特開2019-217948(P2019-217948A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2019-217948車載用の電源制御装置、車載用の電源装置、及び車両の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-217948(P2019-217948A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】車載用の電源制御装置、車載用の電源装置、及び車両の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/03 20060101AFI20191129BHJP
   B60R 16/033 20060101ALI20191129BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   B60R16/03 A
   B60R16/033 B
   H02J7/00 P
   H02J7/00 302C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-117744(P2018-117744)
(22)【出願日】2018年6月21日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺田 典子
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA04
5G503BA02
5G503BB02
5G503BB03
5G503CA01
5G503CA11
5G503CC02
5G503DA08
5G503DA18
5G503FA06
5G503GB06
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】汎用性の高い車載用の電源制御装置、車載用の電源装置、及び車両の制御方法を提供する。
【解決手段】電源制御装置1は、負荷94,96の組み合わせ毎に設定値の候補値を定めた情報に基づき、複数の出力ポート22,23に接続される負荷94,96の組み合わせに対応した設定値を設定する。そして、設定した設定値に基づいてバックアップに関する制御を行う。こうすることで、バックアップに関する制御を、負荷94,96の組み合わせに対応した態様で行うことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続される負荷の種類が予め決められた複数の出力ポートと、前記出力ポートに接続された前記負荷に電力を供給する第1電源部と、前記第1電源部からの電力供給が途絶えた場合にバックアップ電源として機能する第2電源部とを有する車載用電源システムにおいて前記第2電源部を用いたバックアップに関する制御を行う電源制御装置であって、
前記負荷の組み合わせ毎に設定値の候補値を定めた情報に基づき、前記複数の前記出力ポートに接続される前記負荷の組み合わせに対応した前記設定値を設定する設定部と、
前記設定部が設定した前記設定値に基づいて前記バックアップに関する制御を行う制御部と、
を備える車載用の電源制御装置。
【請求項2】
前記第2電源部は、複数の蓄電素子からなるものであり、
前記設定部は、前記設定値として前記蓄電素子の数を設定し、
前記制御部は、前記設定値に基づいて前記バックアップに関する制御を行う請求項1に記載の車載用の電源制御装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記設定値として充電電圧の目標値を設定し、
前記制御部は、前記第2電源部の充電電圧が前記設定値となるように充電制御を行う請求項1に記載の車載用の電源制御装置。
【請求項4】
前記出力ポートの各々に対応して個別に設けられた導電路であって、前記出力ポートに接続された前記負荷に電力を供給する導電路の各々の電圧を監視する電圧監視部を備え、
前記設定部は、前記設定値として前記電圧監視部が監視する電圧の目標電圧値を設定し、
前記制御部は、前記導電路の各々に設けられたスイッチング素子をオンオフ動作させることで前記導電路の各々の電圧が前記設定値となるように制御する請求項1に記載の車載用の電源制御装置。
【請求項5】
