【実施例】
【0105】
実施例1: メチル=3−((1s,3s)−3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)ベンゾエート(1)
【0106】
【化17】
【0107】
段階1: 4−((4−ブロモ−3−クロロフェノキシ)メチル)−5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)−イソキサゾール (1a)
(5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メタノール(13g,45.8ミリモル)をCH
2CH
2(DCM)(200ml)に溶解したものに、SOCl
2(40ml,336ミリモル)を滴下した。生成する混合物を室温で2時間撹拌し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(200ml)に溶解し、4−ブロモ−3−クロロフェノール(9.7g,47ミリモル)、K
2CO
3(40g,290ミリモル)およびNaI(12g,80ミリモル)をこの溶液に加えた。混合物を60℃で一晩撹拌した後、室温まで冷却し、水(1000ml)で希釈し、酢酸エチル(EA)(500ml×3)で抽出した。合わせた有機相を塩水(500ml×3)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル(CC)上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、標題化合物1a(19g,88%)を白色固形物として得た。
【0108】
段階1: メチル=3−(2,2−ジクロロ−3−オキソシクロブチル)ベンゾエート(1b)
窒素雰囲気下で冷却器、オーバーヘッド攪拌機および圧力を均等にした滴下漏斗を備えた三つ口丸底フラスコに、メチル=3−ビニルベンゾエート(5g,31ミリモル)を乾燥Et
2O(150ml)に溶解した。このフラスコに、亜鉛末 (6g,3当量)を加え、反応を30分間音波処理した。その後、トリクロロアセチルクロリド(8.7ml,2.5当量)を乾燥Et
2O(50ml)に溶解したものを、更に30分間音波処理を継続しながら滴加した。この工程中に、反応混合物を35℃に加熱した。音波処理を還流温度で2.5時間継続したところ、反応は
1H NMR分析によれば完結したと思われた。 反応を室温まで放冷し、水(約50ml)で反応停止した。これは、遅延発熱反応が起こるので、数分間だけ間隔を置いて滴加法で行った。水中で20分間撹拌した後、反応混合物をセライトのパッドで濾過し、Et
2Oで洗浄した。有機層を、小分けした水(2x250ml)、飽和炭酸水素ナトリウム(2x250ml)および塩水(1x250ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、粗生成物1bを暗黄色の粘稠な油状生成物として得た(粗生成物8.7g)。
【0109】
段階2: メチル=3−(3−オキソシクロブチル)ベンゾエート (1c)
粗製化合物 1b (8.7g)を、丸底フラスコ中で窒素雰囲気下にて氷酢酸(55ml)に溶解した。このフラスコに、亜鉛末(4.6g,2.2当量)を加え、反応を撹拌し、120℃まで3時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物をセライトのパッドで濾過し、これを何回かに分けたEAで洗浄した。合わせた溶液を減圧濃縮した後、EA(500ml)に溶解し、塩水(150ml×2)で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、再度濃縮した。粗製混合物をクロロホルム(250ml)中で5分間撹拌し、焼結漏斗で濾過した。濾液を濃縮し、粗生成物を淡黄色油状生成物として得た。粗生成物をCCにより(PE/EA=9:1,PE=石油エーテル)で精製し、所望の生成物1c(2.5g,二段階に対して38%)を淡黄色油状生成物として得た。
【0110】
段階3: メチル=3−(3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)ベンゾエート(1)
化合物1a (1.67g,3.5ミリモル)を乾燥THF(30ml)に撹拌溶解したものに、n−BuLi(ヘキサン中2.5M,1.2当量,1.69ml)を窒素雰囲気下にて−78℃で10分間かけて滴加した。これを、この温度で1時間撹拌した後、化合物1c(0.72g,1当量)を乾燥THF(10ml)に溶解したものを滴加し、この温度で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで徐々に加温し、一晩撹拌した。反応を、飽和塩化アンモニウム (50ml)とEA(250ml)の溶液で反応停止した。有機層を分離し、水性層EA(2x100ml)で洗浄した。合わせた有機抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、濃縮し、粗生成物を褐色油状生成物として得た。生成物をPE/EA(19:1〜3:1)を用いるCCによって分離した。反応および精製を同じ規模で2回繰り返し、合わせた生成物(3.15g)を同じ条件下で再精製し、最終生成物1(1.7g,19%)を得た。
1H NMR(CDCl
3): 7.93(m,1H),7.90−7.85(m,1H),7.50−7.30(m,5H),6.88(s,1H),6.75−6.72(m,1H),4.80(s,2H),3.88(s,3H),3.20−3.10(m,1H),3.00−2.91(m,2H),2.60−2.49(m,2H),2.15−2.08(m,1H),1.30−1.25(m,2H),1.15−1.10(m,2H)。
【0111】
実施例2: 3−((1s,3s)−3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)安息香酸(2)
【0112】
【化18】
【0113】
化合物1(1.7g,2.84ミリモル)を、THF(100ml)に室温で溶解した。LiOH(285mg,4.2当量)を水(20ml)に溶解したものを加え、溶液を撹拌して、35℃に3日間加温した。その後、THFを減圧下で留去した。残っている水性溶液を水(25ml)で希釈し、Et
2O(2x50ml)で洗浄した。次いで、水性層を丸底フラスコに移し、1N HClを用いて酸性にしてpH6とした。形成した白色沈澱を濾別し、減圧下50℃で乾燥し、標題化合物2(1.3g,78%,単一異性体、
1H−NMRおよびLC−MSによる)を白色固形物として得た。
1H NMR(400MHz,CD
3OD) δ:7.98(s,1H),7.86 (d,J=7.6Hz,1H),7.58−7.48(m,5H),7.41(t,J=7.6Hz,1H),6.91(d,J=2.4Hz,1H),6.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),4.95(s,2H),3.29−3.25(m,2H),2.96(m,1H),2.55−2.49(m,2H),2.37(m,1H),1.24−1.22(m,4H)。MS(ESI
−)m/z:584(582)[M−1]
−。
【0114】
関連の強いNOE(ROESYスペクトルからえられる。下記矢印)は、2つの芳香族残基が、実施例2では1,3−トランスに配向していることを示している。
【0115】
【化19】
【0116】
実施例2への代替経路
段階1: 3−(3−ブロモフェニル)シクロブタノン(2a)
