【解決手段】 車両200に衝合されるドライブレコーダ200aの識別子と、映像データのキー情報を車両情報テーブル105又は216に、データ取得のための予約情報を予約情報テーブル104に記憶し、管理者などのユーザからの特定のキー情報に対応するアクセス要求に基づき、車両200に衝合されるドライブレコーダ200aと通信接続する通信部101と、通信部101がドライブレコーダ200aと通信接続ができなかった場合に、車両200に対する予約情報を予約情報テーブル104に登録する予約部102と、を備え、通信部101は、車両200から起動通知を受信すると、当該ドライブレコーダ200aに対してアクセス要求を送信し、データを取得する。
前記予約部は、予約情報を前記情報テーブルに登録した後、前記特定機器に対する他のキー情報を含んだ他のアクセス要求を受信すると、当該機器に当該アクセス要求を送信することなく、前記情報テーブルに前記他のアクセス要求に基づいた予約情報を登録し、
前記通信部は、
前記特定機器から通信可能通知を受信すると、前記情報テーブルに登録されている予約情報に基づいてデータを送受信する、
請求項1または2に記載の管理サーバ。
前記通信部は、ユーザから送信されるアクセス要求に含まれている機器識別子およびキー情報が、前記予約情報にすでに記憶されている場合には、情報テーブルに登録しない、請求項1〜5のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、本実施形態の車両管理システムのシステム構成を示す図である。
図1に示されるとおり、車両管理システムは、管理サーバ100、車両200(ドライブレコーダ200aを含む)、および管理者端末300を含んで構成されている。
【0014】
車両200は、自動車であり、例えば運送用車両またはタクシーなどである。この車両200は、ドライブレコーダ200aを搭載している。ドライブレコーダ200aは、通信型記録装置であって、車両200から電源を得ており、車両200の走行中の映像データを生成する。
【0015】
また、ドライブレコーダ200aは、撮影した映像データを識別するための映像IDを、撮影終了時にまたは所定タイミングで管理サーバ100に、移動体通信網およびネットワークを介して送信する。映像データそのものを送信すると通信トラフィックに負荷をかけ、また通信費用がかかるため、その送信データ量を少なくするために、映像データそのものを送らずに、映像IDおよびそのほかデータのキー情報となる情報(例えば位置または時刻情報だがこれに限らない)を送信し、管理サーバ100に登録させる。管理サーバ100は、受信した映像データの識別子を管理者端末300に送信する。なお、位置情報または時刻情報等は、GPSなどの各種センサにより取得可能な情報である。
【0016】
管理サーバ100は、ドライブレコーダ200aと通信を行うサーバである。管理サーバ100は、管理者端末300からの指示に基づいて、ドライブレコーダ200aと通信接続し、ドライブレコーダ200aが撮影した映像データを取得する。
【0017】
管理者端末300は、車両200の運行管理を行う管理者により操作される端末であり、パソコンなどの情報処理端末である。管理者端末300は、ドライブレコーダ200aからの映像データの識別子を受信し、管理する。管理者は、管理者端末300に対して、映像データの識別子またはキー情報に基づいて、映像データの取得操作をすることにより、管理サーバ100にドライブレコーダ200aからの映像データの取得処理を行わせることができる。
【0018】
このように構成された車両管理システムにおける管理サーバ100について説明する。
図2は、管理サーバ100の機能構成を示すブロック図である。
図2に示されるとおり、管理サーバ100は、通信部101、予約部102、映像データ処理部103、予約情報テーブル104、車両管理テーブル105および映像データ記憶部106を含んで構成されている。なお、車両管理テーブル105は、後述する変形例において使われる構成である。以下各構成要件について説明する。
【0019】
通信部101は、ドライブレコーダ200aおよび管理者端末300と通信接続する部分である。具体的には、通信部101は、管理者端末300から映像データなどの取得要求(アクセス要求)を受信し、それに基づいてドライブレコーダ200aに映像データなどの取得要求(映像データ取得要求)を送信する。通信部101は、ドライブレコーダ200aからの映像データ取得要求に対して送信された映像データを取得し、映像データ記憶部106に記憶する。
【0020】
ほか、通信部101は、ドライブレコーダ200aに対して映像データ取得要求に対して応答を受けなかった場合には、予約部102が予約し、それに応じて、映像データ予約完了通知を管理者端末300に送信する。
【0021】
また、通信部101は、管理者端末300から映像データの再生要求を受けると、映像データ処理部103が映像データ記憶部106から指定された映像データを取得し、通信部101が、その映像データを管理者端末300に送信する。
【0022】
予約部102は、通信部101がドライブレコーダ200aとのアクセスが不可であった場合、例えば、映像データ取得要求に対して何の応答もなかった場合に、予約情報テーブル104に、予約情報を登録する部分である。具体的には、予約部102は、ドライブレコーダIDと映像IDを含んだ予約情報を予約情報テーブル104に登録する。
【0023】
映像データ処理部103は、映像データ記憶部106に記憶されている映像データの登録および読み出しを行う部分である。
【0024】
予約情報テーブル104は、予約情報を記憶する部分である。予約情報は、ドライブレコーダIDおよび映像IDを含んで構成されている。
図3は、その具体例である。
図3に示されるとおり、予約情報テーブルはドライブレコーダIDと映像IDとを対応付けて記憶している。なお、予約時刻を対応付け、予約順やキー情報によりその序列をつけるようにしてもよい。
図3に示されるとおり、同じドライブレコーダIDに対して異なる映像IDが対応付けられている場合がある。これは、ドライブレコーダ200aは複数の映像データを保持している場合があるためである。
【0025】
車両管理テーブル105は、ドライブレコーダ200aがアクセス可能な状態であるか否かを示す情報を記憶している。例えば、ドライブレコーダIDごとに、その可否フラグを対応付けている。
【0026】
映像データ記憶部106は、映像データ処理部103により登録された映像データを記憶する部分である。映像データ処理部103により映像IDを指定することにより読み出し可能な情報で記憶されている。
【0027】
つぎに、このように構成された管理サーバ100を使った映像データの取得処理および予約処理について説明する。
