特開2019-215137(P2019-215137A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2019215137-マルチノズルバーナ及び燃焼器 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-215137(P2019-215137A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】マルチノズルバーナ及び燃焼器
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/06 20060101AFI20191122BHJP
   F23R 3/10 20060101ALI20191122BHJP
   F23R 3/28 20060101ALI20191122BHJP
   F23D 14/48 20060101ALI20191122BHJP
   F23D 14/82 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
   F23R3/06
   F23R3/10
   F23R3/28 D
   F23D14/48 B
   F23D14/82 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-113503(P2018-113503)
(22)【出願日】2018年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】大西 正悟
(72)【発明者】
【氏名】内田 正宏
(72)【発明者】
【氏名】及川 尚樹
【テーマコード(参考)】
3K017
【Fターム(参考)】
3K017CA05
3K017CB02
3K017DE15
(57)【要約】
【課題】マルチノズルバーナにおいて、火炎の付着を防止する。
【解決手段】燃料を供給する燃料ノズルを複数備えるマルチノズルバーナであって、前記燃料ノズルの下流側に設けられると共に、前記燃料ノズルの吐出口に対応する位置に空気が噴射される空気孔を有する空気孔プレートを備え、前記空気孔プレートは、前記空気孔の縁部が燃料吐出方向に向けて突出されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を供給する燃料ノズルを複数備えるマルチノズルバーナであって、
前記燃料ノズルの下流側に設けられると共に、前記燃料ノズルの吐出口に対応する位置に空気が噴射される空気孔を有する空気孔プレートを備え、
前記空気孔プレートは、前記空気孔の縁部が燃料吐出方向に向けて突出されている
ことを特徴とするマルチノズルバーナ。
【請求項2】
径方向内側に設けられる燃料ノズルは、径方向外側に設けられる燃料ノズルよりも前記空気孔の縁部の突出量が多いことを特徴とする請求項1記載のマルチノズルバーナ。
【請求項3】
径方向内側に設けられる燃料ノズルは、径方向外側に設けられる燃料ノズルよりも前記空気孔の径が小さいことを特徴とする請求項1または2記載のマルチノズルバーナ。
【請求項4】
着脱可能とされる複数の前記燃料ノズルにより構成されるユニットを複数備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のマルチノズルバーナ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のマルチノズルバーナと、
内部に火炎が形成される燃焼器ライナと
を備えることを特徴とする燃焼器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチノズルバーナ及び燃焼器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、水素含有燃料を燃焼させるガスタービン燃焼器が開示されている。この特許文献1のガスタービン燃焼器では、燃焼室の上流側に複数の小径の燃料ノズルを備えており、それぞれの燃料ノズルから燃料を供給する構成とされている。また、特許文献1のガスタービン燃焼器では、燃料ノズルの下流側に設けられ、空気孔が多数形成された空気孔プレートから、空気と燃料とが共に燃焼室へと噴射される。このように、複数の小径の燃料ノズルから燃料を供給することで、空気との混合が急速に行われ、拡散火炎を形成しつつ、予混合火炎に近い燃焼状態を形成することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−108667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、燃料ノズルの下流側に設けられる空気孔プレートにおいては、空気孔が燃料ノズルの吐出口を囲んでおり、該吐出口の周囲より空気が燃焼室へと噴射される。このとき、空気孔出口近傍で、空気に小規模の循環流が発生する。これにより、噴射された空気が空気孔プレート近傍へと戻るため、火炎がマルチノズルバーナに付着する。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、マルチノズルバーナにおいて、火炎の付着を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための第1の手段として、燃料を供給する燃料ノズルを複数備えるマルチノズルバーナであって、前記燃料ノズルの下流側に設けられると共に、前記燃料ノズルの吐出口に対応する位置に空気が噴射される空気孔を有する空気孔プレートを備え、前記空気孔プレートは、前記空気孔の縁部が燃料吐出方向に向けて突出されている、という構成を採用する。
