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特開2019-217803シートポジション調整方法及びシートポジション調整装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-217803(P2019-217803A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】シートポジション調整方法及びシートポジション調整装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20191129BHJP
   B60N 2/16 20060101ALI20191129BHJP
   B60N 2/06 20060101ALI20191129BHJP
   B60N 2/22 20060101ALI20191129BHJP
   B60N 3/06 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   B60N2/90
   B60N2/16
   B60N2/06
   B60N2/22
   B60N3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-114374(P2018-114374)
(22)【出願日】2018年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】高松 敦
(72)【発明者】
【氏名】三浦 宏明
【テーマコード(参考)】
3B087
3B088
【Fターム(参考)】
3B087AA02
3B087BA02
3B087BA15
3B087BD03
3B087DE08
3B087DE10
3B088JA02
3B088JB02
(57)【要約】
【課題】自動運転から手動運転へ切り替えの際に、シートポジションを変更することにより周囲状況に対する運転者の視認性を早期に向上する。
【解決手段】シートポジション調整方法では、手動運転に適した第1シートポジションPdを記憶し、乗員の意図と無関係に車両の自動運転から手動運転へと切り替える自動切り替えを行うか否かを判定する(S1、S2)。自動切り替えを行う場合(S2:N)は、車両用運転席シート1を自動運転時の第2シートポジションPaから第1シートポジションPdへ復帰させる途中で、リフト駆動装置13bにより車両用運転席シート1を第1シートポジションPdの上下位置より高い位置へ上昇させる上昇動作を行う。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用運転席シートのシートポジション調整方法であって、
乗員による手動運転に適した第1シートポジションを記憶し、
車両の走行状態を自動運転から手動運転へと切り替えるか否かを判定し、
前記走行状態を自動運転から手動運転へと切り替える場合、前記車両用運転席シートを自動運転時の第2シートポジションから前記第1シートポジションへ復帰させる途中で、リフト駆動装置により前記車両用運転席シートを前記第1シートポジションの上下位置よりも高い位置へ上昇させる上昇動作を行う、
ことを特徴とするシートポジション調整方法。
【請求項2】
前記上昇動作を行う期間と、リクライニング駆動装置により前記車両用運転席シートを前記第1シートポジションのリクライニング位置へ復帰させるリクライニング復帰動作を行う期間と、が少なくとも重複していることを特徴とする請求項1に記載のシートポジション調整方法。
【請求項3】
前記リクライニング復帰動作の開始と同時に、前記上昇動作を開始することを特徴とする請求項2に記載のシートポジション調整方法。
【請求項4】
前記リクライニング復帰動作の開始よりも遅れて、前記上昇動作を開始することを特徴とする請求項2に記載のシートポジション調整方法。
【請求項5】
前記リクライニング復帰動作の開始よりも先に、前記上昇動作を開始することを特徴とする請求項2に記載のシートポジション調整方法。
【請求項6】
前記上昇動作の後に、前記リフト駆動装置により前記車両用運転席シートを前記第1シートポジションの上下位置へ降ろす下降動作を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のシートポジション調整方法。
【請求項7】
スライド駆動装置によって位置決めされた前記車両用運転席シートの前後位置が所定範囲にあるタイミングで、前記下降動作を開始することを特徴とする請求項6に記載のシートポジション調整方法。
【請求項8】
前記車両用運転席シートのオットマンをオットマン駆動装置によって前記第1シートポジションのオットマンの位置へ移動させるオットマン復帰動作を開始してから、スライド駆動装置によって前記車両用運転席シートを前記第1シートポジションの前後位置へ復帰させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のシートポジション調整方法。
【請求項9】
手動運転へ前記乗員が復帰する緊急度を決定し、
前記緊急度に応じて前記上昇動作における上昇速度を変更することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のシートポジション調整方法。
【請求項10】
手動運転へ前記乗員が復帰するのに緊急を要するか否かを判断し、
手動運転へ前記乗員が復帰するのに緊急を要する場合に前記上昇動作を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のシートポジション調整方法。
【請求項11】
自動運転時の前記車両用運転席シートのシートポジションに応じて、手動運転へ前記乗員が復帰するのに緊急を要するか否かを判断することを特徴とする請求項10に記載のシートポジション調整方法。
【請求項12】
前記乗員により自動運転から手動運転へと切り替える場合には、前記上昇動作を抑制することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のシートポジション調整方法。
【請求項13】
車両用運転席シートのシートポジションを変更するアクチュエータと、
手動運転に適した第1シートポジションを記憶する記憶装置と、
車両の走行状態が自動運転から手動運転へと切り替わるか否かを判定し、前記走行状態が自動運転から手動運転へと切り替わる場合、前記車両用運転席シートを自動運転時の第2シートポジションから前記第1シートポジションへ復帰させる途中で、前記アクチュエータにより前記車両用運転席シートを前記第1シートポジションの上下位置よりも高い位置へ上昇させるコントローラと、
