特開2019-215770(P2019-215770A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2019-215770使用可否設定を可能にしたレンタル製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-215770(P2019-215770A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】使用可否設定を可能にしたレンタル製品
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20191122BHJP
【FI】
   G06Q30/06 350
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-113328(P2018-113328)
(22)【出願日】2018年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】518108807
【氏名又は名称】株式会社クリアー
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】酒井 伸二
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB24
5L049BB33
(57)【要約】
【課題】レンタル製品の使用者のレンタル料金の支払いがない場合には稼動を停止し、支払の確認ができたときには、レンタル製品の稼動を許可できるようにする。
【解決手段】レンタル料金を払うことでレンタル製品Pを使用可能とするレンタル使用可能期間毎に作動する使用時限確認タイマー4を備えた稼動停止機構3と、レンタル料金の支払後にレンタル業者から通知される解除パスワードを入力するための解除パスワード入力部9と、レンタル使用可能期間毎に許可パスワードを関連付けて予め格納した許可パスワード格納部6と、解除パスワードの入力時に、許可パスワード格納部6の許可パスワードと参照し、正規であるか否かを判定するパスワード参照判定部7と、解除パスワードが正規であると判定した場合に、稼動停止機構3による稼動停止を解除する停止解除機構5と、稼動停止機構3および停止解除機構5を制御する稼動制御部2とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンタル業者からのレンタル製品の貸出後において、レンタル製品使用のレンタル料金の支払いがある場合にレンタル製品の稼動を許可し、レンタル料金の支払いがない場合にレンタル製品の稼動を停止するようにした使用可否設定システムを備え、該使用可否設定システムは、レンタル料金を払うことでレンタル製品を使用可能とするレンタル使用可能期間毎に作動する使用時限確認タイマーを備え、この使用時限確認タイマーによってレンタル使用可能期間の開始時毎に稼動を停止させる稼動停止機構と、レンタル料金の支払後にレンタル業者から通知された解除パスワードを入力するための解除パスワード入力部と、前記レンタル使用可能期間毎に所定の異なる許可パスワードが関連付けされて予め格納されている許可パスワード格納部と、前記解除パスワードの入力時に、許可パスワード格納部に予め格納されている許可パスワードと参照し、解除パスワードが正規であるか否かを判定するパスワード参照判定部と、該パスワード参照判定部により、前記解除パスワードが正規であると判定した場合に、前記稼動停止機構による稼動停止を解除する停止解除機構と、前記稼動停止機構および停止解除機構を制御する稼動制御部とを備えたことを特徴とする使用可否設定を可能にしたレンタル製品。
【請求項2】
許可パスワード格納部には、レンタル使用可能期間毎に個別に設定した許可パスワードが格納されている請求項1記載の使用可否設定を可能にしたレンタル製品。
【請求項3】
パスワード参照判定部は、前記許可パスワード格納部に格納されている許可パスワードを読出し、前記通知された解除パスワードが正規であるか否かを判定する請求項1または2記載の使用可否設定を可能にしたレンタル製品。
【請求項4】
停止解除機構は、前記解除パスワード入力部への正規の解除パスワードの入力により稼動停止を解除したことを契機に、次の期限では別の許可パスワードに更新される請求項1乃至3のいずれか記載の使用可否設定を可能にしたレンタル製品。
