンク(高含水率バイオマスタンク)17と、を備えている。汚泥脱水機9で分離された分離水は、処理場において、分離水に含まれた不純物や揮発成分(CH、ベンゼン、H化合物等)が、分離・除去される。
なお、以下の説明では、バイオマス燃料の原料の一例として、下水処理設備8から供給された下水汚泥を用いる例について説明するが、バイオマス燃料製造プラント1で処理される原料は下水汚泥に限定されない。高含水率バイオマス(湿潤燃料)であればよい。
【0049】
ボイラ2は、燃料供給配管10から供給された燃料と空気(図示省略)を供給することで火炉(図示省略)及び火炉内で火炎を形成するバーナ(図示省略)を備えていて、燃料がバーナによって燃焼した燃焼熱によって、給水を加熱し、蒸気を生成している。
ボイラ2には、蒸気供給配管11が接続されている。ボイラ2で生成された蒸気は、蒸気供給配管11を介して、水熱処理装置3の伝熱管24へ供給される。蒸気供給配管11のボイラ2の出口側もしくは伝熱管24の入口側などには、内部を流れる蒸気の温度を計測する温度計12が設けられている(図2参照)。温度計12が計測する蒸気の温度が所定の値より低い場合には、バーナに供給する燃料を増加させて、蒸気の温度を上昇させる。
また、ボイラ2には、ボイラ排ガス配管13が接続されている。ボイラ2から排出されたボイラ排ガスは、ボイラ排ガス配管13を介して、第2乾燥機6へ供給される。ボイラ2から排出されるボイラ排ガスは、例えば、300℃〜400℃程度となっている。
【0050】
第2乾燥機6で処理物の乾燥の熱源とされたボイラ排ガスは、第2乾燥機6から排出される。第2乾燥機6から排出されたボイラ排ガスは、脱臭機14で脱臭された後に、脱塵機15で塵等の不純物を除去され、その後に煙突16から大気に放出される。
【0051】
水熱処理装置3は、図2に示すように、内部で水熱処理を行う処理容器21と、下水処理設備8からの汚泥を処理容器21に導入する汚泥供給部(第1供給部)22と、処理容器21の内部に配置されて処理容器21の内部に貯留されている汚泥を撹拌する撹拌機(撹拌部)23と、処理容器21の内部に配置されて内部を蒸気が流通する少なくとも1つの伝熱管24と、処理容器21から処理物を排出する処理物排出部25と、を備えている。
【0052】
汚泥等の高含水率バイオマスは、水分が生物由来の細胞壁内に拘束されているものがあり、この拘束されている水分が蒸発し難いことから、乾燥効率が低くなっている。水熱処理装置3では、ボイラ2で生成された蒸気の熱を用いた加水分解反応によって、高含水率バイオマスの細胞壁を破壊することで細胞内に拘束されていた水分を放出させている。すなわち、水熱処理装置3では、汚泥を水熱処理している。なお、水熱処理は、高含水率バイオマスに対して、圧力が所定の圧力(0.5Mpaから3Mpa)の状況下において、温度を所定の温度(150度から230度)となるように昇圧及び昇温することで、好適に行われる。
【0053】
処理容器21は、本実施形態では、例えば、鉛直上下方向を軸とする略円筒型状の圧力容器であって、底面となる下端部が半球状に湾曲している。処理容器21は、外殻の側面と底面である下端部を為す本体部21bと天井部21aを備えている。処理容器21の天井部21aは、平面状に形成されて本体部21bから取り外すことが可能に固定されており、この天井部21aには、後述する第1蒸気排出配管26や、第3汚泥配管35が接続されている。湾曲した下端部には、処理容器21内の貯留物を外部に排出する取出し口(図示省略)が形成され処理物排出部25へ接続している。また、処理容器21は、外殻を為す本体部21bと、伝熱管24を本体部21bに対して固定する管台(固定部)21cとを備えている(図5参照)。管台21cは、本体部21bに固定されているが、管台21cと本体部21bとは別体で構成されていて、本体部21bから取り外すことが可能となっている。
【0054】
処理容器21の内部には、汚泥が貯留されている。詳細には、処理容器21内の空間の鉛直上下方向で中部領域から下部領域には、含水率が約70%〜90%(さらに好適には80%〜85%)の汚泥を貯留されるが、上部領域には汚泥を貯留しない空間Sが形成されている。処理容器21内は、汚泥に対して好適に水熱処理を行うことができる圧力(0.5Mpaから3Mpa程度)に保たれている。また、処理容器21には、処理容器21内の圧力を計測する圧力計27が設けられていて、その計測値は制御部18へと送信される。
【0055】
制御部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
【0056】
処理容器21の天井部21aには、処理容器21の外部へ蒸気を排出する第1蒸気排出配管(蒸気排出部)26が接続されている。第1蒸気排出配管26には、内部を流通する蒸気の流量を調整する流量調整弁26aが設けられている。流量調整弁26aは制御部18により、圧力計27が測定する処理容器21内の圧力が、所定の圧力となる閾値(例えば、水熱処理を行う所定の圧力(0.5Mpaから3Mpa))以上になると、流量調整弁26aを開状態とし、処理容器21内の余剰蒸気を外部に排出することで、処理容器21内の圧力を所定の閾値以下として水熱処理を行う圧力の状態を維持する。
第1蒸気排出配管26には、流量調整弁26aよりも下流側に復水器28が設けられていて、復水器28において、処理容器21から排出された蒸気を凝縮している。凝縮された凝縮水は、処理場(分離処理部)29において、凝縮水に含まれた不純物や揮発成分(CH、ベンゼン、H化合物等)が、分離・除去される。なお、凝縮水が導入される処理場29は、汚泥脱水機9から分離された分離水が導入される処理場と同じ施設であってもよく、また、別の施設であってもよい。
【0057】
汚泥供給部22は、汚泥を一時的に貯留する供給チャンバー31と、処理容器21内に供給する汚泥の量を調整するフィーダ32と、供給チャンバー31に汚泥を供給する第1汚泥配管33と、供給チャンバー31から排出された汚泥をフィーダ32に供給する第2汚泥配管34と、フィーダ32からの汚泥を処理容器21内に導入する第3汚泥配管35と、を備えている。
【0058】
第1汚泥配管33は、内部を汚泥が流通し、下流端部が供給チャンバー31に接続されている。第1汚泥配管33には、第1供給側バルブ22aが設けられている。第1供給側バルブ22aは、例えばボール弁であって、開状態の場合には汚泥が通過可能であるとともに、閉状態の場合には供給チャンバー31内の圧力を昇圧可能なようにシール性能が高い弁となっている。
【0059】
供給チャンバー31は、内部の圧力を調整可能な圧力容器であって、第1汚泥配管33から汚泥が供給される。供給チャンバー31内の昇圧は圧縮空気など加圧気体(図示省略)を供給することで行う。供給チャンバー31には、リーク流路31aが接続されている。リーク流路31aには、リーク弁31bが設けられていて、リーク弁31bを開状態とすることで、供給チャンバー31内を減圧することができる。
【0060】
第2汚泥配管34は、供給チャンバー31とフィーダ32とを接続している。すなわち、供給チャンバー31から排出された汚泥は、第2汚泥配管34を介してフィーダ32に供給される。第2汚泥配管34には、上流側から順番に第2供給側バルブ(第1切替え手段)22b及び第3供給側バルブ(第1切替え手段)22cが設けられている。第2供給側バルブ22b及び第3供給側バルブ22cは、例えばボール弁であって、開状態の場合には汚泥が通過可能であるとともに、閉状態の場合には供給チャンバー31内の圧力を昇圧可能なようにシール性能が高い弁となっている。すなわち、第2供給側バルブ22b及び第3供給側バルブ22cは、供給チャンバー31と処理容器21とが連通した状態と、供給チャンバー31と処理容器21とが隔絶された状態と、を切替えることができる。なお、第3供給側バルブ22cは、第2供給側バルブ22bの予備として設けられていて第2供給側バルブ22bの故障による水熱処理装置3全体の停止を防止する。
【0061】
フィーダ32は、処理容器21に供給する汚泥の量を調整可能に構成されている。また、フィーダ32には、第3汚泥配管35が接続されており、第3汚泥配管35を介して、所定量の汚泥を処理容器21に導入する。
なお、第1供給側バルブ22a、リーク弁31b、第2供給側バルブ22b、第3供給側バルブ22c、及びフィーダ32の動作は、制御部18により制御される。
【0062】
撹拌機23は、鉛直上下方向に延在する軸方向を中心とするように延在する回転軸41と、回転軸41から水平方向に延びる複数の棒部42と、各棒部42の先端部に設けられた羽根部43と、を備えている。
【0063】