を備えることを特徴とするシートポジション調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートポジション調整方法及びシートポジション調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の自動運転と手動運転との間の切り替えの際に、車両用運転席シートのシートポジションを変更する技術が開示されている。
特許文献1に記載のドライビングポジション制御装置は、手動運転から自動運転へ切り替える場合に、手動運転中の運転に適した予め定めた第1位置よりもリラックス姿勢となる第2位置に移動し、自動運転から手動運転へ切り替える場合に、第1位置に移動するよう、位置検出結果に基づいて各機構を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016‐168972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動運転から手動運転へ切り替える際には、運転者が早期に周囲状況を視認することが好ましい。
本発明は、自動運転から手動運転へ切り替えの際に、シートポジションを変更することにより周囲状況に対する運転者の視認性を早期に向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る車両用運転席シートのシートポジション調整方法では、乗員による手動運転に適した第1シートポジションを記憶し、車両の走行状態を自動運転から手動運転へと切り替えるか否かを判定する。車両の走行状態を自動運転から手動運転へと切り替える場合は、車両用運転席シートを自動運転時の第2シートポジションから第1シートポジションへ復帰させる途中で、リフト駆動装置により車両用運転席シートを第1シートポジションの上下位置よりも高い位置へ上昇させる上昇動作を行う。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、自動運転から手動運転へ切り替えの際に、シートポジションを変更することにより周囲状況に対する運転者の視認性が早期に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】車両用運転席シートの一例の説明図である。
図2】実施形態のシートポジション調整装置の概略構成の一例の説明図である。
図3】シートポジション復帰動作の一例の説明図である。
図4】シートポジション復帰動作におけるリクライニング角度、リフト量、及び車両用運転席シートの上端高さの時間変化の例を示す概念図である。
図5】一時上昇動作を伴うシートポジション復帰動作の一例の説明図である。
図6A図5のシートポジション復帰動作の第1例におけるリクライニング角度、リフト量、及び車両用運転席シートの上端高さの時間変化の例を示す概念図である。
図6B図5のシートポジション復帰動作の第2例におけるリクライニング角度、リフト量、及び車両用運転席シートの上端高さの時間変化の例を示す概念図である。
図6C図5のシートポジション復帰動作の第3例におけるリクライニング角度、リフト量、及び車両用運転席シートの上端高さの時間変化の例を示す概念図である。
図7】実施形態のシートポジション調整方法の第1例のフローチャートである。
図8】実施形態のシートポジション調整方法の第2例のフローチャートである。
図9】実施形態のシートポジション調整方法の第3例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0009】
(構成)
図1を参照する。参照符号1は、本発明の実施形態に係るシートポジション調整装置によりシートポジションが調整される車両用運転席シートの一例を示す。参照符号3及び4は、車両用運転席シート1が設けられる車両のステアリングホイール及びダッシュボードを示す。
例えば、車両用運転席シート1は、運転者である乗員2が座る座部となるシートクッション1aと、背もたれとなるシートバック1bと、乗員2の足を載せるためのオットマン1cと、ヘッドレスト1dを備える。ヘッドレスト1dはシートバック1bと一体型になっていてもよい。
【0010】
本願の明細書及び特許請求の範囲の記載において車両用運転席シート1の「シートポジション」とは、車両用運転席シート1の前後位置(例えばシートクッション1aの前後位置)、車両用運転席シート1の上下位置(例えばシートクッション1aの上下位置や、車両用運転席シート1の上端位置であるヘッドレスト1dの上端位置)、シートバック1bのリクライニング角度の組み合わせを意味する。
「シートポジション」は、オットマン1cの位置や、シートクッション1aのチルト角度、ヘッドレストの位置を含んでもよい。
【0011】
図2を参照する。本発明の実施形態に係るシートポジション調整装置10は、コントローラ11と、シートポジションデータベース12と、シートアクチュエータ13と、シートポジション検出センサ14と、周囲センサ15と、緊急復帰スイッチ16を備える。なお、図2においてシートポジションデータベースを「シートポジションDB」と表記する。
コントローラ11は、車両用運転席シート1のシートポジションを制御する電子制御ユニットである。コントローラ11は、プロセッサ11aと、記憶装置11b等の周辺部品とを含む。
【0012】
プロセッサ11aは、例えばCPU(Central Processing Unit)、やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。
記憶装置11bは、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置11bは、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
プロセッサ11aは、記憶装置11bに格納されるコンピュータプログラムを実行することにより、以下に説明するシートポジション調整装置10の機能を実現する。
なお、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路でコントローラ11を実現してもよい。例えば、コントローラ11はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバ
イス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
【0013】
コントローラ11は、シートポジション調整装置10を搭載する車両(以下「自車両」と表記する)の走行制御を行う車両制御装置20から、自車両の走行状態を示すモード信号を受信する。モード信号は、自車両の走行状態が自動運転モード及び手動運転モードの何れであるかを示す。
