(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-215596(P2019-215596A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】電子印鑑
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20191122BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20191122BHJP
G06F 3/0484 20130101ALI20191122BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
G06F3/01
G06T7/00 590
G06F3/0484 120
G06F3/041 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-110829(P2018-110829)
(22)【出願日】2018年6月11日
(71)【出願人】
【識別番号】504217823
【氏名又は名称】フードゲート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002125
【氏名又は名称】特許業務法人アイザック国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 宜史
(72)【発明者】
【氏名】小田多井 進
(72)【発明者】
【氏名】小川 耕太
【テーマコード(参考)】
5B043
5E555
【Fターム(参考)】
5B043AA09
5B043HA02
5B043HA06
5E555AA51
5E555BA04
5E555BB04
5E555BB08
5E555BC16
5E555CA12
5E555CA43
5E555CB12
5E555CC01
5E555DB53
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】通常の印鑑のように印影や形状に愛着を持ったり、押印する場所を選んだりするというアナログな楽しみの要素を備えた電子印鑑を提供する。
【解決手段】電子印鑑1軸部11と、軸部11の先端に設けられ、タッチパネルディスプレイに対してタッチ操作可能な接触部12と、軸部に内蔵されたRFタグ部13とを有する。タッチパネルディスプレイ21及びRFタグリーダー23を備えた端末2に対し、電子印鑑が接近した際に、端末がRFタグリーダーによってRFタグ部を検知する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部と、前記軸部の先端に設けられ、タッチパネルディスプレイに対してタッチ操作可能な接触部と、前記軸部に内蔵され、リーダーによって読み取り可能なRFタグ部とを有する、電子印鑑。
【請求項2】
前記接触部を同一面内に複数備えた、請求項1に記載の電子印鑑。
【請求項3】
前記接触部を同一面内に3つ以上備えた、請求項2に記載の電子印鑑。
【請求項4】
データベースを格納するメモリを備えたサーバーと、前記サーバーに通信部を介して接続され、タッチパネルディスプレイ及びRFタグリーダーを備えた端末と、前記タッチパネルディスプレイに対してタッチ操作可能な接触部及び前記RFタグリーダーによって読み取り可能なRFタグ部を有する電子印鑑と、を備えた電子印鑑システム。
【請求項5】
タッチパネルディスプレイ及びRFタグリーダーを備えた端末に対し、前記タッチパネルディスプレイに対してタッチ操作可能な接触部と前記RFタグリーダーによって読み取り可能なRFタグ部とを備えた電子印鑑が接近した際に、前記端末が前記RFタグリーダーによって前記RFタグ部を検知するステップと、前記端末がデータベースを格納するメモリを備えたサーバーに対して前記RFタグ部の有するID情報を送信するステップと、前記サーバーにおいて印影情報の引当が行われるステップと、前記サーバーから前記端末に前記印影情報が送られるステップと、前記タッチパネルディスプレイに前記電子印鑑の前記接触部が接触し、この接触した座標またはDOMを検出するステップと、前記端末に表示された書類における検出した座標またはDOMに前記印影情報に基づく印影を表示するステップと、を有する、電子印鑑を使用した認証方法。
【請求項6】
上記接触した座標またはDOMを検出するステップと上記印影情報に基づく印影を表示するステップとの間に、接触している時間の長さ及び強さを検出するステップと、これに応じた濃さの印影をサーバー側または端末側で作成または選択するステップとを含む、請求項5に記載の認証方法。
【請求項7】
紙または朱肉の種類を使用者に選択させるステップと、これに応じた質感及び色の印影をサーバー側または端末側で作成または選択するステップとを含む、請求項5または6に記載の認証方法。
【請求項8】
軸部と、前記軸部の先端に設けられ、タッチパネルディスプレイに対してタッチ操作可能な接触部と、前記軸部に内蔵され、リーダーによって読み取り可能なRFタグ部とを有する、スタイラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データの契約書などに捺印する電子印鑑に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙の契約書などには印鑑を捺印するか、サインをすることによって認証が行われていた。サインは筆記用具のみあれば可能というメリットがある一方、多くの場合は判読が困難であること、また、本人が行う必要があるため、大量の契約書にサインすることが煩雑であるというデメリットがあった。一方、印鑑は代理で部下などが捺印することが可能であり、判読も可能である。
