【解決手段】デバイスは、1つ以上のハプティックアクチュエーターを有するハプティック対応表示デバイスを含む。1つ以上のハプティックアクチュエーターは、ハプティック対応表示デバイスの表示画面の非視認領域に位置し、表示画面の視認領域に局所化ハプティック効果をもたらす。ハプティック対応表示デバイスは、ハプティックアクチュエーターをアクティベートするためにハプティック制御信号を確定するように構成されたプロセッサを備える。ハプティック制御信号は、1つ以上のハプティックアクチュエーターの非視認領域位置からリモートである、視認領域の目標位置で局所化ハプティック効果を提供するように、1つ以上のハプティックアクチュエーターをアクティベートする。
視認領域及び非視認領域を有する表示画面であって、前記視認領域に視覚ディスプレイを提供するように構成された複数のディスプレイコンポーネントを備える、表示画面と、
前記非視認領域において前記表示画面に固定された複数のハプティックアクチュエーターと、
少なくとも1つのプロセッサであって、
前記複数のハプティックアクチュエーターの中から少なくとも1つのハプティックアクチュエーターを選択し、
前記少なくとも1つのハプティックアクチュエーターをアクティベートし、それにより、前記表示画面の前記視認領域において目標位置で局所化ハプティック効果をもたらすように構成されたハプティック制御信号を確定し、
前記目標位置で前記局所化ハプティック効果をもたらすように、前記ハプティック制御信号を前記少なくとも1つのハプティックアクチュエーターに送信する、
ように構成された、少なくとも1つのプロセッサと、
を備える、ハプティック対応表示デバイス。
前記表示画面は、透明層及び基板を備え、該基板は、前記視認領域を画定する前記複数のディスプレイコンポーネントを含む表示部分と、前記非視認領域を画定する非表示部分とを有し、前記透明層は、前記基板の上に重なり、前記表示部分及び前記非表示部分の上に伸張している、請求項1に記載のハプティック対応表示デバイス。
前記プロセッサは、前記表示画面の振動モードに従って少なくとも1つの周波数で前記少なくとも1つのハプティックアクチュエーターをアクティベートするように、前記ハプティック制御信号を確定するように構成されている、請求項1に記載のハプティック対応表示デバイス。
前記少なくとも1つのハプティックアクチュエーターは、前記複数のハプティックアクチュエーターのうちの2つ以上のハプティックアクチュエーターを含み、前記ハプティック制御信号は、2つ以上のハプティック制御信号を含み、該2つ以上のハプティック制御信号の各々は、前記表示画面の振動モードに従って、少なくとも1つの周波数で前記2つ以上のハプティックアクチュエーターから対応するハプティックアクチュエーターをアクティベートするように確定される、請求項1に記載のハプティック対応表示デバイス。
前記目標位置は第1の目標位置であり、前記プロセッサは、前記第1の目標位置とは異なる、前記表示画面の前記視認領域における第2の目標位置で、第2の局所化ハプティック効果をもたらすように、前記複数のハプティックアクチュエーターの中から少なくとも1つのハプティックアクチュエーターをアクティベートするように、前記ハプティック制御信号を確定するように更に構成されている、請求項1に記載のハプティック対応表示デバイス。
前記目標位置は、前記視認領域の一部を含み、前記プロセッサは、前記目標位置の外側の前記視認領域の位置で実質的に触覚的に知覚不可能なハプティック効果のみをもたらすように、前記ハプティック制御信号を確定するように構成されている、請求項1に記載のハプティック対応表示デバイス。
視認領域及び非視認領域を有する表示画面にハプティック効果を与える方法であって、前記表示画面は、前記視認領域に視覚ディスプレイを提供するように構成された複数のディスプレイコンポーネントを備え、該方法は、
少なくとも1つのプロセッサにより、前記非視認領域において前記表示画面に固定された複数のハプティックアクチュエーターの中から、少なくとも1つのハプティックアクチュエーターを選択することと、
前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記表示画面の前記視認領域において目標位置で局所化ハプティック効果をもたらすように、前記少なくとも1つのハプティックアクチュエーターをアクティベートするように構成されたハプティック制御信号を確定することと、
前記ハプティック制御信号を前記少なくとも1つのハプティックアクチュエーターに送信することと、
前記少なくとも1つのハプティックアクチュエーターにより、前記目標位置で前記局所化ハプティック効果をもたらすことと、
を含む、方法。
前記表示画面の振動モードに従って少なくとも1つの周波数で前記少なくとも1つのハプティックアクチュエーターをアクティベートするように、前記ハプティック制御信号を確定することを更に含む、請求項14に記載の方法。
前記少なくとも1つのハプティックアクチュエーターは、複数のハプティックアクチュエーターを含み、前記ハプティック制御信号は、複数のハプティック制御信号を含み、前記方法は、前記表示画面の振動モードに従って、少なくとも1つの周波数で前記複数のハプティックアクチュエーターから対応するハプティックアクチュエーターをアクティベートするように、前記複数のハプティック制御信号の各々を確定することを更に含む、請求項14に記載の方法。
前記方法は、前記表示画面に振動の干渉パターンを確立するように前記複数のハプティック制御信号を確定することを更に含み、前記振動の干渉パターンは、前記目標位置で前記局所化ハプティック効果を提供するように構成される、請求項14に記載の方法。
前記目標位置は第1の目標位置であり、前記方法は、前記表示画面の前記視認領域における、前記第1の目標位置とは異なる第2の目標位置で、第2の局所化ハプティック効果をもたらすように、前記複数のハプティックアクチュエーターの中から少なくとも1つのハプティックアクチュエーターをアクティベートするように、前記ハプティック制御信号を確定することを更に含む、請求項14に記載の方法。
前記少なくとも1つのハプティックアクチュエーターからリモートである前記目標位置で前記局所化ハプティック効果をもたらすように、前記ハプティック制御信号を確定することを更に含む、請求項14に記載の方法。
前記目標位置は、前記視認領域の一部を含み、前記方法は、前記目標位置の外側の前記視認領域の位置で実質的に触覚的に知覚不可能なハプティック効果のみをもたらすように、前記ハプティック制御信号を確定することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の上述の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付の図面に示されるような本発明の実施形態の以下の説明から明らかであろう。本明細書に組み込まれるとともに本明細書の一部をなす添付の図面は更に、本発明の原理を説明するとともに、当業者が本発明を実施及び使用することを可能にする役割を果たす。図面は一定縮尺ではない。
【0009】
ここで本発明の特定の実施形態を、図面を参照して説明する。以下の詳細な説明は本来例示的なものでしかなく、本発明又は本発明の用途及び使用を限定するように意図されていない。さらに、前述の技術分野、背景技術、発明の概要又は以下の詳細な説明に提示されている、明示又は暗示されるいかなる理論にも制限されることは意図されていない。
【0010】
本発明の実施形態は、局所化ハプティック効果を提供するように構成されたハプティック対応表示デバイスに関する。本明細書に記載する実施形態によるハプティック対応表示デバイスは、ハプティックアクチュエーターを備え、ハプティックアクチュエーターは、ハプティック対応表示デバイスのディスプレイ又は表示画面の視認領域の外側に配置され、かつ視認領域内に局所化ハプティック効果をもたらすように構成されている。ハプティックアクチュエーターは、表示画面の視認領域の周縁部に配置することができ、本発明の実施形態によれば、表示画面の視認領域とは反対側に配置することができる。ハプティック対応表示デバイスに関連するプロセッサは、ハプティックアクチュエーターのうちの1つ以上をアクティベートして、視認領域の目標位置に局所化ハプティック効果をもたらすように、視認領域において定常波干渉パターンを確立し、一方で、目標位置の外側の領域には実質的に知覚不可能なハプティック効果のみをもたらす。したがって、表示画面の非視認領域に位置するハプティックアクチュエーターは、表示画面の視認領域に局所化ハプティック効果を提供する。