自車両の走行状態が手動運転モードと自動運転モードとの間で切り替わると、コントローラ11は、それぞれのモード用に予め設定されたシートポジションをシートポジションデータベース12から読み出す。コントローラ11は、車両用運転席シート1のシートポジションを、シートポジションデータベース12から読み出したシートポジションに調整する。
【0014】
シートポジションデータベース12には、手動運転モード用の第1シートポジションと、自動運転モード用の第2シートポジションとが、乗員毎に個別に記憶される。
第1シートポジションは、乗員による自車両の運転に適したシートポジションであり、例えば乗員によって予め登録する。乗員の体格をセンサやカメラで検出して自動的に第1シートポジションを決定してもよい。図3の参照符号Pdは、第1シートポジションの一例を示す。
【0015】
第2シートポジションは、例えば第1シートポジションよりも乗員がリラックスできる態勢になるシートポジションであり、例えば乗員によって予め登録する。図3の参照符号Paは、第2シートポジションの一例を示す。
第2シートポジションPaでは、車両用運転席シート1の前後位置が第1シートポジションよりPdも後退し、シートバック1bのリクライニング角度が第1シートポジションPdよりも後方に傾斜している。
また、第2シートポジションPaでは、車両用運転席シート1の上下位置が第1シートポジションよりPdも低くてもよい。また、第2シートポジションPaではオットマン1cが展開位置にあり、第1シートポジションPdでは格納位置にあってもよい。
【0016】
図2を参照する。自車両の走行状態が手動運転モードから自動運転モードへ切り替わると、コントローラ11は、シートポジションデータベース12から第2シートポジションPaを読み出す。
コントローラ11は、シートアクチュエータ13によって車両用運転席シート1のシートポジションを変更することにより、シートポジション検出センサ14によって検出された車両用運転席シート1のシートポジションがシートポジションデータベース12から読み出した第2シートポジションPaとなるように、車両用運転席シート1のシートポジションを調整する。
【0017】
シートアクチュエータ13は、スライド駆動装置13aと、リフト駆動装置13bと、リクライニング駆動装置13cと、オットマン駆動装置13dを備える。
スライド駆動装置13aは、車両用運転席シート1のスライド機構を駆動して車両用運転席シート1を前後方向に移動させる。
リフト駆動装置13bは、車両用運転席シート1のリフト機構を駆動して、車両用運転席シート1を上下方向に移動させる。
例えば車両用運転席シート1は、リフト駆動装置13bによりシート全体で上下方向に移動してよい。
また例えば、シートバック1bの位置を、シートクッション1aとは独立して上下に調整できるシート機構の場合には、リフト駆動装置13bは、シートクッション1aの上下移動に連動させてシートバック1bを上下に移動してもよい。
【0018】
リクライニング駆動装置13cは、車両用運転席シート1のリクライニング機構を駆動してシートバック1bのリクライニング角度を変化させる。
オットマン駆動装置13dは、オットマン1cを移動させる。
スライド駆動装置13a、リフト駆動装置13b、リクライニング駆動装置13c及びオットマン駆動装置13dは、例えば電動アクチュエータであるが、これに限定されることなく、油圧アクチュエータ、空圧アクチュエータ、水圧アクチュエータであってもよい。
また、シートアクチュエータ13は、シートクッション1aのチルト角度を変化させるアクチュエータや、ヘッドレストを上下方向に移動させるアクチュエータを備えてもよい。
【0019】
シートポジション検出センサ14は、スライド位置検出センサ14a、リフト位置検出センサ14b、リクライニング角度検出センサ14c及びオットマン位置検出センサ14dを備える。
スライド位置検出センサ14aは、車両用運転席シート1の前後位置を検出する。リフト位置検出センサ14bは、リフト駆動装置13bによるリフト量を、車両用運転席シート1の上下位置として検出する。
リクライニング角度検出センサ14cは、シートバック1bのリクライニング角度を検出する。オットマン位置検出センサ14dは、オットマン1cの位置を検出する。
【0020】
次に、自車両の走行状態が自動運転モードから手動運転モードへ切り替わると、コントローラ11は、車両用運転席シート1を第2シートポジションPaから第1シートポジションPdへ復帰させる。
図3を参照する。第1シートポジションPdへの復帰は、リフト復帰動作と、リクライニング復帰動作と、スライド復帰動作と、オットマン復帰動作とにより実現される。
【0021】
「リフト復帰動作」は、リフト駆動装置13bにより車両用運転席シート1のリフト量を第1シートポジションPdのリフト量に復帰させる動作である。
「リクライニング復帰動作」は、リクライニング駆動装置13cによりリクライニング角度を第1シートポジションPdのリクライニング角度に復帰させる動作である。
【0022】
「スライド復帰動作」は、スライド駆動装置13aにより車両用運転席シート1の前後位置を第1シートポジションPdの前後位置に復帰させる動作である。
「オットマン復帰動作」は、オットマン駆動装置13dによりオットマン1cの位置を第1シートポジションPdのオットマン1cの位置へ復帰させる動作である。
【0023】
コントローラ11は、シートポジションデータベース12から第1シートポジションPdにおけるリフト量、リクライニング角度、前後位置、オットマンの位置の値を読み出す。
コントローラ11は、シートポジション検出センサ14の検出値が、シートポジションデータベース12から読み出したこれらの値となるように車両用運転席シート1を駆動することにより、車両用運転席シート1を第1シートポジションPdに復帰させる。
【0024】
図2を参照する。車両制御装置20は、自車両の走行制御を行う電子制御ユニットである。車両制御装置20は、プロセッサと、記憶装置等の周辺部品とを含む。プロセッサは、例えばCPUや、これと等価なマイクロプロセッサであってよい。
記憶装置は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM及びRAM等のメモリを含んでよい。
なお、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路で車両制御装置20を実
現してもよい。例えば、車両制御装置20はFPGA等のPLD等を有していてもよい。
【0025】
車両制御装置20は、自車両の走行状態を手動運転モードと自動運転モードとの間で切り替える。
