【解決手段】本遊技場用システムでは、遊技媒体の貸出から景品交換まで全ての場面において現金を扱うことが無いので、現金の処理に必要な機器・設備を備えるためのコストを削減することができ、さらに防犯のためのコストも削減することができる等、現金を取り扱う上での様々な問題を解決することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、遊技場用システム100の全体構成を概略的に示している。同図における遊技場内には、複数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して計数貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3が夫々付設されている。遊技機1、計数貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3は、2台ずつ中継装置4に接続されている。中継装置4は、LAN5を介して管理装置6に接続されている。
遊技場内には、精算端末7や景品交換端末(以下、POS)8、並びにカード発行端末9も設置されており、これらの装置7〜9もLAN5を介して管理装置6と接続されている。
【0008】
本実施形態のカード発行端末9では、
図1に例示するスマートフォン等の携帯端末50を所有(所持)していない遊技者が、携帯端末50の代わりに利用するカード10を発行するものとする。即ち、カード発行端末9は、図示しないデビットカードがカード挿入口9aに挿入されると、当該カードの情報を読み取るとともに、操作部9bでのテンキーの操作により暗証番号を受付ける。また、カード発行端末9は、正規の暗証番号が入力された後、操作部9bでのテンキーの操作により金額が入力されると、これをチャージ金額として電子マネーをチャージしたカード10を発行する。このカード10を、本実施形態では「クイックカード」10と称する。
【0009】
精算端末7は、携帯端末50又はクイックカード10が、近距離無線通信部7aにタッチされた場合に、その遊技者の携帯端末50又はクイックカード10に対応付けて管理装置6で管理されている入金残高を特定し、これを電子マネーとして返還する処理を行う。尚、同端末7の通信部7aを含め、本実施形態における「近距離無線通信部」は例えばNFC(Near field Communication)リーダライタを搭載するものとし、携帯端末50又はクイックカード10との間の電子マネーに関する情報のやりとりについて、詳しくは後述する。
【0010】
POS8は、遊技者が遊技で獲得した遊技媒体(持玉・貯玉)を景品と交換する景品交換カウンタに設置された景品交換装置である。POS8は、近距離無線通信部を有する付属の処理機8aを備える。POS8は、係る処理機8aに対して、携帯端末50又はクイックカード10がタッチされた場合、その携帯端末50又はクイックカード10に対応付けて管理装置6で管理されている持玉数・貯玉数を特定し、その遊技媒体数に基づき所定の景品に交換するための景品交換処理を実行する。尚、持玉とは当日中に計数した玉であり、貯玉とは前日以前に計数した玉である。また、所定の景品としては、周知のように景品交換カウンタに用意してある日用雑貨品や食料等の一般景品と、買取所で買い取られる(転売を目的とする)後述の特殊景品とがある。
【0011】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務所等に設置されており、モニタ6m、キーボード6k等が接続されている。管理装置6は、遊技機1、計数貸出ユニット2等、上記した各種機器から出力される遊技データを入力することで、各種機器の稼動状況等を管理するとともに、遊技者が所有する入金残高や、持玉数、貯玉数を記憶管理する。
図1では図示を省略したが、同図のパチンコ機の他、所謂スロットマシンも含めて例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっており、何れの遊技機1も遊技媒体を使用して遊技を実行する遊技機に相当する。尚、遊技機1がパチンコ機の場合、その遊技媒体は玉(パチンコ玉)であり、遊技機1がスロットマシンの場合、遊技媒体はメダルである。
【0012】
ここで、
図2に示す遊技機1はCRパチンコ機であり、盤面1aに玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12、上部受皿13、下部受皿14を有するとともに、盤面1aに、液晶表示部15、始動口16、大入賞口17を有する。また、遊技機1における上部受皿13の上面には、左右に並ぶ貸出ボタン13aと終了ボタン13bを有する。