回転軸41は、処理容器21の上下方向の略全域に亘って、円筒状の処理容器21の中心軸と一致するように延在していて、上面視で反時計回りに回転する。回転軸41の上部は、処理容器21の天井部21aを貫通している。すなわち、回転軸41の上端部は、処理容器21の外部に配置されている。回転軸41の上端部は、モータなど回転駆動機器(図示省略)に接続されていて、回転軸41は、このモータなど回転駆動機器の駆動力によって所定の回転数で回転する。回転駆動機器の動作は、制御部18により行われる。回転駆動機器には回転数に対する回転負荷(電流値など)を計測できるようになっていてもよい。回転軸41が天井部21aを貫通する部分には、シール構造44となっており、貫通部分から処理容器21内の気体が漏出しない構造となっている。シール構造44としては、例えば、弾力性樹脂製のリップシールや、ラビリンスシールを設けてラビリンスシールの外部開口から加圧気体を導入する構造等が挙げられる。
【0064】
棒部42は、回転軸41から水平方向に所定距離延びる棒状の部材である。本実施形態では、棒部42は、回転軸41の延在方向における複数の箇所(本実施形態では、一例として3箇所)に固定されているとともに、図3に示すように、棒部42の固定箇所には、回転軸41の外周面の周方向に沿って180度間隔で、所定の径方向の距離(例えば、回転軸41から処理容器21の内周面までの距離の30%から80%)で同一の長さの2本の棒部42が設けられている。すなわち、本実施形態では、回転軸41の延在方向の3箇所に、各々、2本ずつ棒部42が設けられているので、全部で6本の棒部42が形成されている。
【0065】
図2及び図3に示すように、すべての棒部42の径方向の先端には、板状の羽根部43が設けられている。板状の羽根部43は、面部が回転方向に向かい所定の角度(例えば5度〜40度)で水平面に対して傾斜するように設けられている。本実施形態では、より詳細には、羽根部43の進行方向(すなわち回転軸41の回転方向)における前部が、後部よりも上方に位置するように傾斜して水平面に対して所定の角度を形成している。また、羽根部43は、径方向の先端(すなわち、棒部42に固定されている端部の反対側の端部)が、処理容器21の内周面に接触しない程度に近接するように配置される。
【0066】
ここで、処理容器21内における貯留物の流れについて、図4を用いて説明する。羽根部43が、回転軸41を中心として回転すると、羽根部43が処理容器21内に貯留している貯留物を押圧する。より詳細には、処理容器21内に貯留している貯留物のうち、処理容器21内における回転軸41から径方向で外側領域の貯留物を押圧する。羽根部43は、進行方向における前部が、後部よりも上方に位置するように傾斜しているので、押圧された貯留物には、下方に移動する力が作用する。したがって、図4に示すように、羽根部43に押圧された貯留物は、処理容器21の内周面に沿って下方(図3の矢印も参照)に移動する。下方に移動した貯留物は、処理容器21の底面近傍で、略U字状に折り返し、中心軸に沿って上方へ移動する。このようにして、処理容器21内で、上下方向に循環する貯留物の対向流が発生する。また、対向流は、回転軸41を基準として、略対称となるように、処理容器21内の全領域において形成されている。この対向流により処理容器21内に貯留している貯留物が効率的に撹拌される。
なお、処理容器21内に発生させる貯留物の流れは、別の流れであってもよい。例えば、回転軸41に沿って下方へ移動するとともに、処理容器21の内周面に沿って上方に移動する対向流を発生させてもよい。このような対向流を発生させるには、羽根部43を、回転の進行方向における前部が、後部よりも下方に位置するように傾斜させる、もしくは回転軸41の回転方向を逆にすればよい。
【0067】
図3に示すように、羽根部43の先端には、弾力性緩衝体45(例えば、ブラシ等)が設けられている。羽根部43は、径方向の先端が、処理容器21の内周面に接触しない程度に近接するように配置されることで、処理容器21の内周面に汚泥が付着して固化することを抑制する。また、弾力性緩衝体45は、処理容器21の内周面と、近接または接触するように配置されている。弾力性緩衝体45を設けることで、処理容器21の内周面に汚泥が付着して固化することをより一層に防止することができる。
【0068】
なお、棒部42及び羽根部43の数は、上記説明の数に限定されない。上記説明では、回転軸41の延在方向における3箇所に棒部42を固定する箇所を設けている構成について説明したが、棒部42を設ける固定箇所は、単数であってもよいし、3箇所以外の複数箇所であってもよい。なお、図1では、5箇所に棒部42及び羽根部43を設ける例を図示している。
また、固定箇所に固定する棒部42の数も上記説明の数に限定されない。上記説明では、180度間隔で2本の棒部42を設ける例について説明したが、設ける棒部42の数は、例えば単数の棒部42を設けてもよいし、3本以上の複数の棒部42をもうけてもよい。なお、複数設ける場合には、撹拌能力を向上させるために、回転軸41の外周面の周方向に沿って等間隔に設けることが望ましい。すなわち、例えば、1つの固定箇所に4本の棒部42を設ける場合には、上面視で棒部42が十字状になるように配置することが望ましい。
【0069】
伝熱管24は、蒸気供給配管11と接続されていて、蒸気供給配管11を介して、ボイラ2で生成された蒸気が供給される。伝熱管24のうち少なくとも1つは、図5に示すように、管台21cに固定されていて、管台21cを介して処理容器21の本体部21bに取外し可能に固定されている。また、伝熱面積を多くするために例えば渦巻きコイル状に形成した伝熱管24を用いる際には、管台21cを介して処理容器21の本体部21bに取外し可能に固定は難しくなるので、処理容器21内の底面付近に設けてもよい。
本実施形態では、伝熱管24は、図2に示すように、水平方向に延在する複数(本実施形態では、一例として、4つ)の水平伝熱管51と、複数の水平伝熱管51同士を直列に連結する鉛直方向に延在する鉛直伝熱管52とを備えており、1本の連続した配管として蒸気供給ができるよう構成されている。
また、複数の水平伝熱管51は、複数の水平伝熱管51同士を並列に連結して蒸気の供給と回収が可能な伝熱管ヘッダとを備えることで、複数の水平伝熱管51と伝熱管ヘッダ(図示省略)との間には調整弁(図示省略)を設けて、複数の水平伝熱管51の間の蒸気供給バランスを調整可能になるよう構成されてもよい。
上述したように、処理容器21内では、上下方向に循環する貯留物の対向流が発生しているので、水平伝熱管51は、この流れに交差するように配置されている。
【0070】
複数の水平伝熱管51は、上下方向に所定の間隔をあけて層状に並んで配置されている。詳細には、複数の水平伝熱管51は、水平伝熱管51と撹拌機23の羽根部43とが上下方向に交互に並ぶように配置されている。
複数の水平伝熱管51は、図5に示すように、各々、管台21cから回転軸41を挟んで反対側に延びるとともに、複数回折り返した形状に形成されている。換言すれば、水平伝熱管51は、上面視でW字状に形成されている。また、水平伝熱管51は、撹拌機23と干渉しない位置に配置され、撹拌機23が回転軸41を中心として回転した場合でも水平伝熱管51と撹拌機23が物理的に接触しない位置に配置されている。
なお、複数の水平伝熱管51のうち、最下段に配置される水平伝熱管51は、処理容器21の底面付近のために、羽根部43に挟まれていないので、撹拌機23と干渉し難いことから、渦巻きコイル状に形成してもよい。このようにすることで、伝熱面積が増大するので、伝熱管24の伝熱効率を向上させることができる。
【0071】
鉛直伝熱管52は、隣接する水平伝熱管51同士を連結している。鉛直伝熱管52は、処理容器21の外側で管台21cに固定されている水平伝熱管51と接続してもよい。また、羽根部43の先端と処理容器21の内周面との間に形成された隙間に、撹拌機23と干渉しないように配置されていてもよい。
【0072】
図1及び図2に示すように、伝熱管24の下流端は、第2蒸気排出配管53に接続されている。第2蒸気排出配管53は、第1乾燥機5内に配置された第1熱交換器5aに接続しており、伝熱管24から排出された蒸気および一部がドレン化した温水を第1乾燥機5へ導いている。第1乾燥機5に設けられた第1熱交換器5aは、伝熱管24から排出された蒸気およびドレン化した温水と、処理容器21から搬出した処理物との熱交換を行い、処理物を加熱するとともに、蒸気およびドレン化した温水を冷却する。このとき、冷却された蒸気の大部分は、凝縮し、温水は温度が低下し凝縮水と混合される。凝縮された凝縮水は、第1乾燥機5とボイラ2とを接続する給水供給配管54を介して、給水としてボイラ2に供給される。処理容器21においても第1乾燥機5においても間接熱交換が行われることで、給水には不純物や揮発成分(CH4、ベンゼン、HmSn化合物等)が混入されない。給水供給配管54には、内部を流れる給水(凝縮水)の流量を計測する流量計55(図2参照)が設けられている。また、給水供給配管54の途中位置には、給水タンク56に接続された配管57が合流している。流量計55が計測した流量が所定の量よりも少ない場合には、給水タンク56から給水を追加する。
【0073】
