【解決手段】仰向けに寝ている人の体勢を基準として、頭を回転させることにより顔の向きを右あるいは左に振り向ける凸部を有する顔左右振り向け部111と、顔左右振り向け部111の凸部を覆い、顔左右振り向け部111の凸部よりも変形しやすいクッション部121と、を有する枕とする。
仰向けに寝ている人の体勢を基準として、頭の位置に応じて右あるいは左に回転し頭を回転させることにより顔の向きを右あるいは左に振り向ける頭搭載部を有する顔左右振り向け部と、
前記顔左右振り向け部の前記頭搭載部を覆い、前記顔左右振り向け部の前記頭搭載部よりも変形しやすいクッション部と、
を有することを特徴とする枕。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明者は、人がいびきをかいているときの体勢について観察した結果、
図10に示すような結果が得られた。すなわち、人が仰向けに寝ているときの顔の向きを0度とすると、顔の向きが右或いは左に傾くにつれていびきの発生が少なくなる。
【0011】
そこで、人が意識している状態であっても無意識の状態であっても頭が回転し、顔の向きが自然に真上から右或いは左に向いてしまうような凸部を有する顔左右振り向け部を枕に取り付けた。これにより、いびきを低減することができる。
【0012】
以下、図面を用いて実施例により具体的に説明する。なお、同一符号は同一構成要素を示す。
【実施例1】
【0013】
本発明の実施例1に係る枕について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、人が枕を用いて仰向けに寝ているときの図で、
図1(a)が
図1(b)に示すC方向から見た平面図、
図1(b)が
図1(a)に示すB方向から見た側面図である。符号200がベッド、符号100が本実施例に係る枕、符号300がベッド200の上に仰向けに横たわる人を示す。なお、実際は、本実施例に係る枕を用いると顔の向きが自然に右或いは左に向いてしまうが、図面では仮に真上の方向を向いているように描いてある。
【0014】
図2に本実施例に係る枕を示す。
図2(a)は横になった人の足元(
図1に示すA方向)から見た枕の側面図であり、
図2(b)は仰向けになった人の直上(
図1に示すC方向)から見た枕の平面図である。本実施例に係る枕100は、
図2に示すように、A方向に沿うように配置された円柱状の顔左右振り向け部111と、顔左右振り向け部111を覆い、顔左右振り向け部111により傾けられる頭が倒れる右及び左の方向にそれぞれ延伸して配置されるクッション部121とを有する。
【0015】
本枕100を用い、仰向けになって顔左右振り向け部111の凸部の頂点にクッション部を介して頭を乗せると、凸部のC方向における中心線と頭の重心線との不確定な微妙なずれにより、頭が回転し顔の向きが真上から右或いは左に自然とずれる。真上を0度とした場合、首の回り易さやクッション部の状態(高さ、変形し易さなど)にも影響されるが、顔の向きが右か左に20度から60度程度又はそれ以上自然に傾く。これにより、いびきを低減することができる。凸部の頂点より下の傾いた領域に頭を乗せれば、傾いている方向に頭が傾くことは言うまでもない。
【0016】
なお、クッション部121は、顔左右振り向け部111の凸部よりも変形し易いことが望ましい。頭が回転した時にクッション部が沈み込むことにより、頭は滑らかに回転し、顔の向きを真上から左右に振り向けることができる。ここで、変形し易いとは、素材そのものの固さ、柔らかさということではなく、頭が乗ったときに大きく変形し易いということである(弾性変形が望ましい)。例えば、プラスチック製の顔左右振り向け部と鋼鉄製のばねを用いたクッション部とすることもできる。
【0017】
本実施例では、顔左右振り向け部111として直径2cm、長さ20cmのインセンスシーダー(オニヒバ)の木の円柱を用いた。また、クッション部121としてポリエステルのクッションを用い、顔左右振り向け部111の全体を覆うように配置した。オニヒバの他、スギやヒノキなど他の木材やプラスチックなどの合成樹脂、アルミニウムなどの金属を用いることもできる。スギを用いれば、調湿効果を得ることができる。また、ヒノキを用いれば、リラックス効果を得ることができる。合成樹脂の場合には所望の形状を得やすく、金属の場合には耐久性に優れる。
【0018】
顔左右振り向け部を構成する円柱は、頭の重さで塑性変形し難い円筒とすることもできる。
