【課題】コンベアによって搬送されるシュリンクラベルが被せられた容器に対しシュリンクラベルに皺、弛み等を発生させずに容器に密に装着させることが可能なラベル用シュリンク装置を提供する。
【解決手段】熱風を一時的に蓄える熱風チャンバ31の側壁に、曲率中心を耐熱無端ベルト側に持つ所定の曲率半径を有する円弧面35Aを形成する。円弧面35Aには熱風が吹き出る吹出口35aを、2つの吹出口35a,35aをペアとして多列多段に形成する。熱風チャンバ31に熱風を供給する熱風供給管32を熱風チャンバ31内部に挿入し、熱風が複数の貫通穴32aから熱風チャンバ31に供給されるように構成する。各貫通穴32aの取り付け位置は、貫通穴32aから供給される熱風が吹出口35aに直に当たらない位置とする。また、吹出口35aの全部又は一部を遮蔽する第2遮蔽部34を円弧面35Aに形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コンベアで搬送されている容器に熱風を吹き付けても、容器は移動しているので、この移動により乱流が発生し、容器を中心とした渦流を発生することは困難である。即ち、渦流を発生させるように、熱風を容器に被せられた熱収縮ラベルに吹き付けても、熱風の熱エネルギーを効率的に利用できないという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、コンベアによって搬送されるシュリンクラベルが被せられた容器に対しシュリンクラベルに皺、弛み等を発生させずに容器に密に装着させることが可能なラベル用シュリンク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係るラベル用シュリンク装置は、熱収縮性ラベル(2)が被せられた容器(1)を搬送するコンベア(10)と、容器(1)に加熱流体を吹き付けて熱収縮性ラベル(2)を収縮させる加熱部(20、30)と、加熱流体を吸引・圧送する送風部(40、50)と、加熱流体を所定の温度に調整する温度調整部(60、70)と、を備えたラベル用シュリンク装置(100)であって、前記加熱部(30)は前記コンベア(10)側に曲率中心を有する円弧面(35A)を有し、加熱流体を容器(1)に吹き付ける複数のノズル部(33)が前記円弧面(35A)に形成されていることを特徴とする。
【0007】
上記構成では、容器(1)が円弧面(35A)の曲率中心位置を通過するとき、各ノズル部(33)先端から容器(1)に到る距離が全て等しくなる。この場合、各ノズル部(33)から噴射される加熱流体が、容器(1)の胴部に対し直角かつ同時に当たるようになる。加熱流体が容器(1)の胴部に対して直角に当たることにより、加熱流体の熱エネルギーを最大限に熱収縮性ラベル(2)に供給することが可能になる。また、加熱流体が容器(1)の胴部に対し同時に当たることにより、熱収縮性ラベル(2)を容器(1)の周方向に沿って均一に加熱することが可能になる。
【0008】
本発明の第2の特徴は、前記円弧面(35A)は、前記複数のノズル部(33)に加熱流体を供給する複数の吹出口(35a)を有することである。
【0009】
上記構成では、円弧面(35A)に加熱流体の吹出口(35a)が複数有することにより、加熱流体は複数の吹出口(35a)を通過する際に抵抗を受けることになる。これによりノズル部(33)に供給される加熱流体の流れが安定するようになる。その結果、ノズル部(33)から容器(1)に噴射される加熱流体の流れも安定するようになる。その結果、熱収縮性ラベル(2)を安定して加熱することが可能になる。
【0010】
本発明の第3の特徴は、前記加熱部(30)は、加熱流体を一時的に蓄えながら前記ノズル部(33)に加熱流体を供給する加熱流体チャンバ(31)と、複数の貫通口(32a)を有し当該貫通口を介して当該加熱流体チャンバ(31)に加熱流体を供給する加熱流体供給部(32)とを備え、当該加熱流体供給部(32)は前記加熱流体チャンバ(31)の内部に挿入されていることである。
【0011】
上記構成では、上記加熱流体供給部(32)が加熱流体チャンバ(31)の内部に挿入され、熱風が複数の貫通口(32a)を介して加熱流体チャンバ(31)に供給される。これにより上流から流れて来る加熱流体の流れが、貫通口(32a)を通過する際に抵抗を受けることになり、加熱流体チャンバ(31)内の流れが安定する。これにより、加熱流体チャンバ(31)からノズル部(33)へ安定して加熱流体を供給することが可能になる。
【0012】
本発明の第4の特徴は、前記複数の貫通口(32a)は前記吹出口(35a)に対向しない側に設けられていることである。
【0013】
上記構成では、加熱流体供給部(32)から加熱流体チャンバ(31)に供給される加熱流体の流れが、加熱流体チャンバ(31)からノズル部(33)に供給される加熱流体の流れに影響を与えなくなる。その結果、各ノズル部(33)から噴射される加熱流体の流れが安定するようになる。
【0014】
本発明の第5の特徴は、前記複数の吹出口(35a)は、当該吹出口と全部又は一部が重複する複数の貫通口(34a)を有し且つ前記円弧面(35A)に沿ってスライド可能な遮蔽部(34)によって覆われていることである。
【0015】
上記構成では、上記遮蔽部(34)をスライドさせることにより、吹出口(35a)と貫通口(34a)を重複(オーバーラップ)させ、吹出口(35a)からノズル部(33)に供給される加熱流体の流れを絞ることが可能になる。加熱流体の流れが絞られることにより、ノズル部(33)から噴射される加熱流体の総流量は低下する。つまり、上記遮蔽部(34)をスライドさせることにより、ノズル部(33)から噴射される加熱流体の総流量を調整することが可能となる。その一方で、オリフィス効果により、ノズル部(33)から噴射される加熱流体の流速が増加する。これにより、ノズル部(33)から噴射された加熱流体は極めて短時間に容器(1)に到達することが可能になり、その結果、熱収縮性ラベル(2)を均一且つ急速に加熱することが可能になる。
【0016】
