特開2019-215139(P2019-215139A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-215139(P2019-215139A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】排熱回収システム
(51)【国際特許分類】
   F25B 27/02 20060101AFI20191122BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20191122BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20191122BHJP
   B60L 50/40 20190101ALN20191122BHJP
   B60L 50/50 20190101ALN20191122BHJP
   B60L 53/00 20190101ALN20191122BHJP
   B60L 55/00 20190101ALN20191122BHJP
   B60L 58/00 20190101ALN20191122BHJP
   B60M 7/00 20060101ALN20191122BHJP
   B60L 5/00 20060101ALN20191122BHJP
【FI】
   F25B27/02 Z
   H02J50/10
   H02J7/00 P
   H02J7/00 301D
   B60L11/18 C
   B60M7/00 X
   B60L5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-113542(P2018-113542)
(22)【出願日】2018年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100192511
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 晃史
(72)【発明者】
【氏名】野添 雅人
(72)【発明者】
【氏名】西村 賢二
【テーマコード(参考)】
5G503
5H105
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5G503GB08
5G503GD03
5G503GD06
5H105BA09
5H105BB05
5H105CC07
5H105CC19
5H105DD10
5H105EE15
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC27
5H125BC21
5H125BE02
5H125CD06
5H125DD02
5H125EE64
5H125EE70
5H125FF15
(57)【要約】
【課題】熱回収装置でコイル装置の排熱を効率良く回収することが可能となる排熱回収システムを提供する。
【解決手段】排熱回収システム1は、非接触給電装置100以外の熱源からの熱を回収する蓄熱部30を用いて、非接触給電装置100のコイル装置10の排熱を回収する。排熱回収システム1は、コイル装置10に設けられた熱媒体Mの流路である第1流路L1と、熱回収装置20に設けられた熱媒体Mの流路である第2流路L2と、第1流路L1と第2流路L2とを接続し、第2流路L2の熱媒体Mを第1流路L1に導く第3流路L3と、第1流路L1と第2流路L2とを接続し、第1流路L1の熱媒体Mを第2流路L2に導く第4流路L4と、を備える。第1流路L1、第2流路L2、第3流路L3、及び第4流路L4は、閉じた循環流路を形成している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触給電装置以外の熱源からの熱を回収する熱回収装置を用いて、前記非接触給電装置のコイル装置の排熱を回収する排熱回収システムであって、
前記コイル装置に設けられた熱媒体の流路である第1流路と、
前記熱回収装置に設けられた前記熱媒体の流路である第2流路と、
前記第1流路と前記第2流路とを接続し、前記第2流路の前記熱媒体を前記第1流路に導く第3流路と、
前記第1流路と前記第2流路とを接続し、前記第1流路の前記熱媒体を前記第2流路に導く第4流路と、を備え、
前記第1流路、前記第2流路、前記第3流路、及び前記第4流路は、閉じた循環流路を形成する、排熱回収システム。
【請求項2】
前記熱回収装置は、前記第2流路に設けられた膨張弁及び圧縮機を含むヒートポンプ装置であり、
前記第3流路は、前記第2流路における前記膨張弁の下流側に接続されており、
前記第4流路は、前記第2流路における前記圧縮機の上流側に接続されている、請求項1に記載の排熱回収システム。
【請求項3】
前記第3流路と前記第4流路とを接続し、前記第3流路の前記熱媒体を前記第4流路に導くバイパス流路と、
前記バイパス流路への分岐箇所よりも前記第1流路側の前記第3流路上に設けられた第1バルブと、を更に備える、請求項1又は2に記載の排熱回収システム。
【請求項4】
前記コイル装置の温度を検出する第1センサと、
外気の温度を検出する第2センサと、
前記第1センサ及び前記第2センサの検出結果に基づいて前記第1バルブを制御する制御部と、を更に備える、請求項3に記載の排熱回収システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記コイル装置の温度が前記外気の温度以上であると判定した場合、前記第2流路の前記熱媒体を前記第1流路に導くように前記第1バルブを制御する、請求項4に記載の排熱回収システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記コイル装置の温度が前記外気の温度以上ではないと判定した場合、前記第2流路の前記熱媒体を前記バイパス流路を介して前記第2流路に戻すように前記第1バルブを制御する、請求項4又は5に記載の排熱回収システム。
