特開2019-217812(P2019-217812A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マツダ株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000003
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000004
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000005
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000006
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000007
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000008
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000009
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000010
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000011
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000012
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000013
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000014
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000015
  • 特開2019217812-下部車体構造 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-217812(P2019-217812A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】下部車体構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20191129BHJP
【FI】
   B62D25/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-114723(P2018-114723)
(22)【出願日】2018年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100197561
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 三喜男
(72)【発明者】
【氏名】棗 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】影山 和宏
(72)【発明者】
【氏名】数面 宏昭
(72)【発明者】
【氏名】桑野 祐希
(72)【発明者】
【氏名】岩田 強志
(72)【発明者】
【氏名】戎本 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】松岡 秀典
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BB04
3D203BB08
3D203BB12
3D203BB13
3D203BB20
3D203BB22
3D203BB35
3D203CA04
3D203CA52
3D203CA54
3D203CA68
3D203CA69
3D203CA73
3D203CA75
3D203CB03
3D203CB09
3D203DA11
3D203DA53
(57)【要約】
【課題】車体剛性を向上する下部車体構造を提供する。
【解決手段】下部車体構造は、底面部3と、車両上方側に膨出して車両前後方向に延びるフロアトンネル50とを有する車体フロア2と、フロアトンネル50の車幅方向両側に延びたフロアクロスメンバ14と、車両前後方向においてフロアクロスメンバ14と重複するように配置され、車幅方向に延びて、車体フロア2及びフロアクロスメンバ14のうちの少なくとも一方に対して複数の固定位置P1,P2,P3,P4で固定された連結部材70とを備える。複数の固定位置P1,P2,P3,P4は、車両上下方向において、フロアクロスメンバ14の高さ範囲内の互いに異なる複数の高さ位置に配置されている。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部と、車両上方側に膨出して車両前後方向に延びるフロアトンネルとを有する車体フロアと、
前記フロアトンネルの車幅方向両側に延びたフロアクロスメンバと、
車両前後方向において前記フロアクロスメンバと重複するように配置され、車幅方向に延びて、前記車体フロア及び前記フロアクロスメンバのうちの少なくとも一方に対して複数の固定位置で固定された連結部材と
を備える下部車体構造であって、
前記複数の固定位置は、車両上下方向において、前記フロアクロスメンバの高さ範囲内の互いに異なる複数の高さ位置に配置されている、下部車体構造。
【請求項2】
前記車体フロアは、車幅方向において前記底面部から前記フロアトンネル側に向かって車両上方側に段上げされた上段部を備え、
前記複数の固定位置のうちの少なくとも1つは、前記上段部に設定されている、請求項1に記載の下部車体構造。
【請求項3】
前記フロアクロスメンバは、上面部を備え、
前記複数の固定位置のうちの少なくとも1つは、前記フロアクロスメンバの前記上面部と、車両上下方向において、同じ高さ位置に設定されている、請求項2に記載の下部車体構造。
【請求項4】
前記フロアトンネルの前記上段部に取り付けられ、前記フロアトンネルに沿って車両前後方向に延びる補強部材を備え、
前記補強部材は、車両前後方向に直交する断面において、前記上段部との間に閉断面を形成し、
前記複数の固定位置のうちの少なくとも1つは、前記補強部材に設定されている、請求項2又は3に記載の下部車体構造。
【請求項5】
前記連結部材は、車幅方向の両端部において、車両前後方向に並んだ3つの固定位置で前記車体フロアに固定されており、
前記3つの固定位置のうち中央の固定位置は、前記上段部に設定されており、
前記3つの固定位置のうち他の2つの固定位置は、前記補強部材に設定されている、請求項4に記載の下部車体構造。
【請求項6】
前記フロアトンネル内に配設された動力伝達機構を備え、
前記連結部材は、前記動力伝達機構を車両下方側から支持するマウントメンバである、請求項1から5のいずれか1項に記載の下部車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