本発明の第6の特徴は、前記ノズル部(33)は、軸(33B、33B)と、一端を当該軸によって支持され且つ揺動可能な矩形板(33A、33A)とによって構成されていることである。
【0017】
上記構成では、簡易的に加熱流体の吹き出し方向を可変にすることが可能になる。
【0018】
本発明の第7の特徴は、前記加熱部(30)の前段に加熱流体を容器(1)に吹き付ける複数のスリット(22a)を有する副加熱部(20)を備え、当該複数のスリット(22a)は、貫通口(25a)を有し且つスライド可能な副遮蔽部(24)によって覆われていることである。
【0019】
上記構成では、上記副遮蔽部(24)をスライドさせることにより、スリット(22a)と貫通口(25a)を重複(オーバーラップ)させ、スリット(22a)から吹き出される加熱流体の流れを絞ることが可能になる。加熱流体の流れが絞られることにより、スリット部(22a)から吹き出される加熱流体の総流量は低下する。つまり、上記副遮蔽部(24)をスライドさせることにより、スリット部(22a)から吹き出される加熱流体の総流量を調整することが可能となる。その一方で、オリフィス効果により、スリット部(22a)から吹き出される加熱流体の流速が増加する。これにより、スリット部(22a)から吹き出された加熱流体は極めて短時間に容器(1)に到達することが可能になり、その結果、熱収縮性ラベル(2)を急速に予備加熱することが可能になる。
【0020】
本発明の第8の特徴は、前記スリット(22a)及び前記貫通口(25a)は傾斜していることである。
【0021】
上記構成では、スリット(22a)及び貫通口(25a)が傾斜していることにより、加熱流体の拡散範囲が拡大する。これにより、相対移動する熱収縮性ラベル(2)を効率良く予備加熱することが可能になる。
【0022】
上記目的を達成するための本発明に係る他のラベル用シュリンク装置は、熱収縮性ラベル(2)が被せられた容器(1)を搬送するコンベア(10)と、容器(1)に加熱流体を吹き付けて熱収縮性ラベル(2)を収縮させる加熱部(20’、30’)と、加熱流体を吸引・圧送する送風部(40、50)と、加熱流体を所定の温度に調整する温度調整部(60、70)と、を備えたラベル用シュリンク装置(100)であって、前記加熱部(30’)は、加熱流体を容器(1)に吹き付ける複数のノズル部(33’)が前記コンベア(10)側に曲率中心を有する仮想円弧面(35A’)に沿って形成されていることを特徴とする。
【0023】
上記構成では、各ノズル部(33’)から噴射される加熱流体が、容器(1)の胴部に対し直角かつ同時に当たるようになる。
【0024】
上記発明の第2の特徴は、各前記ノズル部(33’)は、加熱流体を供給する加熱流体供給部(32’)を別個独立に有することである。
【0025】
上記構成では、各ノズル部(33’)が加熱流体供給部(32’)毎に別個独立に設けられている。従って、ノズル部(33’)についての加熱流体の噴射角度の調整ならびにメンテナンスを別個独立に行うことが可能となる。
【0026】
上記発明の第3の特徴は、前記加熱流体供給部(32’)は、径方向外側に突出した突起部(34a’)を少なくとも2個有する環状部(34’)を備え、各前記突起部(34a’)は、回転方向に沿った下端の一方の所定の側にR部が形成されていることである。
【0027】
上記構成では、環状部(34’)の回転方向によって上記突起部(34a’)を部材(38)に対し係合/非係合とすることが可能となる。
【0028】
上記発明の第4の特徴は、前記加熱部(30’)は前記加熱流体供給部(32’)を支持するホルダー(38)を備え、前記ホルダー(38)は、一端に雄ネジ部(39a)と他端に雌ネジ部(39d)が形成され且つその間に外径が拡大した拡幅部(39b)が形成された支持ピン(39)によって支持されていることである。
【0029】
上記構成では、ホルダー(38)と部材(71)との間に隙間を形成することが可能となる。これにより、加熱流体供給部(32’)の取り付け/取り外しが容易となる。
【0030】
上記発明の第5の特徴は、前記ホルダー(38)は、前記拡幅部(39b)の下面に接合した状態において弾性部材(39g)によって下方から付勢されていることである。
【0031】
上記構成では、ホルダー(38)は部材(71)との間に隙間を形成した状態で、上下方向に変位することが可能となる。これにより、加熱流体供給部(32’)の取り付け/取り外しが容易となる。
【0032】
上記発明の第6の特徴は、前記ホルダー(38)は、前記環状部(34’)及び前記突起部(34a’)を通す貫通部(38a、38b)を備え、前記貫通部(38a、38b)に隣接して高さが低くなった低床部(38c)が前記突起部(34a’)に対応して形成されていることである。
【0033】
上記構成では、環状部(34’)の回転方向によって上記突起部(34a’)を低床部(38c)に係合/非係合させることが可能となる。これにより、環状部(34’)の回転方向によって加熱流体供給部(32’)の取り付け/取り外しを行うことが可能となる。
【0034】
上記発明の第7の特徴は、前記低床部(38c)は、回転方向に関し前記貫通部(38b)の何れか一方の所定の側に形成されていることである。
【0035】
上記構成では、突起部(34a’)が貫通部(38b)に位置するときにホルダー(38)に係合しなくなる。一方、突起部(34a’)が低床部(38c)に位置するときにホルダー(38)に係合するようになる。このように、突起部(34a’)が低床部(38c)/貫通部(38b)に位置するか否かによって、加熱流体供給部(32’)の取り付け/取り外しを容易に行うことができる。
【0036】
上記発明の第8の特徴は、前記加熱部(30’)の前段に加熱流体を容器(1)に吹き付ける複数の開口(22a’)を有する副加熱部(20’)を備え、当該複数の開口(22a’)は、貫通口(25a’)を有し且つスライド可能な副遮蔽部(24’)によって覆われていることである。
【0037】
