特開2019-215304(P2019-215304A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-215304(P2019-215304A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】光電センサ
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/42 20060101AFI20191122BHJP
   G01J 1/44 20060101ALI20191122BHJP
   H03K 17/78 20060101ALI20191122BHJP
   G01V 8/12 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
   G01J1/42 N
   G01J1/44 F
   H03K17/78 P
   G01V8/12 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-113756(P2018-113756)
(22)【出願日】2018年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100188880
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 辰哉
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】田島 良一
(72)【発明者】
【氏名】真田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】立石 幸一
(72)【発明者】
【氏名】越 俊樹
【テーマコード(参考)】
2G065
2G105
5J050
【Fターム(参考)】
2G065AA04
2G065BA01
2G065BC03
2G065BC13
2G065BC14
2G065BC31
2G065BD06
2G065CA12
2G065DA15
2G105AA01
2G105BB17
2G105CC01
2G105CC03
2G105DD02
2G105EE01
2G105FF02
2G105FF06
2G105FF12
2G105HH01
2G105HH04
5J050AA13
5J050BB16
5J050EE39
5J050FF01
(57)【要約】
【課題】従来に対してコストの増加及び製品サイズの拡大を抑制しつつ、信号に重畳するノイズによる影響を回避可能とする。
【解決手段】受光した光に応じた信号を得る計測部111と、計測部111により得られた信号に基づいて、ノイズの有無を判別する判別部104と、判別部104によりノイズが有ると判別された場合に、計測部111により得られた過去の信号に基づいて、前向き線形予測法を用いて予測値を算出する算出部105と、算出部105により予測値が算出された場合に、計測部111により得られた信号が示す実測値を当該予測値と比較してノイズに関するパラメータを抽出する抽出部とを備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光した光に応じた信号を得る計測部と、
前記計測部により得られた信号に基づいて、ノイズの有無を判別する判別部と、
前記判別部によりノイズが有ると判別された場合に、前記計測部により得られた過去の信号に基づいて、前向き線形予測法を用いて予測値を算出する算出部と、
前記算出部により予測値が算出された場合に、前記計測部により得られた信号が示す実測値を当該予測値と比較してノイズに関するパラメータを抽出する抽出部と
を備えた光電センサ。
【請求項2】
前記判別部による判別結果及び前記抽出部による抽出結果を通知する通知部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の光電センサ。
【請求項3】
前記算出部により予測値が算出された場合に、前記計測部により得られた信号が示す実測値を当該予測値に置換える置換部を備えた
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光電センサ。
【請求項4】
前記算出部は、前記計測部により得られた過去の信号が示す実測値に対して係数で重み付けをし、当該重み付けにより得られた値の和を前記予測値として算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか1項記載の光電センサ。
【請求項5】
前記算出部は、前記計測部により得られた過去の信号が示す実測値と当該実測値に対する予測値との2乗誤差の和が最小となる値を前記係数として算出する
ことを特徴とする請求項4記載の光電センサ。
【請求項6】
前記判別部は、前記計測部により得られた信号が当該計測部の電源電圧範囲外である場合にノイズが有ると判別し、当該信号が当該電源電圧範囲内である場合にノイズは無いと判別する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか1項記載の光電センサ。
【請求項7】