FR(フロントエンジン・リヤドライブ)式及び4WD(四輪駆動)式の自動車などの車両において、駆動源から駆動輪への動力伝達経路には、車両前後方向に延びるプロペラシャフトが設けられることがある。プロペラシャフトは、通例、車体フロアの車幅方向中央部に設けられたフロアトンネル内に配設される。また、例えば、所謂縦置き式のパワートレインが搭載された車両では、フロアトンネル内に変速機の少なくとも一部が配設されることもある。
【0003】
また、車体フロアの上面には、車体剛性の向上等のために、車幅方向に延びるフロアクロスメンバが設けられることがある。上記のフロアトンネルを有する車体において、フロアクロスメンバは、フロアトンネルを挟んで左右に分断されて設けられることになる。
【0004】
特許文献1に開示されているように、フロアトンネル内に配設されたプロペラシャフト及び変速機などの動力伝達機構は、その下方に配置されたマウントメンバによって支持されることがある。
【0005】
特許文献1に開示された車体構造において、マウントメンバの車幅方向両端部は、フロアトンネル内においてプロペラシャフトを上側から跨ぐように配設された補強部材(トンネルクロスメンバ)を介して、フロアトンネルの下面に固定されている。特許文献1の車体構造では、フロアトンネルによって分断された左右のフロアクロスメンバが、マウントメンバ及び補強部材を介して相互に連結されており、これにより、より効果的な車体剛性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−154731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の車体構造では、マウントメンバは、フロアトンネルの下面に固定されているが、このような構造でも車体剛性の低下を抑制するためには不十分であり、改善の余地がある。
【0008】
本発明は、車体剛性を向上する下部車体構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の請求項1に記載の発明は、底面部と、車両上方側に膨出して車両前後方向に延びるフロアトンネルとを有する車体フロアと、前記フロアトンネルの車幅方向両側に延びたフロアクロスメンバと、車両前後方向において前記フロアクロスメンバと重複するように配置され、車幅方向に延びて、前記車体フロア及び前記フロアクロスメンバのうちの少なくとも一方に対して複数の固定位置で固定された連結部材とを備える下部車体構造であって、前記複数の固定位置は、車両上下方向において、前記フロアクロスメンバの高さ範囲内の互いに異なる複数の高さ位置に配置されている、下部車体構造を提供する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記車体フロアは、車幅方向において前記底面部から前記フロアトンネル側に向かって車両上方側に段上げされた上段部を備え、前記複数の固定位置のうちの少なくとも1つは、前記上段部に設定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記フロアクロスメンバは、上面部を備え、前記複数の固定位置のうちの少なくとも1つは、前記フロアクロスメンバの前記上面部と、車両上下方向において、同じ高さ位置に設定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記フロアトンネルの前記上段部に取り付けられ、前記フロアトンネルに沿って車両前後方向に延びる補強部材を備え、前記補強部材は、車両前後方向に直交する断面において、前記上段部との間に閉断面を形成し、前記複数の固定位置のうちの少なくとも1つは、前記補強部材に設定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、前記連結部材は、車幅方向の両端部において、車両前後方向に並んだ3つの固定位置で前記車体フロアに固定されており、前記3つの固定位置のうち中央の固定位置は、前記上段部に設定されており、前記3つの固定位置のうち他の2つの固定位置は、前記補強部材に設定されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記請求項1から5のいずれか1項に記載の発明において、前記フロアトンネル内に配設された動力伝達機構を備え、前記連結部材は、前記動力伝達機構を車両下方側から支持するマウントメンバであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、連結部材が車両前後方向においてフロアクロスメンバと重複するように配置されており、フロアトンネルを挟んだ車幅方向両側の車体フロア又はフロアクロスメンバの間を連結しているため、フロアトンネルによって車幅方向両側のフロアクロスメンバが分断されることによる車体剛性の低下を抑制できる。
【0016】
また、連結部材が複数の固定位置で車体フロア又はフロアクロスメンバに固定されており、複数の固定位置は、フロアクロスメンバの高さ範囲内の車両上下方向において互いに異なる高さ位置に配置されている。このため、複数の固定位置が車両上下方向において同じ高さ位置に配置される場合と比較して、連結部材を厚くし易くなり、フロアトンネルによって車幅方向両側のフロアクロスメンバが分断されることによる車体剛性の低下を効果的に抑制できる。
【0017】
また、複数の固定位置が互いに異なる複数の高さ位置に配置されているため、複数の固定位置が車両上下方向において同じ高さ位置に配置される場合と比較して、連結部材の車両前後方向のねじりに対する剛性の向上が図れる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、車体フロアとフロアトンネルとの間に段上げされた上段部が設けられているため、車体フロアとフロアトンネルとの間の境界部における剛性の向上を図ることができる。また、この上段部に連結部材が固定されているため、車体剛性の向上が図れる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、連結部材の車体フロアに対する固定位置と、フロアクロスメンバの上面部とが同じ高さ位置に配置されているので、連結部材とフロアクロスメンバの上面に形成される稜線との間において効果的な荷重伝達が図れる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、補強部材によって閉断面が形成されており、固定位置のうちの少なくとも1つが補強部材に設定されているため、連結部材と車体フロアとの固定構造をより強固にできる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、車両前後方向の中央の固定位置が補強部材に設定され、他の2つの固定位置が上段部に設定されている場合と比較して、補強部材を車両前後方向に伸ばすことができ、車体剛性を向上できる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、動力伝達機構からマウントメンバに入力される荷重をフロアクロスメンバに効果的に伝達できる。また、マウントメンバによって、車体剛性を向上でき、車体剛性を向上するための別部材を設ける必要がないため、部品点数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る下部車体構造を示す斜視図である。
