特開2019-217984(P2019-217984A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-217984(P2019-217984A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 37/02 20060101AFI20191129BHJP
   B62D 25/10 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   B62D37/02 Z
   B62D25/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-118464(P2018-118464)
(22)【出願日】2018年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 吉男
(72)【発明者】
【氏名】松前 和伸
【テーマコード(参考)】
3D004
【Fターム(参考)】
3D004AA15
(57)【要約】
【課題】外観が損なわれ難い車両を提供する。
【解決手段】車両は、少なくとも1つの貫通孔が形成された貫通孔板102aと、貫通孔板102aの上面を被覆する弾性膜102bと、貫通孔板102aのうち弾性膜102bと反対側の背面側に配される負圧発生部104と、を備える。これにより、車両は、走行状態において車両の表面にディンプルを形成し、車両の燃費を改善することができる。一方、車両は、走行停止状態において車両の表面にディンプルを形成させないことで、車両の外観を損なわれ難くしている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの貫通孔が形成された貫通孔板と、
前記貫通孔板の上面を被覆する弾性膜と、
前記貫通孔板のうち前記弾性膜と反対側の背面側に配される負圧発生部と、
を備える車両。
【請求項2】
前記負圧発生部は、
空気が流入する大径部と、
前記大径部よりも小さな内径を有し、前記大径部を流通した空気が流入する小径部と、
前記小径部と前記貫通孔板の背面側とを接続する連通部と、
を有する請求項1に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の表面にディンプルを形成することについて開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−202813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、車両の表面にディンプルを形成した場合、車両の外観が損なわれるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、外観が損なわれ難い車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両は、少なくとも1つの貫通孔が形成された貫通孔板と、貫通孔板の上面を被覆する弾性膜と、貫通孔板のうち弾性膜と反対側の背面側に配される負圧発生部と、を備える。
【0007】
負圧発生部は、空気が流入する大径部と、大径部よりも小さな内径を有し、大径部を流通した空気が流入する小径部と、小径部と貫通孔板の背面側とを接続する連通部と、を有してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、外観が損なわれ難い車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】車両の側面図である。
図2】車両の後方斜視図である。
図3】ディンプル生成部の概略構成図である。
図4】負圧発生部の概略構成図である。
図5A】車両の走行停止状態におけるディンプル生成部の断面形状を示す図である。
図5B】車両の低速走行状態におけるディンプル生成部の断面形状を示す図である。
図5C】車両の高速走行状態におけるディンプル生成部の断面形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0011】
図1は、車両1の側面図である。以下では、車両1の進行方向を前方(図1中、左側)、車両1の後退方向を後方(図1中、右側)として説明する。また、車両1の鉛直方向上側を上方(図1中、上側)、車両1の鉛直方向下側を下方(図1中、下側)として説明する。
【0012】
図1に示すように、車両1は、車体フレーム3を備える。車体フレーム3には、フロントフェンダー5と、フロントガラス7と、ルーフ9と、リアガラス11と、リアフェンダー13と、リアバンパー15と、トランクリッド17とが取り付けられている。
【0013】
車体フレーム3は、フロントピラー19と、リアピラー21を備える。フロントピラー19は、フロントガラス7の両側に配される。リアピラー21は、リアガラス11の両側に配される。