図4は、その具体的処理シーケンスを示す図である。なお管理サーバ100は、予め取得対象となる映像データの映像IDを含むキー情報をドライブレコーダ200aから取得し車両管理テーブル105に記憶しており、管理者端末300はその情報から取得対象データに対するアクセス要求を行う前提で説明する。
【0028】
まず、管理者端末300から、どのドライブレコーダ200a宛かのドライブレコーダID(宛先情報)と取得対象となる映像IDを含んだ映像データ取得要求が送信され、管理サーバ100において、通信部101は、その映像データ取得要求を受信する(S101)。通信部101は、どのドライブレコーダ200a宛かドライブレコーダIDに基づいて判断して、そのドライブレコーダ200aに対して、映像データ取得要求を送信する(S102)。
【0029】
管理サーバ100において、通信部101は、映像データ取得要求に対して、所定時間内に応答を受けない場合には、映像データ取得不可と判断し(S103)、予約部102は、予約情報テーブル104に、ドライブレコーダIDと映像IDとを記憶することで、映像データの予約を行う(S104)。ここでは映像1を予約する。
【0030】
通信部101は、予約部102が予約を完了すると、映像ID(ここでは映像1を示す)を含んだ映像データ予約完了通知を管理者端末300に送信する(S105)。管理者端末300では、どの映像データが予約されたか、把握できる。
【0031】
その後、車両200において、エンジンが起動されるなどして、通信が可の状態になると(S106)、ドライブレコーダ200aからドライブレコーダIDを含んだ起動通知が、管理サーバ100に送信される(S107)。ドライブレコーダ200aは、電源が入ったり、圏外状態から復帰した場合には、通信可能通知(起動通知または圏内通知)を管理サーバ100に送信するように構成されている。
【0032】
管理サーバ100において、通信部101が、ドライブレコーダIDを含んだ起動通知を受信すると、予約部102は、ドライブレコーダIDをキーにして予約情報を検索し、対応する映像IDを取得する。通信部101は、その映像IDを含んだ映像データ取得要求をドライブレコーダ200aに送信する(S108)。なお、予約情報の検索に際して対応する映像IDを取得できない場合には、特段の処理は行われない。
【0033】
ドライブレコーダ200aは、その映像IDに対応する映像データを管理サーバ100に送信する(S109)。ここでは映像1が送信される。
【0034】
管理サーバ100において、通信部101は、管理者端末300に対して、映像IDを含んだ映像データ取得完了通知を送信する(S110)。
【0035】
管理者端末300において、取得された映像データの映像IDが取得される。管理者は、任意に映像データを選択操作することで、管理者端末300は映像IDの映像データ再生要求を管理サーバ100に送信する(S111)。管理者は、映像データのキー情報(時刻または位置など)を参考に、映像IDを選択することができる。
【0036】
管理サーバ100において、通信部101が映像データ再生要求を受信すると、映像データ処理部103は、対応する映像データを映像データ記憶部106から取得し、通信部101は、その映像データを送信する(S112)。
【0037】
このようにして、管理サーバ100は、ドライブレコーダ200aとアクセスできないときにおいて、映像データの予約を行うことができる。したがって、アクセス可となったときに、映像データの取得を可能にすることで、効率的な通信接続およびデータ取得を可能にする。
【0038】
つぎに、
図4に示されるシーケンス図の変形例について説明する。
図4において、映像1の取得要求予約をした後に、映像2の取得要求を受けたときの処理について説明する。
図5は、その処理を示すシーケンス図である。なお、上述したとおり、この変形例においては、車両管理テーブル105の通信接続に関する情報が利用される。
【0039】
図5に示されるとおり、まず、管理者端末300から、どのドライブレコーダ200a宛かのドライブレコーダID(宛先情報)と取得対象となる映像IDを含んだ映像データ取得要求が送信され、管理サーバ100において、通信部101は、その映像データ取得要求を受信する(S201)。通信部101は、どのドライブレコーダ200a宛かドライブレコーダIDに基づいて判断して、車両管理テーブル105を参照して、送信先となるドライブレコーダ200aが通信可であるか否かを判断する(S202)。ここでは、通信可であると判断し、通信部101は、そのドライブレコーダ200aに対して、映像データ取得要求を送信する(S203)。
【0040】
管理サーバ100において、通信部101は、映像データ取得要求に対して、所定時間内に応答を受けない場合には、映像データ取得不可と判断し(S204)、予約部102は、ドライブレコーダIDで示される車両が通信不可であることを示す通信不可フラグを、車両管理テーブル105に記憶する(S205)。ここでは、ドライブレコーダID:1で示される車両が通信不可であることを示す情報が記憶される。
【0041】
そして、管理サーバ100において、予約部102は、予約情報テーブル104に、ドライブレコ−ダIDと映像IDとを記憶することで、映像データの予約を行う(S206)。ここでは映像1を予約する。
【0042】
通信部101は、予約部102が予約を完了すると、映像データ予約完了通知を管理者端末300に送信する(S207)。
【0043】
その後、管理サーバ100において、通信部101は、管理者端末300から、新たな映像データ取得要求を受信する(S208)。ここでは、S201で受信した映像データ取得要求のドライブレコーダIDと同じドライブレコーダID:1が含まれている。また、映像IDは、映像2を示すこととする。
【0044】
管理サーバ100において、通信部101は、新たな映像データ取得要求を受信すると、車両管理テーブル105を参照し、ドライブレコーダIDで示されるドライブレコーダ200aの通信可否状態を判断する(S209)。ここでは、S205で、ドライブレコーダID:1で示されるドライブレコーダ200aが通信不可状態であることが記憶されているため、通信不可と判断する。
【0045】
そして、予約部102は、予約情報テーブル104に、ドライブレコーダIDと、映像IDとを記憶する(S210)。ここでは、ドライブレコーダID:1、映像ID:2が記憶される。そして、通信部101は、映像データ予約完了通知を管理者端末300に送信する(S211)。
【0046】
その後、さらに、通信部101は、映像データ取得要求(ドライブレコーダID:1、映像ID:3)を受信し、予約部102は、ドライブレコーダ200aの状態を判断し、予約処理を行う(S212〜S215)。
