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特開2019-217977電子連動装置、電子連動システム、及び異常検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-217977(P2019-217977A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】電子連動装置、電子連動システム、及び異常検出方法
(51)【国際特許分類】
   B61L 19/06 20060101AFI20191129BHJP
   B61L 23/00 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   B61L19/06
   B61L23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-118261(P2018-118261)
(22)【出願日】2018年6月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大森 尉久
(72)【発明者】
【氏名】稲田 守
(72)【発明者】
【氏名】前田 徹
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161MM01
5H161MM11
5H161NN01
(57)【要約】
【課題】装置又はシステム全体の稼働時間の短縮を防止することが可能な電子連動装置、電子連動システム及び電子連動方法を提供する。
【解決手段】自系発振器の出力を計測する自系計測器と、2系統の他系発振器の各出力を計測する他系計測器と、比較器と、自系発振器からクロック信号を供給される処理部とを含んだ同一構成の3系統の処理ユニットを3重系構成として備え、比較器は、自系計測器及び他系計測器の3つの計測結果の比較結果に基づいて、自系発振器及び他系発振器の異常の有無を判定するようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現場機器を制御する電子連動装置において、
1つの自系発振器と、前記自系発振器の出力を計測する自系計測器と、2系統の他系発振器の各出力を計測する他系計測器と、比較器と、前記自系発振器からクロック信号を供給される処理部とを含んだ同一構成の3系統の処理ユニットを3重系構成として備え、
前記比較器は、
前記自系計測器及び前記他系計測器の3つの計測結果の比較結果に基づいて、前記自系発振器及び前記他系発振器の異常の有無を判定することを特徴とする電子連動装置。
【請求項2】
前記比較器は、
前記3つの計測結果のうちの一致する他の2つの計測結果と異なる1つの計測結果が計測された発振器が異常であると特定することを特徴とする請求項1に記載の電子連動装置。
【請求項3】
前記比較器は、
異常であると特定した発振器が前記自系発振器である場合に、他系統の前記処理ユニットに前記自系発振器の異常を通知することで、他系統の前記処理ユニットとの間で相互監視を行うことを特徴とする請求項2に記載の電子連動装置。
【請求項4】
異常であると特定された発振器以外の発振器を含む2つの前記処理ユニットで相互監視を行って前記現場機器の制御を継続することを特徴とする請求項3に記載の電子連動装置。
【請求項5】
前記自系発振器及び前記他系発振器に異常があると判定された場合に、縮退を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電子連動装置。
【請求項6】
前記自系発振器及び前記他系発振器に異常があると判定された場合に、上位装置に異常発生を通知して表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電子連動装置。
【請求項7】
前記処理ユニットは、前記処理部に供給されるクロック信号を切替える切替スイッチをさらに含み、
前記比較器は、
異常であると特定した発振器が前記自系発振器である場合に、前記自系発振器を切り離し、前記処理部に前記他系発振器からクロック信号が供給されるように前記切替スイッチを切替えることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の電子連動装置。
【請求項8】
前記処理ユニットは、前記自系発振器の出力を逓倍したサンプリング用クロックを生成する逓倍回路を含み、
前記自系計測器は、前記サンプリング用クロックを基に前記自系発振器の出力周期を計測し、
前記他系計測器は、前記サンプリング用クロックを基に前記他系発振器の出力周期を計測し、
前記比較器は、
前記自系計測器及び前記他系計測器の前記出力周期の計測結果と、前記出力周期の正常値とに基づいて、前記自系発振器及び前記他系発振器の劣化の有無を判定することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の電子連動装置。
【請求項9】
前記比較器は、
前記自系計測器及び前記他系計測器の前記出力周期の計測結果と、前記正常値に所定マージンを持たせた判定基準範囲とに基づいて、前記自系発振器及び前記他系発振器の劣化の有無を判定することを特徴とする請求項8に記載の電子連動装置。
【請求項10】
前記自系計測器及び前記他系計測器の前記出力周期の計測結果、又は、前記自系発振器及び前記他系発振器の劣化の有無の判定結果を蓄積することを特徴とする請求項8又は9に記載の電子連動装置。
【請求項11】
現場機器を制御する電子連動システムにおいて、
