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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-215589(P2019-215589A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20191122BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
   G06F13/00 610F
   G06F13/00 520R
   H04M1/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-202144(P2016-202144)
(22)【出願日】2016年10月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120204
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 巌
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】高橋 将長
(72)【発明者】
【氏名】兼國 雄介
(72)【発明者】
【氏名】村田 淳
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 岳男
【テーマコード(参考)】
5B084
5K127
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA03
5B084AB32
5B084AB37
5B084BB01
5B084CE06
5B084CE20
5B084DC05
5K127BA03
5K127BA10
5K127BB16
5K127BB22
5K127BB33
5K127DA15
5K127FA02
5K127GA18
5K127GA30
5K127JA04
5K127JA42
(57)【要約】
【課題】メール件数や携帯端末の機種の違いによるユーザビリティの低下を抑制することが可能な通信装置を提供する。
【解決手段】携帯端末20との間の近距離無線通信が可能な通信部11を備え、近距離無線通信を用いて携帯端末20からメールリストを受信すると共に、所定のメール操作を行うことができる通信装置10であって、メールリストのメール件数に関する件数情報と携帯端末20の機種に関する機種情報とを携帯端末20から入手するための情報入手部15と、メールリストの受信を開始してから所定の設定時間が経過した場合に強制的にメールリストの受信を終了させるためのタイマー16と、情報入手部15が携帯端末20から入手した件数情報と機種情報とに基づいて設定時間を決定するためのタイマー時間設定部17と、が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末との間の近距離無線通信が可能な通信手段を備え、前記近距離無線通信を用いて前記携帯端末からメールリストを受信すると共に、受信した前記メールリストに基づいて所定のメール操作を行うことができる通信装置であって、
前記メールリストのメール件数に関する件数情報と前記携帯端末の機種に関する機種情報とを前記携帯端末から入手するための情報入手手段と、
前記メールリストの受信を開始してから所定の設定時間が経過した場合に強制的に前記メールリストの受信を終了させるためのタイマーと、
前記情報入手手段が前記携帯端末から入手した前記件数情報と前記機種情報とに基づいて前記設定時間を決定するためのタイマー時間設定手段と、が設けられた、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記携帯端末との前記近距離無線通信による通信接続を確立する通信接続ステップと、
前記通信接続が確立した後に前記件数情報と前記機種情報との送信を前記携帯端末に要求する情報要求ステップと、
前記情報要求ステップに対応して前記携帯端末から送信される前記件数情報及び前記機種情報を受信する情報受信ステップと、
受信した前記件数情報と前記機種情報とに基づいて前記設定時間を決定するタイマー時間設定ステップと、
前記設定時間を決定した後に前記携帯端末からの前記メールリストの受信を開始する受信開始ステップと、を含む手順に従って前記メールリストの受信動作を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記タイマー時間設定手段は、前記メール件数が所定値未満であるか、又は、前記携帯端末が特定機種以外であれば、前記設定時間を短くし、
前記メール件数が所定値以上であり、且つ、前記携帯端末が特定機種である場合には、前記設定時間を長くするように、前記設定時間を決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記メールリストの受信を強制的に中断させるための中断操作の有無を検出するための操作検出手段が設けられ、