【0047】
ここまでが予約処理である。上述説明したとおり、車両管理テーブル105にて、ドライブレコーダ200aの状態を管理しておくことで、ドライブレコーダ200a宛に送信することなく、予約処理を行うことができる。
【0048】
その後、車両200において、エンジンが起動されるなどして、通信が可の状態になると(S216)、ドライブレコーダ200aからドライブレコーダIDを含んだ起動通知が、管理サーバ100に送信される(S217)。
【0049】
管理サーバ100において、通信部101が、ドライブレコーダIDを含んだ起動通知を受信すると、車両管理テーブル105のドライブレコーダ20aの状態を、通信可フラグに変更する(S218)。また、予約部102は、ドライブレコーダIDをキーにして予約情報テーブル104を検索し、対応する映像IDを取得する(S219)。ここでは、映像ID:1,2,3が取得される。通信部101は、その映像IDを含んだ映像データ取得要求をドライブレコーダ200aに送信する(S220)。
【0050】
ドライブレコーダ200aは、映像IDに対応する映像データを管理サーバ100に送信する(S221)。なお、映像IDを1つの映像データ取得要求に含め、映像データをまとめて送信する説明を行ったが、映像IDごとに映像データ取得要求を行い、送信するようにしても良い。
【0051】
管理サーバ100において、通信部101は、送信された映像データを受信して、映像データ記憶部106に記憶する(S222)。
【0052】
以降、管理サーバ100において、通信部101は、映像データ取得完了通知を管理者端末300に送信する(S223)。
【0053】
管理者端末300において、その管理者の操作に従って、映像データの再生要求を送信し、それに対応する映像データを送信する(S224、S225)。
【0054】
このように、複数の映像データを予約し、そして、その取得処理を可能にする。なお、上述のシーケンス図においては、説明の便宜上、管理サーバ100とドライブレコーダ200aとが1対1の関係としたが、当然にこれに限るものではない。管理サーバ100は、複数の管理者端末300またはドライブレコーダ200a(車両200)と通信接続してもよい。管理サーバ100は、複数のドライブレコーダ200aから通信可能通知を、特定のタイミングに集中して受信した場合には、FIFO(First-In First Out)処理(先入れ先出し処理)により、予約時刻が先であるものから順に処理をするのがよいが、これに限らない。管理者端末300またはドライブレコーダ200aに優先順位をつけておき、その優先順に基づいて映像データの取得処理および送信処理を行ってもよい。なお、具体的には、後述する各種挙動に対応する映像データの種別に基づく序列や、ユーザ毎の映像取得または予約回数を組合わせた序列、などである。
【0055】
つぎに、本実施形態の管理サーバ100の作用効果について説明する。この管理サーバ100は、車両200に衝合されるドライブレコーダ200aの識別子と、映像データの識別子とを対応付けた予約情報を記憶する予約情報テーブル104と、管理者などのユーザからのアクセス要求に基づいて、車両200に衝合されるドライブレコーダ200aと通信接続する通信部101と、通信部101がドライブレコーダ200aと通信接続ができなかった場合に、車両200に対する予約情報を予約情報テーブル104に登録する予約部102と、を備え、通信部101は、車両200から通信可能通知を受信すると、当該ドライブレコーダ200aに対して映像データ取得要求を送信する。
【0056】
この構成により、ドライブレコーダ200aに対して通信接続できない場合に、そのアクセス予約を可能にする。したがって、ドライブレコーダ200aが通信可能状態になると、そのアクセス要求をすることができ、効率的に通信接続およびデータ取得を行うことができる。
【0057】
一般的にドライブレコーダ200aのような車両200に衝合される電気機器は、自動車などの車両200から電源を得ている。従って、車両のエンジンキーがオフになっている場合などは、ドライブレコーダ200aは電源を得ることができず、したがって、管理サーバ100は、ドライブレコーダ200aに対して、アクセスすることができない。本実施形態においては、そのような場合においても、アクセス予約をすることで、何度もアクセスを試みるようなことを防止し、効率的な通信接続及びデータ取得を可能にする。
【0058】
なお、上記説明では、ドライブレコーダ200aに対して映像データの取得要求を行っていたが、これに限るものではない。管理サーバ100が、車両200に搭載される通信型電気機器に対してアクセスしようとする場合に適用することができる。例えば、車両に関する各種センサ情報を取得する場合にも適用できる。車両に関する各種センサ情報には、例えば、冷凍車に搭載されている冷凍庫の温度などに関する情報を取得するための温度センサ情報が考えられる。この場合には、冷凍庫の温度センサには、他と識別するための識別子が割り振られている。また、当該温度センサは、無線通信機能を有し、その無線通信機能は冷凍車または冷凍庫の電源から電源を得ることになる。
【0059】
なお、車両200がトンネル内にいるなど、通信をすることが困難な環境に移動している場合においても同様である。
【0060】
さらに、自動車などの車両200に限定するものでもない。船舶または航空機などの移動体でもよい。また、ドローンなど無線操作または自律移動することができる装置(移動体)であってもよい。なお、ドローンなどにおいては、ドライブレコーダなどの機器に対して電力を供給する上でエンジン始動を必須とはしないものもある。この場合は、そういった移動体に対する本実施形態の適用状況は、圏外に移動体が移動し、また圏外から圏内に移動した場合や、ドライブレコーダでの電源供給をオフにする場合が想定される。その他にも、映像を取得する優先度を定める際には、予め航空機特有の撮影が許可されていない領域や対象物(GPSなどの位置情報または/および地図情報に基づき特定するか、領空権など各種法令で定められた権利に抵触するものなど)を撮像対象とする場合など、法令順守に基づき、映像取得を積極的に行わない時間や場所が存在し、これらの映像はドライブレコーダでも記録されないようにすることが想定され得る。逆もまた然りで、何らかの関係者が所有するドローンを用いて、積極的に法令順守を目的として領空権や何らの権利抵触を監視するための自動監視ドローンに本発明が適用されても良いことは言うまでもない。
【0061】
また、本実施形態の管理サーバ100において、通信部101は、アクセス要求として、ドライブレコーダ200aにより撮影された映像の取得要求を送信して、ドライブレコーダ200aから映像を取得する。
