特開2019-214115(P2019-214115A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2019-214115可撓性軌条式作業システム、及び、方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-214115(P2019-214115A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】可撓性軌条式作業システム、及び、方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 21/00 20060101AFI20191122BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20191122BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20191122BHJP
【FI】
   B23P21/00 303Z
   B64C1/00 Z
   B64F5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2019-76069(P2019-76069)
(22)【出願日】2019年4月12日
(31)【優先権主張番号】15/963,148
(32)【優先日】2018年4月26日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】クオック トゥン チャン
(72)【発明者】
【氏名】タンニ シスコ
(72)【発明者】
【氏名】エリック エム.レイド
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー マーティン デブリン
【テーマコード(参考)】
3C030
【Fターム(参考)】
3C030CC00
3C030DA01
3C030DA02
3C030DA38
(57)【要約】      (修正有)
【課題】可撓性軌条システムを取り付けるための方法を提供する。
【解決手段】ベース取付システム107と、可撓性軌条システム115における複数の可撓性軌条110とを接続する可変高さベースシステム121について、複数の高さ111又は複数の角度122のうちの少なくとも一つが選択される。前記可変高さベースシステム121についての前記複数の高さ111又は前記複数の角度122のうちの少なくとも一つにより、前記複数の可撓性軌条110と、前記ベース取付システム107が取り付けられた構造体102の表面120との間の所望距離118を維持すること、又は、前記可撓性軌条システム115における前記複数の可撓性軌条110が、前記構造体102の前記表面120の輪郭128に合致した状態を維持すること、のうちの少なくとも一方が行われる。前記可撓性軌条システム115は、前記構造体102の前記表面120に取り付けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の可撓性軌条と、
ベース取付システムと、
前記ベース取付システムと前記複数の可撓性軌条とを接続するベースシステムと、を含み、前記ベースシステムは、前記複数の可撓性軌条と、前記ベース取付システムが取り付けられた構造体の表面との間の所望距離を維持するとともに、前記複数の可撓性軌条が前記構造体の前記表面における複数の構造フレームを跨ぐようにすることができ、
前記ベースシステムは、
前記ベース取付システムと前記複数の可撓性軌条とを接続する可変高さベースシステムであり、前記可変高さベースシステムは、前記複数の可撓性軌条と、前記ベース取付システムが取り付けられた前記構造体の表面との間の前記所望距離を維持するように選択される複数の高さを有する、軌条式作業システム。
【請求項2】
前記複数の可撓性軌条は、
第1可撓性軌条と、
第2可撓性軌条と、を含み、前記第2可撓性軌条は、前記第1可撓性軌条に対して平行であり、前記第1可撓性軌条と前記第2可撓性軌条とは、前記構造体における継合わせ部に対して平行に配置されている、請求項1に記載の軌条式作業システム。
【請求項3】
前記可変高さベースシステムは、
複数のベースを含み、前記複数のベースは、前記複数の可撓性軌条が前記構造体の輪郭に合致するように、前記構造体の前記表面から前記所望距離を隔てた位置に前記複数の可撓性軌条を維持するように選択される前記複数の高さを有する、請求項1又は2に記載の軌条式作業システム。
【請求項4】
前記ベースは、前記複数の可撓性軌条のうちの、前記ベースに接続された可撓性軌条の角度を設定するように構成されており、その際、前記可撓性軌条が、当該可撓性軌条の位置において前記構造体の輪郭に合致するとともに、前記表面に対して略垂直になるように角度を設定し、好ましくは、前記構造体は、半径が縮小する胴体セクションであり、前記複数の可撓性軌条のための前記複数のベースの複数の角度は、前記半径が縮小するにつれて大きくなる、請求項3に記載の軌条式作業システム。
【請求項5】
前記可変高さベースシステムは、さらに、
前記複数のベース及び前記複数の可撓性軌条に接続された複数のフレームを含み、前記複数のベースは、前記ベース取付システムに接続されており、好ましくは、
前記フレームは、当該フレームに接続された前記可撓性軌条の角度を設定するために前記ベースに回転可能に接続されており、角度の設定は、前記可撓性軌条が、前記構造体上の前記可撓性軌条の前記位置において前記構造体の輪郭に合致するように行われる、請求項4に記載の軌条式作業システム。
【請求項6】
前記ベースは、前記フレームに接続された角度付端部を有しており、当該角度付端部の角度により、前記可撓性軌条が、前記構造体上の前記可撓性軌条の前記位置において、前記構造体の輪郭に合致することができる、請求項5に記載の軌条式作業システム。
【請求項7】
前記複数の可撓性軌条、前記ベース取付システム、及び、前記可変高さベースシステムは、可撓性軌条システムを形成しており、さらに、
位置決めシステムを含み、前記位置決めシステムは、前記可変高さベースシステムから延びるとともに、正確に作業を実行するために、前記構造体の一組の特異部に接続して、前記可撓性軌条システムを、前記構造体における所望位置に配置するように構成されており、
好ましくは、
前記一組の特異部は、前記構造体における一組の窓開口部を含み、前記位置決めシステムは、一組の窓プラグと、当該一組の窓プラグを前記可変高さベースシステムに接続する複数のリンクピンとを含み、前記可撓性軌条は、前記一組の窓プラグが前記一組の窓開口部に接続されている状態で、前記構造体の前記表面における所望位置に配置されること、
及び/又は、
前記ベース取付システムは、真空カップシステムであり、前記位置決めシステムは、前記真空カップシステムが前記構造体の前記表面に取り付けられている状態において前記真空カップシステムで真空損失が発生した場合、前記複数の可撓性軌条を支持すること、を実現する、請求項1〜6のいずれかに記載の軌条式作業システム。
【請求項8】
前記複数の可撓性軌条、前記ベース取付システム、及び、前記可変高さベースシステムは、可撓性軌条システムを形成しており、さらに、
前記複数のフレームに接続された複数の軌条クランプを含み、前記複数のフレームは、前記複数のベース及び前記複数の可撓性軌条に接続されており、前記複数の軌条クランプは、前記構造体における構造フレームを挟持するように構成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の軌条式作業システム。
【請求項9】
構造体においてクローラロボットを移動させるための方法であって、
前記構造体の前記表面における複数の構造フレームを跨ぐように、可撓性軌条システムを前記構造体の表面に掛け渡し装着し、前記表面は、前記構造体の内側モールドライン側、及び、外側モールドライン側のうちの一方における面であり、
前記構造体の前記表面に取り付けられた前記可撓性軌条システム上でクローラロボットを移動させ、
前記構造体の前記表面における前記複数の構造フレームを跨ぐように、前記可撓性軌条システムを前記構造体の前記表面に掛け渡し装着するステップにおいて、前記可撓性軌条システムは、複数の可撓性軌条と、ベース取付システムと、当該ベース取付システムと当該複数の可撓性軌条とを接続するベースシステムと、を含み、前記ベースシステムにより、前記複数の可撓性軌条が前記構造体の前記表面における複数の構造フレームを跨ぐことができ、
さらに、
前記クローラロボットを用いて、前記構造体上で作業を実行することを含み、
前記クローラロボットを用いて作業を実行するステップにおいて、前記ベースシステムは、前記ベース取付システムと前記複数の可撓性軌条とを接続する可変高さベースシステムを含み、前記可変高さベースシステムは、前記クローラロボットが正確に作業を実行できるように、前記複数の可撓性軌条と、前記ベース取付システムが取り付けられた構造体の表面との間の所望距離を維持するように選択される複数の高さを有する、方法。
【請求項10】
可撓性軌条システムを取り付けるための方法であって、
ベース取付システムと、前記可撓性軌条システムにおける複数の可撓性軌条とを接続する可変高さベースシステムについて、複数の高さ又は複数の角度のうちの少なくとも一つを選択し、前記可変高さベースシステムについての前記複数の高さ又は前記複数の角度のうちの少なくとも一つにより、前記複数の可撓性軌条と、前記ベース取付システムが取り付けられた構造体の表面との間の所望距離を維持すること、又は、前記可撓性軌条システムにおける前記複数の可撓性軌条が、前記構造体の前記表面の輪郭に合致した状態を維持すること、のうちの少なくとも一方が行われ、
前記可撓性軌条システムを前記構造体の前記表面に取り付け、前記可変高さベースシステム、又は、前記ベース取付システムのうちの少なくとも一方の構成により、前記複数の可撓性軌条が、前記構造体の前記表面における複数の構造フレームを跨ぐようにする、方法。
【請求項11】
構造体の表面における輪郭に対応して曲がるように構成されている第1可撓性軌条及び第2可撓性軌条を含む複数の可撓性軌条と、
真空カップシステムと、
前記真空カップシステムと前記複数の可撓性軌条とを相互接続する可変高さベースシステムと、
可撓性軌条システムと、を含み、当該可撓性軌条システムにおいて、前記可変高さベースシステムは、前記複数の可撓性軌条と、前記真空カップシステムが取り付けられた前記構造体の前記表面との間の所望距離を維持するように選択される複数の高さを有し、前記可変高さベースシステムは、
前記複数の可撓性軌条に接続された複数のフレームと、
前記複数のフレームに接続された複数のベースと、を含み、前記複数のベースの前記複数のフレームは、前記複数の可撓性軌条が前記構造体の輪郭に合致するように、前記構造体の前記表面から前記所望距離を隔てた位置に前記複数の可撓性軌条を維持するように選択される前記高さを有し、前記ベースは、前記複数の可撓性軌条のうち、当該ベースに接続された可撓性軌条の角度を設定して、その際、前記可撓性軌条が、当該可撓性軌条の位置において、前記構造体の輪郭に合致するように当該角度を設定するように構成されており、前記ベースは、前記フレームに回転可能に接続し、これにより、前記フレームに接続された前記可撓性軌条が、前記構造体における前記可撓性軌条の前記位置で、前記構造体の前記輪郭に合致するような態様で、前記可撓性軌条の前記角度を設定すること、又は、前記フレームに接続された角度付端部を有し、当該角度付端部の角度により、前記可撓性軌条が、前記構造体における前記可撓性軌条の前記位置で、前記構造体の輪郭に合致するように、前記可撓性軌条の前記角度を設定すること、のうちの少なくとも一方を行い、前記可変高さベースシステム、又は、前記真空カップシステムのうちの少なくとも一方の構成により、前記複数の可撓性軌条が、前記構造体の前記表面における複数の構造フレームを跨ぐことができ、
さらに、
前記可変高さベースシステムから延びるとともに、前記構造体に対して正確に作業を実行するために、前記構造体の一組の特異部に接続して、前記可撓性軌条システムを、前記構造体における所望位置に配置するように構成された位置決めシステムと、
前記第1可撓性軌条と前記第2可撓性軌条との間に所望のスパンが設けられるように、前記第1可撓性軌条と前記第2可撓性軌条とを接続するように構成されるとともに、前記第1可撓性軌条と前記第2可撓性軌条との間の継合わせ部を跨ぐスプレッダバーと、
前記複数の可撓性軌条に沿って移動して、前記構造体に対して前記作業を実行するように構成されたクローラロボットと、を含む、真空軌条式作業システム。
【請求項12】
請求項11に記載の真空軌条式作業システムを用いて、航空機の一部を作製するための方法。
【請求項13】
構造体の表面においてクローラロボットを移動させるための方法であって、
正確に作業を実行するために、位置決めシステムを用いて、前記構造体における一組の特異部に対して可撓性軌条システムを接続して、当該可撓性軌条システムを、前記構造体における所望位置に配置し、
前記可撓性軌条システムを、前記構造体の前記表面に取り付け、前記可撓性軌条システムは、複数の可撓性軌条と、真空カップシステムと、可変高さベースシステムとを含み、当該可変高さベースシステムは、前記真空カップシステムと前記複数の可撓性軌条とを接続する複数のフレーム及び複数のベースを有し、前記複数のベースは、複数の真空カップと前記複数のフレームとに接続されており、前記ベースは、前記複数の可撓性軌条が前記構造体の輪郭に合致するように、前記ベースに対して選択された前記構造体の位置において、前記構造体の前記表面から所望距離を隔てた位置に、前記可撓性軌条を維持するように選択される高さを有し、前記ベースは、当該ベースに接続された可撓性軌条の角度を設定して、その際、前記可撓性軌条が、当該可撓性軌条の位置において、前記構造体の輪郭に合致するように当該角度を設定するように構成されており、前記ベースは、前記複数のフレームにおけるフレームに回転可能に接続し、これにより、前記フレームに接続された前記可撓性軌条が、前記構造体における前記可撓性軌条の前記位置で、前記構造体の前記輪郭に合致するような態様で、前記可撓性軌条の前記角度を設定すること、又は、前記フレームに接続された角度付端部を有し、当該角度付端部の角度により、前記可撓性軌条が、前記構造体における前記可撓性軌条の前記位置で、前記構造体の輪郭に合致することができるように、前記可撓性軌条の前記角度を設定すること、のうちの少なくとも一方を行い、前記可変高さベースシステムにより、前記複数の可撓性軌条が、前記構造体の前記表面における複数の構造フレームを跨ぐことができ、
前記可撓性軌条システムに対して前記クローラロボットを取り付け、
前記構造体の前記表面に取り付けられた前記可撓性軌条システム上で前記クローラロボットを移動させ、
前記クローラロボットを用いて前記構造体に対して作業を実行する、方法。
【請求項14】
前記一組の特異部は、前記構造体における一組の窓開口部を含み、前記位置決めシステムは、一組の窓プラグと、当該一組の窓プラグを前記可変高さベースシステムに接続する複数のリンクピンとを含み、前記可撓性軌条は、前記一組の窓プラグが前記一組の窓開口部に接続されている状態で、前記構造体の前記表面における所望位置に配置される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
さらに、
前記真空カップシステムが前記構造体の前記表面に取り付けられている状態において前記真空カップシステムで真空損失が発生した場合、前記可撓性軌条システムを支持することを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、作業システムに関し、特に、可撓性軌条式作業システムを用いて製造作業を実行するための方法、装置、及び、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の製造においては、航空機を形成するために多数のコンポーネントの組み立てが行われうる。例えば、中型商用ジェット機の形態をとる航空機は、当該ジェット機を形成するために作製されて組み立てられる数百万個の部品を有しうる。
【0003】
アセンブリ及びサブアセンブリを含む構造体を形成するための部品の組み立てには、ファスナシステムが用いられる場合がある。航空機を組み立てるための工場レベルの自動化には、穿孔及びファスナの挿入の自動化が含まれる。例えば、航空機の胴体の様々なセクションの接合は、ロボットアームや可撓性軌条クローラ(flex track crawlers)などの装置を利用して自動化することができる。
【0004】
航空機の胴体は、胴体断面形状の一連のフープ状フレームが長手方向のストリンガに取り付けられたモノコック又はセミモノコックのシェルを含みうる。この構造体は、外板材料で覆われている。最近の大型航空機の多くには、いくつかの大型のセクションが用いられており、これらのセクションを固定、リベット留め、又は、接着することにより接合して、航空機の完全な胴体が形成される。
【0005】
軌条システムは、胴体セクションの内側モールドライン側、又は、外側モールドライン側に取り付けることができる。このタイプのシステムを用いる場合、胴体の表面に対して単一軌条、又は、二重軌条を取り付けることができる。このタイプの軌条は、真空システムを用いて胴体の表面に取り付けられる場合が多く、当該真空システムにおいて、軌条に接続された真空カップが、真空を印加して胴体の表面に軌条を保持する。上記軌条にはクローラロボットなどのロボットが接続されており、このロボットが、軌条に沿って移動して、穿孔やファスナの取り付けなどの製造作業を実行する。
