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特開2019-215852電力供給装置および電力供給装置を作動させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-215852(P2019-215852A)
(43)【公開日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】電力供給装置および電力供給装置を作動させる方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/26 20060101AFI20191122BHJP
   G06F 13/38 20060101ALI20191122BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
   G06F1/26 306
   G06F13/38 350
   H02M3/155 A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-49491(P2019-49491)
(22)【出願日】2019年3月18日
(31)【優先権主張番号】62/659,272
(32)【優先日】2018年4月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/988,161
(32)【優先日】2018年5月24日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】599023978
【氏名又は名称】デルファイ・テクノロジーズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100167243
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 充
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジェイ・ドレオン
(72)【発明者】
【氏名】モハマッド・エルグラウィ
【テーマコード(参考)】
5B011
5B077
5H730
【Fターム(参考)】
5B011DC06
5B011EA05
5B011HH01
5B011JB10
5B077NN02
5H730BB15
5H730BB81
(57)【要約】      (修正有)
【課題】接続されている装置に応じて、異なる出力電圧を生成することができる電力供給装置及び電力供給装置を作動させる方法を提供する。
【解決手段】電力供給装置10は、DC−DC電力コンバータ14と、第1および第2の消費者装置22、24に電力を供給する第1および第2のポート16、18と、デバイスコントローラ20と、を備える。デバイスコントローラ20は、第1の消費者装置22のみが第1のポート16に接続されている場合に第1の電圧閾値と、より大きい第2の電圧閾値と、の間の出力電圧を生成するためにDC−DC電力コンバータ14に指令を与える指令を格納する。さらに、第1の消費者装置22が第1のポート16に接続されており、かつ、第2の消費者装置24が第2のポート18に接続されている場合に第1の電圧閾値で出力電圧を生成するためにDC−DC電力コンバータ14に指令を与える指令を格納する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給装置(10)であって、
入力電圧を受け取って出力電圧を生成するDC−DC電力コンバータ(14)と、
前記DC−DC電力コンバータ(14)に電気的に連通し、第1の消費者装置(22)に電力を供給するように構成された第1のポート(16)と、
前記第1のポート(16)とは異なる第2のポート(18)であって、前記DC−DC電力コンバータ(14)に電気的に連通し、第2の消費者装置(24)に電力を供給するように構成された第2のポート(18)と、
前記DC−DC電力コンバータ(14)と前記第1のポート(16)と前記第2のポート(18)とに連通するデバイスコントローラ(20)と
を備え、
前記デバイスコントローラ(20)は、1つ以上のプロセッサと、メモリと、を備え、
前記メモリは、前記第1の消費者装置(22)が前記第1のポート(16)に接続されており、かつ、前記第2の消費者装置(24)が前記第2のポート(18)に接続されていないことにしたがって、前記デバイスコントローラ(20)に、第1の電圧閾値と、該第1の電圧閾値よりも大きい第2の電圧閾値と、の間の前記出力電圧を生成するために前記DC−DC電力コンバータ(14)に対して指令を出させる指令を備え、
前記メモリは、さらに、前記第1の消費者装置(22)が前記第1のポート(16)に接続されており、かつ、前記第2の消費者装置(24)が前記第2のポート(18)に接続されていることにしたがって、前記デバイスコントローラ(20)に、前記第1の電圧閾値で前記出力電圧を生成するために前記DC−DC電力コンバータ(14)に対して指令を出させる指令を備えている