図2】実施形態に係る下部車体構造を示す平面図である。
図3】実施形態に係る下部車体構造を示す底面図である。
図4図2のA−A線に沿った断面図である。
図5図4の一部拡大断面図である。
図6図2のB−B線に沿った断面図である。
図7図6の一部拡大断面図である。
図8】実施形態に係るマウントメンバの斜視図である。
図9】実施形態に係るマウントメンバの側面図である。
図10】実施形態に係るマウントメンバの周辺を示す斜視図である。
図11】実施形態に係るマウントメンバの周辺を示す分解斜視図である。
図12】実施形態に係るシートレール周辺を示す平面図である。
図13】実施形態の変形例に係る図5と同様の一部拡大断面図である。
図14】実施形態の変形例に係る図7と同様の一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る下部車体構造を説明する。
【0025】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る下部車体構造を示す斜視図である。図2は、下部車体構造を示す平面図である。図3は、下部車体構造を示す底面図である。以下の説明において、本実施形態に係る下部車体構造を備える自動車1の車幅方向、車両前後方向、及び車両上下方向を、それぞれX方向、Y方向、Z方向という場合がある。
【0026】
図1を参照すると、本実施形態に係る下部車体構造を備えた自動車1は、車室内空間の床面を構成する車体フロア2と、車体フロア2のX方向の両側部に沿ってY方向に延びる一対のサイドシル4と、車体フロア2の前方に配設されたダッシュパネル10とを備える。
【0027】
各サイドシル4は、Y方向に直交する断面においてX方向の外側に開放したハット状の断面形状を有するサイドシルインナ5と、Y方向に直交する断面においてX方向の内側に開放したハット状の断面形状を有するサイドシルアウタ(図示せず)とを備えている。サイドシルインナ5と前記サイドシルアウタは、Y方向に連続する閉断面を形成するように相互に接合されている。
【0028】
自動車1は、左右のサイドシル4の各前端部から立ち上がってZ方向に延びる一対のヒンジピラー11を更に備え、一対のヒンジピラー11間にダッシュパネル10が架設されている。このダッシュパネル10によって、車室内空間とエンジンルームがY方向に仕切られている。
【0029】
車体フロア2は、底面部3と、底面部3からZ方向の上方に膨出してY方向に延びるフロアトンネル50とを備えている。フロアトンネル50は、車体フロア2のX方向中央部においてY方向に延びるように設けられている。Y方向から見たフロアトンネル50の断面形状は、Z方向の下方に開放したU字状である。
【0030】
フロアトンネル50の上面部には、シフトレバー(図示せず)を通すための開口部50aが設けられている。フロアトンネル50の上面部におけるX方向の両側部には、Y方向に延びる補強部材8がそれぞれ例えば溶接によって接合されており、これにより、フロアトンネル50の剛性が高められている。
【0031】
車体フロア2の底面部3には、Y方向に延びる左右一対のフロアフレーム12が接合されている。各フロアフレーム12は、X方向において、フロアトンネル50とサイドシル4との間に配置されている。言い換えれば、各フロアフレーム12は、サイドシル4よりもX方向の内側に配置されている。フロアフレーム12は、X方向に延びるトルクボックス22(図3に示す)を介して、サイドシル4の前端部に連結されている。
【0032】
フロアフレーム12は、例えば溶接によって車体フロア2の上面に接合されたアッパフレームメンバ61と、例えば溶接によって車体フロア2の下面に接合されたロアフレームメンバ62とを備えている。アッパフレームメンバ61とロアフレームメンバ62は、車体フロア2を挟んで互いに対向するように配置されている。アッパフレームメンバ61及びロアフレームメンバ62は、それぞれY方向に延びるように配置されている。ロアフレームメンバ62と車体フロア2の底面部3とは、Y方向に連続する閉断面を協働して形成している。図2を併せて参照すると、本実施形態のアッパフレームメンバ61は、Y方向において、後述する第2フロアクロスメンバ16とダッシュパネル10との間に設けられている。言い換えれば、第2フロアクロスメンバ16よりもY方向の後方側には、アッパフレームメンバ61は設けられていない。
【0033】
図1及び図2を参照すると、車体フロア2の底面部3の上面には、X方向に延びるフロアクロスメンバとして、左右一対の第1フロアクロスメンバ14と、一対の第1フロアクロスメンバ14のY方向における後方側に間隔を開けて配置された左右一対の第2フロアクロスメンバ16とが接合されている。また、第1フロアクロスメンバ14と第2フロアクロスメンバ16との間には、内側シートレール99と外側シートレール100とが架設されている。
【0034】
各第1フロアクロスメンバ14は、フロアトンネル50とサイドシル4との間に架設されている。言い換えれば、第1フロアクロスメンバ14は、フロアトンネル50のX方向の両側に配設されている。左右の第1フロアクロスメンバ14は、Y方向において、互いに略同じ位置に配置されている。
【0035】
第1フロアクロスメンバ14は、例えば鋼材からなるプレス加工部品であり、X方向に直交する断面において下方に開放したハット状の断面形状を有する部材である。第1フロアクロスメンバ14は、車体フロア2との間に、X方向に連続する閉断面を形成している。第1フロアクロスメンバ14は、車体フロア2の底面部3の上方に対向する上面部14aを有する。
【0036】
第1フロアクロスメンバ14の上面部14aは、X方向に延びるように配置されている。図2に示すように、上面部14aの前縁部には、X方向に延びる第1前側稜線L1が形成され、上面部14aの後縁部には、X方向に延びる第1後側稜線L2が形成されている。
【0037】
図1及び図2を参照すると、第1フロアクロスメンバ14のX方向内側の端部には、内側シートレール99を支持するための第1内側シートブラケット65が接合されている。第1フロアクロスメンバ14は、第1内側シートブラケット65を介して、フロアトンネル50と連結されている。また、第1フロアクロスメンバ14のX方向外側の端部には、第1外側シートブラケット66が接合されている。第1フロアクロスメンバ14は、第1外側シートブラケット66を介してサイドシルインナ5と連結されている。第1内側シートブラケット65及び第1外側シートブラケット66は、例えば鋼材からなるプレス加工品である。