上記構成では、上記副遮蔽部(24’)をスライドさせることにより、開口(22a’)から吹き出される加熱流体の総流量を調整することが可能となる。その一方で、オリフィス効果により、開口(22a’)から吹き出される加熱流体の流速が増加する。これにより、開口(22a’)から吹き出された加熱流体は極めて短時間に容器(1)に到達することが可能になり、その結果、熱収縮性ラベル(2)を急速に予備加熱することが可能になる。
【0038】
上記発明の第9の特徴は、前記開口(22a’)及び前記貫通口(25a’)は長穴に形成されていることである。
【0039】
上記構成では、開口(22a’)及び貫通口(25a’)が長穴に形成されていることにより、加熱流体の拡散範囲が拡大する。これにより、相対移動する熱収縮性ラベル(2)を効率良く予備加熱することが可能になる。
【発明の効果】
【0040】
本発明のラベル用シュリンク装置(100)によれば、コンベア(10)によって搬送される熱収縮性ラベル(2)付き容器(1)を均一且つ急速に加熱することが可能となるため、加熱流体の熱エネルギーを効率良く利用することが出来るようになる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0043】
図1から
図3は、本発明のラベル用シュリンク装置100を示す説明図である。なお、
図1、
図2及び
図3は、ラベル用シュリンク装置100の正面図、右側面図及び
図1のA−A断面図をそれぞれ表している。
図1に示されるように、このラベル用シュリンク装置100は、シュリンクラベル(熱収縮性ラベル)2が被せられた容器1(以下「容器1」という。)を搬送するコンベア10と、容器1に熱風を吹き付けてシュリンクラベル2を予備的に熱収縮させる第1加熱部(副加熱部)20と、第1加熱部20を通過した容器1に更に熱風を吹き付けてシュリンクラベル2を密に容器1に装着させる第2加熱部30と、シュリンクラベル2の加熱に使用された熱風(以下「使用済み熱風」という。)を回収して第1加熱部20に圧送する第1送風部40と、使用済み熱風を回収して第2加熱部30に圧送する第2送風部50と、第1送風部40から圧送された使用済み熱風を所定の温度に調整する第1温度調整部60と、第2送風部50から圧送された使用済み熱風を所定の温度に調整する第2温度調整部70と、を具備して構成される。
【0044】
コンベア10は、駆動輪12と遊動輪13との間に巻き掛けられる耐熱無端ベルト11と、耐熱無端ベルト11の張りを調整するベルト張り調整装置14と、駆動輪12を駆動するモータ15とによって構成される。耐熱無端ベルト11の搬送速度については、モータ15の回転速度を変えることによって行われる。なお、モータ15は回転速度が可変であれば直流又は交流の形式は問わない。また、コンベア10の搬送手段についても、耐熱無端ベルト11だけに限定されず、耐熱性搬送手段であればその形式は問わない。
【0045】
図2及び
図3に示されるように、第1加熱部20及び第2加熱部30は、それぞれコンベア10の耐熱無端ベルト11に関して対称に設けられている。第1温度調整部60は、2つの第1加熱部20,20の上部を跨ぐ形態で2つの第1加熱部20,20に接合している。従って、これら第1加熱部20,20及び第1温度調整部60は、いわゆるシュリンクトンネルを形成している。
【0046】
同様に、第2温度調整部70は、2つの第2加熱部30,20の上部を跨ぐ形態で2つの第2加熱部30,30に接合している。従って、これら第2加熱部30,30及び第2温度調整部70についてもシュリンクトンネルを形成している。
【0047】
加熱部20はシュリンクラベル2を容器1に仮装着するための予熱部として機能する。一方、第2加熱部30は仮装着状態のシュリンクラベル2を容器1に完全に装着させるための本加熱部として機能する。なお、ここで言う「完全に」とは、皺や弛みがなくシュリンクラベル2が容器1の外表面に密に装着されている状態を意味している。
【0048】
再び
図1に戻って、第1送風部40は、使用済み熱風を吸引して圧送する第1送風機41と、第1送風機41によって圧送される使用済み熱風を第1温度調整部60に移送する第1供給配管42と、使用済み熱風を一時的に貯留する第1熱風回収部43と、使用済み熱風を第1送風機41の吸込口41aに移送する左・右第1戻り配管44L,44Rと、第1送風機41を駆動する第1電動機45とから成る。なお、第1電動機45は回転速度が可変であれば直流又は交流の形式は問わない。第1電動機45の回転速度が変わる場合、第1送風部40の風量は変化する。また、左・右第1戻り配管44L,44Rは第1送風機41の吸込口41aの手前で1つに結合されている。
【0049】
第1熱風回収部43は、第1戻り配管44L,44Rを介して第1送風機41の吸込口41aに連通している。第1送風機41の吐出口41bには第1供給配管42が接続されている。第1供給配管42は第1加熱部20を迂回して第1温度調整部60に接続されている。第1温度調整部60は第1加熱部20に連通しており、第1加熱部20はラベル用シュリンク装置100のシュリンクトンネル(
図2)に連通している。
【0050】
従って、使用済み熱風は、第1熱風回収部43において大気と混合されて、左・右第1戻り配管44L,44R→第1送風機41の吸込口41a→第1送風機41の内部→第1送風機41の吐出口41b→第1供給配管42→第1温度調整部60という経路で第1温度調整部60に供給される。第1温度調整部60に供給された使用済み熱風は、第1温度調整部60のヒータ61(
図3)によって所定の温度に調温された後、第1加熱部20,20から容器1に吹き付けられる。
【0051】
同様に、第2送風部50は、使用済み熱風を吸引して圧送する第2送風機51と、第2送風機51によって圧送される使用済み熱風を第2温度調整部70に移送する第2供給配管52と、使用済み熱風を一時的に貯留する第2熱風回収部53と、使用済み熱風を第2送風機51の吸込口51aに移送する第2戻り配管54と、第2送風機51を駆動する第2電動機55とから成る。なお、第2電動機55は回転速度が可変であれば直流又は交流の形式は問わない。第2電動機55の回転速度が変わる場合、第2送風部50の風量は変化する。
