特開2019-215510(P2019-215510A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-215510(P2019-215510A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】結像光学系
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20191122BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
   G02B13/00
   G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-138099(P2018-138099)
(22)【出願日】2018年7月24日
(31)【優先権主張番号】特願2018-111508(P2018-111508)
(32)【優先日】2018年6月12日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000131326
【氏名又は名称】株式会社シグマ
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健太
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087MA07
2H087NA14
2H087PA12
2H087PA13
2H087PA14
2H087PA16
2H087PB18
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA21
2H087QA26
2H087QA37
2H087QA39
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA43
2H087UA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来の結像光学系の課題であった球面収差や軸上色収差を良好に補正し、バックフォーカスの短い、F値がF1.2程度のミラーレスカメラに最適な結像光学系を提供する。
【解決手段】物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、正の屈折力を有する第2レンズ群L2と、負の屈折力を有する第3レンズ群L3と、からなり、前記第1レンズ群L1は、少なくとも一つの接合レンズを有すると共に、最も物体側に負レンズ素子を配し、物体側に凸面を向けた正レンズ素子を前記負レンズ素子の像側に隣接するよう配し、前記第2レンズ群L2は、開口絞りSを含み、フォーカシングに際して、前記第2レンズ群L2が物体側に移動するとともに、前記第1レンズ群L1と、前記第3レンズ群L3とが像面に対して固定であり、所定の条件式を満足することを特徴とする結像光学系とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に、
正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、
正の屈折力を有する第2レンズ群L2と、
負の屈折力を有する第3レンズ群L3と、
からなり、
前記第1レンズ群L1は、少なくとも一つの接合レンズを有すると共に、最も物体側に負レンズ素子を配し、物体側に凸面を向けた正レンズ素子を前記負レンズ素子の像側に隣接するよう配し、
前記第2レンズ群L2は、開口絞りSを含み、
フォーカシングに際して、前記第2レンズ群L2が物体側に移動するとともに、前記第1レンズ群L1と、前記第3レンズ群L3とが像面に対して固定であり、以下の条件式を満足することを特徴とする結像光学系。
Y/Bf > 0.70 (1)
但し、
Yは最大像高、
Bfは第3レンズ群L3の最も像側面の面頂から像面までの距離であり、
Aciは以下の式で表される。
Aci = φcpi/νdcpi + φcmi/νdcmi
但し、
φcpiは、前記第1レンズ群L1に含まれる物体側からi番目の接合レンズの正レンズ素子の屈折力、
νdcpiは、記第1レンズ群L1に含まれる物体側からi番目の接合レンズの正レンズ素子のアッベ数、
φcmiは、前記第1レンズ群L1に含まれる物体側からi番目の接合レンズの負レンズ素子の屈折力、
νdcmiは、記第1レンズ群L1に含まれる物体側からi番目の接合レンズの負レンズ素子のアッベ数である。
【請求項2】
前記第1レンズ群L1の最も像側に位置する正レンズ素子L1pが以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
νdL1p < 27 (3)
0.0220 < ΔPgfL1p (4)
但し、
ΔPgfL1pは前記正レンズ素子L1pの異常分散性であり、以下の式で表される。
ΔPgfL1p = PgfL1p + 0.0018×νdL1p ― 0.64833
但し、
νdL1pは前記正レンズ素子L1pのアッベ数νd、
PgfL1pは前記正レンズ素子L1pのg線とF線に関する部分分散比Pgfである。
【請求項3】
前記第1レンズ群L1の最も物体側の面から、像側に凹面を向けた負レンズ素子の像側の面までをレンズ成分L1fとし、前記レンズ成分L1fは負の屈折力を有し、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の結像光学系。
−3.53 < f1f/f < −0.60 (5)
但し、
f1fは前記レンズ成分L1fの焦点距離、
fはレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
【請求項4】
レンズ全系のうち、前記開口絞りSより物体側に配される全てのレンズ素子群をレンズ群Lsfとし、前記レンズ群Lsfは正の屈折力を有し、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の結像光学系。
1.0 < fsf/f < 2.7 (6)
但し、
fsfは前記レンズ群Lsfの無限遠合焦時の焦点距離、
fはレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
【請求項5】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の結像光学系。
1.0 < f2/f < 2.1 (7)
但し、
f2は前記第2レンズ群L2の焦点距離、
fはレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
【請求項6】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の結像光学系。
β1b < 0.37 (8)
但し、
β1bは無限遠合焦時の前記第1レンズ群L1よりも像側に位置するレンズ素子群の横倍率である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ、銀塩カメラ及びビデオカメラ等に最適であり、特に、画角が48°〜77°程度で、F値がF1.2程度の、バックフォーカスの短いミラーレスカメラに最適な結像光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にF1.2程度のF値が明るい大口径レンズは、F値の暗いレンズに比べ入射瞳径が大きくなるため、球面収差や軸上色収差の補正が難しくなる。一方、昨今のデジタルカメラはイメージセンサーが高画素化しているため、特に軸上色収差が補正不足な結像光学系の場合、結像面での像の色付きや、アウトフォーカス部でのボケ像への色付きがより顕著なものとなってしまう。このような問題を解決するためには軸上色収差をより小さくなるよう補正することが重要となる。
【0003】
以下の特許文献において従来の結像光学系が開示されている。
【0004】
特許文献1では、画角が45°程度で、F値がF1.2程度の光学系が開示されている。
