特開2019-214312(P2019-214312A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2019-214312車載用の電源制御装置および車載用電源システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-214312(P2019-214312A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】車載用の電源制御装置および車載用電源システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/033 20060101AFI20191122BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20191122BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20191122BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
   B60R16/033 C
   H02J7/00 P
   H02J7/34 B
   H02J7/00 302C
   B60R16/04 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-112908(P2018-112908)
(22)【出願日】2018年6月13日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蒲原 永典
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503BA04
5G503BB01
5G503DA18
5G503FA06
(57)【要約】
【課題】車両が始動していないときに主電源の失陥が生じた場合に、消費電力を抑制しつつ補助電源から車載用負荷に電力を供給する。
【解決手段】車載用の電源制御装置10において、電源駆動回路24は、駆動信号生成部17がオフ信号を生成しており、且つ主電源11の失陥状態が検出された場合に、補助電源12から制御部25に電力が供給されるように電源回路23を制御する。制御部25は、駆動信号生成部17がオフ信号を生成しており、且つ主電源11の失陥状態が検出された場合に、補助電源12から供給される電力を用いて、リレー21を制御して第1停止状態に切り替え、コンバータ22を制御して第2許可状態に切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源と、蓄電部を有する補助電源と、前記主電源から前記補助電源に電力を供給する経路となる第1電力路と、前記第1電力路に一端が接続され、前記主電源から車載用負荷に電力を供給する経路となる第2電力路と、前記第1電力路における前記第2電力路よりも前記補助電源側に一端が接続され、前記第2電力路とは異なる経路として、前記補助電源から前記車載用負荷に電力を供給する経路となる第3電力路と、を備えた車載用電源システムにおける車載用の電源制御装置であって、
前記第1電力路における前記第3電力路の一端の接続部よりも前記主電源側に設けられ、前記主電源側から前記補助電源側への電力供給を許可する第1許可状態と、前記主電源側から前記補助電源側への電力供給を停止する第1停止状態と、を切り替える第1切替部と、
前記第1電力路における前記第3電力路の一端の接続部よりも前記補助電源側、又は前記第3電力路に設けられ、前記補助電源側から前記車載用負荷側への電力供給を許可する第2許可状態と、前記補助電源側から前記車載用負荷側への電力供給を停止する第2停止状態と、を切り替える第2切替部と、
前記第1切替部および前記第2切替部を制御する制御部と、
前記補助電源から供給される電力に基づいて前記制御部に電力を供給する電源回路と、
前記主電源及び前記補助電源のうち少なくとも前記補助電源から供給される電力に基づいて動作し、前記電源回路を制御する電源駆動回路と、
車両を始動させる始動スイッチがオフ状態のときにオフ信号を生成し、前記始動スイッチがオン状態のときにオン信号を生成する生成部と、
を備え、
前記電源駆動回路は、前記生成部が前記オフ信号を生成しており、且つ前記主電源の失陥状態が検出された場合に、前記補助電源から前記制御部に電力が供給されるように前記電源回路を制御し、
前記制御部は、前記生成部が前記オフ信号を生成しており、且つ前記主電源の失陥状態が検出された場合に、前記補助電源から供給される電力を用いて、前記第1切替部を制御して前記第1停止状態に切り替え、前記第2切替部を制御して前記第2許可状態に切り替える車載用の電源制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記生成部が前記オフ信号を生成している場合に、動作を停止する停止状態である請求項1に記載の車載用の電源制御装置。