前記出力ポートの各々に対応して個別に設けられた導電路であって、前記出力ポートに接続された前記負荷に電力を供給する導電路の各々の電流を監視する電流監視部を備え、
前記設定部は、前記設定値として前記電流監視部が監視する電流の最大電流値を設定し、
前記制御部は、前記導電路の電流値が前記設定値に到達したと判定した場合に所定の保護動作を行う請求項1に記載の車載用の電源制御装置。
【請求項6】
前記第2電源部と、
請求項1ないし請求項5のうち何れか一項に記載の車載用の電源制御装置と
を備える車載用の電源装置。
【請求項7】
接続される負荷の種類が予め決められた複数の出力ポートと、前記出力ポートに接続された前記負荷に電力を供給する第1電源部と、前記第1電源部からの電力供給が途絶えた場合にバックアップ電源として機能する第2電源部と、を有する車両を制御する制御方法であって、
前記負荷の組み合わせ毎に設定値の候補値を定めた情報に基づき、前記複数の前記出力ポートに接続される前記負荷の組み合わせに対応した前記設定値を設定する工程と、
前記設定部が設定した前記設定値に基づいてバックアップに関する制御を行う工程と、
を備える車両の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車載用の電源制御装置、車載用の電源装置、及び車両の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車載用のシステムにおいて、メインバッテリーから負荷に電力供給する一方、メインバッテリーからの電力供給が途絶えた場合に、サブバッテリーによってバックアップする技術が開示されている。こうした技術を車両に搭載する場合、バックアップ対象の負荷の組み合わせに応じた制御が求められる。また、バックアップ対象の負荷の組み合わせは車種に応じて異なることがある。そこで、従来は、バックアップ対象の負荷の組み合わせ毎にソフトウェアを開発して、各ソフトウェアを組み込んだ半導体チップをそれぞれ製造しておき、対応する半導体チップを車両に搭載することで様々な車種に対応していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−217734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のように負荷の組み合わせ毎に半導体チップを製造すると、製造コストや管理コストの増加につながるという問題があった。
【0005】
本発明は上記した事情に基づいてなされたものであり、汎用性の高い車載用の電源制御装置、車載用の電源装置、及び車両の制御方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様である車載用の電源制御装置は、
接続される負荷の種類が予め決められた複数の出力ポートと、前記出力ポートに接続された前記負荷に電力を供給する第1電源部と、前記第1電源部からの電力供給が途絶えた場合にバックアップ電源として機能する第2電源部とを有する車載用電源システムにおいて前記第2電源部を用いたバックアップに関する制御を行う電源制御装置であって、
前記負荷の組み合わせ毎に設定値の候補値を定めた情報に基づき、前記複数の前記出力ポートに接続される前記負荷の組み合わせに対応した前記設定値を設定する設定部と、
前記設定部が設定した前記設定値に基づいて前記バックアップに関する制御を行う制御部と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様である車載用の電源装置は、
第2電源部と、
第1の態様である車載用の電源制御装置と、を備える。
【0008】
本発明の第3態様である車両の制御方法は、
接続される負荷の種類が予め決められた複数の出力ポートと、前記出力ポートに接続された前記負荷に電力を供給する第1電源部と、前記第1電源部からの電力供給が途絶えた場合にバックアップ電源として機能する第2電源部と、を有する車両を制御する制御方法であって、
前記負荷の組み合わせ毎に設定値の候補値を定めた情報に基づき、前記複数の前記出力ポートに接続される前記負荷の組み合わせに対応した前記設定値を設定する工程と、
前記設定部が設定した前記設定値に基づいてバックアップに関する制御を行う工程と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