【0062】
この構成により、効率的にドライブレコーダ200aから映像データを取得することができる。
【0063】
また、通信部101は、取得対象となる映像の識別子を含む映像の取得要求を送信し、当該識別子で指定された映像を取得する。この構成により、識別子で映像を特定することで、任意の映像を取得できる。
【0064】
また、本実施形態の管理サーバ100において、予約部102は、ドライブレコーダ200aに対する一の映像の識別子を含んだ予約情報を予約情報テーブル104に登録した後、ドライブレコーダ200aに対する他の映像の識別子を含んだアクセス要求(映像データ取得要求)を受信すると、当該ドライブレコーダ200aにアクセス要求(映像データ取得要求)を送信することなく、予約情報テーブル104に他の予約情報を登録する。そして、通信部101は、ドライブレコーダ200aから通信可能通知を受信すると、予約情報テーブル104に登録されている予約情報の識別子で指定された映像を取得する。
【0065】
この構成により、予約情報テーブル104に予約情報が登録されている場合に、別の映像データ取得要求を受信すると、予約情報テーブル104を参照し、アクセスの可否を判断することで、無駄なアクセス処理を行うことができる。よって、管理サーバ100の負荷を軽減することができる。
【0066】
図6は、管理サーバ100のハードウェア構成図である。
図2に示される管理サーバ100は、物理的には、
図6に示すように、一または複数のCPU11、主記憶装置であるRAM12及びROM13、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置14、ディスプレイ等の出力装置15、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール16、ハードディスクまたは半導体メモリ等の補助記憶装置17などを含むコンピュータシステムとして構成されている。
図2における各機能は、
図6に示すCPU11、RAM12等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU11の制御のもとで入力装置14、出力装置15、通信モジュール16を動作させるとともに、RAM12や補助記憶装置17におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。例えば、予約部102の処理は、CPU11による所定のプログラムに従って実現される。
【0067】
つぎに、このように構成された車両管理システムにおけるドライブレコーダ200aについて説明する。
図7は、ドライブレコーダ200aの機能構成を示すブロック図である。
図7に示されるとおり、ドライブレコーダ200aは、通信モジュール201、GPSモジュール202、ICカードリーダ203、記録部204、内部用の撮像カメラ205、外部用の撮像カメラ206、音声マイク207、スピーカー208、表示部209、ジャイロセンサ210、制御部211、挙動検出部212、ACC/イグニッション入力部213、車速パルス等車両データ入力部214、およびI/O入力部(センサデータ等入力部)215、図示しない車両情報テーブル216を記録部204に含んで構成されている。なお、挙動検出部212は、後述する変形例において管理サーバ100に備わる構成である。以下各構成要件について説明する。
【0068】
通信モジュール201は、移動体通信網を介して管理サーバ100および管理者端末300と通信接続する部分である。具体的には、通信モジュール201は、管理サーバ100から映像データなどの取得対象データのアクセス要求を受信し、前記アクセス要求に含まれる識別データまたはデータのキー情報に基づいて、記録部204に記録された取得対象データを送信する。
【0069】
制御部211は、車速パルス等車両データ入力部214で入力された各種車両データ、I/O入力部215で入力された各種センサデータ、ICカードリーダ203で検出された運転者情報、GPSモジュール202で検出された車両の位置情報や時刻情報、ジャイロセンサ210で検出された車両の旋回速度、挙動検出部212で検出された車両の位置情報や挙動検出データを記録部204の車両管理テーブル216に記憶する。
【0070】
具体的には、記録部204の記憶領域に記録する際、内部用の撮像カメラ205で撮像したのか、外部用の撮像カメラ206で撮像したのかを識別するフラグを映像データのキー情報として付与する。その上で、車両走行中にドライブレコーダ内の記憶部に刻々と記憶されていく連続映像データは、撮影終了時または車両の停止時ごとに連続映像データとして映像IDを付与して記憶する。更に、車両走行中に挙動検出部212で検出された危険挙動、注意挙動、車線変更や追い越しなどの挙動の他、信号無視や一旦停止、踏切停止、駐車違反などの各種違反挙動を検出した時刻の所定時間前後(例えば30秒)の映像データを、前記連続映像データから抽出して、イベント映像データとして別の映像IDを付与して記憶する。
【0071】
その他、管理者端末300から映像データのアクセス要求を受信し、そのアクセス要求に含まれるキー情報の1つである要求時刻の所定時間前後(例えば30秒)の映像データを、前記連続映像データから抽出して、任意映像データとして別の映像IDを付与して記憶する。
【0072】
これらの映像データを記憶する際、連続映像データ、イベント映像データ(危険挙動映像データ、注意挙動映像データなど)、要求時刻に基づく任意取得映像データなどの各種映像データに関するキー情報を、映像IDの付与と共に映像種別や挙動種別と関連つけて記憶する。
【0073】
つぎに、このように構成された映像データ、映像IDおよび映像データのキー情報(ここでは、時刻・位置のほか、挙動種別などを含む)を管理する、管理サーバ100側の車両管理テーブル105とドライブレコーダ200aの車両管理テーブル216の構成について説明する。
図8における各記憶領域(映像予約情報記憶領域および車両情報テーブル記憶領域を除く)は、管理サーバ100およびドライブレコーダ200aの車両管理テーブル105および/または216に記憶されており、ドライブレコーダ200aから管理サーバ100に送信済のデータについては、両者において同期がとられている情報となる。なお、車両管理テーブル216には、特定の機器IDが紐付けされるため、車両管理テーブル105の様な複数の機器IDの管理が原則不要(なお、車両に対し複数の機器を衝合する場合であっても、各々の記録部が独立して車両管理テーブル216を管理できる。)となる。映像予約情報記憶領域および車両情報テーブル記憶領域についても、管理サーバ100の車両管理テーブル105および記憶部204の車両管理テーブル105および/または216に記憶される。