【請求項5】
停止解除機構は、前記解除パスワード入力部に入力した解除パスワードが、前記許可パスワード格納部に予め格納されているレンタル使用可能期間毎に設定した許可パスワードと異なる場合、前記解除パスワードは不正規のパスワードとして稼動停止の解除を不能する請求項1乃至4のいずれか記載の使用可否設定を可能にしたレンタル製品。
【請求項6】
レンタル製品には表示部を備え、該表示部には前記解除パスワード入力部が表示されると共に、レンタル料金の支払を促すメッセージを表示する請求項1乃至5のいずれか記載の使用可否設定を可能にしたレンタル製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば理美容機器類をレンタルするとき、その継続使用をレンタル料金の支払の有無と関連付けて可否を設定できる使用可否設定を可能にしたレンタル製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、理美容機器類として、例えばレーザダイオードやフラッシュランプ等の発光部が発する光エネルギを毛に伝えることで毛乳頭を加熱し、毛に栄養が届き難くすることで脱毛処理を行う光脱毛機が知られている。
【0003】
一般に、脱毛その他の理美容業界で使用される上記のような光脱毛機等は高価であり、また業者によってはその使用期間が短かったり、長かったりしているため、これを買い取って設置するには経済的リスクが大きい場合がある。こうした点から、一般的には使用期間を比較的任意に設定でき、また解約が比較的に容易なレンタル方式でレンタル業者から一定期間で借用して設置し、使用することが多い。
【0004】
このレンタル方式であると、レンタル業者は使用者が希望する使用場所にレンタル製品を設置し、そのレンタル料金を徴収することでその使用を認めているところ、もし、使用者がレンタル料金を支払わない場合には、レンタル製品を撤去回収することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特になし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ただ、上記したようなレンタル製品の撤去回収は手間が掛かり面倒でもある。また使用者が継続的に使用を希望しながらもレンタル料金の支払いが一時的に懈怠しているにすぎず、撤去回収を実施するまでもない場合であっても、レンタル業者にとっては、その間のレンタル料金収入が途絶えることになる。
【0007】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、その目的は、レンタル業者からのレンタル製品の貸出後において、使用者の一時的な懈怠または失念によりレンタル料金の支払いがない場合にレンタル製品の稼動を停止させるようにし、レンタル業者へのレンタル料金の支払いがあった場合にはレンタル製品の稼動を許可することで、使用者は、レンタル製品が撤去回収されることなく従来どおり継続して使用することができ、またレンタル業者はレンタル料金を確実に徴収できるようにした使用可否設定を可能にしたレンタル製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、後述する発明を実施するための形態における使用符号を付記して説明すると、レンタル業者からのレンタル製品Pの貸出後において、レンタル製品P使用のレンタル料金の支払いがある場合にレンタル製品Pの稼動を許可し、レンタル料金の支払いがない場合にレンタル製品Pの稼動を停止するようにした使用可否設定システム1を備え、該使用可否設定システム1は、レンタル料金を払うことでレンタル製品Pを使用可能とするレンタル使用可能期間毎に作動する使用時限確認タイマー4を備え、この使用時限確認タイマー4によってレンタル使用可能期間の開始時毎に稼動を停止させる稼動停止機構3と、レンタル料金の支払後にレンタル業者から通知される解除パスワードを入力するための解除パスワード入力部9と、前記レンタル使用可能期間毎に所定の異なる許可パスワードが関連付けされて予め格納されている許可パスワード格納部6と、前記解除パスワードの入力時に、前記許可パスワード格納部6に予め格納されている許可パスワードと参照し、前記解除パスワードが正規であるか否かを判定するパスワード参照判定部7と、該パスワード参照判定部7により、前記解除パスワードが正規であると判定した場合に、前記稼動停止機構3による稼動停止を解除する停止解除機構5と、前記稼動停止機構3および停止解除機構5を制御する稼動制御部2とを備えたことを特徴とする。