【0038】
各第2フロアクロスメンバ16は、フロアトンネル50とサイドシル4との間に架設されている。言い換えれば、第2フロアクロスメンバ16は、フロアトンネル50のX方向の両側に配設されている。左右の第2フロアクロスメンバ16は、Y方向において、互いに略同じ位置に配置されている。
【0039】
第2フロアクロスメンバ16は、例えば鋼材からなるプレス加工部品であり、X方向に直交する断面において下方に開放したハット状の断面形状を有する部材である。第2フロアクロスメンバ16は、車体フロア2との間に、X方向に連続する閉断面を形成している。第2フロアクロスメンバ16は、車体フロア2の底面部3の上方に対向する上面部16aを有する。
【0040】
第2フロアクロスメンバ16の上面部16aは、X方向に延びるように配置されている。図2に示すように、上面部16aの前縁部には、X方向に延びる第2前側稜線L3が形成され、上面部16aの後縁部には、X方向に延びる第2後側稜線L4が形成されている。
【0041】
第2フロアクロスメンバ16のX方向内側の端部には、接続部材17が例えば溶接によって接合されている。接続部材17は、例えば鋼材からなるプレス加工品であり、X方向に直交する断面において下方に開放したハット状の断面形状を有する部材である。接続部材17は、車体フロア2との間に、X方向に連続する閉断面を形成している。また、接続部材17は、X方向に延びる上面部を有しており、前記上面部には、第2フロアクロスメンバ16の第2前側稜線L3及び第2後側稜線L4とそれぞれ連なる2本の稜線が形成されている。ここで、接続部材17は、第2フロアクロスメンバ16と一体に形成されてもよい。
【0042】
図2に示すように、車体フロア2には、X方向に延びる第1フロアクロスメンバ14及び第2フロアクロスメンバ16と、Y方向に延びるフロアフレーム12及びサイドシル4によって枠状の構造体が構成されている。
【0043】
第2フロアクロスメンバ16のX方向内側の端部に接合された接続部材17には、内側シートレール99を支持するための第2内側シートブラケット68が接合されている。第2フロアクロスメンバ16は、第2内側シートブラケット68と接続部材17とを介して、フロアトンネル50と連結されている。また、第2フロアクロスメンバ16のX方向外側の端部には、第2外側シートブラケット69が接合されている。第2フロアクロスメンバ16は、第2外側シートブラケット69を介してサイドシルインナ5と連結されている。第2内側シートブラケット68及び第2外側シートブラケット69は、例えば鋼材からなるプレス加工品である。
【0044】
内側シートレール99は、フロアトンネル50のX方向の両側(右側及び左側)に1本ずつ設けられている。同様に、外側シートレール100は、フロアトンネル50のX方向の両側(右側及び左側)に1本ずつ設けられている。フロアトンネル50の右側及び左側にそれぞれ設けられる前席シート(図示せず)は、内側シートレール99と外側シートレール100とによって下方側から摺動可能に支持される。内側シートレール99と外側シートレール100とは、互いにX方向に間隔を空けて配置され、それぞれ、Y方向に延びるように設けられている。内側シートレール99と外側シートレール100とは、例えば鋼材からなるプレス加工部品であり、Y方向に直交する断面において上方側に開放した略C字状の断面形状を有する。
【0045】
内側シートレール99は、その前端部において第1内側シートブラケット65に固定され、後端部において第2内側シートブラケット68に固定されている。外側シートレール100は、その前端部において第1外側シートブラケット66に固定され、後端部において第2外側シートブラケット69に固定されている。
【0046】
さらに、車体フロア2の底面部3の上面には、左右一対の斜めフレーム18が例えば溶接によって接合されている。斜めフレーム18は、第1フロアクロスメンバ14よりも前方において、X方向の内側に向かって後方に傾斜した方向に延びるように配置されている。斜めフレーム18は、フロアフレーム12とサイドシル4とを連結させるように設けられている。サイドシル4に対する斜めフレーム18の連結部は、Y方向において、ヒンジピラー11とオーバラップして配置されている。斜めフレーム18は、斜めフレーム18の長さ方向に直交する断面において下方に開放したハット状の断面形状を有する部材であり、車体フロア2との間において、斜めフレーム18の長さ方向に連続する閉断面を形成している。
【0047】
また、図3を参照すると、車体フロア2の下面には、連結部材としてのマウントメンバ70とトンネルメンバ80とが接合されている。マウントメンバ70は、X方向に延び、Y方向において第1フロアクロスメンバ14と対応する位置に配置されている。また、トンネルメンバ80は、X方向に延び、Y方向において第2フロアクロスメンバ16と対応する位置に配置されている。
【0048】
また、車体フロア2には、X方向に延びる第1フロアクロスメンバ14、第2フロアクロスメンバ16、マウントメンバ70、及びトンネルメンバ80と、Y方向に延びる一対の上段部51(後述する)、一対のフロアフレーム12、及び一対のサイドシル4とによってフロアトンネル50を跨いでX方向に延びる梯子形の構造体が構成されている。
【0049】
なお、図3に示すように、車体フロア2の下面には、Y方向に延びるトンネルサイドレイン(補強部材)81が設けられている。トンネルサイドレイン81は、車体フロア2との間で閉断面を形成している。トンネルサイドレイン81は、Y方向において、マウントメンバ70と重複する部分に設けられている。
【0050】
本実施形態における下部車体構造を備える自動車1は、例えば、縦置き式のパワートレインを備えたFR式の自動車である。下部車体構造のパワートレインは、ダッシュパネル10(図1参照)の前方のエンジンルームに搭載された駆動源としてのエンジン(図示せず)と、該エンジンの後方に連結された変速機24とを備えている。
【0051】
変速機24は、例えば、縦置き式の自動変速機であり、Y方向に延びる出力軸(図示せず)を有する。ただし、変速機24は、手動変速機であってもよい。変速機24の出力軸の後端部は、自在継手28を介して、Y方向に延びるプロペラシャフト30に連結されている。これにより、エンジンの動力は、動力伝達機構としての変速機24及びプロペラシャフト30等を介して後輪に伝達可能とされている。
【0052】
プロペラシャフト30は、フロアトンネル50内に配置されている。プロペラシャフト30は、軸受32及び支持部材34を介して、フロアトンネル50の下面に支持されている。
【0053】