【請求項3】
前記電源駆動回路は、前記主電源から前記第1電力路に印加される電圧の電圧値を検出し、前記電圧値が所定の閾値より低い場合に、前記主電源が失陥状態であることを検出する請求項1又は請求項2に記載の車載用の電源制御装置。
【請求項4】
前記車載用負荷は、前記生成部を有し、
前記生成部は、前記主電源から前記第1電力路および前記第2電力路を介して前記車載用負荷に印加される電圧の電圧値を検出し、前記電圧値が所定の閾値よりも低い場合に、前記主電源が失陥状態であることを検出する請求項1又は請求項2に記載の車載用の電源制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車載用の電源制御装置と、前記主電源と、前記補助電源とを含む車載用電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用の電源制御装置および車載用電源システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、主電源の故障判定時に、副電源からバックアップ対象の電気負荷に電力給電を行う車載電源装置が開示されている。この電気負荷は、主電源の故障時にも副電源からの電力供給により動作する必要のある負荷である。車載電源装置は、主電源と、副電源と、副電源ECUと、を備えている。リレーは、主電源と副電源とを接続する電力ライン上に設けられている。副電源ECUは、車両起動に伴ってリレーをオンさせ、主電源の正常時に、主電源の電力を供給して電気負荷を動作させる。一方で、副電源ECUは、主電源に生ずる電圧を検出し、その検出電圧が所定値以下まで低下した場合に主電源が故障したことを検知する。そして、副電源ECUは、主電源の故障を検知した場合に、リレーをオフさせ、副電源の電力を供給して電気負荷を動作させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−37064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の車載電源装置において、副電源ECUは、主電源の故障発生の有無を判定するため、主電源の故障発生時に起動している必要がある。そのため、車両が始動していない状態において長い期間起動する必要のある電気負荷をバックアップ対象とする場合、副電源ECUは長期間起動状態を維持する必要がある。しかしながら、このように副電源ECUを長期間で起動状態とする構成では、消費電力が非常に大きくなってしまう問題がある。
【0005】
本発明は上述した課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、車両が始動していないときに主電源の失陥が生じた場合に、消費電力を抑制しつつ補助電源から車載用負荷に電力を供給し得る構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様である車載用の電源制御装置は、
主電源と、蓄電部を有する補助電源と、前記主電源から前記補助電源に電力を供給する経路となる第1電力路と、前記第1電力路に一端が接続され、前記主電源から車載用負荷に電力を供給する経路となる第2電力路と、前記第1電力路における前記第2電力路よりも前記補助電源側に一端が接続され、前記第2電力路とは異なる経路として、前記補助電源から前記車載用負荷に電力を供給する経路となる第3電力路と、を備えた車載用電源システムにおける車載用の電源制御装置であって、
前記第1電力路における前記第3電力路の一端の接続部よりも前記主電源側に設けられ、前記主電源側から前記補助電源側への電力供給を許可する第1許可状態と、前記主電源側から前記補助電源側への電力供給を停止する第1停止状態と、を切り替える第1切替部と、
前記第1電力路における前記第3電力路の一端の接続部よりも前記補助電源側、又は前記第3電力路に設けられ、前記補助電源側から前記車載用負荷側への電力供給を許可する第2許可状態と、前記補助電源側から前記車載用負荷側への電力供給を停止する第2停止状態と、を切り替える第2切替部と、
前記第1切替部および前記第2切替部を制御する制御部と、
前記補助電源から供給される電力に基づいて前記制御部に電力を供給する電源回路と、
前記主電源及び前記補助電源のうち少なくとも前記補助電源から供給される電力に基づいて動作し、前記電源回路を制御する電源駆動回路と、
車両を始動させる始動スイッチがオフ状態のときにオフ信号を生成し、前記始動スイッチがオン状態のときにオン信号を生成する生成部と、
を備え、
前記電源駆動回路は、前記生成部が前記オフ信号を生成しており、且つ前記主電源の失陥状態が検出された場合に、前記補助電源から前記制御部に電力が供給されるように前記電源回路を制御し、