【0006】
しかしながら、現在用いられている軌条システムは、湾曲した胴体のセクションにおける胴体表面に対して一定の距離を保つことができない。いくつかのファスナ取付システムは、ファスナを取り付けるために、胴体表面から特定の距離又はオフセットを必要とする。この距離が特定の高さを超えて変化した場合、ファスナを取り付けられなかったり、或いは、正しく取り付けられなかったりする可能性がある。
【0007】
したがって、上述した問題のうちの少なくともいくつかと、その他の考えられる問題を考慮にいれた方法及び装置を有することが望ましい。例えば、製造作業が行われる構造体の表面から所望距離を維持する軌条システムの取り付けに関する技術的問題を克服する方法及び装置を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
本開示の実施形態においては、真空軌条式作業システムが提供される。この真空軌条式作業システムは、複数の可撓性軌条と、ベース取付システムと、前記ベース取付システムと前記複数の可撓性軌条とを接続する可変高さベースシステムとを含み、前記可変高さベースシステムは、前記複数の可撓性軌条と、前記ベース取付システムが取り付けられた構造体の表面との間の所望距離を維持するように選択される複数の高さを有する。
【0009】
本開示の他の実施形態においては、構造体の表面においてクローラロボットを移動させるための方法が提供される。前記構造体の前記表面に取り付けられた可撓性軌条システム上でクローラが移動される。前記可撓性軌条システムは、複数の可撓性軌条と、ベース取付システムと、前記ベース取付システムと前記複数の可撓性軌条とを接続するベースシステムと、を含み、前記ベースシステムにより、前記複数の可撓性軌条が、前記構造体の前記表面における複数の構造フレームを跨ぐことができる。前記構造体に対する作業は、前記クローラロボットを用いて実行することができる。
【0010】
本開示におけるさらに他の実施形態においては、可撓性軌条システムを取り付けるための方法が提供される。ベース取付システムと、前記可撓性軌条システムにおける複数の可撓性軌条とを接続する可変高さベースシステムについて、複数の高さ、又は、複数の角度のうちの少なくとも一つが選択され、前記可変高さベースシステムについての前記複数の高さ、又は、前記複数の角度のうちの少なくとも一つにより、前記複数の可撓性軌条と、前記ベース取付システムが取り付けられた構造体の表面との間の所望距離を維持すること、又は、前記可撓性軌条システムにおける前記複数の可撓性軌条が、前記構造体の前記表面の輪郭に合致した状態を維持すること、のうちの少なくとも一方が行われる。前記可撓性軌条システムは、前記構造体の前記表面に取り付けられている。
【0011】
本開示の他の実施形態においては、真空軌条式作業システムが提供される。この真空軌条式作業システムは、第1可撓性軌条及び第2可撓性軌条を含むとともに、構造体の表面における輪郭に対応して曲がるように構成されている複数の可撓性軌条と、真空カップシステムと、前記真空カップシステムと前記複数の可撓性軌条とを相互接続する可変高さベースシステムと、可撓性軌条システムと、を含み、当該可撓性軌条システムにおいて、前記可変高さベースシステムは、前記複数の可撓性軌条と、前記真空カップシステムが取り付けられた前記構造体の前記表面との間の所望距離を維持するように選択される複数の高さを有し、前記可変高さベースシステムは、 前記複数の可撓性軌条に接続された複数のフレームと、前記複数のフレームに接続された複数のベースと、を含み、前記複数のベースの前記複数のフレームは、前記構造体の前記表面から前記所望距離を隔てた位置に前記複数の可撓性軌条を維持し、その際、前記複数の可撓性軌条が前記構造体の輪郭に合致するように選択される前記高さを有し、前記ベースは、前記複数の可撓性軌条のうち、当該ベースに接続された可撓性軌条の角度を設定して、その際、前記可撓性軌条が、当該可撓性軌条の位置において、前記構造体の輪郭に合致するように当該角度を設定するように構成されており、前記ベースは、前記フレームに回転可能に接続し、これにより、前記フレームに接続された前記可撓性軌条が、前記構造体における前記可撓性軌条の前記位置で、前記構造体の前記輪郭に合致するような態様で、前記可撓性軌条の前記角度を設定すること、又は、前記フレームに接続された角度付端部を有し、当該角度付端部の角度により、前記可撓性軌条が、前記構造体における前記可撓性軌条の前記位置で、前記構造体の輪郭に合致することができるように、前記可撓性軌条の前記角度を設定すること、のうちの少なくとも一方を行う。前記真空軌条式作業システムは、さらに、前記可変高さベースシステムから延びる位置決めシステムであって、前記構造体に対して正確に作業を実行するために、前記構造体の一組の特異部に接続して、前記可撓性軌条システムを、前記構造体における所望位置に配置するように構成された位置決めシステムと、 前記第1可撓性軌条と前記第2可撓性軌条との間に所望のスパンが設けられるように、前記第1可撓性軌条と前記第2可撓性軌条とを接続するように構成されたスプレッダバーと、前記複数の可撓性軌条に沿って移動して、前記構造体に対して前記作業を実行するように構成されたクローラロボットと、を含む。
【0012】
本開示のさらに他の実施形態においては、構造体の表面においてクローラロボットを移動させるための方法が提供される。正確に作業を実行するために、位置決めシステムを用いて、前記構造体における一組の特異部に対して可撓性軌条システムが接続され、当該可撓性軌条システムが、前記構造体における所望位置に配置される。前記可撓性軌条システムが、前記構造体の前記表面に取り付けられる。前記可撓性軌条システムは、複数の可撓性軌条と、真空カップシステムと、可変高さベースシステムとを含み、当該可変高さベースシステムは、前記真空カップシステムと前記複数の可撓性軌条とを接続する複数のフレーム及び複数のベースを有し、前記複数のベースは、複数の真空カップと前記複数のフレームとに接続されており、前記ベースは、前記ベースに対して選択された前記構造体の位置において、前記構造体の前記表面から所望距離を隔てた位置に、前記複数の可撓性軌条における可撓性軌条を維持し、その際、前記複数の可撓性軌条が前記構造体の輪郭に合致するように選択される高さを有し、前記ベースは、当該ベースに接続された可撓性軌条の角度を設定して、その際、前記可撓性軌条が、当該可撓性軌条の位置において、前記構造体の輪郭に合致するように当該角度を設定するように構成されており、前記ベースは、前記複数のフレームにおけるフレームに回転可能に接続し、これにより、前記フレームに接続された前記可撓性軌条が、前記構造体における前記可撓性軌条の前記位置で、前記構造体の前記輪郭に合致するような態様で、前記可撓性軌条の前記角度を設定すること、又は、前記フレームに接続された角度付端部を有し、当該角度付端部の角度により、前記可撓性軌条が、前記構造体における前記可撓性軌条の前記位置で、前記構造体の輪郭に合致することができるように、前記可撓性軌条の前記角度を設定すること、のうちの少なくとも一方を行う。前記クローラロボットは、前記可撓性軌条システムに取り付けられる。前記クローラロボットは、前記構造体の前記表面に取り付けられた前記可撓性軌条システム上で移動される。前記構造体に対する作業は、前記クローラロボットを用いて実行される。
【0013】
上記特徴及び機能は、本開示の様々な実施形態において個別に達成可能であり、また、他の実施形態との組み合わせも可能である。この詳細については、以下の記載と図面から明らかになるであろう。
【0014】
本開示は、さらに以下の付記も含む。
【0015】
付記1.複数の可撓性軌条(110)と、
ベース取付システム(107)と、
前記ベース取付システム(107)と前記複数の可撓性軌条(110)とを接続するベースシステム(121)と、を含み、前記ベースシステム(121)は、前記複数の可撓性軌条(110)と、前記ベース取付システム(107)が取り付けられた構造体(102)の表面(120)との間の所望距離(118)を維持し、且つ、前記ベースシステム(121)により、前記複数の可撓性軌条(110)が、前記構造体(102)の前記表面(120)における複数の構造フレーム(197)を跨ぐようにすることができる、軌条式作業システム(115)。
【0016】
付記2.前記複数の可撓性軌条(110)は、
第1可撓性軌条(156)と、
第2複数の可撓性軌条(158)と、を含み、前記第2可撓性軌条(158)は、前記第1可撓性軌条(156)に対して平行であり、前記第1可撓性軌条(156)と前記第2可撓性軌条(158)とは、前記構造体(102)における継合わせ部(101)に対して平行に配置されている、付記1に記載の軌条式作業システム(115)。
【0017】
付記3.前記ベースシステムは(121)、
前記ベース取付システム(107)と前記複数の可撓性軌条(110)とを接続する可変高さベースシステム(121)であり、前記可変高さベースシステム(121)は、前記複数の可撓性軌条(110)と、前記ベース取付システム(107)が取り付けられた前記構造体(102)の表面(120)との間の前記所望距離(118)を維持するように選択された複数の高さ(111)を有する、付記1又は2に記載の軌条式作業システム(115)。
【0018】
付記4.前記可変高さベースシステム(121)は、
複数のベース(124)を含み、前記複数のベースは、前記構造体(102)の前記表面(120)から前記所望距離(118)を隔てた位置に前記複数の可撓性軌条(110)を維持し、その際、前記複数の可撓性軌条(110)が前記構造体(102)の輪郭(128)に合致するように選択される前記複数の高さ(111)を有する、付記3に記載の軌条式作業システム(115)。
【0019】
付記5.前記複数のベース(124)におけるベース(130)は、前記複数の可撓性軌条(110)のうちの、前記ベース(130)に接続された可撓性軌条(134)の角度(132)を設定するように構成されており、その際、前記可撓性軌条(134)が、当該可撓性軌条(134)の位置において前記構造体(102)の輪郭(128)に合致し、且つ、前記可撓性軌条(134)が、前記表面(120)に対して略垂直になるように角度を設定する、付記4に記載の軌条式作業システム(115)。
【0020】
付記6.前記構造体(102)は、半径(457)が縮小する胴体セクションであり、前記複数の可撓性軌条(110)のための前記複数のベース(124)の複数の角度(122)は、前記半径(457)が縮小するにつれて大きくなる、付記5に記載の軌条式作業システム(115)。
【0021】
付記7.前記可変高さベースシステム(121)は、さらに、
前記複数のベース(124)及び前記複数の可撓性軌条(110)に接続された複数のフレーム(126)を含み、前記複数のベース(124)は、前記ベース取付システム(107)に接続されている、付記5又は6に記載の軌条式作業システム(115)。
【0022】
付記8.前記複数のフレーム(126)におけるフレーム(140)は、当該フレーム(140)に接続された前記可撓性軌条(134)の角度(132)を設定するために前記ベース(13)に回転可能に接続されており、角度の設定は、前記可撓性軌条(134)が、前記構造体(102)上の前記可撓性軌条(134)の前記位置において前記構造体(102)の輪郭(128)に合致するように行われる、付記7に記載の軌条式作業システム(115)。
【0023】
付記9.前記ベース(13)は、前記フレーム(140)に接続された角度付端部(138)を有しており、当該角度付端部(138)の角度(132)により、前記可撓性軌条(134)が、前記構造体(102)上の前記可撓性軌条(134)の前記位置において、前記構造体(102)の輪郭(128)に合致することができる、付記7又は8に記載の軌条式作業システム(115)。
【0024】
付記10.前記複数の可撓性軌条(110)、前記ベース取付システム(107)、及び、前記可変高さベースシステム(121)は、可撓性軌条システム(115)を形成しており、さらに、
位置決めシステム(142)を含み、前記位置決めシステム(142)は、前記可変高さベースシステム(121)から延びるとともに、正確に作業(108)を実行するために、前記構造体(102)の一組の特異部(144)に接続して、前記可撓性軌条システム(115)を、前記構造体(102)における所望位置(146)に配置するように構成されている、付記3〜9のいずれかに記載の軌条式作業システム(115)。
【0025】
付記11.前記一組の特異部(144)は、前記構造体(102)における一組の窓開口部(148)を含み、前記位置決めシステム(142)は、一組の窓プラグ(150)と、当該一組の窓プラグ(150)を前記可変高さベースシステム(121)に接続する複数のリンクピン(152)とを含み、前記可撓性軌条(134)は、前記一組の窓プラグ(150)が前記一組の窓開口部(148)に接続されている状態で、前記構造体(102)の前記表面(120)における所望位置(146)に配置される、付記10に記載の軌条式作業システム(115)。
【0026】
付記12.前記ベース取付システム(107)は、真空カップシステム(112)であり、前記位置決めシステム(142)は、前記真空カップシステム(112)が前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付けられている状態において前記真空カップシステム(112)で真空損失が発生した場合、前記複数の可撓性軌条(110)を支持する、付記10又は11に記載の軌条式作業システム(115)。
【0027】
付記13.前記複数の可撓性軌条(110)は、互いに平行な第1可撓性軌条(156)と第2可撓性軌条(158)とを含み、さらに、
前記第1可撓性軌条(156)及び前記第2可撓性軌条(158)に接続するように構成されたスプレッダバー(160)を含み、その際、前記第1可撓性軌条(156)と前記第2可撓性軌条(158)との間に所望のスパン(162)が設けられるとともに、前記第1可撓性軌条(156)及び前記第2可撓性軌条(158)が互いに均一間隔になるように接続を行う、付記1〜12のいずれかに記載の軌条式作業システム(115)。
【0028】
付記14.前記スプレッダバー(160)は、第1可撓性軌条と第2可撓性軌条との間の継合わせ部(101)を跨いでいる、付記13に記載の軌条式作業システム(115)。
【0029】
付記15.さらに、前記複数の可撓性軌条(110)に沿って移動して、作業(108)を実行するように構成されたクローラロボット(164)を含む、付記1〜14のいずれかに記載の軌条式作業システム(115)。
【0030】
付記16.さらに、前記クローラロボット(164)を前記複数の可撓性軌条(110)に配置するように構成された支持システム(166)を含む、付記15に記載の軌条式作業システム(115)。
【0031】
付記17.前記可撓性軌条システム(115)、及び、前記クローラロボット(164)は、前記構造体(102)の内側モールドライン(IML)側に配置されており、さらに、
前記構造体(102)の外側モールドライン側(177)に配置された追加の可撓性軌条を有する追加の軌条システム(181)と、
前記追加の可撓性軌条に沿って移動して、前記作業(108)を実行するように構成された追加のクローラロボット(182)と、を含み、前記作業(108)を実行するために、コントローラ(190)が、前記クローラロボット(164)、及び、前記追加のクローラロボット(182)の動作を連携させる、付記15又は16に記載の軌条式作業システム(115)。
【0032】
付記18.前記複数の可撓性軌条(110)は、前記構造体(102)の前記表面(120)における輪郭(128)に対応して曲がるように構成されている、付記1〜17のいずれかに記載の軌条式作業システム(115)。
【0033】
付記19.前記複数の可撓性軌条(110)、前記ベース取付システム(107)、及び、前記可変高さベースシステム(121)は、可撓性軌条システム(115)を形成している、付記3〜18のいずれかに記載の軌条式作業システム(115)。
【0034】
付記20.さらに、前記可撓性軌条システム(115)を、前記構造体(102)の前記表面(120)における所望位置(146)に配置するように構成された支持システム(166)を含む、付記19に記載の軌条式作業システム(115)。
【0035】
付記21.さらに、前記複数のフレーム(126)に接続された複数の軌条クランプ(168)を含み、前記複数のフレームは、前記複数のベース(124)及び前記複数の可撓性軌条(110)に接続されており、前記複数の軌条クランプ(168)は、前記構造体(102)における構造フレーム(170)を挟持するように構成されている、付記19又は20に記載の軌条式作業システム(115)。
【0036】
付記22.前記表面(120)は、前記構造体(102)の内側モールドライン側(171)及び外側モールドライン側(177)のうちの一方における面である、付記1〜21のいずれかに記載の軌条式作業システム(115)。
【0037】
付記23.前記構造体は、アセンブリ、サブアセンブリ、胴体セクション、翼、ウィングボックス、水平安定板、着陸ギアシステム、油圧システム、外板パネル、ストリンガ、胴体セクション、及び、複合材胴体セクションからなる群から選択される、付記1〜22のいずれかに記載の軌条式作業システム(115)。