【請求項7】
前記第1バルブとは別の第2バルブを更に備え、
前記第2バルブは、前記バイパス流路上に設けられている、請求項3に記載の排熱回収システム。
【請求項8】
前記コイル装置の温度を検出する第1センサと、
外気の温度を検出する第2センサと、
前記第1センサ及び前記第2センサの検出結果に基づいて前記第1バルブ及び前記第2バルブを制御する制御部と、を更に備え、
前記制御部は、前記コイル装置の温度が前記外気の温度以上であると判定した場合、前記第2流路の前記熱媒体を前記第1流路に導くように前記第1バルブ及び前記第2バルブを制御する、請求項7に記載の排熱回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排熱回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非接触給電装置以外の熱源からの熱を回収する熱回収装置を用いて、非接触給電装置のコイル装置の排熱を回収する排熱回収システムが知られている(例えば特許文献1)。特許文献1には、コイル装置の排熱を、外気からの熱を回収する暖房システムに利用することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−216723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の排熱回収システムでは、コイル装置に設けられた熱媒体の流路と暖房システム(熱回収装置)の熱媒体の流路とが互いに独立している。この場合、熱回収装置で回収できるコイル装置の排熱は、主に、コイル装置の排熱で加熱された熱媒体から各流路の管壁を介して伝わる熱に過ぎないため、熱回収装置でコイル装置の排熱を回収する効率を向上する余地が残されている。
【0005】
本開示は、熱回収装置でコイル装置の排熱を効率良く回収することが可能となる排熱回収システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る排熱回収システムは、非接触給電装置以外の熱源からの熱を回収する熱回収装置を用いて、非接触給電装置のコイル装置の排熱を回収する排熱回収システムであって、コイル装置に設けられた熱媒体の流路である第1流路と、熱回収装置に設けられた熱媒体の流路である第2流路と、第1流路と第2流路とを接続し、第2流路の熱媒体を第1流路に導く第3流路と、第1流路と第2流路とを接続し、第1流路の熱媒体を第2流路に導く第4流路と、を備え、第1流路、第2流路、第3流路、及び第4流路は、閉じた循環流路を形成する。
【0007】
本開示の一態様に係る排熱回収システムでは、第1流路、第2流路、第3流路、及び第4流路によって閉じた循環流路が形成されているため、コイル装置の第1流路では、コイル装置の排熱で熱媒体が加熱される。加熱された熱媒体が、第4流路を介して熱回収装置の第2流路に導かれる。これにより、コイル装置の排熱を熱回収装置に直接的に導入することが可能となる。その結果、熱回収装置でコイル装置の排熱を効率良く回収することが可能となる。
【0008】
いくつかの態様において、熱回収装置は、第2流路に設けられた膨張弁及び圧縮機を含むヒートポンプ装置であり、第3流路は、第2流路における膨張弁の下流側に接続されており、第4流路は、第2流路における圧縮機の上流側に接続されていてもよい。この場合、ヒートポンプ装置の膨張弁で膨張された熱媒体の少なくとも一部が、第3流路を介してコイル装置の第1流路に導かれる。コイル装置の第1流路で加熱された熱媒体が、第4流路を介してヒートポンプ装置の圧縮機の上流側に導かれる。これにより、圧縮機が熱媒体を圧縮する前に、熱媒体の少なくとも一部がコイル装置の排熱で予め加熱されるため、圧縮機が熱媒体を圧縮する仕事を低減することができる。
【0009】
いくつかの態様において、排熱回収システムは、第3流路と第4流路とを接続し、第3流路の熱媒体を第4流路に導くバイパス流路と、バイパス流路への分岐箇所よりも第1流路側の第3流路上に設けられた第1バルブと、を更に備えていてもよい。この場合、例えばコイル装置の排熱量に応じて第1バルブを操作することで、第2流路からの熱媒体の行き先を第1流路とバイパス流路とで切り換えることができる。あるいは、熱媒体の流通量を第1流路とバイパス流路とで調整することができる。よって、コイル装置の排熱量に応じてコイル装置の排熱を適切に回収することが可能となる。
【0010】
いくつかの態様において、排熱回収システムは、コイル装置の温度を検出する第1センサと、外気の温度を検出する第2センサと、第1センサ及び第2センサの検出結果に基づいて第1バルブを制御する制御部と、を更に備えていてもよい。この場合、第1センサで検出したコイル装置の温度及び第2センサで検出した外気温度に応じてコイル装置の排熱を回収することが可能となる。
【0011】
いくつかの態様において、制御部は、コイル装置の温度が外気の温度以上であると判定した場合、第2流路の熱媒体を第1流路に導くように第1バルブを制御してもよい。この場合、コイル装置の温度が外気の温度以上となる程度にコイル装置の排熱量が大きいことに応じてコイル装置の排熱の回収をすることができる。
【0012】