【0019】
また、円柱の直径としては、0.5cm〜20cmを用いることができる。円柱の直径が0.5cm以下では顔左右振り向け部がクッション部に埋もれてしまい、20cm以上では枕として高さが高すぎるためである。ただし、1.5〜10cmが好適である。
【0020】
顔左右振り向け部111の少なくとも凸部(頭が乗る領域)のクッション部は、顔左右振り向け部の凸部よりも変形し易くすることが望ましい。これにより顔左右振り向け部111の凸部による頭へのゴツゴツ感を緩和することができる。
【0021】
クッション部121の上面は、顔左右振り向け部111よりもクッション部全体を変形し易くしておくことにより、直下に顔左右振り向け部111が有る領域と無い領域で平坦にすることができる。これにより、頭をスムーズに傾けることができる。直下に顔左右振り向け部111が有る領域より無い領域の方を低くしておくことにより、クッション部全体を変形し易くしなくても、頭をスムーズに傾け易くすることができる。この場合でも、クッション部全体を変形し易くしておくことができる。
【0022】
以上、本実施例によれば、顔左右振り向け部を設けることにより、顔の向きを真上に対して無意識の状態でも自然に右或いは左に振り向けることができるため、いびきを低減することが可能な枕を提供することができる。また、クッション部を、顔左右振り向け部の凸部よりも変形し易くすることにより、頭をスムーズに傾けることができる、また、顔左右振り向け部111による頭へのゴツゴツ感を緩和することができる。
【実施例2】
【0023】
本発明の実施例2に係る枕について
図3を用いて説明する。なお、実施例1に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。
【0024】
図3は、横になった人の足元(
図1に示すA方向)から見た本実施例に係る枕の側面図である。平面図は
図2(b)と同様である。本実施例に係る枕100は、半円柱状の顔左右振り向け部112と、顔左右振り向け部112を覆い、顔左右振り向け部112により傾けられる頭が倒れる右及び左の方向にそれぞれ延伸して配置されるクッション部121とを有する。
【0025】
本枕100を用い、仰向けになって顔左右振り向け部112の凸部の頂点に頭を乗せると、凸部のC方向における中心線と頭の重心線との不確定な微妙なずれにより、頭が回転し顔の向きが真上から右或いは左に自然とずれる。真上を0度とした場合、首の回り易さやクッション部の状態(高さ、変形し易さなど)にも影響されるが、顔の向きが右か左に20度から60度程度又はそれ以上自然に傾く。これにより、いびきを低減することができる。凸部の頂点より下の傾いた領域に頭を乗せれば、傾いている方向に頭が傾くことは言うまでもない。
【0026】
なお、クッション部121は、顔左右振り向け部112の凸部よりも変形し易いことが望ましい。頭が回転した時にクッション部が沈み込むことにより、頭は滑らかに回転し、顔の向きを真上から左右に振り向けることができる。
【0027】
本実施例では、顔左右振り向け部112として直径6cm、長さ20cmの塩化ビニールの半円柱を用いた。また、クッション部121としてウレタンのクッションを用い、顔左右振り向け部112の全体を覆うように配置した。
【0028】
顔左右振り向け部を構成する半円柱は、頭の重さで塑性変形し難い半円筒とすることもできる。
【0029】
また、半円柱の直径としては、1cm〜40cmを用いることができる、半円柱の直径が1cm以下では顔左右振り向け部がクッション部に埋もれてしまい、40cm以上では枕として高さが高すぎるためである。ただし、3〜20cmが好適である。
【0030】
顔左右振り向け部112の少なくとも凸部(頭が乗る領域)のクッション部は、顔左右振り向け部の凸部よりも変形し易くすることが望ましい。これにより顔左右振り向け部112の凸部による頭へのゴツゴツ感を緩和することができる。
【0031】
クッション部121の上面は、顔左右振り向け部112よりもクッション部全体を変形し易くしておくことにより、直下に顔左右振り向け部112が有る領域と無い領域で平坦にすることができる。これにより、頭をスムーズに傾けることができる。直下に顔左右振り向け部112が有る領域より無い領域の方を低くしておくことにより、クッション部全体を変形し易くしなくても、頭をスムーズに傾け易くすることができる。この場合でも、クッション部全体を変形し易くしておくことができる。