1つの自系発振器と、前記自系発振器の出力を計測する自系計測器と、2系統の他系発振器の各出力を計測する他系計測器と、比較器と、前記自系発振器からクロック信号を供給される処理部とを含んだ同一構成の3系統の処理ユニットを、これらが通信可能に通信ケーブルを介して接続された3重系構成として備え、
前記比較器は、
前記自系計測器及び前記他系計測器の3つの計測結果の比較結果に基づいて、前記自系発振器及び前記他系発振器の異常の有無を判定することを特徴とする電子連動システム。
【請求項12】
現場機器を制御する電子連動装置における異常検知方法において、
前記電子連動装置は、
1つの自系発振器と、前記自系発振器の出力を計測する自系計測器と、2系統の他系発振器の各出力を計測する他系計測器と、比較器と、前記自系発振器からクロック信号を供給される処理部とを含んだ同一構成の3系統の処理ユニットを3重系構成として備え、
前記比較器が、
前記自系計測器及び前記他系計測器の3つの計測結果の比較結果に基づいて、前記自系発振器及び前記他系発振器の異常の有無を判定することを特徴とする異常検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子連動装置、電子連動システム、及び異常検出方法に関し、例えば現場機器を制御する鉄道保安装置、ATC(Automatic Train Control)装置やATS(Auto Train Stop)装置等に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、信号機や転てつ機を制御する鉄道保安装置では、装置の故障が重大事故につながる可能性がある。従って、鉄道保安装置では装置が故障した場合においても、装置全体を安全側に制御するフェールセーフな構成が不可欠となる。ここで、「フェールセーフ」とは、部品等の故障により、重大事故を招くような危険側制御とならないことをいう。危険側制御にならないようにするため、部品故障を確実に検出する回路を付加することにより、安全側制御となるような構成としている。
【0003】
ところで、汎用的なシステムにおいては、1つの発振器により、CPU(Central Processing Unit)やIO(Input Output)、及びその周辺回路を動作させる構成が一般的である。しかし、1つの発振器により、CPUやIO、及びその周辺回路を動作させる構成の場合、発振器が故障し発振停止に至らず出力周波数が変動した場合、動作してしまう可能性がある。発振器がこのような故障をすると、確実な故障検出が不可能となる。
【0004】
この問題を解決するため、1系ユニット及び2系ユニットでシステムを2重化した2重系構成がある。1系ユニット及び2系ユニットは、自系の発振器が出力するクロック信号を、他系の発振器が出力するクロック信号を逓倍したサンプリング用クロックを基にサンプリングし、クロック信号の周期やH(High)電圧周期及びL(Low)電圧周期それぞれの期間を計測する。そして、1系ユニット及び2系ユニットは、自系及び他系の計測結果を比較し、比較結果が一致すれば1系ユニット及び2系ユニットの発振器は何れも正常であり、比較結果が不一致であれば1系ユニット及び2系ユニットの何れかの発振器が異常であると判定する。
【0005】
これらの処理を定期的に実施することで、1系ユニット及び2系ユニットの発振器に異常がないことを高精度に監視することが可能になる。更に1系ユニット及び2系ユニットは、系相互間の状態監視も行い、1系ユニット及び2系ユニット間で1系ユニット及び2系ユニットの発振器の状態を常時伝達する。このようにして、多重系構成ならではのメリットを生かし、追加部品を必要とせずに発振器の異常監視を行うことができる。
【0006】
しかし、この方法では1系ユニット及び2系ユニットの何れかの発振器が異常であることを検知可能であるが、発振器の異常が発生した系の特定は不可能である。また、発振器の異常が検出された場合、もう一方の正常な発振器も含め、システム全体を停止することになり、システムの稼働時間が短縮されてしまうという問題がある。この問題は、特許文献1により説明されている。
【0007】
そこで、特許文献1には、自系発振器と、自系発振器の出力を計測する計測器と、他系発振器の出力を計測する自系内に持つ計測器と、2つの計測器の結果を比較するための基準となる基準発振器の出力を計測する共通系計測器を備えた、同一構成の2重系構成の2つの制御装置を備えた保安装置が開示されている。この保安装置では、自系発振器の出力を計測する計測器の計測結果と、他系発振器の出力を計測する計測器の計測結果と、この2つの計測器の計測結果を比較するため基準となる基準発振器の出力を計測する共通系計測器の計測結果とを比較することにより、発振器の異常検出を可能にする。
【0008】
また、特許文献2には、システムクロックが運用系クロック分配装置及び予備系クロック分配装置に分岐して供給されるクロック分配システムが開示されている。このクロック分配システムでは、運用系クロック分配装置及び予備系クロック分配装置の内部でシステムクロックの断の監視を行い、断が検出されたときにはバッファ制御回路が他系への切り替えを行わせ、正常なシステムクロックを出力させる。
【0009】
また、特許文献3には、二重化された処理部にそれぞれ設けられ、同じ周波数の第1のクロック信号を出力する各発振器の異常を検知する発振器異常検知装置及び方法が開示されている。この発振器異常検知装置及び方法では、第1のクロック信号の整数倍の周波数を有する第2のクロック信号を共通発振器及び逓倍回路にて生成し、各処理部において、自系の発振器から出力された第1のクロック信号と、他系の発振器から出力された第1のクロック信号とをそれぞれ別個に第2のクロック信号と比較し、各処理部において、当該比較の結果に基づいて自系及び他系の発振器の異常の有無をそれぞれ判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2014−010567号公報