N,N−ジメチルアセタミド(9.0g,103ミリモル)を、1,2−ジクロロエタン(200ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(63g,223ミリモル)を加えた。反応を、0℃で更に60分間撹拌した。次いで、1−ブロモ−3−ビニルベンゼン(15g,81.9ミリモル)と2,4,6−コリジン(10.5g,86.6ミリモル)を加えた。反応を、還流温度で一晩加熱し、水(300ml)を加えて反応停止し、室温で2時間撹拌した。混合物をDCM(300ml×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(EA/PE=1:20)によって精製し、標題化合物2a(5.0g,27%)を淡黄色固形物として得た。
【0117】
段階2: 3−(3−ブロモフェニル)−1−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)シクロブタノール(2b)
化合物1a(14g,29.6ミリモル)を乾燥THF(500ml)に−78℃で溶解したものに、n−BuLi(18.5ml,ヘキサン中1.6M,29.6ミリモル)を滴加した。混合物を−78℃で更に1時間撹拌し、化合物2a(6.5g,28.9ミリモル)を乾燥THF(50ml)に溶解したものを滴加した。生成混合物を−78℃で1時間撹拌した後、室温まで加温し、飽和のNH
4Cl水溶液(500ml)で反応停止した。混合物をEA(500ml×2)で抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空濃縮した。残渣をCC(EA/PE=1:5)によって精製し、標題化合物2b(6.5g,37%)を白色固形物として得た。
【0118】
段階3: 3−(3−シアノフェニル)−1−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)シクロブタノール(2c)
化合物2b(3.1g,5ミリモル)をDMF(50ml)に溶解したものに、アルゴン雰囲気下にてZn(CN)
2(500mg,4.3ミリモル)、Pd
2(dba)
3(300mg,0.33ミリモル)およびキサントホス(150mg,0.31ミリモル)を加えた。混合物を、マイクロ波照射下にて115℃で10時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を水(250ml)で希釈し、EA(250ml×2)で抽出した。合わせた有機層を塩水(100ml×3)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。残渣をCC(EA/PE)によって精製し、標題化合物2c(1.2g,42%)を淡黄色固形物として得た。
【0119】
段階4: 3−((1s,3s)−3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)安息香酸(2)
化合物2c(15g,24.2ミリモル)をEtOH(750ml)に溶解したものに、NaOH水溶液(40g/水100ml)を加えた。生成混合物を還流温度に一晩加熱した後、室温まで冷却した。反応を真空濃縮して揮発性溶媒を留去し、水(1000ml)で希釈して、HCl水溶液(1N)でpHを2に調整した。形成した沈澱を濾過によって集め、粗生成物を黄色固形物(13.8g)として得た。分取用逆相HPLC(RP−HPLC)によって精製し、標題化合物2(8.0g,56%,単一異性体、
1H−NMRによる)を白色固形物として得た。
【0120】
調製実施例3
【0121】
【化20】
【0122】
段階1:メチル=3−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)ベンゾエート(3a)
メチル=3−ヨード安息香酸(4.5g,17.2ミリモル)をDMSO(30ml)に溶解したものに、3−アゼチジン−3−オール塩酸塩(1.3g,11.8ミリモル)、Cs
2CO
3(9.5g,29.2ミリモル)、CuI(446mg,2.3ミリモル)およびL−プロリン(540mg,4.7ミリモル)を加えた後、混合物をアルゴン雰囲気下にて90℃で18時間加熱した。溶液をEAと水で希釈し、有機層を塩水で3回洗浄し、減圧下にて濃縮し、CC(PE/EA=2:1)によって精製し、化合物3a(1.6g,66%)を黄色固形物として得た。
【0123】
段階2:メチル=3−(3−オキソアゼチジン−1−イル)ベンゾエート(3)
化合物3a(1.60g,7.7ミリモル)を乾燥DCM(30ml)に溶解したものに、デス−マーチン・ペリオジナン(6.5g,15.4ミリモル)を0℃で加え、混合物をN
2雰囲気下にて室温で2時間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で反応停止し、EAで希釈した。有機部分を塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧下にて濃縮し、CC(PE/EA=4:1)によって精製し、化合物3(1.2g,75%)を白色固形物として得た。
【0124】
実施例4: 3−((1s,3s)−3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)−N−(メチルスルホニル)ベンズアミド(4)
【0125】
【化21】
【0126】
化合物2(100mg,0.17ミリモル)をDCM(5ml)に溶解したものに、EDCI・HCl(100mg,0.52ミリモル)、DMAP(100mg,0.81ミリモル)およびMeSO
2NH
2(40mg,0.42ミリモル)を加えた。混合物を30℃で一晩撹拌した後、EAで希釈して、H
2O、塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。真空濃縮および分取TLCによる精製を行い、粗製の標的化合物を明黄色固形物として得た。RP−HPLC精製の結果、標題化合物4(38mg,33%)を白色固形物として得た。
1H NMR(400MHz,CD
3OD) δ:7.87(s,1H),7.74(d,J=7.6Hz,1H),7.61−7.53(m,4H),7.50−7.46(m,2H),6.91(d,J=2.4Hz,1H),6.80(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),4.95(s,2H),3.38(s,3H),3.30−3.28(m,2H),3.01(m,1H),2.57−2.51(m,2H),2.37(m,1H),1.25−1.23(m,4H)。MS(ESI
−)m/z:659[M−1]
−。
【0127】
実施例5: 3−(3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)ベンゼンスルホンアミド(5)
【0128】
【化22】
【0129】
段階1:3−(3−(ベンジルチオ)フェニル)−1−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)シクロブタノール(5a)
化合物2b(619mg,1ミリモル)をアルゴン雰囲気下にてトルエン(20ml)に溶解したものに、K
2CO
3(276mg,2ミリモル)、フェニルメタンチオール(125mg,1ミリモル)、Pd
2(dba)
