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特開2019-214086エンドエフェクタおよび部材取り付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-214086(P2019-214086A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】エンドエフェクタおよび部材取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/00 20060101AFI20191122BHJP
   E04G 21/16 20060101ALI20191122BHJP
   E04F 21/18 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
   B25J15/00 Z
   E04G21/16
   E04F21/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-111539(P2018-111539)
(22)【出願日】2018年6月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 俊介
(72)【発明者】
【氏名】谷 卓
【テーマコード(参考)】
2E174
3C707
【Fターム(参考)】
2E174CA03
2E174DA17
2E174DA34
2E174DA51
3C707AS06
3C707AS21
3C707AS26
3C707DS01
3C707ES17
3C707EV19
(57)【要約】
【課題】板状の部材の向きや傾きの調整作業を効率的に行うためのエンドエフェクタおよび部材取り付け方法を提供する。
【解決手段】板状の部材12を把持して所定の位置に取り付けるために用いられるエンドエフェクタ10であって、部材12を支持するための支持手段14と、支持手段14の端部に自在継手16を介して設けられ、部材12と接面して部材12を支持する支持テーブル20と、支持テーブル20を面方向に挟んだ両側で面方向に直線移動可能に支持テーブル20の基部18に固定される把持手段22と、支持手段14に対する支持テーブル20の傾斜角度を変更するための角度変更手段24とを備えるようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の部材を把持して所定の位置に取り付けるために用いられるエンドエフェクタであって、
部材を支持するための支持手段と、支持手段の端部に自在継手を介して設けられ、部材と接面して部材を支持する支持テーブルと、支持テーブルを面方向に挟んだ両側で面方向に直線移動可能に支持テーブルの基部に固定される把持手段と、支持手段に対する支持テーブルの傾斜角度を変更するための角度変更手段とを備えることを特徴とするエンドエフェクタ。
【請求項2】
角度変更手段は、支持手段と支持テーブルの基部の間に設けられ、支持テーブルに対して略垂直な方向に伸縮して支持テーブルの基部を第1軸回りに回動可能な第1支持部材と、第1軸に直交する第2軸回りに回動可能な第2支持部材とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
部材は矩形板状の部材であり、把持手段は部材の対辺側に設けられ、部材の対辺に係合するための係合部と、これらの係合部を互いに接近、離間する方向に移動させる移動手段と、係合部を格納する格納手段とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載のエンドエフェクタを備えることを特徴とする建設作業用ロボット。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一つに記載のエンドエフェクタを用いて矩形板状の部材を把持し、把持した部材を上方の格子状の支持材に取り付ける方法であって、
部材の表面にエンドエフェクタの支持テーブルを当接した後、把持手段を動作して部材を把持するステップと、
部材を把持したエンドエフェクタを支持材の近くまで移動するステップと、
エンドエフェクタに把持された部材が支持材に囲まれた格子状の開口を下から上に通過可能なようにエンドエフェクタの向きを変更するステップと、
エンドエフェクタに把持された部材を、支持材に囲まれた格子状の開口に下から上に通過移動させるステップと、
格子状の開口を通過移動させた後、エンドエフェクタの向きを変更して、エンドエフェクタに把持された部材の向きを格子状の開口に合わせるステップと、
部材の向きを格子状の開口に合わせた後、エンドエフェクタの高さおよび支持テーブルの傾斜角度を変更して、部材の一端を支持材の一端にあてがい、その後、把持手段を動作してエンドエフェクタによる部材の把持を解放するとともに把持手段を格納するステップと、
