特開2019-216830(P2019-216830A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2019-216830硬性内視鏡のカバーおよび内視鏡ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-216830(P2019-216830A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】硬性内視鏡のカバーおよび内視鏡ユニット
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20191129BHJP
   A61B 1/12 20060101ALI20191129BHJP
   A61B 1/012 20060101ALI20191129BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   A61B1/00 652
   A61B1/00 R
   A61B1/12 531
   A61B1/012
   G02B23/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-114533(P2018-114533)
(22)【出願日】2018年6月15日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】507096124
【氏名又は名称】株式会社トライテック
(71)【出願人】
【識別番号】504205521
【氏名又は名称】国立大学法人 長崎大学
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100113365
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 雅晴
(72)【発明者】
【氏名】松本 桂太郎
(72)【発明者】
【氏名】高木 克典
(72)【発明者】
【氏名】永安 武
(72)【発明者】
【氏名】竹▲崎▼ 博
(72)【発明者】
【氏名】佐保 幸也
(72)【発明者】
【氏名】森 順二
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040BA14
2H040DA02
2H040EA01
4C161DD01
4C161GG14
4C161HH04
4C161JJ03
4C161JJ06
(57)【要約】
【課題】カバーを硬性内視鏡の外周面に対して容易に着脱することができ、しかも洗浄用流体が内部で流れる管状部材が硬性内視鏡から外れてしまうことを確実に防止するとともに洗浄液等の液漏れが発生することを防止することができる硬性内視鏡のカバーおよび内視鏡ユニットを提供する。
【解決手段】先端に観察窓部14が設けられた硬性内視鏡10の外周面の周方向における一部を覆うためのカバー20は、硬性内視鏡10の外周面の周方向における一部を覆う、可撓性を有する外側カバー部材22と、外側カバー部材22の内側に設けられ、硬性内視鏡10の基端側から当該硬性内視鏡10の観察窓部14に供給されるべき洗浄用流体が内部で流れる管状部材26とを備えており、外側カバー部材22が撓むことにより当該外側カバー部材22が硬性内視鏡10の外周面に取り付けられるようになっている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に観察窓部が設けられた硬性内視鏡の外周面の周方向における一部を覆うためのカバーであって、
前記硬性内視鏡の外周面の周方向における一部を覆う、可撓性を有する外側カバー部材と、
前記外側カバー部材の内側に設けられ、前記硬性内視鏡の基端側から当該硬性内視鏡の前記観察窓部に供給されるべき洗浄用流体が内部で流れる管状部材と、
を備え、
前記外側カバー部材が撓むことにより当該外側カバー部材が前記硬性内視鏡の外周面に取り付けられるようになっている、硬性内視鏡のカバー。
【請求項2】
前記外側カバー部材が前記硬性内視鏡の略全長に亘って延びている、請求項1記載の硬性内視鏡のカバー。
【請求項3】
前記硬性内視鏡の長手方向に直交する面に沿った前記外側カバー部材の断面が略C字形状である、請求項1または2記載の硬性内視鏡のカバー。
【請求項4】
前記外側カバー部材の材料はプラスチックである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硬性内視鏡のカバー。
【請求項5】
前記管状部材の材料はゴムである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の硬性内視鏡のカバー。
【請求項6】