【特許文献2】特開2004−064344号公報
【特許文献3】特開2015−156155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述の従来技術では、多重系構成であることを利用した発振器の異常検出は可能であるが、多重系構成された装置の何れの発振器が異常となったかを特定できない場合がある。このため、1系ユニット及び2系ユニットの何れかの異常が検出された場合、もう一方の正常な発振器も含め、システム全体を停止することになり、システムの稼働時間も問題となる。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するため、装置又はシステム全体の稼働時間の短縮を防止することが可能な電子連動装置、電子連動システム及び電子連動方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、現場機器を制御する電子連動装置又は電子連動システムにおいて、1つの自系発振器と、前記自系発振器の出力を計測する自系計測器と、2系統の他系発振器の各出力を計測する他系計測器と、比較器と、前記自系発振器からクロック信号を供給される処理部とを含んだ同一構成の3系統の処理ユニットを3重系構成として備え、前記比較器は、前記自系計測器及び前記他系計測器の3つの計測結果の比較結果に基づいて、前記自系発振器及び前記他系発振器の異常の有無を判定する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、装置又はシステムの稼働時間の短縮を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態の電子連動装置の構成を説明するための図である。
図2図2は、実施形態の電子連動装置の状態及び動作を説明するための図である。
図3図3は、実施形態の電子連動装置の状態及び動作を説明するための図である。
図4図4は、実施形態の電子連動装置の状態及び動作を説明するための図である。
図5図5は、実施形態の電子連動装置の状態及び動作を説明するための図である。
図6図6は、実施形態の比較器/状態表示で行う判定処理のフローチャートである。
図7図7は、実施形態の劣化検知に関する動作を説明するための図である。
図8図8は、実施形態の劣化検知に関する動作を説明するための図である。
図9図9は、実施形態の劣化検知に関する動作を説明するための図である。
図10図10は、実施形態の劣化検知の判定基準範囲を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態は、自系発振器の出力を計測する計測器、同一構成の2つの他系発振器それぞれの出力を計測する計測器と、これら3つの計測器の計測結果を比較する比較器を備え、更に自系発振器の出力を逓倍回路により高速な信号を生成する機能を備える少なくとも3重系構成の電子連動装置であって、自系発振器の出力を計測する計測器の計測結果と、他系発振器それぞれの出力を計測する計測器の計測結果とを比較することで発振器の異常を検知し、且つ3重系構成のうちの異常が発生した発振器を特定することを可能にした。更に自系発振器の出力を逓倍した高速なクロックを用いてそれぞれの発振器のクロックを監視することで劣化の検知を可能にした。
【0017】
これらの異常又は劣化の検知により、何れの発振器が故障したかを特定することが可能となり、異常が発生した又は劣化した発振器を切り離して正常な発振器の出力を用いることで装置又はシステム全体の稼動時間の延長を可能にした。これを基にした、信号機や転てつ機等を制御する鉄道保安装置、地上子及び車上子を用いて列車を制御するATC(Automatic Train Control)装置やATS(Auto Train Stop)装置等に適用した例を以下に示す。
【0018】
なお、以下の実施形態では、発振器の「異常」とは発振器の突発故障に起因するものを言い、発振器の「劣化」とは発振器の寿命に起因する経年劣化を言う。
【0019】
(1)実施形態の電子連動装置の構成
以下、本発明の実施形態の電子連動装置について図1を用いて説明する。実施形態の電子連動装置10は、上位装置20と通信可能に接続されている。上位装置20は、列車の運転指令所に配置され、電子連動装置10に制御指令を出力するコンピュータである。上位装置20には、表示部21が接続されている。
【0020】
また、電子連動装置10は、現場機器30と通信可能に接続されている。現場機器30は、電子連動装置10が鉄道保安装置である場合には信号機や転てつ機等であり、電子連動装置10がATC装置やATS装置である場合には地上子及び車上子等である。
【0021】
図1に示すように、電子連動装置10は、1系ユニット117、2系ユニット217、3系ユニット317を有する。1系ユニット117、2系ユニット217、3系ユニット317は、処理ユニットであり、上位装置20からの制御指令をもとに現場機器30に動作指示を出力する。
【0022】
1系ユニット117は、発振器101、逓倍回路102、1系計測器103、2系計測器104、3系計測器105、CPU106、比較器/状態表示107、クロック信号切替スイッチ115を有する。2系ユニット217は、発振器201、逓倍回路202、1系計測器203、2系計測器204、3系計測器205、CPU206、比較器/状態表示207、クロック信号切替スイッチ215を有する。3系ユニット317は、発振器301、逓倍回路302、1系計測器303、2系計測器304、3系計測器305、CPU306、比較器/状態表示307、クロック信号切替スイッチ315を有する。CPU106、CPU206、CPU306は、処理部である。