前記操作検出手段が前記中断操作を検出した時には、前記メールリストの受信を開始してから前記設定時間が経過していなくても、強制的に前記メールリストの受信を終了させる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項5】
前記携帯端末との間の通信環境を監視するための通信環境監視手段が設けられ、
前記通信環境監視手段が前記通信環境の異常を検出した時には、前記メールリストの受信を開始してから前記設定時間が経過していなくても、強制的に前記メールリストの受信を終了させる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の通信装置。
【請求項6】
前記メールリスト及び前記件数情報に対応した大容量のデータを送受信するための第1通信機能と、前記機種情報に対応した小容量のデータを送受信するための第2通信機能と、の両方の通信機能を用いて前記携帯端末との間で通信接続可能であり、
前記第1通信機能を用いて前記メールリスト及び前記件数情報を前記携帯端末から受信し、前記第2通信機能を用いて前記機種情報を前記携帯端末から受信すると共に、
前記第2通信機能を用いて前記通信装置と前記携帯端末との間の通信環境を監視する、
ことを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記携帯端末と前記通信装置との通信プロトコルを監視するためのプロトコル監視手段が設けられ、
前記プロトコル監視手段が前記通信プロトコルの異常を検出した時には、前記メールリストの受信を開始してから前記設定時間が経過していなくても、強制的に前記メールリストの受信を終了させる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項8】
車両に搭載されていると共に、前記携帯端末との間の前記近距離無線通信を用いて、ハンズフリー状態で所定のメール操作を行うことができる車載ハンズフリー装置である、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に係り、特に携帯端末との間の近距離無線通信を用いたメールリストの送受信に適した通信装置に係る。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両内等において、ハンズフリーシステムを用いた通話が行われている。ハンズフリーシステムは、通話を行うための携帯端末と、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))等の近距離無線通信技術を利用したハンズフリー装置と、によって構成される。一般的に、ハンズフリー装置は、無線通信機能が付加されたカーナビゲーション機器等の車載電装ユニットであることが多い。音声通話のためのマイクやスピーカは車両内の運転席近辺に取り付けられている。着信音は携帯端末によって鳴音させることもできるが、車両内に取り付けられたスピーカによって鳴音させることもできる。
【0003】
また、近年では、ブルートゥース(登録商標)のMAP(Message Access Profile)機能等を用いて携帯端末からメールリストを取得し、車載装置側でメールリストを閲覧できるような技術も提案されている。このようなハンズフリー装置である車載装置900が特許文献1に開示されている。車載装置900を図9に示す。
【0004】
車載装置900及び携帯装置910を接続してメール情報の交換を行うためのメッセージアクセスプロファイルと、車載装置900及び携帯装置910を接続してハンズフリー通話機能を実現するためのハンズフリープロファイルと、を用いて電話機能および電子メール機能が実行される。車載装置900は、メッセージアクセスプロファイルとハンズフリープロファイルとをマルチプロファイル動作させる手段を備えている。
【0005】
このような構成によって、車載装置と携帯装置とを近距離無線通信を介して接続し、電子メールの送受信を行って、車載装置側でメールリストを閲覧することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−233087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献1に開示されたような車載装置900においては、以下のような問題があった。
【0008】
通常、このような通信装置では、所定の時間内にメールリストの受信を終了させるようにタイマー等を用いた時間設定がなされている。一方、メールリストの送信手順には携帯端末の機種によって違いが有り、同じメール件数に対してメールリストの送信時間が長くなる機種も存在している。そのため、メール件数と携帯端末の機種との組合せによっては、メールリストの受信が不完全な状態でデータの受信が終了してしまう場合があり、その結果、メールリストの受信を円滑に行えなくなって、ユーザビリティの低下を来たす可能性が有った。