前記硬性内視鏡の外周面に対向する前記外側カバー部材の内面に溝が設けられており、前記管状部材が前記溝に嵌められている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の硬性内視鏡のカバー。
【請求項7】
前記溝に嵌められている前記管状部材の一部が当該溝の外部に露出している、請求項6記載の硬性内視鏡のカバー。
【請求項8】
前記管状部材は接着剤により前記外側カバー部材の内側に固定されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の硬性内視鏡のカバー。
【請求項9】
前記管状部材の内部を流れる洗浄用流体の向きを前記硬性内視鏡の前記観察窓部に向かう方向に変える流体向き変更部が設けられている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の硬性内視鏡のカバー。
【請求項10】
前記流体向き変更部は、前記硬性内視鏡の長手方向から前記硬性内視鏡の前記観察窓部に向かう方向に折れ曲がった金属製または樹脂製のパイプである、請求項9記載の硬性内視鏡のカバー。
【請求項11】
前記流体向き変更部は、V字形状、L字形状、U字形状またはコの字形状に折れ曲がったものである、請求項9または10記載の硬性内視鏡のカバー。
【請求項12】
前記流体向き変更部の折れ曲がり角度は、前記硬性内視鏡の長手方向に対する前記観察窓部の表面の角度と略同一である、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の硬性内視鏡のカバー。
【請求項13】
前記硬性内視鏡の外周面に対向する前記外側カバー部材の内面に、前記硬性内視鏡の外周面との間で摩擦力を働かせる摩擦部材が設けられている、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の硬性内視鏡のカバー。
【請求項14】
先端に観察窓部が設けられた硬性内視鏡と、
前記硬性内視鏡の外周面の周方向における一部を覆うカバーと、
を備え、
前記カバーは、前記硬性内視鏡の外周面の周方向における一部を覆う、可撓性を有する外側カバー部材と、前記外側カバー部材の内側に設けられ、前記硬性内視鏡の基端側から当該硬性内視鏡の前記観察窓部に供給されるべき洗浄用流体が内部で流れる管状部材とを有しており、
前記外側カバー部材が撓むことにより当該外側カバー部材が前記硬性内視鏡の外周面に取り付けられるようになっている、内視鏡ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患部を撮像するための対物レンズを保護する観察窓部が先端に設けられた硬性内視鏡の外周面を覆うためのカバー、ならびに硬性内視鏡およびカバーからなる内視鏡ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野では、胃の検査や、その手術において胃カメラに代表される内視鏡(軟性内視鏡)が使用されるようになっている。また、胸部を開口して行う手術で胸腔鏡が使用され、腹部を開口して行う手術で腹腔鏡が使用される場合が多い(以下、腹腔鏡下手術という)。腹腔鏡下手術は、その低侵襲性、良好な整容性により急速に普及しており、胃癌、大腸癌手術を主な対象として外科手術全体に占める割合が年々増加している。ところで、上述した胸腔鏡や腹腔鏡等は硬性内視鏡と呼ばれ、このような硬性内視鏡の先端には、患部を撮像するための対物レンズが設けられるとともに、対物レンズを保護する観察窓部が設けられている。
【0003】
上述した胸腔鏡や腹腔鏡等の硬性内視鏡を用いた手術が行われる間に、硬性内視鏡の先端に設けられた観察窓部が血液や脂肪等により汚れ、また曇りを生じることが頻繁にある。このため、観察窓部の洗浄または清浄化のために手術を一時中断せざるを得ず、手術効率が著しく低下するという問題がある。より詳細に説明すると、硬性内視鏡を用いた手術に必要な情報は、当該硬性内視鏡により得られる画像(視覚)情報のみであり、手術中の曇りや血液、脂肪等による観察窓部の汚れは、安全な手術の施行の妨げとなる。そのために手術中は硬性内視鏡を体外に一旦取り出して洗浄する必要があるが、それに要する時間は手術時間の延長につながり、患者に大きな負担となったり予期せぬ合併症が発症したりするおそれがある。
【0004】
このような問題を解決するために、患者の体内で硬性内視鏡の観察窓部に生理食塩水等の洗浄液や当該洗浄液を吹き飛ばすためのエアを供給するような洗浄装置(具体的には、長尺状のチューブ)を硬性内視鏡の外周面に取り付けることにより、硬性内視鏡を体外に取り出さなくても観察窓部の洗浄を行う技術が知られている。例えば、特許文献1乃至3には、洗浄液やエアの供給通路を硬性内視鏡の内部に設けた技術が開示されている。しかしながら、硬性内視鏡は患者の体内に挿入されるため使用前に十分な滅菌が求められるが、洗浄液やエアの供給通路が内部に設けられている硬性内視鏡では構造が複雑になってしまうため供給通路の内部等の滅菌を十分に行うことができないという問題があった。また、洗浄液やエアの供給通路を硬性内視鏡の内部に設ける場合には、当該硬性内視鏡の製造コストが高くなってしまうという問題があった。