【0005】
また、特許文献2では、画角が49°程度で、F値がF1.4程度の光学系が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007ー333790号公報
【特許文献2】特開2016−38418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1で開示されている結像光学系は、軸上色収差補正が不十分であり、また、バックフォーカスが長く、ミラーレスカメラに最適な結像光学系とはなっていない。
【0008】
また、特許文献2で開示されている結像光学系は、バックフォーカスが短く、ミラーレスカメラには最適な結像光学系である。しかし、F値がF1.4程度であるため、F値をF1.2程度まで明るくしようとした場合、開示されている結像光学系では、球面収差や軸上色収差の補正が困難である。
【0009】
そこで、本発明は、従来の結像光学系の課題を解決し、F値がF1.2程度の、バックフォーカスを短くすることで、光学系の全長を抑えつつ、軸上色収差が良好に補正され、ミラーレスカメラに最適な結像光学系を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の結像光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、正の屈折力を有する第2レンズ群L2と、負の屈折力を有する第3レンズ群L3と、からなり、前記第1レンズ群L1は、少なくとも一つの接合レンズを有すると共に、最も物体側に負レンズ素子を配し、物体側に凸面を向けた正レンズ素子を前記負レンズ素子の像側に隣接するよう配し、前記第2レンズ群L2は、開口絞りSを含み、フォーカシングに際して、前記第2レンズ群L2が物体側に移動するとともに、前記第1レンズ群L1と、前記第3レンズ群L3とが像面に対して固定であり、以下の条件式を満足することを特徴とした。
Y/Bf > 0.70 (1)
但し、
Yは最大像高、
Bfは第3レンズ群L3の最も像側面の面頂から像面までの距離であり、
Aciは以下の式で表される。
Aci = φcpi/νdcpi + φcmi/νdcmi
但し、
φcpiは、前記第1レンズ群L1に含まれる物体側からi番目の接合レンズの正レンズ素子の屈折力、
νdcpiは、記第1レンズ群L1に含まれる物体側からi番目の接合レンズの正レンズ素子のアッベ数、
φcmiは、前記第1レンズ群L1に含まれる物体側からi番目の接合レンズの負レンズ素子の屈折力、
νdcmiは、記第1レンズ群L1に含まれる物体側からi番目の接合レンズの負レンズ素子のアッベ数である。
【0011】
また、第2の発明は、第1の発明においてさらに、前記第1レンズ群L1の最も像側に位置する正レンズ素子L1pが以下の条件式を満足することを特徴とする結像光学系である。
νdL1p < 27 (3)
0.0220 < ΔPgfL1p (4)
但し、
ΔPgfL1pは前記正レンズ素子L1pの異常分散性であり、以下の式で表される。
ΔPgfL1p = PgfL1p + 0.0018×νdL1p ― 0.64833
但し、
νdL1pは前記正レンズ素子L1pのアッベ数νd、
PgfL1pは前記正レンズ素子L1pのg線とF線に関する部分分散比Pgfである。
【0012】
また、第3の発明は、第1乃至第2の発明においてさらに、前記第1レンズ群L1の最も物体側の面から、像側に凹面を向けた負レンズ素子の像側の面までをレンズ成分L1fとし、前記レンズ成分L1fは負の屈折力を有し、以下の条件式を満足することを特徴とする結像光学系である。
−3.53 < f1f/f < −0.60 (5)
但し、
f1fは前記レンズ成分L1fの焦点距離、
fはレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
【0013】
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明においてさらに、レンズ全系のうち、前記開口絞りSより物体側に配される全てのレンズ素子群をレンズ群Lsfとし、前記レンズ群Lsfは正の屈折力を有し、以下の条件式を満足することを特徴とする結像光学系である。
1.0 < fsf/f < 2.7 (6)
但し、
fsfは前記レンズ群Lsfの無限遠合焦時の焦点距離、
fはレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
【0014】
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明においてさらに、以下の条件式を満足することを特徴とする結像光学系である。
1.0 < f2/f < 2.1 (7)
但し、
f2は前記第2レンズ群L2の焦点距離、
fはレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
【0015】
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明においてさらに、以下の条件式を満足することを特徴とする結像光学系である。
β1b < 0.37 (8)
但し、
β1bは無限遠合焦時の前記第1レンズ群L1よりも像側に位置するレンズ素子群の横倍率である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来の結像光学系の課題であった球面収差や軸上色収差を良好に補正し、バックフォーカスの短い、F値がF1.2程度のミラーレスカメラに最適な結像光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例1に係る無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図2】本発明の実施例1に係る無限遠合焦時の縦収差図である。
図3】本発明の実施例1に係る撮影距離2059mmにおける縦収差図である。
図4】本発明の実施例1に係る無限遠合焦時の横収差図である。
図5】本発明の実施例1に係る撮影距離2059mmにおける横収差図である。
図6】本発明の実施例2に係る無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図7】本発明の実施例2に係る無限遠合焦時の縦収差図である。
図8】本発明の実施例2に係る撮影距離2058mmにおける縦収差図である。
図9】本発明の実施例2に係る無限遠合焦時の横収差図である。
図10】本発明の実施例2に係る撮影距離2058mmにおける横収差図である。
図11】本発明の実施例3に係る無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図12】本発明の実施例3に係る無限遠合焦時の縦収差図である。
図13】本発明の実施例3に係る撮影距離1774mmにおける縦収差図である。
図14】本発明の実施例3に係る無限遠合焦時の横収差図である。
図15】本発明の実施例3に係る撮影距離1774mmにおける横収差図である。
図16】本発明の実施例4に係る無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図17】本発明の実施例4に係る無限遠合焦時の縦収差図である。
図18】本発明の実施例4に係る撮影距離1774mmにおける縦収差図である。
図19】本発明の実施例4に係る無限遠合焦時の横収差図である。
図20】本発明の実施例4に係る撮影距離1774mmにおける横収差図である。
図21】本発明の実施例5に係る無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図22】本発明の実施例5に係る無限遠合焦時の縦収差図である。
図23】本発明の実施例5に係る撮影距離1754mmにおける縦収差図である。
図24】本発明の実施例5に係る無限遠合焦時の横収差図である。
図25】本発明の実施例5に係る撮影距離1754mmにおける横収差図である。