【0011】
例えば、本発明の実施形態によるハプティック対応表示デバイスは、自動車のダッシュボード埋込表示画面を含むことができる。ハプティックアクチュエーターは、ダッシュボード埋込表示画面の非視認領域に位置することができ、したがって、可能な限り広い視認領域を提供する。ユーザーは、ダッシュボード埋込表示画面とインタラクトするとき、道路を見続けながら、触れることによりそれを行うことができる。ダッシュボード埋込表示画面は、ユーザーが触れているダッシュボード埋込表示画面の画面の目標位置に、局所化ハプティック効果を提供するように構成することができ、したがって、ユーザーが画面を見ていなくても、ユーザーに対し情報及びフィードバックを提供する。
【0012】
別の例では、インタラクティブ地下鉄地図が、広いデジタル表示画面を備えることができる。表示画面全体を触覚的に作動させること、又は、表示画面の特定の部分に取り付けられた、それら特定の部分を作動させるために十分なアクチュエーターを備えることは、実際的でないか又は費用がかかる可能性がある。本発明の実施形態によるハプティックアクチュエーターは、ユーザーが表示画面とインタラクトする際に表示画面の特定の位置に局所化ハプティック効果を提供するように、表示画面の非視認領域に含めることができる。
【0013】
更に別の例では、ユーザーのタブレット、スマートフォン、ファブレット又は他のパーソナルデバイスが、表示画面の非視認領域に含まれる、本発明の実施形態によるハプティックアクチュエーターを備えることができる。非視認領域にアクチュエーターを配置することにより、表示画面のいかなる部分も覆い隠されない。さらに、ユーザーのインタラクションに基づいて表示画面の一部のみをアクティベートすることにより、消費する電力をより少なくし、バッテリ寿命を節約することができる。さらに、システムは、一意のハプティック体験を提供することができる。例えば、システムは、デバイスタッチスクリーンとのユーザーの多接点接触に対応するように複数の局所化ハプティック効果を提供することができる。複数の局所化ハプティック効果は異なることができ、例えば、ユーザーは、タッチスクリーンに接触する各指で、より強いか又は異なるハプティック効果を知覚することができる。複数の局所化ハプティック効果を用いて、デバイスタッチスクリーンの全体のアクティベーションにより可能ではない方法で、ユーザーにハプティックフィードバックを効率的に通信することができる。
【0014】
上述した例及び他の例は、後述する実施形態と一貫している。
【0015】
本明細書に記載する実施形態は、コンピューターシステム及び表示画面を有するハプティック対応表示デバイスを備えるデバイス及びシステムに関する。本発明に一貫するコンピューターシステムは、ゲーム機、ハンドヘルドゲーミングデバイス、パーソナルコンピューター(例えば、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター等)、スマートフォン、タブレットコンピューティングデバイス、テレビ、インタラクティブサイン(双方向広告)、及び/又はハプティック制御信号を提供するようにプログラムすることができる他のデバイスとして構成することができる。コンピューターシステムは、1つ以上のプロセッサ(また本明細書では、便宜上、複数のプロセッサ、プロセッサ(複数の場合もある)又は1つのプロセッサと同義に呼ぶ)、1つ以上のメモリユニット、音声出力、ユーザー入力要素、単数又は複数の通信ユニット、及び/又は他のコンポーネントを備えることができる。コンピューターシステムプロセッサは、1つ以上のコンピュータープログラム命令により、本明細書に記載する方法を実行するようにプログラムすることができる。本発明による通信ユニットは、周辺デバイスと伝送又は通信することができる、有線又は無線の任意の接続デバイスを含むことができる。
【0016】
代替実施形態では、本発明によるハプティック対応表示デバイスは、ハプティック対応表示デバイスにハプティック制御信号を提供するように構成されたコンピューターシステムとは別個に提供することができる。こうしたコンピューターシステムは、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のメモリユニット、音声出力、ユーザー入力要素、単数又は複数のハプティック通信ユニット、及び/又は他のコンポーネントを備えることができる。こうしたコンピューターシステムプロセッサは、1つ以上のコンピュータープログラム命令により、ハプティック通信ユニット(複数の場合もある)を介してハプティック対応表示デバイスに送信されるハプティック制御信号により、本明細書に記載する方法を実行することができる。本発明によるハプティック通信ユニットは、プロセッサからハプティック対応表示デバイスに関連するハプティックアクチュエーターにハプティック制御信号を送信又は通信することができる、有線又は無線の任意の接続デバイスを含むことができる。本発明の実施形態では、ハプティック通信ユニットは、単にハプティック制御信号を送出するように構成された専用ユニットとすることができる。更なる実施形態では、ハプティック通信ユニットは、外部デバイスに有線又は無線で無数の他の通信を供給するように更に機能することができる。
【0017】
ハプティック対応表示デバイスは、ハプティック対応表示デバイスの表示画面にハプティック効果を与える1つ以上のハプティックアクチュエーターを有するデバイスを含む。本発明の実施形態では、ハプティック対応表示デバイスは、作動のために、例えばハプティック対応表示デバイスのプロセッサから、ハプティック制御信号を直接受信する、1つ以上のハプティックアクチュエーターを備えるデバイスとすることができる。更なる実施形態では、ハプティック対応表示デバイスは、1つ以上のハプティックアクチュエーターにハプティック制御信号を伝送する前に、リモートデバイスから受信したハプティック出力信号を処理又は解釈することができる、1つ以上のプロセッサを更に備えることができる。更なる実施形態では、ハプティック対応表示デバイスはまた、ユーザーがコンピューターシステムとインタラクトするのを可能にする、ユーザー入力要素、例えば、トリガー、ボタン、ジョイスティック、ジョイパッド等の制御要素も備えることができる。ハプティック対応表示デバイスは、本発明の実施形態と整合するコンピューターシステム等、中央デバイスに対する付属ユニット又は周辺ユニットとして機能するように設計されたデバイスである、ハプティック対応周辺デバイスを備えることができる。
【0018】
図1は、本発明の実施形態によるハプティック対応表示デバイス100を示す。ハプティック対応表示デバイス100は、表示画面106とハウジング101とを備える。表示画面106は、視認領域111と非視認領域110とを含む。ハプティック対応表示デバイス100は、非視認領域110において表示画面106に固定された複数のハプティックアクチュエーター105を更に備える。ハウジング101及び表示画面106は、可撓性とすることができ、又は剛性とすることができる。
【0019】
表示画面106は、視認領域111において視覚ディスプレイのために画像を提供するように構成された複数のディスプレイコンポーネント(図示せず)を備える。表示画面106は、例えば、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、LEDバックライトLCD、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等を含む、本技術分野において既知である任意のタイプの表示画面とすることができる。例えば、OLEDディスプレイは、ディスプレイコンポーネントとして有機発光ダイオードを備え、LCDは、ディスプレイコンポーネントとして液晶を備える。他のディスプレイタイプは、他のタイプのディスプレイコンポーネントを備えることができる。複数のディスプレイコンポーネントが、表示画面106の視認領域111において視覚ディスプレイを提供するように、かつ、表示画面106の非視認領域110に視覚ディスプレイが提供されないように、配置されている。本発明の実施形態によれば、視認領域111は、ディスプレイコンポーネントを有する表示画面106の領域の上方に位置することができ、非視認領域110は、ディスプレイコンポーネントのない表示画面106の領域の上方に位置することができる。