第1態様の車載用の電源制御装置によれば、負荷の組み合わせ毎に設定値の候補値を定めた情報に基づき、複数の出力ポートに接続される負荷の組み合わせに対応した設定値を設定し得る。そして、その設定値に基づいてバックアップに関する制御を行い得る。したがって、この電源制御装置は、車両に組み付けられた場合に、接続された負荷の組み合わせに対応した設定値を設定して、その設定値に基づいてバックアップ制御に関する制御を行い得る。すなわち、この車載用の電源制御装置によれば、搭載する負荷の組み合わせ(数や種類)が互いに異なる複数種類の車両に対し、バックアップに関する制御を適切に行うことができるので、汎用性を高めることができる。
【0010】
第2態様の車載用の電源装置によれば、第1態様の車載用の電源制御装置と同様の効果を奏することができる。
【0011】
第3態様の車両の制御方法によれば、負荷の組み合わせ毎に設定値の候補値を定めた情報に基づき、複数の出力ポートに接続される負荷の組み合わせに対応した設定値を設定し得る。そして、その設定値に基づいてバックアップに関する制御を行い得る。すなわち、この車両の制御方法によれば、搭載する負荷の組み合わせ(数や種類)が互いに異なる複数種類の車両に対し、バックアップに関する制御を適切に行うことができるので、汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1の車載用の電源システムの構成を例示した回路図である。
図2】車載用の電源制御装置で実行される設定処理の流れを例示したフローチャートである。
図3】負荷の組み合わせに対応した設定値の候補値を例示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1態様の車載用の電源制御装置において、第2電源部は複数の蓄電素子からなるものとし、設定部は設定値として前記蓄電素子の数を設定し、制御部はその設定値に基づいてバックアップに関する制御を行うようにしてもよい。
この構成によれば、出力ポートに接続された負荷の組み合わせに対応した設定値として、蓄電素子の数が設定される。このため、搭載する負荷の組み合わせに応じて蓄電素子の数が異なる複数種類の車両に対し、適切な制御を行い得る。
【0014】
第1態様の車載用の電源制御装置において、設定部は設定値として充電電圧の目標値を設定し、制御部は第2電源部の充電電圧が上記設定値となるように充電制御を行うようにしてもよい。
この構成によれば、出力ポートに接続された負荷の組み合わせに対応した設定値として、充電電圧の目標値が設定される。このため、搭載する負荷の組み合わせに応じて第2電源部の蓄電容量が異なる複数種類の車両に対し、第2電源部の充電電圧が適正な目標値となるように充電制御を行い得る。
【0015】
第1態様の車載用の電源制御装置において、出力ポートの各々に対応して個別に設けられた導電路であって、出力ポートに接続された負荷に電力を供給する導電路の各々の電圧を監視する電圧監視部を備えるようにしてもよい。設定部は設定値として電圧監視部が監視する電圧の目標電圧値を設定してもよい。更に、制御部は、導電路の各々に設けられたスイッチング素子をオンオフ動作させることで導電路の各々の電圧が上記設定値となるように制御してもよい。
この構成によれば、出力ポートに接続された負荷の組み合わせに対応した目標電圧値が設定される。このため、搭載する負荷の組み合わせに応じて目標電圧値が異なる複数種類の車両に対し、負荷に供給する電圧値が適切な電圧値となるように制御を行い得る。
【0016】
第1態様の車載用の電源制御装置において、出力ポートの各々に対応して個別に設けられた導電路であって、出力ポートに接続された負荷に電力を供給する導電路の各々の電流を監視する電流監視部を備えるようにしてもよい。設定部は、設定値として電流監視部が監視する電流の最大電流値を設定するようにしてもよい。更に制御部は、導電路の電流値が上記設定値に到達したと判定した場合に所定の保護動作を行うようにしてもよい。
この構成によれば、出力ポートに接続された負荷の組み合わせに対応した最大電流値が設定される。このため、搭載する負荷の組み合わせに応じて最大電流値が異なる複数種類の車両に対し、適切な時期に保護動作を行い得る。
【0017】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について説明する。
