特開2019-215233(P2019-215233A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-215233(P2019-215233A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】電磁流量計の変換器および診断装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/60 20060101AFI20191122BHJP
   G01F 1/58 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
   G01F1/60
   G01F1/58 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-112140(P2018-112140)
(22)【出願日】2018年6月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】岡山 喜彦
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035CA08
2F035CB10
(57)【要約】
【課題】電磁流量計の総合的な診断に適した信号出力を実現する。
【解決手段】電磁流量計の変換器2aは、検出器1から出力された第1の起電力信号を増幅する交流増幅回路26と、検出器1から出力された、第1の起電力信号と相補な第2の起電力信号を増幅する交流増幅回路27と、交流増幅回路26によって増幅された第1の起電力信号を出力する信号出力端子28と、交流増幅回路27によって増幅された第2の起電力信号を出力する信号出力端子29とを備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器から出力された第1の起電力信号を増幅するように構成された第1の交流増幅回路と、
前記検出器から出力された、前記第1の起電力信号と相補な第2の起電力信号を増幅するように構成された第2の交流増幅回路と、
前記第1の交流増幅回路によって増幅された第1の起電力信号を出力するように構成された第1の信号出力端子と、
前記第2の交流増幅回路によって増幅された第2の起電力信号を出力するように構成された第2の信号出力端子とを備えることを特徴とする電磁流量計の変換器。
【請求項2】
検出器から出力された第1の起電力信号を増幅するように構成された第1の交流増幅回路と、
前記検出器から出力された、前記第1の起電力信号と相補な第2の起電力信号を増幅するように構成された第2の交流増幅回路と、
前記第1、第2の交流増幅回路によって増幅された第1、第2の起電力信号をそれぞれ無線送信するように構成された送信器とを備えることを特徴とする電磁流量計の変換器。
【請求項3】
測定管を流れる流体の流量に応じた起電力信号を出力するように構成された検出器と、
この検出器から出力された第1の起電力信号と、前記検出器から出力された、前記第1の起電力信号と相補な第2の起電力信号とを個別に記録するように構成された記録装置とを備えることを特徴とする電磁流量計の診断装置。
【請求項4】
請求項1記載の変換器と、
この変換器の前記第1、第2の信号出力端子から出力された第1、第2の起電力信号を個別に記録するように構成された記録装置とを備えることを特徴とする電磁流量計の診断装置。
【請求項5】
請求項3または4記載の診断装置において、
前記記録装置に記録された第1、第2の起電力信号を解析するように構成された解析装置をさらに備えることを特徴とする電磁流量計の診断装置。
【請求項6】
請求項2記載の電磁流量計の変換器と、
この変換器から無線送信された第1、第2の起電力信号を受信するように構成された受信器と、
この受信器によって受信された第1、第2の起電力信号を解析するように構成された解析装置とを備えることを特徴とする電磁流量計の診断装置。
【請求項7】
請求項5または6記載の電磁流量計の診断装置において、
前記解析装置は、前記第1、第2の起電力信号の波形を表示することを特徴とする電磁流量計の診断装置。
【請求項8】
請求項5または6記載の電磁流量計の診断装置において、
前記解析装置は、前記第1、第2の起電力信号の周波数スペクトルを表示することを特徴とする電磁流量計の診断装置。
【請求項9】
請求項5または6記載の電磁流量計の診断装置において、
前記解析装置は、前記第1、第2の起電力信号に基づいて電磁流量計の健全性を診断することを特徴とする電磁流量計の診断装置。
【請求項10】
請求項2記載の電磁流量計の変換器と、
この変換器から無線送信された第1、第2の起電力信号を受信するように構成された端末装置と、
前記第1、第2の起電力信号に基づいて電磁流量計の健全性を診断するように構成された解析装置とを備え、
前記端末装置は、
前記変換器から無線送信された第1、第2の起電力信号を受信するように構成された第1の受信部と、
この第1の受信部によって受信された第1、第2の起電力信号を前記解析装置に転送するように構成された第1の送信部と、
前記解析装置から送信された診断結果を受信するように構成された第2の受信部と、
前記解析装置から送信された診断結果を表示するように構成された表示部とを備え、
前記解析装置は、
前記端末装置から送信された第1、第2の起電力信号を受信するように構成された第3の受信部と、