【0020】
図1において、非視認領域110は、視認領域111の周縁部を包囲し、かつ視認領域111の周囲の境界を形成する。この配置は、単に例示的なものである。視認領域111及び非視認領域110は、
図1に示すように、規則的な形状を形成する必要はなく、散在させることができる。例えば、視認領域111は、非視認領域110への不規則な突出部を含むことができる。本発明の実施形態によれば、非視認領域110は、
図1に示す4つの側部ではなく、視認領域111の1つ、2つ又は3つの側部のみにおいて視認領域111の境界を定めることができる。本発明の範囲から逸脱することなく、視認領域111及び非視認領域110の代替配置を採用することができる。本発明の実施形態によれば、視認領域111は、ハプティックアクチュエーター105を備えていない表示画面106の全ての部分まで広がることができる。
【0021】
他の実施形態では、ハプティック対応表示デバイス100は、ハウジング101なしに表示画面106を備えることができる。ハウジングのないハプティック対応表示デバイス100の表示画面106は、本明細書に記載する他の構成要素のうちの任意のもの又は全てを備えることができる。したがって、ハウジング101なしに表示画面106を有するハプティック対応表示デバイス100は、外部に設けられた又は特注のハウジングに設置されるか又は取り付けられるように構成することができる。本発明の実施形態によれば、ハプティック対応表示デバイス100は、いかなる種類のハウジングもなしに使用されるように適合された、ハウジング101なしの表示画面106を備えることができる。例えば、表示画面106は、フレキシブルOLEDディスプレイ又は電子ペーパーディスプレイを含むことができる。こうした実施形態では、非視認領域110及び視認領域111は、上述したように、表示画面106の同じ側に配置することができ、又は、表示画面106の反対側に配置することができる。本発明の実施形態によれば、
図8A、
図8B、
図9A及び
図9Bを参照して図示し記載したように、第1の非視認領域110は、表示画面106の視認領域111とは反対側に位置することができ、又は、第2の非視認領域110は、表示画面の視認領域111と同じ側に位置することができる。
【0022】
ハプティック対応表示デバイス100は、表示画面106に固定された複数のハプティックアクチュエーター105を備える。ハプティックアクチュエーター105は、本技術分野において既知である任意の好適なアクチュエーターを含むことができる。例えば、ハプティックアクチュエーター105は、マクロファイバーコンポジット(MFC:macro-fiber composite)アクチュエーター、圧電材料アクチュエーター、スマート材料アクチュエーター、電子ポリマーアクチュエーター等、薄膜アクチュエーターを含むことができる。ハプティックアクチュエーター105は、慣性又は運動ハプティックアクチュエーター、偏心質量がモーターによって移動する偏心回転質量(「ERM」)ハプティックアクチュエーター、ばねに取り付けられた質量が前後に駆動されるリニア共振ハプティックアクチュエーター(「LRA」)、振動触知性ハプティックアクチュエーター、形状記憶合金、及び/又は上述したハプティックアクチュエーターの任意の組合せを更に含むことができる。
【0023】
図1に示すハプティック対応表示デバイス100の4つの側部全てにおけるハプティックアクチュエーター105の配置は、限定ではなく例示としてのものである。本発明の異なる実施形態において、代替配置を使用することができる。例えば、より多いか又は少ないハプティックアクチュエーター105を使用することができ、視認領域111の1つの側部、2つの側部又は3つの側部のみに任意の数でハプティックアクチュエーター105を配置することができる。本発明の実施形態によれば、局所化ハプティック効果を提供するために必要な数を低減させるように、より大型のハプティックアクチュエーター105を使用することができ、より大型のハプティックアクチュエーター105の各々は、視認領域の1つ以上の側部において視認領域111の全長に沿って延在する。本発明の実施形態によれば、
図10を参照して後述するように、単一の連続ハプティックアクチュエーター105を使用することができる。
【0024】
本発明の実施形態によれば、表示画面106はハウジング101に堅固に固定することができる。ハプティックアクチュエーター105による局所化ハプティック効果の提供は、従来の表示画面全体の作動に依らないため、表示画面106は、懸架要素なしにハウジングに固定することができる。しかしながら、ハウジング101への表示画面106の堅固な取付は任意選択的であり、本発明の要件ではない。更なる実施形態では、表示画面106は、懸架要素を介してハウジング101に取り付けることができる。
【0025】
図2は、
図1のハプティック対応表示デバイス100の態様を示す概略図である。
図2に示す実施形態では、ハプティック対応表示デバイス100は、少なくとも1つのプロセッサ108、少なくとも1つのメモリユニット120、1つ以上のハプティックアクチュエーター105、表示画面106、ハウジング101、音声出力109、ユーザー入力要素110及び通信ユニット112を備える。
【0026】
ハプティック対応表示デバイス100は、1つ以上のプロセッサ108、1つ以上のメモリユニット120及び/又は他のコンポーネントを備えることができる。プロセッサ108は、メモリユニット(複数の場合もある)120に記憶された1つ以上のコンピュータープログラム命令によってプログラムすることができる。本明細書に記載するように、プロセッサ108の機能は、メモリユニット(複数の場合もある)120又は別のコンピューター可読若しくは有形媒体に記憶され、プロセッサ108によって実行される、ソフトウェアによって実装することができる。本明細書で用いるように、便宜上、様々な命令について、実際には様々な命令は動作を実行するようにプロセッサ108をプログラムする場合、動作を実行するものとして記載する場合がある。他の実施形態では、プロセッサの機能は、ハードウェアにより(例えば、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プログラマブルゲートアレイ(「PGA」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)等を使用することにより)、又はハードウェア及びソフトウェアの任意の組合せにより、実施することができる。
【0027】
本明細書に記載する様々な命令は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、及び/又はソフトウェア命令を記憶するために好適な他の任意のメモリを含むことができる、メモリユニット(複数の場合もある)120に記憶することができる。メモリユニット(複数の場合もある)120は、プロセッサ108によって操作することができるデータとともに、プロセッサ108によって実行されるコンピュータープログラム命令(例えば、上述した命令)を記憶することができる。
【0028】
ユーザー入力要素110は、ユーザー入力を受け入れるために好適な任意の要素を含むことができる。こうした要素としては、ボタン、スイッチ、ダイヤル、レバー、タッチスクリーン等を挙げることができる。ユーザー入力要素110は、マウス、ジョイスティック、ゲームコントローラー、キーボード等、周辺に接続されたデバイスを更に含むことができる。
【0029】
通信ユニット112は、外部通信のために構成された1つ以上のデバイス又はコンポーネントを含む。通信ユニットは、USBポート、HDMI(登録商標)ポート、A/Vポート、光ケーブルポート、及び有線方式で情報を受信又は送信するように構成された他の任意のコンポーネント又はデバイス等、有線通信ポートを含むことができる。通信ユニットは、BLUETOOTH(登録商標)アンテナ、WI−FI(登録商標)アンテナ、セルラーアンテナ、赤外線センサー、光センサー、及び無線で情報を受信及び/又は送信するように構成された他の任意のデバイス等、無線通信デバイスを更に含むことができる。