前記判別部は、前記計測部により得られた信号が受光レベルの最小値未満又は最大値より大きい場合にノイズが有ると判別し、当該信号が当該受光レベルの最小値以上且つ最大値以下である場合にノイズが無いと判別する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか1項記載の光電センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光の投受光を行う光電センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、検出領域を介して光の投受光を行い、その受光結果に基づいて検出領域における物体の有無判定等の各種処理を行う光電センサが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−15580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の光電センサでは、信号にノイズが重畳した場合に、検出値に影響を与えて誤動作が生じる。特にノイズの周波数が信号の周波数に近い場合に、回路によるフィルタでは防ぎきれない。また、アナログフィルタで影響を抑える場合、電子部品が増えることによるコストの増加及び製品サイズの拡大が避けられない。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、従来に対してコストの増加及び製品サイズの拡大を抑制しつつ、信号に重畳するノイズによる影響を回避可能な光電センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る光電センサは、受光した光に応じた信号を得る計測部と、計測部により得られた信号に基づいて、ノイズの有無を判別する判別部と、判別部によりノイズが有ると判別された場合に、計測部により得られた過去の信号に基づいて、前向き線形予測法を用いて予測値を算出する算出部と、算出部により予測値が算出された場合に、計測部により得られた信号が示す実測値を当該予測値と比較してノイズに関するパラメータを抽出する抽出部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、上記のように構成したので、従来に対してコストの増加及び製品サイズの拡大を抑制しつつ、信号に重畳するノイズによる影響を回避可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1に係る光電センサの構成例を示す図である。
図2】この発明の実施の形態1における演算部及び処理部によるノイズ検出の動作例を示すフローチャートである。
図3】この発明の実施の形態1における算出部による予測値の算出結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
光電センサは、検出領域を介して光の投受光を行い、その受光結果に基づいて検出領域における物体の有無判定等の各種処理を行う。以下では、光電センサが有する構成のうちの受光側の構成のみを示す。この光電センサは、図1に示すように、受光部101、増幅部102、検出部103、判別部104、算出部105、処理部106、入出力部107、通信部108、表示部109及び操作部110を備えている。なお、光電センサの種別は特に限定されず、透過型、反射型及びリフレクタ型の何れでもよい。
【0010】
なお、受光部101、増幅部102及び検出部103は、計測部111を構成する。また、判別部104及び算出部105は、演算部112を構成する。また、入出力部107、通信部108、表示部109及び操作部110は、インタフェース部113を構成する。
【0011】
受光部101は、検出領域から到来した光を受光して光電変換を行う。
増幅部102は、受光部101により得られた信号(光電変換後の信号)を増幅する。
検出部103は、増幅部102による増幅後の信号を検出する。
【0012】
判別部104は、検出部103により得られた信号(検出後の信号)に基づいて、ノイズの有無を判別する。
算出部105は、判別部104によりノイズが有ると判別された場合に、検出部103により得られた過去の信号に基づいて、前向き線形予測法(LPC)を用いて予測値を算出する。
【0013】
なお、演算部112は、システムLSI(Large Scale Integration)等の処理回路、又はメモリ等に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等により実現される。
【0014】
処理部106は、検出部103により得られた信号に基づいて、物体の有無判定等の各種処理を行うMPU(Micro Processing Unit)である。また、処理部106は、算出部105により予測値が算出された場合に、検出部103により得られた信号が示す実測値を当該予測値と比較してノイズに関するパラメータを抽出する機能(抽出部)を有している。なお、ノイズに関するパラメータとしては、例えば、ノイズの周波数、波形又は種別等が挙げられる。この処理部106による処理結果を示す情報はインタフェース部113に出力される。また、処理部106は、抽出したノイズに関するパラメータを示す情報を自身が保持する記録部に記録してもよい。
【0015】
入出力部107は、光電センサに対する各種設定の入力を行い、また、処理部106から入力された情報の出力を行う。この際、入出力部107は、例えば、アナログ出力を行ってもよいし、閾値判定を行って閾値を超えた場合にオン出力を行ってもよい。
【0016】
通信部108は、イーサネット(登録商標)等のネットワークを介して外部装置と通信を行い、例えば処理部106から入力された情報を外部装置に送信する。
表示部109は、各種の動作表示を行う。また、表示部109は、処理部106から入力された情報を表示する。
操作部110は、ユーザ操作を受付け、例えば、表示部109の表示切替え又は光電センサに対する各種設定等を行う。
【0017】
なお、入出力部107、通信部108及び表示部109は、判別部104による判別結果及び抽出部による抽出結果をユーザに通知する通知部を構成する。
【0018】
次に、実施の形態1における演算部112及び処理部106によるノイズ検出の動作例について、図2を参照しながら説明する。なお、計測部111は、受光した光に応じた信号を得ている。具体的には、受光部101が検出領域から到来した光を受光して光電変換を行い、増幅部102が光電変換後の信号を増幅し、検出部103が増幅後の信号を検出している。
実施の形態1における演算部112及び処理部106によるノイズ検出の動作例では、図2に示すように、まず、判別部104は、計測部111により得られた信号に基づいて、当該信号にノイズが重畳しているか(ノイズが有るか)を判別する(ステップST1)。