【0032】
以上、本実施例によれば、顔左右振り向け部を設けることにより、顔の向きを真上に対して無意識の状態でも自然に右或いは左に振り向けることができるため、いびきを低減することが可能な枕を提供することができる。また、クッション部を、顔左右振り向け部の凸部よりも変形し易くすることにより、頭をスムーズに傾けることができる、また、顔左右振り向け部による頭へのゴツゴツ感を緩和することができる。また、顔左右振り向け部を半円柱形状とすることにより、底面が平らとなり実施例1の円柱形状に比べ転がり難くクッション部内で移動し難くなる。
【実施例3】
【0033】
本発明の実施例3に係る枕について
図4を用いて説明する。なお、実施例1又は実施例2に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。
【0034】
図4は、横になった人の足元(
図1に示すA方向)から見た本実施例に係る枕の側面図である。平面図は
図2(b)と同様である。本実施例に係る枕100は、楕円柱状の顔左右振り向け部113と、顔左右振り向け部113を覆い、顔左右振り向け部113により傾けられる頭が倒れる右及び左の方向にそれぞれ延伸して配置されるクッション部121とを有する。
【0035】
本枕100を用い、仰向けになって顔左右振り向け部113の凸部の頂点に頭を乗せると、凸部のC方向における中心線と頭の重心線との不確定な微妙なずれにより、頭が回転し顔の向きが真上から右或いは左に自然とずれる。真上を0度とした場合、首の回り易さやクッション部の状態(高さ、変形し易さなど)にも影響されるが、顔の向きが右か左に20度から60度程度又はそれ以上自然に傾く。これにより、いびきを低減することができる。凸部の頂点より下の傾いた領域に頭を乗せれば、傾いている方向に頭が傾くことは言うまでもない。
【0036】
なお、クッション部121は、顔左右振り向け部113の凸部よりも変形し易いことが望ましい。顔左右振り向け部の凸部が頭に当たったときのゴツゴツ感をより低減することができる。また、頭が回転した時にクッション部が沈み込むことにより、頭は滑らかに回転し、顔の向きを真上から左右に振り向けることができる。
【0037】
本実施例では、顔左右振り向け部113として中心線を通る方向の直径(ここでは短径)2cm、長さ20cmのアルミニウムの楕円柱を用いた。また、クッション部121として低反発ウレタンのクッションを用い、顔左右振り向け部113の全体を覆うように配置した。
【0038】
顔左右振り向け部を構成する楕円柱は、頭の重さで塑性変形し難い楕円筒とすることもできる。
【0039】
また、楕円柱の中心線の方向の直径(ここでは短径)としては、0.5cm〜20cmを用いることができる。他の直径(ここでは長径)については、ベッドからはみ出さない範囲で特に制限はない。楕円柱の短径が0.5cm以下では顔左右振り向け部がクッション部に埋もれてしまい、20cm以上では枕として高さが高すぎるためである。ただし、1.5〜10cmが好適である。
【0040】
顔左右振り向け部113の少なくとも凸部(頭が乗る領域)のクッション部は、顔左右振り向け部の凸部よりも変形し易くすることが望ましい。これにより顔左右振り向け部113の凸部による頭へのゴツゴツ感を緩和することができる。
【0041】
クッション部121は、顔左右振り向け部113よりもクッション部全体を変形し易くしておくことにより、直下に顔左右振り向け部113が有る領域と無い領域でクッション部121の上面を平坦にすることができる。これにより、頭をスムーズに傾けることができる。直下に顔左右振り向け部113が有る領域より無い領域の方を低くしておくことにより、クッション部全体を変形し易くしなくても、頭をスムーズに傾け易くすることができる。この場合でも、クッション部全体を変形し易くしておくことができる。
【0042】
以上、本実施例によれば、顔左右振り向け部を設けることにより、顔の向きを真上に対して無意識の状態でも自然に右或いは左に振り向けることができるため、いびきを低減することが可能な枕を提供することができる。また、クッション部を、顔左右振り向け部の凸部よりも変形し易くすることにより、頭をスムーズに傾けることができる、また、顔左右振り向け部による頭へのゴツゴツ感を緩和することができる。また、顔左右振り向け部を楕円柱形状とすることにより、実施例1の円柱形状に比べ底辺部の曲率が小さいため転がり難くクッション部内で移動し難くなる。