【0030】
プロセッサ108は、
図2では、ハウジング101内に位置しているように示すが、代替実施形態では、ハプティック対応表示デバイス100のハウジング101の外部に位置することができる。上述したように、ハプティック対応表示デバイス100のいくつかの実施形態は、ハウジング101を含まない場合があり、したがって、プロセッサ108は遠隔に位置することができる。更なる実施形態では、プロセッサ108は、複数の相互接続されたプロセッサを含むことができ、それらのうちのいくつかはハウジング101内に位置することができ、それらのうちのいくつかはハウジング101の外部に位置することができる。更なる実施形態では、プロセッサ108は、ハプティック対応表示デバイス100にハプティック制御信号を提供するように構成されたクラウドプロセッサを含むことができる。
【0031】
図3A及び
図3Bは、本発明の実施形態によるハプティック対応表示デバイス100の表示画面106の構造を示す。
図3Aは、ハプティック対応表示デバイス100の平面図であり、
図3Bは、
図3AのA−Aに沿った断面図である。
図3A及び
図3Bの実施形態では、表示画面106は、透明層301と基板302とから構成されている。基板302の上に、複数のディスプレイコンポーネント303が位置している。ディスプレイコンポーネント303は、基板302の表示部分311を画定するように基板302の上に配置されている。表示部分311の境界を定める基板302の非表示部分310には、ディスプレイコンポーネント303はない状態である。ガラス、プラスチック及び/又は他の任意の透明材料を含むことができる透明層301は、基板302の上に重なり、表示部分311及び非表示部分310の両方の上に延在している。表示画面106は、剛性又は可撓性ハウジングとすることができるハウジング101に固定することができる。図示する実施形態では、ハウジング101は剛性ハウジングである。ハプティック対応表示デバイス100は、ハウジング101内にコンポーネント空間320を更に備える。コンポーネント空間320は、例えば、プロセッサ108及びメモリ120とともに他のコンポーネントを含む、ハプティック対応表示デバイスが必要とする更なるコンポーネントを収容するように構成されている。
【0032】
図3A及び
図3Bに示すハプティック対応表示デバイス100の構造は、視覚ディスプレイを生成するためにコンポーネントの上に重なる、LED画面、LCD画面、OLED画面、プラズマ画面、AMOLED画面、及び透明材料、例えば、ガラス又はプラスチックを含む他のタイプのフラットパネルディスプレイの構造に適合することができる。基板302及びディスプレイコンポーネント303は、異なる技術に依存する取付構造体と、視覚ディスプレイを生成するために使用されるディスプレイ生成素子とを表す。考察する様々なフラットパネル技術の間の基板302及びディスプレイコンポーネント303の厳密な詳細の差異にも関わらず、
図3A及び
図3Bの実施形態では、ハプティックアクチュエーター105は、透明層301と基板302との間に位置し続ける。
【0033】
実施形態では、表示画面106は、基板302及びディスプレイコンポーネント303の上に重なる透明層301を必要としない場合がある。こうした実施形態では、表示画面106のディスプレイコンポーネント303は、ユーザーと直接接触するように構成することができる。
【0034】
図3A及び
図3Bは、視認領域111及び非視認領域110に対する、透明層301、基板302、表示部分311及び非表示部分310を含む表示画面106の様々なコンポーネントの配置を示している。表示画面106の様々なコンポーネントに対するハプティックアクチュエーター105の相対的な配置も示している。
図3Aに見ることができるように、基板302の表示部分311は、ディスプレイコンポーネント303の配置によって画定されるように、表示画面106の視認領域111に対応する。ディスプレイコンポーネント303の配置は、表示部分311において、透明層301を通して見ることができる視覚ディスプレイを提供する。基板302の表示部分311は、表示画面106の視認領域111を画定し、したがって、実質的に同じ寸法を有する。基板302の非表示部分310は、非視認領域110を画定し、したがって、実質的に同じ寸法を有する。非視認領域110及び非表示部分310は、視認領域111及び表示部分311の周縁部に位置することができる。ハプティックアクチュエーター105は、表示画面106の非視認領域110に位置し、したがって、表示部分311におけるディスプレイコンポーネント303によって生成される視認領域111又は視覚ディスプレイのいずれの部分も、ハプティックアクチュエーター105によって覆い隠されずかつ遮られない。
【0035】
図3A及び
図3Bに示すように、非視認領域110及び非表示部分310は、4つの側部において視認領域111及び表示部分311を包囲し、完全な筐体又は枠を形成することができる。代替実施形態では、非視認領域110及び非表示部分310は、視認領域111及び表示部分311を部分的に包囲することができる。追加の実施形態では、非視認領域110及び非表示部分310は、視認領域111及び表示部分311の1つ、2つ又は3つの側部にのみ位置することができ、それにより、視認領域は表示画面106の縁部まで延在することができる。更なる実施形態では、非視認領域110及び非表示部分310は、視認領域111及び表示部分311の1つ、2つ、3つ及び/又は4つの側部のうちの任意のものの上で不連続とすることができ、それにより、視認領域111は、表示画面106の縁部まで延在する側方セグメントを有することができる。
【0036】
図3A及び
図3Bの実施形態では、ハプティックアクチュエーター105は、透明層301と基板302との間で透明層301に固定されている。ハプティックアクチュエーター105は、薄膜ハプティックアクチュエーターとすることができる。
図3Bに示すように、ハプティックアクチュエーター105は、表示画面106の非視認領域110に対応する、基板302の非表示部分310に位置している。
図3Bは、基板302が、ハプティックアクチュエーター105の厚さに適応するように切取部又はくぼみ345を有することを示す。代替実施形態では、切取部又はくぼみ345は設けられず、ハプティックアクチュエーター105は、基板302と透明層301との間に挟挿される。他の実施形態では、ハプティックアクチュエーター105は、基板302と接触せず、基板302とハプティックアクチュエーター105との間に間隙を有する状態で透明層301に固定される。更なる実施形態では、ハプティックアクチュエーター105は、接着剤によって透明層301に固定される。
【0037】
図3A及び
図3Bに示す実施形態は、ハプティック対応表示デバイス100及び表示画面106の単なる一例である。ハプティック対応表示デバイス100及び表示画面106は、本明細書に開示する更なる実施形態と整合する代替方法で構築することができる。いくつかの説明は、この実施形態の構成要素及び態様を直接言及するが、当業者であれば、本発明の原理を代替実施形態(そのうちのいくつかについてさらに後述する)に適用することができることが理解されよう。
【0038】
ここで、
図2、
図4A〜
図4C及び
図5A〜
図5Cを参照して、ハプティック対応表示デバイス100の動作について説明する。プロセッサ108は、表示画面106の振動モードに従って視認領域111の1つ以上の目標位置で局所化ハプティック効果をもたらすように、ハプティックアクチュエーター105のうちの1つ以上をアクティベートするように構成されたハプティック制御信号を確定する。
図4A〜
図4Cは、本発明の実施形態によるハプティック対応表示デバイス100の振動モードの原理を示し、
図5A〜
図5Cは、本発明の実施形態によるハプティック効果に対する目標位置400を示す。
【0039】