エンドエフェクタを下げることによって支持テーブルを下げ、部材の他端を自ずと支持材の他端にあてがうステップとを備えることを特徴とする部材取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば天井工事において、天井に取り付ける天井パネルを把持するのに好適なエンドエフェクタおよび部材取り付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の建物の天井工事において、天井吊りボルトや天井パネルの取り付け施工が行われている。こうした施工作業は、通常、作業員が高所作業車や足場等を利用して上向きの手作業により行っている。一般に、天井パネルの取り付け作業時には、天井に上げた天井パネルを片手で保持しつつ、もう片方の手で工具を使うなどして取り付け作業を行う必要がある。
【0003】
このような作業員の負担を軽減するために、本特許出願人は、既に特許文献1に記載の建設作業用ロボットを提案している。この建設作業用ロボットは、天井パネルのような部材をエンドエフェクタに吸着保持しつつマニピュレータで施工位置に上げて下地材(母材)に取り付けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−110466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に記載の建設作業用ロボットで天井パネルを下地材にあてがう際には、作業の効率化を図るため、天井パネルの向きや傾きの調整作業を短時間で行えることが好ましい。このため、天井パネルの向きや傾きの調整作業を短時間で行うことのできる技術が求められていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、板状の部材の向きや傾きの調整作業を効率的に行うためのエンドエフェクタおよび部材取り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るエンドエフェクタは、板状の部材を把持して所定の位置に取り付けるために用いられるエンドエフェクタであって、部材を支持するための支持手段と、支持手段の端部に自在継手を介して設けられ、部材と接面して部材を支持する支持テーブルと、支持テーブルを面方向に挟んだ両側で面方向に直線移動可能に支持テーブルの基部に固定される把持手段と、支持手段に対する支持テーブルの傾斜角度を変更するための角度変更手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る他のエンドエフェクタは、上述した発明において、角度変更手段は、支持手段と支持テーブルの基部の間に設けられ、支持テーブルに対して略垂直な方向に伸縮して支持テーブルの基部を第1軸回りに回動可能な第1支持部材と、第1軸に直交する第2軸回りに回動可能な第2支持部材とにより構成されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る他のエンドエフェクタは、上述した発明において、部材は矩形板状の部材であり、把持手段は部材の対辺側に設けられ、部材の対辺に係合するための係合部と、これらの係合部を互いに接近、離間する方向に移動させる移動手段と、係合部を格納する格納手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る建設作業用ロボットは、上述したエンドエフェクタを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る部材取り付け方法は、上述したエンドエフェクタを用いて矩形板状の部材を把持し、把持した部材を上方の格子状の支持材に取り付ける方法であって、部材の表面にエンドエフェクタの支持テーブルを当接した後、把持手段を動作して部材を把持するステップと、部材を把持したエンドエフェクタを支持材の近くまで移動するステップと、エンドエフェクタに把持された部材が支持材に囲まれた格子状の開口を下から上に通過可能なようにエンドエフェクタの向きを変更するステップと、エンドエフェクタに把持された部材を、支持材に囲まれた格子状の開口に下から上に通過移動させるステップと、格子状の開口を通過移動させた後、エンドエフェクタの向きを変更して、エンドエフェクタに把持された部材の向きを格子状の開口に合わせるステップと、部材の向きを格子状の開口に合わせた後、エンドエフェクタの高さおよび支持テーブルの傾斜角度を変更して、部材の一端を支持材の一端にあてがい、その後、把持手段を動作してエンドエフェクタによる部材の把持を解放するとともに把持手段を格納するステップと、エンドエフェクタを下げることによって支持テーブルを下げ、部材の他端を自ずと支持材の他端にあてがうステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るエンドエフェクタによれば、板状の部材を把持して所定の位置に取り付けるために用いられるエンドエフェクタであって、部材を支持するための支持手段と、支持手段の端部に自在継手を介して設けられ、部材と接面して部材を支持する支持テーブルと、支持テーブルを面方向に挟んだ両側で面方向に直線移動可能に支持テーブルの基部に固定される把持手段と、支持手段に対する支持テーブルの傾斜角度を変更するための角度変更手段とを備えるので、角度変更手段で支持テーブルの傾斜角度を変更することで、支持テーブル上の部材の傾きを調整することができる。また、エンドエフェクタ自身または支持手段をその軸回りに回動することで、外部の下地材などに対して支持テーブル上の部材の向きを調整することができる。このため、把持する部材の向きや傾きの調整作業に掛かる時間が短縮され、下地材などへの部材の取り付け作業を効率的に行うことができるという効果を奏する。