前記制御部は、前記生成部が前記オフ信号を生成しており、且つ前記主電源の失陥状態が検出された場合に、前記補助電源から供給される電力を用いて、前記第1切替部を制御して前記第1停止状態に切り替え、前記第2切替部を制御して前記第2許可状態に切り替える。
【0007】
本発明の第2態様である車載用電源システムは、上記車載用の電源制御装置と、上記主電源と、上記補助電源とを含む。
【発明の効果】
【0008】
第1態様の車載用の電源制御装置は、電源駆動回路によって、生成部がオフ信号を生成しており、且つ主電源の失陥状態が検出された場合に、補助電源から制御部に電力が供給されるように電源回路が制御される。そのため、車両が始動していない状態において、主電源に失陥が生じたことを検出するまでは、電源回路を介して補助電源の電力が放電されることを防ぐことができる。そして、制御部は、生成部がオフ信号を生成しており、且つ主電源の失陥状態が検出された場合に、第1切替部を制御して第1停止状態に切り替え、第2切替部を制御して第2許可状態に切り替える。そのため、主電源と補助電源の間における電力供給が停止され、補助電源から車載用負荷への電力供給が許可されることで、補助電源から主電源に電力が供給されることなく、補助電源から車載用負荷に適切に電力供給させることができる。したがって、車両が始動していない状態において、主電源の失陥が生じた場合に、消費電力を抑制しつつ補助電源から車載用負荷に適切に電力を供給することができる。
【0009】
第2態様の車載用電源システムによれば、第1態様の車載用の電源制御装置と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の車載用の電源制御装置を備えた車載用電源システムの構成を概略的に例示するブロック図である。
図2】実施例1の車載用の電源制御装置によってなされるバックアップ制御の流れを例示するフローチャートである。
図3】実施例1の車載用の電源制御装置によってなされるバックアップ制御において、主電源の正常時における各タイミングを例示するタイミングチャートである。
図4】実施例1の車載用の電源制御装置によってなされるバックアップ制御において、主電源の失陥時における各タイミングを例示するタイミングチャートである。
図5】実施例2の車載用の電源制御装置を備えた車載用電源システムの構成を概略的に例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、本発明の望ましい例を示す。但し、本発明は以下の例に限定されない。
【0012】
制御部は、生成部がオフ信号を生成している場合に、動作を停止する停止状態であってもよい。
このようにすれば、車両が始動していない状態では、制御部が停止状態のままであるため、主電源に失陥が生じるまで制御部の動作を停止させることができる。そのため、主電源に失陥が生じるまで制御部による電力消費を抑制することができる。
【0013】
電源駆動回路は、主電源から第1電力路に印加される電圧の電圧値を検出し、電圧値が所定の閾値より低い場合に、主電源が失陥状態であることを検出してもよい。
このようにすれば、主電源が失陥状態か否かを、主電源から第1電力路に印加される電圧の電圧値を用いて判定することができる。そのため、主電源の失陥を直接的に把握することができ、主電源の失陥状態を正確に判定し易くなる。
【0014】
車載用負荷は、生成部を有していてもよい。生成部は、主電源から第1電力路および第2電力路を介して車載用負荷に印加される電圧の電圧値を検出し、電圧値が所定の閾値よりも低い場合に、主電源が失陥状態であることを検出してもよい。
このようにすれば、車載用の電源制御装置は、車載用負荷に生成部の機能を持たせることができ、別途検出部を設ける必要がなくなる。そのため、装置を簡略化することができる。
【0015】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について説明する。図1で示す車載用電源システム100(以下、システム100ともいう)は、主たる電力供給源である主電源11と、主電源11とは異なる電力供給源としての補助電源12と、主電源11および補助電源12を制御する車載用の電源制御装置10(以下、電源制御装置10ともいう)などを備え、車載用負荷13(バックアップ対象であり、以下、負荷13ともいう)への電力供給を行う電源システムとして構成されている。車載用電源システム100は、さらに、第1電力路14と、第2電力路15と、第3電力路16と、を備えている。第1電力路14は、主電源11から補助電源12に電力を供給する経路となる導電路である。第2電力路15は、第1電力路14に一端が接続され、主電源11から負荷13に電力を供給する経路となる導電路である。第3電力路16は、第1電力路14における第2電力路15よりも補助電源12側に一端が接続され、第2電力路15とは異なる経路として、補助電源12から負荷13に電力を供給する経路となる導電路である。そして、上記補助電源12と、上記電源制御装置10と、によって車載用の補助電源装置20が構成されている。