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲の記載において手動運転とは、自車両に搭載されるシステム(例えば車両制御装置20)による運転支援が全くない状態で乗員が自車両を運転する走行状態のほか、駆動、制動、操舵の少なくとも一つを制御する運転支援がある状態で、乗員が自車両を運転する走行状態を含む。
【0026】
自動運転モードにおいて車両制御装置20は、周囲センサ15により検出された自車両の周囲環境と、測位装置22により測定された自車両の現在位置と、地図データベース23に記憶されている地図データとに基づいて、自車両を走行させる走行経路を生成する。なお、図2において地図データベースを「地図DB」と表記する。
【0027】
例えば、車両制御装置20は、地図データ上の自車両の位置を特定し、自車両の位置を基準にして、周囲センサ15で検出した車線や地図データベース23から取得した車線に引かれるように走行経路を生成する。走行経路は、例えば車線内の中央を通るように生成されてもよい。
周囲センサ15は、自車両の周囲環境(周囲状況)を検出するセンサである。周囲センサ15は、例えばカメラ、レーダ及び通信機等であってよいが、周囲センサ15の種類や個数はこれに限定されない。
【0028】
周囲センサ15として使用されるカメラは、例えばCCDカメラ等であってよい。カメラは単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。
カメラは、自車両の周囲環境を撮像し、撮像画像から車両、歩行者又は自転車等の物体と自車両との相対位置、物体と自車両との距離、道路上の車線境界線(白線)や縁石等の道路構造等を自車両の周囲環境のデータとして検出し、検出された周囲環境のデータを車両制御装置20へ出力する。
【0029】
周囲センサ15として使用されるレーダは、例えばミリ波レーダや超音波レーダ、レーザレンジファインダ(LRF:Laser Range Finder)等であってよい。
レーダは、物体と自車両との相対位置、物体と自車両との距離、物体と自車両との相対速度等を自車両の周囲環境のデータとして検出し、検出された周囲環境のデータを車両制御装置20へ出力する。
【0030】
周囲センサ15として使用される通信機は、他車両との車車間通信、路側機との路車間通信、又は交通情報センタ等との通信等を行うことにより、自車両の周囲環境のデータを受信し、受信した周囲環境のデータを車両制御装置20へ出力する。
【0031】
測位装置22は、複数の航法衛星から電波を受信して自車両の現在位置を取得し、取得した自車両の現在位置を車両制御装置20へ出力する。測位装置22は、GPS(Global
Positioning System)受信機であってよく、GPS受信機以外の他の全地球型測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)受信機であってもよい。測位装置22は、慣性航法装置であってもよい。
【0032】
車両制御装置20は、車両状態センサ21が検出した自車両の車両状態に基づいて、生成した走行経路を自車両が走行するように車両制御アクチュエータ24の制御量を算出する。車両制御装置20は、算出した制御量を車両制御アクチュエータ24へ出力する。
車両状態センサ21は、自車両の現在位置及び走行状態を検出するセンサである。車両状態センサ21は、例えば車速センサ、加速度センサ及びジャイロセンサであってよいが
、車両状態センサ21の種類及び個数はこれに限定されない。
【0033】
車速センサは、自車両の車輪速に基づき車速を検出し、検出された車速を車両制御装置20に出力してよい。
加速度センサは、自車両の前後方向及び車幅方向等の加速度を検出し、検出された加速度を車両制御装置20にしてよい。
ジャイロセンサは、自車両の角速度を検出し、検出された角速度を車両制御装置20に出力してよい。
【0034】
車両制御アクチュエータ24は、車両制御装置20からの制御信号に応じて自車両の走行を制御する。車両制御アクチュエータ24は、例えば駆動アクチュエータ、ブレーキアクチュエータ及びステアリングアクチュエータであってよい。
【0035】
駆動アクチュエータは、例えば電子制御スロットルバルブであってよく、車両制御装置20からの制御信号に基づき自車両のアクセル開度を制御する。
ブレーキアクチュエータは、例えば油圧回路であってよく、車両制御装置20からの制御信号に基づき自車両のブレーキの制動動作を制御する。
ステアリングアクチュエータは、車両制御装置20からの制御信号に基づき自車両のステアリングを制御する。
【0036】
自動運転モードと手動運転モードとの間の切り替えは、例えば、乗員によるモード切替スイッチ25の操作によって行ってよい。モード切替スイッチ25の操作に基づく走行状態の切り替えは、乗員の意図に基づく走行状態の切り替えの一例である。
自動運転中に乗員による運転操作が行われる、いわゆるオーバーライド発生時に、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えてもよい。オーバーライドに基づく切り替えも乗員の意図に基づく走行状態の切り替えの一例である。
【0037】
また、自動運転モードから手動運転モードへ切り替える必要が発生した場合に、車両制御装置20は、乗員の意図と無関係に自動運転モードから手動運転モードへ切り替える(自動運転モードから手動運転モードへ復帰させる)。
このような乗員の意図と無関係な走行状態の切り替えは、自車両のシステム要請に基づく自動切り替えであり、乗員の意図と無関係に車両の自動運転から手動運転へと切り替える自動切り替えの一例である。
【0038】
例えば、自動運転による走行中に、自動運転が困難な高難度地点(例えば自動運転の難度が高い地点)へ自車両が近づくと、車両制御装置20は、乗員の意図と無関係に手動運転に切り替える。高難度地点の一例は、例えば渋滞している本線へ合流する合流地点である。
また、自車両の周囲状況や自車両の制御状態に対してステアリングホイール操作やブレーキ操作等の乗員による即時の操作介入(システムから乗員への権限委譲)の必要性が高い場合にも、車両制御装置20は、乗員の意図と無関係に手動運転に切り替える。
【0039】
例えば、自車両の前方に飛び出す歩行者や突然出現した落下物のようなリスクが自車両前方に存在したり、周囲センサ15、車両状態センサ21、車両制御装置20、車両制御アクチュエータ24の故障などにより自動運転制御が不能に陥り易い等といった、走行リスクが存在する状態では、乗員による即時の操作介入の必要性が高くなる。
また、周囲センサ15や車両状態センサ21の信頼度、尤度又はS/N比等が低くなっていたり、悪天候や交通渋滞等の車両周囲の状況により周囲センサ15の検出限界が低下している等といった、自動運転制御の制御余裕度が低下している状態でも、乗員による即時の操作介入の必要性が高くなる。