【0009】
このような事態に対応するため、送信時間の長い機種に合わせてタイマーの設定時間を一律に延長する方法も考えられる。しかし、その場合には、通信環境の悪化、プロトコル上のエラー等が発生した時に無駄な待ち時間が発生して、やはり、メールリストの受信を円滑に行えなくなって、ユーザビリティの低下を来たす可能性が有った。
【0010】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、メール件数や携帯端末の機種の違いによる受信の不具合を防止し、円滑なメールリストの受信を行なうことができて、ユーザビリティの低下を抑制することが可能な通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題を解決するために、本発明の通信装置は、携帯端末との間の近距離無線通信が可能な通信手段を備え、前記近距離無線通信を用いて前記携帯端末からメールリストを受信すると共に、受信した前記メールリストに基づいて所定のメール操作を行うことができる通信装置であって、前記メールリストのメール件数に関する件数情報と前記携帯端末の機種に関する機種情報とを前記携帯端末から入手するための情報入手手段と、前記メールリストの受信を開始してから所定の設定時間が経過した場合に強制的に前記メールリストの受信を終了させるためのタイマーと、前記情報入手手段が前記携帯端末から入手した前記件数情報と前記機種情報とに基づいて前記設定時間を決定するためのタイマー時間設定手段と、が設けられた、という特徴を有する。
【0012】
このように構成された通信装置は、メールリストの件数情報と携帯端末の機種情報とに基づいてタイマーの設定時間を決定するため、メールリストの受信が不完全な状態でデータの受信が終了してしまうことを防ぎつつ、無駄な待ち時間の発生を防いで円滑なメールリストの受信を行なうができる。その結果、メール件数や携帯端末の機種の違いによる受信の不具合を防止し、円滑なメールリストの受信を行なうことができて、ユーザビリティの低下を抑制することが可能になる。
【0013】
また、上記の構成において、前記携帯端末との前記近距離無線通信による通信接続を確立する通信接続ステップと、前記通信接続が確立した後に前記件数情報と前記機種情報との送信を前記携帯端末に要求する情報要求ステップと、前記情報要求ステップに対応して前記携帯端末から送信される前記件数情報及び前記機種情報を受信する情報受信ステップと、受信した前記件数情報と前記機種情報とに基づいて前記設定時間を決定するタイマー時間設定ステップと、前記設定時間を決定した後に前記携帯端末からの前記メールリストの受信を開始する受信開始ステップと、を含む手順に従って前記メールリストの受信動作を行う、という特徴を有する。
【0014】
このように構成された通信装置では、通信接続確立後に、情報の入手とタイマーの設定時間の決定とメールリストの受信とを一連の動作で行うことができるので、操作を簡単に行うことができる。
【0015】
また、上記の構成において、前記タイマー時間設定手段は、前記メール件数が所定値未満であるか、又は、前記携帯端末が特定機種以外であれば、前記設定時間を短くし、前記メール件数が所定値以上であり、且つ、前記携帯端末が特定機種である場合には、前記設定時間を長くするように、前記設定時間を決定する、という特徴を有する。
【0016】
このように構成された通信装置では、メール件数が所定値以上であり、且つ、携帯端末が特定機種である場合に限定してタイマーの設定時間を長くするので、設定時間の長時間化を必要最小限にすることができ、無駄な待ち時間を更に抑制することができる。
【0017】
また、上記の構成において、前記メールリストの受信を強制的に中断させるための中断操作の有無を検出するための操作検出手段が設けられ、前記操作検出手段が前記中断操作を検出した時には、前記メールリストの受信を開始してから前記設定時間が経過していなくても、強制的に前記メールリストの受信を終了させる、という特徴を有する。
【0018】
このように構成された通信装置は、操作検出手段を設けて、メールリストの受信を強制的に中断させるための中断操作を可能としたため、不要なメールリストの受信をなくしたり、メール件数や携帯端末の機種の違い以外の要因による無駄な待ち時間の発生を防いだりすることができ、更に円滑なメールリストの受信が可能になる。
【0019】
また、上記の構成において、前記携帯端末との間の通信環境を監視するための通信環境監視手段が設けられ、前記通信環境監視手段が前記通信環境の異常を検出した時には、前記メールリストの受信を開始してから前記設定時間が経過していなくても、強制的に前記メールリストの受信を終了させる、という特徴を有する。
【0020】