【0052】
第2熱風回収部53は、第2戻り配管54を介して第2送風機51の吸込口51aに連通している。第2送風機51の吐出口51bには第2供給配管52が接続されている。第2供給配管52は第2加熱部30を迂回して第2温度調整部70に接続されている。第2温度調整部70は第2加熱部30に連通しており、第2加熱部30はラベル用シュリンク装置100のシュリンクトンネル(
図2)に連通している。
【0053】
従って、使用済み熱風は、第2熱風回収部53において大気と混合されて、第2戻り配管54→第2送風機51の吸込口51a→第2送風機51→第2送風機51の吐出口51b→第2供給配管52→第2温度調整部70という経路で第2温度調整部70に供給される。第2温度調整部70に供給された使用済み熱風は、第2温度調整部70のヒータ71によって所定の温度に調温された後、第2加熱部30,30から容器1に吹き付けられる。
【0054】
図3に示されるように、第1温度調整部60及び第2温度調整部70は、それぞれ複数個のヒータ61,71を備えている。ヒータ61,71としては、例えばフィン付きカートリッジヒータを使用することができる。第1温度調整部60では、熱風の温度を段階的に上昇させるようにヒータ61が第1加熱部20の開口21a(
図4(a))に対応して複数配設されている。
【0055】
同様に、第2温度調整部70では、ヒータ71が第2加熱部30の熱風供給管32(
図6)に対応して複数配設されている。ヒータ61,71の加熱容量及び個数については、応答性の要求、容器1の大きさ、並びにコンベア10の搬送能力等によって自由に決定することが出来る。従って、熱風の温度については自由に設定することができる。なお、各ヒータ61,71の形式については、カートリッジ式だけに限定されず、空気加熱用ヒータであればその形式は問わない。
【0056】
図4は、本発明に係る第1加熱部20を示す説明図である。
図4(a)、同(b)、同(c)及び同(d)は、第1加熱部20の平面図、正面図、底面図、及び右側面図をそれぞれ表している。第1加熱部20は、第1温度調整部60に接続される天板21と、熱風が吹き出る側壁部22と、第1熱風回収部43に接続される底板23と、側壁部22のスリット22aを遮蔽する第1遮蔽部24とから成る。なお、第1遮蔽部24の詳細につきましては
図5を参照しながら後述する。
【0057】
図4(a)に示されるように、天板21には、所定の温度に調温された熱風(以下、「調温済み熱風」という。)が第1温度調整部60から流入する2つの開口21aが設けられている。
【0058】
図4(b)に示されるように、側壁部22には所定方向に所定角度だけ傾斜した複数のスリット22aが、天板21の2つの開口21a,21aに対応して2列かつ6段に設けられている。開口21aから流入した熱風は、各スリット22aを通って容器1に吹き付けられる。スリット22aの前面には、第1遮蔽部24が配設されている。第1遮蔽部24は図上横方向に(左右方向に)スライド可能に構成されている。因みに
図4(b)では、奇数段(1段、3段、5段)の複数のスリット22aが第1遮蔽部24によって遮蔽された状態が描かれている。
【0059】
図4(d)に示されるように、側壁部22の内表面には、第1遮蔽部24を支持するための複数の支持板22bが、例えば溶接等によって取り付けられている。支持板22bには、第1遮蔽部24を固定するためのボルト(図示せず)と係合する複数の雌ネジ22cが設けられている。
【0060】
図5は、本発明に係る第1加熱部20の第1遮蔽部24を示す説明図である。なお、
図5(a)、同(b)、及び同(c)は、第1加熱部20の正面図、底面図、及び右側面図をそれぞれ表している。第1遮蔽部24は、第1加熱部20のスリット22aの全部又は一部を遮蔽する遮蔽板25と、ユーザが遮蔽板25をスライドさせるための左取手部26L及び右取手部26Rと、ユーザが上下方向に支持するための上取手部27U及び下取手部27Lとから成る。なお、これらの取手部27L,27R,27U,27Lは、隣り合う第1遮蔽部24からそれぞれ吹き出される熱風同士が互いに干渉することを防止する仕切板としても機能する。
【0061】
遮蔽板25には、側壁部22に設けられたスリット23と同一形状のスリット25aが同一ピッチで設けられている。また、第1遮蔽部24を側壁部22に取り付けるためのボルト(図示せず)が貫通する横方向に長い長穴25b,25bが設けられている。従って、ユーザが左取手部26L又は右取手部26Rを横方向に(左右方向に)スライドさせることによって、第1加熱部20のスリット22aの全部又は一部を遮蔽板25によって遮蔽することができる。つまり、第1遮蔽部24を横方向にスライドさせることにより、容器1に吹き付けられる熱風の総風量を調整することができる。つまり、第1遮蔽部24によってスリット22aを遮蔽することにより、容器1に吹き付けられる熱風の流れを絞ることになり、熱風の総流量を低下させることが可能となる。なお、この場合、熱風の流速は増加されため、熱風が容器1に到達する時間が短縮される。このように、第1加熱部20から吹き出される熱風の総風量は、第1電動機45の回転速度、或いは第1遮蔽部24の遮蔽板25によって調整することができる。
【0062】
図6及び
図7は、本発明に係る第2加熱部30を示す説明図である。
図6(a)及び図(b)は、第2加熱部30の平面図及び正面図である。
図7は
図6のA−A断面図である。なお、説明の都合上、
図6(b)における各ノズル板33Aの向きについては一律に紙面に垂直方向としている。また、
図7において第2遮蔽部34は省略されている。
【0063】
図6に示されるように、第2加熱部30は、第1温度調整部70からの熱風を一時的に気蓄する熱風チャンバ31と、第2温度調整部70と熱風チャンバ31とを連結し調温済み熱風を熱風チャンバ31に供給する熱風供給管32と、容器1に熱風を吹き付けるノズル部33と、ノズル部33に熱風を供給する円弧面35Aの吹出口35aの全部又は一部を遮蔽する第2遮蔽部34とから成る。上記構成のうち、先ず熱風供給管32について説明する。