このように乗員による即時の操作介入の必要性が高い場合は、乗員が手動運転に再復帰する緊急度も高い。
【0040】
また、自動運転中の車両用運転席シート1のシートポジションから手動運転モード用の第1シートポジションPdへ戻すのに長時間を要する場合も、乗員が手動運転に再復帰する緊急度が高くなる。
例えば、自動運転中のシートバック1bのリクライニングの傾斜が大きい場合や、車両用運転席シート1の前後方向の後退量が大きい場合には、シートアクチュエータ13の駆動により第1シートポジションPdへ戻すのに長時間を要するため、乗員が手動運転に再復帰する緊急度が高くなる。
【0041】
これらのように緊急度が高い状態で、システム要請による手動運転モードへの切り替えが発生した場合には、周囲状況に対する運転者の視認性を早期に確保することが好ましい。
特に、緊急度が高い状態では自車両前方の近場の状況を確認する必要があるため、ダッシュボード4越しに車外の景色を視認できる視野を確保することが好ましい。
以下、ダッシュボード4越しに車外の景色を視認できる視野の下限を「下方視野角」と表記する。
【0042】
図3を参照する。参照符号φは、車両用運転席シート1が第1シートポジションPdにあるときの下方視野角を示している。下方視野角φは、水平面と仮想直線Sとがなす角として定義できる。
仮想直線Sは、車両用運転席シート1が第1シートポジションPdにあるときにダッシュボード4越しに車外の景色を視認できる視野の下限を示す線である。図3では、仮想直線Sを乗員の視点よりも後方に延長している。
自車両前方の近場の状況を確認するには、第1シートポジションPdにあるときの下方視野角φと同等の下方視野角を実現することが好ましい。以下、第1シートポジションPdにあるときの下方視野角φを単に「下方視野角φ」と表記する。
【0043】
しかしながら、車両用運転席シート1を単純に第2シートポジションPaから第1シートポジションPdへ復帰させると、以下の理由により、第1シートポジションPdに到達するまで下方視野角φと同等の下方視野角を実現することは難しい。
すなわち、第2シートポジションPaは、前後位置が第1シートポジションPdよりも後退し、リクライニング角度が第1シートポジションPdよりも後方に傾斜している。また、上下位置が第1シートポジションPdよりも低くなっている。
このため、単純に第2シートポジションPaから第1シートポジションPdへ復帰させても、第2シートポジションPaから第1シートポジションPdへ復帰する途中の中間ポジションPiでは、常に乗員の視点が仮想直線Sより低くなる。
【0044】
図4は、シートポジション復帰動作におけるリクライニング角度、リフト量、及び車両用運転席シート1の上端高さの時間変化の一例を概念的に示すグラフである。
直線30はリクライニング角度を示し、直線31はリフト駆動装置13bにより車両用運転席シート1を上昇させるリフト量を示し、直線32は車両用運転席シート1の上端高さを示す。
【0045】
なお、図4のリクライニング角度は、シートバック1bと水平面とのなす角度であり、小さくなるほど後方への傾斜が大きくなる。図6A図6Cも同様である。
また、値θd、Ld、Hdは、それぞれ第1シートポジションPdにおけるリクライニング角度、リフト量、上端高さを示す。
車両用運転席シート1の上端高さは、リフト量とリクライニング角度により定まる。
図4に示すように、リクライニング角度及びリフト量が値θd及びLdに到達するまで、車両用運転席シート1の上端高さは、第1シートポジションPdにおける高さHdまで戻らない。
【0046】
ここで、乗員の視点は車両用運転席シート1の上端付近に位置することから、車両用運転席シート1の上端高さが高さHdまで戻るまでは、乗員の視点の高さが第1シートポジションPdにおける視点の高さよりも低くなることが分かる。すなわち、乗員の視点が仮想直線Sよりも下方に位置することが分かる。
さらに、図3に示すように仮想直線Sは前方斜め下に傾いている。このため、第1シートポジションPdの後方にある中間ポジションPiの位置では、仮想直線Sがより高い位置を通過することなり、ますます乗員の視点が仮想直線Sよりも低くなる。
【0047】
このように、図3のように単純にシートポジションを復帰させた場合には、車両用運転席シート1が第1シートポジションPdに到達するまで、乗員の視点が仮想直線Sよりも下方に位置する。
このため、車両用運転席シート1が第1シートポジションPdに到達するまで下方視野角φと同等の下方視野角を達成できない。
【0048】
図5を参照する。これに対して本実施形態のシートポジション調整装置10は、車両用運転席シート1を第2シートポジションPaから第1シートポジションPdへ復帰させる途中で車両用運転席シート1を上昇させることにより、乗員の視点を仮想直線Sの高さまで上昇させる。
例えば、図2に示すコントローラ11は、緊急度が高い状態でシステム要請による手動運転モードへの切り替えが発生した場合には、車両用運転席シート1を第2シートポジションPaから第1シートポジションPdへ復帰させる途中で、リフト駆動装置13bにより車両用運転席シート1を第1シートポジションPdの上下位置よりも高い位置へ上昇させる上昇動作を行う。
【0049】
このように車両用運転席シート1を上昇させることにより、中間ポジションPiにおける乗員の視点を、仮想直線Sの高さと同じ或いは仮想直線Sより高い位置にすることが可能になる。
これにより、車両用運転席シート1が第1シートポジションPdまで戻るより早い時点で下方視野角φと同等の下方視野角を達成できる。
以下、車両用運転席シート1を第2シートポジションPaから第1シートポジションPdへ復帰させる途中で、リフト駆動装置13bにより車両用運転席シート1を第1シートポジションPdの上下位置よりも高い位置へ上昇させる動作を「一時上昇動作」と表記する。
【0050】
図6A〜6Cは、一時上昇動作を伴うシートポジション復帰動作の様々な例におけるリクライニング角度、リフト量、及び車両用運転席シート1の上端高さの時間変化の一例を概念的に示すグラフである。
直線30はリクライニング角度を示し、直線31はリフト駆動装置13bにより車両用運転席シート1を上昇させるリフト量を示し、直線32は車両用運転席シート1の上端高さを示す。
また、値θd、Ld、Hdは、それぞれ第1シートポジションPdにおけるリクライニング角度、リフト量、上端高さを示す。値Liは中間ポジションPiにおけるリフト量を示す。
【0051】
図6Aを参照する。時刻t1〜時刻t2までの期間にコントローラ11が一時上昇動作を行うと、中間ポジションPiにおけるリフト量Liが第1シートポジションPdにおけ