【0074】
まず、
図8(a)に記載の映像データ記憶領域には、制御部211で処理され映像IDと紐付けられた連続映像データ、イベント映像データ、任意取得映像データそのものが対応付けられている。
【0075】
また、
図8(b)に記載の映像キー情報記憶領域には、制御部211で処理され映像IDと紐付けられた、位置情報や時間情報のほか、カメラ種別、各種挙動種別、各種挙動検出日時、センサ種別、センサ検出日時、アクセス要求日時などの映像データのキー情報が対応付けられている。なお、この映像データのキー情報は、映像IDで映像データを特定できない場合に、管理者端末側から1又は複数の取得対象データを特定するために用いられる情報である。
【0076】
また、
図8(c)に記載の映像予約情報記憶領域には、制御部211で映像IDと紐付けられ、機器側で自発的に管理サーバ100に送信予約を行うイベント映像データの映像IDと、管理サーバ100からアクセス要求を受信したものの、その後に管理サーバ100と通信モジュール201間の通信状態ができなくなった時に、前記機器側で自発的に管理サーバ100に送信予約を行う任意映像データの映像IDと、各映像IDが予約又はアクセス要求された日時、アップロード条件が対応付けられている。この映像予約情報記憶領域は、ドライブレコーダ200aに記憶されている。
【0077】
また、
図8(d)の車両情報テーブル記憶領域は、機器ID、運転者ID、通信可否フラグ、撮影終了時刻、センサデータを記憶する。これらは、管理サーバ100において、ドライブレコーダ200aと通信することによって得られる情報であり、ドライブレコーダ200aごとに対応付けている。
【0078】
ここで、制御部211は、映像データそのものを管理サーバ100に送信すると通信トラフィックに負荷をかけ、また通信費用がかかるため、その送信データ量を少なくするために、映像データそのものを送らずに、映像IDおよびそのほか映像データのキー情報となる情報(例えば位置または時刻情報だが、これに限らない)を送信する。
【0079】
そこで、
図8の車両管理テーブルを用いて、管理サーバ100側の車両管理テーブル105と機器側の記録部204(車両管理テーブルを記憶)との関係と、
図3の予約情報テーブル104との関係を説明する。
【0080】
まず、ユーザの管理下にある複数の前記機器に記憶された機器側の車両管理テーブル216に、映像IDおよび映像データのキー情報(以下、キー情報等とする。)及び映像ファイルが記録されていく。その後、複数の前記機器から管理サーバ100へ自発的にキー情報等が送信され、又は管理サーバ100からのアクセス要求に対し、能動的にキー情報等が送信され、管理サーバ100側の車両管理テーブル105に、複数の機器に記憶されるキー情報等が記録されていく。
【0081】
管理サーバ100側の車両管理テーブル105には、機器側の車両管理テーブルの情報を区別するために、車両管理テーブルには存在しないテーブル項目として、機器識別子が必要となる。この点では、複数の前記機器のどの映像IDを予約するのか特定するために、
図3の車両情報テーブルにも同じく備わっている。
【0082】
一方で、機器側の車両管理テーブルの映像データ記憶領域には、刻々と映像IDに紐つく映像データが記憶されていくため、原則として映像データは揃っている。しかし、管理サーバ100側の車両管理テーブル105には、原則として送信データ量を少なくするために、前記映像データそのものを送らずに、映像IDおよびそのほか映像データのキー情報となる情報(例えば位置または時刻情報)を送信する。その後、所定の条件に基づき映像データが送信され、取得状況フラグが取得済に更新される。
【0083】
このことから、車両管理テーブル105の映像データ記憶領域では、原則として映像データは揃っていない。そのため、映像データを取得済かを区別するために、車両管理テーブルには存在しないテーブル項目として、取得状況フラグが必要となり、取得済、未取得、予約中、取得不可の状態を区別している。
【0084】
また、車両管理テーブルの映像データ記憶領域では、管理サーバ100との通信可否状態に関係なく、映像IDに紐付けられた映像データが記録されていくが、車両管理テーブル105の映像データ記憶領域では、管理サーバ100と対象機器との通信ができない場合は、映像データを取得することができない。そのため、映像データの取得可否を区別するために、車両管理テーブルには存在しないテーブル項目として、取得可否フラグが必要となり、通信可、通信不可の状態を区別している。
【0085】
そして、後述する管理者端末300の管理画面上で映像データのアクセス要求又は再生要求を行う際には、管理下にある複数機器に記憶されているキー情報等の一覧が、車両管理テーブル105に基づき表示され、キー情報等ごとに映像取得状態をアイコン化し、アイコンクリックにより簡単にアクセス要求又は再生要求を行うことができるようになっている。なお取得が完了すると、取得状況フラグを取得済に変更することにより、管理画面上のアイコン表示も取得済に変更される。
【0086】
ここで、キー情報等ごとに一覧化されている理由は、映像種別によっては、映像IDが付与されていない、連続映像データの情報もあり、取得対象の映像データを特定するためには、対象機器識別子および対象映像IDの組合せか、あるいは対象機器識別子および対象映像データのキー情報の何れかの組合せが必要であるためである。
【0087】
よって、管理者端末300から受信するアクセス要求には、取得対象データを特定するために、取得対象機器の機器識別子とキー情報等が含まれており、前記識別子及び前記予約情報に基づき、所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たさない、即ち映像取得予約が不要なアクセス要求に対してはその旨を返信し、映像取得予約が必要なアクセス要求に対し予約を実行する。
【0088】
具体的には、アクセス要求に含まれる取得対象機器の機器識別子とキー情報等が、既に予約情報テーブル104に登録されている場合には、既に予約済である旨を管理者端末に返答する。また、登録された前記予約情報に含まれる取得対象機器の機器識別子から、車両管理テーブル105の前記通信可否フラグを確認し、通信可の前記予約情報のみ予約を実行するため、通信不可の機器に対する別の映像データのアクセス要求を受信しても、通信不可の機器にアクセス要求を送信することなく、予約を登録し、映像データ取得予約完了通知を管理者端末に返答することにより、無駄なアクセス処理を抑止することができる。よって、管理サーバ100の負荷を軽減することができる。