3(200mg,0.22ミリモル)およびキサントホス(75mg,0.16ミリモル)を加えた。次いで、混合物を115℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応を水(100ml)で希釈し、EA(100ml×2)で抽出した。合わせた有機層を塩水(100ml×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濃縮乾固した。CCによる精製の結果、化合物5a(200mg,30%)を淡黄色固形物として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ:7.36−7.32(m,3H),7.28−7.07(m,9H),7.01(d,J=7.2Hz,1H),6.82(d,J=2.0Hz,1H),6.66(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),4.75(s,2H),4.04(s,2H),3.06−3.00(m,2H),2.84−2.78(m,2H),2.44−2.38(m,3H),2.09(m,1H),1.24−1.18(m,2H),1.11−1.08(m,2H)。 MS(ESI
+)m/z:662[M+1]
+。
【0130】
段階2:3−(3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(5b)
化合物5a(34mg,0.05ミリモル)をCH
3CN/HOAc/H
2O(1ml/37μl/25μl)に溶解したものに、2,4−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(20mg,0.1ミリモル)を加えた。混合物を、0−5℃で2時間撹拌した。反応を水で希釈し、CH
2CH
2で抽出した。合わせた有機層を5% NaHCO
3溶液、塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。 濃縮乾固の結果、粗生成物5b(30mg)を無色油状生成物として得て、これを直接次の段階に用いた。
【0131】
段階3:3−(3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)ベンゼンスルホンアミド(5)
化合物5b(30mg)をCH
3CN(2ml)に溶解したものに、NH
4OH(0.3ml)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。濃縮乾固および分取RP−HPLCの結果、標題化合物5(3.5mg,二段階に対して10%)を白色固形物として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ:7.85(s,1H),7.77(d,J=7.6Hz,1H),7.54−7.41(m,5H),7.35(d,J=8.4Hz,1H),6.90(s,1H),6.75(d,J=8.4Hz,1H),4.83(s,2H),4.77(s,broad,2H),3.20(t,J=10.4Hz,2H),3.04(m,1H),2.58(t,J=10.6Hz,2H),2.17(m,1H),1.31−1.30(m,2H),1.20−1.16(m,2H)。MS(ESI
−)m/z:617[M−1]
−。
【0132】
実施例6: 1−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−(3−(メチルスルホニル)フェニル)シクロブタノール(6)
【0133】
【化23】
【0134】
化合物2b(200mg,0.32ミリモル)をDMSOに溶解したものに、メタンスルフィン酸ナトリウム(50mg,0.46ミリモル)、CuI(20mg,0.1ミリモル)、L−プロリン(37mg,0.32ミリモル)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(41mg,0.32ミリモル)を加えた。混合物を95℃で一晩撹拌した後、水で希釈し、EAで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。減圧下にて濃縮乾固および分取RP−HPLCによる精製の結果、標題化合物6を白色固形物(35mg,21%,単一異性体、
1H NMRおよびLC−MSによる)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ:7.84(s,1H),7.79(d,J=7.6Hz,1H),7.60(d,J=7.6Hz,1H),7.53(t,J=7.6Hz,1H),7.44−7.41(m,3H),7.34(t,J=7.2Hz,1H),6.90(d,J=2.8Hz,1H),6.75(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),4.83(s,2H),3.24−3.19(m,2H),3.08−3.04(m,4H),2.62−2.56(m,2H),2.17(m,1H),1.31−1.29(m,2H),1.20−1.16(m,2H)。 MS(ESI+)m/z:618(620)[M+1]
+,600(602)[M−H
2O+1]
+。
【0135】
実施例7: メチル=5−((1s,3s)−3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(7)
【0136】
【化24】
【0137】
段階1:メチル= 1−イソプロピル-5-ビニル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(7a)
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(2.89g,7.52ミリモル)を乾燥THF(40ml)に懸濁したものを−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液,3.7ml,5.91ミリモル)を滴加した。黄橙色懸濁液を−78℃で50分間撹拌した後、メチル=5−ホルミル−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(WO 2011/020615号公報に記載の方法で調製、1.05g,5.37ミリモル)を乾燥THF(10ml)に溶解したものを滴加した。混合物を−78℃で1.75時間撹拌し、冷却槽を外し、混合物(灰白色懸濁液)を室温で1時間撹拌した。次いで、混合物を、希NaHCO
3水溶液(150ml)とEA(150ml)との間に分配した。水性層をEA(それぞれ、50ml)で2回抽出し、合わせた有機層を水(それぞれ、50ml)で2回洗浄し、乾燥なしで濃縮し、2.74gの黄色油状生成物を得て、これは徐々に結晶化した。粗生成物をCC(CH
2CH
2で前吸着、ヘキサン/EA4:1)によって精製し、アルケン7a(590mg,57%)を無色油状生成物として得た。
1H NMR(DMSO−d
6)δ:7.02(s,1H),6.87(dd,J=17.3,11.2Hz,1H),5.94(dd,J=17.3,1.3Hz,1H),5.45(dd,J=11.2,1.3Hz,1H),4.80 (sept,J=6.6Hz,1H),3.79(s,3H),1.38(d,J=6.6Hz,6H)。C
10H
14N
2O
2(194.23)。LC−MS(ESI):195[M+H]
+。
【0138】
段階2:メチル= 1−イソプロピル−5−(3−オキソシクロブチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(7b)
反応を、2本の乾燥封管(等量の2バッチ)で行った。バッチを精密検査および精製のために合わせた。単一バッチ手順:N,N−ジメチルアセタミド(0.22ml,2.34ミリモル)を窒素下にて−15〜−20℃で1,2−ジクロロエタン(12ml)に溶解したものに、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.43ml,2.57ミリモル)を加え、不透明懸濁液を形成した。混合物を−15℃で10分間撹拌し、アルケン7a(151mg,0.78ミリモル)および sym−コリジン(0.42ml,3.12ミリモル)を1,2−ジクロロエタン(3ml)に溶解したものを滴加した(黄色溶液が形成)。添加が完了したならば、冷却槽を外し、混合物を室温まで加温し(橙色の濁った溶液)、管を封じた。次いで、混合物を90℃で15時間撹拌した(褐色混合物)。水(5ml)を室温で加え、混合物を100℃で2時間撹拌した(濁った2相溶液)。室温まで冷却した後、混合物を合わせて、希NaHCO