【0007】
第2の手段として、上記第1の手段において、径方向内側に設けられる燃料ノズルは、径方向外側に設けられる燃料ノズルよりも前記空気孔の縁部の突出量が多い、という構成を採用する。
【0008】
第3の手段として、径方向内側に設けられる燃料ノズルは、径方向外側に設けられる燃料ノズルよりも前記空気孔の径が小さい、という構成を採用する。
【0009】
第4の手段として、着脱可能とされる複数の前記燃料ノズルにより構成されるユニットを複数備える、という構成を採用する。
【0010】
第5の手段として、燃焼器は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のマルチノズルバーナと、内部に火炎が形成される燃焼器ライナとを備える、という構成を採用する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、空気孔の縁部が突出していることにより、圧縮空気が燃料ノズル軸方向へと案内されるため、燃料ノズル軸方向に沿って流れる。したがって、圧縮空気の直進性が向上し、燃焼速度と圧縮空気の流速とが釣り合う位置がより空気孔プレートから離れた位置となり、形成される火炎の位置が空気孔プレートからより離れた位置となる。したがって、火炎のマルチノズルバーナへの付着を防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るマルチノズルバーナを含む模式断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るマルチノズルバーナが備える空気孔プレートの正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るマルチノズルバーナの要部拡大図である。
図4】空気孔プレートの変形例を示す正面図である。
図5】空気孔プレートの変形例を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係るマルチノズルバーナの一実施形態について説明する。
【0014】
[第1実施形態]
まず、本実施形態に係るマルチノズルバーナ1は、ガスタービン(不図示)に備えられている。ガスタービンは、不図示の圧縮機、タービン及び燃焼器100を備えている。ガスタービンは、圧縮機において外気から取り込んだ空気を所定圧まで圧縮して圧縮空気を生成し、燃焼器100において上記圧縮空気を酸化剤として燃料を燃焼させる。さらに、ガスタービンは、燃料を燃焼させることで発生した燃焼ガスによりタービンを回転させることにより回転動力を発生させる。
【0015】
図1に示すように、燃焼器100は、燃焼器ライナ110と、ケーシング120と、マルチノズルバーナ1とを備えている。
【0016】
マルチノズルバーナ1は、燃焼器ライナ110に対して設けられ、燃焼器ライナ110に燃料を噴射する装置であり、図1に示すように、燃料供給部2と、空気孔プレート3とを備えている。
【0017】
燃料供給部2は、燃料供給管2aと、複数の燃料ノズル2bとを備えている。燃料供給管2aは、外部の燃料タンクと接続されると共に複数の燃料ノズル2bと接続され、ヘッダ管として機能する。
燃料ノズル2bは、燃料供給部2に対して接続されると共に、吐出口を燃焼器ライナ110に向けて配置されている。燃料ノズル2bは、同心円状に複数配置されていると共に、それぞれ燃料を燃焼器ライナ110へと案内する。
【0018】
図2に示すように、空気孔プレート3は、燃料ノズル2bの吐出口側に設けられた円盤状の部材であり、燃料ノズル2bの吐出口と重なる位置(対応する位置)に空気孔hが形成されている。すなわち、空気孔プレート3には、複数の空気孔hが形成されており、燃焼器ライナ110側から見て、各空気孔hが各燃料ノズル2bの吐出口を囲むように配置される。なお、空気孔プレート3の空気孔hは、対応する燃料ノズル2bの径よりも大きく、パンチ加工により形成されている。また、空気孔プレート3は、空気孔hの縁部が燃料吐出方向に向けて突出しつつ縮径している。このような空気孔プレート3は、燃焼器ライナ110の端部に固定されている。
【0019】
燃焼器ライナ110は、略円筒状とされ、ケーシング120により周囲を囲まれている。燃焼器ライナ110の内部は燃焼室とされ、火炎が内部に形成される。
また、燃焼器ライナ110を囲うケーシング120と燃焼器ライナ110周面との間隙は、火炎形成方向の下流側から上流側に向けて圧縮空気を案内する圧縮空気流路Rとされている。すなわち、圧縮空気は、火炎形成方向の逆方向からケーシング120内へと流入する。圧縮空気流路Rは、ケーシング120と燃焼器ライナ110周面との間隙から、燃料ノズル2bと空気孔プレート3との間を介して燃焼器ライナ110の内部へと形成されている。