図1に示す車載用の電源システム100(以下、電源システム100ともいう)は、複数種類の負荷94,96が接続され得る複数の出力ポート22,23と、出力ポート22,23に接続された負荷94,96に電力を供給する第1電源部90と、第1電源部90からの電力供給が途切れた場合にバックアップ電源として機能する第2電源部92とを備えている。
【0018】
第1電源部90は、例えばメインバッテリーとして機能するものであり、例えばリチウムイオン電池等の公知の車載バッテリとして構成されている。第1電源部90は、高電位側の端子が第1入力側導電路11に電気的に接続されており、第1入力側導電路11に対して所定の出力電圧を印加する。また、第1電源部90の低電位側の端子は図示しないグラウンド部に電気的に接続されている。
【0019】
第2電源部92は、例えばサブバッテリーとして機能するものであり、例えば複数の蓄電素子93(例えばキャパシタ)で構成されている。第2電源部92は、高電位側の端子が第2入力側導電路12に電気的に接続されており、第2入力側導電路12に対して所定の出力電圧を印加する。また、第2電源部92は、低電位側の端子が図示しないグラウンド部に電気的に接続されている。
【0020】
第1入力側導電路11と第2入力側導電路12は、中間導電路13を介して電気的に接続されており、この中間導電路13には、電圧変換器24が設けられている。電圧変換器24は、例えば降圧型のDCDCコンバータとして構成されており、第1電源部90の出力電圧に基づく電圧を入力し得るとともに、入力した電圧を降圧して第2電源部92側に出力し得る。第2電源部92は電圧変換器24から出力された電圧を入力することで充電される。
【0021】
出力ポート22,23は、負荷94,96の各々に対応してそれぞれ設けられており、接続される負荷の種類が予め決められている。具体的には、第1負荷94に対応して出力ポート22A,23Aが設けられており、第2負荷96に対応して出力ポート22B,23Bが設けられている。複数の出力ポート22は、目視で互いに区別できるようにしてもよい。また、複数の出力ポート23についても、目視で互いに区別できるようにしてもよい。例えば、複数の出力ポート22,23のそれぞれに負荷94,96の種類に対応した識別記号を付すことにより、目視で区別できるようにしてもよい。また、複数の出力ポート22,23は、それぞれ対応する負荷94,96のみが接続され得る構造(非対応の負荷94,96が接続されない構造)としてもよい。
【0022】
第1負荷94及び第2負荷96は、それぞれアクチュエータ及びこのアクチュエータを制御するECU等を備えて構成されている。第1負荷94及び第2負荷96はそれぞれ出力側導電路15を介して対応する出力ポート22,23に接続され得る。第1負荷94及び第2負荷96は、それぞれ車両の種類(車種)によって搭載される場合と搭載されない場合がある。すなわち、車種は、第1負荷94及び第2負荷96の両方が搭載される車種(車種A)、第1負荷94のみが搭載される車種(車種B)、第2負荷96のみが搭載される車種(車種C)、及び何れの負荷94,96も搭載されない車種(車種D)に分類される。
【0023】
複数の出力ポート22は、それぞれに対応して個別に設けられたメイン側導電路17を介して、それぞれ第1入力側導電路11に電気的に接続されている。具体的には、出力ポート22Aは、メイン側導電路17Aを介して、第1入力側導電路11に電気的に接続されており、出力ポート22Bは、メイン側導電路17Bを介して、第1入力側導電路11に電気的に接続されている。
【0024】
複数の出力ポート23は、それぞれに対応して個別に設けられたサブ側導電路18を介して、それぞれ第2入力側導電路12に電気的に接続されている。具体的には、出力ポート23Aは、サブ側導電路18Aを介して、第2入力側導電路12に電気的に接続されており、出力ポート23Bは、サブ側導電路18Bを介して、第2入力側導電路12に電気的に接続されている。
【0025】
複数のメイン側導電路17は、一端がそれぞれ第1入力側導電路11に電気的に接続されており、他端がそれぞれ異なる出力ポート22に電気的に接続されている。複数のサブ側導電路18は、一端がそれぞれ第2入力側導電路12に電気的に接続されており、他端がそれぞれ異なる出力ポート23に電気的に接続されている。
【0026】