【実施例4】
【0043】
本発明の実施例4に係る枕について
図5を用いて説明する。なお、実施例1乃至実施例3のいずれかに記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。
【0044】
図5は、横になった人の足元(
図1に示すA方向)から見た本実施例に係る枕の側面図である。平面図は
図2(b)と同様である。本実施例に係る枕100は、半楕円柱状の顔左右振り向け部114と、顔左右振り向け部114を覆い、顔左右振り向け部114により傾けられる頭が倒れる右及び左の方向にそれぞれ延伸して配置されるクッション部121とを有する。
【0045】
本枕100を用い、仰向けになって顔左右振り向け部114の凸部の頂点に頭を乗せると、凸部のC方向における中心線と頭の重心線との不確定な微妙なずれにより、頭が回転し顔の向きが真上から右或いは左に自然とずれる。真上を0度とした場合、首の回り易さやクッション部の状態(高さ、変形し易さなど)にも影響されるが、顔の向きが右か左に20度から60度程度又はそれ以上自然に傾く。これにより、いびきを低減することができる。凸部の頂点より下の傾いた領域に頭を乗せれば、傾いている方向に頭が傾くことは言うまでもない。
【0046】
なお、クッション部121は、顔左右振り向け部114の凸部よりも変形し易いことが望ましい。頭が回転した時にクッション部が沈み込むことにより、頭は滑らかに回転し、顔の向きを真上から左右に振り向けることができる。
本実施例では、顔左右振り向け部114として中心線を通る方向の直径(ここでは短径)4cm、長さ20cmの塩化ビニールの半楕円柱を用いた。また、クッション部121としてポリエステルのクッションを用い、顔左右振り向け部114の全体を覆うように配置した。
【0047】
顔左右振り向け部を構成する半楕円柱は、頭の重さで塑性変形し難い半楕円筒とすることもできる。
【0048】
また、半楕円柱の重心線の方向の直径(ここでは短径)としては、1cm〜40cmを用いることができる。他の直径(ここでは長径)については、ベッドからはみ出さない範囲で特に制限はない。半楕円柱の短径が1cm以下では顔左右振り向け部がクッション部に埋もれてしまい、40cm以上では枕として高さが高すぎるためである。ただし、3〜10cmが好適である。
【0049】
顔左右振り向け部114の少なくとも凸部(頭が乗る領域)のクッション部は、顔左右振り向け部の凸部よりも変形し易くすることが望ましい。これにより顔左右振り向け部114の凸部による頭へのゴツゴツ感を緩和することができる。
【0050】
クッション部121は、顔左右振り向け部114の凸部よりもクッション部全体を変形し易くしておくことにより、直下に顔左右振り向け部114が有る領域と無い領域でクッション部121の上面を平坦にすることができる。これにより、頭をスムーズに傾けることができる。直下に顔左右振り向け部114が有る領域より無い領域の方を低くしておくことにより、クッション部全体を変形し易くしなくても、頭をスムーズに傾け易くすることができる。この場合でも、クッション部全体を変形し易くしておくことができる。
【0051】
以上、本実施例によれば、顔左右振り向け部を設けることにより、顔の向きを真上に対して無意識の状態でも自然に右或いは左に振り向けることができるため、いびきを低減することが可能な枕を提供することができる。また、クッション部を、顔左右振り向け部の凸部よりも変形し易くすることにより、頭をスムーズに傾けることができる、また、顔左右振り向け部による頭へのゴツゴツ感を緩和することができる。また、顔左右振り向け部を楕円柱形状とすることにより、実施例3の楕円柱形状に比べ底面が平らなため転がり難くクッション部内で移動し難くなる。
【実施例5】
【0052】
本発明の実施例5に係る枕について
図6を用いて説明する。なお、実施例1乃至実施例4のいずれかに記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。
【0053】
図6は、横になった人の足元(
図1に示すA方向)から見た本実施例に係る枕の側面図である。平面図はそれぞれ
図2(b)と同様である。本実施例の