【0023】
なお、図1図5では、1系ユニット117、2系ユニット217、3系ユニット317の構成の一部、例えばCPU106、206、306により制御されるIO(Input Output)及びその周辺回路の図示を省略している。
【0024】
1系ユニット117内では、発振器101が、配線108を介してクロック信号切替スイッチ115の端子1S1に接続されている。また、配線208とクロック信号切替スイッチ115の端子1S2とが接続され、配線308とクロック信号切替スイッチ115の端子1S3とが接続されている。
【0025】
また、発振器101は、クロック信号切替スイッチ115の共通端子1S0から配線116を介して、逓倍回路102、1系計測器103、CPU106、2系ユニット217の1系計測器203、3系ユニット317の1系計測器303に接続されている。
【0026】
逓倍回路102は、発振器101の出力を受けると共に、配線112を介して1系計測器103、2系計測器104、3系計測器105に接続されている。1系計測器103は、配線109を介して比較器/状態表示107に接続されている。2系計測器104は、配線110を介して比較器/状態表示107に接続されている。3系計測器105は、配線111を介して比較器/状態表示107に接続されている。
【0027】
比較器/状態表示107は、配線113を介してCPU106に接続されている。また、比較器/状態表示107は、他系との相互監視のため、配線1を介して2系ユニット217の比較器/状態表示207と、配線2を介して3系ユニット317の比較器/状態表示307と接続されている。
【0028】
同様に、2系ユニット217内では、発振器201が、配線208を介してクロック信号切替スイッチ215の端子2S2に接続されている。また、配線108とクロック信号切替スイッチ215の端子2S1とが接続され、配線308とクロック信号切替スイッチ215の端子2S3とが接続されている。
【0029】
また、発振器201は、クロック信号切替スイッチ215の共通端子2S0から配線216を介して、逓倍回路202、計測器203、CPU206、1系ユニット117の2系計測器104、3系ユニット317の2系計測器304に接続されている。
【0030】
逓倍回路202は、発振器201の出力を受けると共に、配線212を介して1系計測器203、2系計測器204、3系計測器205に接続されている。1系計測器203は、配線209を介して比較器/状態表示207に接続されている。2系計測器204は、配線210を介して比較器/状態表示207に接続されている。3系計測器205は、配線211を介して比較器/状態表示207に接続されている。
【0031】
比較器/状態表示207は、配線213を介してCPU206に接続されている。また、比較器/状態表示207は、他系との相互監視のため、配線1を介して1系ユニット117の比較器/状態表示107と、配線3を介して3系ユニット317の比較器/状態表示307と接続されている。
【0032】
同様に、3系ユニット317内では、発振器301が、配線308を介してクロック信号切替スイッチ315の端子3S3に接続されている。また、配線108とクロック信号切替スイッチ315の端子3S1とが接続され、配線208とクロック信号切替スイッチ215の端子3S2とが接続されている。
【0033】
また、発振器301は、クロック信号切替スイッチ315の共通端子3S0から配線316を介して、逓倍回路302、計測器303、CPU306、1系ユニット117の3系計測器105、2系ユニット217の3系計測器205に接続されている。
【0034】
逓倍回路302は、発振器301の出力を受けると共に、配線312を介して1系計測器303、2系計測器304、3系計測器305に接続されている。1系計測器303は、配線309を介して比較器/状態表示307に接続されている。2系計測器304は、配線210を介して比較器/状態表示307に接続されている。3系計測器305は、配線311を介して比較器/状態表示307に接続されている。
【0035】
比較器/状態表示307は、配線313を介してCPU306に接続されている。また、比較器/状態表示307は、他系との相互監視のため、配線3を介して1系ユニット117の比較器/状態表示107と、配線3を介して2系ユニット217の比較器/状態表示207と接続されている。
【0036】
なお、1系ユニット117、2系ユニット217、3系ユニット317は、これらの間がバス等により接続されていてもよいし、通信インターフェースを介して通信ケーブル等により接続されていてもよい。1系ユニット117、2系ユニット217、3系ユニット317がバス等により接続される場合には、電子連動装置10は、各ユニットが高速かつ高信頼で通信できる。一方、1系ユニット117、2系ユニット217、3系ユニット317が通信ケーブル等により接続される場合には、電子連動装置10は、各ユニットを柔軟に配置可能なシステムとなる。
【0037】
(2)発振器異常検知処理
以下、電子連動装置が行う発振器異常検知処理を、図2に基づいて説明する。通常状態(異常なし)では、1系のクロック信号切替スイッチ115の接点は端子1S1に接し、2系のクロック信号切替スイッチ215の接点は端子2S2に接し、3系のクロック信号切替スイッチ315の接点は端子3S3に接している。またこれらの接点の接続状態は、電子連動装置10の起動直後の初期設定と同じ状態である。
【0038】