【0016】
システム100は、主電源11が正常状態のときには、主電源11から負荷13に対して電力供給を行いつつ、主電源11からの電力供給によって補助電源12を充電する。なお、「主電源11が正常状態のとき」とは、例えば、主電源11から負荷13に対して所定電圧値以上の電圧が印加される状態である。一方で、システム100は、主電源11が異常状態(失陥状態)のときには、補助電源12から負荷13に対して電力供給を行うシステムとして構成されている。なお、「主電源11が異常状態(失陥状態)のとき」とは、例えば、主電源11から負荷13に対して所定電圧値以上の電圧が印加されない状態である。
【0017】
主電源11は、例えば、鉛バッテリ等の公知の車載バッテリ(補機電源を含む)として構成されている。主電源11は、高電位側の端子が第1電力路14に電気的に接続され、第1電力路14に対して所定値(例えば12V)の出力電圧を印加する。主電源11の低電位側の端子は、車両に設けられたグラウンド部に電気的に接続されている。なお、第1電力路14の途中には、図示しないヒューズが介在している。また、主電源11は、図示しない発電機に電気的に接続されており、この発電機からの電力によって充電され得る。
【0018】
補助電源12は、複数の蓄電セル(図示略)を備えた蓄電部として構成される。蓄電セルは、例えば、電気二重層キャパシタ、リチウムイオン電池などの公知の蓄電手段によって構成される。補助電源12は、複数の蓄電セルが直列に接続される形で構成され、これら複数の蓄電セルによって所望の出力電圧を生じさせる蓄電ユニットとして機能する。補助電源12(蓄電ユニット)全体において最も低い電位となる端子はグラウンドに電気的に接続されており、この端子は所定の低電位(0V)に保たれる。また、補助電源12(蓄電ユニット)全体において最も高い電位となる端子は、後述するコンバータ22、電源回路23、および制御部25に電気的に接続されており、この端子は、補助電源12の充電量に応じた電圧が印加される。
【0019】
負荷13は、公知の車載用電気部品として構成されている。負荷13は、例えば、主電源11の失陥時に(主電源11からの電力供給が途絶えた場合に)、起動して動作する電気部品であり、セキュリティ関連のECUなどである。負荷13は、上述した正常状態のときには主電源11からの電力供給に基づいて動作し、上述した異常状態のときには補助電源12からの電力供給に基づいて動作する。
【0020】
第1電力路14は、一端が主電源11に電気的に接続され、他端が補助電源12に電気的に接続されている。第2電力路15は、一端が第1電力路14に接続され、他端が負荷13に電気的に接続されている。第3電力路16は、第1電力路14における第2電力路15よりも補助電源12側に一端が接続され、他端が負荷13に電気的に接続されている。
【0021】
電源制御装置10は、図1に示すように、リレー21と、コンバータ22と、電源回路23と、電源駆動回路24と、を有している。リレー21は、第1切替部の一例に相当する。リレー21は、第1電力路14における第3電力路16の一端の接続部よりも主電源11側に設けられている。具体的には、リレー21は、第1電力路14において、第2電力路15の一端の接続部と第3電力路16の一端の接続部との間に設けられている。リレー21は、一端が主電源11に電気的に接続され、他端が補助電源に電気的に接続されている。リレー21は、1以上の半導体スイッチ(FET、トランジスタ等)や機械式リレーなどによって構成されており、オン状態とオフ状態とに切り替わる機能を有する。リレー21は、主電源11側から補助電源12側への電力供給を許可する第1許可状態と、主電源11側からと補助電源12側への電力供給を停止する第1停止状態と、を切り替えるように機能する。具体的には、リレー21は、オン状態のときに主電源11側から補助電源12側へ電流が流れることを許容し、オフ状態のときには主電源11側から補助電源12側への電流の流れを遮断する。
【0022】
コンバータ22は、第2切替部の一例に相当する。コンバータ22は、図1に示すように、第1電力路14における第3電力路16の一端の接続部よりも補助電源12側に設けられている。具体的には、コンバータ22は、第1電力路14において、第3電力路16の一端の接続部と補助電源12との間に設けられている。コンバータ22は、例えば、公知の車載用の昇降圧型DCDCコンバータとして構成されている。コンバータ22は、補助電源12側から負荷13側への電力供給を許可する第2許可状態と、補助電源12側から負荷13側への電力供給を停止する第2停止状態と、を切り替えるように機能する。また、コンバータ22は、第1電力路14又は第2電力路15の一方の電力路に印加された直流電圧を昇圧又は降圧して他方の電力路に出力するように機能する。コンバータ22は、例えば、主電源11側から補助電源12側へ電流が流れることを許容して、主電源11から第1電力路14に印加された電圧を降圧して補助電源12に出力する降圧機能と、補助電源12側から負荷13側へ電流が流れることを許容して、補助電源12から第1電力路14に印加された電圧を昇圧して負荷13に出力する昇圧機能とが実行される。