電力供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力供給装置(10)であって、
前記DC−DC電力コンバータ(14)は、バックブースト構成を有しており、
前記第1の電圧閾値は5ボルトである
電力供給装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電力供給装置(10)であって、
前記第2の電圧閾値は20ボルトである
電力供給装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電力供給装置(10)であって、
前記電力供給装置(10)は、ユニバーサルシリアルバス(USB)電力移送仕様2.0に準拠している
電力供給装置。
【請求項5】
請求項1に記載の電力供給装置(10)であって、
前記第2の電圧閾値は21ボルトである
電力供給装置。
【請求項6】
請求項1に記載の電力供給装置(10)であって、
前記電力供給装置(10)は、USB電力移送仕様3.0に準拠している
電力供給装置。
【請求項7】
請求項1に記載の電力供給装置(10)であって、
前記DC−DC電力コンバータ(14)は、前記出力電圧が前記入力電圧以下であることにしたがって、6アンペアの第1の最大電流出力容量を有し、
前記DC−DC電力コンバータ(14)は、前記出力電圧が前記入力電圧よりも大きいことにしたがって、5アンペアの第2の最大電流出力容量を有する
電力供給装置。
【請求項8】
請求項1に記載の電力供給装置(10)であって、
前記DC−DC電力コンバータ(14)は、バックオンリー構成を有しており、
前記第1の電圧閾値は5ボルトであり、前記第2の電圧閾値は9ボルトである
電力供給装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電力供給装置(10)であって、
前記電力供給装置(10)は、USB電力移送仕様2.0に準拠している
電力供給装置。
【請求項10】
請求項8に記載の電力供給装置(10)であって、
前記DC−DC電力コンバータ(14)は、6アンペアの最大電流出力容量を有する
電力供給装置。
【請求項11】
方法(100)であって、
1つ以上のプロセッサとメモリとを有するデバイスコントローラ(20)と、該デバイスコントローラ(20)に連通し、出力電圧を生成するDC−DC電力コンバータ(14)と、前記DC−DC電力コンバータ(14)に電気的に連通し、第1の消費者装置(22)に電力を供給するように構成された第1のポート(16)と、前記第1のポート(16)とは異なる第2のポート(18)であって、前記DC−DC電力コンバータ(14)に電気的に連通し、第2の消費者装置(24)に電力を供給するように構成された第2のポート(18)と、において、前記デバイスコントローラ(20)は、1つ以上のプロセッサとメモリとを有し、
前記方法(100)は、
前記第1の消費者装置(22)が前記第1のポート(16)に接続されているか否かを判定する工程(102)と、
前記第2の消費者装置(24)が前記第2のポート(18)に接続されているか否かを判定する工程(104)と、
前記第1の消費者装置(22)が前記第1のポート(16)に接続されており、かつ、前記第2の消費者装置(24)が前記第2のポート(18)に接続されていないと前記デバイスコントローラ(20)が判定したことにしたがって、前記DC−DC電力コンバータ(14)によって、第1の電圧閾値と、該第1の電圧閾値よりも大きい第2の電圧閾値と、の間の前記出力電圧を生成する工程(106)と、
前記第1の消費者装置(22)が前記第1のポート(16)に接続されており、かつ、前記第2の消費者装置(24)が前記第2のポート(18)に接続されていると前記デバイスコントローラ(20)が判定したことにしたがって、前記DC−DC電力コンバータ(14)によって、前記第1の電圧閾値で前記出力電圧を生成する工程(108)と
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本願は、2018年5月24日に出願された米国特許出願第15/988,161号(現在は、米国特許第10,185,380として発行されている)の利益を要求する。米国特許出願第15/988,161号は、2018年4月18日に出願された米国仮特許出願第62/659,272号の利益を主張している。これらの出願の各々の開示全体は、参照によって本願に組み入れられる。
【0002】