【0089】
つぎに、
図4に示されるシーケンス図の詳細処理を、
図10を用いて説明する。
図4の前段において、映像1の取得要求予約をする前に、管理サーバ100とドライブレコーダ200aの間で映像キー情報および映像データの送受信をする処理について説明する。
図10は、その具体的処理シーケンスを示す図である。
【0090】
まず、ドライブレコーダ200aに、ACC/イグニッション入力部213から電源が供給されると、ドライブレコーダ200aが起動し、通信モジュール201による管理サーバ100との通信接続処理や、GPSモジュール202による位置測位や受信した時刻情報、撮像カメラ205および撮像カメラ206で撮像された車両の内外を撮像した連続映像データの記録が開始される(S301)。
【0091】
併せて記録部204内の車両管理テーブルの映像データ記憶領域には、映像ID「10001」、映像データの保存ファイル名「ファイル1」というデータが記録される。また、車両管理テーブルの映像キー情報記憶領域には、同じ映像IDに対する映像キー情報(後に任意映像データ取得の際に、取得対象データを特定するためのキー情報となる)として活用される、撮像開始時刻「開始1」、映像種別「連続」、機器ID、カメラ番号、運転者IDなどの情報が記録され、連続映像データのファイルが撮像終了又は一旦停止するまで刻々と記録されていく(S302)。
【0092】
その後、各種挙動検出部212において、連続映像データの画像解析か又は車両データ若しくはセンサデータのデータ解析に基づいて、挙動種別ごとに異なる所定の条件を満たすか否かを監視する。それらの条件を満たしたときに各種挙動検出処理を行う(S303)。挙動検出は、車両のセンサ値、撮像カメラ205および206の撮影データに基づいて行われる。
【0093】
車両管理テーブルの映像キー情報記憶領域に、別の映像ID「10002」、各種挙動を検出した日時から所定時間前(例えば30秒)である撮影開始時刻「開始2」、「所定時間後」である撮影終了時刻「終了2」、検出日時のGPS位置情報「位置1」、映像種別「イベント」、挙動種別「危険」、挙動名「急アクセル」などのイベント映像データを、記録中の連続映像データのファイルから抽出し、別のファイル名として記憶する(S304)。
【0094】
そして、制御部211は、車両管理テーブルの映像キー情報記憶領域の映像IDに紐付けられた機器IDをキーとして、車両管理テーブルの車両情報テーブル記憶領域の映像IDに紐付けられた通信可否フラグを確認し、通信可の場合は抽出したイベント映像データのキー情報である挙動種別が「危険」かどうかを判断する。「危険」であって、通信状態が可である場合には、即時に管理サーバ100にイベント映像データを送信する(S305)。「危険」でない場合は、または危険であっても通信状態が不可である場合には、イベント映像データそのものは送信せず、アップロード予約情報を更新する(S308)。
【0095】
なお、この処理により、ドライブレコーダ内の記憶部に刻々と記憶されていく映像などの取得対象データの中から、管理が必要となるデータを特定して管理サーバに保管することができる。
【0096】
そして、ドライブレコーダ200aから映像データが送信されると、管理サーバ100において、映像データ処理部103は、車両管理テーブル105の映像データ記憶領域に、受信した映像データの映像ID、機器ID、ファイル名を記録する(S307)。
【0097】
一方で、S308において、アップロード予約情報が更新され、その後通信状態が可となると、ドライブレコーダ200aからキー情報等が送信される。すなわち、ドライブレコーダ200aの通信可否フラグを確認し、通信不可の場合は車両管理テーブルの映像アップロード予約情報報記憶領域に、映像ID「10002」、予約日時、アップロード条件「通信可への状態遷移時」を記録し、S305の通信可否フラグの状態遷移を監視する。
【0098】
この通信不可の状態が継続する中でも、ドライブレコーダの連続映像データは刻々と記録しつつ(S302)各種挙動検出を監視し、挙動種別が「注意」の挙動を検出すれば(S303)、任意映像データの映像ID「10003」に紐付けられる任意映像データ「ファイル3」を映像データ記憶領域に、映像キー情報等を映像キー情報記憶領域に記録し(S304)、車両管理テーブルの車両情報テーブル記憶領域の映像IDに紐付けられた通信可否フラグを確認し、通信可否フラグの状態遷移がないことから映像キー情報等が車両管理テーブルの映像アップロード予約情報報記憶領域に記憶される(S308)。
【0099】
そして、管理サーバ100は、受信した映像データのキー情報等を、車両管理テーブル105の映像キー情報記憶領域に、どの機器IDの映像キー情報かを含め、各々対応する項目の情報を記憶する(S306)。
【0100】
そして、管理者端末300から管理サーバ100へアクセス要求(S101)がされた後は、
図4のS102〜S112と同じ流れになるため説明を省略する。なお、この映像ID「10003」に紐付けられたキー情報のアップロード条件が「アクセス要求受信時」となっているため、管理サーバ100からこの映像ID「10003」に対するアクセス要求をドライブレコーダ200aが受信して初めて管理サーバ100に映像データが送信される。
【0101】
なお、この処理により、ドライブレコーダ内の記憶部に刻々と記憶されていく映像などの取得対象データの中から、管理が必要となった時に適切なタイミングで任意映像データを取得することができる。
【0102】
つぎに、
図4における映像データの取得処理の詳細について説明する。
図4においては、取得できない場合には、予約処理を行っていたが、ここでは、二重予約の防止および他の予約情報に基づいた優先取得処理に着目した処理を記載している。
【0103】
S101において、映像10004の取得要求が送信される。管理サーバ100において、予約部102は、これを受けると予約情報テーブル104に、映像1004が予約済みであるか否かを判断する(S401)。予約済みであった場合には、予約済みである旨、回答する。
【0104】
その後、予約部102は、予約情報に即時要求対象があるか否かを判断する(S402)。これは、予約部102が車両管理テーブル105における映像キー情報記憶領域を参照して、映像種別および挙動種別に基づいて、判断する。
【0105】
予約部102は、即時要求対象がある場合には、その機器が起動状態であるか、または圏内にあるか否かを判断する(S403)。これは、車両情報テーブル記憶領域の通信可否フラグに基づいて判断する。そして、通信可である場合には、その映像データ取得要求をドライブレコーダ200aに送信する。
【0106】