【0013】
遊技者が操作ハンドル12を操作すると、玉が盤面1aに発射され、その玉が始動口16に入賞すると、その入賞に応じた数の玉を払出したり大当たり抽選を行ったりする。大当たり抽選では、液晶表示部15において所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口17を開放する。
【0014】
計数貸出ユニット2は、各遊技機1の側方の位置に付設され、所謂各台計数機能を備える遊技用装置である。具体的には
図2に示すように、計数貸出ユニット2は、当該貸出ユニット2や遊技機1等の状態を示す状態表示部21、近距離無線通信部22、周知のCMOSセンサやCCDセンサ等の撮像素子を含むカメラ23(同
図2ではカメラカバー23aを図示)、入金残高や持玉数・貯玉数等を表示するタッチパネル式の液晶表示部24、1単位分(単位付与数)の玉を払い出すための払出ボタン25、払出された玉が通過する払出ノズル26、遊技機1の下部受皿14の下方に位置する着脱可能な計数受皿27等を備えている。
【0015】
図3の機能ブロック図は、計数貸出ユニット2の構成を中心に示している。計数貸出ユニット2の制御部20は、CPU20a、ROM20b、RAM20c、I/O20d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御部20に接続された周辺部としては、上記した状態表示部21、近距離無線通信部22、液晶表示部24、払出ボタン25を含むとともに、管理装置6や遊技機1との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部20e、液晶表示部24上に設けられたタッチパネル24a、払出ボタン25が操作されたときに、1度数分の玉を払出ノズル26から払い出す払出部25a、計数受皿27から流入する玉数を計数する計数部27a等を含む。これに対し、カメラ23は、制御部20に接続されることなく、
図1に示すように4台ずつ画像処理装置29と接続されている。画像処理装置29は、LAN5を介して管理装置6に接続されている。
【0016】
ここで、
図1に示す携帯端末50は、例えばFelica(登録商標)機能付きのものであり、携帯ID(Identification)としてのIDmが記憶されているとともに、後述するチャージ手段等でチャージされた非現金価値(例えば電子マネー)に関する情報を記憶可能な記憶部(IC)を内蔵した通信端末である。詳しい図示は省略するが、携帯端末50は、当該記憶部やCPU等を含む制御部、公衆通信回線30に接続するデータ通信部、電話する際の送話音声を入力するマイクロホン、画面上でタッチ操作を受付ける(入力を受付けるタッチパネル)機能と各種情報を表示する機能とを有する液晶表示部50a等を備える。
【0017】
図1、
図4に示すクイックカード10は、カードを特定可能なカードIDが記憶されているとともに、電子マネーに関する情報を記憶可能なICチップ10aを内蔵した非接触型ICカードである。従って、上記のようにカード発行端末9でチャージした金額は、電子マネーの残高として加算され、ICチップ10aに保持される。こうした非接触型ICの機能を利用して、計数貸出ユニット2(の近距離無線通信部22)は、携帯端末50やクイックカード10との間で、非接触で情報のやりとりを行う。
計数貸出ユニット2の機能・動作について、以下の(1)〜(8)に簡単に説明しておく。
【0018】
(1)近距離無線通信部22において、携帯端末50或いはクイックカード10がタッチされると、携帯端末50或いはクイックカード10に記憶されている情報(携帯ID或いはカードID、電子マネーの残高等)を読み取り、その電子マネーの残高を液晶表示部24に表示する(後述する
図5の画面52参照)。
(2)携帯端末50或いはクイックカード10から読み取った電子マネーの範囲内で、遊技者により入金する額が指定されると(
図5の画面53,54参照)、その入金額(入金残高)を液晶表示部24に表示する(
図6の画面61参照)。
【0019】
(3)遊技機1の貸出ボタン13aの操作(貸出操作)に応じて入金残高の範囲内で1度数に相当する玉(例えば125玉)を遊技機1内部の払出機構から払い出させ貸出処理(付与処理)を行う。つまり、計数貸出ユニット2の制御部20(以下、適宜「計数貸出ユニット2」と略す)は、入金に応じて遊技媒体を付与するための付与処理を実行可能である。
(4)遊技機1の下部受皿14から落下して計数受皿27で受けられた玉が計数部27aに流入することで玉を計数し、その計数した玉数である計数玉数を液晶表示部24に表示し、記憶する。