【0005】
一方、特許文献4乃至7には、洗浄用シースを硬性内視鏡に被せるとともに、洗浄用シースの内面と硬性内視鏡の外周面との間に形成される流路に洗浄液やエアを流すことによって観察窓部の洗浄を行う技術が開示されている。しかしながら、特許文献4乃至7に開示される内視鏡ユニットでは、洗浄用シースの内面と硬性内視鏡の外周面との間に形成される隙間全体に洗浄液が満たされるため、洗浄液の供給を停止させた場合の反応が遅くなってしまうという問題があった。また、洗浄用シースの内面と硬性内視鏡の外周面との間に残留する洗浄液の残液により液だれが発生してしまうおそれがあるという問題があった。
【0006】
また、特許文献8には、洗浄液等が内部を流れる洗浄管を硬性内視鏡の外周面に接着剤によって接着した技術が開示されている。また、特許文献9には、洗浄液等が内部を流れる長尺状のチューブをチューブ取付け部により硬性内視鏡の外周面に取り付けるような技術が開示されている。しかしながら、特許文献8に開示される内視鏡ユニットでは、単に洗浄管が接着剤によって硬性内視鏡の外周面に接着されているだけであるため、洗浄管と硬性内視鏡の外周面との間の接着面の強度が弱く、このため洗浄管が硬性内視鏡の外周面から外れやすくなってしまい、この場合には洗浄管が患者の体内に残ってしまうおそれがあるという問題があった。また、特許文献9に開示される内視鏡ユニットでも、患者の体内に硬性内視鏡を挿入したときに長尺状のチューブが患者の体内で硬性内視鏡から外れてしまうおそれがあり、この外れた長尺状のチューブにより患者の体内が傷つけられてしまうおそれがあった。また、硬性内視鏡を用いた手術が行われる前に長尺状のチューブを毎回洗浄する必要があり、手間がかかるという問題があった。また、特許文献9に開示される内視鏡ユニットでは、患者の体内への硬性内視鏡の挿入時にチューブ取付け部の段差が妨げになるという問題があった。
【0007】
また、特許文献10には、外側カバー部材の内面に、硬性内視鏡の観察窓部に供給される洗浄液等の流路を区画する内側カバー部分を設けたカバーが開示されている。しかしながら、特許文献10に開示されるカバーでは、内側カバー部分により区画される流路を流れる洗浄液等の圧力を大きくした場合に外側カバー部材と内側カバー部分との隙間から洗浄液等の液漏れが発生するおそれがあるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−207962号公報
【特許文献2】特開平6−269388号公報
【特許文献3】特許第4960076号
【特許文献4】特許第5368511号
【特許文献5】特開平6−189893号公報
【特許文献6】特許第5373732号
【特許文献7】特開平10−043131号公報
【特許文献8】特許第2539980号
【特許文献9】実用新案登録第3186191号
【特許文献10】特許第6242560号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した様々な従来の特許文献に開示される技術の問題点を考慮してなされたものであり、硬性内視鏡の外周面に対して容易に着脱することができ、しかも洗浄用流体が内部で流れる管状部材が硬性内視鏡から外れてしまうことを確実に防止するとともに洗浄液等の液漏れが発生することを防止することができる硬性内視鏡のカバーおよび内視鏡ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の硬性内視鏡のカバーは、先端に観察窓部が設けられた硬性内視鏡の外周面の周方向における一部を覆うためのカバーであって、前記硬性内視鏡の外周面の周方向における一部を覆う、可撓性を有する外側カバー部材と、前記外側カバー部材の内側に設けられ、前記硬性内視鏡の基端側から当該硬性内視鏡の前記観察窓部に供給されるべき洗浄用流体が内部で流れる管状部材と、を備え、前記外側カバー部材が撓むことにより当該外側カバー部材が前記硬性内視鏡の外周面に取り付けられるようになっていることを特徴とする。
【0011】