第1電源部90の電力は、第1入力側導電路11、メイン側導電路17、出力ポート22及び出力側導電路15を通じて、負荷94,96に供給される。また、第2電源部92の電力は、第2入力側導電路12、サブ側導電路18、出力ポート23及び出力側導電路15を通じて、負荷94,96に供給される。なお、以下では、メイン側導電路17において第1電源部90側を入力側と称し、出力ポート22側を出力側と称する。また、サブ側導電路18において第2電源部92側を入力側と称し、出力ポート23側を出力側と称する。
【0027】
電源システム100は、電源制御装置1を備えている。電源制御装置1は、第1電源部90から負荷94,96への電源供給が途切れた場合に、第2電源部92を用いたバックアップが行われるように制御するものである。電源制御装置1は、上述した複数の出力ポート22,23、複数のメイン側導電路17、及び複数のサブ側導電路18を備えている。更に、電源制御装置1は、メイン側スイッチング素子25,27、サブ側スイッチング素子26,28、電源監視部40、電圧電流監視部42、制御部44等を備えている。なお、電源制御装置1は、第2電源部92とともに電源装置3を構成する。
【0028】
複数のメイン側導電路17(メイン側導電路17A及びメイン側導電路17B)には、それぞれヒューズ30、メイン側スイッチング素子25,27(メイン側スイッチング素子25A,27A及びメイン側スイッチング素子25B,27B)、電流検出器32などが設けられている。
【0029】
メイン側スイッチング素子25は、ヒューズ30の出力側に設けられている。メイン側スイッチング素子25は、例えばリレースイッチとして構成されており、オン状態となることで、第1電源部90から出力ポート22に接続された負荷94,96への電力供給を許容する。
【0030】
メイン側スイッチング素子27は、メイン側スイッチング素子25の出力側に設けられている。メイン側スイッチング素子27は、例えばリレースイッチとして構成されており、オンオフ動作することで、出力側への出力電圧を変化させる。
【0031】
複数のサブ側導電路18(サブ側導電路18A及びサブ側導電路18B)には、それぞれヒューズ30、サブ側スイッチング素子26,28(サブ側スイッチング素子26A,28A及びサブ側スイッチング素子26B,28B)、電流検出器32などが設けられている。
【0032】
サブ側スイッチング素子26は、ヒューズ30の出力側に設けられている。サブ側スイッチング素子26は、例えばリレースイッチとして構成されており、オン状態となることで、第2電源部92から出力ポート23に接続された負荷94,96への電力供給を許容する。
【0033】
サブ側スイッチング素子28は、サブ側スイッチング素子26の出力側に設けられている。サブ側スイッチング素子28は、例えばリレースイッチとして構成されており、オンオフ動作することで、出力側への出力電圧を変化させる。
【0034】
電源監視部40は、第1電源部90の出力電圧を監視するとともに、第2電源部92(蓄電素子93の各々)の充電電圧を監視するものである。第1電源部90の出力電圧及び第2電源部92(蓄電素子93の各々)の充電電圧は、不図示の電圧検出器によって検出される。電源監視部40は、AD変換器等を備えてなり、電圧検出器から第1電源部90の出力電圧又は第2電源部92(蓄電素子93の各々)の充電電圧を示すアナログ信号を取得すると、AD変換して制御部44に出力する。
【0035】
電圧電流監視部42は、複数のメイン側導電路17のそれぞれの電圧及び電流を監視するとともに、複数のサブ側導電路18のそれぞれの電圧及び電流を監視するものである。複数のメイン側導電路17の電圧及び複数のサブ側導電路18の電圧は、それぞれ不図示の電圧検出器によって検出される。メイン側導電路17の電流及びサブ側導電路18の電流は、それぞれ電流検出器32によって検出される。電圧電流監視部42は、AD変換器等を備えてなり、不図示の電圧検出器又は電流検出器32の検出値を示すアナログ信号を取得すると、AD変換して制御部44に出力する。なお、電圧電流監視部42が、電圧監視部の一例に相当するとともに、電流監視部の一例に相当する。
【0036】
制御部44は、例えばマイクロコントローラ等を有して構成されており、CPU等の演算装置、ROM又はRAM等の記憶部、ドライバ等の駆動部等を有している。制御部44は、負荷94,96の組み合わせ毎に設定値の候補値を定めた情報に基づき、複数の出力ポート22に接続される負荷94,96の組み合わせに対応した設定値を設定する設定部46を備えている。設定部46は、複数の出力ポート22に接続される負荷94,96の組み合わせを判定し、その組み合わせに対応した設定値を記憶しておく。そして、制御部44は、所定の実行条件が成立すると、設定部46が記憶しておいた設定値を読み出し、その設定値に基づいてバックアップに関する制御を行う。