[0002]本願は、概して、電力供給装置および電力供給装置を作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]電力供給装置は、入力電圧を受け取って出力電圧を生成するDC−DC電力コンバータと、第1の消費者装置に電力を供給するように構成された、DC−DC電力コンバータに電気的に連通する第1のポートと、第1のポートと異なる第2のポートであって、第2の消費者装置に電力を供給するように構成された、DC−DC電力コンバータに電気的に連通する第2のポートと、を備えている。電力供給装置は、さらに、DC−DC電力コンバータと第1のポートと第2のポートとに連通するデバイスコントローラを備えている。デバイスコントローラは、1つ以上のプロセッサとメモリとを有している。メモリは、第1の消費者装置が第1のポートに接続されており、第2の消費者装置が第2のポートに接続されていないことにしたがって、デバイスコントローラに、第1の電圧閾値と、第1の電圧閾値よりも大きい第2の電圧閾値と、の間の出力電圧を生成するためにDC−DC電力コンバータに対して指令を出させる指令を備えている。メモリは、さらに、第1の消費者装置が第1のポートに接続されており、第2の消費者装置が第2のポートに接続されていることにしたがって、デバイスコントローラに、第1の電圧閾値で出力電圧を生成するためにDC−DC電力コンバータに対して指令を出させる指令を備えている。
【0004】
[0004]1つの特定の実施形態によれば、DC−DC電力コンバータは、バックブースト構成を有している。
【0005】
[0005]様々な実施形態によれば、電力供給装置は、ユニバーサルシリアルバス(USB)電力移送仕様2.0またはUSB電力移送仕様3.0に準拠していてもよい。
【0006】
[0006]様々な実施形態によれば、第1の電圧閾値は5ボルトであり、第2の電圧閾値は20または21ボルトであってもよい。
【0007】
[0007]他の実施形態によれば、DC−DC電力コンバータは、出力電圧が入力電圧以下であることにしたがって6アンペアの第1の最大電流出力容量を有しており、DC−DC電力コンバータは、出力電圧が入力電圧よりも大きいことにしたがって5アンペアの第2の最大電流出力容量を有している。
【0008】
[0008]さらに別の実施形態によれば、DC−DC電力コンバータは、バックオンリー構成を有しており、第1の電圧閾値は5ボルトであり、第2の電圧閾値は9ボルトである。DC−DC電力コンバータは、6アンペアの最大電流出力容量を有している。
【0009】
[0009]そのような電力供給装置を作動させる方法は、
・第1の消費者装置が第1のポートに接続されているか否かを判定する工程と、
・第2の消費者装置が第2のポートに接続されているか否かを判定する工程と、
・第1の消費者装置が第1のポートに接続されており、かつ、第2の消費者装置が第2のポートに接続されていないとデバイスコントローラが判定することにしたがって、第1の電圧閾値と、第1の電圧閾値よりも大きい第2の電圧閾値と、の間の出力電圧をDC−DC電力コンバータによって生成する工程と、
・第1の消費者装置が第1のポートに接続され、かつ、第2の消費者装置が第2のポートに接続されているとデバイスコントローラが判定することにしたがって、第1の電圧閾値で出力電圧をDC−DC電力コンバータによって生成する工程と
を備えている。
【0010】
[0010]本発明が、例示目的で、添付の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011]一実施形態による電力供給装置の概略図である。
図2】[0012]一実施形態による電力供給装置を作動させる方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0013]以下に実施形態が詳細に参照される。これらの実施形態の例は、添付図面に示されている。以下の詳細な説明では、説明される様々な実施形態に対する完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が説明される。ただし、説明される様々な実施形態は、これらの特定の詳細なしで実施され得ることが当業者には理解されよう。他の例では、実施形態の態様を不必要に不明確にしないようにするために、周知の方法、手順、部品、回路およびネットワークは詳細には記載されていない。
【0013】
[0014]ユニバーサルシリアルバス(USB)は、限定された電力をデータインタフェースで電力のプライマリプロバイダに供給することができるデータインタフェースから発展してきた。今日では、多くの装置が、ラップトップ、車、航空機、あるいは、壁コンセントにすら収容されたUSBポートから電力を充電するか、得ている。USBは、多くの消費者装置(例えば、携帯電話、デジタルメディアプレーヤ、および/または、他の携帯デバイス)のためのどこにでもある電源ソケットになっている。ユーザは、USBを使用して、データに関してのそれらの要求を満たすだけでなく、「従来の」USB機能を実行するために、多くの場合はドライバをロードする必要なく、それらのデバイスに簡単に電力を提供し、あるいは、それらのデバイスを充電するための要求を満たす。
【0014】