この第3の受信部によって受信された第1、第2の起電力信号に基づく電磁流量計の診断結果を前記端末装置に送信するように構成された第2の送信部とを備えることを特徴とする電磁流量計の診断装置。
【請求項11】
請求項9または10記載の電磁流量計の診断装置において、
前記解析装置は、
過去に発生した電磁流量計の起電力信号の音響的特徴を予め記憶するように構成された音響モデルと、
この音響モデルに記憶された音響的特徴が得られたときの電磁流量計の診断結果を予め記憶するように構成された診断結果モデルと、
前記第1、第2の起電力信号の音響的特徴を抽出するように構成された特徴抽出部と、
前記音響モデルと前記診断結果モデルとを用いて、前記特徴抽出部によって抽出された音響的特徴に対応する診断結果を出力するように構成された認識部とを備えることを特徴とする電磁流量計の診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁流量計に係り、特に健全性診断のための信号出力が可能な電磁流量計の変換器および診断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁流量計で正しく流量が測れない原因として、(A)測定管内の流体が空になっている、(B)測定管や電極に異物が付着している、(C)流体に気泡やスラリーが発生している、(D)流体が低導電率流体である、(E)電極間やケーブルの絶縁不良によりノイズが発生している、(F)インバータノイズなどの環境ノイズが混入する、など数々の原因があり、これらの原因を特定するのは非常に困難であった。また、流量が正しく測れているかどうかはタンクに流体をためてその体積や重さの変化で流速や流量を確認するしか手段がないため、大きな誤差が発生していても気づかない。このため、電磁流量計自身の健全性診断(正しく計測できているか否か)は非常に重要である。
【0003】
電磁流量計の健全性を診断する技術としては、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1に開示された電磁流量計は、測定管の電極に生じた交流の起電力信号からデジタルフィルタにより高周波成分を抽出し、抽出した高周波成分に基づいて、電極への異物の付着の有無を判定するようにしたものである。
【0004】
電磁流量計において、流量誤差が発生するような異常があった場合、測定管の電極に生じる起電力信号が乱れて、高周波ノイズが多くなる。特許文献1に開示された技術は、このような原理に基づくものである。しかし、特許文献1に開示された技術では、高周波ノイズの量で電極への異物の付着の有無を判定しているため、異物の付着以外で発生しているノイズ、例えば環境ノイズ(インバータノイズなど)、流体ノイズ(気泡、スラリーなど)、液種(低導電率流体など)によるノイズ、電極間やケーブルの絶縁不良によるノイズなども検出してしまい、検出器の交換が必要な異常と交換の必要がない異常とを判別することができないという問題点があった。つまり、異物付着や電極間の絶縁不良については検出器の交換が必要になるが、他の異常については検出器を交換する必要はない。このように、特許文献1に開示された技術では、高周波ノイズが発生している原因を特定することができないので、誤診断が発生する可能性があり、電磁流量計の総合的な診断には適していないという問題点があった。
【0005】
一方、発明者は、起電力信号を増幅してスピーカから出力させることにより、ユーザがスピーカから出力される音を聞いて健全性を診断できるようにした電磁流量計を提案した(特許文献2参照)。しかし、特許文献2に開示された技術では、電磁流量計の検出器の2つの出力端子から出力される互いに相補な起電力信号を差動増幅しているため、交流増幅後の信号ではコモンモードノイズが減殺されてしまうことと、300Hz以上(後段の直流増幅に影響を与えないように交流増幅で通常高域はカットしている)の高い周波数が失われてしまうことから、測定管や電極への異物の付着、気泡やスラリーの発生、低導電率流体、絶縁不良、環境ノイズなどの数々の要因から生成された信号の波の情報を消してしまう可能性があった。また、特許文献2に開示された技術では、ユーザがスピーカから出力される音色で電磁流量計の健全性を診断するため、誤診断が発生する可能性があった。
【0006】
また、特許文献3、特許文献4、特許文献5には、励磁極性の変化時に発生する微分ノイズに着目して電磁流量計の健全性を診断する方法が開示されている。しかしながら、特許文献3、特許文献4、特許文献5に開示された技術では、特定の条件下では有効であっても、様々な条件下で異常診断ができるとは限らず、時間的な変化を含めて起電力信号全体を波として捉えた方がより信頼性の高い診断ができる可能性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第5530331号公報
【特許文献2】特開2017−044553号公報
【特許文献3】特開2016−166854号公報
【特許文献4】特開2016−040525号公報