このような硬性内視鏡のカバーによれば、硬性内視鏡の基端側から当該硬性内視鏡の観察窓部に供給されるべき洗浄用流体が内部で流れる管状部材が外側カバー部材の内部に設けられているため、患者の体内で観察窓部の洗浄を行うことができる。また、硬性内視鏡の外周面の周方向における一部を覆う外側カバー部材は可撓性を有しており、外側カバー部材が撓むことにより当該外側カバー部材が硬性内視鏡の外周面に取り付けられるようになっているため、硬性内視鏡の外周面に対してカバーを容易に着脱することができる。また、洗浄用流体が内部で流れる管状部材を外側カバー部材の内部に設けた場合には、洗浄用流体の供給通路を洗浄用シースの内部で貫通させる場合と比較して製造コストを低減することができる。さらに、管状部材を用いることにより、洗浄液等の液漏れが発生することを防止することができる。
【0012】
本発明の硬性内視鏡のカバーにおいては、前記外側カバー部材が前記硬性内視鏡の略全長に亘って延びていてもよい。
【0013】
本発明の硬性内視鏡のカバーにおいては、前記硬性内視鏡の長手方向に直交する面に沿った前記外側カバー部材の断面が略C字形状であってもよい。
【0014】
本発明の硬性内視鏡のカバーにおいては、前記外側カバー部材の材料はプラスチックであってもよい。
【0015】
本発明の硬性内視鏡のカバーにおいては、前記管状部材の材料はゴムであってもよい。
【0016】
本発明の硬性内視鏡のカバーにおいては、前記硬性内視鏡の外周面に対向する前記外側カバー部材の内面に溝が設けられており、前記管状部材が前記溝に嵌められていてもよい。
【0017】
この場合、前記溝に嵌められている前記管状部材の一部が当該溝の外部に露出していてもよい。
【0018】
また、前記管状部材は接着剤により前記外側カバー部材の内側に固定されていてもよい。
【0019】
本発明の硬性内視鏡のカバーにおいては、前記管状部材の内部を流れる洗浄用流体の向きを前記硬性内視鏡の前記観察窓部に向かう方向に変える流体向き変更部が設けられていてもよい。
【0020】
この場合、前記流体向き変更部は、前記硬性内視鏡の長手方向から前記硬性内視鏡の前記観察窓部に向かう方向に折れ曲がった金属製または樹脂製のパイプであってもよい。
【0021】
また、前記流体向き変更部は、V字形状、L字形状、U字形状またはコの字形状に折れ曲がったものであってもよい。
【0022】
また、前記流体向き変更部の折れ曲がり角度は、前記硬性内視鏡の長手方向に対する前記観察窓部の表面の角度と略同一であってもよい。
【0023】
本発明の硬性内視鏡のカバーにおいては、前記硬性内視鏡の外周面に対向する前記外側カバー部材の内面に、前記硬性内視鏡の外周面との間で摩擦力を働かせる摩擦部材が設けられていてもよい。
【0024】
本発明の内視鏡ユニットは、先端に観察窓部が設けられた硬性内視鏡と、前記硬性内視鏡の外周面の周方向における一部を覆うカバーと、を備え、前記カバーは、前記硬性内視鏡の外周面の周方向における一部を覆う、可撓性を有する外側カバー部材と、前記外側カバー部材の内側に設けられ、前記硬性内視鏡の基端側から当該硬性内視鏡の前記観察窓部に供給されるべき洗浄用流体が内部で流れる管状部材とを有しており、前記外側カバー部材が撓むことにより当該外側カバー部材が前記硬性内視鏡の外周面に取り付けられるようになっていることを特徴とする。
【0025】
このような内視鏡ユニットによれば、硬性内視鏡の基端側から当該硬性内視鏡の観察窓部に供給されるべき洗浄用流体が内部で流れる管状部材が外側カバー部材の内部に設けられているため、患者の体内で観察窓部の洗浄を行うことができる。また、硬性内視鏡の外周面の周方向における一部を覆う外側カバー部材は可撓性を有しており、外側カバー部材が撓むことにより当該外側カバー部材が硬性内視鏡の外周面に取り付けられるようになっているため、硬性内視鏡の外周面に対してカバーを容易に着脱することができる。また、洗浄用流体が内部で流れる管状部材が外側カバー部材の内部に設けた場合には、洗浄用流体の供給通路を洗浄用シースの内部で貫通させる場合と比較して製造コストを低減することができる。さらに、管状部材を用いることにより、洗浄液等の液漏れが発生することを防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の硬性内視鏡のカバーおよび内視鏡ユニットによれば、カバーを硬性内視鏡の外周面に対して容易に着脱することができ、しかも洗浄用流体が内部で流れる管状部材が硬性内視鏡から外れてしまうことを確実に防止するとともに洗浄液等の液漏れが発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施の形態による内視鏡ユニットにおける硬性内視鏡の構成を概略的に示す斜視図である。
図2図1に示す硬性内視鏡の先端部の構成を示す拡大斜視図である。
図3】本発明の実施の形態による内視鏡ユニットにおけるカバーの構成を示す斜視図である。
図4】本発明の実施の形態において図1に示す硬性内視鏡に図3に示すカバーを被せたときの状態を示す斜視図である。
図5図4に示す内視鏡ユニットの構成を示す断面図である。