このように構成された通信装置では、通信環境監視手段を設けたことによって通信環境の異常に伴う無駄な待ち時間の発生を事前に防ぐことができ、更に円滑なメールリストの受信が可能になる。
【0021】
また、上記の構成において、前記メールリスト及び前記件数情報に対応した大容量のデータを送受信するための第1通信機能と、前記機種情報に対応した小容量のデータを送受信するための第2通信機能と、の両方の通信機能を用いて前記携帯端末との間で通信接続可能であり、前記第1通信機能を用いて前記メールリスト及び前記件数情報を前記携帯端末から受信し、前記第2通信機能を用いて前記機種情報を前記携帯端末から受信すると共に、前記第2通信機能を用いて前記通信装置と前記携帯端末との間の通信環境を監視する、という特徴を有する。
【0022】
このように構成された通信装置では、第1通信機能と第2通信機能とを使い分けてデータの送受信を行うと共に、第2通信機能を用いて通信環境の監視も行うことで、データの送受信と通信環境の監視とを効率良く行うことができる。
【0023】
また、上記の構成において、前記携帯端末と前記通信装置との通信プロトコルを監視するためのプロトコル監視手段が設けられ、前記プロトコル監視手段が前記通信プロトコルの異常を検出した時には、前記メールリストの受信を開始してから前記設定時間が経過していなくても、強制的に前記メールリストの受信を終了させる、という特徴を有する。
【0024】
このように構成された通信装置では、プロトコル監視手段を設けたことによって、通信プロトコルの異常に伴う無駄な待ち時間の発生を事前に防ぐことができ、更に円滑なメールリストの受信が可能になる。
【0025】
また、上記の構成において、車両に搭載されていると共に、前記携帯端末との間の前記近距離無線通信を用いて、ハンズフリー状態で所定のメール操作を行うことができる車載ハンズフリー装置である、という特徴を有する。
【0026】
このように構成された通信装置は、車載ハンズフリー装置であるため、車室内で円滑なメールリストの受信を行なうことが容易にできる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の通信装置は、メールリストの件数情報と携帯端末の機種情報とに基づいてタイマーの設定時間を決定するため、メールリストの受信が不完全な状態でデータの受信が終了してしまうことを防ぎつつ、無駄な待ち時間の発生を防いで円滑なメールリストの受信を行なうができる。その結果、メール件数や携帯端末の機種の違いによる受信の不具合を防止し、円滑なメールリストの受信を行なうことができて、ユーザビリティの低下を抑制することが可能な通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1実施形態に係るハンズフリーシステムのブロック図である。
図2】通信装置と携帯端末との関係を示すシーケンスチャートである。
図3】メールリストの受信動作を示すフローチャートの前半部分である。
図4】メールリストの受信動作を示すフローチャートの後半部分である。
図5】第1変形例に係るメールリストの受信動作を示すフローチャートの前半部分である。
図6】第1変形例に係るメールリストの受信動作を示すフローチャートの後半部分である。
図7】第2変形例に係るメールリストの受信動作を示すフローチャートの前半部分である。
図8】第2変形例に係るメールリストの受信動作を示すフローチャートの後半部分である。
図9】従来例に係る車載装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
最初に、第1実施形態に係る通信装置10及びハンズフリーシステム30の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るハンズフリーシステム30の構成例を概略的に示すブロック図である。
【0031】
図1に示すように、通信装置10は、携帯端末20と共にハンズフリーシステム30を構成している。ハンズフリーシステム30は、通信装置10と携帯端末20とを車両(図示せず)の車室内に配置し通信接続させた状態で、いわゆる「ハンズフリー通話」機能を提供することができるシステムである。即ち、通信装置10は、ハンズフリー状態での通話及び所定のメール操作を行うことができる車載ハンズフリー装置である。
【0032】
通信装置10は、無線通信機能が付加されたカーナビゲーション機器等の車載電装ユニットであり、このような車載電装ユニットは、例えば走行経路誘導機能を有するほか、オーディオ再生機能やビデオ再生機能、ラジオ、テレビ等の受信機能等を有する。
【0033】
このため通信装置10には、携帯端末20との間でブルートゥース規格に準拠した近距離無線通信が可能な通信部11(通信手段)と、液晶ディプレイ等の表示部12と、表示部12と一体的に構成されたタッチパネル等の操作部13(操作検出手段)と、装置の各部を制御するための制御部14と、が設けられているほか、図示しないオーディオ出力用のスピーカや、集音用のマイク等の周辺設備も設けられている。尚、マイクは通常、運転者が運転中に音声入力できるように運転席の周辺に設置される。