【特許文献5】特開2011−209231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、電磁流量計の総合的な診断に適した信号出力を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電磁流量計の変換器は、矩形波で与える励磁電流に比例して検出器から出力された第1の起電力信号を増幅するように構成された第1の交流増幅回路と、前記検出器から出力された、前記第1の起電力信号と相補な第2の起電力信号を増幅するように構成された第2の交流増幅回路と、前記第1の交流増幅回路によって増幅された第1の起電力信号を出力するように構成された第1の信号出力端子と、前記第2の交流増幅回路によって増幅された第2の起電力信号を出力するように構成された第2の信号出力端子とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の変換器は、検出器から出力された第1の起電力信号を増幅するように構成された第1の交流増幅回路と、前記検出器から出力された、前記第1の起電力信号と相補な第2の起電力信号を増幅するように構成された第2の交流増幅回路と、前記第1、第2の交流増幅回路によって増幅された第1、第2の起電力信号をそれぞれ無線送信するように構成された送信器とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の電磁流量計の診断装置は、測定管を流れる流体の流量に応じた起電力信号を出力するように構成された検出器と、この検出器から出力された第1の起電力信号と、前記検出器から出力された、前記第1の起電力信号と相補な第2の起電力信号とを個別に記録するように構成された記録装置とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の診断装置は、変換器と、この変換器の前記第1、第2の信号出力端子から出力された第1、第2の起電力信号を個別に記録するように構成された記録装置とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の診断装置の1構成例は、前記記録装置に記録された第1、第2の起電力信号を解析するように構成された解析装置をさらに備えることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の診断装置は、電磁流量計の変換器と、この変換器から無線送信された第1、第2の起電力信号を受信するように構成された受信器と、この受信器によって受信された第1、第2の起電力信号を解析するように構成された解析装置とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の電磁流量計の診断装置の1構成例において、前記解析装置は、前記第1、第2の起電力信号の波形を表示することを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の診断装置の1構成例において、前記解析装置は、前記第1、第2の起電力信号の周波数スペクトルを表示することを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の診断装置の1構成例において、前記解析装置は、前記第1、第2の起電力信号に基づいて電磁流量計の健全性を診断することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の電磁流量計の診断装置は、電磁流量計の変換器と、この変換器から無線送信された第1、第2の起電力信号を受信するように構成された端末装置と、前記第1、第2の起電力信号に基づいて電磁流量計の健全性を診断するように構成された解析装置とを備え、前記端末装置は、前記変換器から無線送信された第1、第2の起電力信号を受信するように構成された第1の受信部と、この第1の受信部によって受信された第1、第2の起電力信号を前記解析装置に転送するように構成された第1の送信部と、前記解析装置から送信された診断結果を受信するように構成された第2の受信部と、前記解析装置から送信された診断結果を表示するように構成された表示部とを備え、前記解析装置は、前記端末装置から送信された第1、第2の起電力信号を受信するように構成された第3の受信部と、この第3の受信部によって受信された第1、第2の起電力信号に基づく電磁流量計の診断結果を前記端末装置に送信するように構成された第2の送信部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の電磁流量計の診断装置の1構成例において、前記解析装置は、過去に発生した電磁流量計の起電力信号の音響的特徴を予め記憶するように構成された音響モデルと、この音響モデルに記憶された音響的特徴が得られたときの電磁流量計の診断結果を予め記憶するように構成された診断結果モデルと、前記第1、第2の起電力信号の音響的特徴を抽出するように構成された特徴抽出部と、前記音響モデルと前記診断結果モデルとを用いて、前記特徴抽出部によって抽出された音響的特徴に対応する診断結果を出力するように構成された認識部とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電磁流量計の変換器に、第1、第2の交流増幅回路と、第1、第2の信号出力端子とを設けることにより、電磁流量計の総合的な診断に適した信号出力を実現することができる。
【0014】