図6(a)に示す枕100は、二等辺三角柱状の顔左右振り向け部115と、顔左右振り向け部115を覆い、顔左右振り向け部115により傾けられる頭が倒れる右及び左の方向にそれぞれ延伸して配置されるクッション部121とを有する。
【0054】
図6(a)に示す枕100を用い、仰向けになって顔左右振り向け部115の凸部の頂点に頭を乗せると、凸部のC方向における中心線と頭の重心線との不確定な微妙なずれにより、頭が回転し顔の向きが真上から右或いは左に自然とずれる。真上を0度とした場合、首の回り易さやクッション部の状態(高さ、変形し易さなど)にも影響されるが、顔の向きが右か左に20度から60度程度又はそれ以上自然に傾く。これにより、いびきを低減することができる。凸部の頂点より下の傾いた領域(二等辺三角形の斜面)に頭を乗せれば、傾いている方向に頭が傾くことは言うまでもない。
【0055】
なお、クッション部121は、顔左右振り向け部115の凸部よりも変形し易いことが望ましい。頭が回転した時にクッション部が沈み込むことにより、頭は滑らかに回転し、顔の向きを真上から左右に振り向けることができる。
【0056】
図6(a)に示す枕では、顔左右振り向け部115として中心線を通る方向の高さ4cm、長さ20cm、底角20度のスギの木の二等辺三角柱を用いた。また、クッション部121としてポリエステルのクッションを用い、顔左右振り向け部115の全体を覆うように配置した。
【0057】
顔左右振り向け部を構成する二等辺三角柱は、頭の重さで塑性変形し難い二等辺三角筒とすることもできる。底角αの範囲として、3〜60度とすることができる。底角αが3度未満では傾斜が緩く頭を回転させることが困難であり、底角αが60度を越えると頭がずれ落ち易くなる。底角αとしては、5度を越え30度未満が好適である。また、二等辺三角形ではなく、一方の底角を3〜60度の範囲、他方の底角も3〜60度の範囲で互いに異なる角度とした三角柱とすることもできる。
【0058】
なお、
図6(a)(b)では正三角形となるように記載されているが、
図6(c)に示すように逆三角形となるように配置することもできる。逆三角形となるように配置しても逆三角形の底面部に頭を載せることにより凸部の頂点を支点として顔左右振り向け部118自体が矢印に示すように回転し同時に頭も回転し、顔の向きを変える効果が得られる。この頂点を支える台座部を設けることにより、頂点部によるクッション部の劣化を低減・防止することができる。なお、逆三角形の各々の角部は丸めておくことによりクッション部の劣化を低減することができる。なお、逆三角形の底面部は、頭を載せる領域となるため頭搭載部と呼ぶことができる。
【0059】
また、逆三角形に限らず、
図6(d)に示すように、支点(支持部)と腕部を有するシーソー型、すなわち、支持部131及び前記支持部131に支持され頭の位置に応じて矢印で示すように右あるいは左に回転し顔の向きを右あるいは左に振り向ける板状(足元から見てバー状)の腕部(頭搭載部)132及びそれらを支える台座部133を有する顔左右振り向け部119と、顔左右振り向け部119の腕部(頭搭載部)132を覆い、顔左右振り向け部の腕部(頭搭載部)よりも変形しやすいクッション部121と、を有する枕100とすることもできる。台座部133を設けることにより、クッション部の劣化を低減できる。また、台座部133を頭搭載部132と同等の大きさ或いはそれより大きくすることにより、台座部133が頭搭載部132の回転のストッパーとなり頭搭載部132の傾き角を安定化できる。支持部131は、頭搭載部132に固定することも、台座部133に固定することもできる。本実施例では、支持部131を頭搭載部132に固定し、台座部133の上での支持部を回転可能とした。また、頭搭載部132を適当な速さでシーソーのように動かすことにより、眠り込んでいる人の目を覚ますことができる。
【0060】
また、頭搭載部を支持部と共に左右方向に移動可能とする手段を台座部に設け、頭搭載部と共に頭が右側に回転した場合には頭搭載部が支持部と共に左側へ、頭が左側に回転した場合には右側へ移動させれば、体の中心線からの頭の重心移動が少なくなり首への負担が低減される。なお、頭搭載部を支持部と共に左右方向に移動可能とする手段として、例えば、頭搭載部132が固定された支持部131を台座部133に対して可動とし、支持部の可動範囲(数cm程度)を制限するストッパーを台座部に設けた構成とすることができる。この台座部に設けるストッパーは、支持部を挟んで両側に配置することができる。また、支持部が大きい場合には、支持部の台座側をくり抜いてストッパーよりも大きな空洞を作り、空洞の内部となるように配置することもできる。いずれの場合においても、ストッパーと支持部との間に弾性素材を挿入することにより、未使用時にストッパーと支持部との間の距離を保つことができ、頭の位置によらず、左右どちらへの移動も可能となる。