この接点の接続状態において、1系ユニット117では、1系の発振器101から出力されるクロック信号が、配線108、クロック信号切替スイッチ115、配線116を経由して、1系ユニット117の1系計測器103で計測される。同様に、2系ユニット217では、2系の発振器201から出力されるクロック信号が、配線208、クロック信号切替スイッチ215、配線216を経由して、1系ユニット117の2系計測器104で計測される。同様に、3系ユニット317でも、3系の発振器301から出力されるクロック信号が、配線308、クロック信号切替スイッチ315、配線316を経由して、1系ユニット117の3系計測器105で計測される。
【0039】
同様に、2系ユニット217内でも、発振器101のクロック信号が1系計測器203で計測され、発振器201のクロック信号が2系計測器204で計測され、発振器301のクロック信号が3系計測器205で計測される。また、同様に、3系ユニット317内でも、発振器101のクロック信号が1系計測器303で計測され、発振器201のクロック信号が2系計測器304で計測され、発振器301のクロック信号が3系計測器305で計測される。
【0040】
発振器の異常検知はこれら計測器のブロックで行われる。ここで、計測器は全て同一構成であり、同一処理を行う。1系計測器103を例にすると、クロック信号の計測結果は、例えば、ある単位時間内において1系の発振器101から供給されたクロック信号の周期のカウント数である。
【0041】
例えば1系ユニット117では、比較器/状態表示107は、1系計測器103、2系計測器104、3系計測器105による計測結果を比較する。比較器/状態表示107は、計測結果に差異があれば何れかの系の発振器が異常と判定し、差異がなければ全ての発振器が正常と判定する。また、比較器/状態表示107は、3重系構成の2 out of 3の多数決論理により、3つの系のうち計測結果が一致する2つの系の発振器は正常と判定し、計測結果が一致しない1つの系の発振器が異常と判定できる。
【0042】
比較器/状態表示107は、発振器101の異常検知時に1系ユニット117のCPU106に対して異常報告を行う。また、比較器/状態表示107は、発振器101の異常を上位装置20に通知する。上位装置20は、発振器101の異常の通知に応じて、異常発生のアラートを表示部21に表示する。表示部21でのアラートの表示に基づき、異常が発生した1系ユニット117又は電子連動装置10自体の交換や補修等の対処が行われる。
【0043】
また、比較器/状態表示107は、2系ユニット217の比較器/状態表示207、3系ユニット317の比較器/状態表示307と相互接続されることで、異常発生時の1系ユニット117の発振器101、2系ユニット217の発振器201、3系ユニット317の発振器301の状態の相互監視を行う。また、比較器/状態表示107は、異常発生時のクロック信号切替スイッチ115の切替制御を行う。2系ユニット217及び3系ユニット317でも同様である。
【0044】
(3)クロック信号切替スイッチの切替制御
次に、1系ユニット117のクロック信号切替スイッチ115、2系ユニット217のクロック信号切替スイッチ215、3系ユニット317のクロック信号切替スイッチ315の切替制御について、図2図5を参照して説明する。図2図5は、実施形態の電子連動装置の状態及び動作を説明するための図である。これらの切替スイッチの状態は、発振器101、201、301の異常状態によって、下記(a)〜(d)4つのケースが考えられる。下記以外のケースは2重故障(2つ以上の異常)と考えられることから、異常検出の対象外とする。
【0045】
(a)全系発振器正常
(b)1系発振器異常
(c)2系発振器異常
(d)3系発振器異常
【0046】
(a)全系発振器正常の状態について
1系ユニット117の発振器101、2系ユニット217の発振器201、3系ユニット317の発振器301が全て正常である場合、1系ユニット117で計測する1系計測器103、2系計測器104、3系計測器105の計測結果が全て同一になる。同様に、2系ユニット217で計測する1系計測器203、2系計測器204、3系計測器205の計測結果も全て同一になり、更に3系ユニット317で計測する1系計測器303、2系計測器304、3系計測器305の計測結果が全て同一になる。よって、1系のクロック信号切替スイッチ115、2系のクロック信号切替スイッチ215、3系のクロック信号切替スイッチ315は図2のような状態となる。図2では、矢印A1〜A3の経路で、発振器101からCPU106に、発振器201からCPU206に、発振器301からCPU306にクロックが供給される状態を示す。
【0047】
(b)1系発振器異常の状態について
1系ユニット117の発振器101が異常となる場合、1系ユニット117内の比較器/状態表示107で判定する計測結果として、2系計測器104の計測結果と3系計測器105の計測結果は同一になるが、1系計測器103の計測結果とは異なる事になる。よって、比較器/状態表示107では、1系ユニット117の発振器101(自系)が異常であると判定し、配線113を介して、CPU106への異常報告及び配線114を介してクロック信号切替スイッチ115の切替制御が行われる。このクロック信号切替スイッチ115の切替制御は、例えば、クロック信号切替スイッチ115の端子1S2と共通端子1S0とを接続し、2系ユニット217の発振器201のクロックが、1系ユニット117のCPU106に供給されるようにするものである。
【0048】