【0038】
付記24.付記1に記載の前記軌条式作業システム(115)を用いて、航空機の一部を作製するための方法。
【0039】
付記25.構造体においてクローラロボット(164)を移動させるための方法であって、
前記構造体の前記表面(120)における複数の構造フレーム(197)を跨ぐように、可撓性軌条システム(115)を前記構造体(102)の表面(120)に取り付け、前記表面(120)は、前記構造体(102)の内側モールドライン側(171)及び外側モールドライン側(177)のうちのいずれか一方における面であり、
前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付けられた前記可撓性軌条システム(115)上でクローラロボット(164)を移動させる、方法。
【0040】
付記26.前記構造体(102)の前記表面(120)における前記複数の構造フレーム(197)を跨ぐように、前記可撓性軌条システム(115)を前記構造体(102)の前記表面(120)に掛け渡し装着するステップにおいて、前記可撓性軌条システム(115)は、複数の可撓性軌条(110)と、ベース取付システム(107)と、前記ベース取付システム(107)及び前記複数の可撓性軌条(110)を接続するベースシステム(121)と、を含み、前記ベースシステム(121)により、前記複数の可撓性軌条(110)が、前記構造体(102)の前記表面(120)における複数の構造フレーム(197)を跨ぐことができる、付記25に記載の方法。
【0041】
付記27.前記クローラロボット(164)を用いて、前記構造体(102)上で作業(108)を実行することをさらに含む、付記25又は26に記載の方法。
【0042】
付記28. 前記可撓性軌条システム(115)を、前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付けることと、
前記クローラロボット(164)を、前記可撓性軌条システム(115)に取り付けることと、をさらに含む、付記25、26、又は、27に記載の方法。
【0043】
付記29.前記取付ステップは、
第1可撓性軌条(156)と第2可撓性軌条(158)とが互いに平行に配置され、且つ、これらの軌条が、前記構造体(102)における継合わせ部(101)に対して平行に配置されるように、前記第1可撓性軌条(156)及び前記第2可撓性軌条(158)を取り付けることを含む、付記28に記載の方法。
【0044】
付記30.前記クローラロボット(164)を用いて作業(108)を実行するステップにおいて、前記ベースシステム(121)は、前記ベース取付システム(107)と前記複数の可撓性軌条(110)とを接続する可変高さベースシステム(121)(114)を含み、前記可変高さベースシステム(121)(114)は、前記クローラロボット(164)が正確に前記作業(108)を実行できるように、前記複数の可撓性軌条(110)と、前記ベース取付システム(107)が取り付けられた構造体(102)の表面(120)との間の所望距離(118)を維持するように選択される複数の高さ(111)を有する、付記26〜29のいずれかに記載の方法。
【0045】
付記31.前記クローラロボット(164)を用いて作業(108)を実行するステップにおいて、前記可変高さベースシステム(121)(114)は、複数のベースを含み、これらのベースは、前記複数の可撓性軌条(110)が、前記構造体(102)の前記表面(120)から前記所望距離(118)を隔てた位置に前記複数の可撓性軌条(110)を維持するように選択される前記複数の高さ(111)を有する、付記30に記載の方法。
【0046】
付記32.前記クローラロボット(164)を用いて作業(108)を実行するステップにおいて、前記複数のベース(124)におけるベースは、当該ベースに接続された可撓性軌条(134)の角度を設定するように構成されており、その際、前記クローラロボット(164)が、正確に前記作業(108)を実行できるように、前記可撓性軌条(134)が、当該可撓性軌条(134)の位置において前記構造体(102)の輪郭に合致するように当該角度を設定する、付記31に記載の方法。
【0047】
付記33.前記構造体(102)は、半径(457)が縮小する胴体セクションであり、前記複数の可撓性軌条(110)のための前記複数のベース(124)の複数の角度(122)は、前記半径(457)が縮小するにつれて大きくなる、付記31又は32に記載の方法。
【0048】
付記34.前記クローラロボット(164)を用いて作業(108)を実行するステップにおいて、前記可変高さベースシステム(121)(114)は、さらに複数のフレーム(126)を含み、前記複数のベース(124)は、前記真空カップシステム(112)に接続されており、前記複数のフレーム(126)は、前記複数の可撓性軌条(110)に接続されており、前記複数のフレーム(126)におけるフレーム(140)は、当該フレーム(140)に接続された前記可撓性軌条(134)の前記角度(132)を設定するために前記ベース(130)に回転可能に接続されており、その際、前記クローラロボット(164)が、正確に前記作業(108)を実行できるように、前記可撓性軌条(134)が、前記構造体(102)上の前記可撓性軌条(134)の前記位置において前記構造体(102)の前記輪郭(128)に合致するように当該角度を設定する、付記32又は33に記載の方法。
【0049】
付記35.前記クローラロボット(164)を用いて作業(108)を実行するステップにおいて、前記ベース(130)は、前記複数のフレーム(126)におけるフレーム(140)に接続された角度付端部(138)を有しており、前記角度付端部(138)の角度(132)により、前記可撓性軌条(134)が、前記構造体(102)上の前記可撓性軌条(134)の前記位置において、前記構造体(102)の輪郭に合致することができ、これにより、前記クローラロボット(164)は、正確に前記作業(108)を実行することができる、付記34に記載の方法。
【0050】
付記36.さらに、位置決めシステム(142)を用いて前記可撓性軌条システム(115)を配置することを含み、前記位置決めシステム(142)は、前記可変高さベースシステム(121)(114)から延びるとともに、正確に作業(108)を実行するために、前記構造体(102)の一組の特異部(144)に接続して、前記可撓性軌条システム(115)を、前記構造体(102)における前記クローラロボット(164)のための所望位置(146)に配置するように構成されている、付記30〜35のいずれかに記載の方法。
【0051】
付記37.前記配置ステップは、さらに、
前記位置決めシステム(142)を用いて前記可撓性軌条システム(115)を配置することを含み、前記一組の特異部(144)は、前記構造体(102)における一組の窓開口部(148)を含み、前記位置決めシステム(142)は、一組の窓プラグ(150)と、当該一組の窓プラグ(150)を前記可変高さベースシステム(121)(114)に接続する複数のリンクピン(152)とを含み、前記可撓性軌条(134)は、前記一組の窓プラグ(150)が前記一組の窓開口部(148)に接続されている状態で、前記構造体(102)の前記表面(120)における所望位置(146)に配置される、付記36に記載の方法。
【0052】
付記38.前記ベース取付システム(107)は、真空カップシステム(112)であり、前記配置ステップは、さらに、
前記位置決めシステム(142)を用いて前記可撓性軌条システム(115)を配置することを含み、前記位置決めシステム(142)は、前記真空カップシステム(112)が前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付けられている状態において前記真空カップシステムで真空損失が発生した場合、前記複数の可撓性軌条(110)を支持する、付記26〜37のいずれかに記載の方法。
【0053】
付記39.前記可撓性軌条システム(115)における前記複数の可撓性軌条(110)は、互いに平行な第1可撓性軌条(156)と第2可撓性軌条(158)とを含み、
前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付けられた前記可撓性軌条システム(115)上で前記クローラを移動させるステップにおいて、スプレッダバー(160)が、前記第1可撓性軌条(156)及び前記第2可撓性軌条(158)に接続し、その際、前記第1可撓性軌条(156)と前記第2可撓性軌条(158)との間に所望のスパン(162)が設けられるとともに、前記クローラロボット(164)が、前記複数の可撓性軌条(110)上を正確に移動するように接続を行う、付記25〜38のいずれかに記載の方法。
【0054】
付記40.さらに、支持システム(166)を用いて、前記複数の可撓性軌条(110)上の前記クローラロボット(164)を配置することを含む、付記39に記載の方法。
【0055】
付記41.前記クローラロボット(164)を用いて作業(108)を実行するステップにおいて、前記複数の可撓性軌条(110)は、前記クローラロボット(164)が正確に作業(108)を実行できるように、前記構造体(102)の前記表面における輪郭に対応して曲がるように構成されている、付記25〜40のいずれかに記載の方法。
【0056】
付記42.前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付けられた可撓性軌条システム(115)上で前記クローラロボット(164)を移動させるステップにおいて、前記表面(120)は、前記構造体(102)の内側モールドライン側(171)及び外側モールドライン側(177)のうちのいずれか一方における面である、付記25〜41のいずれかに記載の方法。
【0057】
付記43.前記可撓性軌条システム(115)及び前記クローラロボット(164)は、前記構造体(102)の内側モールドライン側(171)に配置されており、前記構造体(102)の外側モールドライン側(177)には、追加の可撓性軌条を有する追加の軌条システム(181)が配置されており、追加のクローラロボット(182)は、前記追加の可撓性軌条に沿って移動して、前記作業(108)を実行し、さらに、
前記構造体(102)に対する前記作業(108)を実行するために、前記クローラロボット(164)、及び、前記追加のクローラロボット(182)を連携させる、付記25〜42のいずれかに記載の方法。
【0058】
付記44.付記25〜43のいずれかに記載の軌条式作業システム(115)を用いて、航空機の一部を作製するための方法。
【0059】
付記45.可撓性軌条システム(115)を取り付けるための方法であって、
ベース取付システム(107)と、前記可撓性軌条システム(115)における複数の可撓性軌条(110)とを接続する可変高さベースシステム(121)について、複数の高さ(111)又は複数の角度(122)のうちの少なくとも一つを選択し、前記可変高さベースシステム(121)についての前記複数の高さ(111)又は前記複数の角度(122)のうちの少なくとも一つにより、前記複数の可撓性軌条(110)と、前記ベース取付システム(107)が取り付けられた構造体(102)の表面(120)との間の所望距離(118)を維持すること、又は、前記可撓性軌条システム(115)における前記複数の可撓性軌条(110)が、前記構造体(102)の前記表面(120)の輪郭(128)に合致した状態を維持すること、のうちの少なくとも一方が行われ、
前記可撓性軌条システム(115)を前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付け、前記可変高さベースシステム(121)、又は、前記ベース取付システム(107)のうちの少なくとも一方の構成により、前記複数の可撓性軌条(110)が、前記構造体(102)の前記表面(120)における複数の構造フレーム(197)を跨ぐようにすることができる、方法。
【0060】
付記46.前記可撓性軌条システム(115)を、前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付けることは、
前記複数の可撓性軌条(110)における第1可撓性軌条(156)と、前記複数の可撓性軌条(110)における第2可撓性軌条(158)との間にスプレッダバー(160)を取り付けることを含み、前記スプレッダバー(160)は、前記第1可撓性軌条(156)と前記第2可撓性軌条(158)との間の継合わせ部(101)を跨ぐようにする、付記45に記載の方法。
【0061】
付記47.前記可撓性軌条システム(115)を、前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付けることは、
前記可撓性軌条システム(115)を、前記構造体(102)の内側モールドライン側(171)、又は、前記構造体(102)の前記外側モールドライン側(177)における前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付けることを含む、付記45又は46に記載の方法。
【0062】
付記48.前記ベース取付システム(107)は、真空カップシステム(112)であって、前記可撓性軌条システム(115)を前記構造体(102)に取り付けることは、
前記真空カップシステム(112)に真空(113)を印加して、前記真空カップシステム(112)を前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付けることを含む、付記45、46、又は、47に記載の方法。
【0063】
付記49.前記可撓性軌条システム(115)を前記構造体(102)に取り付けることは、さらに、
前記可撓性軌条システム(115)を前記構造体(102)における所望位置(146)に取り付けるために、前記可撓性軌条システム(115)を前記構造体(102)における一組の特異部(144)に取り付けることを含む、付記48に記載の方法。
【0064】
付記50.前記一組の特異部(144)は、前記構造体(102)における一組の窓開口部(148)であり、前記取付ステップは、
一組の窓プラグ(150)を、前記構造体(102)における前記一組の窓開口部(148)に取り付けることと、
前記一組の窓プラグ(150)に対して前記可撓性軌条システム(115)を配置することと、
前記可撓性軌条システム(115)を前記一組の窓プラグ(150)に接続することと、を含む、付記49に記載の方法。
【0065】
付記51.前記可撓性軌条システム(115)を前記一組の窓プラグ(150)に接続することは、
リンクピン(152)を、前記可撓性軌条システム(115)の第1軌条の可変高さベースシステム(121)における複数のフレーム(126)、及び、前記一組の窓プラグ(150)に接続することを含む、付記50に記載の方法。
【0066】
付記52.前記一組の窓プラグ(150)に対して前記可撓性軌条システム(115)を配置することは、
前記一組の窓開口部(148)に取り付けられた前記一組の窓プラグ(150)に対して、前記可撓性軌条システム(115)を保持するカートを移動させて、前記可撓性軌条システム(115)が、前記一組の窓プラグ(150)に接続するための位置に配置されるようにする、付記51に記載の方法。
【0067】
付記53.前記ベース取付システム(107)は、真空カップシステム(112)であって、前記取付ステップは、
前記可撓性軌条システム(115)を前記構造体(102)に配置することと、
前記真空カップシステム(112)を用いて、前記可撓性軌条システム(115)に真空(113)を印加することと、を含む、付記45〜52に記載の方法。
【0068】
付記54.前記構造体(102)は、半径(457)が縮小する胴体セクションであり、前記複数の可撓性軌条(110)のための前記複数のベース(124)の複数の角度(122)は、前記半径(457)が縮小するにつれて大きくなる、付記45〜53のいずれかに記載の方法。
【0069】
付記55.前記構造体(102)は、アセンブリ、サブアセンブリ、胴体セクション、翼、ウィングボックス、水平安定板、着陸ギアシステム、油圧システム、外板パネル、ストリンガ、胴体セクション、及び、複合材胴体セクションからなる群から選択される、付記45〜54のいずれかに記載の方法。
【0070】
付記56.付記45〜55のいずれかに記載の方法に従って組み立てられた航空機の部分。
【0071】
付記57.第1可撓性軌条(156)及び第2可撓性軌条(158)を含む複数の可撓性軌条(110)であって、前記第1可撓性軌条(156)及び前記第2可撓性軌条(158)は、構造体(102)の表面(120)における輪郭(128)に対応して曲がるように構成されている、可撓性軌条と、
真空カップシステム(112)と、
前記真空カップシステム(112)と前記複数の可撓性軌条(110)とを相互接続する可変高さベースシステム(121)と、
可撓性軌条システム(115)と、を含み、当該可撓性軌条システムにおいて、前記可変高さベースシステム(121)は、前記複数の可撓性軌条(110)と、前記真空カップシステム(112)が取り付けられた前記構造体(102)の前記表面(120)との間の所望距離(118)を維持するように選択される複数の高さ(111)を有し、前記可変高さベースシステム(121)は、
前記複数の可撓性軌条(110)に接続された複数のフレーム(126)と、