【0023】
第1電力路14において、図1に示すように、主電源11の接続部と、負荷13の接続部との間に、駆動信号生成部17が接続されている。駆動信号生成部17は、生成部の一例に相当する。駆動信号生成部17は、車両を始動させる始動スイッチ(例えば、イグニッションスイッチ)がオフ状態のときにオフ信号を生成し、始動スイッチがオン状態のときにオン信号(駆動信号)を生成するように機能する。また、駆動信号生成部17は、電源駆動回路24、および制御部25に信号を出力する。駆動信号生成部17は、主電源11から供給される電力を用いて動作する。
【0024】
電源回路23は、公知のレギュレータなどによって構成されている。電源回路23は、図1に示すように、リレー21とコンバータ22の直列構成に対して並列となるように第1電力路14に設けられている。電源回路23は、後述する制御部25に電気的に接続され、補助電源12から供給される電力に基づいて制御部25に安定的に電力を供給するように機能する。
【0025】
電源駆動回路24は、公知の電圧検出回路として構成されている。電源駆動回路24は、図1に示すように、リレー21とコンバータ22の直列構成、および電源回路23に並列となるように第1電力路14に設けられている。電源駆動回路24は、主電源11及び補助電源12のうち少なくとも補助電源12から供給される電力に基づいて動作し、電源回路23の動作を制御する。電源駆動回路24は、主電源11の高電位側の端子の電圧を検出し、主電源11の出力電圧を特定し得る。そして、電源駆動回路24は、主電源11から第1電力路14に印加される電圧を検出し、検出した電圧が閾値を下回っているか否か判定する。電源駆動回路24は、検出した電圧が閾値を下回っていると判定した場合に、主電源11が失陥状態であることを検出する。そして、電源駆動回路24は、始動スイッチのオフ状態において、主電源11の失陥状態を検出した場合に、電源回路23にオン信号を出力する。
【0026】
制御部25は、リレー21、コンバータ22、および電源駆動回路24の動作を制御する部分である。制御部25は、例えばマイクロコンピュータとして構成され、CPU等の演算装置、ROM又はRAM等のメモリ等を有する。制御部25は、補助電源12から供給される電力を用いて動作する。制御部25は、例えば、リレー21を制御して上記第1許可状態と第1停止状態とを切り替え、コンバータ22を制御して第2許可状態と第2停止状態とを切り替える。また、制御部25は、電源駆動回路24を制御して、電源回路23への出力状態を維持する。
【0027】
次に、電源制御装置10によるバックアップ制御について、図2図4を用いて説明する。
電源制御装置10は、図3に示すように、主電源11の正常時には、主電源11によって10V以上の電圧が第1電力路14に印加されている。そして、始動スイッチは、タイミングT1でオフ状態からオン状態に変わる操作がなされている。これにより、駆動信号生成部17は、タイミングT1で、オン信号(駆動信号)を電源駆動回路24および制御部25に出力する。電源駆動回路24は、駆動信号生成部17からオン信号を取得すると、電源回路23にオン信号を出力する。制御部25は、駆動信号生成部17からオン信号を取得すると、起動状態となる。なお、制御部25は、駆動信号生成部17からオン信号を取得していない場合に、動作を停止する停止状態である。電源回路23は、電源駆動回路24からオン信号を取得すると、補助電源12から供給される電力を制御部25に供給する。制御部25は、電源回路23を介して補助電源12から電力が供給されると、図2のバックアップ制御を開始する。
【0028】
一方で、電源制御装置10は、図4に示すように、主電源11の異常時(失陥時)には、主電源11から第1電力路14に印加される電圧が、10V以上から低下し、例えばタイミングT3で閾値(例えば6V)を下回る。電源駆動回路24は、主電源11から第1電力路14に印加される電圧が、閾値を下回ったことを検出すると、オン信号を電源回路23に出力する。これにより、電源駆動回路24は、補助電源12から制御部25に電力が供給されるように電源回路23を制御する。電源回路23は、電源駆動回路24からのオン信号を取得すると、補助電源12から供給される電力を制御部25に供給する。制御部25は、電源回路23を介して補助電源12から電力が供給されると、起動状態となり、図2のバックアップ制御を開始する。
【0029】