図6図5に示す内視鏡ユニットにおけるカバーのA−A矢視による断面図である。
図7図6に示すカバーを左右方向から見たときの構成を示す側面図である。
図8図6に示すカバーを下方から見たときの構成を示す下面図である。
図9】変形例に係るカバーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図8は、本実施の形態に係る内視鏡ユニットを示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による内視鏡ユニットにおける硬性内視鏡の構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1に示す硬性内視鏡の先端部の構成を示す拡大斜視図である。また、図3は、本実施の形態による内視鏡ユニットにおけるカバーの構成を示す斜視図である。また、図4は、本実施の形態において図1に示す硬性内視鏡に図3に示すカバーを被せたときの状態を示す斜視図である。また、図5は、図4に示す内視鏡ユニットの構成を示す断面図であり、図6は、図5に示す内視鏡ユニットにおけるカバーのA−A矢視による断面図である。また、図7は、図6に示すカバーを左右方向から見たときの構成を示す側面図であり、図8は、図6に示すカバーを下方から見たときの構成を示す下面図である。
【0029】
本実施の形態に係る内視鏡ユニットは、図1図2に示す硬性内視鏡10および図3等に示すカバー20から構成されている。具体的には、図4に示すように、本実施の形態に係る内視鏡ユニットは、硬性内視鏡10の外周面にカバー20が取り付けられたものである。
【0030】
まず、本実施の形態に係る硬性内視鏡10について図1および図2を用いて説明する。図1および図2に示すように、硬性内視鏡10は細長い略円柱形状の本体部分12を有しており、この本体部分12の先端には患部を撮像するための対物レンズ13および当該対物レンズ13を保護するガラス板等の観察窓部14が設けられている。また、図5に示すように、細長い略円柱形状の本体部分12の先端面(すなわち、図5における左側の面)は、当該本体部分12の長手方向に直交する面(すなわち、図5における上下方向)に対して傾斜しており、このような傾斜した先端面に観察窓部14が設けられている。このため、観察窓部14は、細長い略円柱形状の本体部分12の長手方向に直交する面に対して傾斜するようになる。なお、本実施の形態による硬性内視鏡はこのようなものに限定されることはない。本実施の形態で用いられる硬性内視鏡の他の例として、細長い略円柱形状の本体部分の長手方向に直交する面に沿って観察部材が延びるようなものが用いられてもよい。
【0031】
次に、本実施の形態に係る硬性内視鏡10の外周面の周方向における一部を覆うためのカバー20について図3乃至図8を用いて説明する。図3等に示すように、本実施の形態によるカバー20は、硬性内視鏡10の外周面の周方向における一部を覆う外側カバー部材22と、外側カバー部材22の内側に設けられ、硬性内視鏡10の基端側から当該硬性内視鏡10の観察窓部14に供給されるべき洗浄液やエア等の洗浄用流体が内部で流れる管状部材26とを有している。図4図5等に示すように、外側カバー部材22は、硬性内視鏡10の略全長に亘って延びている。また、図3等に示すように、外側カバー部材22は、当該外側カバー部材22を長手方向に沿って見たときに略C字形状となっており、このC字形状部分の間の空間に硬性内視鏡10が嵌められるようになっている。このような外側カバー部材22は軟質プラスチック等のプラスチックから構成されており、当該外側カバー部材22は可撓性を有するものとなっている。そして、外側カバー部材22が撓むことにより当該外側カバー部材22が硬性内視鏡10の外周面に取り付けられるようになっている。より詳細には、硬性内視鏡10にカバー20を取り付ける際に、硬性内視鏡10の外周面に外側カバー部材22のC字形状部分の隙間を押し当て、この外側カバー部材22を硬性内視鏡10の外周面に向かって押し付ける。このような硬性内視鏡10に対する外側カバー部材22の押し付け方向を図4において矢印で示す。このことにより外側カバー部材22のC字形状部分の隙間が広がるように当該外側カバー部材22が変形するため、硬性内視鏡10にカバー20が取り付けられるようになる。
【0032】
また、図3図6等に示すように、硬性内視鏡10の外周面に対向する外側カバー部材22の内面22aに溝24が設けられており、この溝24に管状部材26が嵌め込まれている。ここで、図7図8等に示すように、溝24は外側カバー部材22の全長に亘って直線状に延びるようになっている。また、管状部材26は、シリコーンゴム(とりわけ、医療用シリコーンゴム)やテフロンゴム等のゴムを材料とする細長い円筒状のチューブ等から構成されている。このような管状部材26も外側カバー部材22の略全長に亘って延びている。また、図5に示すように、管状部材26の基端部分には流体供給路42を介して流体供給部40が接続されており、この流体供給部40から流体供給路42を介して管状部材26の内部に洗浄液やエア等の洗浄用流体が供給されるようになっている。