【0020】
このような燃焼器ライナ110の動作を説明する。
燃焼器ライナ110において、燃料供給部2の燃料供給管2aを介して燃料ノズル2bへと燃料が案内される。燃料ノズル2bより噴射された燃料は、空気孔プレート3の空気孔hを通って燃焼器ライナ110内に吐出される。
【0021】
また、燃焼器100のケーシング120内に供給された圧縮空気は、圧縮空気流路Rを通り、空気孔プレート3の空気孔hを介して吐出される。このとき、図3に示すように、圧縮空気は燃料ノズル2bの周囲を囲みつつ、燃料ノズル2b軸方向へと流れる。そして、空気孔hより燃焼器ライナ110へと吐出された圧縮空気は、縁部により、燃料吐出方向に案内されると共に、縮流することで、燃料ノズル2bから噴射された燃料と接触する。これにより、燃料と圧縮空気が混合され、燃焼ガスとなりながら、循環流を形成して、燃焼器ライナ110内部に広がる。
【0022】
このような本実施形態によれば、空気孔hの縁部が噴射方向に突出していることにより、圧縮空気が燃料ノズル2b軸方向へと案内されるため、燃料ノズル2b軸方向に沿って流れる。したがって、圧縮空気の直進性が向上し、燃焼速度と圧縮空気の流速とが釣り合う位置がより空気孔プレート3から離れた位置となり、形成される火炎の位置が空気孔プレート3からより離れた位置となる。したがって、火炎のマルチノズルバーナ1への付着を防止することが可能である。
【0023】
さらに、従来技術と比較して空気の直進性が向上することにより、空気孔プレート3から火炎形成方向において離れた領域から燃焼ガスが循環して空気孔プレート3近傍へと戻る大きな循環流を形成する。これにより、空気孔プレート3の近傍により高温の燃焼ガスが戻ることとなり、保炎性能が向上する。
【0024】
また、空気孔hの縁部が縮径されることにより、噴射された空気が燃料と共に直進することで、噴射直後に空気の流れが燃料の流れから剥離することを防止できる。これにより、燃料と空気とが同時に火炎に供給される。
【0025】
また、パンチ加工により空気孔hの縁部の形状を形成することで、一度に複数の空気孔hを形成することが可能であり、製造が容易である。
【0026】
[第2実施形態]
第1実施形態に係るマルチノズルバーナ1の変形例について、第2実施形態として、図4を参照して説明する。
【0027】
図4に示すように、マルチノズルバーナ1は、空気孔プレート3に代わり、空気孔プレート3Aを備える。空気孔プレート3Aは、着脱ユニット3a〜3gを備えている。なお、この場合には、燃料ノズル2bも各空気孔hに対応して設けられている。
【0028】
着脱ユニット3a〜3gは、それぞれ、複数の空気孔hが形成された円形の部位であり、対応する複数の燃料ノズル2bと共に着脱可能とされている。また、空気孔プレート3Aの中心部に配置される着脱ユニット3gは、着脱ユニット3a〜3fよりも空気孔hの縁部の突出量が多く設定されている。すなわち、空気孔プレート3Aの径方向内側の空気孔hの縁部は、空気孔プレート3Aの径方向外側の空気孔hの縁部よりも突出した形状とされている。
【0029】
このような形状のマルチノズルバーナ1は、より多くの燃料ノズル2b及び空気孔hを有しており、燃料と空気とをより混合された状態で供給することが可能である。
また、着脱ユニット3a〜3gがそれぞれ着脱可能とされることにより、それぞれ別個に交換することが可能である。
【0030】
また、空気孔プレート3Aの径方向内側の空気孔hの縁部は、空気孔プレート3Aの径方向外側の空気孔hの縁部よりも突出した形状であることにより、空気孔プレート3Aの径方向内側において、空気の直進性をより向上させることができる。これにより、より確実に火炎のマルチノズルバーナ1への付着を防止できる。
【0031】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0032】
上記第1実施形態において、図5に示すように、空気孔プレート3の空気孔hの縁部は、空気孔プレート3の表面から略球面状に盛り上がり、該球面の中央部に空気孔hが設けられるものとしてもよい。このような形状についても、パンチ加工により形成することが可能であり、製造が容易である。
【0033】
また、上記第2実施形態においては、空気孔プレート3Aは、着脱ユニット3gの空気孔hの径が、着脱ユニット3a〜3fの空気孔hの径よりも小さく設定されているものとしてもよい。この場合、径方向内側の空気孔hの径が小さく設定されるため、径方向内側の空気孔hから噴射される空気の直進性がより向上する。
【0034】
また、上記第1実施形態において、空気孔プレート3は、第2実施形態と同様に、径方向内側の空気孔hの縁部の突出量が、径方向外側の空気孔hの縁部の突出量よりも多く設定されるものとしてもよい。また、同様に、空気孔プレート3において、径方向内側の空気孔hの径が、径方向外側の空気孔hの径よりも小さく設定されるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 マルチノズルバーナ
2 燃料供給部
2a 燃料供給管
2b 燃料ノズル
3 空気孔プレート
3A 空気孔プレート
3a〜3g 着脱ユニット
100 燃焼器
110 燃焼器ライナ
h 空気孔
図1
図2
図3
図4
図5