【0020】
(5)払出ボタン25の操作に応じて計数玉数(持玉数)又は貯玉数の範囲内で1度数ずつ前記払出機構から払い出させる。
(6)遊技機1の終了ボタン13bの操作により遊技を終了する際、入金残高、持玉数、貯玉数を管理装置6へ送信して、管理装置6で管理する。つまり、携帯端末50或いはクイックカード10に対応する入金残高や、持玉数、貯玉数は、携帯ID或いはカードIDと対応付けて管理装置6に記憶される。一方、携帯端末50或いはクイックカード10に記憶されている電子マネーの残高は、上記(2)の入金額分だけ減算される(当該残高を書換えて更新する)。
【0021】
尚、計数貸出ユニット2のカメラ23は、所定周期毎に(例えば4秒毎に)撮像し、その撮像した画像を画像処理装置29に送信する。カメラ23の撮像視野は、遊技者が遊技機1に対して正対している状態で当該遊技者の顔を含む領域となるように設定されている。画像処理装置29は、4台のカメラ23から送信される各画像を1秒間隔で取込み、その取込んだ画像を分析することにより、当該画像の中に遊技者の顔画像が存在するか否かを判定し、顔画像が存在すると判定すると、その顔画像を管理装置6に送信する。これにより、管理装置6では、受信した顔画像について、顔画像データベースに登録されているか否か(つまり新規の遊技者か否か)を判定し、新規の遊技者について顔IDを付与して顔画像データベースに記憶するとともに、遊技データを顔IDと対応付けた管理を行うことができる。
【0022】
図3に示す管理装置6の制御部60(以下、適宜「管理装置6」と略す)は、マイクロコンピュータを主体に構成され、ROMやRAMといった記憶部60aや、I/O等を備えており、その記憶部60aに記憶された制御プログラムに従い動作する。また、管理装置6は、遊技機1や計数貸出ユニット2等から送信される各種の遊技信号に基づいて、上記した各種の遊技データを管理する。
【0023】
そして
図1に示すように、管理装置6やカード発行端末9は、公衆通信回線(インターネット、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)等)30に接続可能となっており、決済機関サーバ31やサービス提供機関サーバ33等と公衆通信回線30を介して通信可能である。
【0024】
決済機関とは、銀行等の金融機関やクレジット会社等の信販機関といった決済機関であり、決済機関サーバ31は、決済機関が運営する決済センターのサーバである。サービス提供機関サーバ33は、電子マネーに関するサービスを提供する機関(或いは遊技場と提携した外部の機関)が運営するサービスセンターのサーバである。
【0025】
また、
図1に示す複数の銀行A,Bのサーバ32a,32bのうち、銀行サーバ32aは、銀行Aに開設された遊技者の口座を管理し、銀行サーバ32bは、銀行Bに開設された遊技場の口座やサービス提供機関の口座を管理するものとする。尚、遊技者、遊技場、サービス提供機関の各々の口座は、一の金融機関の各々の口座でも、他の金融機関(各別の金融機関)の口座でもよいことは勿論である。
【0026】
決済機関サーバ31は、前記デビットカードを用いたデビット決済の場合、カード発行端末9から送信されるデビットカードの情報(口座番号や暗証番号等)やチャージ金額に応じて、公衆通信回線30経由で銀行サーバ32a,32bと通信を行うことにより、そのデビットカードに関連付けられている遊技者の口座の残高を引落上限額として(チャージ金額分の口座残高があることを条件として決済を許可し)、チャージ金額分を遊技者の口座から即時に引き落とし、その支払い先のサービス提供機関の口座に振り込む(支払いを行う)。
【0027】
このとき、決済機関サーバ31は、サービス提供機関サーバ33に対し、該当する電子マネーを発行するように指示し、サービス提供機関サーバ33は、該当するカード発行端末9へ同チャージ金額の電子マネーを送信する。こうして、クイックカード10については、係るデビット決済により、カード発行端末9で電子マネーをチャージすることができる。
【0028】
サービス提供機関サーバ33は、携帯端末50等のOS(Operating System)に対応するアプリケーションソフト(以下「アプリ」と略す)を記憶しており、当該サーバ33から携帯端末50へとアプリをダウンロードすることができる。これにより、携帯端末50において予めアプリで、開設した遊技者の口座に係る情報(口座番号や暗証番号等の金融カードの情報)や携帯ID等を、公衆通信回線30経由でサービス提供機関サーバ33に送信して当該サーバ33で登録しておくものとする。
【0029】