処理物排出部25は、処理物を一時的に貯留する排出チャンバー61と、脱水機4に供給する処理物を貯留する処理物タンク62と、処理容器21から排出された処理物を排出チャンバー61に供給する第1処理物配管63と、排出チャンバー61から排出された処理物を処理物タンク62に供給する第2処理物配管64と、処理物タンク62からの処理物を脱水機4に導入する第3処理物配管65と、を備えている。
【0074】
第1処理物配管63は、内部を処理物が流通し、上流端部が処理容器21の取出し口に接続され、下流端部が排出チャンバー61に接続されている。第1処理物配管63には、上流側から順番に第1排出側バルブ(第2切替え手段)25a及び第2排出側バルブ(第2切替え手段)25bが設けられている。第1排出側バルブ25a及び第2排出側バルブ25bは、例えばボール弁であって、開状態の場合には汚泥が通過可能であるとともに、閉状態の場合には排出チャンバー61内の圧力を昇圧可能なようにシール性能が高い弁となっている。すなわち、第1排出側バルブ25a及び第2排出側バルブ25bは、排出チャンバー61と処理容器21とが連通した状態と、供給チャンバー31と処理容器21とが隔絶された状態と、を切替えることができる。なお、第2排出側バルブ25bは、第1排出側バルブ25aの予備として設けられていて第1排出側バルブ25aの故障による水熱処理装置3全体の停止を防止する。
【0075】
排出チャンバー61は、内部の圧力を調整可能な圧力容器であって、処理容器21から第1処理物配管63を介して処理物が供給される。排出チャンバー61には、リーク流路61aが接続されている。リーク流路61aには、リーク弁61bが設けられていて、リーク弁61bを開状態とすることで、排出チャンバー61内を減圧することができる。
【0076】
第2処理物配管64は、排出チャンバー61と処理物タンク62とを接続している。第2処理物配管64には、第3排出側バルブ25cが設けられている。第3排出側バルブ25cは、例えばボール弁であって、開状態の場合には汚泥が通過可能であるとともに、閉状態の場合には供給チャンバー31内の圧力を昇圧可能なようにシール性能が高い弁となっている。
第3処理物配管65は処理物タンク62と脱水機4とを接続している。
【0077】
脱水機4は、水熱処理装置3で加水分解反応によって細胞壁を破壊された汚泥(すなわち、処理物)を、固形分と液体分(分離水)とに分離することで、脱水している。上述のように、汚泥等の高含水率バイオマスでは、水分が生物由来の細胞壁内に拘束されているが、水熱処理での加水分解反応によって細胞壁を破壊して、細胞内に拘束されていた水分を放出させているので、脱水機4により効率的な脱水処理が可能となっている。脱水機4では、例えば、処理物の水分含有率を50%以下程度となるまで脱水する。脱水機4は、例えば、プレス機(図示省略)で処理物をプレスすることで、処理物を脱水する。なお、脱水機4は、他の方法で処理物を脱水してもよい。例えば、遠心分離器で処理物を脱水してもよい。
なお、第1排出側バルブ25a、第2排出側バルブ25b、リーク弁61b、第3排出側バルブ25c、及び脱水機4の動作は、制御部18により行われる。
【0078】
図2に示すように、脱水機4で分離された分離水は、分離水配管(第2供給部、第1分離水流路)71に排出され、分離水タンク73を経て、大部分が処理容器21に供給され、一部が後述するブロー配管72から排出される。分離水配管71は、途中位置で、複数へと分岐し、本実施形態では例えば,第1分岐配管71a及び第2分岐配管71bの2本に分岐し、各配管が、各々処理容器21の上下方向で異なった位置に接続されていて、処理容器21内に噴出される。
【0079】
第1分岐配管71aは、処理容器21内に貯留されている貯留物の上面付近(上面から処理容器21下端部までの高さ距離の0%〜50%の適切な位置、例えば、処理容器21内に導入された汚泥が固着し易い最上段の水平伝熱管51付近)に接続されている。このように接続することで、最上段の水平伝熱管51に対して分離水を噴出させて、汚泥をパージすることで、汚泥の固着を抑制することができる。第1分岐配管71aには、内部を流通する分離水の流量を調整する第1流量調整弁71cが設けられている。
【0080】
第2分岐配管71bは、例えば、処理容器21の取出し口近傍に接続されている。このように接続することで、貯留物が詰まる可能性がある取出し口に分離水を噴射させて、下端部に沈殿・堆積した貯留物をパージすることで、取出し口の閉塞を抑制することができる。第2分岐配管71bには、内部を流通する分離水の流量を調整する第2流量調整弁71dが設けられている。
なお、最上段の水平伝熱管51及び取出し口以外に、清掃等の目的から分離水を供給したい部分がある場合には、図2の破線で示しているように、分離水配管71を2本以上に分岐させてもよい。
【0081】
また、分離水配管71は、第1分岐配管71a及び第2分岐配管71bの分岐箇所よりも上流側において、ブロー配管72が分岐している。ブロー配管72は、脱水機4から排出される分離水のうち、所定の割合として1%〜10%(より好ましくは1%〜5%)の分離水が常時流通するように、配管径等が設定されている。換言すれば、処理容器21には、ブロー配管72に分岐しなかった、残りの分離水が供給されることとなる。
また、ブロー配管72には、内部を流通する分離水の流量を調整する流量調整弁72aが設けられている。流量調整弁72aは、分離水中に含まれる不純物成分として、例えば、汚泥の加水分解反応により、植物繊維(植物の細胞壁及び細胞膜)が破壊されて植物細胞中のナトリウム(Na)、カリウム(K)、リン(P)等の濃度に応じて、開度を調整し、ブロー配管72内を流通する分離水の流量を調整する。従い、処理容器21に供給される分離水に含まれる不純物成分が、処理容器21内に蓄積されて不純物成分の濃度が高くなり結晶化することを抑制できる。これにより、処理容器21内で不純物成分の結晶化による貯留物の粘性上昇を抑制し、処理容器21内の撹拌による加水分解反応促進や、処理容器21底部からの処理物の排出をスムーズにすることができる。
【0082】
脱水機4で分離水を脱水された処理物は、第4処理物配管76を介して、第1乾燥機5に供給される。第1乾燥機5は、内部に設けられた第1熱交換器5aによって、脱水機4で脱水された処理物を、処理容器21から排出された蒸気の熱を利用して、乾燥している。
【0083】
第1乾燥機5で乾燥された処理物は、第5処理物配管77を介して、第2乾燥機6に供給される。第2乾燥機6は、内部に設けられた第2熱交換器6aによって、第1乾燥機5で乾燥された処理物を、ボイラ2からの排ガスの熱を利用して、例えば含水率が10%から20%以下となるように、乾燥している。
【0084】
第2乾燥機6で乾燥された処理物は、第6処理物配管78を介して、成型機7に供給される。成型機7は、第2乾燥機6で乾燥した処理物をバイオマス燃料に成型する。成型機7で成型されたバイオマス燃料は、供給先に供給される。なお、成型されたバイオマス燃料の一部を、図1の破線で示すように、ボイラ2に供給し、ボイラ2の燃料の一部としてもよい。
【0085】
次に、本実施形態いかかる水熱処理装置3の作動について、図6のタイミングチャートを用いて説明する。なお、図6の横軸は時間の変化を示している。図6の縦軸は、(a)が第1供給側バルブ22aの開閉状態を示し、(b)が第2供給側バルブ22b及び第3供給側バルブ22cの開閉状態を示している。また、(c)が供給チャンバー31における汚泥の充填量を示し、(d)が供給チャンバー31内の圧力を示し、(e)が処理容器21内の汚泥量(貯留物量)を示している。また、(f)が第1排出側バルブ25a及び第2排出側バルブ25bの開閉状態を示し、(g)が第3排出側バルブ25cの開閉状態を示している。
【0086】
まず、T1では供給チャンバー31と処理容器21が切り離された状態(隔絶された状態)となっている。T1で第1供給側バルブ22aを開状態とする((a)参照)。T1で第1供給側バルブ22aを開状態とすると、供給チャンバー31内に汚泥が供給されるので、供給チャンバー31の充填量がT1からT2にかけて増加する((c)参照)。供給チャンバー31内に十分汚泥が充填されるタイミングであるT2で、第1供給側バルブ22aを閉状態とする((a)参照)。供給チャンバー31内を密閉すると、T2からT3にかけて供給チャンバー31内の昇圧を行う((d)参照)。供給チャンバー31内の昇圧は圧縮空気など加圧気体を供給することで行う。供給チャンバー31内の圧力が、処理容器21内の圧力と同等またはそれ以上となるT3のタイミングで、昇圧を停止し、第2供給側バルブ22b及び第3供給側バルブ22cを開状態とする((b)参照)。
【0087】
T3で第2供給側バルブ22b及び第3供給側バルブ22cを開状態とすると、供給チャンバー31と処理容器21が連通した状態になり、供給チャンバー31内の汚泥が処理容器21に移動するので、T3からT4にかけて、供給チャンバー31の充填量が低減するとともに、処理容器21の汚泥量が増加する((c)及び(e)参照)。このとき、供給チャンバー31の密閉が解除されるため、供給チャンバー31の圧力は所定の値まで低下する((d)参照)。