[0015]USB電力移送(PD)仕様は、単一のケーブル上でデータと共に、よりフレキシブルな電力移送(例えば、バッテリ充電)を提供することによって、USBの最大機能を可能にしている。その目的は、既存のUSBエコシステムを使用して作動させ、当該システム上に構築することである。USB電力移送仕様2.0およびUSB電力移送仕様3.0は、USB仕様策定団体によって公開されており、その各々は、参照によって本明細書に組み入れられる。
【0015】
[0016]提案される革新的な解決策は、複数のポートに接続される単一の電力供給装置を提供することである。複数のポートの各々は、消費者デバイスと接続するように構成される。電力供給装置は、例えば車両バッテリから入力電圧を受け取って異なる出力電圧を生成するDC−DC電力コンバータを備えている。DC−DC電力コンバータは、ポートの各々に接続される。電力供給装置は、さらに、DC−DC電力コンバータと第1のポートと第2のポートとに連通するデバイスコントローラを備えている。デバイスコントローラは、消費者装置が単一のポートのみに接続され、他のポートのいずれかに接続された消費者装置が他に存在しない場合に、DC−DC電力コンバータに指令を与えて、第1の電圧閾値(例えば、5ボルト)と第2の電圧閾値(例えば、20ボルト)との間の出力電圧を生成するようにプログラムされている。デバイスコントローラは、さらに、複数の消費者装置が複数のポートに接続されている場合に、DC−DC電力コンバータに指令を与えて、第1の電圧閾値で出力電圧を生成するようにプログラムされている。
【0016】
[0017]このイノベーションは、複数のポートについての低コストの「初歩的な」PD解決策を提供する。なぜなら、それは、一度で1つのポート上でのPD充電能力を依然として提供しつつ、各ポートについての専用の電力供給の必要性を取り除くからである。
【0017】
[0018]図1は、自動車12で使用するように構成された電力供給装置(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)電力移送(PD)デバイス。以下では、PDデバイス10と呼ぶ)を示している。PDデバイス10は、車両12内のUSBが有効化された装置(図示せず)のバッテリ充電を支援するために使用されてもよい。PDデバイス10は、車両の電気システムから入力電圧を受け取るバックオンリーDC−DC電力コンバータ(以下では、DCコンバータ14と呼ぶ)を備えている。出力電圧は、少なくとも2つの異なる電圧(例えば、通常のUSB充電速度をサポートするための5ボルト出力、または、向上されたUSB充電速度をサポートするための9ボルト出力)のうちの一方であってもよい。DCコンバータ14(これは、バックオンリーDC−DC電力コンバータである)は、入力電圧よりも大きい電圧を提供することができない。
【0018】
[0019]代替的に、DCコンバータ14は、5ボルト〜21ボルト(これは、12〜14ボルトの典型的な車両入力電圧よりも大きく、小さい)の出力電圧を生成する「バック/ブースト」型であってもよい。
【0019】
[0020]DCコンバータ14は、少なくとも2つのUSBポート(例えば、USB−Cタイプのポート(USB仕様策定団体によって公開されたUSBタイプC仕様1.0を参照のこと))に接続される。少なくとも2つのUSBポートは、消費者装置と接続し、充電のための電力を当該消費者装置に供給するように構成されており、以下では、第1のポート16および第2のポート18と呼ぶ。
【0020】
[0021]PDデバイス10は、さらに、DCコンバータ14と第1のポート16と第2のポート18とに連通するデバイスコントローラ20を備えている。デバイスコントローラ20は、1つ以上のプロセッサとメモリとを有している。プロセッサは、マイクロプロセッサまたは用途特定集積回路(ASIC)であってもよいし、個別論理・タイミング回路(図示せず)から構築されてもよい。プロセッサをプログラムするソフトウェア指令が不揮発性(NV)記憶装置(図示せず)に格納されていてもよい。NV記憶装置は、マイクロプロセッサもしくはASIC内に収容されていてもよし、あるいは、別体の装置であってもよい。使用することができるNV記憶装置の方式の非限定的な例には、電気的消却・プログラム可能ROM(EEPROM)、マスクリードオンリーメモリ(ROM)およびフラッシュメモリが含まれる。
【0021】
[0022]メモリは、デバイスコントローラ20に第1のポート16および第2のポート18と通信させて、消費者装置が第1のポート16および/または第2のポート18に接続されているか否かを判定する指令を格納している。消費者装置22が第1のポート16のみに接続されており、かつ、第2のポート18または他の任意のポート(図示せず)に接続されている消費者装置がないとデバイスコントローラ20が判定した場合、デバイスコントローラ20は、USB PDプロトコルにしたがって第1のポート16を介して、接続された第1の消費者装置22と通信して、第1の電圧閾値(例えば、5ボルト)と第2の電圧閾値(例えば、21ボルト)との間の出力電圧を取り決め、取り決められた電圧で出力電圧を提供するためにDCコンバータ14に指令を出す。消費者装置22が第1のポート16に接続されており、かつ、他の消費者装置24が第2のポート18に接続されているとデバイスコントローラ20が判定した場合には、デバイスコントローラ20は、USB PDプロトコルにしたがって第1のポート16および第2のポート18を介して、接続された第1の消費者装置22および第2の消費者装置24と通信して、出力電力が相対的に小さい第1の電圧閾値に固定されていることを消費者装置に知らせる。