【0033】
ここで、本実施の形態では、管状部材26は接着剤により外側カバー部材22の内側(具体的には、溝24の内部)に固定されている。管状部材26を外側カバー部材22の内側に固定する接着剤として、瞬間接着剤や医療用接着剤(例えば、LOCTITE(登録商標)4011等のISO10993に適合した接着剤)が用いられることが好ましい。この際に、LOCTITE(登録商標)SF7701等のプライマーが用いられてもよい。
【0034】
また、図6に示すように、溝24に嵌められている管状部材26の一部が当該溝24の外部に露出しており、この管状部材26が外側カバー部材22の内面22aから硬性内視鏡10側に向かって突出していることが好ましい。この場合には、硬性内視鏡10にカバー20が取り付けられたときに、この硬性内視鏡10の外周面に管状部材26が接触するようになる。より詳細には、硬性内視鏡10にカバー20が取り付けられる際に、溝24の外部に露出している管状部材26の一部が弾性変形することにより硬性内視鏡10の外周面に管状部材26が密着する。ここで、単にプラスチック等から構成される外側カバー部材22を硬性内視鏡10の外周面に取り付けただけでは、カバー20が取り付けられた硬性内視鏡10を患者の体内に挿入して治療を行う間に、硬性内視鏡10の外周面に対して外側カバー部材22が滑ることにより当該外側カバー部材22が硬性内視鏡10の周方向に回転してしまうという問題があった。上述したように硬性内視鏡10において本体部分12の先端には患部を撮像するための対物レンズ13が設けられるとともにこの対物レンズ13はガラス板等の観察窓部14によって保護されているが、対物レンズ13の配置位置が本体部分12の中心軸から図5における下方向にずれている場合がある。このような場合に外側カバー部材22が硬性内視鏡10の周方向に回転してしまうと、後述する流体向き変更部28によって対物レンズ13の視野が遮られてしまい、患者の体内を十分に観察することができなくなるおそれがある。これに対し、外側カバー部材22の溝24に嵌められているゴム等の管状部材26を硬性内視鏡10の外周面に接触させることにより、硬性内視鏡10の外周面と管状部材26との間に摩擦力が働くようになるため、外側カバー部材22が硬性内視鏡10の周方向に回転してしまうことを防止することができるようになる。
【0035】
また、管状部材26の先端部分には、管状部材26の内部を流れる洗浄用流体の向きを硬性内視鏡10の観察窓部14に向かう方向に変える流体向き変更部28が設けられている。より詳細には、流体向き変更部28として、例えば、硬性内視鏡10の長手方向(すなわち、図5における左右方向)から硬性内視鏡10の観察窓部14に向かう方向に折れ曲がったステンレス等の金属製または樹脂製のパイプが用いられるようになっている。図4図5に示す流体向き変更部28はV字形状に折れ曲がっているが、流体向き変更部28はL字形状、U字形状、コの字形状等に折れ曲がっていてもよい。また、図5に示すように、流体向き変更部28がV字形状に折れ曲がっている場合には、当該流体向き変更部28の折れ曲がり角度は、硬性内視鏡10の長手方向に対する観察窓部14の表面の角度と略同一である。より詳細に説明すると、上述したように、図5等に示す硬性内視鏡10では、観察窓部14は、細長い略円柱形状の本体部分12の長手方向に直交する面に対して傾斜しており、本体部分12の先端面における管状部材26の近傍の箇所は鋭角(例えば、略60°)となっている。このため、流体向き変更部28の折れ曲がり角度を、本体部分12の長手方向に対する観察窓部14の角度と略同一の大きさの鋭角(すなわち、略60°)にすることによって、流体向き変更部28により向きが変えられた洗浄用流体を観察窓部14に確実に供給することができるようになる。なお、本実施の形態による硬性内視鏡の他の例として、細長い略円柱形状の本体部分の長手方向に直交する面に沿って観察部材が延びるようなものが用いられる場合には、流体向き変更部28の折れ曲がり角度は略90°となる。また、流体向き変更部28の折れ曲がり角度を、必ずしも硬性内視鏡10の長手方向に対する観察窓部14の表面の角度と略同一としなくてもよい。流体向き変更部28の先端から吐出される洗浄用流体が観察窓部14の表面に当たることによって当該観察窓部14の表面が洗浄されるのであれば、流体向き変更部28の折れ曲がり角度を任意の大きさとすることができる。
【0036】