許可パスワード格納部6には、レンタル使用可能期間毎に個別に設定した許可パスワードが格納されているものとすることができる。
パスワード参照判定部7は、前記許可パスワード格納部6に格納されている許可パスワードを読出し、前記通知された解除パスワードが正規であるか否かを判定するものとすることができる。
停止解除機構5は、前記解除パスワード入力部9への正規の解除パスワードの入力により稼動停止を解除したことを契機に、次の期限では別の許可パスワードに更新されるものとすることができる。
停止解除機構5は、前記解除パスワード入力部9に入力した解除パスワードが、前記許可パスワード格納部6に予め格納されている、例えばレンタル料金を払うことでレンタル製品Pを使用可能とする、レンタル使用可能期間毎に設定した許可パスワードと異なる場合、前記解除パスワードは不正規のパスワードとして稼動停止の解除を不能にするものとすることができる。
レンタル製品Pには表示部8を備え、該表示部8には前記解除パスワード入力部9が表示されると共に、レンタル料金の支払を促すメッセージを表示するものとすることができる。
【0009】
以上のように構成された本発明に係る使用可否設定を可能にしたレンタル製品にあって、稼動停止機構3は、レンタル料金を払うことでレンタル製品Pを使用可能とするようレンタル契約時に設定された例えば年・月・週・日等を単位とするレンタル使用可能期間毎に使用時限確認タイマー4を作動させ、使用者にレンタル料金の支払いを促すメッセージを表示部8に表示させる。また、レンタル使用(支払)期限到来後において、レンタル料金の支払いがなく、通知されるべき解除パスワードが入力されない場合にレンタル製品Pの稼動を停止させる。
パスワード参照判定部7は、レンタル料金の支払後に、解除パスワード入力部9にレンタル業者から通知された解除パスワードを入力した際に、許可パスワード格納部6に予め格納されているレンタル使用可能期間毎に個別に設定した許可パスワードと参照させ、前記解除パスワードが正規のものであるか否かを判定させる。
停止解除機構5は、前記入力された解除パスワードが正規であると前記パスワード参照判定部7にて判定した場合に、前記稼動停止機構3による稼動停止を解除させる。
一方、前記解除パスワード入力部9に入力した解除パスワードが、前記許可パスワード格納部6に予め格納されているレンタル使用可能期間毎に設定した許可パスワードと異なる場合、解除パスワードは不正規のパスワードとして稼動停止の解除を不能させる。
稼動制御部2は、前記レンタル製品Pの稼動を停止させる稼動停止機構3、前記パスワード参照判定部7での判定結果に応じて作動させる停止解除機構5を制御させる。
表示部8は、前記解除パスワード入力部9の表示と共にレンタル料金の支払を促すメッセージを表示させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以上説明したように構成されているため、レンタル業者からのレンタル製品Pの貸出後において、レンタル料金の支払いがない場合にレンタル製品Pの稼動を停止でき、レンタル業者へのレンタル料金の支払いがあった場合にはレンタル製品Pの稼動を許可することで、使用者はレンタル料金を支払い、解除パスワードを入手する限り従来どおり継続して使用することができ、また使用者がレンタル製品Pを継続的に使用するにはレンタル料金を支払わなければならないから、レンタル業者はレンタル料金を確実に徴収できる。
【0011】
すなわち、これは本発明が、使用可否設定システム1は、レンタル料金を払うことでレンタル製品Pを使用可能とするレンタル使用可能期間毎に作動する使用時限確認タイマー4を備え、この使用時限確認タイマー4によってレンタル使用可能期間の開始時毎に稼動を停止させる稼動停止機構3と、レンタル料金の支払後にレンタル業者からの解除パスワードを入力するための解除パスワード入力部9と、前記レンタル使用可能期間毎に所定の異なる許可パスワードが関連付けされて予め格納されている許可パスワード格納部6と、前記解除パスワードの入力時に、前記許可パスワード格納部6に予め格納されている許可パスワードと参照し、前記解除パスワードが正規であるか否かを判定するパスワード参照判定部7と、該パスワード参照判定部7により、前記解除パスワードが正規であると判定した場合に、前記稼動停止機構3による稼動停止を解除する停止解除機構5と、前記稼動停止機構3および停止解除機構5を前記レンタル料金の支払の有無と関連付けて制御する稼動制御部2とを備えたからである。