【0014】
フロントフェンダー5は、車両1の前部側壁を構成する。フロントフェンダー5は、車両1の前輪の上方に配される。フロントフェンダー5は、車両1の前輪の上方を覆う。ルーフ9は、車両1の屋根を構成する。ルーフ9は、車両1の上部を覆う。ルーフ9は、フロントピラー19およびリアピラー21により支持される。
【0015】
リアフェンダー13は、車両1の後部側壁を構成する。リアフェンダー13は、車両1の後輪の上方に配される。リアフェンダー13は、車両1の後輪の上方を覆う。リアバンパー15は、車両1の後下部を構成する。リアバンパー15は、車両1の後輪の後方に配される。リアバンパー15は、車両1の後輪の後方を覆う。
【0016】
トランクリッド17は、車両1の後上部を構成する。トランクリッド17は、車両1のトランクルームの上方および後方に配される。トランクリッド17は、トランクルームの上方および後方を覆う。本実施形態のトランクリッド17は、ディンプル生成装置100を備える。
【0017】
図2は、車両1の後方斜視図である。ディンプル生成装置100は、トランクリッド17の後方側に位置する。ディンプル生成装置100の上面は、トランクリッド17の上面に露出する。ディンプル生成装置100の上面は、トランクリッド17の上面と面一である。すなわち、ディンプル生成装置100は、トランクリッド17の上面の一部を構成する。ディンプル生成装置100は、ディンプル生成部102と、負圧発生部104を備える。
【0018】
図3は、ディンプル生成部102の概略構成図である。ディンプル生成部102は、貫通孔板102aと、弾性膜102bを備える。貫通孔板102aは、平板形状である。貫通孔板102aには、少なくとも1つの貫通孔102aaが形成される。本実施形態では、貫通孔板102aには、複数(ここでは、8つ)の貫通孔102aaが形成される。
【0019】
貫通孔102aaは、平面形状が円形である。ただし、貫通孔102aaは、平面形状が楕円形であってもよい。また、貫通孔102aaは、平面形状が三角形や矩形などの多角形であってもよい。
【0020】
弾性膜102bは、貫通孔板102aの上面に取り付けられる。すなわち、弾性膜102bは、貫通孔板102aの上面を被覆する。弾性膜102bは、貫通孔板102aの貫通孔102aaの上端を被覆する。弾性膜102bは、シリコンや天然ゴムのような弾力性を有する弾性部材を含んで構成される。
【0021】
弾性膜102bの上面は、トランクリッド17の上面に露出する。弾性膜102bの上面は、トランクリッド17の上面と面一である。すなわち、弾性膜102bは、トランクリッド17の上面の一部を構成する。ここで、弾性膜102bは、周囲に配される部材の色と同じ色を有する。本実施形態では、弾性膜102bの周囲には、トランクリッド17が配される。そのため、本実施形態の弾性膜102bは、トランクリッド17と同色とされる。弾性膜102bが周囲に配される部材と同じ色を有することにより、車両1の外観が損なわれ難くなる。
【0022】
図4は、負圧発生部104の概略構成図である。負圧発生部104は、ベンチュリ部104aと、チャンバ部104bと、連通部104cを備える。負圧発生部104は、貫通孔板102aのうち弾性膜102bと反対側の背面側に配される。ベンチュリ部104aは、例えば、配管により構成される。ベンチュリ部104aは、第1大径部104aaと、縮径部104abと、小径部104acと、拡径部104adと、第2大径部104aeを有する。
【0023】
第1大径部104aaは、一定の内径を有する。第1大径部104aaは、一端に開口(以下、空気導入開口という)を有し、他端が縮径部104abに接続される。
【0024】
縮径部104abは、一端が第1大径部104aaに接続され、他端が小径部104acに接続される。縮径部104abは、小径部104acと接続する側の内径が第1大径部104aaと接続する側の内径より小さい。縮径部104abの内径は、第1大径部104aa側から小径部104ac側に向かって漸減する。
【0025】
小径部104acは、一端が縮径部104abに接続され、他端が拡径部104adに接続される。小径部104acは、一定の内径を有する。小径部104acは、第1大径部104aaよりも小さな内径を有する。小径部104acの両端の間の中間部には、連通部104cが接続される。連通部104cは、一端が小径部104acに接続され、他端がチャンバ部104bに接続される。これにより、連通部104cは、小径部104acと貫通孔板102aの背面側とを接続する。
【0026】
チャンバ部104bは、内部にチャンバ室を有する。連通部104cは、小径部104acの内部空間と、チャンバ部104bの内部空間(チャンバ室)とを連通する。チャンバ部104bは、一端が連通部104cに接続され、他端に開口(開口端)を有する。チャンバ部104bの開口端は、ディンプル生成部102の貫通孔板102aに接続される。貫通孔板102aは、チャンバ部104bと接続する接続端とは反対側が弾性膜102bにより被覆される。つまり、チャンバ部104bの開口は、ディンプル生成部102により被覆される。チャンバ室は、チャンバ部104bとディンプル生成部102により形成される。