前記複数のフレーム(126)に接続された複数のベース(124)と、を含み、前記複数のベース(124)の前記複数のフレーム(126)は、前記構造体(102)の前記表面(120)から前記所望距離(118)を隔てた位置に前記複数の可撓性軌条(110)を維持し、その際、前記複数の可撓性軌条(110)が前記構造体(102)の輪郭(128)に合致するように選択される前記高さ(111)を有し、前記複数のベース(124)におけるベース(130)は、前記複数の可撓性軌条(110)のうち、当該ベース(130)に接続された可撓性軌条(134)の角度(132)を設定して、その際、前記可撓性軌条(134)が、当該可撓性軌条(134)の位置において、前記構造体(102)の輪郭(128)に合致するように当該角度を設定するように構成されており、前記ベースは、前記複数のフレーム(126)におけるフレーム(140)に回転可能に接続し、これにより、前記フレーム(140)に接続された前記可撓性軌条(134)が、前記構造体(102)における前記可撓性軌条(134)の前記位置で、前記構造体(102)の前記輪郭(128)に合致するような態様で、前記可撓性軌条(134)の前記角度(132)を設定すること、又は、前記フレーム(140)に接続された角度付端部(138)を有し、当該角度付端部(138)の角度(132)により、前記可撓性軌条(134)が、前記構造体(102)における前記可撓性軌条(134)の前記位置で、前記構造体(102)の輪郭(128)に合致するように、前記可撓性軌条の前記角度を設定すること、のうちの少なくとも一方を行い、前記可変高さベースシステム(121)、又は、前記真空カップシステム(112)のうちの少なくとも一方の構成により、前記複数の可撓性軌条(110)が、前記構造体(102)の前記表面(120)における複数の構造フレーム(197)を跨ぐことができ、
さらに、
前記可変高さベースシステム(121)から延びる位置決めシステム(142)であって、前記構造体(102)に対して正確に作業(108)を実行するために、前記構造体(102)の一組の特異部(144)に接続して、前記可撓性軌条システム(115)を、前記構造体(102)における所望位置(146)に配置するように構成された位置決めシステム(142)と、
前記第1可撓性軌条(156)と前記第2可撓性軌条(158)との間に所望のスパン(162)が設けられるように、前記第1可撓性軌条(156)と前記第2可撓性軌条(158)とを接続するように構成されたスプレッダバー(160)であって、前記第1可撓性軌条(156)と前記第2可撓性軌条(158)との間の継合わせ部(101)を跨ぐスプレッダバー(160)と、
前記複数の可撓性軌条(110)に沿って移動して、前記構造体(102)に対して前記作業(108)を実行するように構成されたクローラロボット(164)と、を含む、真空軌条式作業システム(115)。
【0072】
付記58.前記一組の特異部(144)は、前記構造体(102)における一組の窓開口部(148)を含み、前記位置決めシステム(142)は、一組の窓プラグ(150)と、当該一組の窓プラグ(150)を前記可変高さベースシステム(114)に接続する複数のリンクピン(152)とを含み、前記可撓性軌条(134)は、前記一組の窓プラグ(150)が前記一組の窓開口部(148)に接続されている状態で、前記構造体(102)の前記表面(120)における所望位置に配置されており、前記位置決めシステム(142)は、前記真空カップシステム(112)が前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付けられている状態において前記真空カップシステムで真空損失が発生した場合、前記複数の可撓性軌条(110)を支持する、付記57に記載の真空軌条式作業システム(115)。
【0073】
付記59.前記可撓性軌条システム(115)、及び、前記クローラロボット(164)は、前記構造体(102)の内側モールドライン側(171)に配置されており、さらに、
前記構造体(102)の外側モールドライン側(177)に配置された追加の可撓性軌条を有する追加の軌条システム(181)と、
前記追加の可撓性軌条に沿って移動して、前記作業(108)を実行するように構成された追加のクローラロボット(182)と、を含み、前記作業(108)を実行するために、コントローラ(190)が、前記クローラロボット(164)、及び、前記追加のクローラロボット(182)の動作を連携させる、付記57又は58に記載の真空軌条式作業システム(115)。
【0074】
付記60.付記57、58、又は、59に記載の真空軌条式作業システム(115)を用いて、航空機の部分を作製するための方法。
【0075】
付記61.構造体(102)の表面(120)においてクローラロボット(164)を移動させるための方法であって、
正確に作業(108)を実行するために、位置決めシステム(142)を用いて、前記構造体(102)における一組の特異部(144)に対して可撓性軌条システム(115)を接続して、当該可撓性軌条システム(115)を、前記構造体(102)における所望位置(146)に配置し、
前記可撓性軌条システム(115)を、前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付け、前記可撓性軌条システム(115)は、複数の可撓性軌条(110)と、真空カップシステム(112)と、可変高さベースシステム(121)とを含み、当該可変高さベースシステムは、前記真空カップシステム(112)と前記複数の可撓性軌条(110)とを接続する複数のフレーム(126)及び複数のベース(124)を有し、前記複数のベース(124)は、複数の真空カップと前記複数のフレーム(126)とに接続されており、前記複数のベース(124)におけるベース(130)は、前記ベース(130)に対して選択された前記構造体(102)の位置において、前記構造体(102)の前記表面から所望距離(118)を隔てた位置に、前記複数の可撓性軌条(110)における可撓性軌条(134)を維持し、その際、前記複数の可撓性軌条(110)と前記構造体(102)の輪郭(128)とが合致するように選択される高さを有し、前記ベース(13)は、当該ベース(13)に接続された可撓性軌条(134)の角度(132)を設定して、その際、前記可撓性軌条(134)が、当該可撓性軌条(134)の位置において、前記構造体(102)の輪郭(128)に合致するように当該角度を設定するように構成されており、前記ベースは、前記複数のフレーム(126)におけるフレーム(140)に回転可能に接続し、これにより、前記フレーム(140)に接続された前記可撓性軌条(134)が、前記構造体(102)における前記可撓性軌条(134)の前記位置で、前記構造体(102)の前記輪郭(128)に合致するような態様で、前記可撓性軌条(134)の前記角度(132)を設定すること、又は、前記フレーム(140)に接続された角度付端部(138)を有し、当該角度付端部(138)の角度(132)により、前記可撓性軌条(134)が、前記構造体(102)における前記可撓性軌条(134)の前記位置で、前記構造体(102)の輪郭(128)に合致することができるように、前記可撓性軌条の前記角度を設定すること、のうちの少なくとも一方を行い、前記可変高さベースシステム(121)により、前記複数の可撓性軌条(110)が、前記構造体(102)の前記表面(120)における複数の構造フレーム(197)を跨ぐことができ、
前記可撓性軌条システム(115)に対して前記クローラロボット(164)を取り付け、
前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付けられた前記可撓性軌条システム(115)上で前記クローラロボット(164)を移動させ、
前記クローラロボット(164)を用いて前記構造体(102)に対して作業(108)を実行する、方法。
【0076】
付記62.前記一組の特異部は、前記構造体(102)における一組の窓開口部を含み、前記位置決めシステムは、一組の窓プラグと、当該一組の窓プラグを前記可変高さベースシステム(121)(114)に接続する複数のリンクピンとを含み、前記可撓性軌条(134)は、前記一組の窓プラグが前記一組の窓開口部に接続されている状態で、前記構造体(102)の前記表面(120)における所望位置に配置される、付記61に記載の方法。
【0077】
付記63.さらに、前記真空カップシステム(112)が前記構造体(102)の前記表面(120)に取り付けられている状態において前記真空カップシステム(112)で真空損失が発生した場合、前記可撓性軌条システム(115)を支持することを含む、付記61に記載の方法。
【0078】
付記64.前記複数の可撓性軌条(110)は、互いに平行な第1可撓性軌条(156)と第2可撓性軌条(158)とを含み、さらに、
前記第1可撓性軌条(156)と前記第2可撓性軌条(158)との間に所望のスパン(162)が設けられるように、スプレッダバー(160)を用いて前記第1可撓性軌条(156)と前記第2可撓性軌条(158)とを接続することを含む、付記61、62、又は、63に記載の方法。
【0079】
付記65.前記構造体(102)は、アセンブリ、サブアセンブリ、胴体セクション、翼、ウィングボックス、水平安定板、着陸ギアシステム、油圧システム、外板パネル、ストリンガ、胴体セクション、及び、複合材胴体セクションからなる群から選択される、付記61〜64のいずれかに記載の方法。
【0080】
付記66.付記61〜65のいずれかに記載の方法に従って組み立てられた航空機の一部。
【図面の簡単な説明】
【0081】
例示的な実施形態に特有のものと考えられる新規の特徴は、添付の請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態、並びに、好ましい使用形態、さらに、その目的及び特徴は、本開示の例示的な実施形態について後述する詳細な説明を、添付図面と併せて参照することにより最もよく理解されるであろう。
【0082】
図1】例示的な実施形態による、作業環境を示すブロック図である。
図2】例示的な実施形態による、作業環境を示す図である。
図3】例示的な実施形態による、真空軌条式作業システムを示す拡大図である。
図4】例示的な実施形態による、胴体セクションに取り付けられた真空軌条式作業システムを示す断面図である。
図5】例示的な実施形態による、胴体セクションに取り付けられた真空軌条式作業システムを示す断面図である。
図6】例示的な実施形態による、可撓性軌条システムにおけるコンポーネントを示す図である。
図7】例示的な実施形態による、軌条クランプを示す拡大図である。
図8】例示的な実施形態による、可撓性軌条の角度を設定するための他の機構を示す図である。
図9】例示的な実施形態による、位置決めシステムの実施態様を示す図である。
図10】例示的な実施形態による、可撓性軌条システムの一部とクローラロボットとを配置するための支持システムを示す図である。
図11】例示的な実施形態による、作業環境を示す図である。
図12】例示的な実施形態による、構造体の表面においてクローラロボットを移動させるための処理を示すフローチャートである。
図13】例示的な実施形態による、可撓性軌条システムを設置するための処理を示すフローチャートである。
図14A-14B】例示的な実施形態による、真空軌条式作業システムを配備するための処理を示すフローチャートである。
図15】例示的な実施形態による、作業を実行するための処理を示すフローチャートである。
図16】例示的な実施形態による、航空機の製造及び保守方法を示すブロック図である。
図17】例示的な実施形態を実施可能な航空機を示すブロック図である。
図18】例示的な実施形態による、製品管理システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
例示的な実施形態においては、1つ又は複数の異なる事項が認識及び考慮されている。例えば、例示的な実施形態においては、現在使用されている軌条システムは可撓性軌条を含みうることが認識及び考慮されている。しかしながら、例示的な実施形態においては、湾曲面に可撓性軌条を接続する現在のフレームワークは、構造体の表面の輪郭を考慮にいれる場合には選択可能でないことが認識及び考慮されている。
【0084】
また、例示的な実施形態においては、軌条システムのフレームワークによって軌条が保持される角度が、構造体の表面に対する可撓性軌条の所望角度に維持されていないことも認識及び考慮されている。例えば、例示的な実施形態においては、現在用いられているファスナ取付システムの場合、構造体の表面に対してクローラロボットのツールが略垂直な状態で、当該ツールが動作することが認識及び考慮されている。この角度がある閾値量を超えてずれてしまうと、クローラロボットによるファスナの取り付けができなくなる。
【0085】
したがって、例示的な実施形態においては、真空軌条式作業システムのための方法、装置、及び、システムが提供される。一例においては、真空軌条式作業システムは、可撓性軌条と、真空ユニットと、可変高さベースシステムとを含む。可変高さベースシステムは、真空カップシステムと可撓性軌条とを相互接続する。可変高さベースシステムは、可撓性軌条と真空カップが取り付けられた構造体の表面との間の所望距離を維持するために選択される複数の高さを有する。
【0086】
ここで図面を参照すると、特に図1には、例示的な実施形態による、作業環境を示すブロック図が示されている。作業環境100は、軌条式作業システム105を用いて、物体104のための構造体102を製造することのできる環境である。
【0087】
図示例においては、構造体102は、複数の異なる形態をとることができる。例えば、構造体102は、アセンブリ、サブアセンブリ、胴体セクション、翼、ウィングボックス、水平安定板、着陸ギアシステム、油圧システム、外板パネル、ストリンガ、胴体セクション、複合材胴体セクション、及び、他の適切な構造体からなる群から選択することができる。
【0088】
物体104は、複数の異なる形態をとることができる。例えば、物体104は、可動式プラットフォーム、固定プラットフォーム、陸上ベースの構造体、水上ベースの構造体、及び、宇宙ベースの構造体であってもよい。より具体的には、物体104は、水上艦、航空機、戦車、軍用人員運搬車、列車、宇宙船、宇宙ステーション、衛星、潜水艦、自動車、発電所、橋、ダム、家屋、製造施設、建物、及び、他の適切なタイプの物体であってもよい。
【0089】
この図示例においては、軌条式作業システム105は、構造体102を製造するための作業108を実行するように動作する。作業108は、複数の異なる形態をとることができる。例えば、作業108は、穿孔、機械加工、検査の実施、塗装、シーラントの塗布、切断、ファスナの取り付け、又は、構造体102を製造するために実行される他のタイプの作業108のうちから選択された少なくとも1つである。
【0090】
本明細書において、「少なくとも1つの」という語句が、要素の列挙とともに用いられる場合、列挙された要素のうちの1つ又は複数を様々な組み合わせで使用する場合もあるし、列挙された要素のうちの1つのみを必要とする場合もあることを意味する。すなわち、「少なくとも1つの」は、列挙された要素を任意の組み合わせで任意の数だけ使用してもよいが、列挙された要素の全てを必要としない場合もあることを意味する。要素は、特定の対象、物、又は、カテゴリであってもよい。
【0091】
例えば、限定するものではないが、「要素A、要素B、又は、要素Cのうちの少なくとも1つ」は、要素A;要素Aと要素B;又は、要素Cを含みうる。また、この例では、要素Aと要素Bと要素C、又は、要素Bと要素Cを含む場合もある。勿論、これらの要素のあらゆる組み合わせが存在する。いくつかの例において、「少なくとも1つ」は、例えば、限定するものではないが、2個の要素Aと、1個の要素Bと、10個の要素C;4個の要素Bと7個の要素C;又は、他の適切な組み合わせであってもよい。
【0092】
この図示例においては、真空軌条式作業システム106は、複数の異なるコンポーネントを含む。図示のように、軌条式作業システム105は、可撓性軌条110と、ベース取付システム107と、ベースシステム121とを含み、これらは、軌条式作業システム105のための可撓性軌条システム115を形成している。この図示例においては、ベース取付システム107は、真空カップシステム112であってもよく、軌条式作業システム105は、真空軌条式作業システム106であってもよい。他の例においては、ベース取付システム107は、真空113を用いる真空カップシステム112以外の形態をとることもできる。例えば、ベース取付システム107は、可撓性軌条システム115を構造体102の表面120に取り付けるために用いられる、構造体102のスロット又は穴に係合するファスナ、クランプ、又は、他の適切な取付機構のうちの少なくとも1つを用いて、構造体102に取り付けることができる。
【0093】