また、本発明では、電磁流量計の変換器に、第1、第2の交流増幅回路と、送信器とを設けることにより、電磁流量計の総合的な診断に適した信号出力を実現することができる。本発明では、変換器に記録装置を直接接続することが難しい場合であっても、起電力信号を無線送信し、遠方の記録装置で受信したり、解析装置で解析したりすることが可能となる。
【0015】
また、本発明では、検出器または変換器から出力された第1、第2の起電力信号を記録する記録装置を設けることにより、電磁流量計の総合的な診断に適した信号記録を実現することができる。
【0016】
また、本発明では、解析装置を設けることにより、電磁流量計の自動診断を実現することができる。
【0017】
また、本発明では、変換器から無線送信された第1、第2の起電力信号を端末装置から解析装置に転送し、解析装置で得られた診断結果を端末装置に送信することにより、ユーザは端末装置に表示された診断結果を基に、電磁流量計の各種メンテナンス作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の第1の実施例に係る電磁流量計の診断装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、電磁流量計の各部の信号波形を示す図である。
図3図3は、本発明の第2の実施例に係る電磁流量計の変換器の構成を示すブロック図である。
図4図4は、本発明の第2の実施例に係る電磁流量計の診断装置の構成を示すブロック図である。
図5図5は、本発明の第3の実施例に係る電磁流量計の変換器の構成を示すブロック図である。
図6図6は、本発明の第4の実施例に係る電磁流量計の診断装置の構成を示すブロック図である。
図7図7は、本発明の第4の実施例に係る電磁流量計の診断装置の別の構成を示すブロック図である。
図8図8は、本発明の第4の実施例の起電力信号の波形表示例を示す図である。
図9図9は、本発明の第4の実施例の起電力信号の別の波形表示例を示す図である。
図10図10は、本発明の第5の実施例に係る電磁流量計の診断装置の構成を示すブロック図である。
図11図11は、本発明の第5の実施例に係る電磁流量計の診断装置の別の構成を示すブロック図である。
図12図12は、本発明の第5の実施例の起電力信号の周波数スペクトル表示例を示す図である。
図13図13は、本発明の第5の実施例の起電力信号の別の周波数スペクトル表示例を示す図である。
図14図14は、本発明の第5の実施例の起電力信号の別の周波数スペクトル表示例を示す図である。
図15図15は、本発明の第5の実施例の起電力信号の別の周波数スペクトル表示例を示す図である。
図16図16は、本発明の第5の実施例の起電力信号の別の周波数スペクトル表示例を示す図である。
図17図17は、本発明の第5の実施例の起電力信号の別の周波数スペクトル表示例を示す図である。
図18図18は、本発明の第5の実施例の疑似起電力信号の周波数スペクトル表示例を示す図である。
図19図19は、本発明の第5の実施例の疑似起電力信号の別の周波数スペクトル表示例を示す図である。
図20図20は、本発明の第6の実施例に係る電磁流量計の診断装置の構成を示すブロック図である。
図21図21は、本発明の第6の実施例に係る電磁流量計の診断装置の別の構成を示すブロック図である。
図22図22は、本発明の第6の実施例に係る電磁流量計の診断装置の別の構成を示すブロック図である。
図23図23は、本発明の第4〜第6の実施例の解析装置を実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[発明の原理]
発明者は、電磁流量計の検出器が出力する差動の起電力信号A,B,Cを、市販のボイスレコーダのマイク端子に入力してそのまま記録できる(例えばA−C間をR、B−C間をL)ことに想到した。もともと磁場の中を導電性の物体が動くと起電力が発生するという電磁流量計の原理(フレーミングの右手の法則)は、ダイナミックマイクロフォンと原理が同じなので、起電力信号を波の信号として記録できることが推測できる。
【0020】
電磁流量計は、検出器の励磁コイルに矩形波の交流電流を流して測定管内に磁界を発生させて流体の通過により発生する起電力に基づいて流量値を測る装置である。このため、検出器が発生した差動の起電力信号A−C間,B−C間の信号は、交流の波として出力される。この波は、マイクロフォンが空気の振動を拾って電気信号を出力する波と同じで、ボイスレコーダなどの記録装置のマイク端子に入力することで録音できる。ボイスレコーダで記録した起電力信号は、流量を求める基の信号であり、診断情報を含む全情報が含まれている。このため、記録した波をオーディオ信号として扱って解析することで、流量計の各種異常を判別することを提案する。
【0021】
電磁流量計の異常には、スラリ発生、測定管や電極への異物の付着、流体の導電率の低下、気泡発生、測定管の空状態、電極の絶縁劣化、励磁コイルの劣化、電極の汚れ、電極の摩耗、断線、電子回路の特性の変化などがあり、測定管に流れる流体も水道水、汚泥、薬品、飲料、紙パルプ、アルミナなど様々なので、現場ではこれらの様々な現象が複雑に絡み合って起電力信号に影響している。また、流量計測が異常(誤差が大きい)かどうかは、基準となる電磁流量計を同じ配管上に並べて流量値を比較するか、実流設備で確かめるしか方法がなかった。
本発明では、上記の様々な現象が複雑に絡み合って生じた起電力信号の波形が記録装置に記録されるため、この波形の中に隠された特徴パターンを見つけることで異常の原因を特定することが可能である。