【0013】
また、本発明に係る他のエンドエフェクタによれば、角度変更手段は、支持手段と支持テーブルの基部の間に設けられ、支持テーブルに対して略垂直な方向に伸縮して支持テーブルの基部を第1軸回りに回動可能な第1支持部材と、第1軸に直交する第2軸回りに回動可能な第2支持部材とにより構成されるので、角度変更手段を簡単な構造で構成することができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明に係る他のエンドエフェクタによれば、部材は矩形板状の部材であり、把持手段は部材の対辺側に設けられ、部材の対辺に係合するための係合部と、これらの係合部を互いに接近、離間する方向に移動させる移動手段と、係合部を格納する格納手段とを備えるので、収納位置から部材を把持する際に係合部を格納しておけば、部材を支持テーブルに当接配置する作業が容易になるという効果を奏する。
【0015】
また、本発明に係る建設作業用ロボットによれば、上述したエンドエフェクタを備えるので、建設作業用ロボットによる部材の取り付け作業の効率化を図ることができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明に係る部材取り付け方法によれば、上述したエンドエフェクタを用いて矩形板状の部材を把持し、把持した部材を上方の格子状の支持材に取り付ける方法であって、部材の表面にエンドエフェクタの支持テーブルを当接した後、把持手段を動作して部材を把持するステップと、部材を把持したエンドエフェクタを支持材の近くまで移動するステップと、エンドエフェクタに把持された部材が支持材に囲まれた格子状の開口を下から上に通過可能なようにエンドエフェクタの向きを変更するステップと、エンドエフェクタに把持された部材を、支持材に囲まれた格子状の開口に下から上に通過移動させるステップと、格子状の開口を通過移動させた後、エンドエフェクタの向きを変更して、エンドエフェクタに把持された部材の向きを格子状の開口に合わせるステップと、部材の向きを格子状の開口に合わせた後、エンドエフェクタの高さおよび支持テーブルの傾斜角度を変更して、部材の一端を支持材の一端にあてがい、その後、把持手段を動作してエンドエフェクタによる部材の把持を解放するとともに把持手段を格納するステップと、エンドエフェクタを下げることによって支持テーブルを下げ、部材の他端を自ずと支持材の他端にあてがうステップとを備えるので、天井の下地材などへの部材の取り付け作業を効率的に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明に係るエンドエフェクタの実施の形態を示す概略斜視図である。
図2図2は、本発明に係るエンドエフェクタの実施の形態を示す側面図である。
図3図3は、本発明に係るエンドエフェクタの実施の形態を示す側面図である。
図4図4は、本発明に係るエンドエフェクタの実施の形態を示す上面図である。
図5図5は、本発明に係る部材取り付け方法の実施の形態を示す概略手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係るエンドエフェクタおよび部材取り付け方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係るエンドエフェクタ10は、矩形板状の天井パネル12(部材)を把持して下地材(所定の位置)に取り付けるために用いられる。このエンドエフェクタ10は、上述したような建設作業用ロボットのマニュピレータ(ロボットアーム)の先端に着脱自在に取り付けられる。
【0020】
このエンドエフェクタ10は、天井パネル12を支持するための角棒状の支持手段14を備えている。この支持手段14の上端部には、自在継手16を介して基部プレート18(基部)が取り付けられている。基部プレート18の上方には、支柱を介して支持テーブル20が面平行に固定されている。支持テーブル20は、天井パネル12が上面に配置される円盤状のテーブルであり、その円の中心は、支持手段14の軸線の延長上に位置している。
【0021】
このエンドエフェクタ10は、把持手段22と、角度変更手段24と、これらの動作を制御する図示しない制御手段をさらに備えている。
【0022】
把持手段22は、図2図4に示すように、支持テーブル20をX軸方向(面方向)に挟んだ両側に設けられ、X軸方向に直線移動可能に基部プレート18に固定されている。この把持手段22は、天井パネル12の両対辺側を支持するための一対のホルダー26と、フック28(係合部)と、エアシリンダ30(格納手段)と、電動シリンダ32(移動手段)とを備える。ホルダー26、フック28は、支持テーブル20の円の中心の両側の対称位置に設けられる。
【0023】
ホルダー26の上面は、支持テーブル20の上面と面一、またはそれよりも若干低い面となっている。フック28は、天井パネル12の対辺に係合するためのものであり、ホルダー26の外側端に設けられる。
【0024】