ベースシステム121は、可撓性軌条110と、構造体102の表面120との間の所望距離118を維持するように構成されている。この図示例においては、ベースシステム121は、真空カップシステム112と可撓性軌条110とを相互接続している。真空カップシステム112は、当該真空カップシステム112により印加される真空113を用いて、構造体102の表面120に可撓性軌条システム115を取り付ける。図示例においては、真空カップシステム112は、真空カップユニット117を含む。図示のように、ベースシステム121は、真空カップシステム112と可撓性軌条110とに接続された可変高さベースシステム114を含む。ベースシステム121は、当該ベースシステム121により、可撓性軌条110が、構造体102の表面120における構造フレーム197を跨ぐ(bridge)ように構成されている。構造フレーム197は、構造体102のためのストリンガ、フレーム、インターコスタル(intercostals)、フープフレーム(hoop frames)、リブ、又は、他の構造要素のうちの少なくとも1つを含みうる。構造フレーム197は、内側モールドライン側171、外側モールドライン側177、又は、これら両方に設けられてもよい。
【0094】
ベースシステム121は、可撓性軌条110と、真空カップシステム112が取り付けられる輪郭128を有する構造体102の表面120との間の所望距離118を維持するように構成されている。
【0095】
この図示例においては、可変高さベースシステム114は、可撓性軌条110と、真空113が印加されたときに真空カップシステム112における真空カップユニット117が取り付けられる構造体102の表面との間の所望距離118を維持するように選択される複数の高さ116を有する。図示例においては、所望距離118は、可撓性軌条110の全長に亘って同じであってもよい。他の例においては、所望距離118は、ツールのためのステーションに応じて変化しうる。このツールは、可撓性軌条システム115の長さに沿った複数の異なる位置で作業108を実行するために用いられる。
【0096】
さらに、可変高さベースシステム114は、構造体102の表面120に対する可撓性軌条110の角度122を設定するようにも構成することができる。図示例においては、表面120は、構造体の内側モールドライン(IML)側、又は、外側モールドライン(OML)側の表面であってもよい。
【0097】
図示例においては、可変高さベースシステム114は、複数の異なるコンポーネントからなる。図示のように、可変高さベースシステム114は、ベース124とフレーム126とを含む。フレーム126は、ベース124と可撓性軌条110とに接続されている。ベース124は、真空カップシステム112に接続されている。
【0098】
本明細書において、第1コンポーネント、すなわち複数のフレーム126におけるフレーム140が、第2コンポーネント、すなわち、複数のベース124におけるベース130に「接続されている」場合、第1コンポーネントは、第2コンポーネントに直接又は間接的に接続されていることを意味する。すなわち、第1コンポーネントと第2コンポーネントとの間には、追加のコンポーネントが存在しうる。これら2つのコンポーネントの間に1つ以上の追加のコンポーネントが存在する場合、第1コンポーネントは、第2コンポーネントに間接的に接続していると看做される。これら2つのコンポーネントの間に追加のコンポーネントが存在しない場合、第1コンポーネントは、第2コンポーネントに直接接続している。
【0099】
ベース124は、構造体102の表面120から所望距離118を隔てた位置に可撓性軌条110を維持するように選択される高さ111を有する。所望距離118は、可撓性軌条110が構造体102の輪郭128と合致するような距離であってもよい。輪郭128は、構造体102の表面120の輪郭である。図示例においては、可撓性軌条110は、構造体102の表面120の輪郭128に対応して曲がるように構成されている。この例においては、可撓性軌条110は、クローラロボット164が正確に作業108を実行できるように、構造体102の表面120の輪郭128に対応して曲がるように構成されている。
【0100】
一例においては、複数のベース124におけるベース130は、複数の可撓性軌条110のうち、当該ベース130に接続された可撓性軌条134のための角度132を設定するように構成されており、その際、可撓性軌条134のための位置136において、可撓性軌条134が、構造体102の輪郭128に合致するように角度を設定する。すなわち、可撓性軌条134は、輪郭128に合致する軌条輪郭を有する。図示例においては、2つの輪郭が実質的に同一であるか、或いは、作業108が所望のレベルで実行可能な程度に類似している場合に、上記合致が生じる。
【0101】
ベース130は、複数の異なるやり方で角度132を設定することができる。例えば、ベース130は、フレーム140に接続された角度付端部138を有しており、当該角度付端部138の角度132により、可撓性軌条134が、構造体102上の可撓性軌条134の位置136において、構造体102の輪郭に合致することができる。
【0102】
他の図示例においては、複数のフレーム126におけるフレーム140は、当該フレーム140に接続された可撓性軌条134の角度132を設定するために、ベース130に回転可能に接続されている。角度132は、可撓性軌条134が、構造体102上の可撓性軌条134の位置136において、構造体102の輪郭128に合致することができるように設定してもよい。
【0103】
真空軌条式作業システム106は、さらに、位置決めシステム142を含みうる。図示例においては、位置決めシステム142は、可変高さベースシステム114から延びるとともに、正確に作業108を実行するために、構造体102の一組の特異部144に接続して、可撓性軌条システム115を、構造体102における所望位置146に配置するように構成されている。本明細書で用いられる「一組の(a group of)」要素とは、1つ以上の要素を意味している。例えば、「一組の特異部144」とは、1つ以上の特異部144である。さらに、位置決めシステム142は、真空カップシステム112が構造体102の表面120に取り付けられている状態で、真空カップシステム112に真空損失(vacuum loss)が発生した場合、可撓性軌条110を支持することができる。
【0104】
一例においては、一組の特異部144は、構造体102における一組の窓開口部148を含む。この例における位置決めシステム142は、一組の窓プラグ150と、当該一組の窓プラグ150を可変高さベースシステム114に接続するリンクピン152とを含み、一組の窓プラグ150が窓開口部148に接続されている状態で、可撓性軌条134は、構造体102の表面120における所望位置146に配置されている。
【0105】
さらに、可撓性軌条110は、互いに平行な第1可撓性軌条156と第2可撓性軌条158とを含みうる。スプレッダバー160は、第1可撓性軌条156と第2可撓性軌条158とを互いに接続し、その際、当該第1可撓性軌条156と当該第2可撓性軌条158との間に所望スパン162が設けられるようにする。この図示例においては、所望スパン162は、第1可撓性軌条156及び第2可撓性軌条158の長さ全体にわたって同じであってもよい。この例においては、所望スパン266により、クローラロボット164が、可撓性軌条システム115における可撓性軌条110に沿って正確に移動することができる。所望スパン266がない場合、クローラロボット164は、所望通りに可撓性軌条110の全長に沿って移動することができない場合がある。
【0106】
可撓性軌条システム115は、さらに、複数の軌条クランプ168を含みうる。複数の軌条クランプ168は、フレーム126に接続されている。例えば、複数の軌条クランプ168は、第2可撓性軌条158のためにフレーム126に接続されてもよい。複数の軌条クランプ168は、構造体102の構造フレーム170などの特異部を挟持するように構成されている。複数の軌条クランプ168の使用により軌条の剛性を高めることができる。さらに、複数の軌条クランプ168は、第1可撓性軌条156が位置決めシステム142によって構造体102に固定されている一方で、第2可撓性軌条158を構造体102に固定することができる。
【0107】
構造体102は、継合わせ部101を有しうる。継合わせ部101が設けられている場合、複数の可撓性軌条110のうちの第1可撓性軌条156及び第2可撓性軌条158が、構造体102における継合わせ部101と平行になるように、可撓性軌条システム115を配置してもよい。図示のように、上記配置は、窓プラグ150のリンクピン152を用いて行われてもよい。複数の可撓性軌条110のうちの第1可撓性軌条156及び第2可撓性軌条158の配置は、継合わせ部101における継合わせ部プレート、突合せ継合わせ部(butt splice)、又は、他の継合わせ部要素が、可撓性軌条110間に位置するように行われる。この例においては、第1可撓性軌条156及び第2可撓性軌条158は、継合わせ部101と平行である。
【0108】
この図示例においては、真空軌条式作業システム106は、さらに、クローラロボット164を含む。この特定の例においては、クローラロボット164は、可撓性軌条110に沿って移動して、作業108を実行するように構成されている。
【0109】
図示のように、支持システム166は、クローラロボット164を可撓性軌条110に配置するように構成されてもよい。支持システム166は、さらに、可撓性軌条システム115を所望位置146に配置して、当該所望位置146において、当該可撓性軌条システムを構造体102の表面120に取り付けるように構成することもできる。支持システム166による配置は、クローラロボット164、又は、可撓性軌条システム115のうちの少なくとも一方を所望位置146に配置するために行われる。
【0110】
一例においては、可撓性軌条システム115及びクローラロボット164は、構造体102の内側モールドライン側171に配置されている。真空軌条式作業システム106は、さらに、構造体102の外側モールドライン側177に配置された追加の軌条システム181と、当該追加の軌条システム181における追加の可撓性軌条183に沿って移動して、作業108を実行するように構成された追加のクローラロボット182と、を含む。
【0111】
図示のように、真空軌条式作業システム106は、さらに、コントローラ190を含みうる。この図示例においては、コントローラ190は、クローラロボット164、及び、追加のクローラロボット182の動作を制御するように構成されている。例えば、コントローラ190は、構造体102に対して作業108を実行するために、クローラロボット164及び追加のクローラロボット182の動作を連携させることができる。この連携は、ファスナシステム173を取り付けるために行われうる。
【0112】
一例においては、コントローラ190は、クローラロボット164が内側モールドライン側171に配置され、追加のクローラロボット182が外側モールドライン側177に配置されている場合に、動作の連携を行うことができる。この例においては、追加のクローラロボット182は、外側クローラロボットであって、穿孔、ファスナ孔の座ぐり(countersinking)、及び、孔にファスナシステム173のボルトを打ち込む前の当該ボルトに対するシーラントの塗布、のうちの少なくとも1つを含む作業を実行することができる。この図示例においては、クローラロボット164は、内側クローラロボットであって、ファスナシステム173のボルトに対して、当該ファスナシステム173のカラー又はナットを取り付けて、ファスナシステムの取り付けを完了させることを含む作業を実行することができる。
【0113】
図示のように、ファスナを孔に打ち込んだ後、カラー又はナットを確実に取り付けるために外側クローラロボットと内側クローラロボットとの間の上記作業を連携させることは、コントローラ190を用いて行われる。図示のように、一方のクローラロボットは、他方のクローラロボットのスレーブであってもよい。他の例においては、ファスナシステム173のボルトが、構造体102を通って内側モールドライン側171を貫通したことを検出して、その後、カラー又はナットの配置及び取り付けを行うために、センサを使用してもよい。これらのタイプの連携のうちの一方を用いてもよいし、両方を用いてもよい。さらに、コントローラ190は、内側クローラロボットが、カラー又はナットを取り付ける間、外側クローラロボットが(孔に挿入された)ボルトを保持するように当該外側クローラロボットを連携させてもよい。コントローラ190を用いて、上述した連携、及び、他のタイプの連携を、上記2つのクローラロボット間で行ってもよい。
【0114】
図示のように、コントローラ190は、ソフトウェア又はハードウェアのうちの少なくとも一方で実施することができる。ソフトウェアを用いる場合、コントローラ190によって実行される動作は、プロセッサユニットなどの、ハードウェア上で動作するように構成されたプログラムコードで実施されてもよい。ファームウェアを用いる場合、コントローラ190によって実行される動作は、永続性メモリに格納され、プロセッサユニットで動作するプログラムコード及びデータで実施されてもよい。ハードウェアを用いる場合、そのハードウェアは、コントローラ190の機能を実行するように動作する回路を含みうる。
【0115】
例示的な実施形態においては、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス、又は、複数の処理を行うように構成された他の適切なタイプのハードウェアのうちの少なくとも1つから選択された形態をとることができる。プログラマブルロジックデバイスを用いる場合、当該デバイスは、複数の処理を行うように構成してもよい。このデバイスは、後に構成を変更してもよいし、複数の処理を行うように恒久的に構成してもよい。プログラマブルロジックデバイスの例としては、プログラマブルロジックアレイ、プログラマブルアレイロジック、フィールドプログラマブルロジックアレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び、他の適切なハードウェアデバイスが挙げられる。また、上記処理は、無機要素と組み合わされた有機要素によって実施してもよいし、人間を除く有機要素によって全体を構成してもよい。例えば、上記処理は、有機半導体の回路として実施してもよい。有機半導体は、炭素及び水素からなるπ結合分子(pi-bonded molecules)又はポリマーなどの材料で構成されており、窒素、硫黄、及び、酸素などの他の元素を含みうる。これらの材料は、分子結晶、又は、アモルファス薄膜の形態である。
【0116】
コンピュータシステム192は、物理的なハードウェアシステムであって、1つ以上のデータ処理システムを含む。データ処理システムが複数ある場合、これらのデータ処理システムは、通信媒体を用いて互いに通信する。通信媒体はネットワークであってもよい。データ処理システムは、コンピュータ、サーバコンピュータ、タブレット、又は、他の適切なデータ処理システムから選択される少なくとも1つである。
【0117】
コントローラ190は、プログラム194を用いて、真空軌条式作業システム106の動作を制御し、具体的には、真空軌条式作業システム106におけるクローラロボット164、及び、追加のクローラロボット182の動作を制御する。プログラム194は、例えば、真空軌条式作業システム106の動作制御に使用可能なコンピュータ数値制御(CNC)プログラム、又は、他の適切なプログラムコードであってもよい。例えば、クローラロボット164、及び、追加のクローラロボット182は、デカルト座標を使用するコンピュータ数値制御(CNC)マシンであってもよい。
【0118】
一例においては、作業108が実行される構造体102の表面120から所望距離118を隔てた位置に可撓性軌条システム115を維持して、当該可撓性軌条システムの取り付けを行うことに関する技術的問題を克服する1つ以上の技術的解決策が提示されている。この結果、1つ以上の技術的解決策は、構造体102に対する作業108の自動化を可能にするという技術的効果を奏することができる。例えば、例示的な実施形態においては、可撓性軌条110について、所望距離118、又は、角度132のうちの少なくとも一方が維持される、という1つ以上の技術的解決策が提供される。すなわち、可撓性軌条110について、所望距離118、角度132、又は、これらの両方が維持される。1つ以上の技術的解決策により、クローラロボット164は、構造体102の表面120に対して所望距離118、又は、角度132のうちの少なくとも一方を保った状態で、作業108を実行することができる。
【0119】
例えば、1つ以上の技術的解決策により、クローラロボット164のツールが、構造体102の表面120に対して略垂直な配向を有するように当該クローラロボット164を配置することができる。このようにすることで、クローラロボット164は、構造体102の表面120から特定の角度又は距離を必要とする、機械加工やファスナの取り付けなどの作業、及び、他のタイプの作業などを実行することができる。また、所望距離118により、クローラロボット164は作業を実行することが可能となる。例えば、クローラロボット164のツールは、構造体102の表面120からのクローラロボット164の距離に基づいた作業範囲を有しうる。所望距離118を維持することにより、クローラロボット164は、作業108を実行することができる。
【0120】
図1に示す作業環境100の説明は、例示的な実施形態を実施する態様に対して物理的又は構造的な限定を加えるものではない。図示されたコンポーネントに加えて、或いは、これらのコンポーネントに代えて、他のコンポーネントを用いることもできる。いくつかのコンポーネントは、必要としない場合もある。また、図中のブロックは、機能コンポーネントを示す。これらのブロックのうち1つ又は複数は、例示的な実施形態において実施する際には、組み合わせたり、分割したり、組み合わせてから異なるブロックに分割したりすることができる。