【0037】
制御部44は、電源監視部40から入力された信号に基づいて、第1電源部90の出力電圧及び第2電源部92(蓄電素子93の各々)の充電電圧を特定し得る。また、制御部44は、電圧電流監視部42から入力した信号に基づいて、メイン側導電路17の電圧値及び電流値を特定し得るとともに、サブ側導電路18の電圧値及び電流値を特定し得る。
【0038】
制御部44は、駆動部によって電圧変換器24を駆動し得る。制御部44は、電圧変換器24を駆動することで、第1電源部90側から電圧変換器24に入力された電圧を降圧して第2電源部92側に出力させて、第2電源部92を充電させる充電制御を行い得る。なお、充電制御は、「バックアップに関する制御」の一例に相当する。
【0039】
制御部44は、所定の充電開始条件が成立した場合に、電圧変換器24を駆動して第2電源部92の充電を開始する。充電開始条件は、例えばイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り替わったことである。第2電源部92は、イグニッションスイッチがオフの状態では、電圧が所定の待機電圧で保持されており、オン状態に切り替わると充電が開始される。制御部44は、充電の開始後、所定の充電終了条件が成立した場合に、電圧変換器24の駆動を停止して、第2電源部92の充電を終了する。充電終了条件は、例えば、第2電源部92の充電電圧が目標値(以下、充電目標値ともいう)となったことである。この充電目標値は、車種(搭載される負荷94,96の組み合わせ)によって異なるので、後述の設定処理によって車種に対応した充電目標値が設定される。
【0040】
制御部44は、第1電源部90からの電力供給が途切れた場合に、第2電源部92を用いてバックアップを行う。制御部44は、負荷94,96に対する出力電圧(サブ側導電路18の電圧)が所定の目標電圧値となるようにバックアップを行う。この目標電圧値は、車種(搭載される負荷94,96の組み合わせ)によって異なるので、後述の設定処理によって車種に対応した目標電圧値が設定される。
【0041】
また、制御部44は、バックアップ中において、負荷94,96に流れる電流値(サブ側導電路18の電流値)が所定の最大電流値を超えた場合に所定の保護動作を行う。所定の保護動作は、例えばサブ側スイッチング素子28をオフ状態とすることである。これにより、負荷94,96に流れる電流が遮断され、負荷94,96に大電流が流れることを防止し得る。最大電流値は、車種(搭載される負荷94,96の組み合わせ)によって異なるので、後述の設定処理によって車種に対応した最大電流値が設定される。
【0042】
次に、制御部44が実行する設定処理の流れを説明する。
制御部44は、所定の設定開始条件が成立した場合に、図2に示す設定処理を実行する。設定開始条件は、例えば、電源制御装置1(電源装置3)が車両に組み付けられて起動されたことである。すなわち、車種に対応した負荷94,96が接続された状態で起動されたことである。制御部44は、設定開始条件が成立した場合、ステップS1にて、全てのメイン側スイッチング素子25,27をオン状態に切り替える。その後、ステップS2にて、所定時間、各メイン側導電路17の電流を監視する。そして、ステップS3にて、上記所定時間内に、メイン側導電路17Aの電流値が所定の閾値を超えたか否かを判定する。
【0043】
ステップS3での判定の結果、メイン側導電路17Aの電流値が所定の閾値を超えたと判定した場合には、メイン側導電路17Aには電流が流れている(出力ポート22Aに第1負荷94が接続されている)と判定する。そして、ステップS4にて、上記所定時間内に、メイン側導電路17Bの電流値が所定の閾値を超えたか否かを判定する。
【0044】
ステップS4での判定の結果、メイン側導電路17Bの電流値が所定の閾値を超えたと判定した場合には、メイン側導電路17Bには電流が流れている(出力ポート22Bに第2負荷96が接続されている)と判定する。すなわち、負荷94,96の両方が接続されている(車種A)と判定する。そして、ステップS5にて、「第1負荷94、第2負荷96共にあり」を設定することで、車種Aに対応した設定値を設定する。
【0045】