【0022】
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る電磁流量計の診断装置の構成を示すブロック図である。周知のとおり、電磁流量計は、検出器1と、変換器2とから構成される。検出器1は、磁界を発生する励磁コイル10と、励磁コイル10から発生する磁界中に配置された測定管11と、測定管11に設けられた電極12,13と、電極12と電気的に接続され、測定対象の流体が測定管11を流れることにより発生する起電力信号を出力する信号出力端子Aと、電極13と電気的に接続され、電極12の起電力信号と相補な、電極13に発生する起電力信号を出力する信号出力端子Bと、測定管11に設けられたアースリング(不図示)と電気的に接続された信号出力端子Cと、励磁電流入力端子X,Yとを備えている。
【0023】
変換器2の励磁回路20は、検出器1の励磁コイル10に図2(A)に示すような励磁電流を供給する。測定管11に流体が流れると、この流体の流量に応じて検出器1の信号出力端子A−C間には図2(B)のような起電力信号が現れ、この起電力信号と相補な関係にある図2(C)のような起電力信号が出力端子B−C間に現れる。変換器2は、検出器1から出力される起電力信号を、流体の流量や流速を示すアナログ信号またはデジタル信号に変換する。
【0024】
通常の電磁流量計の使用方法では、検出器1の信号出力端子A,B,Cを変換器2と接続するが、本実施例の診断装置では、検出器1の励磁電流入力端子X,Yのみを変換器2と接続し、信号出力端子A,B,Cをボイスレコーダ等の記録装置3と接続する。
【0025】
具体的には、3P(TRS)バランス型フォンケーブル4のチップ(Tip)信号線40を検出器1の信号出力端子Bに接続し、ケーブル4のリング(Ring)信号線41を検出器1の信号出力端子Aに接続し、ケーブル4のスリーブ(Sleeve)線42を検出器1の信号出力端子Cに接続して、プラグ43を記録装置3(本実施例ではボイスレコーダ)のマイク端子30に挿入する。そして、記録装置3により、A−C間起電力信号をRチャンネルオーディオ信号、B−C間起電力信号をLチャンネルオーディオ信号としてステレオ録音する。
【0026】
このように、本実施例では、検出器1から出力されたA−C間起電力信号、B−C間起電力信号を個別に記録するため、A−C間起電力信号とB−C間起電力信号を差動増幅する場合のようにコモンモードノイズが減殺されることがなく、また変換器内で増幅された信号を取り出す場合のように300Hz以上の高い周波数が失われてしまうこともない。したがって、本実施例では、電磁流量計の総合的な診断に適した信号記録を実現することができる。ユーザは、記録装置3に記録された信号を解析することで、異常の原因を特定することも可能である。
【0027】
また、本実施例では、既存の検出器1を利用することができ、また記録装置3として市販のボイスレコーダを利用することができるので、実施にあたって特別な回路は必要なく、既存の電磁流量計であっても起電力信号を記録装置3に取り込むことができる。
【0028】
なお、市販のボイスレコーダでモノラル録音すると、L+Rが録音されるものと、L−R(差動信号)が録音されるものとがある。もともとA−C間起電力信号、B−C間起電力信号は位相が逆になっているので、L+Rで録音するとコモンモードノイズだけが強調されて録音されることになる。一方、L−Rで録音するとコモンモードノイズがキャンセルされて、起電力信号とノルマルノイズの波形が強調されて録音される。これらのモノラル録音は本発明の目的と合致しないので、A−C間起電力信号、B−C間起電力信号をステレオ録音する必要がある。
【0029】
また、本実施例では、検出器1が発生する起電力信号がある程度大きいものでないと、記録装置3の増幅率が足りず、記録される信号のレベルが小さくなってしまう場合がある。このため、2線式や電池式のような起電力が数μVしかない電磁流量計の場合には、以下の実施例のように変換器内で増幅した後の信号を記録する方がよい。
【0030】
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図3は本発明の第2の実施例に係る電磁流量計の変換器の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。電磁流量計の検出器1については第1の実施例で説明したとおりである。
【0031】
本実施例の変換器2aは、検出器1の励磁コイル10に励磁電流を供給する励磁回路20と、検出器1から出力されたA−C間起電力信号とB−C間起電力信号とを差動増幅する交流増幅回路21と、励磁電流が正極性のときの交流増幅回路21の出力電圧と励磁電流が負極性のときの交流増幅回路21の出力電圧とを個別に保持するサンプルホールド回路22と、サンプルホールド回路22で個別に保持した2つの電圧を差動増幅する直流増幅回路23と、直流増幅回路23の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器24と、A/D変換器24のデジタル出力を流量値や流速値に変換するCPU(Central Processing Unit)からなる制御回路25と、検出器1から出力されたA−C間起電力信号を増幅する交流増幅回路26と、検出器1から出力されたB−C間起電力信号を増幅する交流増幅回路27と、交流増幅回路26によって増幅されたA−C間起電力信号を出力する信号出力端子28と、交流増幅回路27によって増幅されたB−C間起電力信号を出力する信号出力端子29と、グランド端子31とを備えている。