図26】本発明の実施例6に係る無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図27】本発明の実施例6に係る無限遠合焦時の縦収差図である。
図28】本発明の実施例6に係る撮影距離1281mmにおける縦収差図である。
図29】本発明の実施例6に係る無限遠合焦時の横収差図である。
図30】本発明の実施例6に係る撮影距離1281mmにおける横収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明にかかる光学系の実施例について詳細に説明する。なお、以下の実施例の説明は本発明の光学系の一例を説明したものであり、本発明はその要旨を逸脱しない範囲において本実施例に限定されるものではない。
【0019】
本実施例の結像光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、正の屈折力を有する第2レンズ群L2と、負の屈折力を有する第3レンズ群L3と、からなり、前記第1レンズ群L1は、少なくとも一つの接合レンズを有すると共に、最も物体側に負レンズ素子を配し、物体側に凸面を向けた正レンズ素子を前記負レンズ素子の像側に隣接するよう配し、前記第2レンズ群L2は、開口絞りSを含み、フォーカシングに際して、前記第2レンズ群L2が物体側に移動するとともに、前記第1レンズ群L1と、前記第3レンズ群L3とが像面に対して固定であり、以下の条件式を満足することを特徴とする。
Y/Bf > 0.70 (1)
但し、
Yは最大像高、
Bfは第3レンズ群L3の最も像側面の面頂から像面までの距離であり、
Aciは以下の式で表される。
Aci = φcpi/νdcpi + φcmi/νdcmi
但し、
φcpiは、前記第1レンズ群L1に含まれる物体側からi番目の接合レンズの正レンズ素子の屈折力、
νdcpiは、記第1レンズ群L1に含まれる物体側からi番目の接合レンズの正レンズ素子のアッベ数、
φcmiは、前記第1レンズ群L1に含まれる物体側からi番目の接合レンズの負レンズ素子の屈折力、
νdcmiは、記第1レンズ群L1に含まれる物体側からi番目の接合レンズの負レンズ素子のアッベ数である。
【0020】
なお、F線、d線、C線、の屈折率をそれぞれ、NF、Nd、NCとした場合、アッベ数νdは以下の式で表す。
νd = (Nd−1)/(NF−NC)
【0021】
第1レンズ群L1の最も物体側に負レンズ素子を配し、物体側に凸面を向けた正レンズ素子を前記負レンズ素子の像側に隣接するよう配することで、レンズ全系の像面湾曲補正、及びコマ収差補正を効果的に行うことができる。またさらに、第1レンズ群L1内に少なくとも1つの接合レンズを配することで、レンズ全系の軸上色収差補正を効果的に行うことができる。
【0022】
条件式(1)は、小型化のために、レンズ全系のバックフォーカスを規定したものである。
【0023】
条件式(1)の下限値を超え、レンズ全系のバックフォーカスが長くなると、レンズ全系の全長が増大するため、小型化に不利となる。
【0024】
なお、上述した条件式(1)について、下限値を0.75に規定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0025】
条件式(2)は、高性能化のため、第1レンズ群L1に含まれる接合レンズの1次の色消し条件の和を規定したものである。
【0026】
条件式(2)の上限値を超え、第1レンズ群L1に含まれる接合レンズの色消し条件の和が大きくなると、1次の色消しが不十分となるため、軸上色収差が悪化してしまう。
【0027】
なお、条件式(2)の上限値は0.0016に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0028】
さらに、第1レンズ群L1の最も像側に位置する正レンズ素子L1pが以下の条件式を満足することを特徴とする。
νdL1p < 27 (3)
0.0220 < ΔPgfL1p (4)
但し、
ΔPgfL1pは前記正レンズ素子L1pの異常分散性であり、以下の式で表される。
ΔPgfL1p = PgfL1p + 0.0018×νdL1p ― 0.64833
但し、
νdL1pは前記正レンズ素子L1pのアッベ数νd、
PgfL1pは前記正レンズ素子L1pのg線とF線に関する部分分散比Pgfである。
【0029】
条件式(3)及び(4)は、高性能化のため、正レンズ素子L1pのアッベ数νdと異常分散性ΔPgfを規定したものである。
【0030】
なお、g線、F線、d線、C線、の屈折率をそれぞれ、Ng、NF、Nd、NCとした場合、部分分散比Pgfは以下の式で表す。
Pgf = (Ng−NF)/(NF−NC)
【0031】
条件式(3)の上限値を超えると共に条件式(4)の下限値を超え、正レンズ素子L1pのアッベ数νdが大きくなると共に異常分散性ΔPgfが小さくなると、特に、2次スペクトルの補正が不足することで、軸上色収差が悪化してしまう。
【0032】
なお、条件式(3)の上限値は23、条件式(4)の下限値を0.0260、に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0033】
さらに、前記第1レンズ群L1の最も物体側の面から、像側に凹面を向けた負レンズ素子の像側の面までをレンズ成分L1fとし、前記レンズ成分L1fは負の屈折力を有し、以下の条件式を満足することを特徴とする。
−3.53 < f1f/f < −0.60 (5)
但し、
f1fは前記レンズ成分L1fの焦点距離、
fはレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
【0034】
条件式(5)は、小型化のため、レンズ成分L1fの屈折力を規定したものである。
【0035】
条件式(5)の上限値を超え、レンズ成分L1fの屈折力が強くなると、レンズ成分L1fでの発散作用が強くなるため、第1レンズ群L1のうちレンズ成分L1fよりも像側に配するレンズ素子での光線高が高くなり、レンズ径が増大するため、製品径の増加を招いてしまう。
【0036】
条件式(5)の下限値を超え、レンズ成分L1fの屈折力が弱くなると、レンズ成分L1fでの発散作用が弱くなるため、第1レンズ群L1のうちレンズ成分L1fよりも像側に配するレンズ成分での光線高は高くならないが、レンズ成分L1f自体での光線高が高くなり、レンズ径が増大するため、製品径の増大を招いてしまう。
【0037】
なお、条件式(5)上限値を―0.70、下限値を―3.20に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0038】
さらに、レンズ全系のうち、前記開口絞りSより物体側に配される全てのレンズ素子群をレンズ群Lsfとし、前記レンズ群Lsfは正の屈折力を有し、以下の条件式を満足することを特徴とする。
1.0 < fsf/f < 2.7 (6)
但し、
fsfは前記レンズ群Lsfの無限遠合焦時の焦点距離、
fはレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
【0039】
条件式(6)は、小型化と高性能化のため、前記レンズ群Lsfの屈折力を規定したものである。
【0040】
条件式(6)の上限値を超え、レンズ群Lsfの屈折力が弱くなると、開口絞りSでのF値光束径が増大するため、F値を維持しようとした場合に絞り径が増大し、絞りユニット径の増大、ひいては製品径の増大に繋がり、小型化に不利となる。
【0041】
条件式(6)の下限値を超え、レンズ群Lsfの屈折力が強くなると、開口絞りSでのF値光束径は減少するため、絞りユニット径が減少し、小型化には有利になる。一方、主にレンズ群Lsfで発生する像面湾曲が悪化し、これをレンズ全系で良好に補正することが困難となるため、高性能化に不利となる。
【0042】
なお、条件式(6)下限値を1.2、上限値を2.2に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0043】