【0003】
一方、デジタルデータとしての契約書などに対しては、いわゆる電子印鑑が多く考案されており、電子認証、電子証明書などが多くの機関から発行されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、サーバと利用者端末を備え、利用者端末で利用者が電子文書に対して電子印鑑データを押印及び押印済み電子文書の検証を行い、利用者間で電子文書のやりとりをする電子印鑑埋め込み方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-50608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電子印鑑は、印鑑がソフトウェアである場合は複製が可能であり、カードなどのハードウェアを印鑑とする場合は専用のリーダーハードウェアが必要であることが多い。いずれにしても、電子印鑑は、認証をするという機能面にのみ着目しており、通常の印鑑のように印影や形状に愛着を持ったり、押印する場所を選んだりするというアナログな楽しみの要素は排除するものであった。また、アナログな印鑑は、訂正印や、押印欄が複数ある場合などにどの位置に押印するかによって承認する範囲が変わってくるなど、押印する位置により意味が変わるという機能があったが、電子印鑑ではそのような運用がなされていない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、通常の印鑑のように印影や形状に愛着を持ったり、押印する場所を選んだりするというアナログな楽しみや機能的要素を備えた電子印鑑を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の電子印鑑は、軸部と、前記軸部の先端に設けられ、タッチパネルディスプレイに対してタッチ操作可能な接触部と、前記軸部に内蔵され、リーダーによって読み取り可能なRFタグ部とを有する。
【0009】
また、本発明の電子印鑑システムは、データベースを格納するメモリを備えたサーバーと、前記サーバーに接続され、タッチパネルディスプレイ及びRFタグリーダーを備えた端末と、前記タッチパネルディスプレイに対してタッチ操作可能な接触部及び前記RFタグリーダーによって読み取り可能なRFタグ部を有する電子印鑑とを備えた。
【0010】
さらに、本発明の電子印鑑を使用した認証方法は、タッチパネルディスプレイ及びRFタグリーダーを備えた端末に対し、タッチパネルディスプレイに対してタッチ操作可能な接触部とリーダーによって読み取り可能なRFタグ部とを備えた電子印鑑が接近した際に、前記端末が前記RFタグリーダーによって前記RFタグ部を検知するステップと、前記端末がデータベースを格納するメモリを備えたサーバーに対して前記RFタグ部の有するID情報を送信するステップと、前記サーバーにおいて印影情報の引当が行われるステップと、前記サーバーから前記端末に前記印影情報が送られるステップと、前記タッチパネルディスプレイに前記電子印鑑の前記接触部が接触し、この接触した座標またはDOMを検出するステップと、前記端末に表示された書類における検出した座標またはDOMに前記印影情報に基づく印影を表示するステップとを有する。
【0011】
前記認証方法は、前記タッチパネルディスプレイに前記端末の前記接触部が接触した日時を前記書類データに記録するステップを有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】実施形態の認証システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態の認証方法における各装置間でのデータのやり取りの流れを示すフローチャートである。
【
図4】実施形態の電子印鑑を押印する場合の印影のバリエーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の電子印鑑の実施形態について説明する。
図1は、実施形態の電子印鑑を示す概略図である。
【0014】
電子印鑑1は、軸部11と、軸部11の先端に設けられ、端末2のタッチパネルディスプレイ21に対してタッチ操作可能な接触部12と、軸部11に内蔵され、リーダー23によって読み取り可能なRFタグ部13とを有する。軸部11は、通常の印鑑の軸部と同様の丸棒形状である。接触部12は軸部11の先端に備えられ、いわゆるスタイラスと同様、導電性の繊維を用い、使用者が軸部11を把持して端末2のタッチパネルディスプレイ21に対して接触部12によりタッチした際に操作を行うことができる。RFタグ部13は軸部11に内蔵され、いわゆるRFIDである。RFIDはアクティブ型であってもよいが、ここではパッシブ型として説明する。なお、接触部12に印の形状が現れていると、より通常の印鑑に近い形状となり、また印の形状が見てわかるので、望ましい。すなわち、電子印鑑は、通常の印鑑と外見上ほぼ同じである。
【0015】