【0032】
このように、本実施例では、変換器2aに交流増幅回路26,27と端子28,29,31とを設けることにより、検出器1から出力されたA−C間起電力信号とB−C間起電力信号とを個別に増幅して出力することができる。
【0033】
本実施例の変換器2aと記録装置3とを接続した診断装置の構成を図4に示す。このときの接続方法は、第1の実施例と同様に3P(TRS)バランス型フォンケーブル4のチップ(Tip)信号線40を変換器2aの信号出力端子29に接続し、ケーブル4のリング(Ring)信号線41を変換器2aの信号出力端子28に接続し、ケーブル4のスリーブ(Sleeve)線42を変換器2aのグランド端子31に接続して、ケーブル4のプラグを記録装置3(本実施例ではボイスレコーダ)のマイク端子に挿入する。そして、記録装置3により、A−C間起電力信号をRチャンネルオーディオ信号、B−C間起電力信号をLチャンネルオーディオ信号としてステレオ録音する。
【0034】
こうして、本実施例では、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。また、本実施例では、検出器1から出力されたA−C間起電力信号とB−C間起電力信号とを個別に増幅して出力することができるので、検出器1から出力される起電力信号が小さい場合でも、市販のボイスレコーダ等で記録が可能となる。
【0035】
[第3の実施例]
次に、本発明の第3の実施例について説明する。図5は本発明の第3の実施例に係る電磁流量計の変換器の構成を示すブロック図であり、図1図3図4と同一の構成には同一の符号を付してある。電磁流量計の検出器1については第1の実施例で説明したとおりである。
【0036】
本実施例の変換器2bは、励磁回路20と、交流増幅回路21と、サンプルホールド回路22と、直流増幅回路23と、A/D変換器24と、制御回路25と、交流増幅回路26,27と、交流増幅回路26によって増幅されたA−C間起電力信号と交流増幅回路27によって増幅されたB−C間起電力信号をそれぞれ無線送信する送信器32とを備えている。
【0037】
送信器32としては、交流増幅回路26によって増幅されたA−C間起電力信号と交流増幅回路27によって増幅されたB−C間起電力信号とをステレオオーディオ信号として無線送信可能なブルートゥース(Bluetooth(登録商標))トランスミッターがある。
【0038】
本実施例では、第2の実施例のように変換器に記録装置を直接接続することが難しい場合であっても、起電力信号を無線送信し、遠方の記録装置で受信したり、解析装置で解析したりすることが可能となる。特に変換器にケーブルを接続することが難しい防爆形の電磁流量計において、本実施例は有効である。
【0039】
[第4の実施例]
次に、本発明の第4の実施例について説明する。図6は本発明の第4の実施例に係る電磁流量計の診断装置の構成を示すブロック図であり、図1図3図5と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施例の診断装置は、記録装置3に記録されたA−C間起電力信号とB−C間起電力信号とを個別に波形表示する解析装置5を備えている。
【0040】
図6と組み合わせる形態としては、図1に示した第1の実施例の構成を用いてもよいし、図4に示した第2の実施例の構成を用いてもよい。
また、図5に示した第3の実施例の構成と組み合わせる場合には、図7に示すように、変換器2bから無線送信されたA−C間起電力信号とB−C間起電力信号とを受信する受信器6を解析装置5に接続してもよい。なお、受信器6を解析装置5内に設けるようにしてもよい。
【0041】
図8は、本実施例の起電力信号の波形表示例を示す図であり、励磁オフ(電源オフ)状態から励磁オン(電源オン)状態に変化したときの起電力信号の変化を示す図である。図9は、本実施例の起電力信号の別波形表示例を示す図であり、測定管11が空の状態から満水状態に変化したときの起電力信号の変化を示す図である。図8図9の例では、解析装置5の画面500に、Lチャンネルオーディオ信号(B−C間起電力信号)とRチャンネルオーディオ信号(A−C間起電力信号)の波形が表示されている。図8図9中の波形の縦軸は信号強度、横軸は時間である。
【0042】
図8図9の例から明らかなとおり、励磁の有無や、測定管11が空か満水状態かどうかは、起電力信号の振幅の違い(急激な変化)で判断することができる。
【0043】
[第5の実施例]
次に、本発明の第5の実施例について説明する。図10は本発明の第5の実施例に係る電磁流量計の診断装置の構成を示すブロック図であり、図1図3図7と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施例の診断装置は、記録装置3に記録されたA−C間起電力信号とB−C間起電力信号の周波数スペクトルを個別に表示する解析装置5aを備えている。
【0044】
図10と組み合わせる形態としては、図1に示した第1の実施例の構成を用いてもよいし、図4に示した第2の実施例の構成を用いてもよい。