るリフト量Ldよりも大きくなる。これによって中間ポジションPiにおける車両用運転席シート1の上端位置Hiは、第1シートポジションPdにおける上端位置Hdの高さよりも高くなる。
これにより乗員の視点を仮想直線Sの高さまで上昇させることが可能になり、第1シートポジションPdに至る時刻t3より早い時刻t2で下方視野角φと同等の下方視野角が得られる。
【0052】
例えばコントローラ11は、自動運転中の車両用運転席シート1のシートポジションに応じて、乗員が手動運転に再復帰する緊急度が高いか否か(すなわち乗員が手動運転に再復帰するのに緊急を要するか否か)を判定する。
例えばコントローラ11は、シートバック1bのリクライニングの傾斜が所定値(例:35度)以上であり、第1シートポジションPdからの車両用運転席シート1の前後方向の後退量が所定値(例50mm)以上の場合に緊急度が高いと判定してよい。
【0053】
乗員が手動運転に再復帰する緊急度が高くない場合には、コントローラ11は、一時上昇動作を行わずに、例えば図3に示すように車両用運転席シート1を第1シートポジションPdへ復帰させる。
一方で、乗員が手動運転に再復帰する緊急度が高い場合に、コントローラ11は、例えば、図6Aに示すように、車両用運転席シート1を第2シートポジションPaから第1シートポジションPdへ復帰させる途中で一時上昇動作を行う。
なお、乗員により自動運転から手動運転へと切り替える場合(例えば、モード切替スイッチ25の操作により手動運転へと切り替える場合)には、予め周囲状況を視認していることが考えられる。この場合には、一時上昇動作の必要がないため一時上昇動作を抑制してもよい。これにより、一時上昇動作により乗員が受ける違和感を防止できる。
【0054】
図2を参照する。例えばコントローラ11は、乗員が緊急復帰スイッチ16を操作した時に、乗員が手動運転に再復帰する緊急度が高いと判定してもよい。この場合、コントローラ11は、車両用運転席シート1を第1シートポジションPdへ復帰させる。その際に、第2シートポジションPaから第1シートポジションPdへ復帰させる途中で一時上昇動作を行う。
【0055】
図6Aを参照する。一時上昇動作は、車両用運転席シート1を第1シートポジションPdへ復帰させる他の動作、例えばリクライニング復帰動作やスライド復帰動作と同時並行で行ってよい。
すなわち、一時上昇動作を行う期間(t1〜t2)は、リクライニング復帰動作を行う期間(t1〜t3)や、スライド復帰動作を行う期間と重複してよい。
一時上昇動作を、リクライニング復帰動作やスライド復帰動作と同時並行で行うことにより、より早く乗員の視点を仮想直線Sの高さまで上昇させることができる。このため、下方視野角φと同等の下方視野角をより早く達成できる。例えばコントローラ11は、図6Aに示すように一時上昇動作の開始と同時にリクライニング復帰動作を開始してよい。
【0056】
図6Bを参照する。コントローラ11は、リクライニング復帰動作の開始よりも遅れて、一時上昇動作を開始してもよい。図6Bの例では、リクライニング復帰動作の開始よりも遅延時間Dだけ遅れて一時上昇動作を開始している。
このように車両用運転席シート1を上昇させる一時上昇動作を、リクライニング復帰動作の途中で開始することにより、一時上昇動作により乗員が受ける違和感を軽減できる。
【0057】
一方で、一時上昇動作の開始を遅らせると下方視野角φと同等の下方視野角が得られる時刻が遅れることになる。
このため、コントローラ11は緊急度に応じて一時上昇動作を遅らせるか否かを判定し
てもよい。
例えば、コントローラ11は、周囲センサ15の検出信号やシステムの自己診断信号などに基づいて緊急度を算出してよい。
【0058】
例えば、コントローラ11は、自車両前方にリスクが存在したり自動運転制御が不能に陥り易い等といった走行リスクが存在する場合に、緊急度が最高値「R3」であると判断する。
また、周囲センサ15などの信頼度、尤度又はS/N比等が低くなっていたり、悪天候や交通渋滞等の車両周囲の状況により周囲センサ15の検出限界が低下している等といった、自動運転制御の制御余裕度が低下している場合に、緊急度が中間値「R2」であると判断する。
また、走行リスクが存在せず制御余裕度が低下していない場合に緊急度が最低値「R1」であると判断する。
【0059】
緊急度が最低値「R1」である場合には、例えばコントローラ11は、乗員が手動運転に再復帰するのに緊急を要しないと判定する。この場合にコントローラ11は、一時上昇動作を行わずに、例えば図3に示すように車両用運転席シート1を第1シートポジションPdへ復帰させる。
緊急度が中間値「R2」または最高値「R3」である場合には、コントローラ11は乗員が手動運転に再復帰するのに緊急を要すると判定する。
【0060】
緊急度が中間値「R2」である場合には、例えばコントローラ11は、図6Bに示すように一時上昇動作の開始をリクライニング復帰動作の開始よりも遅らせる。これにより、一時上昇動作により乗員が受ける違和感を軽減する。
緊急度が最高値「R3」である場合には、例えばコントローラ11は、図6Aに示すように、リクライニング復帰動作の開始と同時に一時上昇動作を開始する。これにより、下方視野角φと同等の下方視野角を早期に実現するとともに、一時上昇動作による違和感を発生させて乗員の注意を喚起できる。
また、例えばコントローラ11は、緊急度に応じて遅延時間Dを変化させてもよい。例えばコントローラ11は、緊急度が高いほど遅延時間Dを短くしてよい。また、緊急度が低いほど遅延時間Dを長くしてよい。遅延時間Dが長いほど一時上昇動作の違和感をより軽減できる。
【0061】
また、例えばコントローラ11は、一時上昇動作の開始よりも遅れてリクライニング復帰動作を開始してもよい。これにより、一時上昇動作による違和感を発生させて乗員の注意を喚起できる。
例えば、緊急度が中間値「R2」である場合にはコントローラ11はリクライニング復帰動作の開始と同時に一時上昇動作を開始し、緊急度が最高値「R3」である場合にはリクライニング復帰動作の開始を一時上昇動作の開始よりも遅らせてよい。
また、例えばコントローラ11は、一時上昇動作の開始からリクライニング復帰動作開始までの遅れ時間を緊急度に応じて変化させてもよい。例えばコントローラ11は緊急度が高いほど遅延時間Dを長くしてよい。
また、例えば緊急度が中間値「R2」である場合には一時上昇動作の開始の開始をリクライニング復帰動作よりも遅らせ、緊急度が最高値「R3」である場合にはリクライニング復帰動作の開始を一時上昇動作の開始よりも遅らせてよい。
【0062】
図6Cを参照する。例えばコントローラ11は一時上昇動作による車両用運転席シート1の上昇速度を緊急度に応じて変化させてもよい。図6Cにおける一時上昇動作の上昇速度は、図6Aにおける一時上昇動作の上昇速度よりも遅い。