一方、2系ユニット217では、1系計測器203の計測結果、2系計測器204の計測結果、3系計測器205の計測結果は1系ユニット117と同一結果になる。よって、比較器/状態表示207では、1系ユニット117の発振器101が異常であると判断するが、自系発振器ではないためCPU206への異常報告及びクロック信号切替スイッチ215の切替制御は行われない。比較器/状態表示207では、3重系相互接続により1系ユニット117から異常であることが報告される。3系ユニット317でも同様に、1系計測器303の計測結果、2系計測器304の計測結果、3系計測器305の計測結果は1系ユニット117と同一結果になる。よって、比較器/状態表示307では、1系ユニット117の発振器101が異常であると判断するが、自系発振器ではないためCPU306への異常報告及びクロック信号切替スイッチ315の切替制御は行われない。比較器/状態表示307では、3重系相互接続により1系ユニット117から異常であることが報告される。これらの状態は図3の状態になる。図3では、矢印B1〜B3の経路で、発振器201からCPU106及び206に、発振器301からCPU306にクロックが供給される状態を示す。
【0049】
(c)2系発振器異常の状態について
2系ユニット217の発振器201が異常となる場合、2系ユニット217内の比較器/状態表示207で判定する計測結果として、1系計測器203の計測結果と3系計測器205の計測結果は同一になるが、2系計測器204の計測結果とは異なる事になる。よって、比較器/状態表示207では、2系ユニット217の発振器201(自系)が異常であると判断し、配線213を介して、CPU206への異常報告及び配線214を介してクロック信号切替スイッチ215の切替制御を行う。このクロック信号切替スイッチ215の切替制御は、例えば、クロック信号切替スイッチ215の端子2S3と共通端子2S0とを接続し、3系ユニット317の発振器301のクロックが、2系ユニット217のCPU206に供給されるようにするものである。
【0050】
一方、1系ユニット117では、1系計測器103の計測結果、2系計測器104の計測結果、3系計測器105の計測結果は2系ユニット217と同一結果になる。よって、比較器/状態表示107では、2系ユニット217の発振器201が異常であると判断するが、自系発振器ではないためCPU106への異常報告及びクロック信号切替スイッチ115の切替制御は行われない。比較器/状態表示107では、3重系相互接続により2系ユニット217から異常であることが報告される。3系ユニット317でも同様に、1系計測器103の計測結果、2系計測器104の計測結果、3系計測器105の計測結果は2系ユニット217と同一結果になる。よって、比較器/状態表示307では、2系ユニット217の発振器201が異常であると判断するが、自系発振器ではないためCPU306への異常報告及びクロック信号切替スイッチ315の切替制御は行われない。比較器/状態表示307では、3重系相互接続により2系ユニット217から異常であることが報告される。これらの状態は図4の状態になる。図4では、矢印C1〜C3の経路で、発振器101からCPU106に、発振器301からCPU206及び306にクロックが供給される状態を示す。
【0051】
(d)3系発振器異常の状態について
3系の発振器301が異常となる場合、3系ユニット317内の比較器/状態表示307で判定する計測結果として、1系計測器303の計測結果と2系計測器304の計測結果は同一になるが、3系計測器305の計測結果とは異なる事になる。よって、比較器/状態表示307では、3系の発振器301(自系)が異常であると判断し、配線313を介して、CPU306への異常報告及び配線314を介してクロック信号切替スイッチ315の切替制御が行われる。このクロック信号切替スイッチ315の切替制御は、例えば、クロック信号切替スイッチ315の端子3S1と共通端子3S0とを接続し、1系ユニット117の発振器101のクロックが、3系ユニット317のCPU306に供給されるようにするものである。
【0052】
一方、1系ユニット117では、1系計測器103の計測結果、2系計測器104の計測結果、3系計測器105の計測結果は3系ユニット317と同一結果になる。よって、比較器/状態表示107では、3系の発振器301が異常であると判断するが、自系発振器ではないためCPU306への異常報告及びクロック信号切替スイッチ315の切替制御は行われない。比較器/状態表示107では、3重系相互接続により3系ユニット317から異常であることが報告される。2系ユニット217でも同様に、1系計測器203の計測結果、2系計測器204の計測結果、3系計測器205の計測結果は3系ユニット317と同一結果になる。よって、比較器/状態表示207では、発振器101が異常であると判断するが、自系発振器ではないためCPU306への異常報告及びクロック信号切替スイッチ315の切替制御は行われない。比較器/状態表示307では、3重系相互接続により3系ユニット317から異常であることが報告される。これらの状態は図5の状態になる。図5では、矢印D1〜D3の経路で、発振器101からCPU106及び306に、発振器201からCPU206にクロックが供給される状態を示す。
【0053】
(4)比較器/状態表示の処理
図6は、実施形態の比較器/状態表示で行う判定処理のフローチャートを示す図である。比較器/状態表示107、207、307は、図6に示す判定処理を、電子連動装置10の起動後から常時又は定期的に実行する。
【0054】
図6に示すように、まず、ステップS11では、比較器/状態表示107は、1系計測器103、2系計測器104、3系計測器105の計測結果を取り込む。同様に、ステップS11では、比較器/状態表示207は1系計測器203、2系計測器204、3系計測器205の計測結果を取り込む。同様に、ステップS11では、比較器/状態表示307は、1系計測器303、2系計測器304、3系計測器305の計測結果を取り込む。
【0055】
次に、ステップS12では、比較器/状態表示107、207、307は、ステップS11で取り込んだ各系の計測結果を比較する。