さらに、以下の条件式を満足することを特徴とする。
1.0 < f2/f < 2.1 (7)
但し、
f2は前記第2レンズ群L2の焦点距離、
fはレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
【0044】
条件式(7)は、高性能化と小型化のため、第2レンズ群L2の屈折力を規定したものである。
【0045】
条件式(7)の下限値を超え、第2レンズ群L2の屈折力が強くなると、フォーカシングに際する移動量が小さくなるため、小型化には有利になるが、フォーカシングに際する非点収差や球面収差等、諸収差の変動が増大するだけでなく、製造誤差敏感度が大きくなるため、高性能化に不利となる。
【0046】
条件式(7)の上限値を超え、第2レンズ群L2の屈折力が弱くなると、フォーカシングに際する諸収差の変動は軽減するため、高性能化には有利になるが、フォーカシングに際する移動量が増大するため、小型化には不利となる。
【0047】
なお、上述した条件式(7)について、その下限値は1.1、また上限値は1.8に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0048】
さらに、以下の条件式を満足することを特徴とする。
β1b < 0.37 (8)
但し、
β1bは無限遠合焦時の前記第1レンズ群L1よりも像側に位置するレンズ素子群の横倍率である。
【0049】
条件式(8)は、高性能化のため、第1レンズ群L1よりも像側に位置するレンズ素子群の横倍率を規定したものである。
【0050】
条件式(8)の上限値を超え、第1レンズ群L1よりも像側に位置するレンズ素子群の横倍率が大きくなると、第1レンズ群L1で発生した収差が拡大されるため、高性能化には不利となる。
【0051】
なお、条件式(8)の上限値は0.31、に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0052】
以下、本発明にかかる結像光学系の実施例1乃至6の数値データを示す。
【0053】
[面データ]において、面番号は物体側から数えたレンズ面又は開口絞りの番号、rは各面の曲率半径、dは各面の間隔、ndはd線(波長λ=587.56nm)に対する屈折率、νdはd線に対するアッベ数を示す。また、BFはバックフォーカスを表し、空気の屈折率n=1.0000はその記載を省略する。
【0054】
面番号を付した(絞り)には、平面または開口絞りに対する曲率半径∞(無限大)を記入している。
【0055】
[非球面データ]には[面データ]において*を付したレンズ面の非球面形状を与える各係数値を示している。非球面の形状は、光軸に直交する方向への変位をy、非球面と光軸の交点から光軸方向への変位(サグ量)をz、コーニック係数をK、4、6、8、10、12次の非球面係数をそれぞれA4、A6、A8、A10、A12と置くとき、非球面の座標が以下の式で表わされるものとする。
【0056】
[各種データ]には、各焦点距離状態における焦点距離等の値を示している。
【0057】
[可変間隔データ]には、各焦点距離状態における可変間隔及びBF(バックフォーカス)の値を示している。
【0058】
[レンズ群データ]には、各レンズ群を構成する最も物体側の面番号及び群全体の合成焦点距離を示している。なお、以下の全ての諸元の値において、記載している焦点距離f、曲率半径r、レンズ面間隔d、その他の長さの単位は特記のない限りミリメートル(mm)を使用するが、光学系では比例拡大と比例縮小とにおいても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。
【0059】
また、各実施例に対応する収差図において、d、g、Cはそれぞれd線、g線、C線を表しており、ΔS、ΔMはそれぞれサジタル像面、メリジオナル像面を表している。
さらに図1、6、11、16、21、26に示すレンズ構成図において、Sは開口絞り、Iは像面、LPFはローパスフィルター、中心を通る一点鎖線は光軸である。
【実施例1】
【0060】
図1は、実施例1に係る結像光学系の無限遠におけるレンズ構成図である。実施例1の結像光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカシング時に固定の正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、フォーカシング時に物体側に移動し正の屈折力を有する第2レンズ群L2と、フォーカシング時に固定の負の屈折力を有する第3レンズ群L3とから構成される。
【0061】
第1レンズ群L1は、物体側から像側へ順に、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズと両凹レンズとで構成されるレンズ成分L1fと、両凸レンズと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと、両凸レンズ素子L1pとから構成される。
【0062】
第2レンズ群L2は、物体側から像側へ順に、R2面が非球面の両凸レンズと、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズと、絞りSと、両凹レンズと物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズの接合レンズと両凸レンズと、R1面とR2面両面が非球面で物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズとから構成される。
【0063】
第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に、両凸レンズと、両凹レンズとから構成される。
【0064】
続いて、以下に実施例1に係る結像光学系の諸元値を示す。
【0065】
数値実施例1
単位:mm
[面データ]
面番号 r d nd vd
物面 ∞ (d0)
1 259.2005 3.9656 1.49700 81.61
2 36.0489 1.8284
3 40.4512 6.7840 2.00069 25.46
4 48.7346 13.5960
5 -50.0535 2.0000 1.49700 81.61
6 444.9340 0.1500
7 102.4616 9.9748 1.77250 49.62
8 -57.2347 0.7113
9 -52.7837 1.5000 1.80518 25.46
10 62.5000 11.0746 1.77250 49.62
11 -70.2116 3.1864
12 -72.1569 1.5000 1.92119 23.96
13 90.1742 5.8741 1.77250 49.62
14 -1000.0000 0.1500
15 132.7624 7.8334 1.98612 16.48
16 -112.3961 d16
17 42.1510 10.6553 1.69350 53.20
18* -192.5256 0.4054
19 2870.6010 7.9394 1.59349 67.00
20 -41.6908 1.0000 1.67300 38.26
21 43.2474 6.3397
22(絞り) ∞ 6.8810
23 -30.4885 1.0000 1.69895 30.05
24 152.7244 2.8633 1.55032 75.50
25 683.1561 0.2000
26 72.4204 8.5969 1.77250 49.62
27 -45.9138 3.9524
28* -442.9462 4.3093 1.77250 49.50
29* -68.8452 d29
30 71.3653 4.3854 2.00069 25.46
31 -244.4417 0.7125
32 -146.9124 0.8000 1.78470 26.29
33 41.7634 20.9913
34 ∞ 2.5000 1.51680 64.20
35 ∞ BF
像面 ∞