【0121】
例えば、可撓性軌条システム115は、互いに平行な第1可撓性軌条156と第2可撓性軌条158とを有するものとして説明している。しかしながら、他の例においては、可撓性軌条システム115は、平行な複数の軌条の代わりに単一の軌条で構成されてもよい。さらに他の例においては、可撓性軌条システム115は、3つの平行な軌条を含んでいてもよい。さらに、軌条は、単一の軌条であってもよいし、複数のセクションを含んでいてもよい。
【0122】
また、クローラロボット164に加えて、或いは、これの代わりに、1つ以上のクローラロボットを可撓性軌条システム115に接続して、実質的に同時に作業108を実行するようにしてもよい。例えば、第1クローラロボットが、構造体102に穿孔し、第2クローラロボットが、構造体102にファスナを取り付けてもよい。
【0123】
さらに、内側モールドライン側171において、可撓性軌条システム115及びクローラロボット164を用いて、重ね継合わせ部(lap splice)175にファスナシステム173を取り付けるための、内側部分でのファスナの組み立てを行ってもよい。この結果、可撓性軌条システム115によって、胴体セクション(不図示)のための構造フレーム197を跨ぐことが可能となるため、ストリンガ(不図示)及び外板パネル(不図示)を内側から支持することができる。さらに、構造体102の外側モールドライン側177において、可撓性軌条システム115及びクローラロボット164を用いることもできる。
【0124】
次に図2を参照すると、例示的な実施形態による、作業環境が示されている。この例においては、作業環境200は、図1にブロック形式で示す作業環境100の一実施例である。図示のように、真空軌条式作業システム202は、胴体セクション206の内側モールドライン側204に取り付けられている。
【0125】
真空軌条式作業システム202は、複数の異なるコンポーネントを含む。図示のように、真空軌条式作業システム202は、可撓性軌条システム208と、位置決めシステム210と、クローラロボット212とを含む。
【0126】
図示例においては、可撓性軌条システム208は、胴体セクション206の内側モールドライン側204に取り付けられている。可撓性軌条システム208は、第1可撓性軌条236と、第2可撓性軌条238とを含む。可撓性軌条システム208は、さらに、真空カップシステム240と、可変高さベースシステム242とを含む。
【0127】
さらに、第1可撓性軌条236、及び、第2可撓性軌条238には、スプレッダバー254、スプレッダバー256、スプレッダバー258、スプレッダバー260、スプレッダバー262、及び、スプレッダバー264が接続されている。これらのスプレッダバーは、第1可撓性軌条236と第2可撓性軌条238との間に所望のスパン266を維持する。これらのスプレッダバーは、可撓性軌条システム208を胴体セクション206の内側モールドライン側204に取り付けるために真空カップシステム240を起動した後に、取り外すことができる。
【0128】
この例に示すように、第1可撓性軌条236、及び、第2可撓性軌条238は、構造フレーム267、構造フレーム269、構造フレーム271、構造フレーム273、及び、構造フレーム275などの、胴体セクション206における構造フレームを跨ぐことになる。
【0129】
クローラロボット212は、可撓性軌条システム208に取り付けられるとともに、矢印214の方向に移動して、穿孔、ファスナの取り付け、又は、検査などの作業、又は、胴体セクション206のための他の適切な作業を実行することができる。
【0130】
位置決めシステム210は、窓開口部216、窓開口部218、窓開口部220、窓開口部222、及び、窓開口部224に接続されている。図示のように、窓開口部216には窓プラグ226が取り付けられ、窓開口部218には窓プラグ228が取り付けられ、窓開口部220には窓プラグ230が取り付けられ、窓開口部222には窓プラグ232が取り付けられ、窓開口部224には窓プラグ234が取り付けられている。この例においては、ピン244により窓プラグ226と可変高さベースシステム242とが接続され、ピン246により窓プラグ228と可変高さベースシステム242とが接続され、ピン248により、窓プラグ230と可変高さベースシステム242とが接続され、ピン250により、窓プラグ232と可変高さベースシステム242とが接続され、ピン252により窓プラグ234と可変高さベースシステム242とが接続されている。
【0131】
図示のように、位置決めシステム210もまた可撓性軌条システム208に接続されている。この図示例においては、位置決めシステム210により、胴体セクション206の内側モールドライン側204における所望位置に可撓性軌条システム208を配置すること、又は、可撓性軌条システム208を支持することのうちの少なくとも何れか一方が行われる。
【0132】
セクション270における真空軌条式作業システム202の拡大図を図3に示す。ここで図3を参照すると、例示的な実施形態による、図2に示す真空軌条式作業システム202の拡大図が示されている。この図示例においては、可変高さベースシステム242は、ベース300とフレーム302とを含む。ベース300は、真空カップシステム240における真空カップユニット304に接続されている。
【0133】
例えば、領域305においては、ベース312は、フレーム306及び真空カップユニット310に接続されている。ベース314は、フレーム308及び真空カップユニット310に接続されている。フレーム306及びフレーム308は、第2可撓性軌条238に接続されている。
【0134】
また、セクション270の同拡大図においては、胴体セクション206の内側モールドライン側204のフレーム322に対して軌条クランプ320が取り付けられる。軌条クランプ320は、第2可撓性軌条238を、胴体セクション206の内側モールドライン側204におけるフレーム322に固定するように構成されている。軌条クランプ320は、同図に示すスプレッダバー254やスプレッダバー256などのスプレッダバーを取り外した後に、剛性を高めるために用いることができる。さらに、領域307における軌条クランプ320は、真空カップシステム240による真空が損失した場合に、第2可撓性軌条238及びクローラロボット212が、望ましくない方向に枢動したり移動したりする可能性を低減することができる。
【0135】
次に図4を参照すると、例示的な実施形態による、図2に示す胴体セクション206に取り付けられた真空軌条式作業システム202の断面図が示されている。図示のように、胴体セクション206に取り付けられた真空軌条式作業システム202の断面図が、図2のライン4−4に沿って示されている。
【0136】
この断面図は、胴体セクション206における内側モールドライン側204の表面401の輪郭400をより分かりやすく視覚化したものである。この例に示すように、ベース300の傾斜端402は、第1可撓性軌条236、及び、第2可撓性軌条238について複数の角度420を設定する。角度420は、第1可撓性軌条236、及び、第2可撓性軌条238が、胴体セクション206における内側モールドライン側204の表面401に対して略垂直になるように、選択される。例えば、角度420の選択は、第1可撓性軌条236、及び、第2可撓性軌条238が、表面401の輪郭400に合致するとともに、第1可撓性軌条236、及び、第2可撓性軌条238が、胴体セクション206における内側モールドライン側204の表面401に対して略垂直になるように、行われる。すなわち、角度420は、胴体セクション206の半径457が長手方向に変化すると、これに伴って変化する。角度420は、第1可撓性軌条236、及び、第2可撓性軌条238の配向が、表面401に対して略垂直な状態で維持されるように調節される。
【0137】
さらに、ベース300の高さ(不図示)は、胴体セクション206における内側モールドライン側204の表面401に対する第1可撓性軌条236、及び、第2可撓性軌条238の所望距離430が設定されるような高さである。所望距離430は、クローラロボットのタイプ、ツールのタイプ、表面401の特徴、又は、内側モールドライン側204の表面401における複数の異なる位置におけるこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つに応じて変化しうる。
【0138】
この図示例においては、第1可撓性軌条236、及び、第2可撓性軌条238は、構造フレーム273、構造フレーム275、構造フレーム461、構造フレーム463、及び、構造フレーム465などの、構造フレームを跨いでいる。これらの構造フレームに対する跨ぎ構造は、可変高さベースシステム242の構成により実現される。例えば、ベース300、フレーム302、又は、真空カップユニット304のうちの少なくとも1つの形状により、構造フレームに対して、可撓性軌条システム208における第1可撓性軌条236、及び、第2可撓性軌条238を跨ぐことができる。
【0139】
この例においては、可撓性軌条システム208における第1可撓性軌条236、及び、第2可撓性軌条238は、互いに平行であり、且つ、継合わせ部455に対しても平行である。この図においては、継合わせ部455において、胴体セクション206の第1外板パネル451、及び、第2外板パネル453が接合されている。図示のように、継合わせ部455は、胴体セクション206を長手方向に貫通している。この図示例においては、継合わせ部455は、突合せ継合わせ部である。図示のように、継合わせ部455が存在する場合、スプレッダバー260、及び、スプレッダバー262は、当該継合わせ部455を跨いでいる。
【0140】
この例には、胴体セクション206がテーパ形状を有することも示されている。この図示例においては、胴体セクション206の半径457が、矢印459の方向に漸減している。図示のように、半径457は、矢印459の方向において減少していく。矢印459の方向において半径457が減少するのに加えて、ベース300の傾斜端402は、矢印459の方向に増大する複数の角度420を有しており、これによって、第1可撓性軌条236、及び、第2可撓性軌条238は、半径457が減少するのに伴って、表面401に対して略垂直になる。すなわち、半径457が減少するにしたがって、ベース300の角度420は増大する。さらに言い換えると、半径457の変化に伴って、角度420が変化する。
【0141】
次に図5を参照すると、例示的な実施形態による、図2に示す胴体セクション206に取り付けられた真空軌条式作業システム202の断面図が示されている。図示のように、胴体セクション206に取り付けられた真空軌条式作業システム202の断面図が、図2のライン5−5に沿って示されている。
【0142】
この断面図において、ベース300の傾斜端402は、図4の断面図における傾斜端402の複数の角度420よりも大きい複数の角度420を有する。
【0143】
次に図6を参照すると、例示的な実施形態による、図2に示す可撓性軌条システム208のコンポーネントが示されている。この図示例においては、可撓性軌条システム208の領域305におけるコンポーネントの拡大図が、ライン6−6の方向に沿って示されている。
【0144】
この図において、ベース312は、高さ610と傾斜端618とを有する。ベース314は、高さ614と傾斜端616とを有する。高さ610及び高さ614は、第2可撓性軌条238と胴体セクション206における内側モールドライン側204の表面401との間の所望距離615を維持するように選択される。
【0145】
さらに、ベース314の傾斜端616は、複数の角度420のうちの角度617を有し、ベース312の傾斜端618は、複数の角度420のうちの角度619を有する。これらの角度は、第2可撓性軌条238を所望の角度に維持するために選択されたものである。この図には、真空生成器624が示されている。図示例においては、図2に示す真空カップシステム240における各真空カップユニットは、余剰の真空生成器を有する。
【0146】
次に図7を参照すると、例示的な実施形態による、図3に示す軌条クランプ320の拡大図が示されている。この図においては、領域307における軌条クランプを、図3に示すライン7−7の方向に見た拡大図が示されている。
【0147】
この図においては、軌条クランプ320は、フレーム322と接触足部702とを係合させる第1クランプ構造体700を有する。この図示例においては、接触足部702は、ウレタン、ゴム、又は、他の適切なタイプの材料を含みうる。この材料は、フレーム322に欠陥が生じにくいものを選択することができる。この図示例においては、第2クランプ構造体704は、軸706を中心として枢動してフレーム322と係合することができる。
【0148】
この図示例においては、軌条クランプ320は、線形レール712によってフレーム322に接続されている。図示のように、線形レール712は、第2可撓性軌条238が拘束されるのを抑制又は防止するように構成されている。この図示例においては、線形レール712により、矢印714の方向における微調整が可能となる。
【0149】
真空軌条式作業システム202、及び、図2〜7に示す様々なコンポーネントは、図1にブロック形式で示す真空軌条式作業システム106を実施可能な1つの態様として提示している。この例示は、他の例を実施可能な態様を限定するものではない。
【0150】
例えば、図6に示すベース314の傾斜端616、及び、図6に示すベース312の傾斜端618は、第2可撓性軌条238などの可撓性軌条に対して複数の角度420を設定する1つの態様として提示している。この角度は、他の実施形態においては、他の機構を用いて設定することもできる。他の例として、可撓性軌条システム208は、突合せ継合わせ部以外の形態をとりうる継合わせ部455とともに用いることができる。例えば、継合わせ部455は、重ね継合わせ部、ベベル継合わせ部(bevel splice)、ハーフ重ね継合わせ部(half lap splice)、又は、他の適切なタイプの継合わせ部であってもよい。
【0151】
図8には、例示的な実施形態による、可撓性軌条の角度を設定するための他の機構が示されている。図示のように、真空カップユニット800、フレーム802、ベース804、及び、可撓性軌条806は、図1にブロック形式で示す可撓性軌条システム115の物理的な実施態様におけるコンポーネントの例である。この具体例においては、真空カップユニット800に接続されたベース804に対して枢動可能に接続されたフレーム802によって、可撓性軌条806の角度808が設定される。すなわち、フレーム802は、軸807を中心として枢動して、可撓性軌条806の角度を設定することができる。
【0152】
図示のように、真空カップユニット800は、図1に示す複数の真空カップユニット117における真空カップユニットの一実施例である。フレーム802は、図1にブロック形式で示す複数のフレーム126におけるフレームの一実施例である。ベース804は、図1にブロック形式で示す複数のベース124におけるベースの一実施例である。
【0153】
他の例として、図9には、例示的な実施形態による、位置決めシステムの実施態様が示されている。この図示例においては、窓プラグ900は、図1にブロック形式で示す複数の窓プラグ150における窓プラグの他の実施例である。窓プラグ900は、図6に示す窓プラグ622に加えて、さらなる実施態様として示す例である。
【0154】
この例においては、窓プラグ900は、胴体セクション906における内側モールドライン904の窓開口部902に取り付けられている。この図示例においては、窓プラグ900は、リンク908により、可撓性軌条912のフレーム910に接続されている。
【0155】
次に図10を参照すると、例示的な実施形態による、可撓性軌条システムの一部とクローラロボットとを配置するための支持システムが示されている。この例においては、支持システム1000は、移動カート1001を含む。移動カート1001は、可撓性軌条システム1003の第1セクション1002、及び、クローラロボット1004を保持する。移動カート1001は、軸1012を中心としてこれらのコンポーネントを移動させることができる。
【0156】
この図示例においては、支持システム1000は、胴体セクション1010の内側モールドライン側1008の表面1006に対して、第1セクション1002及びクローラロボット1004を配置している。可撓性軌条システム1003の第1セクション1002を配置した後、可撓性軌条システム1003の追加セクション(不図示)を配置して第1セクション1002に接続することにより、可撓性軌条システム1003を組み立ててもよい。
【0157】
図10に示す支持システム1000は、図1にブロック形式で示す支持システム166の一実施例である。この例示は、他の例を実施可能な態様を限定するものではない。例えば、支持システム166は、移動ロボットアーム(不図示)、外側モールドラインを取り付けるためのクレーン(不図示)、又は、移動カート1010の代わりの他の適切なプラットフォームの形態をとりうる。
【0158】
次に図11を参照すると、例示的な実施形態による、作業環境が示されている。この例においては、作業環境1100は、図1にブロック形式で示す作業環境100の他の実施例である。図示のように、真空軌条式作業システム1102は、胴体セクション1106の外側モールドライン側1104に取り付けられている。