本実施形態のアプリは、携帯端末50に対応付ける入金残高、持玉数、貯玉数を管理するためのものであり、又、前記計数貸出ユニット2で遊技媒体の付与を受けるための対価として、電子マネーを当該端末50ヘチャージ可能とする。更に、アプリは、前記買取所で買い取る特殊景品の金額を特定して当該金額に相当する電子マネーを当該端末50ヘチャージ可能とする。
【0030】
ここで、景品交換所たる買取所の買取所端末(買取装置)40について説明しておく。
図1に示す買取所端末40は、遊技場外において特殊景品を買い取る買取所に設置されている。
具体的には、買取所端末40は、
図4の機能ブロック図で示すように、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/O41d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成された制御部41を備える。制御部41に接続された周辺部としては、特殊景品計数機42との間で通信を行うI/F部41e、近距離無線通信部43、液晶表示部44、操作部45等を含む。尚、近距離無線通信部43は、買取所端末40に付属の処理機43a(
図1にのみ図示)に搭載されている。
【0031】
特殊景品は、ICチップが埋設されたカード状のものであり、そのICチップには個々の景品を特定可能な景品IDや金額情報が記憶されているものとする。特殊景品計数機42において、遊技者から受け取った特殊景品がセットされると、そのセットされた分の特殊景品のICチップを読み取って、金額情報を特定すると同時に特殊景品の個数をカウントする。これにより、買取所端末40は、特殊景品計数機42から受信した金額情報とカウント数に基づいて、特殊金額の金額つまり遊技者に支払う金額を算出する。
【0032】
また、買取所端末40の処理機43aにおいて、当該支払う金額に相当する電子マネーを、当該遊技者の携帯端末50又はクイックカード10に対してチャージする。尚、買取所端末40の表示部44は、特殊景品のカウント数やチャージ金額等を表示する液晶表示部で構成されている。また、操作部45は、各種の入力操作が可能なキーボードやマウス(図示略)等で構成され、特殊景品計数機42に対して計数開始を指示する入力操作等を行うことができる。
【0033】
続いて、上記構成の作用について、
図5〜
図7も参照しながら説明する。
このうち、
図7は、電子マネーによる入金・貸出・買取に係る全体のフローを示している。また、
図5と
図6は、計数貸出ユニット2の表示部24における画面遷移であって、
図7のフローの手順2,3,4(同図の丸で囲った数字2〜4。「ステップ」S2〜S4と称する)における当該表示部24での表示画面51〜63を示している。以下では、デビット決済(クレジット決済でもよい)により、遊技者が自身の携帯端末50を利用して電子マネーをチャージし、遊技を行う場合を例に説明する。
【0034】
即ち先ず、携帯端末50においてアプリを起動して、電子マネーをチャージする(
図7のステップS1)。この場合、遊技者は、携帯端末50における表示部50aのタッチ操作により、チャージ金額や暗証番号を入力し、これら入力した情報を含む決済要求情報を、公衆通信回線30経由でサービス提供機関サーバ33へ送信する。サービス提供機関サーバ33は、決済要求情報を受信すると、その決済要求情報を当該遊技者のデビットカードの情報と共に決済機関サーバ31に送信する。決済機関サーバ31は、決済要求情報に基づき、特定される要求内容の認証を行い、決済の可否を判定する。そして、決済機関サーバ31は、上記のように遊技者のチャージ金額分の口座残高があると判定すると、公衆通信回線30経由で銀行サーバ32a,32bと通信を行うことにより、遊技者の口座の残高からチャージ金額分を即時に引き落として、支払い先のサービス提供機関の口座へと支払いを行う。
【0035】
また、決済機関サーバ31は、サービス提供機関サーバ33に対し、決済要求元へ電子マネーを発行するように指示し、サービス提供機関サーバ33は、該当する携帯端末50へチャージ金額分の電子マネーを送信する。こうして、携帯端末50の表示部50aには、電子マネーをチャージした旨が表示され、そのチャージ金額は、電子マネーの残高に加算され自身50の記憶部に記憶される。
【0036】
これにより、遊技者は遊技機1での遊技開始に際し、対応する計数貸出ユニット2にて、携帯端末50を利用した(係る電子マネーを用いて)入金を行うことができる(
図7のステップS2)。
【0037】
具体的には