端末2は、いわゆるPDAであり、ディスプレイと入力部とが一体化したタッチパネルディスプレイ21を有する。また内蔵された通信部22を備え、サーバー3と通信する。通信手段はwifi、Bluetooth(登録商標)等が考えられ、インターネットを経由していても良い。さらに、端末2は、RFIDリーダー23を内蔵または外付けとして有する。タッチパネルディスプレイ21には、いわゆるPDF形式などの電子データとしての書類、図の例では契約書が表示されている。
【0016】
図2に示すように、サーバー3は、通信部31と、データベースを格納するメモリ32とを備え、端末2と通信する。データベースには、少なくとも、RFIDのIDと、これに対応する印影データが保管されている。
【0017】
本実施形態の電子印鑑1を使用した認証方法について説明する。
使用者は端末2の任意の位置に電子印鑑1を持って押印する動作を行うのみで、以下の処理が行われる。
【0018】
まず電子印鑑1が端末2に近づくと、端末2がRFタグリーダー23によってRFタグ部1を検知することで、端末2に対し、電子印鑑1が接近したことがわかる(ステップs1)。
【0019】
続いて、端末2が、サーバー3に対してRFタグ部1の有するID情報を送信する(ステップs2)。
【0020】
サーバー3においてメモリ32に格納されたデータベースに対し、印影情報の引当が行われる。具体的には、データベースに格納された多くのIDのうち、RFタグ部1の有するID情報に対応するものが検索され、これに対応する印影データが引き当てられる(ステップs3)。
【0021】
対応するIDが見つかった場合には(ステップs4)、サーバー3から端末2に対し、引き当てられた印影情報が送られる(ステップs5)。見つからなかった場合には、サーバー3から端末2に対し、エラー信号が返され、端末2にはエラーメッセージが表示される(ステップs6)。
【0022】
続いて、タッチパネルディスプレイ21に電子印鑑1の接触部12が接触する(ステップs7)。この際、端末2は、接触した座標またはDOMを検出する(ステップs8)。
【0023】
端末2は、タッチパネルディスプレイ21に表示された書類上の、検出した座標またはDOMに、ステップs5で送られた、印影情報に基づく印影を表示する(ステップs9)。
その際、端末2は、押印された日時を書類に記載するとともに、押印された書類のデジタルデータと日時のデータをサーバー3へ送信する(ステップs10)。
【0024】
以上のように、使用者は端末2の画面上の書類に対し、電子印鑑1を使用して、通常の印鑑と同様に押印動作を行うことで、画面上の書類に印影の画像が表示されるとともに日付が記入され、サーバー3は書類のデジタルデータと日時のデータを保存することで、控えが生成される。このように通常の印鑑と同様に使用できることで、通常の印鑑のように印影や形状に愛着を持つことができるし、押印する場所を選ぶというアナログな楽しみの要素を備えた電子印鑑を実現することができる。
【0025】
なお、電子印鑑1を発行する者が、サーバー3及びデータベースを管理し、端末2に格納されるソフトウェアを発行することで、電子印鑑1のユニーク性及びその所有者である使用者との一対一の関係を保証することができ、使用者の与信を行うこともできる。
【0026】
本発明の変形例として、印鑑ではなく、ペンのように使用するスタイラスに同様の機能を持たせることができる。すなわち、軸部と、この軸部の先端に設けられ、タッチパネルディスプレイに対してタッチ操作可能な接触部と、軸部に内蔵され、リーダーによって読み取り可能なRFタグ部とを有するスタイラスによれば、このスタイラスでPDAに筆記や描画を行った場合、それが誰のスタイラスによるものなのかを認識し、軌跡ごとに記録することができる。そのため、例えばスタイラスによるサインも、サインの筆跡と、この軌跡に紐付いたID情報の両方から、個人を特定することができる。軌跡に紐付いたID情報は、軌跡をクリックすると表示されるようにするなどの運用により、後に確認できるようにすればよい。また、RFIDを切り替えたりペンごと切り替えることで、スタイラスごとに属性を登録しておけば、例えば画面上の軌跡の色が変わって色鉛筆のように使用したり、それぞれのスタイラスに別の意味合いを持たせることもできる。
【0027】
また、従来の印鑑は、同じ印鑑であっても、紙の種類や、朱肉の種類、押す強さによって印影が変化する。これを電子印鑑で表現することで、印鑑のアナログな楽しみの要素を増すことができる。
図4に示すように、従来は印鑑を押す強さの違いによって印影の濃淡が異なってくるが、電子印鑑についても、押している時間の長さや、可能であれば強さを検出することで、印影の濃淡に反映させることができる。具体的には、上述のステップs8とステップs9の間に、押印時間、すなわち電子印鑑がタッチパネルディスプレイに接触している時間の長さ及び強さを検出するステップと、これに応じた濃さの印影をサーバー側または端末側で作成または選択するステップがあればよい。
【0028】
さらに、押印の際に、紙の種類や朱肉の種類を選択できるようにしておいてもよい。この場合も
図4に示すように印影の濃淡や質感、色に変化が出て、印鑑のアナログな楽しみの要素を増すことができる。具体的には、上述のステップs9より前に、紙や朱肉の種類を使用者に選択させるステップと、これに応じた質感及び色の印影をサーバー側で作成または選択するステップがあればよい。また、事後的に紙や朱肉の種類を選択できるよう運用することも可能である。このような運用により、楽しみの要素が増えるのみならず、それぞれにユニークな陰影を残す事ができ、さらなる不正防止にもつながる。