いくつかの態様において、制御部は、コイル装置の温度が外気の温度以上ではないと判定した場合、第2流路の熱媒体をバイパス流路を介して第2流路に戻すように第1バルブを制御してもよい。この場合、コイル装置の排熱量が小さいことに応じてコイル装置の排熱の回収を一時的に停止することができる。
【0013】
いくつかの態様において、排熱回収システムは、上記第1バルブとは別の第2バルブを更に備え、第2バルブは、バイパス流路上に設けられていてもよい。この場合、複数のバルブを用いて、第1流路又はバイパス流路への熱媒体の流通量をより細かく調整することができる。
【0014】
いくつかの態様において、排熱回収システムは、コイル装置の温度を検出する第1センサと、外気の温度を検出する第2センサと、第1センサ及び第2センサの検出結果に基づいて第1バルブ及び第2バルブを制御する制御部と、を更に備え、制御部は、コイル装置の温度が外気の温度以上であると判定した場合、第2流路の熱媒体を第1流路に導くように第1バルブ及び第2バルブを制御してもよい。この場合、バイパス流路への熱媒体の流通量を低減させるように第2バルブを制御することで、第2バルブがバイパス流路上に設けられていない場合と比べて、第1流路への熱媒体の流通量を増加させることが可能となる。よって、コイル装置の排熱の回収効率を更に高めることができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、熱回収装置でコイル装置の排熱を効率良く回収することが可能となる排熱回収システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本開示の排熱回収システムの適用例を示す概略図である。
図2図2は、図1の排熱回収システムの要部構成図である。
図3図3の(a)は、図1のa−a線に沿ってのコイル装置の断面図である。図3の(b)は、図1のb−b線に沿っての断面図である。
図4図4は、制御部によるバルブ制御処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】
図1を参照して、実施形態に係る排熱回収システムを説明する。図1は、本開示の排熱回収システムの適用例を示す概略図である。図1に示されるように、排熱回収システム1は、一例として、非接触給電装置100のコイル装置10と、熱回収装置20と、蓄熱部30と、を備えている。排熱回収システム1は、非接触給電装置100以外の熱源からの熱を回収する熱回収装置20を用いて、非接触給電装置100のコイル装置10の排熱を回収する。
【0019】
コイル装置10は、例えば、非接触給電装置100の送電コイル装置10A又は受電コイル装置10Bに用いられる。非接触給電装置100は、例えば電気自動車又はハイブリッド自動車等の車両Vに搭載されたバッテリーを充電するための装置である。コイル装置10が送電コイル装置10Aに用いられる場合、コイル装置10は、地面Gに設置され、コイル装置10には、送電回路及び整流回路等を介して、外部電源が接続される。コイル装置10が受電コイル装置10Bに用いられる場合、コイル装置10は、例えば車両Vのシャシーの底部等に設置される。
【0020】
送電コイル装置10Aと受電コイル装置10Bとが上下方向において対向し、内部のコイル同士が電磁気的に結合して電磁結合回路を形成することにより、送電コイル装置10Aのコイルから受電コイル装置10Bのコイルへと非接触給電が行われる。言い換えれば、受電コイル装置10Bは、送電コイル装置10Aから非接触で電力を受け取る。電磁結合回路は、「電磁誘導方式」で送電を行う回路であってもよく、「磁界共鳴方式」で送電を行う回路であってもよい。
【0021】
排熱回収システム1は、一例として、地面G側に設けられた排熱回収システム1Aと、車両V側に搭載された排熱回収システム1Bと、を含む。
【0022】
排熱回収システム1Aは、送電コイル装置10Aとしてのコイル装置10の排熱を回収する。排熱回収システム1Aでは、例えば、熱回収装置20はヒートポンプ装置20Aであり、蓄熱部30は貯湯装置30Aである。ヒートポンプ装置20A及び貯湯装置30Aは、ヒートポンプ給湯設備を構成する。排熱回収システム1Aは、例えば住宅用の給湯設備として用いられる。
【0023】
排熱回収システム1Bは、受電コイル装置10Bとしてのコイル装置10の排熱を回収する。排熱回収システム1Bでは、例えば、熱回収装置20はヒートポンプ装置20Bであり、蓄熱部30は蓄熱ユニット30Bである。蓄熱ユニット30Bは、貯湯装置として構成されていてもよい。ヒートポンプ装置20B及び蓄熱ユニット30Bは、車両Vの蓄熱システムを構成する。排熱回収システム1Bでは、例えば、車両Vへの送電時に蓄熱した熱が、車両Vの走行開始後の車内暖房用の熱源、バッテリー等の走行装置の暖機用の熱源、及び、給湯用の熱源等として用いられる。
【0024】
図2及び図3を参照して、排熱回収システム1を説明する。排熱回収システム1A及び排熱回収システム1Bは、上述した蓄熱部30の違いを除いて、基本的に同様に構成されている。以下では、排熱回収システム1の説明として、排熱回収システム1Aを例に説明する。
【0025】
図2は、図1の排熱回収システム1Aの要部構成図である。図2に示されるように、排熱回収システム1Aは、送電コイル装置10Aと、ヒートポンプ装置20Aと、貯湯装置30Aと、を備えている。
【0026】
送電コイル装置10Aは、例えば扁平な形状を成している。送電コイル装置10Aは、筐体11と、筐体11内に収容されるコイル部12と、を備えている。コイル部12は、少なくともコイルを有している。コイルは、例えばサーキュラー型のコイルである。コイルは、例えば、同一平面内で略矩形の渦巻状に巻回された導線(例えばリッツ線)によって形成される。コイル部12は、例えば導線を保持するボビン及びフェライトコアを更に有していてもよい。コイル部12では、例えばコイル、ボビン、及びフェライトコアが一体になって筐体11内の空間に配置されている。コイル部12は、送電コイル装置10Aを用いた送電時にジュール熱等により発熱する発熱体である。