【0088】
T4で第2供給側バルブ22b及び第3供給側バルブ22cを閉状態とし、供給チャンバー31と処理容器21が切り離した状態となる。T4からT5にかけて、処理容器21は密閉状態とされ、処理容器21内が所定の温度及び圧力の状態を維持する。このとき、供給チャンバー31では、次の汚泥を受け入れ可能とするため、リーク流路31aに設けられたリーク弁31bを開状態として、供給チャンバー31内の圧力を大気圧と同等まで低下させる((d)参照)。
【0089】
T1からT5までは排出チャンバー61と処理容器21が切り離された状態となっている。T5のタイミングで第1排出側バルブ25a及び第2排出側バルブ25bを開状態とする((f)参照)。
T5で第1排出側バルブ25a及び第2排出側バルブ25bを開状態とすると、排出チャンバー61と処理容器21が連通した状態となり、処理容器21内の底部にある処理物が排出チャンバー61に移動するので、T5からT6にかけて、処理容器21の貯留物量が低減する((e)参照)。処理容器21から所定量の処理物が排出されるタイミングであるT6で、第1排出側バルブ25a及び第2排出側バルブ25bを閉状態とする((f)参照)。排出チャンバー61と処理容器21が切り離した状態となる。次に、T7で第3排出側バルブ25cを開状態として、排出チャンバー61から処理物を排出する((g)参照)。処理物の排出が終了するタイミングであるT8で、第3排出側バルブ25cを閉状態とする。
【0090】
また、T7のタイミングで、再度第1供給側バルブ22aを開状態として、再度処理容器21への汚泥の供給の準備が開始される((a)参照)。その後は、T1からT8までの動作を繰り返す。このように、本実施形態に係る水熱処理装置3は作動する。
このようにして、水熱処理装置3では、供給チャンバー31と排出チャンバー61とをそれぞれ処理容器21と連通した状態と切り離した状態とにできることで、処理容器21内の温度及び圧力を所定の温度及び圧力に保った状態で、汚泥の供給及び処理物の排出を連続的に行っているといえる。
【0091】
なお、加水分解条件(処理容器21内の温度及び圧力)と新規の汚泥の供給量と処理物の排出量に対して、排出する処理物の水熱処理が完了したと見做せる所定時間を事前試験等で確認しておき、汚泥の供給タイミング及び処理物の排出タイミングは、この確認した所定時間で管理するのが好適である。
本実施形態では、1度に導入される汚泥量は、処理容器21内の貯留物量の例えば20%と設定した場合を説明している。すなわち、処理容器21内の貯留物量をVとすると、1度に導入される汚泥量は、0.2Vとなる。また、処理容器21に汚泥が導入されてから、次の汚泥の導入までの時間(図6のT3からT9までの時間)であるサイクルタイムTを例えば5分と設定している。したがって、処理容器21内の貯留物がすべて入れ替わるのに要する時間は、下記式(1)から導かれ、25分となる。換言すれば、処理容器21内に導入された汚泥が、水熱処理を行われ、処理物として処理容器21から外部に排出されるまでの時間が25分となり、一般的な加水分解反応時間として適当な時間を確保することができる。
(V/0.2V)×T・・・(1)
【0092】
汚泥の供給タイミング及び処理物の排出タイミングは、撹拌機23の回転駆動機器に備えた回転数に対する回転負荷変化で管理してもよい。水熱処理が進むと貯留物の粘性が低下するので、撹拌機23の回転駆動機器の回転数に対する回転負荷(電流)の所定値からの低下を監視することで、汚泥の供給タイミングと処理物の排出タイミングを管理してもよい。
撹拌機23の回転駆動機器の回転数と回転負荷(電流値など)の計測と動作は、制御部18内に設けた回転数制御部により行われてもよい。
【0093】
このように、本実施形態では、水熱処理を行う際に、供給チャンバー31と排出チャンバー61とをそれぞれ処理容器21と連通した状態と切り離した状態を設けることで、処理容器21内の温度及び圧力を所定の温度及び圧力に保った状態で、汚泥の供給及び処理物の排出を連続的に行っている。換言すれば、本実施形態では、水熱処理装置3で行う水熱処理を、いわゆる連続処理としている。このように、水熱処理を連続処理とすることで、処理容器21内を降温させずに処理物の排出が可能となるので、水熱処理装置3の処理容器21および処理物の降温によるエネルギーロスを抑制することができる。
【0094】
なお、上記の水熱処理装置3の作動の説明では、第2供給側バルブ22bと第3供給側バルブ22cとが、同じ動作を行う例で説明したが、第2供給側バルブ22bと第3供給側バルブ22cとが同じ動作を行わなくてもよい。第3供給側バルブ22cは、第2供給側バルブ22bの予備として設けられているので、第3供給側バルブ22cは基本的に開状態を維持するようにして、第2供給側バルブ22bのみで流路の開閉を切替えてもよい。そして、第2供給側バルブ22bに異常が生じた際に、第3供給側バルブ22cを動かし、流路の開閉を切替えてもよい。また、第1排出側バルブ25a及び第2排出側バルブ25bについても、同様であり、上記の説明のように同じ動作を行わなくてもよい。
【0095】
次に、バイオマス製造プラント全体の動作について説明する。
まず、バイオマス製造プラントを用いた汚泥からバイオマス燃料を製造する方法について説明する。
下水処理設備8から水熱処理装置3の処理容器21に供給された汚泥は(供給工程)、処理容器21内において、所定の圧力下で、ボイラ2からの蒸気の熱で伝熱管24を介して間接的に加熱される(加熱工程)ことで、水熱処理を施され加水分解反応により細胞壁が破壊される。このとき、処理容器21内の貯留物は、撹拌機23によって、撹拌及び細分化がされる(撹拌工程)。
【0096】
水熱処理を行う際には、制御部18により、処理容器21内の圧力は、所定の圧力(0.5Mpa〜3Mpa)とされるとともに、処理容器21内の温度は、所定の温度(150℃〜230℃)に保たれている。また、処理容器21内の温度分布は、処理容器21内の上下方向に複数設けられた温度計12a,12bにより計測される。処理容器21内に貯留する貯留物の上部分(処理容器21の中間部分付近)の温度を計測する温度計12aが計測した温度と、下部分(処理容器21の底付近)の温度を計測する温度計12bが計測した温度との温度差が、所定の温度差(5℃〜10℃)以内となるよう撹拌機23の回転速度を調整している。処理容器21内の圧力は、汚泥を加熱することで、汚泥から発生する蒸気圧によって上昇する。所定の圧力(0.5Mpa〜3Mpa)に到達後は、第1蒸気排出配管26に設けられた流量調整弁26aの開度を調整して、圧力を一定に維持する。
【0097】
水熱処理装置3において水熱処理が施されて水熱処理装置3から排出された処理物は、脱水機4で脱水され、液体分(分離水)が分離される。脱水機4で脱水された処理物の含水率は50%程度となっている。脱水機4で脱水された処理物は、第1乾燥機5に供給され、第1乾燥機5で水熱処理装置3の伝熱管24から排出された蒸気と一部ドレン化した温水の熱によって乾燥される。第1乾燥機5で乾燥された処理物は、次に第2乾燥機6に供給され、ボイラ2からのボイラ排ガスの熱によって乾燥される。第2乾燥機6で乾燥された処理物の含水率は10%から20%以下となっている。第2乾燥機6で乾燥された処理物は、成型機7に供給され、バイオマス燃料に成型されることで、バイオマス燃料が製造される。成型機7で成型されたバイオマス燃料は、供給先に供給される。なお、成型されたバイオマス燃料の一部を、図1の破線で示すように、ボイラ2に供給し、ボイラ2の燃料の一部としてもよい。
【0098】
脱水機4で分離された分離水は、脱水機4から排出され、分離水タンク73を経て、大部分(分離水全体の90%〜99%程度)が処理容器21に供給され、一部(1%〜10%)がブロー配管72より排出される。このとき、処理容器21内に貯留する貯留物の流動性を確保するために、処理容器21内の貯留物の流動性を継続的に維持できる含水率(例えば約80%〜85%)を維持するように、分離水を処理容器21へ供給する。より詳細には、処理容器21に供給する分離水の量は、汚泥の加熱により蒸気が発生に伴って、第1蒸気排出配管26から排出された余剰蒸気量と同等とすることで、処理容器21内の貯留物の含水率を所望の値に維持することができる。
【0099】
また、脱水機4で分離された分離水の一部(分離水全体の1%〜10%。より好ましくは1%〜5%。)は、常時ブロー配管72を流通し、ボイラ2に吹き込まれ燃焼される。なお、ボイラ2に供給せずに、処理設備で不純物等を除去する処理を行ってもよい。
【0100】
本実施形態に係るバイオマス燃料製造プラント1における汚泥等の流れは以上のようになる。
【0101】
次に、バイオマス燃料製造プラント1における蒸気の流れについて説明する。