【0064】
図7に示されるように、熱風供給管32は、熱風を熱風チャンバ31に供給する円筒部32Aと、第2温度調整部70に接続される第1フランジ32Bと、熱風チャンバ31に接続される第2フランジ32Cとから構成される。
【0065】
円筒部32Aには、熱風チャンバ31に熱風を供給するための貫通穴32aが軸方向(鉛直方向)に沿って複数(本実施形態では9個)形成されている。貫通穴32aの大きさ(開口面積)については、円筒部32Aの底面に向かうにつれて小さくなるように構成されている。また、位相が周方向に90°異なる位置に、同様な貫通穴32aの配列が形成されている。
【0066】
円筒部32Aは熱風チャンバ31の内部に挿入され、その底部が熱風チャンバ31の内側底面に接合している。
【0067】
図6(a)に戻って、熱風チャンバ31(円弧面35A)に対する貫通穴32aの位置(位相)については、貫通穴32aから流出した熱風が熱風チャンバ31の吹出口35aに直接当たることがない位置(位相)である。
【0068】
再び
図7に戻って、円筒部32Aは貫通穴37aを介してボルト33fによって熱風チャンバ31に取り付けられる。なお、円筒部32Aの底部にはボルト33fと螺合する雌ネジ32cが形成されている。第1フランジ32Bは、第2温度調整部70に貫通穴32dを介してボルト(図示せず)及びナット(図示せず)によって取り付けられる。第2フランジ32Cは、熱風チャンバ31の天板36に貫通穴32eを介してボルト32bによって取り付けられる。なお、天板36にはボルト32bに螺合する雌ネジ36b(
図8)が形成されている。次に、ノズル部33について説明する。
【0069】
再び
図6に戻って、ノズル部33は、熱風を吹き出すノズルを形成する2つのノズル板33A,33Aと、各ノズル板33Aが固定される2つの丸棒部33B,33Bと、各丸棒部33Bを縦方向(鉛直方向)に揺動可能に支持しながら、熱風チャンバ31に取り付けられる支持板33C,支持板33Cとから構成されている。従って、本実施形態では、熱風チャンバ31に7個のノズル部33が取り付けられている。なお、各ノズル部33に対し、2×9=18個の吹出口35aが割り当てられている。
【0070】
再び
図7に戻って、丸棒部33Bの外周面には、第2遮蔽部34が挿入される複数の環状溝33aが所定の間隔で縦方向(鉛直方向)に沿って9個形成されている。なお、この間隔については、熱風チャンバ31の吹出口35aの縦方向(鉛直方向)の間隔に等しくなるように設定されている。
【0071】
また、丸棒部33Bの上端部には支持板33Cの貫通穴33dを通過したボルト33cの雄ネジと係合(螺合)する雌ネジ33bが形成されている。一方、丸棒部33Bの下端部は、支持板33Cの貫通穴33dに嵌って支持板33Cによって支持されている。従って、ボルト33cを緩めると、ノズル板33Aは軸方向の回りに揺動することが出来る。支持板33Cは、ボルト33eによって熱風チャンバ31に固定されている。なお、天板36にはボルト33eに螺合する雌ネジ36c(
図8)が形成されている。次に、熱風チャンバ31について説明する。
【0072】
図8は、本発明に係る第2加熱部30の熱風チャンバ31を示す説明図である。
図8(a)は平面図であり、
図8(b)は正面図である。熱風チャンバ31は、所定の曲率半径Rの円弧面35Aを有する側壁35と、円弧面35Aに対応する箇所が円弧状に切り欠かれた天板36及び底板37とから成る。
【0073】
図8(b)に示されるように、円弧面35Aには、熱風が吹き出る複数の吹出口35aが多段に形成されている。本実施形態では、2個の吹出口35aを1つのペア(対)として、横方向(水平方向)に沿って7つのペアの吹出口35aが形成されている。この7つのペアの吹出口35aが、縦方向(鉛直方向)に沿って9段に形成されている。
【0074】
図8(a)に示されるように、天板36には、熱風供給管32の円筒部32Aが挿入される2つの開口36a,36aと、天板36と熱風供給管32の第2フランジ32Cを締結するボルト32b(
図7)の雄ネジと螺合する雌ネジ36bが各開口36aの周りに4箇ずつ形成されている。また、ノズル部33(支持板33C)と熱風チャンバ31を締結するボルト33e(
図7)の雄ネジと螺合する雌ネジ36cが円弧面35Aに沿って形成されている。
【0075】
なお、図示はされていないが、底板37にもノズル部33(支持板33C)と熱風チャンバ31を締結するボルト33e(
図7)の雄ネジと螺合する雌ネジ36cが円弧面35Aに沿って形成されている。
【0076】
底板37には、熱風供給管32の円筒部32Aと熱風チャンバ31を締結するボルト33f(
図7)が貫通する貫通穴37aが開口36aに対応して形成されている。次に、第2遮蔽部34について説明する。
【0077】
図9は、本発明に係る第2加熱部30の第2遮蔽部34を示す説明図である。
図9は、
図6においてノズル部33のノズル板33A及び丸棒部33Bを取り除いた形態に相当する。第2遮蔽部34は、熱風チャンバ31の吹出口35aの全部又は一部を遮蔽する第2遮蔽板34Aと、ユーザが第2遮蔽板34Aをスライドさせるための取手部34Bと、第2遮蔽板34Aのスライドを規制する制止ピン34Cとから成る。
【0078】
第2遮蔽板34Aは、熱風チャンバ31の円弧面35Aと同一又は近似した曲率半径Rで形成されている。第2遮蔽板34Aには、熱風チャンバ31の吹出口35aと同一サイズ、同一ピッチで形成された吹出口34aが形成されている。
【0079】
第2遮蔽部34は、ノズル部33の環状溝33a(
図7)に通されて使用される。ユーザが取手部34Bを図上右方向に引っ張る場合、第2遮蔽板34Aは図上右方向にスライドし、制止ピン34Cがノズル部33の丸棒部33B(
図6)に当接するまで移動する。つまり、制止ピン34Cがノズル部33の丸棒部33B(