【0027】
図3の(a)は、図1のa−a線に沿っての送電コイル装置10Aの断面図である。図3の(a)に示されるように、送電コイル装置10Aは、コイル部12を支持すると共にコイル部12を冷却するヒートシンク13を備えている。ヒートシンク13は、コイル部12を支持する本体部14と、本体部14のコイル部12とは反対側に取り付けられるカバー15と、を有している。
【0028】
本体部14は、例えば筐体11と同様の平面寸法を有する角柱体である。本体部14は、例えば高い熱伝導性を有する金属製(例えばアルミニウム)である。本体部14は、コイル部12を支持する支持部14aと、コイル部12とは反対側の放熱面14bと、を有している。支持部14aは、送電回路及び整流回路等を含む回路基板16を支持していてもよい。
【0029】
図3の(b)は、図1のb−b線に沿っての断面図である。図3の(b)の断面図は、本体部14の放熱面14bとカバー15との境界付近の断面を示している。図3の(b)に示されるように、放熱面14bには、放熱面14bに沿って延在する溝17が形成されている。溝17は、例えば放熱面14bにおいて一端部17aと他端部17bとを繋ぐ1本の湾曲線を成すように延在している。溝17の断面形状は、例えばU字状である。放熱面14bには、カバー15が水密に取り付けられる。これにより、溝17及びカバー15は、一端部17aと他端部17bとを繋ぐ1本の湾曲線を成す第1流路L1を形成する。
【0030】
第1流路L1は、コイル部12を冷却する冷媒の流路である。ここでの冷媒は、ヒートポンプ装置20Aから流通される熱媒体Mである。すなわち、排熱回収システム1Aは、コイル装置10に設けられた熱媒体Mの流路である第1流路L1を備えている。コイル部12で発生した排熱は、ヒートシンク13を介して第1流路L1の熱媒体Mに伝達され、熱媒体Mの移動によってヒートポンプ装置20Aで回収されて貯湯装置30Aで利用される。
【0031】
図2に戻り、ヒートポンプ装置20Aは、膨張弁21、第1熱交換器22、圧縮機24、及び第2熱交換器25が設けられた第2流路L2を有している。第2流路L2は、ヒートポンプ装置20Aに設けられた熱媒体Mの流路である。第2流路L2では、図2の矢印で示す方向(流通方向)に熱媒体Mが流通される。熱媒体Mとしては、種々のものを用いることができ、ここでは、低沸点媒体であるCOガス等の冷媒が用いられる。以下、熱媒体Mの流通方向の上流側を単に「上流側」と記し、熱媒体Mの流通方向の下流側を単に「下流側」と記す。
【0032】
膨張弁21は、熱媒体Mを膨張させて熱媒体Mの温度を低下させる弁である。膨張弁21としては、周知の構成を採用することができる。膨張弁21で膨張された熱媒体Mは、第2流路L2の下流側の第1熱交換器22に送出される。
【0033】
第1熱交換器22は、熱媒体Mと外気との熱交換を行う熱交換器である。第1熱交換器22としては、熱媒体Mと外気との熱交換に適する構成を有する周知の熱交換器を採用することができる。第1熱交換器22には、例えばファン23で送風された外気が当てられる。第1熱交換器22では、膨張弁21で膨張された熱媒体Mの温度が外気の温度よりも低い場合、熱媒体Mが外気の熱で加熱される。第1熱交換器22で熱交換した熱媒体Mは、第2流路L2の下流側に送出される。
【0034】
第2流路L2における膨張弁21の下流側には、第3流路L3が接続されている。第3流路L3は、第2流路L2と第1流路L1とを接続し、第2流路L2の熱媒体Mを第1流路L1に導く流路である。第3流路L3は、例えば、送電コイル装置10A及びヒートポンプ装置20Aの外部において、第2流路L2における膨張弁21の下流端と、第1流路L1を形成する溝17の一端部17a又は他端部17bの何れか一方(ここでは一端部17a)と、を接続する。この場合、膨張弁21の下流端は、第2流路L2の出口端L2aであり、溝17の一端部17aは、第1流路L1の入口端L1aである。すなわち、第3流路L3は、第2流路L2の出口端L2aと第1流路L1の入口端L1aとを接続する。なお、第3流路L3は、ヒートポンプ装置20Aの内部で第2流路L2における膨張弁21の下流側の一部と重複していてもよい。第3流路L3は、送電コイル装置10Aの内部で第1流路L1の一端部17a側の一部と重複していてもよい。
【0035】
第2流路L2における膨張弁21の下流側に送出された熱媒体Mは、第3流路L3を介して第1流路L1に導かれる。送電コイル装置10Aの第1流路L1では、送電コイル装置10Aの排熱で熱媒体Mが加熱される。
【0036】
第1流路L1における第3流路L3の反対側の端部には、第4流路L4が接続されている。第4流路L4は、第1流路L1と第2流路L2とを接続し、第1流路L1の熱媒体Mを第2流路L2に導く流路である。第4流路L4は、例えば、送電コイル装置10A及びヒートポンプ装置20Aの外部において、第1流路L1を形成する溝17の一端部17a又は他端部17bの何れか他方(ここでは他端部17b)と、第2流路L2における圧縮機24の上流端と、を接続する。この場合、圧縮機24の上流端は、第2流路L2の入口端L2bであり、溝17の他端部17bは、第1流路L1の出口端L1bである。すなわち、第4流路L4は、第2流路L2の入口端L2bと第1流路L1の出口端L1bとを接続する。なお、第4流路L4は、送電コイル装置10Aの内部で第1流路L1の他端部17b側の一部と重複していてもよい。第4流路L4は、ヒートポンプ装置20Aの内部で第2流路L2における圧縮機24の上流側の一部と重複していてもよい。