【0159】
真空軌条式作業システム1102は、複数の異なるコンポーネントを含む。図示のように、真空軌条式作業システム1102は、可撓性軌条システム1108と、位置決めシステム1110と、クローラロボット1112とを含む。
【0160】
可撓性軌条システム1108は、胴体セクション1106の外側モールドライン側1104に取り付けられている。クローラロボット1112は、可撓性軌条システム1108における第1可撓性軌条1116と、第2可撓性軌条1118とに取り付けられている。クローラロボット1112は、可撓性軌条システム1108に沿って矢印1120の方向に移動して、胴体セクション1106の外側モールドライン側1104に対して作業を実行することができる。
【0161】
この図示例においては、位置決めシステム1110は、窓開口部1124に接続された窓プラグ1122と、窓開口部1128に接続された窓プラグ1126と、窓開口部1132に接続された窓プラグ1130と、窓開口部1136に接続された窓プラグ1134と、窓開口部1140に接続された窓プラグ1138と、を含む。窓プラグ1122は、ケーブル1142により可撓性軌条システム1108に接続され、窓プラグ1126は、ケーブル1144により可撓性軌条システム1108に接続され、窓プラグ1130は、ケーブル1146により可撓性軌条システム1108に接続され、窓プラグ1134は、ケーブル1148により可撓性軌条システム1108に接続され、窓プラグ1138は、ケーブル1150により、可撓性軌条システム1108に接続されている。
【0162】
この例に示すように、位置決めシステム1110により、胴体セクション1106の外側モールドライン側1104における所望位置に、可撓性軌条システム1108を配置することができる。さらに、位置決めシステム1110は、可撓性軌条システム1108が、胴体セクション1106に対して取り付けられた状態を維持できなかった場合に、当該軌条システムを支持することもできる。
【0163】
次に図12を参照すると、例示的な実施形態による、構造体の表面においてクローラロボットを移動させるための処理を示すフローチャートが示されている。図12に示す処理は、図1に示す作業環境100において実行可能である。例えば、上記処理は、真空軌条式作業システム106における可撓性軌条システム115を用いて実行してもよく、これによって、クローラロボット164は、構造体102の表面120に対して所望距離118又は角度132の少なくとも一方を保った状態で作業108を実行することができる。
【0164】
例えば、上記処理は、図1にブロック形式で示す真空軌条式作業システム106の実施形態で用いることができ、例えば、図2に示す胴体セクション206の内側モールドライン側204に取り付けられた真空軌条式作業システム202や、図11に示す胴体セクション1106の外側モールドライン側1104に取り付けられた真空軌条式作業システム1102で用いることができる。
【0165】
上記処理は、位置決めシステム142を用いて、可撓性軌条システム115を配置することにより開始する(工程1200)。工程1200において、位置決めシステム142は、可変高さベースシステム114から延びるとともに、クローラロボット164が正確に作業108を実行するために、構造体102の一組の特異部144に接続して、可撓性軌条システム115を、構造体102における所望位置146に配置するように構成されている。
【0166】
上記処理において、構造体102の表面120に対して可撓性軌条システム115を取り付ける(工程1202)。可撓性軌条システム115は、可撓性軌条110と、真空カップシステム112と、可変高さベースシステム114とを含む。可変高さベースシステム114は、真空カップシステム112と可撓性軌条110とを互いに接続する。工程1200において、可変高さベースシステム114は、可撓性軌条110と、真空カップシステム112が取り付けられる構造体102の表面120との間の所望距離118を維持するように選択される複数の高さ116を有する。
【0167】
例えば、構造体102の表面120は、胴体セクション206の内側モールドライン側204の表面であって、可撓性軌条110は、当該表面120に接続されてもよい。他の例においては、構造体102の表面120は、図11に示す胴体セクション1106の外側モールドライン側177の表面であって、可撓性軌条110は、当該表面120に接続されてもよい。
【0168】
上記処理において、可撓性軌条システム115に対してクローラロボット164を取り付ける(工程1204)。可撓性軌条システム115に対するクローラロボット164の取付は、作業員によって行うことができる。他の例においては、工程1204の実施態様として、支持システムを用いて、可撓性軌条110に対してクローラロボット164が配置される。支持システム166は、作業員によって使用されてもよいし、コントローラ190によって制御されてもよいし、これらの両方が行われてもよい。他の例においては、支持システム166は、クローラロボット164を移動させて可撓性軌条110に取り付けるように構成された自動システムであってもよい。
【0169】
クローラロボット164は、構造体102の表面120に取り付けられた可撓性軌条システム115上を移動する(工程1206)。上記処理において、クローラロボット164を用いて、構造体102に対して作業108を実行する(工程1208)。その後、処理を終了する。図示例においては、クローラロボット164が、構造体102の表面120から所望距離118だけ離れた位置にある場合に、当該クローラロボット164は、正確に作業108を実行することができる。所望距離118だけ離れた位置にない場合、クローラロボット164は、作業108を実行することができない。例えば、クローラロボット164は、正確に作業を実行するための特定距離を必要とするツールを用いる場合がある。所望距離118だけ離れた位置にない場合、ツールは、正確に作業を実行することができない。例えば、クローラロボット164が、所望距離118よりもさらに離れている場合、当該クローラロボット164は、ボルトにカラーやナットを取り付けることができない場合がある。この例においては、所望距離118は、構造体102の表面、継合わせ部101、又は、これらの両方に対して、クローラロボット164が正確に作業を実行可能な位置に、可撓性軌条110を配置するための距離である。この特徴により、可撓性軌条110の高さ、可撓性軌条110の幅、及び、構造体102の表面、継合わせ部101、又は、これら両方からの可撓性軌条110の距離を決定することが容易になる。
【0170】
工程1206においては、例えば、角度122の選択は、第1可撓性軌条156、及び、第2可撓性軌条158が、表面120の輪郭128に合致するとともに、第1可撓性軌条156、及び、第2可撓性軌条158が、構造体102の内側モールドライン側171の表面120に対して略垂直になるように、行われる。クローラロボット164は、作業108を正確に実行するために、表面120に対して略垂直に配置されなければならない場合がある。例えば、クローラロボット164は、カラー取付ツールを有していてもよく、当該ツールは、ボルトにカラーを正確に取り付けるために、表面120に対して垂直に配置されなければならない。
【0171】
次に図13を参照すると、例示的な実施形態による、可撓性軌条システムを設置するための処理を示すフローチャートが示されている。図13に示す処理は、図1に示す構造体102の表面120に可撓性軌条システム115を設置し、当該構造体102に対して作業108を実行するために、作業環境100において実行することができる。
【0172】
上記処理は、可撓性軌条システム115における真空カップシステム112と可撓性軌条110とを互いに接続する可変高さベースシステム114のための複数の高さ116、又は、複数の角度122のうちの少なくとも一方を選択することにより、開始される(工程1300)。工程1300において、可変高さベースシステム114のための複数の高さ116、又は、複数の角度122のうちの少なくとも一方により、可撓性軌条110と、真空カップシステム112が取り付けられた構造体102の表面120との間の所望距離118を維持すること、又は、可撓性軌条システム115における可撓性軌条110が、構造体102の表面120の輪郭128に合致した状態を維持すること、のうちの少なくとも一方が行われる。さらに、可変高さベースシステム114、又は、真空カップシステム112のうちの少なくとも一方の構成により、可撓性軌条110を、構造体102の表面120における構造フレーム197を跨ぐことができる。
【0173】
上記処理においては、構造体102の表面120に対して可撓性軌条システム115を取り付ける(工程1302)。その後、処理を終了する。
【0174】
継合わせ部101に対して何処に可撓性軌条システム115を配置するかを決定する際、複数の可撓性軌条110のうちの第1可撓性軌条156、及び、第2可撓性軌条158は、継合わせ部101に対して平行に配置されるが、この配置は、窓プラグ150のためのリンクピン152によって行われる。複数の可撓性軌条110のうちの第1可撓性軌条156及び第2可撓性軌条158の配置は、継合わせ部101における継合わせ部プレート、突合せ継合わせ部(butt splice)、又は、他の継合わせ部要素が、可撓性軌条110間に位置するように行われる。
【0175】
継合わせ部101の厚みは、クローラロボット164のツールからのZ軸方向の移動、ストローク、又は、その両方によって対応可能である。可変高さベースシステム114の高さ116は、内側モールドライン側171で用いる場合、可撓性軌条システム115の重心に影響を及ぼす。可撓性軌条システム115の重心を低くして、真空カップユニット117に作用するモーメントを低減するために、可変高さベースシステム114の高さ116を低くすることが望ましい。図示のように、高さ116を低くすることにより、システムの張出部分が縮小されるとともに、真空カップシステム112における真空カップユニット117に作用するモーメントが低減する。この結果、可撓性軌条システム115のずれが低減され、結果として、クローラロボット164によって用いられるツールをより正確に配置することができる。
【0176】
次に、図14A、及び、図14Bを参照すると、例示的な実施形態による、真空軌条式作業システムを配備するための処理を示すフローチャートが示されている。図14A、及び、図14Bに示す処理は、図1に示す物体104の構造体102に対して、真空軌条式作業システム106を配備するために、作業環境100において実行することができる。
【0177】
上記処理は、構造体102の窓開口部148に窓プラグ150を取り付けることにより、開始される(工程1400)。この例においては、構造体102は、航空機などの物体104の胴体セクションであってもよい。さらに、窓開口部148に設けられる窓プラグ150に加えて、或いは、これに代えて、他の機構を用いることもできる。例えば、ファスナを、可撓性軌条システム115を配置するために特別に形成された仮孔に設けてもよいし、構造体102における開口穴に設けてもよいし、可撓性軌条システム115を構造体102における所望位置146に取り付けるためにファスナシステムを使用することができる他の構成要素に設けてもよい。
【0178】
上記処理において、可撓性軌条システム115の第1セクション、及び、クローラロボット164とともに、支持システム166を構造体102の内側モールドライン側の表面120に向かって移動させる(工程1402)。この例においては、支持システム166は、図10に示す移動カート1001であってもよい。
【0179】
上記処理において、可撓性軌条システム115の第1セクション、及び、クローラロボット164を移動させて、窓プラグ150のためのリンクピン152を、当該窓プラグ150に接続する(工程1404)。工程1404においては、窓プラグ150にリンクピン152を接続する前に、当該リンクピン152を可撓性軌条システム115に接続する。他の例においては、窓プラグ150にリンクピン152を予め接続し、その後、当該リンクピンを可撓性軌条システム115に接続してもよい。
【0180】
上記処理において、第1可撓性軌条156及び第2可撓性軌条158の第1セクションの間にスプレッダバー160を取り付ける(工程1406)。一例においては、複数の可撓性軌条110のうちの第1可撓性軌条156と第2可撓性軌条158との間にスプレッダバー160を取り付けることにより、スプレッダバー160が、第1可撓性軌条156と第2可撓性軌条158との間の継合わせ部101を跨いでいる。支持システム166は、可撓性軌条システム115の第1セクション、及び、クローラロボット164を下げて、窓プラグ150に対して重量をかける(工程1408)。
【0181】
上記処理において、可撓性軌条システム115における第1可撓性軌条156及び第2可撓性軌条158の第1セクションを、構造体102の表面120に取り付ける(工程1410)。処理1410においては、第1可撓性軌条156及び第2可撓性軌条158の第1セクションを構造体102の表面120に取り付けるために、真空カップユニット117によって真空が印加される。次に、上記処理において、軌条クランプを係合させる(工程1412)。工程1412において、軌条クランプは、軌条クランプ320を用いて実施されてもよい。
【0182】
上記処理において、取付作業のために、第1可撓性軌条156及び第2可撓性軌条158の未取付セクションを選択する(工程1414)。上記処理において、第1可撓性軌条156の選択されたセクションを、第1可撓性軌条156の取付済セクションの端に接続する(工程1416)。上記処理において、リンクピン152を用いて、第1可撓性軌条156の選択されたセクションを、窓プラグ150に接続する(工程1418)。上記処理において、第1可撓性軌条156の選択されたセクションにおける真空カップユニット117に対して真空を印加することによって、当該第1可撓性軌条156の選択されたセクションを、表面120に取り付ける(工程1420)。
【0183】
次に、上記処理において、第2可撓性軌条158の選択されたセクションを、第2可撓性軌条158の取付済セクションの端に接続する(工程1422)。上記処理において、第1可撓性軌条156及び第2可撓性軌条158の選択されたセクションの間にスプレッダバー160を取り付ける(工程1424)。第1可撓性軌条156及び第2可撓性軌条158の第1セクションが取り付けられると、当該セクションからスプレッダバー160を取り外して、工程1420で用いてもよい。他の例においては、スプレッダバー160は、その位置に取り付けられたままであってもよい。
【0184】
その後、上記処理において、第2可撓性軌条158の選択されたセクションを、構造体102の表面120に取り付ける(工程1426)。次に、上記処理において、軌条クランプを係合させる(工程1428)。
【0185】
第1可撓性軌条156のセクション、及び、第2可撓性軌条158のセクションのうち、追加の未取付セクションが存在するか否かについて判断する(工程1430)。第1可撓性軌条156のセクション、及び、第2可撓性軌条158のセクションのうち、追加の未取付セクションが存在する場合、上記処理は、工程1414に戻る。
【0186】
そうでない場合、上記処理において、複数の可撓性軌条110のうちの第1可撓性軌条156のセクションと、第2可撓性軌条158のセクションとの間から、スプレッダバー160を取り外す(工程1432)。次に、上記処理において、クローラロボット164に動力を供給する(工程1434)。次に、上記処理において、クローラロボット164にプログラムをロードし(工程1436)、クローラロボット164は、作業108の実行を開始する(工程1438)。その後、処理を終了する。
【0187】
工程1438において作業108を実行する際、クローラロボット164は、検査作業、及び、外側モールドライン側177から内側モールドライン側171に向かって挿入されたファスナシステム173のピンに対するナット又はカラーの取付作業、のうちの少なくとも一方を実行することができる。
【0188】
この例においては、構造体102の内側モールドライン側171におけるクローラロボット164は、構造体102の外側モールドライン側177で動作する追加のクローラロボット182に追従する。クローラロボット164はスレーブであってもよいし、追加のクローラロボット182とは独立して動作してもよい。
【0189】
次に図15を参照すると、例示的な実施形態による、作業を実行するための処理を示すフローチャートが示されている。図15に示す処理は、図1に示す作業環境100において実行可能である。コンピュータシステム192で動作するコントローラ190を用いることにより、様々な処理を実行することができる。これらの様々な処理は、図1に示すコントローラ190がプログラム194を処理するのに応答して発生しうる。
【0190】
上記処理は、クローラロボット164、及び、追加のクローラロボット182を初期化することにより開始される(工程1500)。工程1500においては、作業108を実行するために、これらのクローラロボットを作動させる。上記処理において、構造体102に対して作業108を実行するために、クローラロボット164及び追加のクローラロボット182の動作を連携させる(工程1502)。その後、処理を終了する。