ボイラ2で生成された蒸気は、蒸気供給配管11を介して伝熱管24に供給される。ボイラ2から伝熱管24への蒸気の供給は、例えば0.8MPa〜10MPa程度の飽和蒸気または過熱蒸気とし、加水分解温度(処理容器21内の維持温度)に、供給エネルギー相当温度(20度〜50度、蒸気の潜熱分まで利用とし処理容器21に導入する汚泥量に合せて設定する)として蒸気供給配管11(例えばボイラ出口)に設けられた温度計12の計測温度で制御する。また、処理容器21内の温度が所定の温度(好適に加水分解反応を起こせる温度、例えば150度から230度)を維持できるよう、伝熱管24から戻る給水流量を給水ポンプ等で調整してもよい。
伝熱管24に供給された蒸気は、伝熱管24内を流通するとともに、伝熱管24を介して、処理容器21内の貯留物を間接的に加熱する。伝熱管24から排出された蒸気と一部ドレン化した温水は、第2蒸気排出配管53を介して、第1乾燥機5内に配置された第1熱交換器5aへ導入される。第1熱交換器5aへ導入された蒸気と温水は、第1熱交換器5aで、処理物と熱交換を行うことで処理物を間接的に加熱するとともに、蒸気は冷却され凝縮し、温水は温度が低下し凝縮水に混合される。凝縮した凝縮水は、第1乾燥機5から排出される。処理容器21においても第1乾燥機5においても間接熱交換が行われることで、給水には不純物や揮発成分(CH4、ベンゼン、HmSn化合物等)が混入されない。第1乾燥機5から排出された凝縮水は、給水供給配管54を介して、給水として、再度ボイラ2に供給される。
本実施形態に係るバイオマス燃料製造プラント1における蒸気等の流れは、以上のようになる。
【0102】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0103】
本実施形態では、伝熱管24の内部を流通する蒸気と処理容器21の内部に貯留された汚泥とを熱交換させて汚泥を加熱することで、加水分解反応を発生させて、汚泥を水熱処理している。水熱処理することで、高含水バイオマスの細胞壁内に拘束されている水分が放出される。水分が放出されると、放出された水分と高含水バイオマスとが混ざり合うことで、処理容器21内で高含水バイオマスの流動性が向上する。これにより、撹拌部での撹拌を好適に行うことができる。したがって、処理容器21内の汚泥を均一に加水分解反応させることができるので、好適に水熱処理を行うことができる。
【0104】
また、本実施形態では、伝熱管24を介して、蒸気と汚泥との熱交換を行っている。すなわち、汚泥と蒸気とを直接的に接触させずに、伝熱管24を介して間接的に汚泥を加熱することで、汚泥の水熱処理を行っている。また、処理容器21内の貯留物を流動化させるために必要な水分を、汚泥に含まれる水分を有効に活用して賄っている。このように、水熱処理のために汚泥に対して蒸気等の水分を供与る量を低減できる。直接的に蒸気を接触させる方法と比較して、水熱処理後の処理物の水分含有量を低減することができる。したがって、水熱処理後に、処理物から水分を分離・除去する場合には、水分の分離・除去に要するエネルギーを低減することができる。
【0105】
また伝熱管24を介して間接的に汚泥を加熱することで、伝熱管24内を流通する蒸気へ汚泥に含まれている不純物が混入しない。これにより、伝熱管24内を流通する蒸気やドレン化した温水を、別の熱交換器(例えば、第1乾燥機5)での乾燥工程に使用することができ、温度が低下した分を再度加熱して伝熱管24へ再度供給することで間接的に汚泥を加熱することができるので、エネルギー損失を低減できる。
【0106】
また、処理容器21内の鉛直方向上部に空間が形成されるので、処理容器21内に所望の加圧空間を形成することができる。したがって、処理容器21内で、安定的に水熱処理を行うことができる。また、処理容器21の鉛直方向上部に形成された空間Sにより、新規に投入される汚泥と処理容器21内に貯留する汚泥の混合が効率よく行われる。これにより、加水分解反応を促進させ、好適に水熱処理を行うことができる。
【0107】
また、本実施形態では、羽根部43が水平面に対して傾斜しているので、処理容器21内では、上下方向に循環する高含水率バイオマスの対向流が発生する。また、本実施形態では、伝熱管24の水平伝熱管51は、水平方向に延在するように配置されている。したがって、上下方向に循環する高含水率バイオマスの対向流に対して、交差するように伝熱管24を配置している。したがって、より多くの貯留物を伝熱管24と接触させて、加熱することができる。これにより、加水分解反応を促進させ、好適に水熱処理を行うことができる。したがって、水熱処理時間を短縮することができる。
【0108】
また、本実施形態では、羽根部43が鉛直上下方向軸を中心として回転しているので、羽根部43の軌跡領域は、水平面と平行に延びるように形成される。一方、水平伝熱管51は、水平方向に延在している。すなわち、羽根部43の軌跡領域と水平伝熱管51とが平行となり、羽根部43の軌跡領域と水平伝熱管51とが重ならないので、羽根部43と水平伝熱管51との干渉を防止することができる。また、鉛直伝熱管52は、羽根部43の先端と処理容器21の内周面との間に設けられているので、羽根部43と鉛直伝熱管52との干渉も防止することができる。
【0109】
処理容器21内では伝熱管24による汚泥の加熱により蒸気が発生し、蒸気圧で処理容器21内の圧力を所定の圧力に維持するとともに、余剰蒸気は排出される。一例として、水熱処理を220℃であって、かつ、2.5Mpaの状況下で行った場合には、汚泥の水分の15%〜30%が蒸気として排出される。このように、貯留物の含水率が、処理容器21に導入された時よりも減少し、貯留物の含水率が50%程度まで低下する場合がある。処理容器21内の貯留物の含水率が低下すると、処理容器21内の貯留物の流動性が低くなり、貯留物の撹拌や、処理容器21からの処理物の排出に支障を生じる可能性がある。
本実施形態では、処理容器21内の貯留物が所定の含水率を維持するように、分離水を処理容器21に供給している。これにより、貯留物の流動性の低減を抑制することができる。したがって、常に、流動性を維持し、好適な撹拌を行うことができるので、均一な加水分解反応を起こすことができる。また、流動性を維持しているので、貯留物を容易に処理容器21から排出することができる。
【0110】
本実施形態では、天井部21a及び伝熱管24を固定する管台21cを、処理容器21の本体部21bから取り外すことができる。このように、管台21cを本体部21bから取り外すことで、伝熱管24にアクセスすることができる。また、天井部21aを開放することができるので、より容易に、伝熱管24にアクセスすることができる。したがって、処理容器21の内部及び伝熱管24のメンテナンスや修理等を容易に行うことができる。
【0111】
本実施形態では、制御部18によって、処理容器21内の貯留物の位置による温度差が所定の温度差(5℃〜10℃)以内になるように撹拌機23の回転数を調整することができる。これにより、処理容器21内の貯留物の温度分布を抑制し、加水分解反応を促進させ、好適に水熱処理を行うことができる。したがって、水熱処理時間を短縮することができる。
【0112】
処理容器21内で発生する蒸気には、汚泥が含有していた揮発成分(CH、ベンゼン、H化合物等)や不純物が含まれている。このため、処理容器21から排出される蒸気に対して、分離処理部で揮発成分や不純物を分離する処理を行っている。
脱水機4で分離された分離水にも、汚泥に含有していた揮発成分や不純物が含まれているので、揮発成分や不純物を分離する処理を行う必要がある。本実施形態では、脱水部で分離された分離水を処理容器21へ導いている。このため、分離水は処理容器21内で蒸発し、蒸気となって蒸気排出部から排出され、分離処理部で処理される。このように、分離水及び処理容器21内で発生した蒸気を、一つの分離処理部で処理しているので、夫々に分離処理部を設ける構成と比較して、バイオマス燃料製造プラント1の構造を簡素化することができる。したがって、省スペース化を図れるとともに、設置コストを低減することができる。
【0113】
本実施形態では、水熱処理装置3で利用する蒸気を生成するボイラ2の排ガスと、水熱処理された処理物とを熱交換させることで、処理物を加熱している。このように、ボイラ2の排ガスの熱を利用して、水熱処理された処理物を乾燥させることができるので、ボイラ2の排ガスの熱を利用しない構成と比較して、バイオマス燃料製造プラント1全体のエネルギー効率向上させることができる。
【0114】
水熱処理をバッチ式で行った場合、水熱処理装置3の処理容器21内に都度、汚泥を充填する工程、汚泥が充填された処理容器21を昇温・昇圧する工程、その状態を保持して水熱処理を行う工程、処理容器21を減圧する工程、処理物の排出を排出する工程という、煩雑なプロセスを経るため、エネルギーと時間を要していた。特に1バッチに要する時間の内、水熱処理がなされる「保持工程」の割合が小さいことに対して、付随するその他のプロセスの時間が長くなるという処理速度の課題があった。