【0037】
送電コイル装置10Aの第1流路L1で送電コイル装置10Aの排熱により加熱された熱媒体Mは、第4流路L4を介して第2流路L2に導かれて、第2流路L2における圧縮機24の上流側に戻される。このように、熱媒体Mは、互いに接続された第1流路L1、第2流路L2、第3流路L3、及び第4流路L4を循環可能である。すなわち、第1流路L1、第2流路L2、第3流路L3、及び第4流路L4は、閉じた循環流路を形成する。閉じた循環流路とは、第1流路L1、第2流路L2、第3流路L3、及び第4流路L4が、熱媒体Mの漏れを生じないような連続した流路を成していることを意味する。閉じた循環流路は、1つの流路のみで構成されてもよいし、複数の流路で構成されてもよい。閉じた循環流路では、流路の一部分が枝分かれした後に合流してもよい。
【0038】
第3流路L3及び第4流路L4には、バイパス流路L5が接続されている。バイパス流路L5は、第3流路L3の熱媒体Mを第4流路L4に導く流路である。
【0039】
バイパス流路L5は、例えば、第3流路L3の分岐箇所B1で第3流路L3から分岐し、第4流路L4に向かって延びている。分岐箇所B1は、例えば、送電コイル装置10A及びヒートポンプ装置20Aの外部において、第3流路L3の途中に設けられている。分岐箇所B1は、例えば第3流路L3がヒートポンプ装置20Aの内部で第2流路L2における膨張弁21の下流側の一部と重複している場合には、当該重複部分に設けられていてもよい。分岐箇所B1は、例えば第3流路L3が送電コイル装置10Aの内部で第1流路L1の一端部17a側の一部と重複している場合には、当該重複部分に設けられていてもよい。
【0040】
バイパス流路L5は、例えば、第4流路L4の合流箇所B2で第4流路L4と合流する。合流箇所B2は、例えば、送電コイル装置10A及びヒートポンプ装置20Aの外部において、第4流路L4の途中に設けられている。合流箇所B2は、例えば第4流路L4が送電コイル装置10Aの内部で第1流路L1の他端部17b側の一部と重複している場合には、当該重複部分に設けられていてもよい。合流箇所B2は、例えば第4流路L4がヒートポンプ装置20Aの内部で第2流路L2における圧縮機24の上流側の一部と重複している場合には、当該重複部分に設けられていてもよい。
【0041】
バイパス流路L5には、バルブ(第1バルブ)2及びバルブ(第2バルブ)3の開閉に応じて、第3流路L3の熱媒体Mが第4流路L4に向かって導かれる。バルブ2は、第3流路L3の熱媒体Mの第1流路L1への流通を低減又は遮断可能な弁である。バルブ2は、例えば、バイパス流路L5への分岐箇所B1よりも第1流路L1側の第3流路L3上に設けられている。バルブ3は、バイパス流路L5の熱媒体Mの第4流路L4への流通を低減又は遮断可能なバルブ2とは別の弁である。バルブ3は、例えば、分岐箇所B1よりも第4流路L4側のバイパス流路L5上に設けられている。本実施形態では、バルブ2,3は、例えば電動弁又は電磁弁であり、バルブ2,3の開閉動作は、後述の制御部6によって制御される。
【0042】
圧縮機24は、熱媒体Mを圧縮して加熱すると共に、熱媒体Mを送出(圧送)する。圧縮機24の動力源としては、例えば電気モータ等が用いられる。圧縮機24は、熱媒体Mを第2流路L2の下流側の第2熱交換器25に送出する。
【0043】
第2熱交換器25は、熱媒体Mと給湯用水W(後述)との熱交換を行う熱交換器である。第2熱交換器25としては、熱媒体Mと給湯用水Wとの熱交換に適する構成を有する周知の熱交換器を採用することができる。第2熱交換器25では、送電コイル装置10Aの排熱及び圧縮機24による圧縮で加熱された熱媒体Mの熱で、貯湯装置30Aの給湯用水Wが加熱される。第2熱交換器25で熱交換した熱媒体Mは、第2流路L2の下流側の膨張弁21に送出される。
【0044】
貯湯装置30Aは、温水を供給するために、給湯用水Wを加熱すると共に貯湯する装置である。貯湯装置30Aは、冷水流路31、給湯用水ポンプ32、温水流路33、及び貯湯タンク34を有している。
【0045】
貯湯装置30Aでは、貯湯タンク34の下部又は底部に冷水流路31が設けられている。冷水流路31は、貯湯装置30Aにおいて温度が比較的低下した給湯用水Wをヒートポンプ装置20Aに導く。給湯用水ポンプ32は、給湯用水Wを循環させるポンプである。給湯用水ポンプ32の動力源としては、例えば電気モータ等が用いられる。給湯用水ポンプ32は、冷水流路31の給湯用水Wをヒートポンプ装置20Aの第2熱交換器25に送出する。給湯用水Wは、上述のように、第2熱交換器25で熱媒体Mの熱で加熱される。
【0046】
貯湯装置30Aでは、貯湯タンク34の上部又は頂部に温水流路33が設けられている。温水流路33は、ヒートポンプ装置20Aの第2熱交換器25で加熱された給湯用水Wを貯湯装置30Aに導く。貯湯装置30Aでは、第2熱交換器25で加熱された給湯用水Wが、温水流路33から貯湯タンク34へ供給されて、貯湯タンク34内に貯湯される。
【0047】
排熱回収システム1Aは、第1センサ4と、第2センサ5と、制御部6と、を更に備えている。制御部6は、例えば、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等を含む電子制御ユニットである。制御部6は、第1センサ4及び第2センサ5と電気的に接続されている。
【0048】