【0191】
例えば、クローラロボット164及び追加のクローラロボット182の連携は、ファスナシステム173を取り付けるために発生しうる。例えば、構造体102の外側モールドライン側177における追加のクローラロボット182が、ファスナシステム173のピンを挿入する一方で、構造体102の内側モールドライン側171におけるクローラロボット164が、追加のクローラロボット182によって挿入されたピンにカラーを取り付ける。
【0192】
図示された様々な実施形態のフローチャート及びブロック図は、例示的な実施形態における装置及び方法のいくつかの考えられる実施態様の構造、機能、及び、工程を示すものである。この点に関し、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、又は、工程やステップの一部を示す場合もある。例えば、これらのブロックのうちの1つ又は複数は、プログラムコード、ハードウェア、又は、プログラムコードとハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。ハードウェアにおいて実現する場合、当該ハードウェアは、例えば、フローチャート又はブロック図における1つ又は複数の工程を実行するように製造又は構成された集積回路の形態をとりうる。プログラムコードとハードウェアとの組み合わせとして実現する場合、ファームウェアの形態で実現されうる。フローチャート又はブロック図における各ブロックは、様々な動作を実行する特殊用途のハードウェアシステムを用いて実行されてもよいし、特殊用途のハードウェアと当該特殊用途のハードウェアにより実行されるプログラムコードとの組み合わせを用いて実行されてもよい。
【0193】
例示的な実施形態のいくつかの代替の態様において、ブロックで述べられている1つ又は複数の機能は、図で述べられている順序とは異なる順序で実行してもよい。例えば、いくつかのケースにおいては、関連する機能に応じて、連続して示されている2つのブロックは実質的に同時に実行されてもよいし、逆の順序で実行されてもよい。また、フローチャート又はブロック図に示されたブロックに対して、さらに他のブロックを追加してもよい。
【0194】
本開示の例示的な実施形態を、図16に示す航空機の製造及び保守方法1600、並びに、図17に示す航空機1700に関連させて説明する。最初に図16を参照すると、例示的な実施形態による、航空機の製造及び保守方法を示すブロック図が示されている。生産開始前において、航空機の製造及び保守方法1600は、図17に示す航空機1700の仕様決定及び設計1602と、材料調達1604とを含む。
【0195】
生産中には、図17に示す航空機1700の部品及び小組立品の製造1606、並びに、システムインテグレーション1608が行われる。その後、図17に示す航空機1700は、認可及び納品1610の工程を経て、使用1612に入る。顧客による使用1612中は、図17に示す航空機1700は、定例の整備及び保守1614に組み込まれる。これは、改良、再構成、改修、及び、他の整備又は保守を含みうる。
【0196】
航空機の製造及び保守方法1600の各工程は、システムインテグレータ、第三者、オペレータ、又は、これらの組み合わせによって実行又は実施することができる。これらの例において、オペレータは顧客であってもよい。なお、システムインテグレータは、航空機製造業者及び主要システム下請業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。第三者は、売主、下請業者、供給業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス組織等であってもよい。
【0197】
次に図17を参照すると、例示的な実施形態を実施可能な航空機のブロック図が示されている。この例において、航空機1700は、図16に示す航空機の製造及び保守方法1600によって生産され、複数のシステム1704及び内装1706を備えた機体1702を含みうる。システム1704の例としては、1つ以上の推進系1708、電気系1710、油圧系1712、及び、環境系1714が挙げられる。また、その他のシステムをいくつ含んでもよい。なお、航空宇宙産業に用いた場合を例として示しているが、種々の例示的な実施形態を、例えば自動車産業等の他の産業に適用してもよい。
【0198】
本明細書において具現化される装置及び方法は、図16に示す航空機の製造及び保守方法1600における少なくとも1つの段階において、採用することができる。一例においては、真空軌条式作業システム106、及び、このシステムを用いて説明した様々な処理は、航空機1700の製造作業を実行するために利用することができる。例えば、真空軌条式作業システム106における可撓性軌条システム115は、クローラロボット164が作業108を実行する際に利用できるように、航空機1700の構造体の表面に取り付けられてもよい。
【0199】
例えば、可撓性軌条システム115は、航空機1700の機体1702の胴体セクションなどの構造体102の表面120に対して、所望距離118又は角度132のうちの少なくとも一方を実現可能であってもよい。例えば、真空軌条式作業システム106において、クローラロボット164を有する可撓性軌条システム115は、機体1702の胴体セクションにおいて、穿孔又はファスナの取り付けなどの作業108を実行するために採用されてもよい。
【0200】
一例において、図16に示す部品及び小組立品の製造1606において製造される部品及び小組立品は、図16に示す航空機1700の使用1612中に製造される部品及び小組立品と同様に作製又は製造されてもよい。さらに別の例として、1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又は、これらの組合せは、図16に示す部品及び小組立品の製造1606及びシステムインテグレーション1608などの生産段階において用いることができる。1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又は、これらの組み合わせは、図16に示すように、航空機1700の使用中1612、整備及び保守1614中、又は、これら両方の段階において用いることができる。
【0201】
例えば、真空軌条式作業システム106は、機体1702の胴体セクションの組み立てなどの、部品及び小組立品の製造1606で作製される部品又は小組立品の製造に用いることができる。また、真空軌条式作業システム106は、システムインテグレーション1608においても用いることができる。例えば、システムインテグレーション1608において、真空軌条式作業システム106を用いて、検査、穿孔、ファスナの取り付け、又は、他の処理を行うことができる。
【0202】
様々な例示的な実施形態を用いることによって、実質的に、航空機1700の組み立て速度を速めること、航空機1700のコストを削減すること、又は、航空機1700の組み立て速度を速めるとともに航空機1700のコストを削減することが可能となる。
【0203】
例えば、可撓性軌条システム208のための真空軌条式作業システム106は、部品及び小組立品の製造1606の段階で動作することができ、これによって、例えば限定するものではないが、部品同士を固定して構造体を形成したり、構造体に部品を固定したりするなどの作業を実行することができる。また、真空軌条式作業システム106は、検査、穿孔、ファスナの取り付けなどの作業、又は、構造体の形成や構造体に対する部品の取り付けなどの他の作業を実行するために、整備及び保守1614中に動作することもでき、具体的には、改良、再構成、改修、及び、他の整備又は保守を含みうる定例の整備及び保守1614のうちの少なくとも1つを実行している際に動作することができる。
【0204】
次に図18を参照すると、例示的な実施形態による、製品管理システムのブロック図が示されている。製品管理システム1800は、物理的なハードウェアシステムである。この例において、製品管理システム1800は、製造システム1802又は保守システム1804のうちの少なくとも一方を含みうる。
【0205】
製造システム1802は、図17に示す航空機1700などの製品を製造するように構成されている。図示のように、製造システム1802は、製造装置1806を含む。製造装置1806は、作製装置1808又は組立装置1810のうちの少なくとも一方を含む。
【0206】
作製装置1808は、図17に示す航空機1700の形成に用いられる部品のコンポーネントを作製するために使用可能な装置である。例えば、作製装置1808は、マシン及びツールを含みうる。これらのマシン及びツールは、ドリル、油圧プレス、炉、モールド、複合材テープ敷設機、真空システム、旋盤、又は、他の適切なタイプの装置のうちの少なくとも1つであってもよい。作製装置1808は、金属部品、複合材部品、半導体、回路、ファスナ、リブ、外板パネル、翼桁、アンテナ、又は、他の適切なタイプの部品のうちの少なくとも1つを作製するために用いることができる。
【0207】
組立装置1810は、部品を組み立てて図17に示す航空機1700を形成するために用いられる装置である。具体的には、組立装置1810は、コンポーネント及び部品を組み立てて図17に示す航空機1700を形成するために用いられてもよい。組立装置1810は、さらに、マシン及びツールを含みうる。これらのマシン及びツールは、ロボットアーム、クローラ、ファスナ取付システム、レールを用いたドリルシステム、又は、ロボットのうちの少なくとも1つであってもよい。組立装置1810は、シート、水平安定板、翼、エンジン、エンジンハウジング、着陸ギアシステムなどの部品、及び、図17に示す航空機1700のための他の部品を組み立てるために用いられてもよい。例えば、組立装置1810は、図1に示す真空軌条式作業システム106における可撓性軌条システム115と、クローラロボット164とを含みうる。
【0208】
この例において、保守システム1804は、保守装置1812を含む。保守装置1812は、図17に示す航空機1700に対する保守を行うために必要な任意の装置を含みうる。保守装置1812は、図17に示す航空機1700の部品に対して様々な作業を実行するためのツールを含みうる。これらの作業は、部品の分解、部品の修理、部品の検査、部品の再加工、交換部品の製造、又は、図17に示す航空機1700に対して保守を行うための他の作業のうちの少なくとも1つを含みうる。これらの作業は、定例の保守、検査、アップグレード、修理、又は、他のタイプの保守作業のためのものである。
【0209】
この例において、保守装置1812は、超音波検査装置、X線撮像システム、視覚システム、ドリル、クローラ、及び、他の適切な装置を含みうる。場合によっては、保守装置1812は、保守に必要となりうる他の部品の作製及び組み立てを行うために、作製装置1808、組立装置1810、又は、これら両方を含んでもよい。
【0210】
製品管理システム1800は、さらに、制御システム1814を含む。制御システム1814は、ハードウェアシステムであり、さらに、ソフトウェア又は他のタイプのコンポーネントを含みうる。制御システム1814は、製造システム1802又は保守システム1804のうちの少なくとも一方の動作を制御するように構成されている。具体的には、制御システム1814は、作製装置1808、組立装置1810、又は、保守装置1812のうちの少なくとも1つの動作を制御してもよい。
【0211】
制御システム1814内のハードウェアは、コンピュータ、回路、ネットワーク、及び、他のタイプの装置を含むハードウェアを用いてもよい。上記制御は、製造装置1806の直接制御の形態をとりうる。例えば、制御システム1814によって、ロボット、コンピュータ制御によるマシン、及び、他の装置が制御される。他の例において、制御システム1814は、航空機1700の製造又は保守を行う際、作業員1816により実行される作業を管理してもよい。例えば、制御システム1814は、タスクの割り当て、命令の送信、又は、モデルの表示を行ってもよいし、作業員1816によって行われる作業を管理するための他の処理を実行してもよい。これらの例において、図17に示す航空機1700の製造又は保守のうちの少なくとも一方を管理するために、制御システム1814によって真空軌条式作業システム106を制御することもできる。他の例として、制御システム1814は、図1に示す真空軌条式作業システム106の動作を制御するために動作するコントローラ190を含みうる。例えば、コントローラ190は、構造体102に対して作業108を実行するために、クローラロボット164及び追加のクローラロボット182の動作を連携させることができる。
【0212】
様々な例において、作業員1816は、製造装置1806、保守装置1812、又は、制御システム1814のうちの少なくとも1つに対する操作又は対話を行ってもよい。この対話は、図17に示す航空機1700を製造するために行われてもよい。
【0213】
当然ながら、製品管理システム1800は、図17に示す航空機1700以外の他の製品を管理するように構成されていてもよい。製品管理システム1800の説明は、航空宇宙産業における製造に関連させて行ったが、製品管理システム1800は、他の産業における製品を管理するように構成されてもよい。例えば、製品管理システム1800は、自動車産業や他の好適な産業の製品を製造するように構成されてもよい。
【0214】
したがって、例示的な実施形態においては、可撓性軌条システム115のための方法、装置、及び、システムが提供される。可撓性軌条システム115は、真空カップシステム112を用いて、構造体102の表面120に取り付けることができる。例えば、可撓性軌条システム115における可撓性軌条110は、構造体102の表面120からの所望距離118、又は、構造体102の表面120に対する所望角度132のうちの少なくとも一方を有していてもよい。
【0215】
上述した例においては、作業108が実行される構造体102の表面120から所望距離を維持して可撓性軌条システムを取り付けることに関する技術的問題を克服する、1つ以上の技術的解決策が提示されている。この結果、1つ以上の技術的解決策は、構造体に対する作業の自動化を可能にするという技術的効果を奏することができる。例えば、例示的な実施形態においては、可撓性軌条システム115における可撓性軌条110について、表面120からの所望距離118、又は、当該表面に対する角度のうちの少なくとも一方が維持される、という1つ以上の技術的解決策が提供される。1つ以上の技術的解決策により、クローラロボット164は、構造体102の表面120からの所望距離118、又は、構造体102の表面120に対する角度132のうちの少なくとも一方を保ちつつ、作業108を実行することができる。すなわち、表面120から所望距離118を保つことにより、可撓性軌条110が所望の高さになる。
【0216】
例えば、1つ以上の技術的解決策により、クローラロボット164のツールが、構造体102の表面120に対して略垂直な配向を有するように当該クローラロボット164を配置することができる。このようにすることで、クローラロボット164は、機械加工やファスナの取り付けなどの作業108、及び、構造体の表面から特定の角度又は距離を必要とする他のタイプの作業などを実行することができる。構造体102の表面120に対して、可撓性軌条110の所望距離118又は角度132のうちの少なくとも一方を維持する機能により、クローラロボットは、作業員を必要とせずに自動で作業を実行することができる。
【0217】
したがって、説明した1つ以上の例を採用して、構造体102に対して作業108を実行することができる。一例においては、胴体セクションの継合わせ部101に沿って真空軌条式作業システム106を配置することにより、胴体セクションにおいて継合わせ部101を形成する部品同士を接合する作業108を実行してもよい。例えば、胴体セクションに沿って長手方向に延びる継合わせ部101に対して平行に第1可撓性軌条156、及び、第2可撓性軌条158を配置することにより、継合わせ部101を形成する作業108を実行してもよい。
【0218】
様々な例示的な実施形態の説明は、例示及び説明のために提示したものであり、全てを網羅することや、開示した形態での実施に限定することを意図するものではない。様々な例は、動作や工程を行うコンポーネントを説明している。例示的な実施形態において、コンポーネントは、説明した動作や工程を行うように構成することができる。例えば、コンポーネントは、実施例においてコンポーネントにより実行されると説明した動作や処理を行うことが可能な構成又は設計を有しうる。
【0219】
多くの改変又は変形が当業者には明らかであろう。また、例示的な実施形態は、他の好適な実施形態と比べて、互いに異なる特徴を有しうる。選択した実施形態は、実施形態の原理及び実際の用途を最も的確に説明するために、且つ、当業者が、想定した特定の用途に適した種々の変形を加えた様々な実施形態のための開示を理解できるようにするために、選択且つ記載したものである。
図1
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図14A
図14B
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【外国語明細書】
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