図5中、左上の画面51で示すように、当該貸出ユニット2の表示部24の初期画面51には、種別(貸出単価)・単位付与数を表す欄51aの他、案内表示領域51bが設けられていて、その表示領域51bでは、「スマートフォン又はクイックカードをタッチしてください」とのメッセージが表示される。この場合、計数貸出ユニット2は、近距離無線通信部22に対して遊技者の携帯端末50がタッチされると、その携帯端末50に記憶されている電子マネーに関する情報や携帯IDを読み取り、又、携帯IDに対応付けられた入金残高と持玉数を管理装置6から受信して、初期画面51から次の画面52に遷移する。尚、携帯端末50のタッチと併せて、表示部24にて暗証番号(金融カードの暗証番号とは別個の暗証番号)が入力されることを条件に、次の画面52に遷移するようにしてもよい。
【0038】
この画面52では、上記した欄51aや、入金残高及び持玉数を表す欄52cが設けられ、案内表示領域52bには、「電子マネー残高」と「入金」ボタン52dと「貯玉利用」ボタン52eとが表示される。「電子マネー残高」は、携帯端末50から読み取った電子マネーの残高(例えば20,000円)を表し、「貯玉利用」ボタン52eがタッチ操作されると、さらに暗証番号(金融カードの暗証番号とは別個の暗証番号)の入力を条件として、貯玉数を管理装置6から受信して表示する(図示略)。そして、「入金」ボタン52dがタッチ操作されると、入金額選択画面53に遷移する。
【0039】
入金額選択画面53では、案内表示領域53bに「10,000円」「5,000円」「3,000円」「1,000円」の夫々のボタン53c,53d,53e,53fと、キャンセルボタン53gとが設けられている。キャンセルボタン53gがタッチ操作されると、前の画面52に戻る。「10,000円」〜「1,000円」の何れかのボタン53c〜53fがタッチ操作されると、確認画面54に遷移する。
【0040】
確認画面54では、例えばボタン53cで10,000円が選択されたとき、案内表示領域54bに「電子マネーから10,000円を入金します スマートフォン又はクイックカードをタッチしてください」とのメッセージと、前の画面に戻るキャンセルボタン53gとが表示される。このとき、計数貸出ユニット2は、近距離無線通信部22にて携帯端末50がタッチされると、その携帯端末50に記憶されている電子マネーの残高20,000円を10,000円に書換えて更新すると共に、携帯端末50から読み取った(自身2の記憶部20cに記憶した)電子マネーの残高20,000円分のうち、10,000円を対価として入金する入金処理を実行する。
【0041】
このように、計数貸出ユニット2は、携帯端末50が記憶する電子マネーを対価として入金処理を実行可能に構成されており、入金処理の実行後、
図6の画面61に遷移して、前記付与処理の実行可能な状態となる(
図7のステップS3)。
【0042】
即ち、
図6に示すように、入金完了画面61では、案内表示領域61bの「電子マネーの残高」が入金処理に伴い10,000円に減算される一方、「入金残高」を表す欄61cが10000円に加算された値となる。これにより、計数貸出ユニット2において、上記した付与処理等(貸出操作に応じた入金残高の範囲内での付与処理や、持玉等の獲得価値を対価として遊技者へと遊技価値を付与する処理も含む)により、1度数ずつ玉を払い出させ、対応する遊技機1で遊技を行うことができる。
【0043】
この後、遊技者が遊技機1での遊技を終了する際、終了ボタン13bを操作すると、表示部24は、
図6の下側に示す終了画面62に遷移する。終了画面62では、案内表示領域62bに「遊技を終了します。スマホをタッチして下さい」とのメッセージが表示され、入金残高及び持玉数を表す欄62cに、終了ボタン13b操作時における夫々の値が表示される。この場合、計数貸出ユニット2は、近距離無線通信部22に対して携帯端末50がタッチされると、その携帯端末50から読み取った携帯IDと、遊技開始時に読み取った携帯ID(
図5の画面51,54表示時に読み取った携帯ID)とが一致しないと判定した場合、エラー画面(図示略)に遷移する一方、それら携帯IDが一致すると判定した場合、次の画面63に遷移する。
【0044】
この画面63では、案内表示領域53bに「入金残高=2,000円 持玉数=3456玉
がサーバに記録されました」と表示される。計数貸出ユニット2は、これら入金残高、持玉数を携帯IDと共に管理装置6へ送信する発行処理を行う(
図7のステップS4)。また、図示は省略するが、遊技終了時に貯玉数が表示されているとき、その貯玉数も管理装置6へ送信する。こうした、入金残高、持玉数、貯玉数は、携帯IDに対応付けて管理装置6で管理される。
【0045】