【0061】
また、二等辺三角柱の高さとしては、0.5cm〜20cmとすることができる。二等辺三角柱の高さが0.5cm未満では顔左右振り向け部がクッション部に埋もれてしまい、40cmを越えると枕として高さが高すぎるためである。ただし、1.5〜10cmが好適である。底辺の長さを長くし、枕の左右方向端部に近づけることにより、実施例1に示す円柱状或いは実施例2に示す半円柱状の顔左右振り向け部に比べ左右方向においてより広い範囲で頭を回転させ顔の向きを変えることが可能となる。
【0062】
図6(a)(b)に示す顔左右振り向け部の少なくとも凸部(頭が乗る領域)のクッション部は、顔左右振り向け部の凸部よりも変形し易くすることが望ましい。これにより顔左右振り向け部115、116の凸部による頭へのゴツゴツ感を緩和することができる。なお、
図6(c)(d)に示す顔左右振り向け部118、119の場合、頭搭載部のクッション部121は、顔左右振り向け部118、119の頭搭載部よりも変形し易くすることが望ましい。
【0063】
クッション部121は、顔左右振り向け部115、116の凸部よりもクッション部全体を変形し易くしておくことにより、直下に顔左右振り向け部115、116が有る領域と無い領域でクッション部121の上面を平坦にすることができる。これにより、頭をスムーズに傾けることができる。直下に顔左右振り向け部115、116が有る領域より無い領域の方を低くしておくことにより、クッション部全体を変形し易くしなくても、頭をスムーズに傾け易くすることができる。この場合でも、クッション部全体を変形し易くしておくことができる。
【0064】
なお、
図6(b)に示すように、二等辺三角柱の少なくとも頂点部(凸部)に丸みを持たせた顔左右振り向け部116とすることにより、或いは図示していないが頂点部を平らとすることにより、頭を頂点上に載せた時の頭へのゴツゴツ感を低減することができる。特に頂角βが小さいほど有効である。また、各角部に丸みを持たせることにより、各角部に接触するクッション部の劣化を低減することができる。
【0065】
以上、本実施例によれば、顔左右振り向け部を設けることにより、顔の向きを真上に対して無意識の状態でも自然に右或いは左に振り向けることができるため、いびきを低減することが可能な枕を提供することができる。また、クッション部を、顔左右振り向け部の凸部よりも変形し易くすることにより、頭をスムーズに傾けることができる、また、顔左右振り向け部による頭へのゴツゴツ感を緩和することができる。また、顔左右振り向け部を三角柱形状とすることにより、底面を平らにすることができるため転がり難くクッション部内で移動し難くなる。また、底辺の長さを枕の左右方向端部に近づけることにより、実施例1に示す円柱状或いは実施例2に示す半円柱状の顔左右振り向け部に比べ左右方向においてより広い範囲で頭を回転させ顔の向きを変えることが可能となる。また、顔振り向け部として、逆三角形型或いはシーソー型とすることにより、上記効果の他、顔振り向け部の可動部を動かすことにより、眠り込んでいる人の目を覚ますことができる。
【実施例6】
【0066】
本発明の実施例6に係る枕について
図7を用いて説明する。なお、実施例1乃至5のいずれかに記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。
【0067】
図7(a)は横になった人の足元(
図1に示すA方向)から見た枕の側面図であり、
図7(b)は仰向けになった人の直上(
図1に示すC方向)から見た枕の平面図である。本実施例に係る枕100は、半円柱状の顔左右振り向け部117と、顔左右振り向け部117を覆うクッション部121と、顔左右振り向け部117及びクッション部121を固定する枕固定部141とを有する。
【0068】