[非球面データ]
18面 28面 29面
K 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
A4 1.7905E-06 -4.1058E-06 1.9868E-06
A6 -1.7282E-09 -7.3230E-09 -5.1825E-09
A8 9.5181E-13 3.9434E-11 3.9444E-11
A10 -5.0029E-16 -5.8666E-14 -5.0984E-14
A12 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00

[各種データ]
INF
焦点距離 48.30
Fナンバー 1.26
全画角2ω 48.80
像高Y 21.63
レンズ全長 165.00

[可変間隔データ]
INF 撮影距離2059mm
d0 ∞ 1894.2816
d16 8.8392 7.7209
d29 1.5000 2.6183
BF 1.0000 1.0000

[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
L1 1 187.14
L2 17 64.05
L3 30 -200.77
L1f 1 -54.52
Lsf 1 69.94
【実施例2】
【0066】
図6は、実施例2に係る結像光学系の無限遠におけるレンズ構成図である。実施例2の結像光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカシング時に固定の正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、フォーカシング時に物体側に移動し正の屈折力を有する第2レンズ群L2と、フォーカシング時に固定の負の屈折力を有する第3レンズ群L3とから構成される。
【0067】
第1レンズ群L1は、物体側から像側へ順に、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズと両凹レンズとで構成されるレンズ成分L1fと、両凸レンズと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと、両凸レンズ素子L1pとから構成される。
【0068】
第2レンズ群L2は、物体側から像側へ順に、R2面が非球面の両凸レンズと、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズと両凹レンズの接合レンズと、絞りSと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと両凸レンズと、R1面とR2面両面が非球面で物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズとから構成される。
【0069】
第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に、両凸レンズと、両凹レンズとから構成される。
【0070】
続いて、以下に実施例2に係る結像光学系の諸元値を示す。
【0071】
数値実施例2
単位:mm
[面データ]
面番号 r d nd vd
物面 ∞ (d0)
1 329.2217 2.5000 1.49700 81.61
2 37.8223 1.5392
3 41.4152 6.6962 2.00069 25.46
4 49.9917 13.5883
5 -57.1815 2.0000 1.49700 81.61
6 754.3452 0.1500
7 98.1553 9.5005 1.77250 49.62
8 -69.9522 0.5964
9 -64.9402 1.5000 1.80518 25.46
10 62.5000 12.1207 1.77250 49.62
11 -80.2691 7.6735
12 -67.4612 1.5000 1.92119 23.96
13 90.1864 5.5629 1.77250 49.62
14 -1000.0000 0.1500
15 113.4358 7.4188 1.98612 16.48
16 -131.3073 d16
17 46.3689 9.9520 1.77377 47.17
18* -197.7804 1.2969
19 -303.0475 7.7510 1.62041 60.34
20 -36.9798 1.0000 1.63980 34.46
21 44.2758 4.8849
22(絞り) ∞ 6.9054
23 -30.1848 1.0000 1.69895 30.05
24 194.4879 3.3785 1.55032 75.50
25 -270.8956 0.2000
26 74.8673 8.0566 1.77250 49.62
27 -50.0318 5.7227
28* -845.2086 4.2281 1.77250 49.50
29* -74.7984 d29
30 68.2901 4.4272 2.00069 25.46
31 -257.0025 0.7402
32 -148.0556 0.8000 1.78470 26.29
33 38.8678 19.3766
34 ∞ 2.5000 1.51680 64.20
35 ∞ BF
像面 ∞