一時上昇動作の上昇速度を下げることにより、一時上昇動作により乗員が受ける違和感
を軽減できる。
【0063】
一方で、一時上昇動作の上昇速度を下げると、下方視野角φと同等の下方視野角が得られる時刻が遅れることになる。
したがって、例えば、コントローラ11は緊急度が高いほど一時上昇動作の上昇速度を早くする。
例えばコントローラ11は、緊急度が最高値「R3」である場合の上昇速度を、緊急度が中間値「R2」である場合の上昇速度よりも早くしてよい。
【0064】
図6Aを参照する。車両用運転席シート1が中間ポジションPiに到達した後の時刻t2〜t3の期間で、コントローラ11は、リフト駆動装置13bによるリフト量を第1シートポジションPdにおけるリフト量Ldまで戻す「下降動作」を行う。これにより、車両用運転席シート1を第1シートポジションPdの上下位置へ降ろす。
【0065】
一時上昇動作を行った場合には、車両用運転席シート1が上昇した状態でスライド駆動装置13aが車両用運転席シート1を前進させると、例えば運転者の下肢が内装やステアリングホイール等に干渉するおそれがある。
このため、例えばコントローラ11は、スライド駆動装置13aにより位置決めされる車両用運転席シート1の前後位置が所定範囲にあるタイミングで下降動作を開始してよい。
同様の理由によりコントローラ11は、オットマン駆動装置13dによるオットマン復帰動作を開始してから、スライド駆動装置13aによるスライド復帰動作を開始するようにしてもよい。
【0066】
(動作例1)
次に、実施形態のシートポジション調整方法を説明する。図7を参照する。
ステップS1においてコントローラ11は、車両制御装置20が自車両の走行状態を手動運転モードから自動運転モードへ切り替えたか否かを判定する。自車両の走行状態を手動運転モードから自動運転モードへ切り替えた場合(S1:Y)に処理はステップS2へ進む。場合(S1:N)に処理はステップS1へ戻る。
【0067】
ステップS2においてコントローラ11は、手動運転モードから自動運転モードへ切り替えが乗員の操作による切り替えであるか否かを判定する。乗員の操作による切り替えである場合(S2:Y)に処理はステップS6へ進む。システム要請に基づく自動切り替えである場合(S2:N)に処理はステップS3へ進む。
ステップS3においてコントローラ11は、乗員が手動運転に再復帰する緊急度を決定する。
【0068】
ステップS4においてコントローラ11は、緊急度が最低値「R1」であるか否か(すなわち乗員が手動運転に再復帰するのに緊急を要するか否か)を判定する。緊急度が最低値「R1」である場合(S4:Y)に、コントローラ11は乗員が手動運転に再復帰するのに緊急を要しないと判断して処理はステップS6へ進める。緊急度が最低値「R1」でない場合、すなわち緊急度が最高値「R3」か中間値「R2」の場合(S3:N)に、コントローラ11は緊急を要すると判断して処理をステップS5へ進める。
【0069】
ステップS5においてコントローラ11は、車両用運転席シート1を第1シートポジションPdへ復帰させる際のシートアクチュエータ13の動作速度を比較的早い速度に設定する。その後に処理はステップS7へ進む。
一方で、ステップS6においてコントローラ11は、車両用運転席シート1を第1シートポジションPdへ復帰させる際のシートアクチュエータ13の動作速度を比較的遅い速
度に設定する。その後に処理はステップS10へ進む。
【0070】
ステップS7においてコントローラ11は、車両用運転席シート1の上下位置が設定されうる最低位置と、自動運転中の上下位置と、の差が所定値Ht以下であるか否かを判定する。自動運転中の上下位置と最低位置との差が所定値Ht以下の場合に(S7:Y)に処理はステップS8へ進む。
自動運転中の上下位置と最低位置との差が所定値Htより大きいので(すなわち車両用運転席シート1の位置が比較的高いので)一時上昇動作が不要の場合(S7:N)には処理はステップS10へ進む。
【0071】
ステップS8においてコントローラ11は、リクライニング復帰動作と一時上昇動作を行う。例えばコントローラ11は、一時上昇動作の開始と同時にリクライニング復帰動作を開始してよい。
リクライニング復帰動作と一時上昇動作が完了すると、ステップS9においてコントローラ11は車両用運転席シート1を第1シートポジションPdの上下位置へ降ろす下降動作とスライド復帰動作とを行う。その後に処理は終了する。
【0072】
一方で、ステップS10においてコントローラ11はリクライニング復帰動作を行う。リクライニング復帰動作が完了すると、ステップS11においてコントローラ11はスライド復帰動作とリフト復帰動作を行う。その後に処理は終了する。
なお、図7の例では、ステップS8においてリクライニング復帰動作を行った後にステップS9でスライド復帰動作を行い、ステップS10においてリクライニング復帰動作を行った後にステップS11でスライド復帰動作を行っている。すなわち、スライド復帰動作をリクライニング復帰動作の後に行っている。
【0073】
スライド復帰動作は車両用運転席シート1の前進を伴うため、内装やステアリングホイールなどとの乗員の下肢との干渉を生じるおそれがある。
スライド復帰動作を他の復帰動作よりも遅らせることにより、このような干渉を低減することができる。
【0074】
(動作例2)
ステップS20〜S26の動作は、図7に示すステップS1〜S7の動作と同様である。
自動運転中の車両用運転席シート1の上下位置と最低位置との差が所定値Ht以下の場合に(S26:Y)に処理はステップS27へ進む。自動運転中の車両用運転席シート1の上下位置と最低位置との差が所定値Htより大きい場合(S26:N)には処理はステップS31へ進む。
【0075】
ステップS27においてコントローラ11は、緊急度が最高値「R3」であるか否かを判定する。緊急度が最高値「R3」である場合(S27:Y)に、処理はステップS28へ進む。緊急度が最高値「R3」でなく中間値「R2」である場合(S27:N)に、処理はステップS29へ進む。
ステップS28においてコントローラ11は、リクライニング復帰動作と一時上昇動作を行う。このときコントローラ11は、一時上昇動作の開始と同時にリクライニング復帰動作を開始してよい。その後に処理はステップS30へ進む。
【0076】
ステップS29においてコントローラ11は、リクライニング復帰動作と一時上昇動作を行う。このときコントローラ11は、リクライニング復帰動作の開始よりも後に一時上昇動作を行う。その後に処理はステップS30へ進む。
ステップS30〜S32の動作は、図7に示すステップS9〜S11の動作と同様であ
る。
【0077】
(動作例3)