【0012】
このように、使用可否設定システム1には、常時の使用を不能にする稼動停止機構3を設けておき、レンタル業者は、使用者からのレンタル料金の支払いが確認できれば、その稼動停止機構3の使用不能状態を解除する解除パスワードを発行し、使用者がレンタル製品Pの解除パスワード入力部9にその解除パスワードを入力することで、使用者はレンタル製品Pを継続して使用することができる。そのため、使用者がレンタル製品Pを継続的に使用するにはレンタル料金を支払わなければならないことが義務付けられるから、レンタル業者はレンタル料金を確実に徴収できる。
【0013】
許可パスワード格納部6には、レンタル使用可能期間毎に個別に設定した許可パスワードが格納されているので、例えば、許可パスワード格納部6にレンタル使用可能期間毎で異なる許可パスワードが格納されている場合、その期間毎に応じてレンタル業者から通知された解除パスワードと合致するか否かにより、レンタル製品Pのレンタル使用可能期間毎の継続使用可否の設定が確実に行える。
【0014】
パスワード参照判定部7は、前記許可パスワード格納部6に格納されている許可パスワードを読出し、前記通知された解除パスワードが正規であるか否かを判定するので、レンタル業者からの解除パスワードと、許可パスワード格納部6に格納されている許可パスワードとの合致・不合致により、レンタル製品Pの使用可否の設定が確実に行える。
【0015】
停止解除機構5は、前記解除パスワード入力部9への正規の解除パスワードの入力により稼動停止を解除したことを契機に、次の期限では別の許可パスワードに更新されるので、次回のレンタル使用可能期間の開始時到来時に、使用者側で前記正規の解除パスワードを再度自由に入力することにより稼動停止を解除されてしまうというパスワードの不正使用を確実に防止でき、レンタル業者にとっては不正使用を防止する安全性が一層担保される。
【0016】
停止解除機構5は、前記解除パスワード入力部9に入力した解除パスワードが、前記許可パスワード格納部6に予め格納されているレンタル使用可能期間毎に設定した許可パスワードと異なる場合、前記解除パスワードは不正規のパスワードとして稼動停止の解除を不能にするので、使用者は解除パスワードが誤入力されたことを即座に認識でき、正規の解除パスワードの入力を確実なものとすることができる。
【0017】
前記表示部8は、前記解除パスワード入力部9の表示と共にレンタル料金の支払を促すメッセージを表示するので、レンタル製品Pのレンタル使用(支払)期限が到来したことを使用者側は事前に知ることができる。
【0018】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明を実施するための一形態を示すブロック構成図である。
図2】同じく処理手順を示すフローチャートである。
図3】使用可否設定を可能にしたレンタル製品の一例としての光脱毛機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<レンタル製品の概要>
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号1は、レンタル業者から使用者に貸し与える、例えば理美容機器等のレンタル製品Pに設けた使用可否設定システムであり、該使用可否設定システム1には、図1に示すように、稼動制御部2、許可パスワード格納部6、パスワード参照判定部7、解除パスワード入力部9を備えている。稼動制御部2は、レンタル製品Pを制御するもので、例えばレンタル料金を払うことでレンタル製品Pを使用可能とするようレンタル契約時に設定された例えば年・月・週・日等を単位とするレンタル使用可能期間毎に作動する使用時限確認タイマー4と連動している稼動停止機構3と、該稼動停止機構3による稼動停止を解除する停止解除機構5とを使用者によるレンタル料金の支払の有無と関連付けて使用されるようにしてある。
【0021】