ハプティック対応表示デバイス100の表示画面106は、全ての構造体と同様に、画面の特徴(例えば、サイズ、厚さ、剛性等)とその取付とによって決まる複数の振動モードを有する。システムの振動すなわち通常モードは、システムの部品が同じ周波数でかつ互いに同相で正弦的に発振する、運動の発振又は振動パターンを言う。システムの各振動モードは、特定の固定周波数、すなわち固有又は共振周波数に対応する。システムは、異なる周波数で複数の振動モードを有し、複数の振動モードのうちの2つ以上の重畳に従って発振することができる。表示画面106の振動モードは、その構造の材料、サイズ、形状、厚さ、取付構造及び他の態様によって決まる。表示画面106が、例えば、ハプティックアクチュエーター105のアクティベーションにより、振動モードの固有周波数に等しい特定の周波数で振動を受けるとき、表示画面106の周波数応答は、対応する振動モードに従って定常波パターンを確立する定常波を含む。特定の周波数及び振幅でハプティックアクチュエーターのうちの1つ以上をアクティベートすることにより、プロセッサ108は、合わせて定常波干渉パターンを形成する、多数の定常波をもたらすことができる。定常波干渉パターンは、プロセッサ108により、特定の目標位置400において局所化ハプティック効果を生成するような形状とすることができる。
【0040】
図4A〜
図4Cは、構造体500の長さに沿って1つの次元においてこの原理を示す。
図4Aは、構造体500にわたって広がる第1の定常波521Aを示す。第1の定常波521Aにおいて、波節522Aは、変位の最小振幅を有し、波腹523Aは、変位の最大振幅を有する。したがって、ハプティックアクチュエーターが、構造体500において第1の定常波521Aを発生させるために適切な周波数でアクティベートされるとき、ハプティック効果は、波腹523Aの位置(複数の場合もある)では最も強く知覚され、波節522Aの位置(複数の場合もある)では最も弱く知覚されるか又は全く知覚されないようにすることができる。
図4Bは、波節522B及び波腹523Bを有する第2の定常波521Bを付加したものを示す。第2の定常波521Bは、破線で示す。明確にするために、
図4Bでは、波節522A及び波腹523Aには符号を付していない。明確にするために、
図4Bでは、9つの波腹522Bのうちの3つのみに符号を付している。第2の定常波521Bは、第1の定常波521Aの周波数の2倍である。第2の定常波521Bは、第2のハプティックアクチュエーターにより、又は、第1の定常波521Aをもたらしたものと同じハプティックアクチュエーターにより、もたらすことができる。各ハプティックアクチュエーターは、複数の重畳周波数で励起することができ、それにより複数の定常波をもたらす。構造体500が複数の定常波を提供するとき、第1の定常波521A及び第2の定常波521Bの振幅の重畳により、干渉パターンがもたらされる。第1の定常波521A及び第2の定常波521Bの重畳により、
図4Cに示す干渉定常波521Cがもたらされる。干渉定常波521Cは、振幅最大位置525及び振幅最小位置526を含む。
図4Cに見ることができるように、第1の定常波521A及び第2の定常波521Bは、建設的に干渉して、増大した変位振幅を形成することができ、かつ、破壊的に干渉して、低減した又は打ち消された変位振幅を形成することができる。振幅最大位置525は、変位が最大振幅である位置を表す。振幅最小位置526は、変位が最小振幅である位置を表す。ハプティック効果は、振幅最大位置525又はその近くでは最も強く知覚され、振幅最小位置526又はその近くでは最も弱く知覚されるようにすることができる。
図4Cは、干渉定常波521Cをもたらすための2つの定常波521A及び521Bの単純な重畳を示す。この原理は、構造体500に沿った特定の不連続領域においてハプティック効果を生成するように、望ましいパターンの振幅最大位置及び振幅最小位置を有する干渉定常波をもたらすように選択された、異なる周波数及び振幅の3つ以上の定常波を使用することに拡張することができる。
【0041】
図4A〜
図4Cは、理解を容易にするために単一次元における定常波の原理を示す。図示する例は、単一次元における非常にわずかな数のあり得る定常波パターンのみを示す。これらの例は、本明細書で考察する局所化ハプティック効果を提供するように、2次元表示画面106にわたってより複雑に実装される、定常波パターンの原理を示す。様々な構成要素の質量、減衰及び剛性とともに、ハプティックアクチュエーター105の配置及び駆動周波数を含む、ハプティック対応表示デバイス100の動力学に応じて、より多くの定常波パターンが可能である。ここで、
図5A〜
図5Cを参照して、ハプティック対応表示デバイス100において、これらの原理を、表示画面106の表面にわたり2次元で適用する。
【0042】
図5A〜
図5Cは、本発明の実施形態による表示画面106におけるハプティック効果に対する目標位置400を示す。
図5A〜
図5Cの各々は、複数のハプティックアクチュエーター105が表示画面106の非視認領域110に位置し、目標位置(複数の場合がある)400がそれぞれの視認領域111内にある、表示画面106を示す。プロセッサ108は、表示画面106の視認領域111における目標位置400において局所化ハプティック効果をもたらすように、ハプティックアクチュエーター105のうちの1つ以上をアクティベートするように構成されている。
図5Aは、大きい目標位置400にわたって局所化ハプティック効果を提供するハプティックアクチュエーター105を示す。
図5Bは、より小さい、より的が絞られた目標位置400にわたって局所化ハプティック効果を提供するハプティックアクチュエーター105を示す。
図5Cは、2つの目標位置400にわたって局所化ハプティック効果を提供するハプティックアクチュエーター105を示す。目標位置のサイズ、形状及び数は、プロセッサ108により、可変の周波数及び振幅パターンでハプティックアクチュエーター105のアクティベーションによって操作される。
【0043】
表示画面106の振動モードに対応する周波数でハプティックアクチュエーター105のうちの1つをアクティベートすることにより、表示画面106において、1次元の場合で上述したように、振幅最大位置及び振幅最小位置を有する2次元定常波パターンが設定される。ハプティックアクチュエーター105のうちの1つによって引き起こされる定常波パターンは、ハプティックアクチュエーターの位置、表示画面106の振動モード、及びアクティベーションの周波数によって決まる。異なるアクティベーション周波数により、異なる定常波パターンが引き起こされる。ハプティックアクチュエーター105のアクティベーションの振幅を変更することにより、定常波パターンの振幅が変化する。
【0044】
プロセッサ108は、ハプティックアクチュエーター105のうちの1つ以上のアクティベーションにより、表示画面106において複数の定常波パターンをもたらすことによって、目標位置400で局所化ハプティック効果をもたらすように構成される。複数の定常波パターンは、重畳すると、目標位置400において局所化ハプティック効果をもたらす定常波干渉パターンを形成する。複数の定常波パターンは、1つ以上の周波数での複数のハプティックアクチュエーター105のアクティベーションにより、複数の周波数での単一のハプティックアクチュエーター105のアクティベーションにより、又は、各々が複数の周波数でアクティベートされる複数のハプティックアクチュエーター105の組合せによりもたらすことができる。
【0045】