ここで、制御部25は、補助電源12から電力が供給されていない場合であって、電源駆動回路24が主電源11の失陥を検出しない間は、動作を行なわない停止状態となる。そのため、車両が始動していない状態において、電源駆動回路24が主電源11に失陥が生じたことを検出するまでは、電源回路23を介して補助電源12の電力が放電されることを防ぐことができる。これにより、制御部25は、停止状態のままであるため、主電源11に失陥が生じるまで動作が停止し、電力消費が抑制される。
【0030】
制御部25は、起動状態となると、図2に示すように、始動スイッチがオフ状態であり(駆動信号生成部17がオフ信号を生成しており)、かつ、主電源11から第1電力路14に印加される電圧が閾値以下であるか否か判定する(ステップS1)。制御部25は、例えば、電源駆動回路24から、主電源11から第1電力路14に印加される電圧が閾値以下であるか否かの判定結果を取得する。図3に示すように、主電源11が正常時に、始動スイッチをオフ状態からオン状態に操作した場合、制御部25は、始動スイッチがオン状態であり、かつ、主電源11から第1電力路14に印加される電圧が閾値以下ではないと判定する。そのため、ステップS1でNoに進み、制御部25は、タイミングT2で、リレー21をオン状態(第1許可状態)とし、コンバータ22をオン状態(第2許可状態)とする(ステップS2)。そして、制御部25は、主電源11から負荷13および補助電源12へ電流が流れることを許容し、充電モードとなる(ステップS3)。充電モードでは、主電源11は、負荷13および補助電源12に電力を供給する。
【0031】
その後、制御部25は、始動スイッチがオン状態からオフ状態に変わる操作がなされ、駆動信号生成部17からオフ信号(停止信号)を取得すると、リレー21をオフ状態(第1停止状態)とし、コンバータ22をオフ状態(第2停止状態)とする。そして、制御部25は、停止状態となり、図2の制御を終了する。
【0032】
一方で、図4では、始動スイッチがオフ状態のままで、主電源11に失陥が生じ、タイミングT3で、主電源11から第1電力路14に印加される電圧が閾値以下になっている。この場合、制御部25は、始動スイッチがオフ状態であり(駆動信号生成部17がオフ信号を生成しており)、かつ、主電源11から第1電力路14に印加される電圧が閾値以下であると判定する。そのため、ステップS1でYesに進み、制御部25は、タイミングT4で、補助電源12から供給される電力を用いて、リレー21をオフ状態(第1停止状態)とし、コンバータ22をオン状態(第2許可状態)とする(ステップS4)。このように、制御部25は、主電源11から補助電源12へ電流が流れることを禁止するとともに、補助電源12から負荷13へ電流が流れること(放電)を許容し、バックアップモードとなる(ステップS5)。主電源11は、バックアップモードでは、負荷13および補助電源12に電力を供給しない。補助電源12は、バックアップモードでは、負荷13に電力を供給する。
【0033】
このように、制御部25は、車両が始動していない状態において、主電源11に失陥が生じたことが検出された場合に、主電源11と補助電源12の間における電力供給を停止し、補助電源12から負荷13への電力供給を許可する。そのため、制御部25は、補助電源12から主電源11に電力が供給されることなく、補助電源12から負荷13に適切に電力供給させることができる。したがって、車両が始動していない状態において、主電源11の失陥が生じるまでは、制御部25を停止状態として消費電力を抑制しつつ、主電源11の失陥が生じた場合に、補助電源12から負荷13に適切に電力を供給することができる。
【0034】
その後、制御部25は、例えば補助電源12からの出力電圧が所定の低レベルになった場合に、コンバータ22をオフ状態(第2停止状態)とする。そして、制御部25は、停止状態となり、図2の制御を終了する。
【0035】
次に、本構成の効果を例示する。
上述した電源制御装置10は、電源駆動回路24によって、駆動信号生成部17がオフ信号を生成しており、且つ主電源11の失陥状態が検出された場合に、補助電源12から制御部25に電力が供給されるように電源回路23が制御される。そのため、車両が始動していない状態において、主電源11に失陥が生じたことを検出するまでは、電源回路23を介して補助電源12の電力が放電されることを防ぐことができる。そして、制御部25は、駆動信号生成部17がオフ信号を生成しており、且つ主電源11の失陥状態が検出された場合に、リレー21を制御して第1停止状態に切り替え、コンバータ22を制御して第2許可状態に切り替える。そのため、主電源11と補助電源12の間における電力供給が停止され、補助電源12から負荷13への電力供給が許可されることで、補助電源12から主電源11に電力が供給されることなく、補助電源12から負荷13に適切に電力供給させることができる。したがって、車両が始動していない状態において、主電源11の失陥が生じた場合に、消費電力を抑制しつつ補助電源12から負荷13に適切に電力を供給することができる。
【0036】