また、図5に示した第3の実施例の構成と組み合わせる場合には、図11に示すように、変換器2bから無線送信されたA−C間起電力信号とB−C間起電力信号とを受信する受信器6を解析装置5aに接続してもよい。なお、受信器6を解析装置5a内に設けるようにしてもよい。
【0045】
図12は、本実施例の起電力信号の周波数スペクトル表示例を示す図であり、満水状態の起電力信号の周波数スペクトルを示す図である。図13は、本実施例の起電力信号の別の周波数スペクトル表示例を示す図であり、満水状態で泡(炭酸水)を発生させたときの起電力信号の周波数スペクトルを示す図である。なお、本実施例では、A−C間起電力信号とB−C間起電力信号の周波数スペクトルを個別に表示可能であるが、図12図13の例では見易くするために、Rチャンネルオーディオ信号(A−C間起電力信号)の周波数スペクトルRSのみを示している。図12図13によれば、起電力信号の波形では違いが分からないが、起電力信号の周波数スペクトルで見ると、泡の有無を判別できることが分かる。
【0046】
図14は、本実施例の起電力信号の別の周波数スペクトル表示例を示す図であり、満水状態の起電力信号の周波数スペクトルを示す図である。図15は、本実施例の起電力信号の別の周波数スペクトル表示例を示す図であり、非満水状態の起電力信号の周波数スペクトルを示す図である。図12図13と同様に、図14図15の例では、Rチャンネルオーディオ信号(A−C間起電力信号)の周波数スペクトルRSのみを示している。
【0047】
図16は、本実施例の起電力信号の別の周波数スペクトル表示例を示す図であり、スラリ(研磨剤)を混入させた水道水を流速1m/sで流したときの起電力信号の周波数スペクトルを示す図である。図17は、本実施例の起電力信号の別の周波数スペクトル表示例を示す図であり、スラリ(研磨剤)なしの水道水を流速1m/sで流したときの起電力信号の周波数スペクトルを示す図である。図16図17の例では、Lチャンネルオーディオ信号(B−C間起電力信号)の周波数スペクトルLSのみを示している。
【0048】
図18は、本実施例の別の周波数スペクトル表示例を示す図であり、検出器の代わりにキャリブレータを変換器に接続して、キャリブレータから変換器に疑似起電力信号を入力したときの疑似起電力信号の周波数スペクトルを示す図である。図19は、本実施例の別の周波数スペクトル表示例を示す図であり、検出器の代わりにキャリブレータを変換器に接続して、キャリブレータから変換器に微分ノイズ入りの疑似起電力信号を入力したときの疑似起電力信号の周波数スペクトルを示す図である。ここでは、励磁の変化点で疑似スパイクノイズを混入させている。図18図19の例では、Lチャンネルオーディオ信号(B−C間起電力信号)の周波数スペクトルLSのみを示している。
【0049】
以上のように、信号の波形では違いが分からない場合でも、起電力信号の周波数スペクトルを表示することで、電磁流量計の診断に適した情報を提供することができる。
【0050】
[第6の実施例]
次に、本発明の第6の実施例について説明する。図20は本発明の第6の実施例に係る電磁流量計の診断装置の構成を示すブロック図であり、図1図3図7図10図11と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施例の診断装置は、記録装置3に記録されたA−C間起電力信号とB−C間起電力信号に基づいて電磁流量計の健全性を診断する解析装置5bを備えている。
【0051】
図20と組み合わせる形態としては、図1に示した第1の実施例の構成を用いてもよいし、図4に示した第2の実施例の構成を用いてもよい。
また、図5に示した第3の実施例の構成と組み合わせる場合には、図21に示すように、変換器2bから無線送信されたA−C間起電力信号とB−C間起電力信号とを受信する受信器6を解析装置5bに接続してもよい。なお、受信器6を解析装置5b内に設けるようにしてもよい。
【0052】
解析装置5bは、過去に発生した電磁流量計の起電力信号の音響的特徴を予め記憶する音響モデル50と、この音響モデル50に記憶された音響的特徴が得られたときの電磁流量計の診断結果を予め記憶する診断結果モデル51と、記録装置3に記録されたA−C間起電力信号とB−C間起電力信号、または受信器6によって受信されたA−C間起電力信号とB−C間起電力信号の音響的特徴を抽出する特徴抽出部52と、特徴抽出部52によって抽出された音響的特徴と音響モデル50と診断結果モデル51とを用いて、特徴抽出部52によって抽出された音響的特徴に対応する診断結果を出力する認識部53と、音響モデル50と診断結果モデル51の学習を行う学習部54と、過去に発生した電磁流量計の起電力信号とこの起電力信号が得られたときの電磁流量計の診断結果とを記憶する記憶部55とから構成される。
【0053】
電磁流量計の異常にはスラリ発生、測定管や電極への異物の付着、流体の導電率の低下、気泡発生、測定管の空状態、電極の絶縁劣化、励磁コイルの劣化、電極の汚れ、電極の摩耗、断線、電子回路の特性の変化などがあり、測定管に流れる流体も水道水、汚泥、薬品、飲料、紙パルプ、アルミナなど様々なので、現場ではこれらの様々な現象が複雑に絡み合って起電力信号に影響している。そこで、本実施例では、音声認識技術を利用して、電磁流量計の自動診断を行う。音響的特徴および音響モデル50の例としては、隠れマルコフモデルがある。
【0054】