【0022】
[0023]第1のポート16が第1の消費者装置22に接続されている場合、かつ、第2の消費者装置24が第2のポート18に接続されているときにDCコンバータ14が第2の閾値で出力電圧を供給している場合には、デバイスコントローラ20は、第2のポート18に出力電圧を供給する前にDCコンバータ14が第1の電圧閾値で出力電圧を生成していることを確認する。
【0023】
[0024]PDデバイス10は、さらに、PDデバイス10が車両12内の他のデバイスと電気的な通信を確立することができるように、インタフェース回路(図示せず)(例えば、コントローラエリアネットワーク(CAN)送受信機、ローカルインターコネクトネットワーク(LIN)送受信機、USB送受信機、および/または、アナログ/デジタルコンバータ回路)を備えている。
【0024】
[0025]バック/ブーストDCコンバータ14を備えるとともにユニバーサルシリアルバス(USB)電力移送仕様2.0に準拠する実施形態では、第1の電圧閾値は5ボルトであり、第2の電圧閾値は20ボルトである。
【0025】
[0026]バック/ブーストDCコンバータ14を備えるとともにユニバーサルシリアルバス(USB)電力移送仕様3.0に準拠する実施形態では、第1の電圧閾値は5ボルトであり、第2の電圧閾値は21ボルトである。
【0026】
[0027]バック/ブーストDCコンバータ14は、出力電圧が入力電圧以下である場合に6アンペアに制限される電流出力容量を有している。DCコンバータ14の電流出力容量は、出力電圧が入力電圧よりも大きい場合に5アンペアに制限される。PDデバイス10は、第1のポート16および第2のポート18上の電流を制限するために使用される電力スイッチを備えていてもよい。
【0027】
[0028]バックオンリーDCコンバータ14を備えるとともにユニバーサルシリアルバス(USB)電力移送仕様2.0に準拠するさらに別の実施形態では、第1の電圧閾値は5ボルトであり、第2の電圧閾値は9ボルトである。バックオンリーDCコンバータ14は、6アンペアに制限される電流出力容量を有している。再度述べるが、PDデバイス10は、第1のポート16および第2のポート18上の電流を制限するために使用される電力スイッチを備えていてもよい。
【0028】
[0029]図2は、デバイスコントローラ20とDCコンバータ14と第1のポート16と第2のポート18とを備えるPDデバイス10を作動させる方法100を示している。デバイスコントローラ20は、1つ以上のプロセッサとメモリとを有している。方法100は、次の工程を備えている。
【0029】
[0030]ステップ102、すなわち、第1の消費者装置が第1のポートに接続されているか否かを判定する工程は、第1の消費者装置22が第1のポート16に接続されているか否かをPDデバイス10が判定する工程を備えている。
【0030】
[0031]ステップ104、すなわち、第2の消費者装置が第2のポートに接続されているか否かを判定する工程は、第2の消費者装置24が第2のポート18に接続されているか否かをPDデバイス10が判定する工程を備えている。
【0031】
[0032]ステップ106、すなわち、第1の電圧閾値と第2の電圧閾値との間の出力電圧を生成する工程は、第1の消費者装置22が第1のポート16に接続されており、かつ、第2の消費者装置24が第2のポート18に接続されていないとデバイスコントローラ20が判定することにしたがって、PDデバイス10が第1の電圧閾値と第2の電圧閾値との間にある出力電圧を生成する工程を備えている。この第2の電圧閾値は第1の電圧閾値よりも大きい。
【0032】
[0033]ステップ108、すなわち、第1の電圧閾値で出力電圧を生成する工程は、第1の消費者装置22が第1のポート16に接続されており、かつ、第2の消費者装置24が第2のポート18に接続されているとデバイスコントローラ20が判定することにしたがって、PDデバイス10がDC−DC電力コンバータによって第1の電圧閾値で出力電圧を生成する工程を備えている。
【0033】
[0034]このように、電力供給装置(例えば、USB PDデバイス10)、および、そのようなPDデバイス10を作動させる方法100が提供される。PDデバイス10および方法100は、従来のUSB PDデバイスの構成よりも低コストで、単一のDCコンバータを使用して複数のポートをサポートできるというUSB PDデバイス10の利益を提供する。
【0034】