フロアトンネル50内には、変速機24の少なくとも後端側の一部も配置されている。変速機24の後部には、フロアトンネル50の下方からマウントメンバ70によって支持される被支持部26が設けられている。被支持部26は、変速機24の後端部の近傍に設けられている。
【0054】
前述したように、マウントメンバ70は、第1フロアクロスメンバ14と重複するY方向位置において車体フロア2に固定されている。これにより、変速機24の後部は、マウントメンバ70を介して車体に支持されている。なお、変速機24の前部は、エンジン及びエンジンマウント(図示せず)を介して車体(例えば、フロントサスペンションメンバ)に支持されている。マウントメンバ70及びその固定に関する構成については後に説明する。
【0055】
[マウントメンバの周辺構造]
図4は、図2のA−A線に沿った断面図である。図5は、図4の一部拡大断面図である。図4及び図5を参照しながら、マウントメンバ70及び第1フロアクロスメンバ14が配置されたY方向位置における車体フロア2及びその周辺部の構成について説明する。
【0056】
図4に示すように、車体フロア2は、フロアトンネル50を構成するトンネルパネル40、及び、底面部3を構成する左右一対の底面パネル42で構成されている。トンネルパネル40は、左右のサイドシル4間のX方向領域の中央部に配置されている。各底面パネル42は、トンネルパネル40とサイドシル4との間を繋ぐように設けられている。
【0057】
トンネルパネル40及び底面パネル42は、例えば鋼材からなるプレス加工部品である。トンネルパネル40は、底面パネル42よりも高い剛性及び強度を有することが好ましく、これにより、フロアトンネル50の剛性及び強度の向上が図られる。
【0058】
車体フロア2は、底面部3とフロアトンネル50との間において、底面部3からX方向内側に向かって段上げされてフロアトンネル50の下縁部に連なる一対の上段部51を更に備えている。図1から図3を併せて参照すると、各上段部51は、Y方向において、第1フロアクロスメンバ14よりも前方部から第2フロアクロスメンバ16よりも後方部にかけて、フロアトンネル50の下縁部に沿ってY方向に延びるように設けられている。また、図2及び図3に示すように、上段部51には稜線L5が形成されている。図3に示すように、上段部51には、マウントメンバ70が固定されている。
【0059】
このように、底面部3とフロアトンネル50の下縁部との境界部では、車体フロア2と一体の上段部51が設けられることによって、剛性が高められている。
【0060】
なお、図3を併せて参照すると、トンネルサイドレイン81は、底面部3とフロアトンネル50の下縁部との境界部に沿って設けられている。トンネルサイドレイン81は、Y方向において、上段部51のマウントメンバ70と重複する部分に設けられている。
【0061】
図5を参照すると、上段部51は、フロアトンネル50の下端部からX方向外側に延びる第1横板部51aと、第1横板部51aのX方向外側端部からX方向外側に向かってZ方向下側に延びる第1傾斜部51bとを備えている。なお、第1傾斜部51bは、Z方向下方に向かって延びていてもよい。上段部51の第1横板部51aには、マウントメンバ70が固定されている。
【0062】
本実施形態において、上段部51の第1横板部51a及び第1傾斜部51bは、トンネルパネル40の一部で構成されている。トンネルパネル40は、第1傾斜部51bの下端部からX方向外側に延びる延長部51cを更に備えている。延長部51cは、例えば溶接によって底面パネル42に接合されている。
【0063】
ただし、上段部51は、底面パネル42の一部で構成されてもよいし、トンネルパネル40及び底面パネル42とは別のフロア構成部材で構成されてもよい。
【0064】
図4を参照すると、車体フロア2の底面部3は、上段部51のX方向外側に連なる左右一対の中段部52と、中段部52のX方向外側に連なる左右一対の下段部53と、下段部53のX方向外側においてサイドシル4に接合される被接合部54とを備えている。
【0065】
図5を参照すると、中段部52は、X方向に延びる第2横板部52aと、第2横板部52aの外側端部からX方向外側に向かってZ方向下側に傾斜した方向に延びる第2傾斜部52bとを備えている。また、中段部52は、第2傾斜部52bのX方向外側端部からX方向外側に向かって延びる第3横板部52cと、第3横板部52cのX方向の外側端部からX方向外側に向かってZ方向下側に傾斜した方向に延びる第3傾斜部52dとを備える。中段部52の第2横板部52aは、トンネルパネル40の延長部51cの上面に接合されている。これにより、中段部52の第2横板部52aのX方向内側端部は、延長部51cを介して上段部51の第1傾斜部51bの下端部に連結されている。
【0066】
フロアフレーム12を構成するアッパフレームメンバ61及びロアフレームメンバ62は、中段部52の第3横板部52cと第3傾斜部52dを挟んで互いに対向配置されている。
【0067】
下段部53は、中段部52の第3傾斜部52dの下端部からX方向の外側に延びる第4横板部53aを備えている。下段部53の第4横板部53aは、車体フロア2の最下部を構成している。
【0068】
フロアフレーム12のアッパフレームメンバ61とロアフレームメンバ62とは、中段部52の第3横板部52cと、下段部53の第4横板部53aとに溶接によって接合されることで、底面パネル42に固定されている。
【0069】
図4を参照すると、被接合部54は、下段部53のX方向の外側端部から上方に延びるように設けられている。被接合部54は、サイドシル4におけるサイドシルインナ5の車室内側の側面に、例えば溶接によって接合されている。
【0070】
このように、下段部53は、Z方向において、サイドシル4に接合される被接合部54よりも低く配置されている。これにより、下段部53が設けられたX方向領域において、車体フロア2と第1フロアクロスメンバ14との間に形成される閉断面の断面積が拡大されることで、第1フロアクロスメンバ14の剛性向上が果たされている。
【0071】
ただし、図2のA−A線における車体フロア2の断面形状は、図4及び図5に示す上記の構成に限られるものでなく、適宜変更可能である。例えば、上段部51と下段部53との間に介在する中段部52は、1段又は3段以上で形成されてもよいし、省略されてもよい。また、本実施形態では、下段部53が被接合部54よりも低く配置されているが、下段部53の第4横板部53aは、被接合部54と重複する高さ位置または被接合部54よりも高い位置に配置されてもよい。
【0072】
図5に示すように、第1前側稜線L1及び第1後側稜線L2(図1及び図2参照)を有する第1フロアクロスメンバ14の上面部14aは、車体フロア2の中段部52及び下段部53よりも高く、且つ、上段部51の第1横板部51aと略同じ高さ位置に配置されている。
【0073】
また、図4に示すように、フロアフレーム12と、第1フロアクロスメンバ14と、サイドシル4とは、Z方向に重複するように配置されている。
【0074】