本実施形態では、レンタル製品Pとして、図3に示すように、例えばレーザダイオードやフラッシュランプ等の発光部11による光を照射することで脱毛処理を行うキャスタ12付きの光脱毛機等が一例として挙げられている。この例では、解除パスワード入力部9はレンタル業者からの後述する解除パスワードを入力するためのもので、レンタル製品Pの正面パネル部に設けた表示部8に解除パスワード入力部9およびレンタル製品Pを使用操作するための操作キー入力部10を表示可能にしている。なお、光脱毛機は、本実施形態のレンタル製品Pの一例を示したものに過ぎず、レンタル業者が提供する他の電気機器製品であっても良い。また、タッチパネル操作が可能なように表示部8に解除パスワード入力部9を表示させる方式によらずに、例えば解除パスワードを記憶した磁気カードを挿入するスロット式のカード挿入部(図示せず)を設けても良い。
【0022】
レンタル料金の支払いは、レンタル業者が例えば銀行口座への入金をチェックすることで確認される。また、解除パスワードは、レンタル使用可能期間毎に対応して毎回異なる解除パスワードとしてレンタル業者から使用者に、例えば電話連絡あるいはFAX、メール等により通知発行される。
【0023】
<稼動停止機構>
稼動停止機構3は、使用者からのレンタル料金の支払いがなければレンタル製品Pの常時の使用(運転・作動)を不能にする。すなわちレンタル料金の支払いがなく、所定の解除パスワードが入力されておらず、稼動停止機構3が作動しているときは、レンタル製品Pの電源を投入しONしても、レンタル製品Pは稼動しない。なお、稼動停止機構3が作動しているとき、電源が投入ONされたレンタル製品Pの表示部8には、レンタル料金の支払いを促すようなメッセージ、例えば「レンタル使用期限が近づいてきましたのでレンタル料金のご入金をお願い致します」等の文言を表示部8における解除パスワード入力部9と共に表示する。
【0024】
一方、レンタル業者は、使用者からのレンタル料金の支払いが確認できれば、その稼動停止機構3の使用不能状態を解除するための解除用信号データとなる解除用の解除パスワードを発行し、使用者がレンタル製品Pの解除パスワード入力部9にその解除パスワードを入力することで使用可能になるようにしてある。
【0025】
稼動停止機構3は、使用者とレンタル業者との契約時に予め決められている例えば年・月・週・日等を単位とするレンタル使用可能期間毎、例えば月毎に作動することになり、レンタル料金の支払い、その確認があれば、その都度、レンタル業者からの解除パスワードが使用者に通知され、この解除パスワードがレンタル製品Pのレンタル使用期限到来前に解除パスワード入力部9に使用者が入力することで継続的に使用可能とする。
【0026】
<許可パスワード格納部>
許可パスワード格納部6には、例えばレンタル料金を払うことでレンタル製品Pを使用可能とするレンタル使用可能期間毎に所定の異なる許可パスワードが関連付けされて予め順序よく格納されており、例えば簡単には解読できない程度のセキュリティで保護されている。レンタル業者から通知された解除パスワードはレンタル使用可能期間毎に毎回変更されるもので、レンタル業者は、変更するこの解除パスワードをレンタル製品P毎に把握している。なお、解除パスワードは、レンタル製品P間では共通しないものとなっているものとして、例えば他の使用者から解除パスワードを入手しても有効なものとして使用できないようにしている。
【0027】
入力された解除パスワードは停止解除時毎に変更されていないと、停止解除後の次期限が到来してもレンタル料金が支払われないまま使用者が同じ解除パスワードを使って稼動停止機構3を自由に停止解除できてしまう不都合があるので、解除パスワードの変更は必要である。すなわち、レンタル使用可能期間毎に異なる許可パスワードが設定されていることで、その特定の許可パスワードに合致する解除パスワードを入力しないと停止解除されない。
【0028】
換言すれば、過去の期間に解除できたパスワードを入力しても、必要とする現在の期間の停止は解除できない。また、例えば複数の所定期間をまとめた支払の確認があれば、それに対応する複数期間の解除パスワードをまとめて入力することも可能である。複数のレンタル期間の料金を払っておけば複数のパスワードを入手でき、レンタル使用可能期間が到来すれば、その都度、解除パスワードを入力することで、レンタル製品Pの継続使用が可能となる。
【0029】
<パスワード参照判定部>