【0034】
携帯端末20には、無線通信を用いて電話回線等のネットワーク40と通信接続可能な移動体通信部21が設けられており、ネットワーク40を介して外部の電話機(図示せず)と通話することができる。外部の電話機としては、固定電話機であっても良いし、別の携帯端末であっても良い。また、別の携帯端末との間でメールの通信を行なうことができる。
【0035】
携帯端末20には更に、通信装置10の通信部11との間でブルートゥース規格に準拠した近距離無線通信が可能な近距離通信部22と、外部の電話機と通話するための通話部23と、各種情報を記憶するための記憶部24と、装置の各部を制御するための制御部25と、が設けられている。
【0036】
記憶部24に記憶される情報には、それまでに通信したメールのメールリストMLや、メールリストMLのメール件数に関する件数情報I1や、携帯端末20の機種に関する機種情報I2等が含まれる。そして、これらの情報は、前述した近距離無線通信を用いて携帯端末20から通信装置10に送信することができる。
【0037】
前述したように、携帯端末20には、同じメール件数に対して携帯端末20から通信装置10にメールリストMLを送信する際の送信時間の長い機種が存在している。携帯端末20は、所定の送信時間より長い送信時間を必要とする特定機種20aと、所定の送信時間より短い送信時間で済むその他の機種に区別される。携帯端末20が特定機種20aであるかその他の機種であるかは、記憶部24に記憶されている機種情報I2によって確認することができる。
【0038】
通信装置10は、このようにして、近距離無線通信を用いて携帯端末20からメールリストMLを受信すると共に、受信したメールリストMLに基づいて所定のメール操作を行うことができる。
【0039】
尚、通信装置10には、携帯端末20からのメールリストMLの受信を円滑に行うために、前述した通信部11、表示部12、操作部13、及び制御部14の他に、前述した件数情報I1や機種情報I2を携帯端末20から入手するための情報入手部15(情報入手手段)と、メールリストMLの受信を開始してから所定の設定時間T1が経過した場合に強制的にメールリストMLの受信を終了させるためのタイマー16と、タイマー16の設定時間を決定するためのタイマー時間設定部17(タイマー時間設定手段)と、が設けられている。
【0040】
通信装置10には更に、携帯端末20との間の通信環境を監視するための通信環境監視部18(通信環境監視手段)と、通信装置10と携帯端末20との通信プロトコルを監視するためのプロトコル監視部19(プロトコル監視手段)と、が設けられている。また、通信装置10では、メールリストMLの受信を操作者が自ら強制的に中断させるための中断操作の有無を、前述した操作部13が検出できるようになっている。尚、これら周辺手段の働きについては、後に説明する。
【0041】
ハンズフリーシステム30において、通信装置10の通信部11及び携帯端末20の近距離通信部22は、大容量のデータを送受信するための第1通信機能BT1と、小容量のデータを送受信するための第2通信機能BT2と、を有しており、これら両方の通信機能を用いて通信装置10と携帯端末20との間で通信接続可能となっている。
【0042】
第1通信機能BT1は、例えば、MAP(Message Access Profile)と呼ばれる、デバイス間でメッセージ交換をするためのメッセージアクセス用のプロファイルであり、大容量のデータを送受信するのに適している。また、第2通信機能BT2は、例えば、SDP(Service Discovery Application Profile) と呼ばれる、相手の機器がどのようなサービスをサポートしているのかを検索するために利用されるプロトコルであり、情報交換に必要な最小限の機能が存在するシンプルなプロトコルとなっている。即ち、第2通信機能BT2は、小容量のデータを送受信するのに適している。尚、MAP、SDP共にブルートゥースに規定された通信用のプロトコルである。
【0043】
そして、第1通信機能BT1は、大容量のデータであるメールリストML及びメールリストMLの関連情報である件数情報I1を送受信するために使用され、第2通信機能BT2は、小容量のデータである機種情報I2を送受信するために使用される。
【0044】
次に、ハンズフリーシステム30における通信装置10と携帯端末20との間におけるメールリストMLの受信方法について図2乃至図4を用いて説明する。図2は、通信装置10と携帯端末20との関係を示すシーケンスチャートである。図3は、メールリストMLの受信動作を示すフローチャートの前半部分であり、図4は、メールリストMLの受信動作を示すフローチャートの後半部分である。また、尚、図3及び図4において、フローチャートの各ステップを、ST0乃至ST18と称する。