第1センサ4は、送電コイル装置10Aの温度T1を検出するセンサである。第1センサ4は、特に限定されないが、例えばヒートシンク13の中心部に設けられている。第1センサ4は、検出した温度T1に関する信号を制御部6へ送信する。
【0049】
第2センサ5は、外気の温度T2を検出するセンサである。第2センサ5は、特に限定されないが、例えば、ファン23の吸入口の近傍に設けられている。第2センサ5は、制御部6と電気的に接続されており、検出した外気の温度T2に関する信号を制御部6へ送信する。
【0050】
制御部6は、第1センサ4及び第2センサ5の検出結果に基づいて、バルブ2,3を制御する。制御部6は、送電コイル装置10Aの温度が外気の温度以上であると判定した場合、第2流路L2の熱媒体Mを第1流路L1に導くようにバルブ2,3を制御する。より詳しくは、制御部6は、送電コイル装置10Aの温度が外気の温度以上であると判定した場合、バルブ2を開くようにバルブ2を制御する。制御部6は、送電コイル装置10Aの温度が外気の温度以上であると判定した場合、バルブ3を閉じるようにバルブ3を制御する。なお、「バルブを開く」とは、バルブを完全に開けた状態にする態様だけでなく、バルブの開口度を大きくすることも含まれる。「バルブを閉じる」とは、バルブを完全に閉じた状態にする態様だけでなく、バルブの開口度を小さくすることも含まれる。バルブの開口度としては、例えば、バルブ内を流通する熱媒体Mの流通量とすることができる。ここでは、制御部6は、送電コイル装置10Aの温度が外気の温度以上であると判定した場合、バルブ2の開口度がバルブ3の開口度よりも大きくなるようにバルブ2,3を制御する。
【0051】
制御部6は、送電コイル装置10Aの温度が外気の温度以上ではないと判定した場合、第2流路L2の熱媒体Mをバイパス流路L5を介して第2流路L2に戻すようにバルブ2,3を制御する。より詳しくは、制御部6は、送電コイル装置10Aの温度が外気の温度以上ではないと判定した場合、バルブ2を閉じるようにバルブ2を制御する。制御部6は、送電コイル装置10Aの温度が外気の温度以上ではないと判定した場合、バルブ3を開くようにバルブ3を制御する。ここでは、制御部6は、送電コイル装置10Aの温度が外気の温度以上ではないと判定した場合、バルブ2の開口度がバルブ3の開口度よりも小さくなるようにバルブ2,3を制御する。
【0052】
次に、本実施形態に係る排熱回収システム1Aの制御部6によるバルブ制御処理について、図4を参照して説明する。図4は、制御部6によるバルブ制御処理を例示するフローチャートである。図4に示すフローチャートの処理は、例えば、図1のように駐車中の車両Vに対する非接触給電装置100による非接触給電が開始された際に実行される。
【0053】
図4に示されるように、排熱回収システム1Aの制御部6は、S1として、第1センサ4により送電コイル装置10Aの温度T1の取得を行う。制御部6は、第1センサ4の検出結果に基づいて、送電コイル装置10Aの温度T1を取得する。制御部6は、S2として、第2センサ5により外気の温度T2の取得を行う。制御部6は、第2センサ5の検出結果に基づいて、外気の温度T2を取得する。
【0054】
S3において、制御部6は、送電コイル装置10Aの温度T1が外気の温度T2以上であるか否かを判定する。制御部6は、送電コイル装置10Aの温度T1が外気の温度T2以上であると判定した場合(S3:YES)、S4の処理を行う。S4において、制御部6は、第2流路L2の熱媒体Mを第1流路L1に導くようにバルブ2,3を制御する。その後、制御部6は、図4のバルブ制御処理を終了する。
【0055】
一方、制御部6は、送電コイル装置10Aの温度T1が外気の温度T2以上ではないと判定した場合(S3:NO)、S5の処理を行う。S5において、制御部6は、第2流路L2の熱媒体Mをバイパス流路L5を介して第2流路L2に戻すようにバルブ2,3を制御する。その後、制御部6は、図4のバルブ制御処理を終了する。
【0056】
なお、制御部6は、図4のバルブ制御処理の終了後、例えば一定時間間隔で図4のバルブ制御処理を繰り返し実行してもよい。あるいは、制御部6は、例えば、車両Vに対する非接触給電の終了後に送電コイル装置10Aの温度T1が外気の温度T2と同等となるまで、図4のバルブ制御処理を繰り返し実行してもよい。
【0057】
次に、本実施形態に係る排熱回収システム1Aの作用及び効果について説明する。排熱回収システム1Aでは、第1流路L1、第2流路L2、第3流路L3、及び第4流路L4によって閉じた循環流路が形成されているため、送電コイル装置10Aの第1流路L1では、送電コイル装置10Aの排熱で熱媒体Mが加熱される。加熱された熱媒体Mが、第4流路L4を介して熱回収装置20の第2流路L2に導かれる。これにより、送電コイル装置10Aの排熱をヒートポンプ装置20Aに直接的に導入することが可能となる。その結果、ヒートポンプ装置20Aで送電コイル装置10Aの排熱を効率良く回収することが可能となる。
【0058】
排熱回収システム1Aでは、熱回収装置20は、第2流路L2に設けられた膨張弁21及び圧縮機24を含むヒートポンプ装置20Aである。第3流路L3は、第2流路L2における膨張弁21の下流側に接続されており、第4流路L4は、第2流路L2における圧縮機24の上流側に接続されている。これにより、ヒートポンプ装置20Aの膨張弁21で膨張された熱媒体Mの少なくとも一部が、第3流路L3を介して送電コイル装置10Aの第1流路L1に導かれる。送電コイル装置10Aの第1流路L1で加熱された熱媒体Mが、第4流路L4を介してヒートポンプ装置20Aの圧縮機24の上流側に導かれる。これにより、圧縮機24が熱媒体Mを圧縮する前に、熱媒体Mの少なくとも一部が送電コイル装置10Aの排熱で予め加熱されるため、圧縮機24が熱媒体Mを圧縮する仕事を低減することができる。