図6)に当接する位置で、第2遮蔽板34Aの吹出口34aを除く部分が熱風チャンバ31の吹出口35aを遮蔽する。制止ピン34Cについては、スプリングピンを使用することが出来る。
【0080】
熱風チャンバ31の1段から9段のいずれかの段の吹出口35aが第2遮蔽板34Aによって遮蔽される場合、熱風チャンバ31からノズル部33に供給される熱風の総風量が低下する。従って、ノズル部33から容器1に吹き付けられる熱風の総風量も低下する。つまり、第2遮蔽部34は、容器1に吹き付けられる熱風の総風量を調整する機能を有している。なお、いずれかの段の吹出口35aが第2遮蔽板34Aによって遮蔽される場合、ノズル部33から吹き出される熱風の総風量は低下することになるが、熱風の流速は増大する。その結果、ノズル部33から吹き出される熱風が容器1により短時間に到達できるようになる。このように、第2加熱部30のノズル部33から吹き出される熱風の総風量は、第2電動機55の回転速度、或いは第2遮蔽部34の第2遮蔽板34Aのいずれか一方又は双方によって調整することができる。以下、第2加熱部30の動作について説明する。
【0081】
図10は、本発明に係る第2加熱部30の動作を示す説明図である。
各ノズル部33の噴射方向が、円弧面35Aの曲率中心Cを指向するように設定されている。この場合、容器1の中心が円弧面35Aの曲率中心C又はその近傍に位置するとき、各ノズル部33のノズル板33Aの先端から容器1に到る距離は殆ど等しくなる。その結果、各ノズル部33から容器1に吹き付けられる熱風は、容器1に対し直角に且つ同時に当たるようになる。各ノズル部33の風量は殆ど等しいため、シュリンクラベル2は耐熱無端ベルト11に関し対称に等量の熱量を受けることになる。その結果、シュリンクラベル2は均一且つ急速に熱収縮するようになる。これにより、シュリンクラベル2において皺、弛み等が発生しなくなる。
【0082】
以上の通り、熱風を容器1に吹き付けるノズル部33が、熱風チャンバ31の側壁部22のうちで、耐熱無端ベルト11側に曲率中心Cを持つ曲率半径Rで形成された円弧面35Aに配設されている。そのため、全てのノズル部33から噴射される熱風を容器1に対し直角且つ同時に当てることが可能となる。
【0083】
また、熱風チャンバ31に熱風を供給する熱風供給管32が熱風チャンバ31内部に挿入され、熱風が複数の貫通穴32aから熱風チャンバ31に供給されるように構成されている。熱風が貫通穴32aを通過する際に抵抗を受けるため、熱風チャンバ31に供給される熱風の流れが安定するようになる。また、貫通穴32aの取り付け位置は、貫通穴32aから熱風が直に熱風チャンバ31の吹出口35aに当たることがない位置としている。これにより、熱風チャンバ31からノズル部33に供給される熱風の流れが安定するようになる。
【0084】
更に、第1加熱部20のスリット22aを遮蔽する第1遮蔽部24によって、スリット22aから容器1に供給される熱風の流れを絞ることが可能となる。これにより、スリット22aから容器1に吹き付けられる熱風の総風量を調整することが出来ると共に、熱風の流速を調整することが可能となる。同様に、第2加熱部30の吹出口35aを遮蔽する第2遮蔽部34によって、吹出口32aから容器1に供給される熱風の流れを絞ることが可能となる。これにより、ノズル部33から容器1に吹き付けられる熱風の総風量を調整することが出来ると共に、熱風の流速を調整することが可能となる。
【0085】
従って、本発明のラベル用シュリンク装置100によれば、コンベア10によって搬送される容器1に装着されるシュリンクラベル2を皺、弛み、歪み等を発生させずに容器1に密に装着することが可能になる。
【0086】
なお、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明は上記実施形態だけに限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において種々の修正・変更を加えることが可能である。例えば、ノズル部33の噴射方向については、容器1に直交する方向に限定されず、容器1に斜めに噴射する方向であっても良い。
【0087】
また、第1遮蔽部24のスリット25aの大きさについては、第1加熱部20のスリット22aを包絡する大きさ、或いはスリット22aによって包絡される大きさであっても良い。同様に第2遮蔽部34の吹出口34aの大きさについても、第2加熱部30の吹出口35aを包絡する大きさ、或いは吹出口35aによって包絡される大きさであっても良い。
【0088】
また、第1温度調整部60については、1つの第1加熱部20に別個独立に設けるようにしても良い。同様に第2温度調整部70についても、1つの第2加熱部30に別個独立に設けるようにしても良い。
【0089】
更に、第1送風機41及び第2送風機51の配置については、第1温度調整部60の上部、第2温度調整部70の上部にそれぞれ設けるようにしても良い。
【0090】
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態に係る第1加熱部20’を示す説明図である。
図11(a)、同(b)、同(c)及び同(d)は、第1加熱部20’の平面図、正面図、底面図、及び右側面図をそれぞれ表している。なお、説明の都合上、第1遮蔽部24’を側壁部22に取り付けるボルト29については図示されていない。ボルト29については
図12を参照しながら後述する。また、最上段(11段目)の第1遮蔽部24’については取り外されている。
【0091】
第2実施形態に係る第1加熱部20’は、上記
図4の第1加熱部20と異なり、容器1に熱風を吹き付ける開口22a’の形状が横長穴に形成されている。従って、横長穴22a’を遮蔽する第1遮蔽部24’の開口25a’についても横長穴に形成されている。
【0092】
横長穴22a’は、例えば等間隔dで配列されている。なお、隣り合う段同士の横長穴22a’について、互いに穴中心をずらして互い違いに配列されている。それ以外の構成については、上記