【0029】
印鑑部分は二点が導電性部分となっている、すなわち接触部12を同一面内に複数備えたものとしてもよい。このようにすると、二点の距離関係は不変であるから、端末2内のソフトウェア側で特定の距離関係にある二点タッチは印鑑であると認識するよう設定をすることにより、タッチパネルディスプレイ21側で、スタイラスペン部分でのタッチや二本指でのタッチと、印鑑部分でのタッチとの区別をすることができる。また、複数の導電性の接触部があることで、印鑑の向きが曲がっている、すなわち軸を中心に傾いているというような表現も可能になる。
【0030】
導電性の接触部が二点の場合でも印鑑が曲がっている表現をすることができるが、さらに、3点以上の導電性の接触部がある場合には、当該複数の接触部が正多角形状である場合を除き、3点の距離及び位置関係により印鑑の向きを完全に特定できるから、印鑑の向きが逆さまであるなどの表現が可能となる。また、複数の導電性の接触部の接触タイミングのずれや強さのずれによって、印鑑の濃淡が位置によって異なるという表現も可能になる。なお、複数の接触部が正多角形状である場合は、書類上で最も上側にある接触部が印鑑の上側であると解釈することもできる。そのような場合には印鑑が逆さまになってしまうことはなく、すなわち、接触部が2点であれば180度の範囲で印鑑が曲がって押されることが可能であり、接触部が正三角形の頂点を構成する3点であれば120度の範囲で印鑑が曲がって押されることが可能である。
【0031】
例えば
図5には3点以上の導電性の接触部15がある電子印鑑10の押印面14が表れている。電子印鑑10は、軸部11と、軸部11に内蔵され、リーダー23によって読み取り可能なRFタグ部13とを有する点に関しては電子印鑑1と同様であるが、軸部11の先端に、端末2のタッチパネルディスプレイ21に対してタッチ操作可能な接触部15が、同一面内に3箇所設けられている点が異なる。3つの接触部15は接触部12同様の導電体であるが、押印面14における他の部分は非導電性である。そのため、押印面14がタッチパネルディスプレイ21に接触すると、3つの接触部15がタッチパネルディスプレイ21に接触し、三点をタッチされたと認識される。3つの接触部15は二等辺三角形の頂点の位置関係にあり、この位置関係は不変である。そのため、端末2にインストールされたソフトウェア内で、この位置関係にある3点のタッチは電子印鑑であるという認識をするように設定することで、スタイラスや指によるタッチや3点タッチとも区別することができる。また、3つの接触部15の位置関係は正三角形の頂点ではないから、電子印鑑の向き、すなわち軸11を軸とした回転方向の傾きを検知できるから、印鑑が曲がって押される、ということも可能になる。
【0032】
接触部16は出没する接触部である。この接触部16は、従来の複数色を有するボールペンの芯のように、物理的に、押印面14に表れたり、軸11内に引っ込んだりする。より詳細には、軸11内に仕込まれ、一端に接触部16を有する芯161が、軸11内で軸方向にスライドし、芯161の他端に設けられた操作部162が、軸11に軸方向に長く設けられた長孔163内に表れており、この操作部162を操作することで、接触部16を押印面14に出没可能である。
【0033】
接触部16が軸11内に引っ込んでいる場合は、3つの接触部15のみが押印面14に表れていることになるから、すでに説明したとおりに電子印鑑10を押印することができる。接触部16が押印面14に表れている場合は、端末2にインストールされたソフトウェア内で、この位置関係にある4点のタッチは当該電子印鑑の別形態であると認識させることで、一つのRFID13であっても、このIDに紐づく印影をサーバー3に複数登録しておくことで、別形態の印影を押すことができる。また、出没する接触部16は複数設けることができ、通常の複数色を持つボールペンのように、択一的に出現し、またはどれも出現していない状態にできるように設計すれば、3つの接触部15と出現している接触部16との位置関係によって、複数の別形態を認識することができる。具体的には、角印、丸印などを一つのIDに紐づけて登録することもできるし、朱肉の色の違う同一印鑑であるように登録することもできる。
なお、押印面14には印影を鏡文字にした文字が表れていると従来の印鑑に近くなって意匠上望ましいが、図示は省略する。
【0034】
また、従来の印鑑にはペンの逆側を印鑑としているものがあるが、これと同様に、通常のスタイラスペンにおけるペン先と逆の部分を印鑑部分としてもよい。この場合には、どちらを使用しても端末がRFIDを検知してしまうため、接触しているのがスタイラス部分なのか印鑑部分なのかをソフトウェアが判別する必要があるが、上述のように同一面内に複数の導電性部分を備えることにより、スタイラス部分と印鑑部分とを区別することが可能となる。
【0035】
なお、本発明の技術的範囲は以上の実施形態に限られず、例えばRFIDの代わりにBluetooth(登録商標)やBluetooth(登録商標) Low Energy、音波Beaconを使用するなど、用意できる機器の状況に応じて構成要素を変更及び増減してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 電子印鑑
11 軸部
12 接触部
13 RFタグ部
14 押印面
15 接触部
16 接触部
2 端末
21 タッチパネルディスプレイ
22 通信部
23 リーダー
3 サーバー
31 通信部
32 メモリ