【0059】
排熱回収システム1Aは、第3流路L3と第4流路L4とを接続し、第3流路L3の熱媒体Mを第4流路L4に導くバイパス流路L5と、バイパス流路L5への分岐箇所B1よりも第1流路L1側の第3流路L3上に設けられたバルブ2と、を更に備えている。これにより、例えば送電コイル装置10Aの排熱量に応じてバルブ2を操作することで、第2流路L2からの熱媒体Mの行き先を第1流路L1とバイパス流路L5とで切り換えることができる。あるいは、熱媒体Mの流通量を第1流路L1とバイパス流路L5とで調整することができる。よって、送電コイル装置10Aの排熱量に応じて送電コイル装置10Aの排熱を適切に回収することが可能となる。
【0060】
排熱回収システム1Aは、送電コイル装置10Aの温度T1を検出する第1センサ4と、外気の温度T2を検出する第2センサ5と、第1センサ4及び第2センサ5の検出結果に基づいてバルブ2を制御する制御部6と、を更に備えている。これにより、第1センサ4で検出した送電コイル装置10Aの温度T1及び第2センサ5で検出した外気温度T2に応じて送電コイル装置10Aの排熱を回収することが可能となる。
【0061】
排熱回収システム1Aでは、制御部6は、送電コイル装置10Aの温度T1が外気の温度T2以上であると判定した場合、第2流路L2の熱媒体Mを第1流路L1に導くようにバルブ2を制御する。これにより、送電コイル装置10Aの温度T1が外気の温度T2以上となる程度に送電コイル装置10Aの排熱量が大きいことに応じて送電コイル装置10Aの排熱の回収をすることができる。
【0062】
排熱回収システム1Aでは、制御部6は、送電コイル装置10Aの温度T1が外気の温度T2以上ではないと判定した場合、第2流路L2の熱媒体Mをバイパス流路L5を介して第2流路L2に戻すようにバルブ2を制御する。これにより、送電コイル装置10Aの排熱量が小さいことに応じて送電コイル装置10Aの排熱の回収を一時的に停止あるいは抑制することができる。
【0063】
排熱回収システム1Aは、バルブ2とは別のバルブ3を更に備えている。バルブ3は、バイパス流路L5上に設けられている。これにより、複数のバルブ2,3を用いて、第1流路L1又はバイパス流路L5への熱媒体Mの流通量をより細かく調整することができる。
【0064】
排熱回収システム1Aは、送電コイル装置10Aの温度T1を検出する第1センサ4と、外気の温度T2を検出する第2センサ5と、第1センサ4及び第2センサ5の検出結果に基づいてバルブ2,3を制御する制御部6と、を更に備えている。制御部6は、送電コイル装置10Aの温度T1が外気の温度T2以上であると判定した場合、第2流路L2の熱媒体Mを第1流路L1に導くようにバルブ2,3を制御する。これにより、バイパス流路L5への熱媒体Mの流通量を低減(又は遮断)させるようにバルブ3を制御することで、バルブ3がバイパス流路L5上に設けられていない場合と比べて、第1流路L1への熱媒体Mの流通量を増加させることが可能となる。よって、送電コイル装置10Aの排熱の回収効率を更に高めることができる。
【0065】
以上、本開示のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0066】
上記実施形態では、排熱回収システム1Aを例に説明したが、排熱回収システム1Bによっても排熱回収システム1Aの上記作用及び効果が奏される。排熱回収システム1は、排熱回収システム1A及び排熱回収システム1Bの何れか一方のみを有していてもよい。
【0067】
熱回収装置20として、ヒートポンプ装置20A,20Bを例示したが、これに限定されない。熱回収装置20としては、非接触給電装置100以外の熱源からの熱を回収する装置であって、熱媒体Mの第2流路を備える熱回収装置であればよく、例えば、ランキンサイクル装置等の熱サイクル装置、又はペルチェ素子を用いた熱回収装置であってもよい。この場合、熱媒体Mは、例えば100℃以下の温度範囲で用いられてもよい。
【0068】
第1流路L1は、上記の例に限定されない。例えば、溝17の断面形状は、例えばU字状に限定されない。放熱面14bには、複数の溝17が形成されていてもよい。溝17は、例えば湾曲線ではなく角を形成する矩形状の線を成してもよい。溝17は、例えば互いに交差して複数の湾曲線又は矩形状の線を成してもよい。なお、放熱面14bでは、溝17の凹凸形状により、表面積が拡大されている。これを利用して、例えば熱回収装置20で送電コイル装置10Aを冷却しなくてもよい場合には、放熱面14bからカバー15を取り外すことで、放熱面14bからの自然冷却で送電コイル装置10Aの排熱を放熱させてもよい。
【0069】
バルブ3は、必ずしも設けられていなくてもよい。排熱回収システム1では、バイパス流路L5への分岐箇所B1よりも第1流路L1側の第3流路L3上に、バルブ2が設けられていればよい。
【0070】
制御部6は、送電コイル装置10Aの温度が外気の温度以上であると判定した場合、バルブ2を開くようにバルブ2を制御すると共にバルブ3を閉じるようにバルブ3を制御したが、必ずしもバルブ3を閉じる制御をしなくてもよい。制御部6は、送電コイル装置10Aの温度が外気の温度以上ではないと判定した場合、バルブ2を閉じるようにバルブ2を制御すると共にバルブ3を開くようにバルブ3を制御したが、バルブ3が既に開いている場合には、必ずしもバルブ3を更に開く制御をしなくてもよい。
【0071】