予約部102は、即時要求対象がない場合、他の予約情報があるか判断する(S404)。そして、その機器が起動状態であるか、または圏内にあるか否かを判断し(S405)、映像データ取得要求を行う。
【0107】
なお、S401において、予約済み映像IDがないと判断された場合には、S101において取得要求があった映像データ(映像ID:10004)の予約処理(S104)または取得処理(S102)を行い、以降
図4と同じ処理を行う。なお、S402およびS403において、即時要求対象となる映像10002は、管理サーバ100が映像データ取得要求を行わなくとも、ドライブレコーダ200aから自発的に映像データを送信しても良い。その場合、具体的には、即時要求対象となる予約情報は、記憶部204の車両管理テーブル216の予約情報記憶領域に記憶し、起動あるいは圏内判断に基づき映像データを送信する。
【0108】
つぎに、
図11に示されるシーケンス図の変形例について説明する。
図9は、連続映像データの記録や各種挙動検出、イベントデータ映像記録、通信状態遷移及び即時送信判断をドライブレコーダ200a側で行っているが、
図11は管理サーバ100側で行う場合の、その具体的処理シーケンスを示す図である。
【0109】
まず、ドライブレコーダ200aで連続映像データの記録が開始される点は共通するため説明を省略する。
【0110】
各種挙動検出、イベントデータ映像記録、通信状態遷移判断は、ドライブレコーダ側の処理と同じだが、連続映像データの記録が管理サーバ100とドライブレコーダ200aとの通信状態に応じて、いずれかの車両管理テーブル105又は車両管理テーブル216のいずれかに記録されることとなる。具体的には、連続映像データの記録前であり、管理サーバ100およびドライブレコーダ200aのそれぞれ通信可否フラグが「通信可」の状態では、管理サーバ100の車両管理テーブル105の映像データ記憶領域に連続映像データが記憶され(S302´)、いずれかが「通信不可」の状態では、ドライブレコーダ200aの車両管理テーブルの映像データ記憶領域に連続映像データが記憶され(S302)、車両管理テーブル105の映像キー情報記憶領域又は、車両管理テーブルの映像キー情報記憶領域の撮影開始日時が通信状態フラグに応じて記憶される(S302)。
【0111】
この処理により、通信料の削減を目的とする場合には、必ずしも最適な実施例とは言えないが、今後の通信環境が高速かつ低遅延化がなされる、5Gや6Gの良好な環境下でリアルタイムに各種映像データを管理サーバに記憶することができる。
【0112】
また、連続映像データを記録中であれば、通信可否フラグが「通信不可」に状態変更があれば、車両管理テーブル105の連続映像データ記憶を終了又は一旦停止し、「通信可」に状態変更があれば、車両管理テーブルの連続映像データ記憶を終了し、映像データおよびキー情報等を管理サーバ100に送信し、車両管理テーブル105の連続映像データ記憶を開始する。
【0113】
その他の各種挙動検出や、車両情報テーブル更新、イベント映像データ記録は、
図9で説明した内容が管理サーバ100で行われるのみの変更であり説明を省略する(S302´、S303´、S304´、S306´、S101、S112)。なお、管理サーバ100において、ドライブレコーダ200aの処理を行う場合には、車両の挙動判断などの処理を行うため、挙動検出部212の機能を有する制御部が必要となる。
【0114】
通信可能通知は、起動通知または圏内通知の他に、車両の運行開始通知、センサデータやイベントデータの定期通知などの移動体に衝合される機器からの通知や、管理サーバから移動体に衝合される機器に対して通知される何らかのアクセス要求であっても良い。また、移動体に衝合される機器が通信モジュールを有しない車載通信器であっても、移動体に衝合される機器と携帯端末が接続され、管理サーバとの間で何等かの通知が送受信されても良い。
【0115】
図12は、本実施形態の車両管理システムの管理者端末の管理画面上で映像データのアクセス要求又は再生要求を行う安全運転管理画面例を示す。
図12に示されるとおり、管理サーバ100は、ユーザの管理下にあるドライブレコーダ200aと通信接続し、ドライブレコーダ200aが撮影した映像データなどのキー情報等が、管理サーバ100に記憶されている。管理者端末は、例えばコンピュータであり、CPU、メモリ、通信モジュール、キーボード・マウス、ディスプレイを含んで構成されている。この管理者端末は、管理サーバ100からその情報を取得して、安全運転管理画面には対象のドライブレコーダ200aが設置された車両の走行軌跡が地図上に重畳し、管理画面の上部に表示する。
【0116】
安全運転管理画面の下部には、各種挙動を検知した日時と挙動名、危険度等に応じた映像種別、位置情報に基づく住所、運転者名、端末名、映像アイコン表示欄が表示されている。各映像アイコンは、映像取得済、未取得、予約済、取得不可に区別され異なるアイコンで表示されている(
図12(a))。
【0117】
管理者は、マウスを使って、この管理画面下部の未取得アイコン(未取得情報の行でも良い)をクリックすると、
図4等の映像データ取得要求のシーケンス処理において、緊急イベント映像取得確認画面に「端末から映像を取得しますが、よろしいですか?」と表示される(
図12(b))。ここでOKボタンを押すと、映像データ取得要求を対象のドライブレコーダ200aに送信する。
【0118】
通信ができないか、映像データの取得に失敗した場合(例えば30秒経過後も正常取得できないS103のケース)、「端末のエンジンが起動していないため、映像が取得できません。映像の取得予約をしてよろしいですか?」と表示される(
図12(c))。その後OKボタンを押すと、「映像取得予約が完了しました。」と表示され、S104及びS105のシーケンス処理が実行される。
【0119】
ここで、車両管理テーブル105内映像キー情報記憶領域の、映像取得状況フラグが、「未取得」から「予約済」に更新され、予約情報として、映像ID、予約日時、映像アップロード条件が車両管理テーブル105内映像予約情報記憶領域に記憶される。なお、映像データが消去などされて、存在しない場合には、「取得不可」に更新される。
【0120】
つぎに、上述実施形態の管理サーバ100の別の態様における作用効果について説明する。この管理サーバ100は、複数の移動体(車両等)に各々衝合される機器(ドライブレコーダ200aなど)のうち特定機器に記憶されたデータを管理する。
【0121】
管理サーバ100は、機器識別子である機器ID、対象データを特定するためのキー情報(映像ID、位置・時刻、またはそのほか映像種別・挙動種別など)、および当該対象データのための予約情報を記憶する情報テーブルを備える、情報テーブルは、予約情報テーブル104および車両管理テーブル105(映像キー情報記憶領域))などである。なお、上述の実施形態では、キー情報と、映像IDとは区別されているが、映像IDは、キー情報の一つしてもよい。