記憶部55には、様々な状態の電磁流量計で収集されたA−C間起電力信号およびB−C間起電力信号と、この様々な状態において現場のサービス担当者が行った電磁流量計の健全性の診断結果とが記憶されている。
【0055】
音響モデル50および診断結果モデル51の学習時には、学習部54は、記憶部55に記憶されているA−C間起電力信号とB−C間起電力信号とから特徴抽出部52が抽出した音響的特徴を音響モデル50に記憶させると共に、この音響的特徴に対応する診断結果を診断結果モデル51に記憶させる。
【0056】
電磁流量計の診断時には、特徴抽出部52は、記録装置3に記録された診断対象の電磁流量計のA−C間起電力信号とB−C間起電力信号、または受信器6によって受信された診断対象の電磁流量計のA−C間起電力信号とB−C間起電力信号の音響的特徴を抽出する。
【0057】
認識部53は、特徴抽出部52によって抽出された音響的特徴と音響モデル50に記憶されている音響的特徴とを照合し、特徴抽出部52によって抽出された音響的特徴に最も近い音響的特徴を音響モデル50の中から特定し、特定した音響的特徴に対応する診断結果を診断結果モデル51から取得して出力する。
【0058】
こうして、本実施例では、電磁流量計の自動診断を実現することができる。従来から行われている電磁流量計の点検の結果を利用すれば、大量の診断結果を得ることができるので、この点検の際に電磁流量計のA−C間起電力信号とB−C間起電力信号を併せて収集すれば、大量の情報を収集することができ、この収集した情報によって音響モデル50および診断結果モデル51の学習を行うことで、診断の精度を向上させることができる。なお、認識部53による診断にAI(Artificial Intelligence)の技術を適用してもよい。
【0059】
また、本実施例の診断装置を図22のように構成してもよい。この図22の例では、診断対象の電磁流量計が設けられた現場でサービス担当者が用いる端末装置7に受信器6(第1の受信部)を設ける。端末装置7の例としては、例えばスマートフォンやパーソナルコンピュータがある。
【0060】
端末装置7の制御部71は、受信器6によって受信した診断対象の電磁流量計のA−C間起電力信号とB−C間起電力信号を送信部70からネットワーク8を介して解析装置5c(流量計診断サーバ)に送信させる。
【0061】
解析装置5cは、解析装置5bに受信部56と送信部57とを追加したものである。解析装置5cの受信部56が、端末装置7からネットワーク8を介して送信されたA−C間起電力信号とB−C間起電力信号を受信すると、上記の解析装置5bと同様に解析装置5cにおいて電磁流量計の自動診断が行われる。解析装置5cの認識部53は、診断結果を送信部57からネットワーク8を介して端末装置7に送信させる。
【0062】
端末装置7の制御部71は、受信部72で受信した診断結果を表示部73に表示させる。こうして、現場のサービス担当者は、端末装置7に表示された診断結果を基に、電磁流量計の各種メンテナンス作業を行うことができる。
【0063】
なお、図6に示した第4の実施例、図10に示した第5の実施例、図20に示した第6の実施例において、記録装置3を解析装置5,5a,5bの内部に設けるようにしてもよい。つまり、起電力信号を解析装置5,5a,5bに直接取り込むことも可能である。
また、変換器2bの送信器32と受信器6との間で行われる無線通信は、ブルートゥースに限るものでなく、例えば光通信、無線LANなど他の無線通信を利用してもよいことは言うまでもない。
【0064】
第4〜第6の実施例で説明した解析装置5,5a,5b,5cは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図23に示す。コンピュータは、CPU200と、記憶装置201と、インターフェース装置(以下、I/Fと略する)202とを備えている。I/F202には、例えば記録装置3や受信器6、受信部56および送信部57のハードウェア等が接続される。このようなコンピュータにおいて、解析装置5,5a,5b,5cを実現させるためのプログラムは記憶装置201に格納される。CPU200は、記憶装置201に格納されたプログラムに従って第4〜第6の実施例で説明した処理を実行する。同様に、図22の端末装置7についてもコンピュータによって実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、電磁流量計の健全性を診断する技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1…検出器、2,2a,2b…変換器、3…記録装置、4…3Pバランス型フォンケーブル、5,5a,5b,5c…解析装置、6…受信器、7…端末装置、8…ネットワーク、10…励磁コイル、11…測定管、12,13…電極、20…励磁回路、21,26,27…交流増幅回路、22…サンプルホールド回路、23…直流増幅回路、24…A/D変換器、25…制御回路、28,29…信号出力端子、30…マイク端子、31…グランド端子、32…送信器、50…音響モデル、51…診断結果モデル、52…特徴抽出部、53…認識部、54…学習部、55…記憶部、56,72…受信部、57,70…送信部、71…制御部、73…表示部、A,B,C…信号出力端子、X,Y…励磁電流入力端子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23