制御部25は、駆動信号生成部17がオフ信号を生成している場合に、動作を停止する停止状態である。このようにすれば、車両が始動していない状態では、制御部25が停止状態のままであるため、主電源11に失陥が生じるまで制御部25の動作を停止させることができる。そのため、主電源11に失陥が生じるまで制御部25による電力消費を抑制することができる。
【0037】
電源駆動回路24は、主電源11から第1電力路14に印加される電圧の電圧値を検出し、電圧値が所定の閾値より低い場合に、主電源11が失陥状態であることを検出する。このようにすれば、主電源11が失陥状態か否かを、主電源11から第1電力路14に印加される電圧の電圧値を用いて判定することができる。そのため、主電源11の失陥を直接的に把握することができ、主電源11の失陥状態を正確に判定し易くなる。
【0038】
<実施例2>
次に、実施例2について説明する。
実施例2の車載用電源システム100は、負荷13が主電源11の異常状態(失陥状態)を検出する機能を有する点が実施例1と異なっている。なお、これら以外の構成及び処理は、実施例1と同様である。したがって、以下では実施例1と同一の構成をなす部分については実施例1と同一の符号を付して詳細な説明を省略し、実施例1と相違する点を重点的に説明する。なお、図5で示す車載用電源システム100は、負荷13の構成以外は図1の車載用電源システム100と同一である。
【0039】
負荷13は、実施例1と同様の車載用電気部品として構成されている。負荷13は、さらに、第2駆動信号生成部18を有している。第2駆動信号生成部18は、生成部の一例に相当する。第2駆動信号生成部18は、公知の電圧検出回路として構成されており、主電源11から第1電力路14および第2電力路15を介して負荷13に印加される電圧の電圧値を検出する。そして、第2駆動信号生成部18は、検出した電圧値が所定の閾値よりも低い場合に、主電源11が失陥状態であることを検出する。第2駆動信号生成部18は、主電源11が失陥状態であることを検出すると、電源駆動回路24にオン信号を出力する。
【0040】
電源駆動回路24は、始動スイッチのオフ状態において、負荷13からオン信号を取得すると、実施例1と同様に、電源回路23にオン信号を出力する。
【0041】
電源制御装置10によるバックアップ制御は、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0042】
実施例2の電源制御装置10は、負荷13が駆動信号生成部17を有している。そして、駆動信号生成部17は、主電源11から第1電力路14および第2電力路15を介して負荷13に印加される電圧の電圧値を検出し、電圧値が所定の閾値よりも低い場合に、主電源11が失陥状態であることを検出する。このようにすれば、電源制御装置10は、負荷13に駆動信号生成部17の機能を持たせることができ、別途検出部を設ける必要がなくなる。そのため、装置を簡略化することができる。
【0043】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0044】
実施例1,2では、第2切替部の一例としてコンバータ22を例示したが、第2切替部の一例としてリレーを設ける構成であってもよい。このようなリレーは、コンバータ22と同様に、補助電源12側から負荷13側への電力供給が許可される第2許可状態と、補助電源12側から負荷13側への電力供給が停止される第2停止状態と、を切り替えるように機能する。
【0045】
実施例1,2では、制御部25は、補助電源12から電力が供給されていない場合に、動作を停止する停止状態であったが、省電力状態であってもよい。省電力状態とは、例えば、マイコンの動作周波数を、補助電源12から制御部25に電力が供給されているときよりも小さい状態などである。
【0046】
実施例1,2では、制御部25は、主電源11の正常時に、駆動信号生成部17からオン信号を取得することで起動状態となったが、電源回路23を介して補助電源12から電力が供給されることで起動状態となってもよい。
【0047】
実施例1では、電源駆動回路24が、主電源11から第1電力路14に印加される電圧が閾値を下回ったか否かを検出したが、駆動信号生成部17が、主電源11から第1電力路14に印加される電圧が閾値を下回ったか否かを検出してもよい。そして、電源駆動回路24は、駆動信号生成部17から、始動スイッチに関する信号、および主電源11の失陥状態に関する信号を取得して動作を行なう。
【符号の説明】
【0048】
10…車載用の電源制御装置
11…主電源
12…補助電源
13…車載用負荷
14…第1電力路
15…第2電力路
16…第3電力路
17…駆動信号生成部(生成部)
18…第2駆動信号生成部(生成部)
21…リレー(第1切替部)
22…コンバータ(第2切替部)
23…電源回路
24…電源駆動回路
25…制御部
100…車載用電源システム
図1
図2
図3
図4
図5