本枕100を用い、仰向けになってクッション部121を介して顔左右振り向け部117の凸部の頂点に頭を乗せると、凸部のC方向における中心線と頭の重心線との不確定な微妙なずれにより、頭が回転し顔の向きが真上から右或いは左に自然とずれる。真上を0度とした場合、首の回り易さやクッション部の状態(高さ、変形し易さなど)にも影響されるが、顔の向きが右か左に20度から60度程度又はそれ以上自然に傾く。これにより、いびきを低減することができる。凸部の頂点より下の傾いた領域に頭を乗せれば、傾いている方向に頭が傾くことは言うまでもない。
【0069】
クッション部121は、顔左右振り向け部112の凸部よりも変形し易いことが望ましい。頭が回転した時にクッション部が沈み込むことにより、顔左右振り向け部112の凸部による頭へのゴツゴツ感を緩和することができる。
【0070】
また、
図1に示すC方向から見た場合、枕が横長ではなく縦長となり移動し易くなるが、枕固定部141を設けることにより、ベッド上での枕の位置ずれを低減することができる。なお、枕固定部は、プラスチックや木材、硬質ゴム、その他クッション部121よりも変形し難い材料を用いることができる。
【0071】
本実施例では、顔左右振り向け部117として直径4cm、長さ20cmの塩化ビニールの半円柱を用いた。また、クッション部121としてウレタンのクッションを用い、顔左右振り向け部117の全体を覆うように配置した。また、枕固定部141としては、50cm×25cm×1cmのプラスチック板とした。なお、枕固定部をクッションで覆うこともできる。
【0072】
また、半円柱の直径としては、1cm〜40cmを用いることができる。半円柱の直径が1cm以下では顔左右振り向け部がクッション部に埋もれてしまい、40cm以上では枕として高さが高すぎるためである。ただし、3〜20cmが好適である。なお、言うまでもないが、顔左右振り向け部の形状は、半円柱に限らない。
【0073】
以上、本実施例によれば、顔左右振り向け部を設けることにより、顔の向きを真上に対して無意識の状態でも自然に右或いは左に振り向けることができるため、いびきを低減することが可能な枕を提供することができる。また、クッション部を、顔左右振り向け部の凸部よりも変形し易くすることにより、顔左右振り向け部による頭へのゴツゴツ感を緩和することができる。また、枕固定部を設けることにより、顔左右振り向け部がベッド上で移動し難くなる。
【実施例7】
【0074】
本発明の実施例7に係る枕カバーについて
図8を用いて説明する。なお、実施例1乃至6のいずれかに記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。
【0075】
図8(a)は横になった人の足元(
図1に示すA方向)から見た枕カバーの側面図であり、
図8(b)は仰向けになった人の直上(
図1に示すC方向)から見た枕カバーの平面図である。本実施例に係る枕カバー400は、例えば、頭が回転することにより顔の向きが真上から右或いは左に向いてしまうような凸部を有する半円柱状の顔左右振り向け部がクッション部で覆われた顔左右振り向け部を保持する顔左右振り向け部保持部411と、従来(既存)の枕を保持する枕保持部421とを有する。なお、顔左右振り向け部を覆うクッション部は、枕カバーに取り付けることもできる。
【0076】
本枕カバー400を用い、仰向けになって顔左右振り向け部保持部411に保持された顔左右振り向け部の凸部の頂点にクッション部を介して頭を乗せると、凸部のC方向における中心線と頭の重心線との不確定な微妙なずれにより、頭が回転し顔の向きが真上から右或いは左に自然とずれる。真上を0度とした場合、首の回り易さやクッション部の状態(高さ、変形し易さなど)にも影響されるが、顔の向きが右か左に20度から60度程度又はそれ以上自然に傾く。これにより、いびきを低減することができる。凸部の頂点より下の傾いた領域に頭を乗せれば、傾いている方向に頭が傾くことは言うまでもない。なお、顔左右振り向け部保持部411は、外側(枕保持部421の反対側)に配置する必要はなく、内側(枕保持部421側)に配置することもできる。この場合、顔左右振り向け部が従来の枕などにより固定され移動や位置ズレが生じ難くなるようなら、枕保持部421を顔左右振り向け部保持部411としても兼用することができる。
【0077】
枕カバーの材料としては布を用いることができる。また、従来の枕は必ずしも一定の大きさとは限らないため、従来の枕の大きさに応じて枕保持部の大きさ(外回りの寸法)を調節するための調節部を備えることができる。この調節部には、面ファスナーを用いることができる。