図4の第1加熱部20と同じである。
【0093】
図12は、第2実施形態に係る第1加熱部20’の第1遮蔽部24’を示す説明図である。
図12(a)及び同(b)は、第1遮蔽部24’の正面図、右側面図をそれぞれ表している。また、
図12(c)は、第1遮蔽部24’を水平方向に変位させる位置調整ロッド28U,28Lを表している。
図12(d)は、第1遮蔽部24’を側壁部22に取り付けるボルト29を表している。
【0094】
図12(a)に示されるように、遮蔽板25には、側壁部22に設けられた横長穴22a’(
図11)と同一形状の横長穴25a’が同一ピッチdで設けられている。
【0095】
図12(b)に示されるように、左右取手部26L,26Rには位置調整ロッド28U,28Lを通すための貫通穴26aが各左右取手部26L,26Rに2個ずつ遮蔽板25に対し平行に形成されている。
【0096】
図12(c)に示されるように、上部に位置する位置調整ロッド28Uは、左側の第1遮蔽部24’の貫通穴26a,26aを通って右側の第1遮蔽部24’に係合している。従って、位置調整ロッド28Uを左右に移動させることにより、左側の第1遮蔽部24’の位置はそのままで右側の第1遮蔽部24’を水平方向に変位させることができる。一方、下部に位置する位置調整ロッド28Lは、直接的に左側の第1遮蔽部24’に係合している。従って、下部に位置する位置調整ロッド28Lを左右に移動させることにより、左側の第1遮蔽部24’を水平方向に変位させることができる。
【0097】
なお、位置調整ロッド28U,28Lの構造については、例えば先端に雄ネジ部が形成されたL形の金属丸棒28aと、その雄ネジ部に係合しながら左取手部26Lを締結するナット28b,28bと、押さえ板28cとによって構成される。
【0098】
図12(d)に示されるように、第1遮蔽部24’の側壁部22への取り付けについては、ボルト29をコイルばね29a及びワッシャ29bを介して支持板22bの雌ネジ22cに係合させるようにしている。これにより、第1遮蔽部24’を側壁部22に密着させながら、水平方向に変位させることが可能となる。
【0099】
図13は、第2実施形態に係る第2加熱部30’を示す説明図である。なお、
図13は、第2温度調整部70の内部上面から見たときの第2加熱部30’の形態を表している。また説明の都合上、ホルダー38が取り付けられる底板71については図示を省略されている。
【0100】
この第2加熱部30’は、上記
図6の第2加熱部30と異なり、熱風チャンバ31を備えていない。そのため、熱風供給管32’がホルダー38を介して直接に第2温度調整部70の底板71に取り付けられている。また、容器1に熱風を吹き付けるノズル部33’は、熱風供給管32’に直接にボルトを介して固定されている。その結果、各ノズル部33’は別個独立の熱風供給管32’を備えることになる。
【0101】
また、詳細については後述するが、熱風供給管32’は取り付け/取り外しが、いわゆるワンタッチ操作によって行うことができるように構成されている。また、熱風供給管32’はホルダー38に対し所定の角度だけ相対回転することができるように第2温度調整部70に取り付けられている。従って、ノズル部33’は噴射角度(熱風の吹出し方向)を独立に調整することができるように構成されている。
【0102】
複数の熱風供給管32’は、容器1の進行方向に関し対称に曲率半径Rに沿って第2温度調整部70に取り付けられている。すなわち、複数のノズル部33’は曲率中心Cおよび曲率半径Rの仮想円弧面35A’上に、容器1の進行方向に関し対称に形成されている。なお、この仮想円弧面35A’上に各熱風供給管32’の中心C’も位置している。
【0103】
各ホルダー38の向き(位相)については、各中心線(2つの支持ピン通し穴38d中心を通る直線)が曲率中心Cを通る(指向する)向きに設定されている。以下、熱風供給管32’及びノズル部33’について説明する。
【0104】
図14は、第2実施形態に係る熱風供給管32’及びノズル部33’を示す説明図である。
図14(a)、同(b)、及び同(c)は、これらの平面図、正面図、及び右側面図をそれぞれ表している。
【0105】
図14(c)に示されるように、熱風供給管32’の先端部外周面に段差Dが形成されている。その段差Dには、熱風供給管32’をホルダー38に係合させるための取付リング34’が溶接等によって取り付けられている。
【0106】
図14(a)に示されるように、取付リング34’には径方向外側に向かう突起部34a’が点対称に2個形成されている。
【0107】
図14(b)に示されるように、突起部34a’の下端の図上左右何れか一方の側にはR部が形成されている。なお、本実施形態では図上左側にR部が形成されている。また、2個の突起部34a’,34a’のR部の形成方向は同じ方向に統一されている。更に、取付リング34’の内側周方向に沿ってOリングを収容するためのOリング溝34b’が形成されている。
【0108】
同じく
図14(b)に示されるように、熱風供給管32’の側面には、熱風が吹き出る貫通穴32a’が鉛直方向に沿って複数形成されている。なお、貫通穴32a’の穴径は上方から下方に沿って小さくなっている。貫通穴32a’が形成されている箇所にはノズル部33’が取り付けられている。
【0109】
図14(a)に示されるように、ノズル部33’は、所定の角度θ(例えば60°)で折り曲げられた金属プレートによって構成されている。
図14(b)に示されるように、ノズル部33’の頂点には開口33a’が形成され、熱風が開口33a’から吹き出すようになっている。ノズル部33’はボルト33c’によって熱風供給管32’に固定されている。従って、熱風供給管32’の側面の対応箇所にはボルト33c’と螺合する雌ネジ部(図示せず)が形成されている。
【0110】
また、
図14(b)に示されるように、ノズル部33’の上部と下部には、同一角度θで折り曲げられた形状保持用の金属プレート33d’,33d’が溶接されている。次に、熱風供給管32’の固定について説明する。