ステップS4での判定の結果、メイン側導電路17Bの電流値が所定の閾値を超えていないと判定した場合には、メイン側導電路17Bには電流が流れていない(出力ポート22Bに第2負荷96が接続されていない)と判定する。すなわち、第1負荷94のみが接続されている(車種B)と判定する。そして、ステップS6にて、「第1負荷94のみ」を設定することで、車種Bに対応した設定値を設定する。
【0046】
一方、ステップS3での判定の結果、メイン側導電路17Aの電流値が所定の閾値を超えていないと判定した場合には、メイン側導電路17Aには電流が流れていない(出力ポート22Aに第1負荷94が接続されていない)と判定する。そして、ステップS7にて、上記所定時間内に、メイン側導電路17Bの電流値が所定の閾値を超えたか否かを判定する。
【0047】
ステップS7での判定の結果、メイン側導電路17Bの電流値が所定の閾値を超えたと判定した場合には、メイン側導電路17Bには電流が流れている(出力ポート22Bに第2負荷96が接続されている)と判定する。すなわち、第2負荷96のみが接続されている(車種C)と判定する。そして、ステップS8にて、「第2負荷96のみ」を設定することで、車種Cに対応した設定値を設定する。
【0048】
ステップS7での判定の結果、メイン側導電路17Bの電流値が所定の閾値を超えていないと判定した場合には、メイン側導電路17Bには電流が流れていない(出力ポート22Bに第2負荷96が接続されていない)と判定する。すなわち、負荷94,96の何れの負荷も接続されていない(車種D)と判定する。そして、設定値を変更することなく、設定処理を終了する。
【0049】
上述した記憶部には、制御部44が実行するプログラムが記憶されており、このプログラムには、負荷94,96の組み合わせ(車種)毎に設定値の候補値を定めた情報が含まれている。制御部44は、この情報に基づき、複数の出力ポート22,23に接続される負荷94,96の組み合わせに対応した設定値を設定する。設定値の設定対象項目は、例えば蓄電素子93の数、上述した目標電圧値、上述した最大電流値などである。
【0050】
蓄電素子93の数は、初期値として例えば「3」が設定される。蓄電素子93の数は、上述した設定処理において、負荷94,96の両方が接続されていると判定された場合には「8」に設定が変更され、第1負荷94のみが接続されていると判定された場合には「5」に設定が変更され、第2負荷96のみが接続されていると判定された場合には「4」に設定が変更され、負荷94,96のうち何れの負荷も接続されていないと判定された場合には初期値のままとされる。
【0051】
制御部44は、蓄電素子93の数を設定することで、負荷94,96の組み合わせに対応した蓄電素子93の数を認識することができ、蓄電素子93の数が関わる制御を車種に適した態様で行うことができる。例えば、制御部44は、設定された蓄電素子93の数に基づいて、第2電源部92の充電目標値を特定する。例えば、制御部44は、「1つ当たりの蓄電素子93の充電目標値」を予め記憶部に記憶しておく。そして、蓄電素子93の数が設定された場合に、設定された蓄電素子93の数に「1つ当たりの蓄電素子93の充電目標値」を乗じた数を、「第2電源部92の充電目標値」として特定する。
【0052】
制御部44は、第2電源部92の充電中において、第2電源部92の充電電圧が、「第2電源部92の充電目標値」に到達したか否かを判定する。そして、第2電源部92の充電電圧が、「第2電源部92の充電目標値」に到達したと判定すると、第2電源部92が満充電になったと判定し、第2電源部92の充電を終了する。
【0053】
また、目標電圧値は、初期値として例えば「7.5V」が設定される。目標電圧値は、上述した設定処理において、負荷94,96の両方が接続されていると判定された場合には「10V」に設定が変更され、第1負荷94のみが接続されていると判定された場合には「9V」に設定が変更され、第2負荷96のみが接続されていると判定された場合には「8V」に設定が変更され、負荷94,96のうち何れも接続されていないと判定された場合には初期値のままとされる。制御部44は、複数のサブ側導電路18の各々の電圧が、設定された目標電圧値となるように制御する。
【0054】