なお、言うまでもないが、顔左右振り向け部の形状は、半円柱に限らない。
【0078】
以上、本実施例によれば、顔左右振り向け部保持部及び従来の枕を保持する枕保持部を備えた枕カバーとすることにより、従来の枕を用いても顔の向きを真上に対して無意識の状態でも自然に右或いは左に振り向けることができるため、いびきを低減することが可能な枕カバーを提供することができる。また、枕カバーに長さを調節する調節部を設けることにより、大きさの異なる従来の枕への適用が可能となる。
【実施例8】
【0079】
本発明の実施例8に係る枕カバーについて
図9を用いて説明する。なお、実施例1乃至7のいずれかに記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り本実施例にも適用することができる。
【0080】
図9(a)は横になった人の足元(
図1に示すA方向)から見た枕カバーの側面図であり、
図9(b)は仰向けになった人の直上(
図1に示すC方向)から見た枕カバーの平面図である。本実施例に係る枕カバー400は、例えば、頭が回転することにより顔の向きが真上から右或いは左に向いてしまうような凸部を有する半円柱状の顔左右振り向け部がクッション部で覆われた顔左右振り向け部を保持する顔左右振り向け部保持部411と、従来(既存)の枕を保持する枕保持部421と、顔が横を向いたときに顔を受け止めるための顔当て部材を保持するための顔当て部材保持部431とを有する。顔当て部材としては、スポンジやソバ殻を用いることができる。
【0081】
本枕カバー400を用い、仰向けになって顔左右振り向け部保持部411に保持された顔左右振り向け部の凸部の頂点にクッション部を介して頭を乗せると、凸部のC方向における中心線と頭の重心線との不確定な微妙なずれにより、頭が回転し顔の向きが真上から右或いは左に自然とずれる。真上を0度とした場合、首の回り易さやクッション部の状態(高さ、変形し易さなど)にも影響されるが、顔の向きが右か左に20度から60度程度又はそれ以上自然に傾く。これにより、いびきを低減することができる。凸部の頂点より下の傾いた領域に頭を乗せれば、傾いている方向に頭が傾くことは言うまでもない。
【0082】
頭が凸部に載っている状態では、頭を支える領域が少ない。顔当て部材保持部431に保持する顔当て部材を配置することにより、頭を支える領域を増やすことができる。この顔当てのための顔当て部材は、
図9(a)では枕保持部に保持された従来の枕の上側に配置されるように記載されているが、従来の枕の下側に配置してもよい。従来の枕の下側に顔当て部材を配置する場合、顔当て部材により持ち上げられた従来の枕の端部が実質的に顔当て部材として機能する。この顔当て部材は、従来の枕の上側となるように配置する際は従来の枕と同等或いはそれよりも変形し易くし、従来の枕の下側となるように配置する際には従来の枕と同等或いはそれよりも変形し難くすることが望ましい。なお、この顔当て部材は、実施例1乃至6に係る枕にも適用することができる。
【0083】
なお、顔左右振り向け部保持部411は、外側(枕保持部421の反対側)である必要はなく、内側(枕保持部421側)に配置することもできる。この場合、顔左右振り向け部が従来の枕などにより固定され移動や位置ズレが生じ難くなるようなら、顔左右振り向け部保持部411は省略し、枕保持部421に従来の枕と顔左右振り向け部とを保持することができる(枕保持部と顔左右振り向け部保持部を兼用)。
【0084】
枕カバーの材料としては布を用いることができる。また、従来の枕は必ずしも一定の大きさとは限らないため、従来の枕の大きさに応じて枕保持部の大きさ(外回りの寸法)を調節するための調節部を備えることができる。この調節部には、面ファスナーを用いることができる。
なお、言うまでもないが、顔左右振り向け部の形状は、半円柱に限らない。
【0085】
以上、本実施例によれば、顔左右振り向け部保持部及び従来の枕を保持する枕保持部を備えた枕カバーとすることにより、従来の枕を用いても顔の向きを真上に対して無意識の状態でも自然に右或いは左に振り向けることができるため、いびきを低減することが可能な枕カバーを提供することができる。また、枕カバーに長さを調節する調節部を設けることにより、大きさの異なる従来の枕への適用が可能となる。また、顔当て部材保持部を設けたことにより、広い領域で頭を支えることができる。