本実施形態では、水熱処理装置3で行う水熱処理を、いわゆる連続処理としている。すなわち、処理容器21内を降温させずに処理物(水熱処理で細胞壁が破壊された汚泥)を搬出可能としている。これにより、水熱処理装置3の処理容器21および処理物の降温による投入エネルギーのロスを抑制できる。また、バッチ処理を行う場合と比較して、昇温・昇圧する工程及び減圧する工程等を削減することができるので、効率的に水熱処理を行うことができる。
【0115】
汚泥の加水分解反応により、植物繊維(植物の細胞壁及び細胞膜)が破壊されて植物細胞中のナトリウム(Na)、カリウム(K)、リン(P)などの元素が水分中へと混入する。汚泥の水分は加熱により蒸気となり処理容器21内から排出されることや、処理物から脱水した分離水を処理容器21へと戻すこと等に起因して、処理容器21内では不純物(Na、K、P)が蓄積されて不純物の濃度が高くなる。これにより、不純物が結晶化して、貯留物の粘性が高くなり、処理容器21内における貯留物の撹拌や、処理物の排出等に支障が生じる可能性がある。また、貯留物と伝熱管24との伝熱効率が低下する可能性がある。
本実施形態では、ブロー配管72を設け、脱水機4から排出される分離水のうち、1%〜10%(より好ましくは1%〜5%)の分離水が常時排出されるようになっている。これにより、処理容器21内での不純物の蓄積濃縮を抑制して貯留物の粘性上昇を抑制することができる。
【0116】
〔変形例1〕
以下、第1実施形態の第1変形例について、図7を用いて説明する。
本変形例に係るバイオマス燃料製造プラント81は、図7に示すように、処理容器21から排出される蒸気が流通する蒸気排出配管の構造が、第1実施形態と異なる。第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0117】
本変形例に係る蒸気排出配管82は、上流側から順番に、供給チャンバー31及び分離水タンク73に接続されている。詳細には、蒸気排出配管82は、供給チャンバー31内に設けられた熱交換器及び分離水タンク73に設けられた熱交換器に接続されている。処理容器21から排出された蒸気は、蒸気排出配管82の内部を流通し、供給チャンバー31内に設けられた熱交換器において、供給チャンバー31内の汚泥と熱交換を行う。この熱交換により、蒸気の熱で汚泥を加熱することができるとともに、蒸気を冷却することができる。
【0118】
また、供給チャンバー31で汚泥を加熱した蒸気は、分離水タンク73内に設けられた熱交換器において、分離水と熱交換を行う。この熱交換により、蒸気の熱で分離水を加熱することができるとともに、蒸気をさらに冷却することができる。
分離水を加熱した蒸気は、復水器28に導入される。蒸気は冷却が進んでいるため、復水器28での冷却能力を軽減化できる。
【0119】
本変形例によれば、処理容器21から排出される蒸気の熱を利用して、処理容器21に供給される汚泥を予熱できるとともに、処理容器21に供給される分離水を予熱することができる。したがって、蒸気の熱を利用しない構成と比較して、バイオマス燃料製造プラント81全体のエネルギー効率を向上させることができる。
【0120】
なお、処理容器21から排出された蒸気を、他の装置へ導いて、蒸気の熱を利用してもよい。例えば、処理容器21から排出された蒸気と、汚泥脱水機9で脱水された汚泥と熱交換させることで、汚泥を予熱してもよい。
【0121】
〔変形例2〕
以下、第1実施形態の第2変形例について、説明する。
本変形例に係るバイオマス燃料製造プラントは、伝熱管24の入口における蒸気温度と伝熱管24の出口における蒸気温度との温度差を計測する温度差計測手段、及び、温度差計測手段が計測した温度差に基づいて撹拌機23の回転軸41の回転速度を変化させる回転速度変化手段を備えている点で、第1実施形態と異なる。第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0122】
温度差計測手段は、例えば、伝熱管24の入口における蒸気温度を計測する入口側の温度計12と、伝熱管24の出口における蒸気温度を計測する出口側温度計(図示省略)と、入口側の温度計12が計測した温度と、出口側温度計が計測した温度とに基づいて温度差を算出する算出部と、によって構成される。
また、回転速度変化手段は、例えば、算出部が算出した温度差が所定の値以下である場合には、伝熱管24における熱交換が好適に行われておらず、伝熱管24に汚れが付着していると判断する判断部と、判断部からの情報に基づいて回転軸41を駆動するモータなどの回転駆動機器の回転数を上昇させる回転数制御部と、によって構成される。判断部と回転数制御部は、制御部18内に設けてもよい。
【0123】
伝熱管24は、汚泥が焦げ付いて付着することなどから、伝熱性能が低下する場合がある。本変形例では、温度差計測手段が備えられているので、伝熱管24の伝熱性能の低下を容易に把握することができる。また、回転速度変化手段を備えているので、伝熱管24の伝熱性能が低下している場合には、撹拌機23の回転速度を上昇させて、貯留物の流れのスピードを上昇させることで、伝熱管24から貯留物への伝熱性能を回復させることができる。
【0124】
なお、回転速度変化手段の代わりに、脱水機4で分離された分離水を伝熱管24に対して噴射するスーツブロワを備えていてもよい。このように構成することで、伝熱性能が低下している場合には、伝熱管24に対して分離水を噴射することで、伝熱管24の表面を洗浄し、伝熱性能を回復させることができる。
【0125】
〔変形例3〕
以下、第1実施形態の第3変形例について、説明する。
本変形例に係るバイオマス燃料製造プラントは、水熱処理装置3の運転開始時に、処理容器21内に追加の水または蒸気を供給する供給手段を備えている点で、第1実施形態と異なる。第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0126】
加水分解反応前の汚泥は水分含有率が約80%から85%と見かけ上は高いが、固体(水を含んだスポンジ状)であり、流動性は低い。すなわち、加水分解反応前は、汚泥の水分が、細胞壁の内部に拘束されている状態なので、水分含有率が高い割には流動性が低い。したがって、加水分解反応前である水熱処理装置3の運転開始時は、貯留物の撹拌が好適に行えない可能性がある。
【0127】
本変形例では、水熱処理装置3の運転開始時に、処理容器21内に追加の水または蒸気を供給しているので、加水分解反応前であっても、貯留物の流動性を向上させることができる。また、加水分解反応が始まると、拘束されていた水分が放出され、貯留物自身の水分で流動性を維持することができるので、追加の水または蒸気を供給しない。
供給する追加の水または蒸気は、専用の流路を設けてもよく、また、前回の停止時に処理容器21内に残っていた液体分を保管しておき、この保管していた液体分を供給してもよい。
【0128】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について、図8を用いて説明する。
本実施形態に係るバイオマス燃料製造プラント91は、消化槽92、脱硫装置93、脱シロキサン装置94及びガスエンジン(内燃機関)95を備えている点で、主に第1実施形態と異なる。第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0129】
消化槽92は、汚泥脱水機9よりも上流側に設けられていて、下水処理設備8からの汚泥が供給される。消化槽92は、供給された汚泥に対して、消化処理を行っており、メタン等の揮発性ガスが生成される。なお、消化槽92には、脱水機4から分離された分離水が分離水配管(第2分離水流路)97を介して供給され、分離水の熱が、消化処理の熱源として用いられている。
【0130】
消化槽92で生成された揮発性ガスは、脱硫装置93に供給され、脱硫される。脱硫装置93で脱硫された揮発性ガス(燃料ガス)は、次に、脱シロキサン装置94に供給され、シロキサンが除去される。シロキサンが除去された揮発性ガスは、ガスエンジン95に供給される。ガスエンジン95は、内燃機関用燃料ガスが供給されるが、この内燃機関用燃料ガスの一部または全てに揮発性ガスを用いて燃焼することで駆動し、駆動に伴ってガスエンジン95からは内燃機関排ガスが排出される。ガスエンジン95から排出される内燃機関排ガスは、例えば、150℃〜400℃程度となっている。
【0131】
ガスエンジン95から排出された内燃機関排ガスは、ガスエンジン排ガス配管96を流通する。ガスエンジン排ガス配管96は、ボイラ排ガス配管13に合流している。すなわち、内燃機関排ガスは、ガスエンジン排ガス配管96を介して、ボイラ排ガス配管13に合流し、その後、第2乾燥機6(第3熱交換部)に設けられた第2熱交換器6aで処理物の乾燥の熱源とされる。第2乾燥機6で処理物の乾燥の熱源とされた内燃機関排ガスは、第2乾燥機6から排出される。第2乾燥機6から排出された内燃機関排ガスは、脱臭機14で脱臭された後に、脱塵機15で塵等の不純物を除去され、その後に煙突16から大気に放出される。
【0132】