【0045】
図3に示すフローチャートの前半部分で、まず、ST0において、通信装置10と携帯端末20とでそれぞれ初期設定が行なわれた後、ST1において、通信装置10と携帯端末20との近距離無線通信による通信接続が確立される。
【0046】
この時の、ST1における通信装置10と携帯端末20との通信接続は、図2に示すように、第1通信機能BT1及び第2通信機能BT2それぞれについて確立される。
【0047】
次に、図2及び図3に示すように、ST2において、通信装置10から携帯端末20に対し、機種情報I2及び件数情報I1が要求される。この通信装置10からの要求に対して、携帯端末20から機種情報I2及び件数情報I1が送信され、ST3において、通信装置10が、携帯端末20からの機種情報I2及び件数情報I1を受信する。この時、件数情報I1は、第1通信機能BT1を用いて送受信され、機種情報I2は、第2通信機能BT2を用いて送受信される。
【0048】
次に、ST4において、タイマー16の設定時間T1が決定される。タイマー16の設定時間T1は、メールリストMLの受信を開始してからメールリストMLの受信を終了させるまでの時間、即ちタイムアウトまでの時間であり、タイマー時間設定部17において、情報入手部15が携帯端末20から入手した件数情報I1と機種情報I2とに基づいて決定される。尚、ブルートゥースの規格では、設定時間T1は30秒以上に規定されている。
【0049】
タイマー時間設定部17は、メールリストMLのメール件数が所定値未満であるか、又は、携帯端末20が特定機種20a以外のその他の機種であれば、設定時間T1を短くし、メール件数が所定値以上であり、且つ、携帯端末20が特定機種20aである場合には、設定時間T1を長くするように、設定時間T1を決定する。例えば、前者ではT1は30秒程度に設定され、後者ではT1は1分乃至数分程度に設定される。
【0050】
次に、ST5において、通信装置10から携帯端末20へ第1通信機能BT1を用いてメールリストMLを要求し、ST6において、携帯端末20からの応答信号S1を、第1通信機能BT1を用いて受信する。
【0051】
その後、ST7において、第1通信機能BT1を用いてメールリストMLの受信が開始される。尚、携帯端末20からのメールリストMLの送信に対して、通信装置10からの応答がない場合等には、図2に示すように、第2通信機能BT2を用いて確認信号S2が携帯端末20から通信装置10へ送信され、その後、再度メールリストMLが送信される。
【0052】
メールリストMLの受信が開始されると、ST8において、タイマー16が始動する。タイマー16が始動した後には、ST9において、通信環境監視部18によって携帯端末20との間の通信環境の監視がスタートし、ST10において、プロトコル監視部19によって通信装置10と携帯端末20との通信プロトコルの監視がスタートし、ST11において、操作部13によってメールリストMLの受信を強制的に中断させるための中断操作の有無の監視がスタートする。
【0053】
尚、前述したST9における通信環境の監視は、前述した第2通信機能BT2を用いて行なわれる。即ち、第2通信機能BT2を用いて携帯端末20から送信された確認信号S2を受信できた場合には通信環境に異常が無いと判断され、確認信号S2を受信できなかった場合には通信環境に異常が有ると判断される。このように第2通信機能BT2を用いて通信環境の監視を行なうことによって、データの送受信と通信環境の監視とを効率良く行うことができる。
【0054】
次に、図4に示すフローチャートの後半部分で、ST12において、メールリストMLの受信が完了したかどうかが判定される。もしも、メールリストMLの受信が完了していれば、そのままメールリストMLの受信終了(ST17)となり、メールリストMLの受信が完了していなければ、次のステップであるST13に移る。
【0055】
ST13では、通信環境の異常の有り無しが判定される。もしも、通信環境に異常が有れば、そのままメールリストMLの受信終了(ST17)となり、通信環境に異常が無ければ、次のステップであるST14に移る。即ち、通信環境監視部18が通信環境の異常を検出した時には、メールリストMLの受信を開始してから設定時間T1が経過していなくても、強制的にメールリストMLの受信を終了させる。
【0056】
通信環境に異常が無ければ、次のステップであるST14において、通信プロトコルの異常の有り無しが判定される。もしも、通信プロトコルに異常が有れば、そのままメールリストMLの受信終了(ST17)となり、通信環境に異常が無ければ、次のステップであるST15に移る。即ち、プロトコル監視部19が通信プロトコルの異常を検出した時には、メールリストMLの受信を開始してから設定時間T1が経過していなくても、強制的にメールリストMLの受信を終了させる。
【0057】