3水溶液とCH
2CH
2の間に分配し、水性層をCH
2CH
2で3回(それぞれ30ml)抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過して、濃縮し、褐色油状生成物(2.2g)を得た。CC(6×13cm,CH
2CH
2で前吸着,トルエン/EA3:1)によって精製し、シクロブタノン7b(115.5mg,31%)を黄色油状生成物として得た。
1H NMR(DMSO−d
6) δ:6.81(s,1H),4.58(sept, J=6.5Hz,1H),3.78(s,3H),3.85−3.73(m,1H),3.59−3.45(m,2H),3.37−3.24(m,2H,水シグナルが部分的に重複),1.39(d,J=6.6Hz,6H)。C
12H
16N
2O
3(236.27)。LC−MS(ESI):237[M+H]
+。
【0139】
段階3: メチル=5−((1s,3s)−3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(7)
ブロミド1a(368mg,0.78ミリモル)を乾燥THF(6ml)に溶解したものを−78℃に冷却し、1.6M n−ブチルリチウムのヘキサン(0.48ml,0.76ミリモル)溶液を滴加した。混合物を−78℃で20分間撹拌し、シクロブタノン7b(164mg,0.69ミリモル)を乾燥THF(4ml)に溶解したものを滴加した。混合物を−78℃で2.5時間撹拌し、飽和NH
4Cl水溶液(1ml)をこの温度で滴加した。冷却槽を外し、混合物を室温まで加温し、室温で0.5時間撹拌した。次いで、混合物を希NH
4Cl水溶液に加え、EAで3回抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過して、濃縮し、ほぼ無色の油状生成物516mgを得た。CC(4.5×23cm,CH
2CH
2で前吸着,溶離剤 ヘキサン/アセトン=2:1)によって精製し、回収シクロブタノン7b(31.3mg,19%,微黄色油状生成物)と不純な生成物(333mg)を得た。CC(4×22cm,ヘキサン/EA=1:1)または分取TLCによって再精製し、純粋な生成物7(210mg,48%)を白色フォームとして得た。
1H NMR(DMSO−d
6) δ:7.65(d,J=2.1Hz, 1H),7.62(s,1H),7.59−7.48(m,2H),6.92(d,J=2.4Hz,1H),6.76(dd,J=8.6,2.6Hz,1H),6.66(s,1H),5.49(s,1H),4.92(s,2H),4.42 (quint様m,J=6.5Hz, 1H),3.78(s,3H),3.24−3.11(m,2H,水シグナルが部分的に重複),3.04−2.90(m,1H),2.54−2.33(m,3H,DMSOシグナルが部分的に重複),1.32(d,J=6.5Hz,6H),1.26−1.08(m,4H)。C
31H
30Cl
3N
3O
5(630.95)。LC−MS(ESI):630,632[M+H]
+。
【0140】
実施例8: 5−((1s,3s)−3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(8)
【0141】
【化25】
【0142】
エステル7(98.3mg,0.156ミリモル)を、THF(7.5ml)、MeOH(2.5ml)および水(2.5ml)の混合物に溶解し、LiOH・H
2O(65mg,1.56ミリモル)を室温で加えた。混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を希NH
4Cl水溶液とEAの間に分配し、有機層を水で1回洗浄した。合わせた水性層を、EAで2回抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過して、濃縮し、ほぼ白色の固形物103mgを得た。生成物をCC(3×3.5cm,EA/EtOH=10:1−1:4)によって精製し、8(94.8mg,99%)を白色固形物として得た。
1H NMR(DMSO−d
6) δ:7.66−7.60(m,1H),7.62(s,1H),7.59−7.49(m,2H),6.91(d,J=2.5Hz, 1H),6.76(dd,J=8.6,2.4Hz,1H),6.38(s,1H),5.51 (s,1H,D
2Oと交換可能),4.92(s,2H),4.31(quint様m,J=6.5Hz,1H),3.25−3.08(m,2H,水シグナルが部分的に重複),2.93−2.77(m,1H),2.57−2.43(m,1H,DMSOシグナルによって隠されている),2.43−2.29(m,2H,DMSOシグナルが部分的に重複),1.29(d,J=6.5Hz,6H),1.26−1.08(m,4H)。CO
2Hシグナルは、このスペクトルには現れない。C
30H
28Cl
3N
3O
5(616.92)。LC-MS(ESI):616,618[M+H]
+。
【0143】
実施例8への代替経路
段階1:1−(3−メチレンシクロブチル)エタノン(8a)
メチレンシクロブタンカルボニトリル(5.0g,53.7ミリモル)を乾燥ジエチルエーテル(25ml)に溶解し、氷浴で冷却し、MeMgBr(26.8ml,80.5ミリモル,3M、エーテル中)を滴加した。混合物を室温で一晩撹拌し、0℃に冷却し、15%NaHSO
4水溶液(100ml)で慎重に反応停止した。混合物を室温で30分間撹拌し、層を分離した。水性相をペンタン(50ml)とジエチルエーテル(50ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を室温で真空留去し、粗生成物を帯黄色液状生成物として得た。
【0144】
段階2:エチル=4−(3−メチレンシクロブチル)−2,4−ジオキソブタノエート(8b)
ナトリウム(1.15g,49.9ミリモル)を、乾燥EtOH(30ml,5%ジエチルエーテルで変性)に溶解した。化合物8a(5.5g,49.9ミリモル,粗製)を乾燥EtOH(45ml)に溶解し、上記で調製したナトリウムエトキシド溶液を加えた。この混合物を室温で15分間攪拌した後、シュウ酸ジエチル(6.8ml,49.9ミリモル)を滴加した。反応混合物を予備加熱(67℃)した油浴に入れ、この温度で4.5時間撹拌した。混合物を室温で一晩放置した。溶媒を留去し、EA(100ml)と1M HCl(70ml)を加え、有機相を分離した。水性相を、EA(50ml)で再抽出した。合わせた有機相を水、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣を、ヘキサン/MTBE9:1を溶離剤として用いてシリカ上で精製し、純粋な生成物8bを得た。収率:6.29g,二段階に対して56%。
1H−NMR(CDCl
3),δ(ppm):6.36(s,1H),4.85−4.80(m,2H),4.34(q,J=8.0Hz,2H),3.35−3.25(m,1H),3.05−2.85(m,4H),1.36(t,J=8.0Hz,3H)。
【0145】
段階3:エチル=1−イソプロピル−5−(3−メチレンシクロブチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(8c)