【0122】
そして、予約部102は、ユーザからの特定機器のキー情報に対応するアクセス要求を受信すると、前記特定機器との通信接続および予約情報に基づき、所定の条件に応じた処理を行う。通信部101は、記所定の条件を満たすと、前記特定機器と通信接続し、前記アクセス要求に対応する対象データを送受信する。
【0123】
この構成により、予約情報に応じた映像データの取得を行うことができる。例えば、データ種別には、映像種別や、挙動種別がある。映像種別には、通常の連続映像のほか、急アクセスや急ブレーキなどの所定のイベントのイベント映像がある。これらイベントは、危険や注意などの挙動タグで示される。このようなイベントは、迅速に取得したい映像データであり、イベントに応じて優先的に映像データを取得することの意義がある。上述実施形態では、映像IDを用いて、予約情報の優先度に基づいてデータの取得処理をしていたが、映像種別や挙動種別を直接的にキー情報として指定して、それに対応する映像データを取得するようにしてもよい。
【0124】
図10においては、映像データの取得要求があった場合に、映像種別または挙動種別の優先度に基づいた映像データの取得処理を行っているが、これに限るものではない。そのほか、所定のタイミングや、他のドライブレコーダ200aからの起動通知に基づいて優先度処理を行ってもよい。また、予約情報は、映像データの取得に限るものではなく、管理サーバ100からドライブレコーダ200aに対して、ファームウエアなどの情報をアップロードするものにも適用することができる。
【0125】
なお、本実施形態においては映像データの取得について説明したが、映像データには、車両の外側の映像データや車両内部の映像データがある。また、映像データは、これらに限るものではない。そのほか、映像データに代えて、取得対象とするデータには、音声データであってもよいし、車載センサデータ、運転者ICデータなどの付加情報を含んでもよい。また、アップロードに限定される訳ではなく、全ての実施形態において、管理サーバ側からのダウンロードにも適用可能であることは言うまでもない。よって、今後発展が期待されるテレマティクス分野における移動体そのものに対するメンテナンス情報や自動運転データのダウンロードなど、多岐に渡っての利用が期待できる。
【0126】
また、管理サーバ100における通信部101は、ユーザから送信される、機器IDおよび映像IDを含んだアクセス要求に基づいて、ドライブレコーダ200aから映像データを取得し、管理サーバ100がドライブレコーダ200aと通信接続ができなかった場合に、ドライブレコーダ200aに対する予約情報を予約情報テーブル104に登録する予約部102と、をさらに備える。
【0127】
これにより、効率的に予約情報を生成することができる。
【0128】
また、管理サーバ100の予約部102は、予約情報を予約情報テーブル104に登録した後、ドライブレコーダ200aに対する他の映像IDを含んだ他のアクセス要求を受信すると、当該ドライブレコーダ200aに当該アクセス要求を送信することなく、予約情報テーブル104に他のアクセス要求に基づいた予約情報を登録し、通信部101は、ドライブレコーダ200aから通信可能通知を受信すると、予約情報テーブル104に登録されている予約情報に基づいてデータを取得する。
【0129】
これにより、無駄に通信を発生させることなく、映像データの取得を行うことができる。なお、イベント映像の取得回数や、予約回数をカウントしておき、上限を制限するようにしてもよい。mた、機器IDごとに制限値を設けてもよい。
【0130】
また、管理サーバ100の通信部101は、ユーザから送信されるアクセス要求に含まれている機器IDおよび映像IDが、予約情報にすでに記憶されている場合には、予約情報テーブル104に登録しない。
【0131】
これにより、二重に予約をすることを防止することができ、従って、二重に映像データのダウンロードや、その取得処理を行うことを防止することができる。
【0132】
また、管理サーバ100は、ドライブレコーダ200aの通信可否フラグを記憶する車両管理テーブル105を備え、通信部101は、通信可否フラグに基づいて、ドライブレコーダ200aと通信接続できるか否かを判断する。また、通信部101は、ドライブレコーダ200aから通信可能通知を受信すると、車両管理テーブル105の通信可否フラグを可に変更する。
【0133】
これにより、ドライブレコーダ200aとの通信接続状況を簡単に確認することができる。
【0134】
なお、これらの発明について、管理サーバ100がドライブレコーダ200aから映像データを取得することを中心に説明しているが、この発明は管理サーバ100が車両又は飛行体に衝合される機器に対し、対象データを送受信することが可能である。その場合、上述の説明において用いられる以下の用語は、それぞれ「映像データ」を「対象データ」、「映像を取得」を「対象データを送受信」、「取得要求」を「配信要求」、「取得不可」を「配信不可」、「取得処理」を「配信処理」、「取得完了通知」を「送受信完了通知」、「データ取得」「映像取得」を「データ配信」、「映像データ取得要求」を「対象データ送受信要求」、「取得済」を「受信済」又は「送信済」、「未取得」を「未送受信」、「取得不可」を「受信不可」又は「送信不可」、「取得可否」を「受信可否」又は「送信可否」、「映像取得状態」を「対象データ送受信状態」、「取得状況フラグ」を「送受信状況フラグ」、「取得対象機器」を「送受信対象機器」、「取得予約完了通知」を「送受信予約完了通知」と読み替えるものとする。
【0135】
読み替えた後の変形例で上述の実施形態との違いとしては、ドライブレコーダや車両管理装置、カーナビゲーション装置、車両内部の各種電子機器に対して配信が必要な情報、即ちファームウェアや遠隔操作又は自動運転プログラムなどのソフトウェア、映像又は音楽、地図などのコンテンツデータ、各種更新用のデータ、取得済映像データに対し安全運転指導情報を付加(映像情報にチャットデータ等を重畳等)した付加価値データなど、対象データ取得後の何等か付加価値を付与したデータを送信し、運転者や同乗者に対し再生させるなどの、コンテンツの応用が考え得る。それらの配信データは、上述する取得データと混在した形で送受信の予約がされ、これらの対象データの特徴や優先度を判断するキー情報を用いて、効率的に送受信の管理がなされることに成る。
【0136】
これにより、管理サーバと対象機器の間で送受信が必要となる対象データを、そのキー情報及び予約情報に基づいて、効率的に送受信ができることは言うまでもない。