通信プロトコルに異常が無ければ、次のステップであるST15において、中断操作の有り無しが判定される。もしも、中断操作が有れば、そのままメールリストMLの受信終了(ST17)となり、中断操作が無ければ、次のステップであるST16に移る。即ち、操作部13が中断操作を検出した時には、メールリストMLの受信を開始してから設定時間T1が経過していなくても、強制的にメールリストMLの受信を終了させる。
【0058】
中断操作が無ければ、次のステップであるST16において、タイムアウトかどうか、即ちタイマー16が設定時間T1に達したかどうかが判定される。もしも、タイムアウトであれば、そのままメールリストMLの受信終了(ST17)となり、タイムアウトでなければ、ST12のメールリストMLの受信が完了したかどうかの判定のステップに戻り、前述したST12以降のステップを繰り返す。
【0059】
前述したメールリストMLの受信に関する全てのステップが終了したら、ST17におけるメールリストMLの受信終了となり、その後、ST18において、図1に示した表示部12による結果の表示、即ちメールリストMLの表示となる。
【0060】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、第1実施形態と第2実施形態との相違点は、フローチャートの一部が異なるだけであり、第2実施形態の通信装置10の構成は、本発明の第1実施形態と同様である。そのため、通信装置10の構成についての説明は省略する。
【0061】
第2実施形態における通信装置10と携帯端末20との間におけるメールリストMLの受信方法について図5及び図6を用いて説明する。図5は、メールリストMLの受信動作を示すフローチャートの前半部分であり、図6は、メールリストMLの受信動作を示すフローチャートの後半部分である。
【0062】
第2実施形態におけるフローチャートのステップ数は、第1実施形態におけるフローチャートのステップ数より少なく設定されている。
【0063】
第2実施形態においては、第1実施形態におけるフローチャートの複数のステップのうち、ST9、ST10、ST13、及びST14を削除している。即ち、ST9である通信環境の異常監視及びST10であるプロトコル上の異常監視を削除し、それらに対する判定のステップ(ST13、ST14)をなくしている。
【0064】
第2実施形態では、通信環境の異常監視及びプロトコル上の異常監視を削除し、それに対する判定のステップをなくして手順を簡略化することによって、メールリストMLの受信に掛かる時間を短縮することができる。一方、第2実施形態では、ST11である中断操作の有無の監視及びそれに対する判定のステップ(ST15)を残している。
【0065】
ハンズフリーシステム30におけるメールリストMLの受信を中断する中断操作は、ハンズフリーシステム30の操作者自身の意思によってメールリストMLの受信を中断することができる操作である。その結果、中断操作の有無の監視及びそれに対する判定のステップを残すことにより、不要なメールリストの受信に伴う無駄な待ち時間の発生を防ぐことができるだけでなく、通信環境や通信プロトコルに異常が有った場合の無駄な待ち時間の発生を防ぐための機能としても活用することができる。このような手順は、通信環境や通信プロトコルの異常に伴う無駄な待ち時間の発生頻度が低い場合に特に効果的である。
【0066】
第2実施形態におけるフローチャートのうち、その他のステップについては、第1実施形態におけるフローチャートと同一であるため、その説明を省略する。
【0067】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、第1実施形態と第3実施形態との相違点は、フローチャートの一部が異なるだけであり、第3実施形態の通信装置10の構成は、本発明の第1実施形態と同様である。そのため、通信装置10の構成についての説明は省略する。
【0068】
第3実施形態における通信装置10と携帯端末20との間におけるメールリストMLの受信方法について図7及び図8を用いて説明する。図7は、メールリストMLの受信動作を示すフローチャートの前半部分であり、図8は、メールリストMLの受信動作を示すフローチャートの後半部分である。
【0069】
第3実施形態におけるフローチャートのステップ数は、前述した第2実施形態におけるフローチャートのステップ数より、更に少なく設定されている。
【0070】
第3実施形態においては、第1実施形態におけるフローチャートの複数のステップのうち、ST9、ST10、ST11、ST13、ST14、及びST15を削除している。即ち、第2実施形態において削除した、ST9である通信環境の異常監視及びST10であるプロトコル上の異常監視の削除、及びそれに対する判定のステップ(ST13、ST14)に加えて、更に、ST11である中断操作の有無の監視及びそれに対する判定のステップ(ST15)も削除している。
【0071】