エアシリンダ30は、ホルダー26およびフック28を格納するためのものであり、各ホルダー26に対応して設けられる。エアシリンダ30のロッド30Aは、ホルダー26の内側端の基部26Aに連結している。エアシリンダ30のロッド30AがZ軸方向に伸縮すると、ホルダー26がZ軸方向に移動する。例えば、エアシリンダ30のロッド30Aが収縮すると、図2に示すように、ホルダー26とともにフック28がZ軸方向下向きに移動する。このため、天井パネル12を把持しないときは、ホルダー26およびフック28を支持テーブル20よりも下側に格納しておくことができる。また、天井パネル12を支持テーブル20に当接配置する際にフック28を格納しておけばフック28の干渉を防ぐことができるので、天井パネル12を容易に支持テーブル20の上面に配置することができる。
【0025】
電動シリンダ32は、天井パネル12の把持動作と解放動作のために、フック28を互いに接近、離間する方向にホルダー26を移動させるものであり、各ホルダー26に対応して設けられる。電動シリンダ32のロッド32Aは、エアシリンダ30の本体に連結している。電動シリンダ32の本体は、基部プレート18に固定されている。電動シリンダ32のロッド32AがX軸方向に伸縮すると、エアシリンダ30を介してホルダー26およびフック28がX軸方向に移動する。例えば、電動シリンダ32のロッド32Aが収縮すると、ホルダー26、フック28がX軸方向に互いに接近するように移動し、両フック28が天井パネル12の両対辺に当接係合して天井パネル12を把持する。把持力については、例えば、天井パネル12の寸法に応じてロッド32Aの伸縮長を事前に設定することで適宜調整することができる。一方、電動シリンダ32のロッド32Aが伸張すると、ホルダー26、フック28がX軸方向に互いに離間するように移動し、両フック28が天井パネル12の両対辺から離れる。これにより、天井パネル12の把持を解放する。その後、エアシリンダ30のロッド30Aを収縮してホルダー26およびフック28を下側に移動させた後、電動シリンダ32のロッド32Aを収縮して把持手段22を支持テーブル20の下側に格納する。すなわち、電動シリンダ32は、天井パネル12の把持機能以外に、天井パネル12設置後に把持手段22を格納する機能を有している。把持手段22を格納することで、格子状に組まれた天井の下地材Pに把持手段22が接触する事態を未然に防ぐことができる。
【0026】
角度変更手段24は、支持手段14の軸線に対する支持テーブル20の傾斜角度を変更するためのものであり、電動シリンダ34(第1支持部材)と、電動シリンダ36(第2支持部材)とからなる。図1図3に示すように、電動シリンダ34、36は、支持手段14と基部プレート18の間に設けられる。図2および図3に示すように、電動シリンダ34の本体は、支持手段14のY軸方向の側面に対してX軸周りに回動可能に固定される。電動シリンダ36の本体は、支持手段14のX軸方向の側面に対してY軸周りに回動可能に固定される。ロッド34A、36Aはそれぞれ自在継手38を介して基部プレート18に固定される。
【0027】
図3に示すように、ロッド34Aが略Z軸方向(略上下方向)に伸縮することで、支持テーブル20をX軸(第1軸)回りに回動可能である。図2に示すように、ロッド36Aが略Z軸方向(略上下方向)に伸縮することで、支持テーブル20をY軸(第2軸)回りに回動可能である。
【0028】
この角度変更手段24で支持テーブル20の傾斜角度を変更することで、支持テーブル20上の天井パネル12の傾きを調整することができる。また、エンドエフェクタ10自身または支持手段14をその軸回りに回動することで、外部の下地材などに対して支持テーブル20上の天井パネル12の向きを調整することができる。このため、本実施の形態によれば、把持する天井パネル12の向きや傾きの調整作業に掛かる時間が短縮され、下地材などへの天井パネル12の取り付け作業を効率的に行うことができる。
【0029】
次に、上記のエンドエフェクタ10を用いた天井パネル12の取り付け方法について、図5および図1を参照しながら説明する。なお、図5(2)〜(5)では便宜上、エンドエフェクタ10の図示を省略している。また、エンドエフェクタ10の移動操作は、図示しないマニピュレータによって行われるものとする。
【0030】
まず、図1に示すように、天井パネル12の表面にエンドエフェクタ10の支持テーブル20を当接した後、把持手段22を動作して天井パネル12を把持する。
【0031】
次に、図5(1)に示すように、マニピュレータを操作してエンドエフェクタ10の向きを変更して、把持する天井パネル12の表面を上向きにする。さらに、このエンドエフェクタ10を天井面の下に正方形格子状に架設してある下地材P(支持材)の近くまで移動する。続いて、図5(2)に示すように、マニピュレータを操作して、天井パネル12の一辺が下地材Pに囲まれた正方形開口の対角線に対して平行かつ略正対するようにエンドエフェクタ10の向きを変更する。続いて、マニピュレータおよび角度変更手段24を操作して、天井パネル12の一辺側が斜め上側に、対辺側が斜め下側になるように、天井パネル12を水平に対して斜めに傾斜させる。こうすることで、天井パネル12が正方形開口の対角線の位置を斜め下側から斜め上側に向けて通過可能なようにする。