【0056】
次に、ステップS13では、比較器/状態表示107、207、307は、ステップS12での比較結果が正常であるか否かを判定する。この判定では、2 out of 3の多数決論理で、3つの系のうち計測結果が一致する2つの系の発振器は正常と判定し、計測結果が一致しない1つの系の発振器が異常と特定する。
【0057】
比較器/状態表示107、207、307は、ステップS12での比較結果が正常である場合(ステップS13:Yes)、ステップS11へ処理を戻す。一方、比較器/状態表示107、207、307は、ステップS12での比較結果が異常である場合(ステップS13:No)、ステップS14へ処理を移す。
【0058】
次に、ステップS14では、比較器/状態表示107、207、307は、ステップS13で異常と判定した比較結果が1系ユニット117の発振器101の異常を示すか否かを判定する。比較器/状態表示107、207、307は、ステップS13で異常と判定した比較結果が1系ユニット117の発振器101の異常を示す場合(ステップS14:Yes)、ステップS15へ処理を移す。一方、比較器/状態表示107、207、307は、ステップS13で異常と判定した比較結果が2系ユニット217の発振器201又は3系ユニット317の発振器301の異常を示す場合(ステップS14:No)、ステップS18へ処理を移す。
【0059】
以下、比較器/状態表示107は、自系発振器の異常であるためステップS15〜S17の処理を行うが、比較器/状態表示207及び307は、他系発振器の異常であるためステップS15〜S17の処理を行わない。ステップS15では、比較器/状態表示107は、CPU106に発振器101の異常報告を行う。この際、比較器/状態表示107は、比較器/状態表示207及び307に発振器101の異常報告を行うことで相互監視を行うと共に、上位装置20に発振器101の異常を通知する。
【0060】
そして、ステップS16では、比較器/状態表示107は、クロック信号切替スイッチ115の端子1S2(あるいは1S3)と共通端子1S0とを接続する。そして、ステップS17では、比較器/状態表示107は、電子連動装置10に、機能を制限してシステム縮退動作を行わせる。電子連動装置10は、縮退動作移行後、1系ユニット117、2系ユニット217、及び3系ユニット317で、制限されない機能の動作を継続する。このとき、電子連動装置10は、2系ユニット217及び3系ユニット317で2重系構成の相互監視を継続してもよい。このようにすることにより、電子連動装置10は、装置の信頼性が高まり、稼働時間の延長を図ることができる。
【0061】
他方、ステップS18では、比較器/状態表示107、207、307は、ステップS13で異常と判定した比較結果が2系ユニット217の発振器201の異常を示すか否かを判定する。比較器/状態表示107、207、307は、ステップS13で異常と判定した比較結果が2系ユニット217の発振器201の異常を示す場合(ステップS18:Yes)、ステップS19へ処理を移す。一方、比較器/状態表示107、207、307は、ステップS13で異常と判定した比較結果が3系ユニット317の発振器301の異常を示す場合(ステップS18:No)、ステップS22へ処理を移す。
【0062】
以下、比較器/状態表示207は、自系発振器の異常であるためステップS19〜S21の処理を行うが、比較器/状態表示107及び307は、他系発振器の異常であるためステップS19〜S21の処理を行わない。ステップS19では、比較器/状態表示207は、CPU206に発振器201の異常報告を行う。この際、比較器/状態表示207は、比較器/状態表示107及び307に発振器201の異常報告を行うことで相互監視を行うと共に、上位装置20に発振器201の異常を通知する。
【0063】
そして、ステップS20では、比較器/状態表示207は、クロック信号切替スイッチ215の端子2S1(あるいは2S3)と共通端子2S0とを接続する。そして、ステップS21では、比較器/状態表示207は、電子連動装置10に、機能を制限してシステム縮退動作を行わせる。電子連動装置10は、縮退動作移行後、1系ユニット117、2系ユニット217、及び3系ユニット317で、制限されない機能の動作を継続する。このとき、電子連動装置10は、1系ユニット117及び3系ユニット317で2重系構成の相互監視を継続してもよい。
【0064】
また他方で、比較器/状態表示307は、自系発振器の異常であるためステップS22〜S24の処理を行うが、比較器/状態表示107及び207は、他系発振器の異常であるためステップS22〜S24の処理を行わない。ステップS22では、比較器/状態表示307は、CPU306に発振器301の異常報告を行う。この際、比較器/状態表示307は、比較器/状態表示107及び207に発振器301の異常報告を行う相互監視を行うと共に、上位装置20に発振器301の異常を通知する。
【0065】
そして、ステップS23では、比較器/状態表示307は、クロック信号切替スイッチ315の端子3S1(あるいは3S2)と共通端子3S0とを接続する。そして、ステップS21では、比較器/状態表示307は、電子連動装置10に、機能を制限してシステム縮退動作を行わせる。電子連動装置10は、縮退動作移行後、1系ユニット117、2系ユニット217、及び3系ユニット317で、制限されない機能の動作を継続する。このとき、電子連動装置10は、1系ユニット117及び2系ユニット217で2重系構成の相互監視を継続してもよい。
【0066】
なお、図6は、比較器/状態表示107、207、307で行う判定処理の一例を示すに過ぎず、処理順序を入れ替えてもよい。例えば、ステップS15〜S17は、処理順序を入れ替えてもよい。同様に、ステップS19〜S21も処理順序を入れ替えてもよい。また、ステップS22〜S24も処理順序を入れ替えてもよい。