なお、ガスエンジン排ガス配管96をボイラ排ガス配管13に合流させずに、各々を独立させて第2乾燥機6接続させてもよい。また、ボイラ排ガス配管13を第2乾燥機(第1熱交換部)6に接続し、ガスエンジン排ガス配管96を、第2乾燥機6とは別の第3乾燥機(第2熱交換部)に接続し、この第3乾燥機で処理物と熱交換し、処理物を乾燥させてもよい。なお、第3乾燥機は、図示を省略している。
【0133】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、消化槽92で処理容器21に供給する前の汚泥から揮発性ガスを取り出し、取り出した揮発性ガスを内燃機関用燃料ガスの一部または全てに用いることでガスエンジン95を駆動している。また、ガスエンジン95の内燃機関排ガスと、水熱処理された処理物とを熱交換させることで、処理物を排ガスで加熱し、乾燥させている。このように、ガスエンジン95の内燃機関排ガスの熱を利用して、水熱処理された処理物の乾燥させることができるので、ガスエンジン95の排ガスの熱を利用しない構成と比較して、バイオマス燃料製造プラント91全体のエネルギー効率を向上させることができる。
また、脱水機4から分離された分離水を消化槽92へ導くことで、消化槽92で必要な熱を付与している。このように、脱水機4から分離された分離水の熱を利用しているので、分離水の熱を利用しない構成と比較して、バイオマス燃料製造プラント91全体のエネルギー効率を向上させることができる。
【0134】
[変形例]
以下、第2実施形態の変形例について、図9を用いて説明する。
本変形例に係るバイオマス燃料製造プラント101は、図9に示すように、処理容器21の伝熱管24から排出された蒸気及び一部ドレン化した温水を、第1乾燥機5に供給せず、分離水タンク73へ導く点、ボイラ2から排出されたボイラ排ガスを第2乾燥機6ではなく第1乾燥機5へ導く点、及び、ガスエンジン95から排出された内燃機関排ガスを第2乾燥機6へ導く点が、主に第2実施形態と異なる。第2実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0135】
伝熱管24から排出された蒸気及び一部ドレン化した温水は、第3蒸気排出管102を介して分離水タンク73内に設けられた分離水タンク熱交換器73aへ導かれる。分離水タンク熱交換器(第5熱交換部)73aでは、蒸気及び一部ドレン化した温水が、脱水機4で分離された分離水と熱交換することで、分離水が加熱されるとともに、蒸気及び一部ドレン化した温水が冷却される。
【0136】
また、分離水タンク熱交換器73aで分離水と熱交換された蒸気及び一部ドレン化した温水は、第4蒸気排出配管103を介して、汚泥貯留タンク17へ導かれる。詳細には、汚泥貯留タンク17内に設けられた汚泥貯留タンク熱交換器17aへ導かれる。汚泥貯留タンク熱交換器17aでは、蒸気及び一部ドレン化した温水と、汚泥とが熱交換される。この熱交換により、蒸気及び一部ドレン化した温水の熱で、汚泥を加熱することができるとともに、蒸気及び一部ドレン化した温水を冷却することができる。
【0137】
汚泥貯留タンク熱交換器17a(第6熱交換部)で分離水と熱交換された蒸気及び一部ドレン化した温水は、第5蒸気排出配管104を介して、タンク105へ導かれる。タンク105へ導かれた蒸気及びドレン化した温水は、配管57を介してボイラ2に供給される。
【0138】
また、ボイラ2から排出されたボイラ排ガスは、ボイラ排ガス配管107を介して、第1乾燥機5内に設けられた第1熱交換器5aへ導かれる。第1熱交換器5aへ導かれたボイラ排ガスは、処理物と熱交換する。この熱交換によって、処理物は加熱され、ボイラ排ガスは冷却される。第1乾燥機5から排出されたボイラ排ガスは、脱臭機14及び脱塵機15を介して煙突16から大気に放出される。
【0139】
また、ガスエンジン95から排出された内燃機関排ガスは、内燃機関配管108を介して第2乾燥機6内に設けられた第2熱交換器6aへ導かれる。第2熱交換器6aへ導かれた内燃機関排ガスは、処理物と熱交換する。この熱交換によって、処理物は加熱され、内燃機関排ガスは冷却される。第1乾燥機5から排出されたボイラ排ガスは、煙突109から大気に放出される。
【0140】
本変形例によれば、伝熱管24から排出された蒸気の熱を利用して、処理容器21に供給される分離水を予熱することができるとともに、処理容器21に供給される汚泥を予熱できる。したがって、蒸気の熱を利用しない構成と比較して、バイオマス燃料製造プラント81全体のエネルギー効率を向上させることができる。
【0141】
なお、分離水タンク熱交換器73aで分離水と熱交換された蒸気及び一部ドレン化した温水を、汚泥貯留タンク17ではなく、供給チャンバー31へ導いて、蒸気及び一部ドレン化した温水と供給チャンバー内の汚泥とを熱交換させてもよい。
【0142】
なお、本発明は、上記各実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
例えば、上記各実施形態では、脱水機4で分離された分離水を処理容器21に導入することで、処理容器21内の貯留物の含水率を維持する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、処理容器21に、ボイラ2で生成した蒸気を供給して貯留物の含水率を維持してもよい。また、ボイラ2からの蒸気及び脱水機4で分離された分離水の両方を供給して貯留物の含水率を維持してもよい。
また、内燃機関にガスエンジンを用いているが、小型ボイラと小型蒸気タービンによる発電システムであってもよい。
【符号の説明】
【0143】
1 :バイオマス燃料製造プラント
2 :ボイラ
3 :水熱処理装置
4 :脱水機(脱水部)
5 :第1乾燥機(第4熱交換部)
5a :第1熱交換器
6 :第2乾燥機(第1熱交換部、第3熱交換部)
6a :第2熱交換器
7 :成型機
8 :下水処理設備
9 :汚泥脱水機
10 :燃料供給配管
11 :蒸気供給配管
12 :温度計
13 :ボイラ排ガス配管
14 :脱臭機
15 :脱塵機
16 :煙突
17 :汚泥貯留タンク(高含水率バイオマスタンク)
17a :汚泥貯留タンク熱交換器(第6熱交換部)
18 :制御部
21 :処理容器
21a :天井部
21b :本体部
21c :管台(固定部)
22 :汚泥供給部(第1供給部)
22a :第1供給側バルブ
22b :第2供給側バルブ(第1切替え手段)
22c :第3供給側バルブ(第1切替え手段)
23 :撹拌機(撹拌部)
24 :伝熱管
25 :処理物排出部
25a :第1排出側バルブ(第2切替え手段)
25b :第2排出側バルブ(第2切替え手段)
25c :第3排出側バルブ
26 :第1蒸気排出配管(蒸気排出部)
26a :流量調整弁
27 :圧力計
28 :復水器
29 :処理場(分理処理部)
31 :供給チャンバー
31a :リーク流路
31b :リーク弁
32 :フィーダ
33 :第1汚泥配管
34 :第2汚泥配管
35 :第3汚泥配管
41 :回転軸
42 :棒部
43 :羽根部
44 :シール構造
45 :弾力性緩衝体
51 :水平伝熱管
52 :鉛直伝熱管
53 :第2蒸気排出配管
54 :給水供給配管
55 :流量計
56 :給水タンク
57 :配管
61 :排出チャンバー
61a :リーク流路
61b :リーク弁
62 :処理物タンク
63 :第1処理物配管
64 :第2処理物配管
65 :第3処理物配管
71 :分離水配管(第2供給部、第1分離水流路)
71a :第1分岐配管
71b :第2分岐配管
71c :第1流量調整弁
71d :第2流量調整弁
72 :ブロー配管
72a :流量調整弁
73 :分離水タンク
73a :分離水タンク熱交換器(第5熱交換部)
76 :第4処理物配管
77 :第5処理物配管
78 :第6処理物配管
81 :バイオマス燃料製造プラント
82 :蒸気排出配管
91 :バイオマス燃料製造プラント
92 :消化槽
93 :脱硫装置
94 :脱シロキサン装置
95 :ガスエンジン(内燃機関)
96 :ガスエンジン排ガス配管
97 :分離水流路(第2分離水流路)
101 :バイオマス燃料製造プラント
102 :第3蒸気排出配管
103 :第4蒸気排出配管
104 :第5蒸気排出配管
105 :タンク
S :空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2019年7月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高含水率バイオマスを加熱することで水熱処理する水熱処理装置であって、
前記高含水率バイオマスを貯留する処理容器と、
前記処理容器の鉛直方向上部に空間が形成されるように、前記処理容器の内部に前記高含水率バイオマスを供給する第1供給部と、
前記処理容器の内部に設けられ、所定方向の流れが発生するように該高含水率バイオマスを撹拌する撹拌部と、
記所定方向と交差するように前記処理容器の内部に配置され、内部を流通する蒸気の熱によって前記高含水率バイオマスを加熱する少なくとも1つの伝熱管と、を備える水熱処理装置。