[0035]本発明が、その好ましい実施形態について説明されたが、それは、そのように限定されることは意図しておらず、次の特許請求の範囲に記載される範囲によってのみ限定されることを意図している。例えば、上述の実施形態(および/または、その態様)は、互いに組み合わされて使用されてもよい。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適用するように多くの変形形態を作り得る。様々な構成要素の寸法、材料の種類、および、向き、ならびに、本明細書に記載される様々な構成要素の数および位置は、なんらかの実施形態のパラメータを定義することを意図しており、決して限定ではなく、単なる典型的な実施形態である。
【0035】
[0036]特許請求の範囲の趣旨および範囲内での多くの他の実施形態および変形形態は、上記の説明を読めば、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、そのような特許請求の範囲に与えられる均等物の完全な範囲と共に、次の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【0036】
[0037]本明細書で使用される場合、「1つ以上」には、1つの要素によって機能が実行されること、1つよりも多い要素によって(例えば分散した態様で)機能が実行されること、1つの要素によって幾つかの機能が実行されること、幾つかの要素によって幾つかの機能が実行されること、または、上記の任意の組合せが含まれる。
【0037】
[0038]様々な要素を説明するために第1,第2などの用語が本明細書において、いくつかの場合で使用されているが、これらの要素は、これらの用語によって制限されるべきではないことも理解されよう。これらの用語は、1つの要素を他の要素と区別するために使用される。例えば、上述の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の接触を第2の接触と呼んでもよく、同様に、第2の接触を第1の接触と呼んでもよい。第1の接触および第1の接触は、両方とも接触であるが、同じ接触ではない。
【0038】
[0039]本明細書での上述の様々な実施形態の説明に使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することを目的にしているだけであり、限定は意図されていない。上述の様々な実施形態の説明および添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈がそうでないことを明確に示していなければ、「a」、「an」、「the」などの単数形は、複数形も含むことが意図されている。本明細書で使用される「および/または」(and/or)との用語は、関連する列挙された物のうちの1つ以上の任意および全ての可能な組合せに言及しており、また、それらを包含することも理解されよう。「備える」(includes、including、comprisesおよび/またはcomprising)との用語は、本明細書で使用される場合、言及された特徴、整数、工程、動作、要素および/または構成部品の存在を特定しているが、他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成部品および/またはそれらの群のうちの1つ以上の存在または追加を除外するものではないことが、さらに理解されよう。
【0039】
[0040]本明細書で使用される場合、「場合」(if)との用語は、オプション的に、文脈に応じて「とき」(when)または「際」(upon)または、「判定に応じて」(in response to determining)または「検出に応じて」(in response to detecting)を意味するものとして解釈される。同様に、「判定された場合」(if it is determined)または「『上述の条件または事象』が検出された場合」(if [a stated condition or event] is detected)との表現は、オプション的に、文脈に応じて「判定した際」(upon determining)または「判定に応じて」(in response to determining)または「『上述の条件または事象』を検出した際」(upon detecting [a stated condition or event])または「『上述の条件または事象』の検出に応じて」(in response to detecting [a stated condition or event])を意味するものとして解釈される。
【0040】
[0041]さらに、位置または向きの用語が本明細書で使用される場合があるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではない。位置および向きの用語の全ては、特に断らなければ、1つの要素を他の要素と区別する目的のために使用されるのであり、特に断らなければ、特定の順序、動作の順序、方向または向きを示すものではない。
図1
図2
【外国語明細書】
2019215852000001.pdf