次に、このような構成からなる内視鏡ユニットの使用方法について説明する。まず、患者の体内に内視鏡ユニットを差し込むような手術を行う際に、図1図2に示す硬性内視鏡10の外周面に図3に示すカバー20を取り付ける。具体的には、硬性内視鏡10の外周面に外側カバー部材22のC字形状部分の隙間を押し当て、この外側カバー部材22を硬性内視鏡10の外周面に向かって押し付ける。このことにより外側カバー部材22のC字形状部分の隙間が広がるように当該外側カバー部材22が変形するため、硬性内視鏡10にカバー20が取り付けられるようになる。このようにして、図4に示すような、硬性内視鏡10の外周面にカバー20が取り付けられた内視鏡ユニットが形成されるようになる。そして、図4に示すような内視鏡ユニットを患者の体内に挿入することにより手術を行う。
【0037】
手術中に硬性内視鏡10の観察窓部14が血液や脂肪等により汚れたり、曇りが生じたりした場合には、患者の体内に内視鏡ユニットを差し込んだ状態で当該観察窓部14の洗浄を行う。より詳細には、流体供給部40から流体供給路42を介して管状部材26の内部に洗浄液を供給することにより、管状部材26の内部で図5における左方向に洗浄液が流れるようになる。そして、このような図5における左方向に流れる洗浄液は流体向き変更部28によりその向きが観察窓部14に向かう方向に変えられる。管状部材26の内部で図5における左方向に流れる洗浄液の向きは、流体向き変更部28によって図5における左方向から右下方向に変えられる。このことにより観察窓部14を洗浄液により洗浄することができるようになる。その後、流体供給部40から流体供給路42を介して管状部材26の内部にエアを供給することにより、観察窓部14に付着した洗浄液をエアにより吹き飛ばすことができるようになる。
【0038】
以上のような構成からなる本実施の形態のカバー20やこのようなカバー20と硬性内視鏡10とから構成される内視鏡ユニットによれば、外側カバー部材22の内側に設けられた管状部材26によって硬性内視鏡10の基端側から当該硬性内視鏡10の観察窓部14に洗浄用流体を供給することができるため、患者の体内で観察窓部14の洗浄を行うことができる。
【0039】
また、本実施の形態では、外側カバー部材22が撓むことにより当該外側カバー部材22が硬性内視鏡10の外周面に取り付けられるようになっているため、硬性内視鏡10に対するカバー20の着脱を容易に行うことができるようになる。このため、毎回の手術においてカバー20を使い捨てのものとすることができる。従来では、硬性内視鏡にカバーが固定されており毎回の手術でカバーが取り外されないようになっていた。しかしながら、このような場合は、硬性内視鏡の使用前にカバーも十分に滅菌しなければならないが、硬性内視鏡に取り付けられた状態でのカバーの滅菌は使用者にとって手間がかかるという問題があった。これに対し、本実施の形態に係る硬性内視鏡10のようにカバー20を使い捨てのものとした場合には、手術後に硬性内視鏡10からカバー20を取り外して当該カバー20を廃棄するだけでよいので使用者にとっての利便性を高めることができる。
【0040】
また、本実施の形態のカバー20によれば、管状部材26を用いて硬性内視鏡10の基端側から当該硬性内視鏡10の観察窓部14に洗浄用流体を供給するため、硬性内視鏡10の長手方向における途中箇所でカバー20から洗浄液等の液漏れが発生することを抑制することができるようになる。
【0041】
また、本実施の形態では、外側カバー部材22の内面22aに溝24を設けるとともにこの溝24の内部に管状部材26を嵌め込んでいるため、カバー20が取り付けられた硬性内視鏡10(すなわち、内視鏡ユニット)の外径を比較的小さなものとすることができ、よって手術効率を向上させるとともに患者の体内が傷つけられてしまうことを抑制することができる。また、本実施の形態のカバー20のように、外側カバー部材22の内面22aに溝24を設けるとともにこの溝24の内部に管状部材26を嵌め込む場合には、洗浄液やエア等の供給通路が内部で貫通しているような洗浄用シースを製造する場合と比較して製造コストを低減することができる。
【0042】
また、本実施の形態では、金属製のパイプ等からなる流体向き変更部28を管状部材26の先端に取り付けることにより、管状部材26を流れる洗浄液等の流体の向きを確実に変えることができるようになり、よって観察窓部14に洗浄用流体を確実に供給することができるようになる。
【0043】
なお、本発明による硬性内視鏡のカバーや内視鏡ユニットは、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0044】
例えば、硬性内視鏡の基端側から当該硬性内視鏡の観察窓部に供給されるべき洗浄用流体が内部で流れる管状部材は円筒状のものに限定されることはない。管状部材として、内部空間が形成されている楕円形状のものが用いられてもよい。