プロセッサ108は、ハプティックアクチュエーター105のうちの1つ以上をアクティベートするために、1つのハプティック制御信号又は複数のハプティック制御信号の特徴を確定する。ハプティックアクチュエーターは、ハプティック制御信号(複数の場合もある)によってアクティベートされると、視認領域111内において、目標位置(又は複数の位置)400で局所化ハプティック効果をもたらす。ハプティック効果は、局所化され、表示画面106の不連続部分、すなわち目標位置400内でのみ発生し、一方で、目標位置400の外側では、実質的に知覚不可能なハプティック効果のみが発生する。実質的に触覚的に知覚不可能なハプティック効果としては、ユーザーが触覚的に検出することが困難であるか又は不可能である振動又は画面移動とともに、振動又は画面移動がないことが挙げられる。ハプティックアクチュエーター105により局所化ハプティック効果をもたらすことにより、非目標位置を振動させる可能性があるが、これらの振動は、ユーザーには微弱であるか、又は、ユーザー触覚知覚閾値未満であり、したがって触覚的に知覚不可能なように、定常波重畳によって最小化される。したがって、実質的に触覚的に知覚不可能なハプティック効果としては、最小限の又は微弱なハプティック効果、知覚不可能なハプティック効果及び/又はゼロハプティック効果を挙げることができる。実質的に触覚的に知覚不可能なハプティック効果が発生する、表示画面106の部分では、発生する表示画面106の振動又は移動は、ユーザーの触覚知覚閾値未満となるように十分小さいか、又は、微弱にしか検出されないように十分小さい。実施形態では、目標位置400の外側で発生するいかなる効果も、実質的に触覚的に知覚不可能なハプティック効果のレベルか又はそれ未満である。したがって、目標位置400内で発生するハプティック効果は、ユーザーによって容易に知覚することができ、目標位置400の外側では、ユーザーは、実質的に触覚的に知覚不可能なハプティック効果を知覚することは困難であるか又は不可能である。実施形態では、最小限に知覚可能なハプティック効果は、およそ0.5gのピークツーピーク加速度を有する。したがって、実質的に触覚的に知覚不可能なハプティック効果は、およそ0.5g未満のピークツーピーク加速度を有する。
【0046】
実施形態では、目標位置400内で発生するハプティック効果は、最小限に知覚可能なハプティック効果、又は目標位置400の外側で発生する実質的に触覚的に知覚不可能なハプティック効果より実質的に強い、すなわち、5倍、10倍、100倍、500倍以上強いものとすることができる。
【0047】
ハプティック制御信号を確定する際、プロセッサ108は、アクティベーションのために複数のハプティックアクチュエーター105の中から1つ以上のハプティックアクチュエーター105を選択するように構成される。プロセッサ108は、1つのみのハプティックアクチュエーター105を選択することができ、及び/又は任意の数の利用可能なハプティックアクチュエーター105を選択することができる。ハプティックアクチュエーター(複数の場合もある)105の選択に続き、プロセッサは、目標位置で局所化ハプティック効果をもたらすように、ハプティックアクチュエーター105にハプティック制御信号を出力するように構成される。
【0048】
プロセッサ108は、1つ以上の目標位置400で局所化ハプティック効果を提供するように構成された定常波干渉パターンを生成するように、選択されたハプティックアクチュエーター105をアクティベートする。プロセッサ108は、表示画面106の振動モードに従って選択された周波数及び振幅で対応するハプティックアクチュエーター105をアクティベートするように、1つ以上のハプティック制御信号を確定し、その1つ以上のハプティック制御信号を対応するハプティックアクチュエーター105に送信する。したがって、プロセッサ108は、表示画面において1つ以上の定常波パターンを確立するように、ハプティックアクチュエーター105及びハプティック制御信号を選択する。1つ以上の定常波パターンは、重畳すると、1つ以上の振幅最大位置を有する干渉定常波パターンをもたらす。ハプティック制御信号は、目標位置(複数の場合もある)400に一致する振幅最大位置を有する干渉定常波パターンをもたらすように選択され、したがって、それらの位置において局所化ハプティック効果を生成する。干渉定常波パターンは、目標位置(複数の場合もある)400の外側で、実質的に触覚的に知覚不可能な、すなわち、最小限に知覚可能な又は知覚不可能なハプティック効果を生成するように更に構成される。
【0049】
本発明の実施形態では、
図5Cに示すように、1つ以上の目標位置400は、2つ以上の目標位置400を含むことができる。すなわち、プロセッサ108は、第1の目標位置及び第2の目標位置において第1の局所化ハプティック効果及び第2の局所化ハプティック効果をもたらすようにハプティックアクチュエーター(複数の場合もある)105をアクティベートするハプティック制御信号(複数の場合もある)を確定することができる。第1の局所化ハプティック効果及び第2の局所化ハプティック効果は、オーバーラップする異なる目標位置400を有することができ、又は、互いに別個とすることができる。オーバーラップする目標位置400は、間に実質的に知覚不可能なハプティック効果の領域がないように互いに十分に近接している2つの別個の振幅最大位置と一致することができる。振幅最大位置の間の領域は、依然として触覚的に知覚可能なハプティック効果を有するが、それらは、振幅最大位置から離れる方向に減少する。互いに別個の目標位置400は、それらの間に、実質的に触覚的に知覚不可能なハプティック効果の領域を有する。
【0050】
プロセッサ108は、特定の特徴を有する局所化ハプティック効果を提供するようにハプティックアクチュエーター105をアクティベートするハプティック制御信号を確定するように更に構成される。特定の特徴としては、局所化ハプティック効果の大きさ、周波数及びサイズを挙げることができる。局所化ハプティック効果の特定の特徴としては、上昇及び下降プロファイルを更に挙げることができる。2つ以上の目標位置400で2つ以上の局所化ハプティック効果が提供される場合、2つ以上のハプティック効果の間の特定の特徴は異なる可能性がある。例えば、ユーザーは、2つの場所で表示画面106に触れることができ、局所化ハプティック効果は、2つの場所の各々に対応する目標位置400においてユーザーに与えることができる。2つの局所化ハプティック効果の各々は、異なる特定の特徴を有することができる。
【0051】
プロセッサ108は、目標位置400を移動させるようにハプティックアクチュエーター105をアクティベートするハプティック制御信号を確定するように更に構成される。プロセッサ108は、目標位置400を表示画面106にわたって移動させるように、ハプティック制御信号を動的に調整することができる。例えば、目標位置400は、ユーザーの指又は他の身体部分を、表示画面106にわたって表示画面106上の新たな位置まで誘導するように移動させることができる。
【0052】
本発明の実施形態によれば、目標位置400は、各目標位置400に関連する局所化ハプティック効果をもたらすようにアクティベートされる複数のハプティックアクチュエーター105の各々からリモートとすることができる。
図5A〜
図5Cに示すように、目標位置400の各々は、複数のハプティックアクチュエーター105から離れて位置している。目標位置400は、目標位置400内に局所化ハプティック効果をもたらす複数のハプティックアクチュエーター105のうちの任意のものの真上にないように位置している。さらに、ハプティックアクチュエーター105の位置と目標位置400との間に、実質的に触覚的に知覚不可能な又はゼロのハプティック効果の領域がある。目標位置400は、視認領域の一部を含むことができる。プロセッサ108は、目標位置400の外側の視認領域において実質的に触覚的に知覚不可能な又はゼロのハプティック効果をもたらすように、1つ以上のハプティック制御信号を確定又は選択するように構成される。
【0053】
代替実施形態では、目標位置400は、局所化ハプティック効果を発生させるハプティックアクチュエーター105からリモートに位置しない場合がある。ハプティックアクチュエーター105は、ハプティックアクチュエーター105の位置に一致する目標位置400において局所化ハプティック効果を発生させることができる。こうした実施形態では、干渉定常波パターンを使用することにより、こうしたハプティック効果が局所化され、表示画面106の非目標位置にわたって広がらないことを可能にすることができる。
【0054】