【請求項2】
前記撹拌部は、水平面に対して傾斜するように配置される羽根部を備え、
前記羽根部は、鉛直上下方向に延在する軸方向を中心として回転し、
前記羽根部の径方向の先端は、前記処理容器の内周面に近接するように配置され、
前記伝熱管は、水平方向に延在している請求項1に記載の水熱処理装置。
【請求項3】
前記撹拌部は、鉛直上下方向に延在する軸方向を中心として回転する複数の羽根部を備え、
複数の前記羽根部は、回転の中心となる前記軸方向から、径方向に所定距離離間した位置に、前記軸方向の周方向に沿って等間隔に配置されるとともに、各々、水平面に対して回転方向に向かって所定の角度で傾斜するように配置されていて、
前記伝熱管は、水平方向に延在していて、
前記所定方向の流れは、鉛直上方向および鉛直下方向を含む対向流である請求項1に記載の水熱処理装置。
【請求項4】
前記処理容器内の貯留物の少なくとも一部が所定の含水率を維持するように水または蒸気を前記処理容器に供給する第2供給部を備えた請求項1から請求項3のいずれかに記載の水熱処理装置。
【請求項5】
前記処理容器は、側面と底面をなす本体部及び鉛直上面をなす天井部を有する外殻と、前記伝熱管の少なくとも1つを前記本体部に対して固定する固定部と、を備え、
前記天井部は、前記本体部に取外し可能に固定され、
前記固定部は、前記本体部に取外し可能に固定されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の水熱処理装置。
【請求項6】
前記処理容器に前記高含水率バイオマスを供給する供給チャンバーと、
前記処理容器内に貯留された貯留物が排出される排出チャンバーと、
前記供給チャンバーと前記処理容器とが連通した状態と、前記供給チャンバーと前記処理容器とが隔絶された状態と、を切替える第1切替え手段と、
前記排出チャンバーと前記処理容器とが連通した状態と、前記排出チャンバーと前記処理容器とが隔絶された状態と、を切替える第2切替え手段と、を備え、
前記処理容器内の温度及び圧力を所定の温度及び圧力に保った状態で、前記供給チャンバーから前記処理容器への前記高含水率バイオマスの供給を行うとともに、前記処理容器から前記排出チャンバーへの前記貯留物の排出を行う請求項1から請求項5のいずれかに記載の水熱処理装置。
【請求項7】
前記処理容器内で水熱処理時に、前記処理容器内の前記高含水率バイオマスの位置による温度差が、所定の温度差の範囲内となるように、前記撹拌部の回転速度を調整する制御部を備えた請求項1から請求項6のいずれかに記載の水熱処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の水熱処理装置を備えたバイオマス燃料製造プラントであって、
前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスを脱水する脱水部と、
前記脱水部において前記高含水率バイオマスから分離された分離水を前記処理容器へ導く第1分離水流路と、
前記処理容器内で発生した蒸気を、該処理容器の外部に排出する蒸気排出部と、
前記蒸気排出部から排出された蒸気から不純物を分離する分離処理部と、を備えたバイオマス燃料製造プラント。
【請求項9】
前記第1分離水流路が分岐した複数の分岐配管を備え、
複数の前記分岐配管は、前記処理容器の鉛直上下方向の異なる位置へ連通している請求項8に記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項10】
前記脱水部で分離された分離水のうち、所定の割合の分離水を外部へ排出するブロー配管を備えた請求項8または請求項9に記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項11】
投入した燃料の燃焼熱で蒸気を生成し、生成した蒸気を前記伝熱管に供給するボイラと、
前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスと前記ボイラから排出されるボイラ排ガスとを熱交換させる第1熱交換部と、を備えた請求項8から請求項10のいずれかに記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項12】
前記処理容器に供給する前の前記高含水率バイオマスが導入される消化槽と、
前記脱水部において前記高含水率バイオマスから分離された分離水を前記消化槽へ導く第2分離水流路と、
前記消化槽から排出される燃料ガスを含む内燃機関用燃料ガスを燃焼することで駆動する内燃機関と、
前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスと前記内燃機関から排出される内燃機関排ガスとを熱交換させる第2熱交換部と、を備える請求項8から請求項11のいずれかに記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項13】
投入した燃料の燃焼熱で蒸気を生成し、生成した蒸気を前記伝熱管に供給するボイラと、
前記処理容器に供給する前の前記高含水率バイオマスが導入される消化槽と、
前記脱水部において前記高含水率バイオマスから分離された分離水を前記消化槽へ導く第2分離水流路と、
前記消化槽から排出される燃料ガスを含む内燃機関用燃料ガスを燃焼することで駆動する内燃機関と、
前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスと前記ボイラから排出されるボイラ排ガス及び前記内燃機関から排出される内燃機関排ガスとを熱交換させる第3熱交換部と、を備える請求項8から請求項10のいずれかに記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項14】
前記水熱処理装置で水熱処理された前記高含水率バイオマスと前記伝熱管から排出された蒸気とを熱交換させる第4熱交換部を備える請求項8から請求項13のいずれかに記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項15】
前記伝熱管から排出された蒸気と前記脱水部から排出された前記分離水とを熱交換させる第5熱交換部を備えた請求項8から請求項14のいずれかに記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項16】
前記処理容器に供給する前記高含水率バイオマスを貯留する高含水率バイオマスタンクと、
前記伝熱管から排出された蒸気と前記高含水率バイオマスタンク内の前記高含水率バイオマスとを熱交換させる第6熱交換部と、を備えた請求項8から請求項15のいずれかに記載のバイオマス燃料製造プラント。
【請求項17】
高含水率バイオマスを加熱することで水熱処理する水熱処理方法であって、
処理容器の鉛直方向上部に空間が形成されるように、前記処理容器の内部に前記高含水率バイオマスを供給する供給工程と、
前記処理容器の内部に設けられ撹拌部によって、所定方向の流れが発生するように該高含水率バイオマスを撹拌する撹拌工程と、
記所定方向と交差するように前記処理容器の内部に配置された少なくとも1つの伝熱管の内部を流通する蒸気によって、前記高含水率バイオマスを加熱する加熱工程と、を備える水熱処理方法。
【請求項18】
請求項17に記載された水熱処理方法を用いたバイオマス燃料製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の水熱処理装置及びバイオマス燃料製造プラント並びに水熱処理方法及びバイオマス燃料製造方法は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る水熱処理装置は、高含水率バイオマスを加熱することで水熱処理する水熱処理装置であって、前記高含水率バイオマスを貯留する処理容器と、前記処理容器の鉛直方向上部に空間が形成されるように、前記処理容器の内部に前記高含水率バイオマスを供給する第1供給部と、前記処理容器の内部に設けられ、所定方向の流れが発生するように該高含水率バイオマスを撹拌する撹拌部と、前記所定方向と交差するように前記処理容器の内部に配置され、内部を流通する蒸気の熱によって前記高含水率バイオマスを加熱する少なくとも1つの伝熱管と、を備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
本発明の一態様に係る水熱処理方法は、高含水率バイオマスを加熱することで水熱処理する水熱処理方法であって、処理容器の鉛直方向上部に空間が形成されるように、前記処理容器の内部に前記高含水率バイオマスを供給する供給工程と、前記処理容器の内部に設けられ撹拌部によって、所定方向の流れが発生するように該高含水率バイオマスを撹拌する撹拌工程と、前記所定方向と交差するように前記処理容器の内部に配置された少なくとも1つの伝熱管の内部を流通する蒸気によって、前記高含水率バイオマスを加熱する加熱工程と、を備えている。