化合物8b(6.29g,29.9ミリモル)を乾燥EtOH(65ml,5%MeOHで変性)に溶解し、イソプロピルヒドラジン塩酸塩(3.97g,35.9ミリモル)を加えた。反応混合物を、室温で3時間撹拌した。溶媒を留去し、油状残渣にEA(100ml)、水(50ml)および飽和NaHCO
3(50ml)を順次に加えた。層を分離し、水性相をEA(50ml)で再抽出した。合わせた有機相を塩水(70ml)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を真空で留去し、残渣を減圧下で乾燥した。収率:7.23g(NMRによれば、EtOAcを3.4%ふくむ。再計算した純粋な収率:6.98g,94%)。粗生成物8cは、HPLCおよびNMRによれば、98%純度である。
1H−NMR(CDCl
3),δ(ppm):6.62(s,1H),4.88−4.82(m,2H),4.42−4.32(m,3H),3.56−3.45(m,1H),3.17−3.07(m,2H),2.88−2.79(m,2H),1.49(d,J=8.0Hz,6H),1.37(t,J=8.0Hz,3H)。
【0146】
段階4:エチル1−イソプロピル−5−(3−オキソシクロブチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(8d)
化合物8c(6.45g,26.0ミリモル)を、MeCN(77ml)と水(13ml)の混合物に溶解し、氷浴中で冷却した。この溶液に、RuCl
3×H
2O(0.19g,0.86ミリモル)を加えた後、NaIO
4(19.35g,90.9ミリモル)を少しずつ加えた。この添加中に、発熱が見られた。得られた粘稠なスラリーを、室温で45分間撹拌した。反応混合物を、Na
2S
2O
3水溶液(10%,260ml)、水(50ml)およびDCM(100ml)で希釈した。相を分離し、水性相をDCM(2×70ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2S
2O
3水溶液(10%,50ml)、水(100ml)、塩水(100ml)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。粗生成物(6.5g)をシリカ上で精製し、ヘキサン/MTBEで溶出し、純粋な生成物を油状生成物として得て、これは−20℃で保管すると固化した。収率:5.8g(二段階に対して78%)。
1H−NMR(DMSO−d
6), δ(ppm):6.78(s,1H), 4.57(h,J=8.0Hz,1H),4.26(q,J=8.0Hz,2H),3.85−3.75(m,1H),3.58−3.45(m,2H),3.35−3.25(m,2H),1.39(d,J=8.0Hz,6H),1.28(t,J=8.0Hz,3H)。
【0147】
段階5:4−((4−ブロモ−3−クロロフェノキシ)メチル)−5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール(8e)
3−クロロ−4−ブロモフェノール(3.8g,18.3ミリモル)を(5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メタノール(3.47g,12.2ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(6.41g,24.4ミリモル)とトルエン(150ml)中で混合した。混合物を氷浴中で冷却し、DIAD(4.8ml,24.4ミリモル)をトルエン(10ml)溶液として滴加した。反応を室温で21時間撹拌し、溶媒をロータバップ上で留去し、黄色油状残渣が残った。これをDCM(200ml)に溶解し、シリカ(約20g)を加え、混合物を蒸発乾固した。この材料をシリカカラムの最上部に載せ、ヘキサン/MTBE9:1で溶出して精製した。生成物を含む画分をプールし、溶媒を減圧下にて留去し、純粋な生成物8eが無色の油状生成物として残り、これは、一晩真空乾燥したところ結晶化した。収率:5.07g(88%)。
1H−NMR(CDCl
3),δ(ppm):7.45−7.30(m,4H),6.90(s,1H),6.60−6.55(m,1H),2.15−2.07(m,1H),1.32−1.25(m,2H),1.20−1.11(m,2H)。
【0148】
段階6:エチル=5−((1s,3s)−3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(8f)
LiCl(0.684g,16.15ミリモル)を室温でTHF(20ml)に溶解し、iPrMgCl(2.0MのTHF溶液,8.1ml,16.15ミリモル)を加えた。混合物を室温で10分間撹拌し、氷浴中で冷却し、化合物8e(2.55g,5.38ミリモル)のTHF(20ml)溶液を5分間かけて加えた。冷却槽を外し、混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を−10℃まで冷却し、化合物8d(1.48g,5.92ミリモル)のTHF(16ml)溶液を素早く加えた。混合物を室温で90分間撹拌した後、0.5M NaHSO
4水溶液(35ml)とEA(50ml)を加えた。生成混合物を10分間撹拌し、層を分離し、水性層をEA(30ml)で抽出した。合わせた有機相をNaHCO
3水溶液(50ml)、塩水(50ml)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒の留去後に、粗生成物 (3.79g)を白色フォームとして得た。この粗生成物3.6gをシリカカラム上でヘキサン/EA3:2で溶出して精製し、純粋な生成物8fを白色フォームとして得た。収率:1.62g(49%)。
1H−NMR(DMSO−d
6), δ(ppm):7.65−7.47(m,4H),6.93−6.91(m,1H),6.79−6.72(m,1H),6.65(s,1H),5.48(s,1H),4.92(s,2H),4.42(h,J=8.0Hz,1H),4.26(q,J=8.0Hz,2H),3.32(s,2H),3.22−3.14(m,2H),3.05−2.90(m,1H),2.45−2.35(m,2H),1.35−1.10(m,14H)。
【0149】
段階7:5−((1s,3s)−3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(8)
化合物8f(1.60g,2.48ミリモル)をTHF(100ml)に溶解した後、MeOH(50ml)、水(50ml)およびLiOH×H
2O(1.04g,24.8ミリモル)を順次に加えた。混合物を室温で4.5時間撹拌した後、減圧濃縮して、MeOHおよびTHFを留去した。残っている水溶液を、1M HCl水溶液(24ml)を加えて酸性にし、pHが4.05に達するようにした(pH電極コントロール)。既にpHが約7で沈澱が形成し始めた。形成した固形物を濾別し、フィルター上で水で洗浄し、室温で真空乾燥して、生成物8を白色粉末として得た。収率:1.40g(92%)。
1H−NMR(CDCl
3),δ(ppm):7.44−7.32(m,4H),6.91(d,J=4.0Hz,1H),6.78(s,1H),6.75(dd,J=4.0Hz,J=8.0Hz,1H),4.83(s,2H),4.35−4.20(m,1H),3.25−3.14(m,2H),3.04−2.90(m,1H),2.62−2.54(m,2H),2.21−2.11(m,1H),1.46(d,J=8.0Hz,6H),1.34−1.28(m,2H),1.20−1.14(m,2H)。
13C−NMR(CDCl
3),δ(ppm):172.7,164.8,159.2,158.4,147.3,141.3,135.8,134.1,132.8,131.3,128.1,127.6,127.3,117.7,113.3,110.0,106.3,73.1,59.8,51.1,41.7,22.6,22.0,8.5,7.8。MS(ESI