本発明の更なる実施形態によれば、プロセッサ108は、1つ以上の目標位置400においてかつ同様に非目標位置において局所化ハプティック効果を提供するように構成された定常波干渉パターンを生成するように、選択されたハプティックアクチュエーター105をアクティベートする。プロセッサ108は、特定の目標位置400において局所化ハプティック効果を生成するように、選択されたハプティックアクチュエーター105をアクティベートする。上述したように、目標位置400は、例えば、ユーザーが表示画面106に触れている表示画面106上の特定の箇所において、ユーザーに対してハプティック感覚を提供するように選択することができる。いくつかの例では、プロセッサ108は、目標位置400の外側で追加のハプティック効果を生成する定常波干渉パターンを生成するように、ハプティックアクチュエーター105をアクティベートすることができる。ユーザーが、目標位置でのみ画面に触れているため、こうした追加のハプティック効果は、ユーザーによって気づかれない可能性がある。
【0055】
本発明の実施形態によれば、ハプティックアクチュエーター105は、ユーザー入力を受け取るように更に構成することができる。圧電アクチュエーター等、いくつかのタイプのハプティックアクチュエーターは、機械的入力を電気出力に変換するとともに、電気入力を機械的出力に変換することができる。したがって、これらのアクチュエーターは、ハプティック効果の提供とユーザー入力の受取との両方に使用することができる。画面へのユーザー入力、すなわち、特定の位置における画面上の押圧又はタッピングにより、画面にわたってユーザーの最初の接触から離れた領域まで広がる機械的振動がもたらされる。ハプティックアクチュエーター105は、それらの機械的振動を受け取り、それに応じて、振動を電気出力に変換することができる。プロセッサ108は、ハプティックアクチュエーター105のうちの1つ以上の電気出力を解釈して、ユーザー入力の表示画面106における位置を求めるように構成することができる。したがって、表示画面106の視認領域111におけるユーザー入力は、表示画面の非視認領域110に位置するハプティックアクチュエーター105によって検出し認識することができる。
【0056】
図6は、本発明の実施形態によるハプティック対応表示デバイスの更なる実施形態を示す。
図6のハプティック対応表示デバイス550は、ハウジング101と表示画面506とを備え、複数のハプティックアクチュエーター105が表示画面506の非視認領域110に位置し、複数の固定目標位置520が視認領域111に位置している。ハプティック対応表示デバイス550は、ハプティック対応表示デバイス100に関して記載した任意の又は全ての特徴を更に含むことができる。固定目標位置520は、表示画面506上の固定位置である。プロセッサ108は、固定目標位置520のうちの1つ以上で局所化ハプティック効果をもたらすようにハプティックアクチュエーター105をアクティベートするように構成される。固定目標位置520は、ユーザーインタラクション箇所、別個のソフトボタン、及び/又は、Android(登録商標)ユーザーインターフェースにおける「メニュー」、「ホーム」及び「戻る」ソフトボタン等、ユーザーが頻繁にアクセスする画面上の他の箇所を表す、表示画面506上の位置に対応することができる。実施形態では、メモリユニット120は、事前プログラムされたハプティック制御信号のライブラリーを記憶することができる。事前プログラムされたハプティック制御信号の各々は、固定目標位置520で1つ以上のハプティック効果をもたらす定常波干渉パターンをもたらすようにハプティックアクチュエーター105をアクティベートするように構成することができる。したがって、プロセッサ108は、既知の固定目標位置520で局所化ハプティック効果をもたらすように、複数の事前プログラムされたハプティック制御信号から選択することができる。事前プログラムされたハプティック制御信号は、それらが固定目標位置520でもたらすハプティック効果のテストを通じて最適化することができる。
【0057】
図7は、ハウジング101と表示画面507とを備え、複数のハプティックアクチュエーター705が表示画面507の視認領域111に位置している、ハプティック対応表示デバイス570を含む一実施形態を示す。ハプティック対応表示デバイス570は、ハプティック対応表示デバイス100に関して記載した任意の又は全ての特徴を更に含むことができる。複数のハプティックアクチュエーター705は透明であり、したがって、画面の観察を妨げない。いくつかの実施形態では、視認領域111は、表示画面507の全体を包含することができ、ハプティック対応表示画面570の縁部まで広がり、いかなる非視認領域110も完全になくす。ハプティック対応表示デバイス570は、ハプティック対応表示デバイス100と同様に機能し、表示画面507上の1つ以上の目標位置400で局所化ハプティック効果をもたらすようにハプティックアクチュエーター705のアクティベーションを引き起こすように構成されたプロセッサ108を備える。実施形態では、
図6に関して記載したように、1つ以上の目標位置400は固定目標位置である。
【0058】
図8A及び
図8Bは、本発明の実施形態によるハプティック対応表示デバイスの代替実施形態を示す。
図8A及び
図8Bのハプティック対応表示デバイス600は、表示画面106の視認領域111とは反対側である、表示画面106の背面において非視認領域110に位置する複数のハプティックアクチュエーター105を備える。
図8Aは、表示画面106の縁部まで広がる視認領域111を有する表示画面106の第1のすなわち正面側113を示し、
図8Bは、非視認領域110を有する表示画面106の第2のすなわち背面側115を示す。他の点では、ハプティック対応表示デバイス600は、
図1に示すようなハプティック対応表示デバイス100と同様とすることができ、上述したようなハプティック対応表示デバイス100の任意の又は全ての構成要素を備えることができる。ハプティックアクチュエーター105が表示画面106の背面側の非視認領域110にあるハプティック対応表示デバイス600の設計により、視認領域111は、表示画面106の縁部から縁部まで広がることができる。こうしたフォームファクターは、タブレット、スマートフォン、ファブレット及びゲーミングデバイス等のモバイルデバイス用途とともに、大型の表示画面、インフォメーションキオスク画面等の固定用途にも望ましい可能性がある。
【0059】
表示画面106の背面側に位置することにより、ハプティックアクチュエーター105は視界に入らず、表示画面106の正面側の画像を妨げる可能性はない。こうした実施形態では、ハプティックアクチュエーター105は、表示画面106の周縁部以外の位置に配置することができる。ハプティックアクチュエーター105からリモートの目標位置で局所化ハプティック効果を発生させる、本明細書に記載する原理及び技法は、この実施形態において有利であり、その理由は、少数のハプティックアクチュエーター105が、表示画面106上の任意の位置でハプティック効果を提供することができるためである。
【0060】
図9A及び
図9Bは、本発明の実施形態によるハプティック対応表示デバイス700の代替実施形態を示す。
図9A及び
図9Bのハプティック対応表示デバイス700は、可撓性表示画面706を備え、複数のハプティックアクチュエーター105が、表示画面106の
図9Aに示す視認領域111とは反対側において、
図9Bに示す表示画面106の背面側115の非視認領域110に位置している。他の点では、ハプティック対応表示デバイス700は、
図1に示すようなハプティック対応表示デバイス100と同様とすることができ、上述したようなハプティック対応表示デバイス100の任意の又は全ての構成要素を備えることができる。表示画面106の背面側115に位置することにより、ハプティックアクチュエーター105は視界に入らず、表示画面106の正面側113の画像を妨げる可能性はない。こうした実施形態では、ハプティックアクチュエーター105は、表示画面106の周縁部以外の位置に配置することができる。ハプティックアクチュエーター105からリモートの目標位置で局所化ハプティック効果を発生させる、本明細書に記載する原理及び技法は、この実施形態において有利であり、その理由は、少数のハプティックアクチュエーター105が、表示画面106上の任意の位置でハプティック効果を提供することができるためである。
【0061】
図10は、本発明の実施形態によるハプティック対応表示デバイス800の代替実施形態を示す。
図10のハプティック対応表示デバイス800は、表示画面106とハウジング101とを備え、単一の連続ハプティックアクチュエーター805が、視認領域111を包囲する非視認領域110に位置している。