【0032】
次に、図5(3)に示すように、マニピュレータを操作してエンドエフェクタ10を斜め上方に上げることによって、天井パネル12の一辺側を正方形開口の対角線の位置から挿入し、天井パネル12の全体を下地材Pの上方に上げ越す。続いて、図5(4)に示すように、マニピュレータおよび角度変更手段24を操作して、天井パネル12の向きを正方形開口に合わせた後、エンドエフェクタ10の高さおよび支持テーブル20の傾斜角度を変更して、天井パネル12の一辺側を下地材Pの一辺にあてがう。次に、図5(5)に示すように、把持手段22を動作して天井パネル12の把持を解放した後、把持手段22を支持テーブル20の下側に格納する。把持手段22を格納することで、把持手段22が下地材Pに接触する事態を未然に防止することができる。その後、エンドエフェクタ10を下げることによって支持テーブル20を下げる。これにより、天井パネル12の対辺側が自ずと下地材Pにあてがわれる。本実施の形態によれば、把持する天井パネル12の向きや傾きの調整作業に掛かる時間が短縮され、下地材Pへの天井パネル12の取り付け作業を効率的に行うことができる。
【0033】
以上説明したように、本発明に係るエンドエフェクタによれば、板状の部材を把持して所定の位置に取り付けるために用いられるエンドエフェクタであって、部材を支持するための支持手段と、支持手段の端部に自在継手を介して設けられ、部材と接面して部材を支持する支持テーブルと、支持テーブルを面方向に挟んだ両側で面方向に直線移動可能に支持テーブルの基部に固定される把持手段と、支持手段に対する支持テーブルの傾斜角度を変更するための角度変更手段とを備えるので、角度変更手段で支持テーブルの傾斜角度を変更することで、支持テーブル上の部材の傾きを調整することができる。また、エンドエフェクタ自身または支持手段をその軸回りに回動することで、外部の下地材などに対して支持テーブル上の部材の向きを調整することができる。このため、把持する部材の向きや傾きの調整作業に掛かる時間が短縮され、下地材などへの部材の取り付け作業を効率的に行うことができる。
【0034】
また、本発明に係る他のエンドエフェクタによれば、角度変更手段は、支持手段と支持テーブルの基部の間に設けられ、支持テーブルに対して略垂直な方向に伸縮して支持テーブルの基部を第1軸回りに回動可能な第1支持部材と、第1軸に直交する第2軸回りに回動可能な第2支持部材とにより構成されるので、角度変更手段を簡単な構造で構成することができる。
【0035】
また、本発明に係る他のエンドエフェクタによれば、部材は矩形板状の部材であり、把持手段は部材の対辺側に設けられ、部材の対辺に係合するための係合部と、これらの係合部を互いに接近、離間する方向に移動させる移動手段と、係合部を格納する格納手段とを備えるので、収納位置から部材を把持する際に係合部を格納しておけば、部材を支持テーブルに当接配置する作業が容易になる。
【0036】
また、本発明に係る建設作業用ロボットによれば、上述したエンドエフェクタを備えるので、建設作業用ロボットによる部材の取り付け作業の効率化を図ることができる。
【0037】
また、本発明に係る部材取り付け方法によれば、上述したエンドエフェクタを用いて矩形板状の部材を把持し、把持した部材を上方の格子状の支持材に取り付ける方法であって、部材の表面にエンドエフェクタの支持テーブルを当接した後、把持手段を動作して部材を把持するステップと、部材を把持したエンドエフェクタを支持材の近くまで移動するステップと、エンドエフェクタに把持された部材が支持材に囲まれた格子状の開口を下から上に通過可能なようにエンドエフェクタの向きを変更するステップと、エンドエフェクタに把持された部材を、支持材に囲まれた格子状の開口に下から上に通過移動させるステップと、格子状の開口を通過移動させた後、エンドエフェクタの向きを変更して、エンドエフェクタに把持された部材の向きを格子状の開口に合わせるステップと、部材の向きを格子状の開口に合わせた後、エンドエフェクタの高さおよび支持テーブルの傾斜角度を変更して、部材の一端を支持材の一端にあてがい、その後、把持手段を動作してエンドエフェクタによる部材の把持を解放するとともに把持手段を格納するステップと、エンドエフェクタを下げることによって支持テーブルを下げ、部材の他端を自ずと支持材の他端にあてがうステップとを備えるので、天井の下地材などへの部材の取り付け作業を効率的に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明に係るエンドエフェクタおよび部材取り付け方法は、建物の天井工事において天井パネルを下地材に取り付ける作業に有用であり、特に、取り付け作業を短時間で行うのに適している。
【符号の説明】
【0039】
10 エンドエフェクタ
12 天井パネル(部材)
14 支持手段
16 自在継手
18 基部プレート(基部)
20 支持テーブル
22 把持手段
24 角度変更手段
26 ホルダー
26A 基部
28 フック(係合部)
30 エアシリンダ(格納手段)
30A,32A ロッド
32 電動シリンダ(移動手段)
34 電動シリンダ(第1支持部材)
36 電動シリンダ(第2支持部材)
34A,36A ロッド
P 下地材(支持材)
図1
図2
図3
図4
図5