+)m/z:616.4[M+1]
+。
【0150】
実施例8A: 5−((1r,3r)−3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(8A)
【0151】
【化26】
【0152】
実施例8Aは、8について記載した通り粗生成物8fをエステル加水分解しかつ少量異性体(minor isomer)としての粗生成物8から分取RP−HPLCによって単離することによって調製することかできる。
1H−NMR(CDCl
3),δ(ppm):7.42−7.30(m,2H),7.11(d,J=8.0Hz,1H),6.75−6.65(m,1H),6.57(s,1H),4.79(s,2H),4.50−4.41(m,1H),3.96−3.85(m,1H),2.98−2.90(m,2H),2.67−2.57(m,2H),2.20−2.09(m,1H),1.51(d,J=8.0Hz,6H),1.32−1.14(m,4H)。
13C−NMR(CDCl
3),δ(ppm):172.6,166.2,159.2,158.4,147.4,141.2,135.7,134.6,132.8,131.3,128.1,127.7,127.5,116.8,113.5,110.0,105.8,75.1,59.8,51.2,41.8,25.4,22.6,8.5,7.8。MS(ESI
+)m/z:616.3[M+1]
+。
【0153】
主異性体(化合物8)および少量異性体(化合物8A)の渡環配置は、NOE実験によって確かめた。プロトン間のNOEを示している検出結果を、二重矢印によって下図に示す。
【0154】
【化27】
芳香族残基の1,3−トランス渡環配置を有する実施例8について検出されたNOE
【0155】
【化28】
芳香族残基の1,3−シス渡環配置を有する実施例8Aについて検出されたNOE
【0156】
実施例9: メチル= 6−(3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)−1−メチル−1H−インダゾール−3−カルボキシレート(9)
【0157】
【化29】
【0158】
段階1:メチル=1−メチル−6−ビニル−1H−インダゾール−3−カルボキシレート(9a)
メチル=6−ブロモ−1−メチル−1H−インダゾール−3−カルボキシレート(60mg,0.22ミリモル)をDMF(10ml)に溶解したものに、トリブチル(ビニル)スズ(99μl,0.34ミリモル)、Pd(Ph
3)
4(11mg,9μモル)を加えた。転化を完了した後、混合物を90℃で4時間Ar下にて撹拌した。次いで、溶媒を減圧留去した。CCによって精製し、化合物9a(52mg,88%)を得た。
【0159】
段階2:メチル= 1−メチル−6−(3−オキソシクロブチル)−1H−インダゾール−3−カルボキシレート(9b)
実施例7/段階2に記載の手順に従って、化合物9bを9aから57%の収率で得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ:8.14(d,J=8.4Hz,1H),7.31(s,1H),7.23(d,J=8.8Hz,1H),4.13(s,3H),3.99(s,3H),3.87−3.79(m,1H),3.58−3.51(m,2H),3.33−3.26(m,2H)。m/z:259[M+1]
+。
【0160】
段階3:メチル= 6−(3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)−1−メチル−1H−インダゾール−3−カルボキシレート(9)
実施例7/段階3に記載の手順に従って、化合物9を9bから40%の収率で得た。
【0161】
実施例10: 6−(3−(2−クロロ−4−((5−シクロプロピル−3−(2,6−ジクロロフェニル)イソキサゾール−4−イル)メトキシ)フェニル)−3−ヒドロキシシクロブチル)−1−メチル−1H−インダゾール−3−カルボン酸(10)
【0162】
【化30】
【0163】
実施例8に記載の手順に従って、化合物10を化合物9から白色固形物として45%の収率で得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ:8.14(d,J=8.0Hz,1H),7.48(d,J=8.8Hz,1H),7.43−7.32(m,4H),7.29(m,1H),6.92(d,J=2.4Hz,1H),6.76(dd,J=7.2Hz,2.4Hz,1H),4.84(s,2H),4.18(s,3H),3.45−3.40(m,1H),3.28−3.23(m,2H),3.19−3.10(m,1H),2.68−2.63(m,2H),2.21−2.14(m,1H),1.33−1.29(m,2H),1.20−1.15(m,2H)。m/z:638[M+1]
+。
【0164】
調製実施例11
【0165】
【化31】
【0166】
段階1:メチル=5−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)ニコチネート(11a)
メチル=5−ブロモニコチネート(2.00g,9.26ミリモル)、アゼチジン−3−オール(1.01g,9.26ミリモル)、Cs
2CO
3(9.06g,27.8ミリモル)、BINAP(1.15g,1.85ミリモル)およびPd(OAc)
2(0.44g,1.85ミリモル)を乾燥ジオキサン(115ml)中で混合したものを、N
2雰囲気下にて85℃で一晩加熱した。生成混合物を濾過し、減圧濃縮し、分取HPLCによって精製し、化合物11a(250mg,13%)を黄色固形物として得た。
【0167】
段階2:メチル=5−(3−オキソアゼチジン−1−イル)ニコチネート(11)
化合物11a(250mg,1.20ミリモル)を乾燥DCM(15ml)に溶解したものに、デス−マーチン・ペリオジナン(1.014g, 2.40ミリモル)をN
2雰囲気下にて0℃で加え、溶液を室温で2時間撹拌した。生成溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で反応停止し、EAで希釈した。有機部分を塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、CC(DCM/MeOH=150:1)によって精製し、化合物11(140mg,57%)を黄色固形物として得た。
【0168】
調製実施例12
【0169】
調製実施例11に記載したのと同様の手順を用いて、下記の化合物を調製した。
【0170】
【化32】
【0171】
実施例13/1−13/9
下表は、上記の調製実施例および実施例に従って調製した更なる例を示している。総ての表記した化合物は、単一異性体として調製した。
【0172】
【表1】
【表2】
【0173】
実施例14/1および14/2
実施例1−13および上記のスキームに記載したのと同様の手順を用いて、適当な成分を用いることによって、下記の化合物を得た。
【0174】
【表3】
【0175】
下記の化合物は、上記したのと同様の手順を用いることによって同じ方法で調製することができる。
【0176】
【化33】
【0177】
分析
FRET活性分析
核レセプターFXRへ結合するリガンドを定量するためのリガンドが介在したコファクターペプチド相互作用の測定は、次のようにして行った:ヒトFXRαリガンド結合ドメインの調製:ヒトFXRαLBDを、N−末端のGSTタグ付き融合タンパク質として大腸菌株BL21(DE3)で発現させた。FXRリガンド結合ドメインをコードするDNAを、ベクターpDEST15(Invitrogen) にクローニングした。発現を、IPTG誘導性T7プロモーターによって制御した。リガンド結合ドメインのアミノ酸境界は、データベース見出しNM_005123(RefSeq)のアミノ酸187−472であった。FXR-LBDの発現および精製:形質転換した大腸菌株の一晩前培養したものをLB−アンピシリン培地で1:20に希釈し、OD