【0027】
拡径部104adは、一端が小径部104acに接続され、他端が第2大径部104aeに接続される。拡径部104adは、第2大径部104aeと接続する側の内径が小径部104acと接続する側の内径より大きい。拡径部104adの内径は、小径部104ac側から第2大径部104ae側に向かって漸増する。
【0028】
第2大径部104aeは、一定の内径を有する。第2大径部104aeは、一端が拡径部104adに接続され、他端に開口(以下、空気排出開口という)を有する。
【0029】
図2に示すように、リアフェンダー13には、車両1の内側に窪んだ空気導入部Bが形成される。リアフェンダー13の空気導入部Bには、車両1の後方側に開口13aが設けられる。また、リアフェンダー13の内側には、空気導入配管13bが配される。空気導入配管13bは、一端が開口13aに接続され、他端が第1大径部104aaの空気導入開口に接続される。
【0030】
リアバンパー15には、車両1の後輪を収容する後輪収容部Cが形成される。リアバンパー15の後輪収容部Cには、車両1の後方側に開口15aが設けられる。また、リアバンパー15の内側には、空気導入配管15bが配される。空気導入配管15bは、一端が開口15aに接続され、他端が第1大径部104aaの空気導入開口に接続される。
【0031】
また、リアバンパー15の下端には、排出孔15cが形成される。リアバンパー15の内側には、空気排出配管15dが配される。空気排出配管15dは、一端が排出孔15cに接続され、他端が第2大径部104aeの空気排出開口に接続される。
【0032】
このように、リアフェンダー13の開口13aおよび空気導入配管13bは、負圧発生部104の空気導入開口に連通される。また、リアバンパー15の開口15aおよび空気導入配管15bは、負圧発生部104の空気導入開口に連通される。また、リアバンパー15の排出孔15cおよび空気排出配管15dは、負圧発生部104の空気排出開口に連通される。
【0033】
車両1が走行を開始すると、開口13a、15aには、車両1の外部から空気が流入する。開口13a、15aから流入した空気は、空気導入配管13b、15bを通って、負圧発生部104の空気導入開口に導かれる。これにより、第1大径部104aaには、車両1の外部から空気が流入する。第1大径部104aaを流通した空気は、縮径部104abを介して小径部104acに流入する。小径部104acを流通した空気は、拡径部104adを介して第2大径部104aeに流入する。第2大径部104aeを流通した空気は、空気排出開口から排出される。空気排出開口から排出された空気は、空気排出配管15dを通って、排出孔15cから車両1の外部に排出される。
【0034】
このように、車両1が走行を開始すると、負圧発生部104内を空気が流通する。一方、車両1が走行を停止すると、負圧発生部104内を空気が流通しなくなる。
【0035】
ここで、図4に示すP0は、車両1(ディンプル生成装置100)の外部の空気の圧力(大気圧)である。P1は、第1大径部104aa内の空気の圧力である。A1は、第1大径部104aaの流路断面積である。V1は、第1大径部104aaを流れる空気の流速である。P2は、小径部104ac内の空気の圧力である。A2は、小径部104acの流路断面積である。V2は、小径部104acを流れる空気の流速である。
【0036】
なお、小径部104acの内部空間は、連通部104cを介してチャンバ部104bのチャンバ室と連通している。したがって、チャンバ部104bのチャンバ室内の圧力は、小径部104ac内の圧力P2と大凡等しくなる。
【0037】
図5Aは、車両1の走行停止状態におけるディンプル生成部102の断面形状を示す図である。車両1の走行停止状態では、負圧発生部104内を空気が流通しない。負圧発生部104内を空気が流通しない場合、小径部104acおよびチャンバ部104b内の圧力P2は、第1大径部104aa内の圧力P1、および、車両1の外部の圧力P0と大凡等しくなる。
【0038】
そのため、弾性膜102bの上面側の圧力P0と下面側の圧力P2との差圧ΔPは、所定値未満となる。弾性膜102bは、差圧ΔPが所定値未満である場合、変形せずに、トランクリッド17の上面に沿った形状を維持する。すなわち、弾性膜102bの上面は、トランクリッド17の上面と面一となる形状を維持する。なお、貫通孔板102aの貫通孔102aaは、弾性膜102bにより被覆されており、車両1の外部から目視できないように構成されている。したがって、車両1の走行停止状態では、車両1の外観が損なわれ難い。
【0039】