【0111】
図15は、
図13のA−A断面図である。なお、説明の都合上、各ホルダー38の向きは同じとしている。また、右から2つ目の熱風供給管32’は取り外されている。
【0112】
熱風供給管32’はホルダー38によって支持されている。各ホルダー38は支持ピン39によって第2温度調整部70の底板71に取り付けられている。ホルダー38は上下方向に変位することはできるが、ホルダー38の上面と底板71との隙間Sは所定の間隔より小さくならないように構成されている。
【0113】
熱風供給管32’は、ホルダー38に形成された所定の穴に通された後、所定の方向に回転させることによりホルダー38に取り付けられる。一方、それと反対の方向に回転させることによりホルダー38から取り外される。従って、熱風供給管32’はホルダー38上において回転可能に構成されている。その結果、ノズル部33’は、容器の形状に応じて熱風の吹出方向を独立に調整することができるように構成されている。
【0114】
図16は、
図13のB−B断面とホルダー38を示す説明図である。なお、
図16(b)は同(a)のD矢視方向のホルダー38の平面図を表している。
【0115】
図16(a)に示されるように、ホルダー38を上下方向に変位可能に支持する支持ピン39は、雄ネジ部39aと、拡幅部39bと、直胴部39cと、雌ネジ部39eとから成る。
【0116】
雄ネジ部39aは、底板71に形成された雌ネジ部(図示せず)に結合する。拡幅部39bは、ホルダー38と底板71との隙間Sを所定以上にする。拡幅部39bの高さは、突起部34a’(取付リング34’)の高さより低くなるように形成されている。また、拡幅部39bは工具によって容易に把持されるように、面取り部39hが1個当たり対称に2個形成されている。
【0117】
直胴部39cは先端部に雌ネジ部39dを有し、コイルばね39gを通される。コイルばね39gは一方の端部がホルダー38の下面に接合し、且つ他方の端部がワッシャ39eに接合した状態でボルト39fによってホルダー38とワッシャ39eとの間に保持されている。従って、ホルダー38は上下方向に変位することができるように構成されている。
【0118】
図16(b)に示されるように、ホルダー38は、中央部に取付けリング34’を通すための取付リング通し穴38aが形成され、その外側に突起部用切欠き38bと低床部38cが形成されている。低床部38cの外側には支持ピン39の直胴部39cを通す支持ピン通し穴38dが形成されている。
【0119】
突起部用切欠き38bは、取付リング34’の突起部34a’を通すための切欠きである。また、低床部38cは高さが外表面より低くなっている。
【0120】
突起部34a’のR部が低床部38cの広い部分(突起部用切欠き38bから図上反時計方向の部分)に係合するように、突起部34a’は突起部用切欠き38bを通される。
【0121】
図16(a)に示されるように、突起部34a’の高さは、支持ピン39の拡幅部39bの高さより大きい。従って、突起部34a’を回転させる場合、突起部用切欠き38bと干渉する。しかし、突起部34a’は、図上反時計方向に回転させる場合は、突起部34a’のR部によって低床部38cに乗り上げることが可能となる。
【0122】
一方、図上時計方向に回転させる場合、突起部34a’は平面部(
図14(b))によって低床部38cに乗り上げることができない。従って、熱風供給管32’及びノズル部33’は反時計方向に沿って中心軸の回りを回転することができる。次に、熱風供給管32’のホルダー38に対する取り付け/取り外しについて説明する。
【0123】
図17は、第2実施形態に係る熱風供給管32’のホルダー38に対する取り付け/取り外しを示す説明図である。
図17(a)は、突起部34a’が突起部用切欠き38bに挿通した状態を表している。
図17(b)は、突起部34a’が低床部38cを回動した状態を表している。
図17(c)は、突起部34a’が低床部38cを最大回動した状態を表している。
【0124】
図17(a)に示されるように、取付リング34’及び突起部34a’は取付リング通し穴38a、突起部用切欠き38bにそれぞれ挿通される。この場合、熱風供給管32’はホルダー38に何も支持されておらず、作業者によって支持されている状態である。従って、熱風供給管32’を鉛直下向きに移動させることにより、熱風供給管32’をホルダー38から取り外すことが可能となる。
【0125】
図17(b)に示されるように、作業者が熱風供給管32’を図上反時計方向(突起部34a’のR部が形成されている側)へ回転させることにより、突起部34a’が低床部38cに乗り上げ、熱風供給管32’は突起部34a’を介してホルダー38によって支持された状態になる。この場合、ホルダー38はコイルばね39g(
図16(a))によって鉛直方向上向きに付勢された状態にある。
【0126】
図17(c)に示されるように、作業者が熱風供給管32’を更に図上反時計方向へ回転させる場合、突起部34a’が低床部38cの内壁(段差壁)に衝突する。これにより、熱風供給管32’を、これ以上図上反時計方向へ回転させることができなくなる。
【0127】
まとめると、取付リング34’及び突起部34a’をホルダー38の所定の穴に挿通し、図上反時計方向へ回転させることにより熱風供給管32’及びノズル部33’が取り付けられた状態になる。一方、熱風供給管32’及びノズル部33’が位置決めされた状態において図上時計方向へ回転させることにより、熱風供給管32’及びノズル部33’がホルダー38から取り外された状態になる。
【0128】
以上の通り、第2実施形態に係る上記第2加熱部30’によれば、各ノズル部33’が別個独立の熱風供給管32’を備えると共に、各熱風供給管32’はホルダー38を介して容易に回転可能かつ脱着可能に第2温度調整部70に取り付けられている。これにより、容器形状に応じたノズル部33’の噴射角度(熱風の吹き付け方向)の調整が容易となると共に、ノズル部33’の取り付け/取り外し、及びメンテナンスが容易となる。