600=0.4〜0.6の光学濃度まで30℃で成長させた。次いで、0.5mM IPTGを添加して、遺伝子発現を誘導した。細胞を、30℃、180rpmで更に6時間インキュベーションした。細胞を、遠心分離(7000×g,7分間,室温)によって集めた。最初の細胞培養物1リットルに、細胞を10mlリーシス緩衝液(50mMグルコース、50mM Tris pH7.9、1mM EDTAおよび 4mg/mlリゾチーム)に再懸濁し、氷上に30分間放置した。次いで、細胞に音波処理を施し、細胞破片を遠心分離(22000×g,30分間,4℃)によって除去した。上清10mlに、前洗浄したグルタチオン4Bセファローススラリー(Qiagen)0.5mlを加え、懸濁液を4℃で1時間緩やかに回転させ続けた。グルタチオン4Bセファロースビーズを遠心分離(2000×g,15秒間,4℃)によってペレット化させ、洗浄緩衝液(25mM Tris,50mM KCl,4mM MgCl
2および1M NaCl)で2回洗浄した。ペレットを、最初の培養物1リットル当たり3mlの溶出緩衝液に再懸濁した(溶出緩衝液:20mM Tris,60mM KCl,5mM MgCl
2および80mM 粉末として使用直前に添加したグルタチオン)。懸濁液を4℃で15分間回転させ、ビーズをペレット化し、最初の時の半分の容量の溶出緩衝液で再度溶出した。溶出液をプールし、60mM KCl,5mM MgCl
2並びに1mMジチオトレイトールおよび10%(v/v)グリセロールを含む20mM Hepes緩衝液(pH7.5)中で一晩透析した。タンパク質を、SDS−Pageによって分析した。
【0178】
この方法は、精製細菌で発現したFXRリガンド結合ドメイン(LBD)とSRC−1の残基676−700(LCD2,676−700)に基づく合成ビオチン化ペプチドとの相互作用を調節する推定リガンドの能力を測定する。用いたペプチドの配列は、B−CPSSHSSLTERHKILHRLLQEGSPS−COOHであって、N−末端はビオチン化(B)されていた。FXRのリガンド結合ドメイン(LBD)は、ベクターpDEST15を用いてBL−21細胞におけるGSTとの融合タンパク質として発現した。細胞を、音波処理によってリーシスし、融合タンパク質をグルタチオンセファロース(Pharmacia)上で製造業者の指示に従って精製した。FXR−ペプチド相互作用に対するそれらの影響をスクリーニングするため、Perkin ElmerのLANCE手法を応用した。この方法は、ドナーからアクセプターである目的の結合パートナーに付着した蛍光団への結合依存性エネルギー移動に依存している。取扱いを容易にしかつ化合物蛍光からのバックグラウンドを減少させるため、LANCE手法は一般的な蛍光団ラベルを用い、時間分解検出分析は、20−60ng/ウェルのGSTに融合した組換え発現FXR-LBD、SRC1アミノ酸676−700を表す200−600nMのN−末端がビオチン化したペプチド、200ng/ウェルのストレプトアビジン−xlAPC接合体(プロザイム)および6−10ng/ウェルのEu W1024−抗GST(Perkin Elmer)を含むTrisを基剤とする緩衝液(20mM Tris−HCl pH 7.5;60mM KCl,5mM MgCl
2;35ng/μl BSA)中で、384ウェル/プレートで25μlの最終容積で行った。試料のDMSO含量は、1%に保った。分析混合物の生成および潜在的FXR調節リガンドの希釈の後、分析物をFIA−プレートブラック384ウェル(Greiner)中で、室温にて暗所で1時間平衡にした。LANCEシグナルは、Perkin Elmer VICTOR2VTMマルチラベルカウンターによって検出した。結果を、665および615nmにおける放射光間の比率をプロットすることによって可視化した。FXR-ペプチド形成の基底レベルは、添加リガンドの非存在下にて観察された。複合体形成を促進するリガンドは、時間分解蛍光シグナルにおける濃度依存性増加を誘導する。モノマー性FXRおよびFXR−ペプチド複合体のいずれにも等しく良好に結合する化合物は、シグナルが変化しないことが予想されるが、モノマー性レセプターに優先的に結合するリガンドは、観察されるシグナルが濃度依存的減少を誘導することが予想される。
【0179】
化合物の抑制的潜在性を評価するため、EC
50値を、例えば、下記の表1に示す化合物について測定した(A=EC
50<25nM;B=25≦EC
50<100nm;C=EC
50 ≧100nM)。
【0180】
【表4】
【0181】
哺乳類ワンハイブリッド(M1H)分析
FXRのリガンド結合介在活性化を定量するためのリガンドが介在したGal4プロモーター被動トランス活性化の測定は、下記のようにして行った:FXRリガンド結合ドメインをコードするcDNA部分を、CMVプロモーターの制御下で酵母GAL4 DNA結合ドメインへの融合体としてのpCMV−BD(Stratagene)へクローニングした。リガンド結合ドメインのアミノ酸境界は、データベース見出しNM_005123(RefSeq)のアミノ酸187−472であった。プラスミドpFR−Luc(Stratagene)を、酵母GAL4結合部位の5つのタンデム配列を有する剛性プロモーターを含み、レポーター遺伝子としてのフォティナス・ピラリス(Photinus pyralis;アメリカホタル)ルシフェラーゼ遺伝子を発現させるレポータープラスミドとして用いた。実験場の正確性を向上させるため、プラスミドpRL−CMV(Promega)を同時形質導入した。pRL−CMVは、構成的CMVプロモーターを含み、レニラ・レニフォルミス(Renilla reniformis)ルシフェラーゼの発現を制御する。 総てのGal4レポーター遺伝子分析は、L−グルタミン、および10%胎児ウシ血清、0.1mM非必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウムおよび100単位のペニシリンし/ストレプトアビジン/mlを補足したイーグルBSSを含むを含むMEM中で5%CO
2にて37℃で増殖させたHEK293細胞(DSMZから取得、ブラウンシュバイク、ドイツ)で行った。培地および補足物は、Invitrogenから得た。分析のため、96ウェルプレートでウェル当たり5×10
5個の細胞を、フェノールレッドおよびL−グルタミンを含まず、10%木炭/デキストラン処理したFBS(HyClone,サウスローガン,ユタ)、0.1mM非必須アミノ酸、2mMグルタミン、1mMピルビン酸ナトリウムおよび100単位/mlのペニシリン/ストレプトアビジンを補足したイーグルBSSを含み、5%CO
2にて37℃でインキュベーションした100μl/ウェルのMEMに播種した。翌日、細胞は、>90%コンフルエンスであった。培地を除去し、細胞を、前記の3種類のプラスミドを包含するOptiMEM−ポリエチレンイミンを基剤としたトランスフェクション試薬(OptiMEM, Invitrogen;ポリエチレンイミン,Aldrich Cat No. 40,827-7)20μl/ウェルを用いて一時的にトランスフェクションした。細胞の播種に用いたのと同じ組成を有するMEMを、トランスフェクション混合物の添加の2−4時間後に加えた。次いで、MEMで前希釈した化合物ストックを加えた(最終的ビヒクル濃度は、0.1%を超過しない)。細胞を更に16時間インキュベーションした後、ホタルおよびレニラルシフェラーゼ活性を、デュアル・ライト・ルシフェラーゼ・アッセイ系(Dyer et al., Anal. Biochem. 2000, 282, 158–161)を用いて同じ細胞抽出物で順次測定した。総ての実験は、3回ずつ行った。