ステップS40〜S47の動作は、図8に示すステップS20〜S27の動作と同様である。
緊急度が最高値「R3」である場合(S47:Y)に、処理はステップS48へ進む。緊急度が最高値「R3」でなく中間値「R2」である場合(S47:N)に、処理はステップS49へ進む。
【0078】
ステップS48においてコントローラ11は、一時上昇動作の上昇速度として比較的早い速度を設定する。その後に処理はステップS50へ進む。
ステップS49においてコントローラ11は、一時上昇動作の上昇速度として比較的遅い速度を設定する。その後に処理はステップS50へ進む。
【0079】
ステップS50においてコントローラ11は、リクライニング復帰動作と一時上昇動作を行う。このときコントローラ11は、ステップS48又はS49で設定した上昇速度で一時上昇動作を行う。
ステップS51〜S53の動作は、図8に示すステップS30〜S32の動作と同様である。
【0080】
(実施形態の効果)
(1)シートポジションデータベース12には、乗員による手動運転に適した第1シートポジションPdを記憶される。コントローラ11は、車両の走行状態が自動運転から手動運転へと切り替わるか否かを判定する。
車両の走行状態が自動運転から手動運転へと切り替わる場合、コントローラ11は、車両用運転席シート1を自動運転時の第2シートポジションPaから第1シートポジションPdへ復帰させる途中で、リフト駆動装置13bにより車両用運転席シート1を第1シートポジションPdの上下位置よりも高い位置へ上昇させる上昇動作を行う。
【0081】
これにより、乗員の視点を早期に上昇させることが可能になり、車両用運転席シート1が第1シートポジションPdに至るより早く、第1シートポジションPdにおける下方視野角φと同等の下方視野角が得ることができる。
このため、自動運転から手動運転へ切り替えの際に、シートポジションを変更することにより周囲状況に対する運転者の視認性が早期に向上できる。
【0082】
(2)上昇動作を行う期間は、リクライニング駆動装置13cにより車両用運転席シート1を第1シートポジションPdのリクライニング位置へ復帰させるリクライニング復帰動作を行う期間と重複してよい。
一時上昇動作とリクライニング復帰動作を同時並行で行うことにより、より早く乗員の視点を上昇させることができる。このため、下方視野角φと同等の下方視野角をより早く達成できる。
【0083】
(3)コントローラ11は、リクライニング復帰動作の開始と同時に上昇動作を開始してよい。これにより、より早く乗員の視点を上昇させることができる。このため、下方視野角φと同等の下方視野角をより早く達成できる。
(4)コントローラ11は、リクライニング復帰動作の開始よりも遅れて、上昇動作を開始してよい。これにより、一時上昇動作により乗員が受ける違和感を軽減できる。
【0084】
(5)コントローラ11は、リクライニング復帰動作の開始よりも先に、上昇動作を開始してよい。これにより、より早く乗員の視点を上昇させることができるとともに、一時上
昇動作により乗員に違和感を生じさせて乗員の注意を喚起できる。
(6)コントローラ11は、上昇動作の後に、リフト駆動装置13bにより車両用運転席シート1を第1シートポジションPdの上下位置へ降ろす下降動作を行ってよい。下降動作に伴って乗員の下肢は下方に移動するため、下肢の移動方向をブレーキペダルの踏み込み動作の方向に近づけることができる。このため、緊急時の制動操作がしやすくなる。
【0085】
(7)コントローラ11は、スライド駆動装置13aによって位置決めされた車両用運転席シート1の前後位置が所定範囲にあるタイミングで下降動作を開始してよい。これにより、車両用運転席シート1が上昇したまま車両用運転席シート1が前進しすぎることを防止できる。このため、乗員の下肢が内装やステアリングホイールと干渉するのを防止できる。
【0086】
(8)コントローラ11は、オットマン1cを第1シートポジションPdのオットマンの位置へ移動させるオットマン復帰動作を開始してから、スライド駆動装置13aによって車両用運転席シート1を第1シートポジションPdの前後位置へ復帰させてよい。これにより、オットマン1cに載せた乗員の下肢が内装やステアリングホイールと干渉するのを防止できる。
【0087】
(9)コントローラ11は、乗員が手動運転へ復帰する緊急度を決定し、緊急度に応じて上昇動作における上昇速度を変更してよい。これにより、緊急度に応じて乗員の視点をより早く上昇させて、下方視野角φと同等の下方視野角をより早く達成することができる。また、緊急度に応じて、上昇動作による違和感を低減したり、逆に違和感を発生させて乗員の注意を喚起できる。
【0088】
(10)コントローラ11は、乗員が手動運転へ復帰するのに緊急を要するか否かを判断し、乗員が手動運転へ復帰するのに緊急を要する場合に上昇動作を行ってよい。これにより緊急を要する場合に乗員の視点をより早く上昇させて、下方視野角φと同等の下方視野角をより早く達成することができる。
【0089】
(11)コントローラ11は、自動運転時の車両用運転席シート1のシートポジションに応じて、乗員が手動運転へ復帰するのに緊急を要するか否かを判断する。
これにより、車両用運転席シート1を手動運転モード用の第1シートポジションPdへ戻すのに長時間を要する場合に、乗員の視点をより早く上昇させて、下方視野角φと同等の下方視野角をより早く達成することができる。
【0090】
(12)コントローラ11は、乗員により自動運転から手動運転へと切り替える場合には上昇動作を抑制する。
乗員が自らの意思で手動運転への切り替え操作を行う場合、予め周囲状況を視認していることが考えられる。このような場合には、乗員による切り替え時に上昇動作を抑制することにより、不要な上昇動作による違和感を防止できる。
【符号の説明】
【0091】
1…車両用運転席シート,1a…シートクッション,1b…シートバック,1c…オットマン,1d…ヘッドレスト,4…ダッシュボード,10…シートポジション調整装置,11…コントローラ,11a…プロセッサ,11b…記憶装置,12…シートポジションデータベース,13…シートアクチュエータ,13a…スライド駆動装置,13b…リフト駆動装置,13c…リクライニング駆動装置,13d…オットマン駆動装置,14…シートポジション検出センサ,14a…スライド位置検出センサ,14b…リフト位置検出センサ,14c…リクライニング角度検出センサ,14d…オットマン位置検出センサ,15…周囲センサ,16…緊急復帰スイッチ,20…車両制御装置,
21…車両状態センサ,22…測位装置,23…地図データベース,24…車両制御アクチュエータ,25…モード切替スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9