[非球面データ]
18面 28面 29面
K 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
A4 1.4731E-06 -5.4481E-06 1.1966E-06
A6 -1.3492E-09 -5.6829E-09 -3.8825E-09
A8 8.1394E-13 3.2756E-11 3.3851E-11
A10 -4.5812E-16 -4.5885E-14 -4.1154E-14
A12 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00

[各種データ]
INF
焦点距離 48.30
Fナンバー 1.26
全画角2ω 48.26
像高Y 21.63
レンズ全長 165.00

[可変間隔データ]
INF 撮影距離2058mm
d0 ∞ 1892.8607
d16 7.7833 6.6929
d29 1.5000 2.5904
BF 1.0000 1.0000

[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
L1 1 209.80
L2 17 60.78
L3 30 -173.23
L1f 1 -60.78
Lsf 1 71.87
【実施例3】
【0072】
図11は、実施例3に係る結像光学系の無限遠におけるレンズ構成図である。実施例11の結像光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカシング時に固定の正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、フォーカシング時に物体側に移動し正の屈折力を有する第2レンズ群L2と、フォーカシング時に固定の負の屈折力を有する第3レンズ群L3とから構成される。
【0073】
第1レンズ群L1は、物体側から像側へ順に、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズの接合レンズと物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズとで構成されるレンズ成分L1fと、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズと両凸レンズの接合レンズと、両凸レンズ素子L1pとから構成される。
【0074】
第2レンズ群L2は、物体側から像側へ順に、R2面が非球面の両凸レンズと、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズと両凹レンズの接合レンズと、絞りSと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと両凸レンズと、R1面とR2面両面が非球面で物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズとから構成される。
【0075】
第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズで構成される。
【0076】
続いて、以下に実施例3に係る結像光学系の諸元値を示す。
【0077】
数値実施例3
単位:mm
[面データ]
面番号 r d nd vd
物面 ∞ (d0)
1 200.9822 1.8000 1.49700 81.61
2 43.4726 6.5224 1.85026 32.27
3 70.0835 4.0432
4 126.2598 2.0000 1.51742 52.15
5 39.8554 9.8773
6 -158.2148 3.1251 1.77250 49.62
7 -79.5276 2.9894
8 -45.6289 1.5000 1.85478 24.80
9 37.7292 12.5622 1.77250 49.62
10 -632.3971 0.4149
11 2107.4248 1.0000 1.63980 34.46
12 93.2276 5.4458 1.77250 49.62
13 -1000.0000 0.1500
14 98.7068 8.1636 1.92286 20.88
15 -112.0714 d15
16 50.4845 9.5645 1.77377 47.17
17* -137.8916 0.2961
18 -1734.9315 9.1393 1.62041 60.34
19 -45.1824 1.0000 1.63980 34.46
20 43.0199 9.1027
21(絞り) ∞ 11.6205
22 -26.9583 1.0000 1.69895 30.05
23 53.1245 5.2119 1.55032 75.50
24 -132.8172 0.2000
25 86.7699 7.0512 1.77250 49.62
26 -40.0307 0.2000
27* -324.7949 2.8048 1.77250 49.50
28* -65.1019 d28
29 83.6872 4.6258 2.00069 25.46
30 -230.4316 1.5000 1.78470 26.29
31 45.1994 22.9280
32 ∞ 2.5000 1.51680 64.20
33 ∞ BF
像面 ∞

[非球面データ]
17面 27面 28面
K 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
A4 2.4425E-06 -3.4754E-06 2.8623E-06
A6 -1.3075E-09 -2.8304E-09 -1.9050E-09
A8 6.1584E-13 3.3147E-11 3.3778E-11
A10 -2.2459E-16 -7.6000E-14 -7.1102E-14
A12 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00

[各種データ]
INF
焦点距離 41.35
Fナンバー 1.26
全画角2ω 57.17
像高Y 21.63
レンズ全長 157.00

[可変間隔データ]
INF 撮影距離1774mm
d0 ∞ 1617.3263
d15 6.1614 5.2301
d28 1.5000 2.4313
BF 1.0000 1.0000