図4及び図5を参照すると、第1内側シートブラケット65は、X方向の内側端部において、フロアトンネル50の外側の側面に例えば溶接によって接合されている。図5に最も明瞭に示すように、第1内側シートブラケット65は、X方向の外側端部において、第1フロアクロスメンバ14と、上段部51の第1横板部51aと、マウントメンバ70とともに共締めされている。これにより、第1フロアクロスメンバ14は、第1内側シートブラケット65を介してフロアトンネル50に連結されている。
【0075】
図4を参照すると、第1外側シートブラケット66のX方向内側端部は、第1フロアクロスメンバ14の上面部14aに例えば溶接によって接合されている。第1外側シートブラケット66のX方向外側端部は、サイドシル4におけるサイドシルインナ5の車室内側の側面に例えば溶接によって接合されている。
【0076】
[トンネルメンバの周辺構造]
図6は、図2のB−B線に沿った断面図である。図7は、図6の一部拡大断面図である。図6及び図7を参照しながら、トンネルメンバ80及び第2フロアクロスメンバ16が配置されたY方向位置における車体フロア2及びその周辺部の構成について説明する。図6及び図7に示す断面において、車体フロア2は、図5及び図6に示す断面における車体フロア2の構成と同様の構成を有しており、その詳細な説明を省略する。
【0077】
図6を参照すると、トンネルメンバ80は、上段部51に固定されている。より詳細には、図7に示すように、トンネルメンバ80は、上段部51の第1横板部51aの下面に固定されている。
【0078】
図6及び図7を参照すると、前述したように、第2フロアクロスメンバ16のX方向内側の端部には、接続部材17が接合されている。接続部材17のX方向内側の端部は、上段部51の第1横板部51aとトンネルメンバ80とに固定されており、これにより、第2フロアクロスメンバ16の上面部16aは、上段部51の第1横板部51aに接続されている。ここで、接続部材17は、第2フロアクロスメンバ16と一体に形成されてもよい。
【0079】
前述したように、アッパフレームメンバ61は、Y方向において第2フロアクロスメンバ16よりも前方に設けられているため(図2参照)、図6及び図7に示す断面において、フロアフレーム12を構成するアッパフレームメンバ61は、設けられていない。底面パネル42とロアフレームメンバ62とで閉断面を形成している。
【0080】
図7に示すように、第2前側稜線L3及び第2後側稜線L4(図1及び図2参照)を有する第2フロアクロスメンバ16の上面部16aは、車体フロア2の中段部52及び下段部53よりも高く、且つ、上段部51の第1横板部51aと略同じ高さ位置に配置されている。
【0081】
第2内側シートブラケット68は、X方向の内側端部において、フロアトンネル50の外側の側面に例えば溶接によって接合され、X方向の外側端部において、接続部材17に例えば溶接によって接続されている。これにより、第2フロアクロスメンバ16は、第2内側シートブラケット68と接続部材17とを介してフロアトンネル50に連結されている。
【0082】
図6に示すように、第2外側シートブラケット69のX方向内側端部は、第2フロアクロスメンバ16の上面部16aに例えば溶接によって接合されている。第2外側シートブラケット69のX方向外側端部は、サイドシル4におけるサイドシルインナ5の車室内側の側面に例えば溶接によって接合されている。
【0083】
図6を参照すると、フロアフレーム12と、第1フロアクロスメンバ14と、第2フロアクロスメンバ16と、サイドシル4とは、Z方向に重複するように配置されている。すなわち、Y方向に延びるフロアフレーム12及びサイドシル4と、X方向に延びる第1フロアクロスメンバ14及び第2フロアクロスメンバ16とによって車体フロア2に構成された枠状の構造体は、Z方向にオフセットすることなく形成されている。
【0084】
[マウントメンバ]
図8は、本実施形態に係るマウントメンバ70の斜視図である。図9は、本実施形態のマウントメンバ70をX方向の右側からみた側面図である。図8及び図9を参照しながら、マウントメンバ70の構成を説明する。図8及び図9では、マウントメンバ70を車体フロア2(図3に示す)に取り付けた際の車幅方向、車両前後方向、及び車両上下方向をそれぞれX方向、Y方向、及びZ方向として示している。
【0085】
図8を参照すると、マウントメンバ70は、例えばアルミニウム合金からなる鋳造部品である。マウントメンバ70は、X方向に延びる基部71と、基部71のX方向両端部に設けられた固定部72とを備えている。
【0086】
基部71は、Y方向から見て、Z方向の下側に膨出するように湾曲した形状を有する。前述したように、変速機24(図3に示す)は、マウントメンバ70の基部71を介して車体フロア2(図3に示す)に支持される。
【0087】
各固定部72は、基部71のY方向中央部に配置された第1突出部73と、第1突出部73からY方向の前側に間隔を開けて配置された第2突出部74と、第1突出部73からY方向の後側に間隔を開けて配置された第3突出部75とを備える。
【0088】
第1突出部73は、基部71からX方向の外側に向けて突出している。第1突出部73は、マウントメンバ70を車体フロア2に対して固定するための外側固定点73aと、内側固定点73bとを備える。
【0089】
外側固定点73aは、第1突出部73のX方向外側の端部に設けられている。外側固定点73aには、第1突出部73をZ方向に貫通する貫通孔が設けられている。
【0090】
内側固定点73bは、外側固定点73aとX方向において間隔を開けて設けられている。内側固定点73bには、第1突出部73をZ方向に貫通する貫通孔が設けられている。また、内側固定点73bは、Z方向において、外側固定点73aと略同じ高さ位置に設けられている。
【0091】
第2突出部74は、基部71からX方向の外側かつY方向の前側に向けて突出している。第2突出部74のX方向外側の端部には、マウントメンバ70を車体フロア2に対して固定するための固定点74aが設けられている。固定点74aには、第2突出部74をZ方向に貫通する貫通孔が設けられている。
【0092】
第3突出部75は、基部71からX方向の外側かつY方向の後側に向けて突出している。第3突出部75のX方向外側の端部には、マウントメンバ70を車体フロア2に対して固定するための固定点75aが設けられている。固定点75aには、第3突出部75をZ方向に貫通する貫通孔が設けられている。
【0093】
図9に示すように、マウントメンバ70を車体フロア2(図3に示す)に取り付けた状態では、第1突出部73の外側固定点73aと、第2突出部74の固定点74aと、第3突出部75の固定点75aとは、Z方向において互いに異なる高さ位置に配置される。具体的には、第1突出部73の外側固定点73aは、第2突出部74の固定点74a及び第3突出部75の固定点75aよりもZ方向の上方に配置される。ここで、第1突出部73の内側固定点73b(図8に示す)は、前述したように、外側固定点73aとZ方向において略同じ高さ位置に配置されているため、第2突出部74の固定点74a及び第3突出部75の固定点75aよりもZ方向の上方に配置される。