【0067】
(5)発振器劣化検知処理
図7図9は、実施形態の劣化検知に関する動作を説明するための図である。1系ユニット117の、2系ユニット217、及び3系ユニット317の各計測器は、上述の発振器の異常検知とは別に、発振器の劣化状態を検知する機能を持つ。
【0068】
以下、1系ユニット117を例に具体的に説明するが、2系ユニット217及び3系ユニット317も同様である。1系の逓倍回路102は、1系の発振器101の出力をn倍(nは所定整数)したサンプリング用クロックを生成する(図7図9では4倍として説明)。1系計測器103は、サンプリング用クロックを基に1系の発振器101のクロック信号のH(High)レベル及びL(Low)レベルをサンプリングしサンプリング数をチェックする。2系計測器104は、サンプリング用クロックを基に2系の発振器201のクロック信号のHレベル及びLレベルをサンプリングしサンプリング数をチェックする。3系計測器105は、サンプリング用クロックを基に3系の発振器301のクロック信号のHレベル及びLレベルをサンプリングしサンプリング数をチェックする。
【0069】
図7は、発振器の出力が正常なケースを示しており、Hレベル(4サンプリング)及びLレベル(4サンプリング)の周期が共に同一サンプリング数で正常に発振していることを示している。一方、図8は発振器のHレベルの周期が長く、Lレベルの周期が短くなったケースを示す。正常時、Hレベル及びLレベル共に4サンプリングであるが、図8では、Hレベルが6サンプリングを示し、次のLレベルで2サンプリングを示している。このように、発振器の出力の周期に変化が発生したことから、劣化とすることができる。図9は、Hレベルが2サンプリングを示し、次のLレベルで6サンプリングを示し、発振器の出力の周期に変化が発生したことから、劣化とすることができる。
【0070】
ここで、経年劣化により発振器のHレベル及びLレベルに変動が生じても、その変動がある程度の範囲内であれば、発振器から供給されるクロックで動作する装置が誤動作を起こすことはない。従って、発振器の出力のHレベル及びLレベルの周期変化の判定基準に範囲を持たせることで、直ちに劣化と判定せずに動作を継続させることが可能になる。図10は、実施形態の劣化検知の判定基準範囲を説明するための図である。
【0071】
比較器/状態表示107は、図10に示すように、正常値の前後に所定マージンを持たせた判定基準範囲を設定し、1系計測器103、2系計測器104、3系計測器105の計測結果が判定基準範囲内にあるか否かに基づいて1系の発振器101、2系の発振器201、3系の発振器301に劣化が発生しているか否かを判定する。本実施形態の場合、この判定基準範囲は、正常値を中心として前後に当該正常値の25[%]値の範囲を判定基準範囲として設定する。例えば正常値が「4」の場合、正常値の前後にそれぞれ「1」ずつマージンを持たせた「3〜5」が判定基準範囲となる。そして、比較器/状態表示107は、計測結果が上述の判定基準範囲外となる単位時間当たりの頻度が頻度閾値を超えた発振器に劣化が発生していると判定する。
【0072】
各計測器内部ではこれらのサンプリング数を常時監視するような構成とすることで、発振器の異常検知は当然ながら、発振器の劣化を検知することも可能となる。これにより、発振器故障前に対策を検討することも可能になる。また、監視したサンプリング数を蓄積しておき、統計分析等に供するようにしてもよい。このデータは、異常発生時には、異常発生前後のサンプリング数を比較するなど調査データとしての役割も果たせる有効なデータとなる。
【0073】
さらに、劣化と判定された回数が所定回数(もしくは単位時間当たりの所定回数)を超えた発振器がある場合、発振器に異常が生じている場合と同様に、上位装置20に通知し、この発振器をユニットから切り離して他系の発振器からクロック供給を受けるとしてもよい。
【0074】
なお、本実施形態では、1系ユニット117、2系ユニット217、3系ユニット317の何れも逓倍回路、1系計測器、2系計測器、3系計測器、CPUを備える構成としたが、何れかのユニットでこれらが省略されていてもよい。
【0075】
このように、本実施形態によれば、電子連動装置10の3重系構成された何れかの発振器101、201、301の異常又は重度の劣化が発生した場合に、この発振器を特定し、この発振器をユニットから切り離して他系の発振器からクロック供給を受けると共に、上位装置20に通知する。よって、電子連動装置10の稼動時間の延長を可能にすると共に、故障修理等の迅速な対応を可能とし、装置又はシステム全体の信頼性をより高めることができる。
【0076】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態もしくは変形例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0077】
10・・・電子連動装置、20・・・上位装置、21・・・表示部、30・・・現場機器、101、201、301・・・発振器、102、202、302・・・逓倍回路、103、203、303・・・1系計測器、104、204、304・・・2系計測器、105、205、305・・・3系計測器、106、206、306・・・CPU106、107、207、307・・・比較器/状態表示、115、215、315・・・クロック信号切替スイッチ、117・・・1系ユニット、217・・・2系ユニット、317・・・3系ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10