尚、上記した遊技において、電子マネーを対価として入金処理(乃至玉の貸出)を行った分の、決済に関する処理つまりその対価の決済額に対する請求処理は、計数貸出ユニット2を管理する管理装置6からサービス提供機関サーバ33に、公衆通信回線30経由で、決済請求情報を送信することにより行う。この決済額請求情報には、電子マネーの消費内容に関する情報として、当該遊技場の売上額や売上日時、当該遊技場のID等が含まれる。サービス提供機関サーバ33は、決済額請求情報に基づき、特定される請求内容の認証を行い、公衆通信回線30経由で銀行サーバ32bと通信を行うことにより、支払い先(請求元)の遊技場の口座へと支払うことにより、決済を行う。
【0046】
また、上記した遊技の終了後、景品交換カウンタのPOS8において、その処理機8aに、遊技者の携帯端末50がタッチされると、その携帯IDに対応付けられている持玉数や貯玉数(上記した遊技において獲得した持玉や貯玉)を管理装置6から受信して、その記録媒体数に基づき景品交換処理を実行する(
図7のステップS5)。
例えば、係る景品交換処理において、遊技者の持玉数の全部が複数個の特殊景品に交換されたものとする。また、遊技者は、それら特殊景品を持って遊技場外の買取所に出向き、買取所端末40で買い取ってもらうものとする。
【0047】
この場合、買取所端末40は、遊技者から受け取った特殊景品が特殊景品計数機42にてセットされ、その特殊景品の金額情報と個数が読み取られると、それらの情報に基づき遊技者に支払う金額を算出する買取処理を行う(
図7のステップS6)。そして、買取所端末40は、支払う金額を現金ではなく、当該金額に相当する電子マネーを処理機43aでチャージ可能とし、係るチャージ金額を表示部44に表示する。
【0048】
それ故、遊技者の携帯端末50が処理機43aにタッチされると、買取所端末40は、特殊景品の支払い金額を電子マネーとして、その携帯端末50にチャージする(
図7のステップS7)。つまり、買取所端末40における制御部41や処理機43aの近距離無線通信部43はチャージ手段に相当し、携帯端末50の電子マネーの残高に、チャージ金額を加算する。
【0049】
これにより、携帯端末50にチャージされた電子マネーは、翌日以降いつでも上記した計数貸出ユニット2での遊技媒体の貸出に利用可能となる。尚、
図7に示す全体の処理の流れについて、遊技者の携帯端末50を利用した場合を例に説明したが、携帯端末50に代えてクイックカード10を利用した場合も、言わばキャッシュレス遊技システムとして、遊技媒体の貸出を受けることができる等、携帯端末50と同様の効果を奏するのは勿論である。
【0050】
以上に説明したように、本実施形態の遊技場用システム100では、計数貸出ユニット2での遊技媒体の貸出から買取所端末40での景品交換にいたる全ての場面において現金を扱うことが無いので、現金の処理に必要な機器・設備を備えるためのコストを削減することができ、さらに防犯のためのコストも削減することができる等、現金を取り扱う上での様々な問題を解決することができる。
【0051】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張したり、各変形例を上記した実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせたりしてもよい。
非現金価値として電子マネーを例示したが、仮想通貨を採用してもよい。この場合、仮想通貨の取引を行うために必要なアプリを携帯端末50にダウンロードすると共に遊技場のシステム100側も仮想通貨の取引に必要な構成を備える必要がある。
【0052】
上記サービス提供機関が電子マネー提供機関として提供する一の種類の電子マネーに限らず、複数の電子マネー提供機関が提供する複数種類の電子マネーをシステム100として取り扱うようにしてもよい。この場合、遊技者が複数種類の電子マネーの中から、任意に一の種類の電子マネーを選択して取引に利用する。
【0053】
非現金価値による入金額の上限、つまり入金処理が可能な上限金額を設定可能としてもよい。例えば、管理装置6或いは計数貸出ユニット2において、1日における遊技者毎の入金額の上限を30,000円に設定しておき、係る入金額が上限に達したと判定した時点で、該当する遊技者の追加の入金を禁止することにより、依存症対策としての効果も発揮することができる。
【0054】
遊技機1は、遊技媒体を払い出さず、電子データとして加算記憶する封入式遊技機であってもよい。また、パチンコ機に限らず、例えばスロットマシンであってもよい。
上記した各数値は例示であり、どのような数値を採用してもよい。