【0094】
また、第2突出部74の固定点74aと、第3突出部75の固定点75aとは、Z方向において略同じ高さ位置に配置されている。
【0095】
[マウントメンバの取付構造]
図10は、マウントメンバ70の周辺を示す斜視図である。図11は、マウントメンバ70の周辺を示す分解斜視図である。図10及び図11を参照しながらマウントメンバ70の車体フロア2への取付構造を説明する。
【0096】
図10を参照すると、マウントメンバ70は、車体フロア2に対してX方向の両側でそれぞれ複数(本実施形態では4つ)の固定位置P1,P2,P3,P4で固定されている。マウントメンバ70の車体フロア2への取り付けには、複数のボルトが用いられる。また、マウントメンバ70は、車体フロアに対して直接又はトンネルサイドレイン81を介して取り付けられている。
【0097】
図11を参照すると、車体フロア2の上段部51の第1横板部51aには、マウントメンバ70の第1突出部73の外側固定点73aに対応する貫通孔と、内側固定点73bに対応する貫通孔とが設けられている。また、車体フロア2の上段部51の第1横板部51aには、マウントメンバ70の第2突出部74の固定点74aに対応する貫通孔と、マウントメンバ70の第3突出部75の固定点75aに対応する貫通孔とが設けられている。
【0098】
トンネルサイドレイン81は、前述したように、上段部51の第1横板部51aに取り付けられる。トンネルサイドレイン81は、Y方向に延びており、マウントメンバ70の第1突出部73に対応する第1取付部81aと、マウントメンバ70の第2突出部74に対応する第2取付部81bと、第3突出部75に対応した第3取付部81cとを備える。
【0099】
トンネルサイドレイン81の第1取付部81aは、上段部51の第1横板部51aに沿うように延びる平板状であり、第1突出部73の内側固定点73bに対応する貫通孔(図示せず)が設けられている。
【0100】
トンネルサイドレイン81の第2取付部81bは、上段部51の第1横板部51aと閉断面を形成するようにZ方向の下側に膨出している。トンネルサイドレイン81の第2取付部81bには、第2突出部74の固定点74aに対応する貫通孔(図示せず)が設けられている。
【0101】
トンネルサイドレイン81の第3取付部81cは、上段部51の第1横板部51aと閉断面を形成するようにZ方向の下側に膨出している。トンネルサイドレイン81の第3取付部81cには、第3突出部75の固定点75aに対応する貫通孔(図示せず)が設けられている。
【0102】
図9を併せて参照すると、マウントメンバ70は、第1突出部73の外側固定点73aで上段部51の第1横板部51aに固定され(図10の固定位置P1)、内側固定点73b(図8に示す)でトンネルサイドレイン81の第1取付部81aに固定される(図10の固定位置P4)。また、マウントメンバ70は、第2突出部74の固定点74aでトンネルサイドレイン81の第2取付部81bに固定され(図10の固定位置P2)、第3突出部75の固定点75aでトンネルサイドレイン81の第3取付部81cに固定される(図10の固定位置P3)。図9に明瞭に示すように、トンネルサイドレイン81の第2取付部81bと第3取付部81cとは、上段部51の第1横板部51aよりもZ方向の下方に位置している。
【0103】
言い換えるならば、マウントメンバ70の車体フロア2に対する4つの固定位置P1,P2,P3,P4は、Z方向において互いに異なる高さ位置に設定されている。
【0104】
また、Y方向に並んで配置された3つの固定位置P1,P2,P3のうち、Y方向の中央の固定位置P1は、上段部51の第1横板部51aに設定され、他の2つの固定位置P2,P3は、トンネルサイドレイン81に設定される。すなわち、Y方向の中央の固定位置P1は、Z方向において第1フロアクロスメンバ14の上面部14aと重複するように設定されている(図4参照)。
【0105】
また、図4を併せて参照すると、マウントメンバ70の固定部72は、Z方向において、第1フロアクロスメンバ14の高さ範囲内に配置されている。すなわち、マウントメンバ70と車体フロア2との4つの固定位置P1,P2,P3,P4は、第1フロアクロスメンバのZ方向における高さ範囲内に配置されている。
【0106】
[トンネルメンバ]
図6及び図10を参照すると、トンネルメンバ80は、X方向に延び、X方向に直交する断面において閉断面を有する中空の押出部材である。トンネルメンバ80は、例えばアルミニウム合金からなる。トンネルメンバ80は、X方向の両端部において、上段部51の第1横板部51aに固定される。図6に示すように、トンネルメンバ80は、Z方向において、第2フロアクロスメンバ16の高さ範囲内に配置されている。具体的には、トンネルメンバ80は、Z方向において第2フロアクロスメンバ16の上面部16aと重複するように配置されている。
【0107】
[内側シートレールの周辺構造]
図12は、内側シートレール99及び外側シートレール100の周辺を示す平面図である。以下、図1図4図6及び図12を参照しながら、内側シートレール99周辺のサイドシル4の構造を説明する。
【0108】
図1を参照すると、本実施形態のサイドシル4は、サイドシルインナ5の内側に設けられた複数(本実施形態では5つ)の節101を備える。
【0109】
節101は、Y方向に交差する平面に沿って延びる平板状の部材であり、サイドシルインナ5に例えば溶接によって固定されている。図12に明瞭に示すように、節101Aは、Y方向において、第1フロアクロスメンバ14と重複する位置に配置されている。具体的には、節101Aは、Y方向において、第1フロアクロスメンバ14の中央よりも第2フロアクロスメンバ16側に配置されており、第1後側稜線L2と重複する位置に設けられている。また、節101Bは、Y方向において、第2フロアクロスメンバ16と重複する位置に配置されている。具体的には、節101Bは、Y方向において、第2フロアクロスメンバ16の中央よりも第1フロアクロスメンバ14側に配置されており、第2前側稜線L3と重複する位置に設けられている。
【0110】
図4を参照すると、節101は、第1フロアクロスメンバ14とフロアフレーム12とZ方向において重複するように配置されている。図6を参照すると、節101は、第2フロアクロスメンバ16とフロアフレーム12とZ方向において重複するように配置されている。
【0111】
図12を参照すると、前述したように、X方向に延びる第1フロアクロスメンバ14及び第2フロアクロスメンバ16と、Y方向に延びる上段部51、フロアフレーム12、及びサイドシル4とによって梯子形の構造体が形成されている。第1内側シートブラケット65、第1外側シートブラケット66、第2内側シートブラケット68、及び第2外側シートブラケット69は、この梯子形の構造体に対して固定されている。すなわち、内側シートレール99と外側シートレール100とは、この梯子形の構造体に固定されている。