図10に示すような連続ハプティックアクチュエーター805は、視認領域111の周囲に完全なループ又は枠を形成する、表示画面106に固定された薄膜アクチュエーターである。代替実施形態では、連続ハプティックアクチュエーターは、本技術分野において既知である他のタイプのアクチュエーターを含むことができ、視認領域111の周囲に連続したループ又は枠を形成するアクチュエーターハウジングを備えることができる。代替実施形態では、連続ハプティックアクチュエーター805は、完全なループを形成することなく、視認領域111の2つ、3つ又は4つの側部の周囲に延在することができる。他の点では、ハプティック対応表示デバイス800は、
図1に示すようなハプティック対応表示デバイス100と同様とすることができ、上述したようなハプティック対応表示デバイス100の任意の又は全ての構成要素を備えることができる。ハプティックアクチュエーター805からリモートの目標位置で局所化ハプティック効果を発生させる、本明細書に記載する原理及び技法は、この実施形態においても採用され、ハプティックアクチュエーター805は、表示画面106の任意の位置でハプティック効果を提供することができる。したがって、連続ハプティックアクチュエーター805は、プロセッサ108から、可変の振幅で1つ以上の周波数を含むハプティック制御信号を受信する。1つ以上の周波数が、表示画面106の振動モードに対応するとき、周波数の各々に対応する定常波パターンが誘導される。複数の定常波パターンが結合して、局所化ハプティック効果を提供するために目標位置において振幅最大位置を有する定常波干渉パターンを形成する。
【0062】
図11は、局所化ハプティック効果を発生させるシステムを示すプロセス図である。
図11の以下の説明は、
図1及び
図2のハプティック対応表示デバイス100について言及するが、ハプティック対応表示デバイス600、700、800、及び/又は本明細書で提示するハプティック対応表示デバイスの任意の変形を使用して等しく実行することができる。実施形態では、
図11のプロセス図の機能は、メモリユニット(複数の場合もある)120に記憶されたソフトウェア及び/又はファームウェアによって実装し、ハプティック対応表示デバイス100のプロセッサ108によって実行することができる。実施形態では、
図11のプロセス図の機能は、リモートコンピューターシステム及びハプティック対応表示デバイス100の両方に関連するプロセッサによって実行することができる。当業者であれば、
図11の機能が、ハプティック対応表示デバイス100、ハプティック対応表示デバイス600、ハプティック対応表示デバイス700、ハプティック対応表示デバイス800と整合するデバイス及びシステム、及び/又はそれらと一貫する別の構成を有するハプティック対応表示デバイス若しくはコンピューターシステムによって実施することができることが理解されよう。
【0063】
図11は、表示画面の視認領域にハプティック効果を与えるプロセス900を示す。プロセス900は、目標位置の外側の視認領域では実質的に触覚的に知覚不可能なハプティック効果のみが発生する一方で、表示画面の視認領域の目標位置に局所化ハプティック効果を与えることを含む。プロセス900は、後述するように、上述したようにハプティック対応表示デバイス及び他の変形を使用して実装することができる。
【0064】
動作902において、プロセス900は、プロセッサにより、非視認領域において表示画面に固定された複数のハプティックアクチュエーターから、1つ以上のハプティックアクチュエーターを選択することを含む。局所化ハプティック効果をもたらすように定常波干渉パターンを確立するために、プロセッサは、最初に、アクティベートすべきハプティックアクチュエーターを選択することができる。様々なハプティックアクチュエーターの異なる位置に起因して、各々に関連する定常波パターンは変化することができる。プロセッサは、1つ以上の局所化ハプティック効果をもたらすように定常波パターンを確立するために必要なハプティックアクチュエーターを選択するように構成される。
【0065】
動作904において、プロセス900は、プロセッサにより、表示画面の視認領域における1つ以上の目標位置で1つ以上の局所化ハプティック効果をもたらすように1つ以上のハプティックアクチュエーターをアクティベートするように構成されたハプティック制御信号を確定することを含む。ハプティック制御信号は、表示画面の振動モードに従って1つ以上の周波数で1つ以上のハプティックアクチュエーターをアクティベートするように確定することができる。表示画面の固有振動モードに対応する周波数でハプティックアクチュエーターのうちの1つをアクティベートすることにより、定常波パターンが確立される。複数の定常波パターンの重畳により、局所化ハプティック効果を提供する定常波干渉パターンがもたらされる。実施形態では、アクティベートされたハプティックアクチュエーターのうちの1つ以上は、複数の周波数で作動させることができる。すなわち、単一のアクチュエーターが、そのハプティックアクチュエーターに、異なる周波数及び振幅の2つ以上の信号の重畳に従ってアクティベートさせる、ハプティック制御信号を受信することができる。ハプティック制御信号は、複数のハプティック制御信号を含むことができ、それらの各々が、少なくとも1つの周波数で複数のハプティックアクチュエーターから対応するハプティックアクチュエーターをアクティベートするように構成される。ハプティック制御信号は、目標位置の外側にある視認領域内の位置で実質的に知覚不可能なハプティック効果をもたらすように更に構成することができる。
【0066】
動作906において、プロセス900は、ハプティックアクチュエーターのうちの1つ以上にハプティック制御信号を送信することを含む。ハプティック制御信号は、プロセッサにより、選択されたハプティックアクチュエーターのアクティベーションをもたらすように、選択されたハプティックアクチュエーターに送信することができる。
【0067】
動作908において、プロセス900は、ハプティックアクチュエーターのうちの1つ以上により、目標位置で局所化ハプティック効果をもたらすことを含む。ハプティックアクチュエーターは、ハプティック制御信号を受信すると、アクティベートする。ハプティック制御信号によって指定された周波数及び振幅でのハプティックアクチュエーターのアクティベーションにより、表示画面に定常波干渉パターンが確立される。上述したように、プロセッサは、目標位置(複数の場合もある)で局所化ハプティック効果を生成するように、定常波干渉パターンの振幅最大位置が目標位置(複数の場合もある)に対応するように、ハプティック制御信号を構成する。
【0068】
したがって、プロセス900は、本明細書に記載したように、ハプティック対応表示デバイスを利用して、ハプティック対応表示デバイスの表示画面の視認領域に局所化ハプティック効果を生成する。
【0069】
このように、表示画面に局所化ハプティック効果を提供するシステム、デバイス、及び方法が提供される。本発明による種々の実施形態を上述してきたが、これらの実施形態は、限定としてではなく単なる説明及び例として提示されていることを理解すべきである。形式及び細部における種々の変更は本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明内で行うことができることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ規定されるべきである。本明細書において論考された各実施形態、及び本明細書において引用された各引用文献の各特徴は、他の任意の実施形態の特徴と組み合わせて用いることができることも理解されるであろう。ハプティック効果をレンダリングする上記方法の態様は、本明細書において説明した他の方法と任意に組み合わせて用いることもできるし、上記方法は別々に用いることもできる。本明細書において論考された全ての特許及び刊行物はその全体が、引用することにより本明細書の一部をなす。
【0070】
本願は、2018年6月12日に出願された米国特許出願第16/006,372号の利益を主張し、この出願の開示はその全体が、引用することにより本明細書の一部をなす。