この際、判別部104は、例えば、計測部111(検出部103)の電源電圧範囲を閾値として用いることで、ノイズの有無を判別できる。この場合、判別部104は、計測部111により得られた信号が電源電圧範囲外である場合には、ノイズが有ると判別する。一方、判別部104は、上記信号が電源電圧範囲内である場合には、ノイズが無いと判別する。
また、例えば、光電センサのティーチングの際に受光レベルの最大値及び最小値が設定されている場合、判別部104は、この受光レベルの最大値及び最小値を閾値として用いることで、ノイズの有無を判別できる。この場合、判別部104は、計測部111により得られた信号が受光レベルの最小値未満又は最大値より大きい場合には、ノイズが有ると判別する。一方、判別部104は、上記信号が受光レベルの最小値以上且つ最大値以下である場合には、ノイズが無いと判別する。
【0019】
このステップST1において、判別部104が上記信号にノイズが重畳していない(ノイズが無い)と判別した場合には、シーケンスは終了する。
【0020】
一方、ステップST1において、判別部104が上記信号にノイズが重畳していると判別した場合には、算出部105は、計測部111により得られた過去の信号に基づいて、前向き線形予測法を用いて予測値を算出する(ステップST2)。この際、算出部105は、下式(1)のように、計測部111により過去に得られたM個の信号が示す実測値に対してh(k)という係数で重み付けをし、その重み付けにより得られた値の和を予測値として算出する。式(1)において、s(ハット)(n)は、n番目の信号が示す実測値に対する予測値を表し、Mは過去の信号の数を表し、s(n−k)は(n−k)番目の信号が示す実測値を表している。Mの数は、投光信号の周期又はオーバーサンプリングの周期に応じて適宜変更が可能であり、精度の高い予測を行うのに十分な数とする。

【0021】
なお、算出部105では、検出部103により得られた過去の信号が示す実測値と当該実測値に対する予測値との2乗誤差の和が最小となる値を数値解析により得ることで、h(k)を算出している。下式(2)で示されるEは誤差関数である。

【0022】
図3は算出部105による予測値の算出結果の一例を示す図である。図3において、前半(図3における破線より左側)の3個のパルスは実測値であり、後半(図3における破線より右側)の3個のパルスは、算出部105が、前半の実測値から256次の係数を決定して予測を行った予測値である。
【0023】
次いで、処理部106(抽出部)は、計測部111により得られた信号が示す実測値を当該予測値と比較することで、ノイズに関するパラメータを抽出する(ステップST3)。すなわち、抽出部は、例えば実測値と当該実測値に対する予測値との差分をとることでノイズ成分のみを抽出でき、ノイズ成分からノイズに関するパラメータを抽出できる。その後、処理部106は、抽出結果を示す信号をインタフェース部113に出力する。
【0024】
このように、実施の形態1に係る光電センサでは、判別部104が、計測部111により得られた信号が特定の条件に該当するかを判別することで、ノイズの有無を判別している。これにより、実施の形態1に係る光電センサは、従来に対してコストの増加及び製品サイズの拡大を抑制しつつ、信号に重畳するノイズによる影響を回避可能となる。
また、実施の形態1に係る光電センサでは、計測部111により得られた信号をオーバーサンプリングし、判別部104によりノイズが有ると判別された場合に線形予測演算フィルタを動作させる。そして、線形予測演算フィルタでは、算出部105がノイズが無い場合での値を予測し、抽出部が実測値を予測値と比較することでどのようなノイズが重畳したのかを示す情報を抽出する。これにより、実施の形態1に係る光電センサでは、ユーザが、上記の抽出結果をノイズが現れた要因等を探る際の参考として用いることが可能となり、光電センサがどのようなノイズ雰囲気下にさらされているかを判断可能となる。
【0025】
なお、実施の形態1に係る光電センサは、信号にノイズが重畳している期間が短い場合には、ノイズが重畳した期間の実測値を予測値で補完して、本来あるべき波形に近い値としてもよい。この場合、処理部106は、算出部105により予測値が算出された場合に、計測部111により得られた信号が示す実測値を当該予測値に置換える機能(置換部)も有する。これにより、実施の形態1に係る光電センサは、誤動作の発生を抑えられ、また、アナログフィルタの回路設計が簡易になる。
【0026】
また上記では、判別部104が、閾値を用いて、ノイズの有無を判別する場合を示した。一方、計測部111により得られた信号が閾値の範囲外である期間(判別部104によりノイズが有ると判別される期間)が長い場合には、ノイズの影響ではない可能性が高い。そこで、このような場合には、光電センサは、上記信号が閾値の範囲外であることのみを外部に通知してもよい。
【0027】
以上のように、この実施の形態1によれば、光電センサは、受光した光に応じた信号を得る計測部111と、計測部111により得られた信号に基づいて、ノイズの有無を判別する判別部104と、判別部104によりノイズが有ると判別された場合に、計測部111により得られた過去の信号に基づいて、前向き線形予測法を用いて予測値を算出する算出部105と、算出部105により予測値が算出された場合に、計測部111により得られた信号が示す実測値を当該予測値と比較してノイズに関するパラメータを抽出する抽出部とを備えた。これにより、実施の形態1に係る光電センサは、従来に対してコストの増加及び製品サイズの拡大を抑制しつつ、信号に重畳するノイズによる影響を回避可能となる。
【0028】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0029】
101 受光部
102 増幅部
103 検出部
104 判別部
105 算出部
106 処理部
107 入出力部
108 通信部
109 表示部
110 操作部
111 計測部
112 演算部
113 インタフェース部
図1
図2
図3