バルブ2とバルブ3とが別体のバルブである例を示したが、分岐箇所B1に設けられた1つの切換弁のみでバルブ2,3の機能が実現されてもよい。この場合、制御部6は、送電コイル装置10Aの温度が外気の温度以上であると判定した場合、第2流路L2の熱媒体Mを第1流路L1に導くように当該切換弁を制御してもよい。また、制御部6は、送電コイル装置10Aの温度が外気の温度以上ではないと判定した場合、第2流路L2の熱媒体Mをバイパス流路L5を介して第2流路L2に戻すように当該切換弁を制御してもよい。
【0072】
バルブの開口度としては、バルブ内を流通する熱媒体Mの流通量に限定されない。バルブの開口度としては、例えば、バルブを完全に開けた状態の流通量を基準とした流通量の割合、又は、バルブを完全に開けた状態の流路断面積を基準とした流路断面積の割合、など種々の指標を用いることができる。
【0073】
制御部6は、送電コイル装置10Aの温度T1が外気の温度T2以上であるか否かに基づいて、バルブ2,3を制御したが、バルブ2,3を制御する手法は、これに限定されない。例えば、制御部6は、送電コイル装置10Aの温度T1を外気以外の環境温度(例えば地面Gの温度等)と比較した結果に基づいてバルブ2,3を制御してもよい。また、制御部6は、非接触給電装置100が非接触給電を行っているか否かに基づいてバルブ2,3を制御してもよい。
【0074】
制御部6は、時間に基づいてバルブ2,3の制御を行うこともできる。例えば、送電のために送電コイル装置10Aに電流が流されると、送電コイル装置10Aへの通電時間に応じて送電コイル装置10Aの温度が上昇する。送電コイル装置10Aへの通電時間が十分長くなると、送電コイル装置10A温度が大気の温度よりも高くなっていると考えられる。その後に送電コイル装置10Aへの通電が停止されると、余熱で熱くなっている送電コイル装置10Aの温度が徐々に低下する。したがって、送電コイル装置10Aへの通電を開始した時刻からの経過時間、及び、送電コイル装置10Aへの通電を停止した時刻からの経過時間に基づいて、送電コイル装置10Aの温度変化の傾向を把握することができる。この場合、排熱回収システム1Aは、第1センサ4及び第2センサ5に代えて、時間計測用のタイマーを備えていてもよい。
【0075】
たとえば送電コイル装置10Aに電流が流される場合、制御部6は、送電コイル装置10Aの通電開始時刻から所定時間経過タイミングの時刻t1を基準としてバルブ2,3の制御を行う。具体的には、制御部6は、通電開始時刻から時刻t1までは、バルブ2の開口度をバルブ3の開口度よりも小さくする。これにより、バルブ2よりもバルブ3の方が熱媒体Mの流通量が多くなる。バルブ3(バイパス流路L5)を介した熱媒体Mの経路よりも、バルブ2(送電コイル装置10A)を介した熱媒体Mの経路のほうが長いことを考慮すると、送電コイル装置10Aへの熱媒体Mの流通量を抑えることにより、圧縮機24の負荷が低減されるため、効率的に余熱を回収することができる。また、時刻t1以降においては、時刻t1までに比べて送電コイル装置10Aの温度がさらに上昇している。そのため、制御部6は、バルブ2の開口度をバルブ3の開口度よりも大きくする。これにより、送電コイル装置10Aを確実且つ迅速に冷却することができる。
【0076】
同様に、制御部6は、送電コイル装置10Aへの通電停止時刻から所定時間経過タイミングの時刻t2を基準としてバルブ2,3の制御を行うこともできる。この場合、制御部6は、通電停止時刻から時刻t2までは、バルブ2の開口度をバルブ3の開口度よりも大きくする。これにより、送電コイル装置10Aの余熱の回収が促進され、送電コイル装置10Aを確実且つ迅速に冷却することができる。時刻t2以降においては、送電コイル装置10Aの余熱がある程度回収されている。そのため、制御部6は、バルブ2の開口度をバルブ3の開口度よりも小さくする。これにより、圧縮機24の負荷が低減されるため、効率的に余熱を回収することができる。なお、時刻t1,t2は同一間隔でもよいし異なっていてもよい。また、時刻t1は、通電開始時刻と同じであってもよい。時刻t2は、通電停止時刻と同じであってもよい。さらに、時刻t1,t2だけでなく、更なる制御タイミングを設け、バルブ2,3の開口度を段階的に調整してもよい。
【0077】
排熱回収システム1は、第1センサ4と、第2センサ5と、制御部6と、を備えていなくてもよい。この場合、バルブ2,3は、制御部6により制御されるバルブ(いわゆる他力式の自動弁)であったが、コイル装置10の温度に応じて機械的に開閉するバルブ(いわゆる自力式の自動弁)であってもよいし、手動式の弁であってもよい。
【0078】
排熱回収システム1Aは、バルブ2,3、バイパス流路L5、第1センサ4、第2センサ5、制御部6、を備えていなくてもよい。この場合においても、送電コイル装置10Aの排熱がヒートポンプ装置20Aに直接的に導入されることにより、例えば送電コイル装置10Aの排熱が流路の管壁等を介して間接的に熱回収装置に伝わる場合と比較して、ヒートポンプ装置20Aで送電コイル装置10Aの排熱を効率良く回収することが可能となる。
【符号の説明】
【0079】
1、1A、1B 排熱回収システム
2 バルブ(第1バルブ)
3 バルブ(第2バルブ)
4 第1センサ
5 第2センサ
6 制御部
10 コイル装置
10A 送電コイル装置
10B 受電コイル装置
20 熱回収装置
20A、20B ヒートポンプ装置
21 膨張弁
24 圧縮機
30 蓄熱部
30A 貯湯装置
30B 蓄熱ユニット
100 非接触給電装置
L1 第1流路
L2 第2流路
L3 第3流路
L4 第4流路
L5 バイパス流路
B1 分岐箇所
M 熱媒体
W 給湯用水
図1
図2
図3
図4