また、最大電流値は、初期値として例えば「19A」が設定される。最大電流値は、上述した設定処理において、負荷94,96の両方が接続されていると判定された場合には「40A」に設定が変更され、第1負荷94のみが接続されていると判定された場合には「30A」に設定が変更され、第2負荷96のみが接続されていると判定された場合には「20A」に設定が変更され、負荷94,96のうち何れも接続されていないと判定された場合には初期値のままとされる。制御部44は、サブ側導電路18の電流値が最大電流値に到達すると、そのサブ側導電路18について上述した保護動作を行う。
【0055】
このように電源制御装置1は、接続される負荷94,96の種類が予め決められた複数の出力ポート22,23を備えており、各々の出力ポート22,23について負荷94,96の接続の有無を判定することで、搭載された負荷の組み合わせ(車種)を特定することができる。また、電源制御装置1は、搭載された負荷の組み合わせ(車種)に対応付けて、バックアップに関する制御で用いられる設定値の候補値を予め記憶している。そして、設定処理において、特定した負荷の組み合わせに対応した設定値を設定する。こうして設定された設定値に基づいてバックアップに関する制御を行う。すなわち、電源制御装置1は、搭載する負荷の組み合わせが互いに異なる複数種類の車両に対し、バックアップに関する制御を適切に行うことができる。
【0056】
また、電源制御装置1は、設定値として、第2電源部92の充電電圧の目標値を設定する。そして、設定した目標値となるように充電制御を行う。このため、搭載する負荷の組み合わせに応じて第2電源部92の蓄電容量が異なる複数種類の車両に対し、第2電源部92を満充電とする制御を適切に行うことができる。
【0057】
また、電源制御装置1は、設定値として、目標電圧値を設定する。そして、サブ側導電路18の電圧が設定した目標電圧値となるように制御する。このため、搭載する負荷94,96の組み合わせに応じて上記目標電圧値が異なる複数種類の車両に対し、負荷94,96に供給する電圧値が適切な電圧値となるように制御を行うことができる。
【0058】
また、電源制御装置1は、設定値として、サブ側導電路18の最大電流値を設定する。そして、設定された最大電流値となった場合に、所定の保護動作を行う。このため、搭載する負荷94,96の組み合わせに応じて最大電流値が異なる複数種類の車両に対し、適切な時期に保護動作を行わせることができる。
【0059】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0060】
実施例1では、設定処理で設定された蓄電素子93の数に基づいて、「第2電源部92の充電電圧の目標値」を特定するようにした。しかし、「第2電源部92の充電電圧の目標値」を、負荷94,96の組み合わせに対応付けて予め記憶しておき、設定処理において負荷94,96の組み合わせに対応した「第2電源部92の充電電圧の目標値」を設定するようにしてもよい。
【0061】
実施例1では、設定処理で設定された蓄電素子93の数に基づいて、充電制御を行うようにした。この充電制御に代えて、又は充電制御に加え、設定処理で設定された蓄電素子93の数に基づいて、第2電源部92の故障の有無を判定するようにしてもよい。例えば、蓄電素子93の数に基づいて、「第2電源部92の充電電圧の目標値」を特定し、充電を開始してからの所定時間内に第2電源部92の充電電圧が目標値に到達しない場合に故障と判定するようにしてもよい。
【0062】
実施例1では、搭載される負荷の種類が最大2種類である場合について説明したが、搭載される負荷の種類が最大3種類以上であってもよい。
【0063】
実施例1では、全てのメイン側スイッチング素子25,27をオン状態として、メイン側導電路17に電流が流れるか否かを判定することで、各負荷94,96の接続の有無を判定するようにした。しかし、別の方法によって各負荷94,96の接続の有無を判定するようにしてもよい。例えば、メイン側導電路17の電圧に基づいて、各負荷94,96の接続の有無を判定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…電源制御装置
3…電源装置
17…メイン側導電路
18…サブ側導電路
22,23…出力ポート
25,27…メイン側スイッチング素子
26,28…サブ側スイッチング素子
42…電圧電流監視部(電圧監視部、電流監視部)
44…制御部
46…設定部
90…第1電源部
92…第2電源部
93…蓄電素子
94…第1負荷
96…第2負荷
図1
図2
図3