第3実施形態では、通信環境の異常監視、プロトコル上の異常監視及び中断操作の有無の監視を削除し、それらに対する判定のステップをなくして手順を更に簡略化することによって、メールリストMLの受信に掛かる時間を更に短縮することができる。このような手順は、メール件数や携帯端末の機種の違い以外の要因による無駄な待ち時間の発生頻度が極めて低い場合に特に効果的である。
【0072】
第3実施形態におけるフローチャートのうち、その他のステップについては、第1実施形態におけるフローチャートと同一であるため、その説明を省略する。尚、前述した第2実施形態及び第3実施形態において、複数のステップを削除したが、携帯端末20の件数情報I1と機種情報I2とに基づいてタイマー16の設定時間T1を決定することについては、第1実施形態と同一である。そのため、それによる効果も第1実施形態の場合と同一である。
【0073】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0074】
通信装置10は、メールリストMLメール件数に関する件数情報I1と携帯端末20の機種に関する機種情報I2とに基づいてタイマー16の設定時間T1を決定するため、メールリストMLの受信が不完全な状態でデータの受信が終了してしまうことを防ぎつつ、無駄な待ち時間の発生を防いで円滑なメールリストMLの受信を行なうができる。その結果、メール件数や携帯端末20の機種の違いによる受信の不具合を防止し、円滑なメールリストMLの受信を行なうことができて、ユーザビリティの低下を抑制することが可能になる。
【0075】
また、通信接続確立後に、情報の入手とタイマー16の設定時間T1の決定とメールリストMLの受信とを一連の動作で行うことができるので、操作を簡単に行うことができる。
【0076】
また、メール件数が所定値以上であり、且つ、携帯端末20が特定機種20aである場合に限定してタイマー16の設定時間T1を長くするので、設定時間T1の長時間化を必要最小限にすることができ、無駄な待ち時間を更に抑制することができる。
【0077】
また、操作部13を設けて、メールリストMLの受信を強制的に中断させるための中断操作を可能としたため、不要なメールリストMLの受信をなくしたり、メール件数や携帯端末20の機種の違い以外の要因による無駄な待ち時間の発生を防いだりすることができ、更に円滑なメールリストの受信が可能になる。
【0078】
また、通信環境監視部18を設けたことによって通信環境の異常に伴う無駄な待ち時間の発生を事前に防ぐことができ、更に円滑なメールリストMLの受信が可能になる。
【0079】
また、第1通信機能BT1と第2通信機能BT2とを使い分けてデータの送受信を行うと共に、第2通信機能BT2を用いて通信環境の監視も行うことで、データの送受信と通信環境の監視とを効率良く行うことができる。
【0080】
また、プロトコル監視部19を設けたことによって、通信プロトコルの異常に伴う無駄な待ち時間の発生を事前に防ぐことができ、更に円滑なメールリストMLの受信が可能になる。
【0081】
また、通信装置10は、車載ハンズフリー装置であるため、車室内で円滑なメールリストMLの受信を行なうことが容易にできる。尚、メール件数や携帯端末20の機種の違いによるユーザビリティの低下を抑制するという通信装置10の効果は、運転中にユーザが極めて限定的な操作しかできなくなる車載ハンズフリー装置において、特に顕著になる。
【0082】
以上説明したように、本発明の通信装置は、携帯端末の件数情報と機種情報とに基づいてタイマーの設定時間を決定するため、メールリストNLの受信が不完全な状態でデータの受信が終了してしまうことを防ぎつつ、無駄な待ち時間の発生を防いで円滑なメールリストMLの受信を行なうができる。そのため、ユーザビリティの低下を抑制することが可能になる。
【0083】
以上のように、本発明の実施形態に係る通信装置10について説明したが、本発明は上記の第1実施形態乃至第3実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。例えば、通信装置10は車両に搭載されているとしたが、家庭用の電子機器に内蔵され、家庭内で使用されるものであるとしても良い。また、携帯端末20は、メール機能付きの携帯ゲーム機等の前述した以外の電子機器であっても構わない。
【符号の説明】
【0084】
10 通信装置
11 通信部
12 表示部
13 操作部
14 制御部
15 情報入手部
16 タイマー
17 タイマー時間設定部
18 通信環境監視部
19 プロトコル監視部
20 携帯端末
20a 特定機種
21 移動体通信部
22 近距離通信部
23 通話部
24 記憶部
25 制御部
30 ハンズフリーシステム
40 ネットワーク
BT1 第1通信機能
BT2 第2通信機能
I1 件数情報
I2 機種情報
ML メールリスト
S1 応答信号
S2 確認信号
T1 設定時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9