【0112】
この構成によれば、マウントメンバ70は、Y方向において第1フロアクロスメンバ14と重複するように配置されており、フロアトンネル50を挟んだX方向両側の車体フロア2の底面部3の間、及び第1フロアクロスメンバ14の間を連結している。このため、フロアトンネル50によってX方向両側の第1フロアクロスメンバ14が分断されることによる車体剛性の低下を抑制できる。
【0113】
また、トンネルメンバ80は、Y方向において第2フロアクロスメンバ16と重複するように配置されており、フロアトンネル50を挟んだX方向両側の車体フロア2の底面部3の間、及び第2フロアクロスメンバ16の間を連結している。このため、フロアトンネル50によってX方向両側の第2フロアクロスメンバ16が分断されることによる車体剛性の低下を抑制できる。
【0114】
また、マウントメンバ70が複数の固定位置P1,P2,P3,P4で車体フロア2に固定されており、固定位置P1,P2,P3,P4は、互いに異なる高さ位置に配置されている。このため、固定位置P1,P2,P3,P4がZ方向において同じ高さ位置に配置される場合と比較して、マウントメンバ70を厚くし易くなり、フロアトンネル50によってX方向両側の第1フロアクロスメンバ14が分断されることによる車体剛性の低下を抑制できる。
【0115】
また、Y方向に並んだ複数の固定位置P1,P2,P3が互いに異なる複数の高さ位置に配置されているため、固定位置P1,P2,P3,P4がZ方向において同じ高さ位置に配置されている場合と比較して、マウントメンバ70のY方向のねじりに対する剛性を向上できる。
【0116】
また、マウントメンバ70とトンネルメンバ80とは、車体フロア2とフロアトンネル50との間で段上げされた上段部51に固定されており、上段部51にはY方向に延びる稜線L5が形成されているため、車体剛性の向上が図れる。
【0117】
また、マウントメンバ70の車体フロア2に対する固定位置P1と、第1フロアクロスメンバ14の上面部14aとがZ方向において同じ高さ位置に配置されているので、マウントメンバ70と第1フロアクロスメンバ14の第1前側稜線L1及び第1後側稜線L2との間において効果的な荷重伝達が図れる。
【0118】
トンネルメンバ80が、Z方向において、第2フロアクロスメンバ16の上面部16aと重複するように配置されているので、トンネルメンバ80と第2フロアクロスメンバ16の第2前側稜線L3及び第2後側稜線L4との間において効果的な荷重の伝達が図れる。
【0119】
また、マウントメンバ70の車体フロア2に対する固定位置P2,P3は、上段部51との間に閉断面を形成するトンネルサイドレイン81に設定されているため、マウントメンバ70と車体フロア2との固定構造をより強固にできる。
【0120】
また、マウントメンバ70の車体フロア2に対する固定位置P1,P2,P3は、Y方向に並んで配置されており、Y方向の中央の固定位置P1は、上段部51に設定され、他の固定位置P2,P3は、トンネルサイドレイン81に設定されている。このため、Y方向中央の固定位置P1がトンネルサイドレイン81に設定され、他の固定位置P2,P3が上段部51に設定される場合と比較して、トンネルサイドレイン81をY方向に伸ばすことができ、マウントメンバ70と車体フロア2との固定構造を強固にできる。
【0121】
マウントメンバ70が変速機24を支持しているため、変速機24からマウントメンバ70に入力される荷重を第1フロアクロスメンバ14に効果的に伝達できる。また、マウントメンバ70によって、車体剛性を向上でき、車体剛性を向上するための別部材を設ける必要がないため、部品点数を削減できる。
【0122】
(変形例)
図13及び図14を参照して、内側シートレール99の固定構造の変形例を説明する。
【0123】
図13を参照すると、本変形例の内側シートレール99は、第1内側シートブラケット65と、上段部51と、マウントメンバ70と共締めされている。具体的には、高ナット(スペーサ部材)91がマウントメンバ70と上段部51の第1横板部51aとを貫通しており、第1内側シートブラケット65と内側シートレール99とを貫通するボルト92が高ナット91に螺合している。
【0124】
また、図14を参照すると、本変形例の内側シートレール99は、第2内側シートブラケット68と、上段部51と、接続部材17と共締めされている。具体的には、高ナット(スペーサ部材)93が接続部材17と上段部51の第1横板部51aとを貫通しており、第2内側シートブラケット68と内側シートレール99とを貫通するボルト94が高ナット93に螺合している。
【0125】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0126】
例えば、上述の変形例では、車体フロア2と第1内側シートブラケット65との間に介在するスペーサ部材として、高ナット91が用いられる例を説明したが、本発明において、スペーサ部材は、ねじ穴を有しないカラーであってもよい。
【符号の説明】
【0127】
1 自動車
2 車体フロア
3 底面部
4 サイドシル
5 サイドシルインナ
10 ダッシュパネル
11 ヒンジピラー
12 フロアフレーム
14 第1フロアクロスメンバ
14a 上面部
16 第2フロアクロスメンバ
16a 上面部
17 接続部材
18 斜めフレーム
22 トルクボックス
24 変速機
26 被支持部
28 自在継手
30 プロペラシャフト
32 軸受
34 支持部材
40 トンネルパネル
42 底面パネル
50 フロアトンネル
50a 開口部
51 上段部
51a 第1横板部
51b 第1傾斜部
51c 延長部
52 中段部
52a 第2横板部
52b 第2傾斜部
52c 第3横板部
52d 第3傾斜部
53 下段部
53a 第4横板部
54 被接合部
61 アッパフレームメンバ
62 ロアフレームメンバ
65 第1内側シートブラケット
66 第1外側シートブラケット
68 第2内側シートブラケット
69 第2外側シートブラケット
70 マウントメンバ(連結部材)
71 基部
72 固定部
73 第1突出部
73a 外側固定点
73b 内側固定点
74 第2突出部
74a 固定点
75 第3突出部
75a 固定点
80 トンネルメンバ(連結部材)
81 トンネルサイドレイン(補強部材)
81a 第1取付部
81b 第2取付部
81c 第3取付部
99 内側シートレール
100 外側シートレール
101,101A,101B 節
L1 第1前側稜線
L2 第1後側稜線
L3 第2前側稜線
L4 第2後側稜線
L5 稜線
P1,P2,P3,P4 固定位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14