パスワード参照判定部7は、レンタル業者から連絡された解除パスワードを解除パスワード入力部9に入力したとき、前記許可パスワード格納部6に予め設定されている許可パスワードと参照し、正規であるか否かを判定する。停止解除機構5は、パスワード参照判定部7により、前記解除パスワードが正規であると判定した場合に、前記稼動停止機構3によるレンタル製品Pの稼動停止を解除する。このように正規の解除パスワードが入力されて稼動停止機構3の作動が解除されている限り、レンタル製品Pの運転・作動を可能にする。
【0030】
次に、以上のように構成された形態についてのレンタル製品Pの使用可否設定システム1と、レンタル業者および使用者によって実行される処理手順の一例について図2を参照して説明すると、先ず、ステップS10にて、レンタル使用可能期間毎に作動する使用時限確認タイマー4によりレンタル使用(支払)期限が到来したか否かを判定する。レンタル使用可能期間による使用期限が未だ到来していなければ、この判定が満たされるまでループ待機する。レンタル使用(支払)期限が到来したら次のステップS20に移行する。
【0031】
ステップS20では、レンタル製品Pの電源が投入ONされたときに、レンタル料金の支払いを促すようなメッセージ、例えば「レンタル使用期限が近づいてきましたのでレンタル料金のご入金をお願い致します」等の文言を表示部8の解除パスワード入力部9と共に表示する。
【0032】
ステップS30では、レンタル料金が支払われたか否かを判定する。なお、この判定は、レンタル業者が例えば銀行口座への入金をチェックすることで確認され、レンタル料金が支払われたことが確認されなければ、次のステップS40に移行し、レンタル料金が支払われたことが確認されれば、後述のステップS60に移行する。
【0033】
ステップS40では、稼動停止機構3を作動させてレンタル製品Pの常時の使用(運転・作動)を不能にする。この場合、使用者によるレンタル料金の支払いがなく、通知されるべき解除パスワードが入力されていない状態で、レンタル製品Pの電源を投入しONしても、レンタル製品Pは稼動しない。
【0034】
ステップS50では、再度、レンタル料金が支払われたか否かを判定する。なお、この判定もレンタル業者が例えば銀行口座への入金をチェックすることで確認され、レンタル料金が支払われたことが確認されなければ、解除パスワードが入手できないから、ステップS40に戻って稼動停止機構3を作動させてレンタル製品Pの常時の使用を不能にする。レンタル料金が支払われたことが確認されれば、次のステップS60に移行する。
【0035】
ステップS60では、レンタル業者は、稼動停止機構3によるレンタル製品Pの使用不能状態を解除するための解除用信号データとなる解除パスワードを例えば電話連絡あるいはFAX、メール等により発行・通知する。
【0036】
ステップS70では、使用者はレンタル製品Pの解除パスワード入力部9に、レンタル業者から連絡・発行された解除パスワードを入力する。
【0037】
ステップS80では、パスワード参照判定部7により、許可パスワード格納部6に予め設定されている、レンタル使用可能期間毎に関連付けされている許可パスワードを読み出して参照し、使用者によって解除パスワード入力部9へ入力した解除パスワードが正規であるか否か、すなわち許可パスワードに合致するかしないかを判定する処理を実行する。
【0038】
ステップS90では、前記パスワード参照判定部7により解除パスワードが正規であると判定した場合にステップS100に移行し、不正規であると判定した場合にはステップS80に戻って、正規の解除パスワードが入力されるまで、判定を繰り返す。
【0039】
ステップS100では、停止解除機構5を作動させ、前記稼動停止機構3によるレンタル製品Pの稼動停止を解除し、レンタル製品Pの稼動を可能にさせる。その後、本フローは終了する。
【0040】
なお、上記した支払の確認、解除パスワードの発行・連絡、レンタル製品Pの使用可否設定システム1における解除等を例えば通信インターフェース等の通信接続手段の設定と共に機械的に処理するように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0041】
P…レンタル製品
1…使用可否設定システム
2…稼動制御部
3…稼動停止機構
4…使用時限確認タイマー
5…停止解除機構
6…許可パスワード格納部
7…パスワード参照判定部
8…表示部
9…解除パスワード入力部
10…操作キー入力部
11…発光部
12…キャスタ
図1
図2
図3