[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
L1 1 347.73
L2 16 56.46
L3 29 -261.51
L1f 1 -104.33
Lsf 1 67.09
【実施例4】
【0078】
図16は、実施例4に係る結像光学系の無限遠におけるレンズ構成図である。実施例4の結像光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカシング時に固定の正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、フォーカシング時に物体側に移動し正の屈折力を有する第2レンズ群L2と、フォーカシング時に固定の負の屈折力を有する第3レンズ群L3とから構成される。
【0079】
第1レンズ群L1は、物体側から像側へ順に、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズと両凹レンズとで構成されるレンズ成分L1fと、両凸レンズと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと、両凸レンズ素子L1pとから構成される。
【0080】
第2レンズ群L2は、物体側から像側へ順に、R2面が非球面の両凸レンズと、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズと両凹レンズの接合レンズと、絞りSと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと両凸レンズと、R1面とR2面両面が非球面で物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズとから構成される。
【0081】
第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズで構成される。
【0082】
続いて、以下に実施例4に係る結像光学系の諸元値を示す。
【0083】
数値実施例4
単位:mm
[面データ]
面番号 r d nd vd
物面 ∞ (d0)
1 222.3721 1.8000 1.49700 81.61
2 34.3733 1.5298
3 37.6422 3.8385 2.00069 25.46
4 42.1300 14.1236
5 -51.5735 2.0000 1.58144 40.89
6 122.0687 0.1500
7 70.9733 10.7653 1.80610 40.93
8 -61.1105 0.7239
9 -55.6180 1.5000 1.85478 24.80
10 40.8062 15.5122 1.77250 49.62
11 -61.0719 1.5640
12 -54.5483 1.0000 1.63980 34.46
13 76.3102 6.3012 1.77250 49.62
14 -981.9588 0.1500
15 85.3542 6.6457 1.98612 16.48
16 -433.5515 d16
17 52.3247 9.1585 1.77377 47.17
18* -141.5547 0.6202
19 -593.8396 5.9536 1.62041 60.34
20 -55.2310 4.2677 1.63980 34.46
21 47.8028 5.4564
22(絞り) ∞ 11.1877
23 -27.4538 1.0000 1.69895 30.05
24 48.7275 4.8646 1.55032 75.50
25 -194.7129 0.2000
26 79.5877 6.5984 1.77250 49.62
27 -39.6483 1.3762
28* -702.3955 3.9400 1.77250 49.50
29* -66.0217 d29
30 248.0233 3.3994 2.00069 25.46
31 -178.8404 1.5000 1.78470 26.29
32 61.7251 19.1129
33 ∞ 2.5000 1.51680 64.20
34 ∞ BF
像面 ∞

[非球面データ]
18面 28面 29面
K 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
A4 2.5132E-06 -2.8168E-06 5.0736E-06
A6 -1.7612E-09 -1.2444E-08 -1.0663E-08
A8 1.2109E-12 5.7415E-11 5.4065E-11
A10 -5.5710E-16 -1.1822E-13 -1.0223E-13
A12 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00

[各種データ]
INF
焦点距離 41.35
Fナンバー 1.26
全画角2ω 57.17
像高Y 21.63
レンズ全長 157.00

[可変間隔データ]
INF 撮影距離1774mm
d0 ∞ 1616.8603
d16 5.5884 4.7640
d29 1.6726 2.4970
BF 1.0000 1.0000

[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
L1 1 157.05
L2 17 53.18
L3 30 -136.32
L1f 1 -37.66
Lsf 1 53.87
【実施例5】
【0084】
図21は、実施例5に係る結像光学系の無限遠におけるレンズ構成図である。実施例5の結像光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカシング時に固定の正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、フォーカシング時に物体側に移動し正の屈折力を有する第2レンズ群L2と、フォーカシング時に固定の負の屈折力を有する第3レンズ群L3とから構成される。
【0085】
第1レンズ群L1は、物体側から像側へ順に、R1面が非球面で物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズと両凹レンズとで構成されるレンズ成分L1fと、両凸レンズと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと、両凸レンズ素子L1pとから構成される。
【0086】
第2レンズ群L2は、物体側から像側へ順に、R2面が非球面の両凸レンズと、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズと、絞りSと、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズと両凹レンズの接合レンズと、両凸レンズと、R1面とR2面両面が非球面で物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズとから構成される。
【0087】
第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に、物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズの接合レンズで構成される。
【0088】
続いて、以下に実施例5に係る結像光学系の諸元値を示す。
【0089】
数値実施例5
単位:mm
[面データ]
面番号 r d nd vd
物面 ∞ (d0)
1* 139.6509 1.8000 1.55332 71.72
2 31.3080 3.3519
3 40.1764 3.0537 2.00069 25.46
4 42.3174 14.1738
5 -41.6381 2.0000 1.75520 27.53
6 382.0476 0.1500
7 111.9078 9.4662 1.96300 24.11
8 -57.1565 2.0984
9 -44.8777 1.5000 1.69895 30.05
10 47.2106 13.4687 1.77250 49.62
11 -52.4616 1.3809
12 -48.0680 1.0000 1.85478 24.80
13 214.4413 6.4438 1.77250 49.62
14 -86.3080 0.1500
15 99.2021 5.5781 1.98612 16.48
16 -1000.0000 d16
17 49.7362 9.5105 1.77250 49.50
18* -139.0619 0.1500
19 3282.6280 5.8767 1.60311 60.69
20 -60.6030 4.4210 1.69895 30.05
21 44.8147 5.8050
22(絞り) ∞ 11.1520
23 -34.6547 3.8628 1.45860 90.20
24 -20.6907 1.0000 1.73800 32.33
25 1885.5546 0.2000
26 90.5393 6.6762 1.78590 43.93
27 -35.7077 1.5067
28* -765.1479 2.6780 1.88202 37.11
29* -75.0558 d29
30 98.7964 3.2313 1.77250 49.62
31 548.6746 1.5000 1.63980 34.46
32 55.0055 20.4705
33 ∞ 2.5000 1.51680 64.20
34 ∞ BF
像面 ∞

[非球面データ]
1面 18面 28面 29面
K 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
A4 9.0624E-07 2.5314E-06 -4.0336E-06 1.9377E-06
A6 -4.6241E-11 -1.6401E-09 -1.1965E-08 -9.6277E-09
A8 9.1123E-13 9.1729E-13 8.4262E-11 8.4381E-11
A10 -1.3268E-15 -2.8599E-16 -1.8017E-13 -1.6731E-13
A12 9.0487E-19 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00