【0182】
実施例の化合物のFXR作動薬能力を評価するため、能力範囲を下記の表2に示したようにM1H分析で測定した(A=EC
50<25nM;B=25≦EC
50<100nm;C=EC
50 ≧100nM)。
【0183】
【表5】
【0184】
水溶解度分析
PBS,pH7.4における水溶解度を、下記のようにして測定した。10mM化合物貯蔵溶液/DMSOを、PBS(pH7.4)に加えて、200μMの理論最終濃度に到達させた。生成溶液/懸濁液を1250rpmで1時間振盪した後、室温で暗所に23時間保管した。この時点で、総ての沈澱を、3900rpmで30分か遠心分離することによって溶液から分離する。水溶解度は、有機溶媒(メタノール/水60:40,v/v)での較正標準(200μM)における基準ピークのピーク面積を緩衝液試料における対応するピークのピーク面積と比較することによって測定した。検出方法としては、230nmでのHPLC−UV/VISを用いた。
【0185】
平行人工膜透過分析(PAMPA)
PAMPAのために、試験項目の5mM貯蔵溶液をDMSOで調製した。参照項目の5mM貯蔵溶液を、それぞれ、EtOH(カルバマゼピン、グアナベンツ)またはEtOH:H
2O 1:1(v/v)セフトリアキソンで調製した。化合物をPBS(pH7.4)で希釈し、各有機溶媒の5%と250μM参照化合物または10μM試験項目をそれぞれ含む出発溶液を得た。分析のため、Kansy et al.に記載のPAMPA(Kansy et al. J. Med. Chem. 1998, 41, 1007)の変更手順を用いた。低(セフトリアキソン)、中(グアナベンツ)および高透過(カルバマゼピン)に対する参照化合物を、内部コントロールとして包含した。
【0186】
透過実験は、96ウェル・マルチスクリーン・イモビロン(アクセプター)によって被覆されたマルチスクリーン96ウェルトレイ(ドナー)中で行った。イモビロンプレートの疎水性フィルター材料を70%エタノールでプレウエットし、脂質溶液(ドデカンに溶解したレシチン)で処理した。ドナープレートを試験化合物および参照化合物で満たし、両プレートを互いに挿入し、オービタル・シェーカー上に100rpmで15分間置いた。輸送研究を、試験および参照化合物を含む150μlPBS緩衝液をドナープレートに加えることによって開始した。室温で15−16時間拡散させた後、アクセプターおよびドナープレートの内容物を集め、LC/MS検出(試験項目)を用いて、またはSpectramax Plus
384(Molecular Devices)(参照項目)を用いるUV分光学によって定量した。参照項目であるセフトリアキソン、グアナベンツおよびカルバマゼピンに対する吸収極大は、それぞれ240nm、270nmおよび286nmであった。回収試料は、透過分析試料について記載した方法で調製し、同じ条件下で透過期間中典型的なバイアル中でインキュベーションした。
【0187】
試験項目のLC/MS分析のため、100μlのインキュベートをアクセプターおよびドナー区画から取り出し、下記のようにアセトニトリル(ACN)沈澱のために処理した。更に、脂質層からの試験項目試料は、それぞれのウェルを150μlEAで洗浄することによって抽出した。溶液を1.5ml反応管に集め、溶媒を蒸発させた。乾燥した残渣を、アクセプターおよびドナー試料の組成を反映してPBS/DMSO/ACN混合物に再懸濁した(すなわち、5%DMSO、200μl ACN+ISTDを補足した100μl緩衝液)。それぞれの試料の最終的溶媒含量は、66%ACNであった。
【0188】
ドナーおよびアクセプター区画からの試料および較正標準を、それぞれ200μlACN/ISTDまたは400μlACN/ISTDを添加によって沈澱させた。激しい振盪(10秒間)および遠心分離(4800×gで室温にて5分間)の後、粒子を含まない上清にLC−MS/MSを施した。膜区画は、上記のようにして抽出した。再構成の後、試料を激しく振盪し(10秒間)、遠心沈澱した(4800×gで室温にて5分間)。粒子を含まない上清にLC−MS/MSを施した。
【0189】
本発明の化合物の分析のため、HPLC装置は、Accela U−HPLC ポンプとAccelaオートサンプラー(Thermo Fisher Scientific, 米国)からなっていた。質量分析法は、標準的ソフトウェアXcalibur 2.1を実行するPCに接続した加熱エレクトロスプレー(H−ESI2)インターフェース(Thermo Fisher Scientific, 米国)を備えたExactive質量分析機(精密質量のオービトラップ手法)で行った。
【0190】
LCは、グラディエント方式(表3)で、ACN/0.1%ギ酸を有機相(A)とし、10mMギ酸アンモニウム/0.1%ギ酸を水性相(B)として用いて行い、ポンプ流量を500μl/分に設定した。分離は、プレカラム(Gemini C6−Phenyl,3μm,4×2.0mm)を備えたGemini C6−Phenyl,3μm,50×2.0mm(Phenomenex, ドイツ)上で行った。
【0191】
【表6】
【0192】
MSチューンファイルとしては、一般的なチューンファイルを陽または陰イオンモードを応用して総ての分析物に用いた。内部質量較正のためのロック質量としては、溶媒系に偏在するフタル酸ジイソオクチル(m/z 391.28429)の[M+H]
+イオンを用いた。
【0193】
分析物は、モノアイソトピック[M+H]
+または[M−H]
−イオンの予想質量付近の±トムソンを掃引することによって得た。Orbitrapの質量分機能を、50,000に設定した。それぞれの分析物の精密質量を、ピーク積分に用いた。更なる機器設定は、下記の通りであった:HCD−Gasオフ、AGC高ダイナミックレンジ、最大トラップ注入時間 100ms、シースガス30、補助ガス8、掃引ガス2、スプレー電圧4kV、キャピラリー温度250℃、ESI 2ヒーター温度250℃。
【0194】
本発明の目的は、WO 2011/020615号公報に記載の化合物と比較して物理化学的特性が向上したFXR-作動薬を生成することであった。これは、前者の1,2−シクロプロピリデン環に代えて1,3−シクロブチリデンまたは1,3−アゼチジニリデン基上に極性ヒドロキシル基を導入することによって達成された。
【0195】
【化34】
【0196】
驚くべきことには、生成化合物は、FXRレセプターに対して活性を保持したが、一層高い水溶解度および/または膜透過性のような向上した物理化学特性を示した。2つのシリーズの対応する化合物の直接比較を、表4に示す。
【0197】
【表7】
【0198】
【表8】
【0199】
それぞれの場合に、水溶解度またはPAMPA膜透過性のいずれかまたは両方は、ヒドロキシ−シクロブチルまたはヒドロキシ−アゼチジニル残基の導入によって有意に向上する。大部分の核レセプター活性分子として、FXR作動薬は一般的に極めて親油性が高い(M. L. Crawley, Expert Opin. Ther. Patents 2010, 20, 1047)。従って、一層良好な水溶解度および膜透過性は、経口バイオアベイラビリティーと、一般に薬剤としてのこれらの化合物の臨床開発の適合性が一層良好になると思われる (L. Huang, J. Dong, S. Karki in Evaluation of drug candidates for preclinical development (Eds. C. Han, C. B. Davis, B. Wang),Wiley & Sons, Hoboken 2010, 187-217)。