【0045】
また、上記の説明では、外側カバー部材の内面に溝が設けられるとともにこの溝の内部に管状部材が接着剤により接着されるような態様について述べたが、本発明はこのような態様のものに限定されることはない。他の例として、管状部材が嵌め込まれると接着剤により接着しなくても当該管状部材が外れなくなるような形状の溝が用いられてもよい。具体的には、溝の断面形状が、例えば略円形状の一部に切り欠きがあるものとなっていてもよい。この場合には、接着剤を用いなくても外側カバー部材の内面に設けられる溝に管状部材を嵌め込むことができる。
【0046】
また、上記の説明では、カバーにおける管状部材および流体向き変更部が別々のものであるような態様について述べたが、変形例に係るカバーにおいて、管状部材および流体向き変更部が一体となっているものが用いられてもよい。この場合、流体向き変更部として管状部材と同じ材質のものが用いられてもよい。
【0047】
また、上記の説明では、溝に嵌められている管状部材の一部が当該溝の外部に露出しており、この管状部材が外側カバー部材の内面から硬性内視鏡側に向かって突出しているような態様について述べたが、本発明はこのような態様のものに限定されることはない。他の態様として、管状部材が完全に溝の内部に入っており、この管状部材が外側カバー部材の内面から外側に突出していないような構成のカバーが変形例として用いられてもよい。このような変形例に係るカバーについて図9を用いて説明する。
【0048】
図9に示すカバー50は、硬性内視鏡の外周面の周方向における一部を覆う外側カバー部材52と、外側カバー部材52の内側に設けられ、硬性内視鏡の基端側から当該硬性内視鏡の観察窓部に供給されるべき洗浄液等の洗浄用流体が内部で流れる管状部材56とを有している。外側カバー部材52は、当該外側カバー部材52を長手方向に沿って見たときに略C字形状となっており、このC字形状部分の間の空間に硬性内視鏡が嵌められるようになっている。また、硬性内視鏡の外周面に対向する外側カバー部材52の内面52aに溝54が設けられており、この溝54に管状部材56が嵌め込まれているが、管状部材56は完全に溝54の内部に入っており、この管状部材56が外側カバー部材52の内面52aから外側に突出していない。
【0049】
また、図9に示すカバー50において、外側カバー部材52の内面52aに、硬性内視鏡の外周面との間で摩擦力を働かせる2つの摩擦部材59が設けられている。より詳細には、外側カバー部材52の両側の端部の近傍における内面52aにそれぞれ摩擦部材59が設けられている。摩擦部材59は、例えばシリコーンゴム(とりわけ、医療用シリコーンゴム)やテフロンゴム等のゴムから構成されている。このような一対の摩擦部材59が外側カバー部材52の内面52aに設けられていることにより、各摩擦部材59を介して硬性内視鏡の外周面と外側カバー部材52との間に摩擦力が働くようになるため、外側カバー部材52が硬性内視鏡の周方向に回転してしまうことを防止することができるようになる。より詳細に説明すると、図9に示すカバー50では、管状部材56は完全に溝54の内部に入っているため、各摩擦部材59がなければ硬性内視鏡の外周面にカバー50が取り付けられたときに管状部材56と硬性内視鏡の外周面との間に摩擦力は働かず、硬性内視鏡の外周面に対して外側カバー部材52が滑ることにより当該外側カバー部材52が硬性内視鏡の周方向に回転してしまうおそれがある。これに対し、各摩擦部材59を設けた場合には、各摩擦部材59を介して硬性内視鏡の外周面と外側カバー部材52との間に摩擦力が働くようになるため、外側カバー部材52が硬性内視鏡の周方向に回転してしまうことを防止することができるようになる。
【0050】
また、更に別の変形例に係るカバーでは、図6等に示すように、外側カバー部材の内面に形成された溝に嵌められている管状部材の一部が当該溝の外部に露出しており、この管状部材が外側カバー部材の内面から硬性内視鏡側に向かって突出している場合において、外側カバー部材の内面に図9に示すような各摩擦部材59が追加的に設けられていてもよい。この場合には、外側カバー部材が硬性内視鏡の周方向に回転してしまうことをより一層確実に防止することができるようになる。
【符号の説明】
【0051】
10 硬性内視鏡
12 本体部分
13 対物レンズ
14 観察窓部
20 カバー
22 外側カバー部材
22a 内面
24 溝
26 管状部材
28 流体向き変更部
40 流体供給部
42 流体供給路
50 カバー
52 外側カバー部材
52a 内面
54 溝
56 管状部材
59 摩擦部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9