[各種データ]
INF
焦点距離 36.19
Fナンバー 1.25
全画角2ω 64.18
像高Y 21.63
レンズ全長 157.00

[可変間隔データ]
INF 撮影距離1754mm
d0 ∞ 1416.9900
d16 8.3439 7.5156
d29 1.5000 2.3283
BF 1.0000 1.0000

[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
L1 1 163.04
L2 17 57.63
L3 30 -262.85
L1f 1 -27.86
Lsf 1 53.74
【実施例6】
【0090】
図26は、実施例6に係る結像光学系の無限遠におけるレンズ構成図である。実施例6の結像光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカシング時に固定の正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、フォーカシング時に物体側に移動し正の屈折力を有する第2レンズ群L2と、フォーカシング時に固定の負の屈折力を有する第3レンズ群L3とから構成される。
【0091】
第1レンズ群L1は、物体側から像側へ順に、R1面とR2面両面が非球面で物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズと両凸レンズと両凹レンズとで構成されるレンズ成分L1fと、両凸レンズと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと、両凸レンズ素子L1pとから構成される。
【0092】
第2レンズ群L2は、物体側から像側へ順に、R2面が非球面の両凸レンズと、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズと両凹レンズの接合レンズと、絞りSと、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズと両凹レンズの接合レンズと、両凸レンズと、R1面とR2面両面が非球面で物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズとから構成される。
【0093】
第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズと物体側に凹面を向けた凹メニスカスレンズとから構成される。
【0094】
続いて、以下に実施例6に係る結像光学系の諸元値を示す。
【0095】
数値実施例6
単位:mm
[面データ]
面番号 r d nd vd
物面 ∞ (d0)
1* 497.7501 3.8955 1.55332 71.72
2* 27.0268 9.5737
3 177.2296 3.5743 2.00069 25.46
4 -1650.6743 8.5003
5 -35.1153 5.0986 1.75520 27.53
6 3650.2461 0.1500
7 91.8368 9.0944 1.96300 24.11
8 -62.8278 1.4724
9 -49.5290 1.5000 1.69895 30.05
10 39.9398 13.0709 1.77250 49.62
11 -54.6718 5.2590
12 -42.4436 1.0000 1.85478 24.80
13 217.0651 5.5505 1.77250 49.62
14 -79.6234 0.1500
15 82.6353 5.2089 1.98612 16.48
16 -1000.0000 d16
17 55.2793 7.4436 1.77250 49.50
18* -104.7961 0.9456
19 -243.8387 4.1503 1.60311 60.69
20 -62.2588 1.0000 1.69895 30.05
21 43.1707 4.7727
22(絞り) ∞ 8.8160
23 -668.0246 7.3315 1.45860 90.20
24 -20.2908 2.5051 1.73800 32.33
25 271.3960 0.2000
26 74.4126 7.9008 1.78590 43.93
27 -38.5560 1.9168
28* -957.5724 4.1375 1.88202 37.22
29* -82.1503 d29
30 33.6124 1.0000 1.53172 48.84
31 25.7096 8.1281
32 -80.2924 1.0000 1.49700 81.61
33 -253.4720 12.5001
34 ∞ 2.5000 1.51680 64.20
35 ∞ BF
像面 ∞

[非球面データ]
1面 2面 18面 28面 29面
K 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
A4 2.2184E-06 -1.9337E-06 4.3977E-06 -6.9997E-06 -1.6405E-06
A6 -2.0858E-09 -6.2114E-09 -3.3590E-09 -1.6027E-09 8.1756E-11
A8 3.4379E-12 5.5145E-12 2.7509E-12 4.1894E-11 4.5542E-11
A10 -3.1012E-15 -1.4533E-14 -2.0239E-15 -7.8139E-14 -7.1688E-14
A12 1.5381E-18 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00

[各種データ]
INF
焦点距離 28.90
Fナンバー 1.25
全画角2ω 76.94
像高Y 21.63
レンズ全長 157.00

[可変間隔データ]
INF 撮影距離1281mm
d0 ∞ 1124.3538
d16 5.1534 4.5949
d29 1.5000 2.0585
BF 1.0000 1.0000

[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
L1 1 101.14
L2 17 44.54
L3 30 -111.36
L1f 1 -24.83
Lsf 1 59.09
【0096】
次の[条件式対応値]には、各条件式に対応する各実施例の対応値の一覧を示す。
【0097】
[条件式対応値]
条件式1 条件式2 条件式3 条件式4
実施例 Y/Bf |ΣAci| νdL1p ΔPgfL1p
1 0.88 0.0014 16.48 0.0470
2 0.95 0.0014 16.48 0.0470
3 0.82 0.0011 20.88 0.0283
4 0.96 0.0012 16.48 0.0470
5 0.90 0.0011 16.48 0.0470
6 1.35 0.0011 16.48 0.0470

条件式5 条件式6 条件式7 条件式8
実施例 f1f/f fsf/f f2/f β1b
1 -1.13 1.4 1.3 0.26
2 -1.26 1.5 1.3 0.23
3 -2.52 1.6 1.4 0.12
4 -0.91 1.3 1.3 0.26
5 -0.77 1.5 1.6 0.22
6 -0.86 2.0 1.5 0.29
【0098】
各実施例の諸収差図から明らかなとおり、本発明によれば、従来の結像光学系の課題であった軸上色収差を良好に補正し、ミラーレスカメラに最適な結像光学系を提供することができる。
【符号の説明】
【0099】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L1f レンズ成分L1f
Lsf レンズ群Lsf
L1p レンズ素子L1p
S 開放絞り
LPF ローパスフィルター
I 像面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30