車両1が走行停止状態から走行状態に移行した場合、負圧発生部104内を空気が流通する。負圧発生部104内を空気が流通する場合、小径部104ac内を流れる空気の流速は、以下の式(1)で示す流速V2となる。
【0040】
V2=(A1/A2)V1 ・・・ 式(1)
【0041】
ここで、小径部104acの内径は、第1大径部104aaの内径より小さい。したがって、小径部104acの流路断面積A2は、第1大径部104aaの流路断面積A1より小さい。
【0042】
上記式(1)より、流路断面積A2が流路断面積A1より小さいため、小径部104ac内の流速V2は、第1大径部104aa内の流速V1より大きくなる。ベルヌーイの定理により、小径部104ac内の流速V2が第1大径部104aa内の流速V1より大きくなると、小径部104ac内の圧力P2は、第1大径部104aa内の圧力P1より小さくなる。
【0043】
小径部104ac内の流速V2が大きくなるほど、小径部104ac内の圧力P2は、小さくなる。なお、第1大径部104aa内の圧力P1は、車両1の外部の圧力P0と大凡等しい。したがって、車両1の走行状態では、小径部104ac内の圧力P2は、車両1の外部の圧力P0より小さくなる。その結果、チャンバ部104bのチャンバ室が負圧になる。
【0044】
図5Bは、車両1の低速走行状態におけるディンプル生成部102の断面形状を示す図である。車両1の車速が速くなるにつれ、第1大径部104aa内の流速V1は大きくなる。上述したように、車両1の走行状態では、小径部104ac内の流速V2は、第1大径部104aa内の流速V1より大きくなる。小径部104ac内の流速V2が所定速度以上となると、差圧ΔPは所定値以上となる。弾性膜102bは、差圧ΔPが所定値以上となると、変形を開始する。図5Bでは、弾性膜102bが変形を開始した状態を示している。
【0045】
弾性膜102bは、変形を開始すると、貫通孔板102aの貫通孔102aaの内部に進入する。このとき、弾性膜102bの上面(表面)には、ディンプル(窪み)Dが形成される。このディンプルDは、貫通孔板102aに形成された貫通孔102aaの数だけ形成される。
【0046】
図5Cは、車両1の高速走行状態におけるディンプル生成部102の断面形状を示す図である。上述したように、小径部104ac内の流速V2が大きくなるほど、小径部104ac内の圧力P2は小さくなる。したがって、車両1の車速が速くなるほど、小径部104ac内の圧力P2は小さくなる。その結果、差圧ΔPは、車両1の車速が速くなるほど大きくなる。
【0047】
差圧ΔPが大きくなるほど、弾性膜102bの変形量は大きくなる。つまり、差圧ΔPが大きくなるほど、弾性膜102bの上面(表面)に形成されるディンプル(窪み)Dの深さは、大きくなる。したがって、図5Cに示す車両1の高速走行状態におけるディンプルDの深さは、図5Bに示す車両1の低速走行状態におけるディンプルDの深さより大きくなる。
【0048】
車両1の走行状態においては、車両1の表面を流れる空気は、車両1の表面から剥離し、剥離位置より後方側にカルマン渦を形成する。車両1の表面を流れる空気は、例えば、図1に示すトランクリッド17の上面の後端17aから剥離する。カルマン渦が形成されると、車両1の空気抵抗が大きくなる。車両1の空気抵抗が大きくなると、車両1の燃費が悪化する。
【0049】
本実施形態では、トランクリッド17の後端17aよりも車両1の前方側にディンプル生成装置100を設けている。ディンプル生成装置100は、車両1が走行状態であるとき、トランクリッド17(弾性膜102b)の上面にディンプルDを生成する。車両1の表面を流れる空気は、トランクリッド17の後端17aに到達する直前で、ディンプルDに流入する。ディンプルDは、車両1の表面を流れる空気を乱す。これにより、カルマン渦の形成が抑制される。カルマン渦の形成が抑制されることで、車両1の空気抵抗が小さくなる。車両1の空気抵抗が小さくなることで、車両1の燃費が改善される。
【0050】
また、カルマン渦の大きさは、車両1の車速に応じて変化する。カルマン渦の大きさは、車両1の車速が小さくなるほど小さくなる。カルマン渦の大きさは、車両1の車速が大きくなるほど大きくなる。本実施形態では、ディンプル生成装置100は、車両1の車速に応じてディンプルDの形状(深さ)を変化させる。本実施形態では、ディンプルDの深さは、車両1の車速が小さくなるほど小さく(浅く)形成される。ディンプルDの深さは、車両1の車速が大きくなるほど大きく(深く)形成される。したがって、ディンプル生成装置100は、カルマン渦の大きさに応じて、ディンプルDの形状(深さ)を変化させることができる。これにより、ディンプル生成装置100は、カルマン渦の形成を効果的に抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態では、弾性膜102bは、差圧ΔPが所定値以上であるときに変形し、差圧ΔPが所定値未満であるときに元の形状に戻る。したがって、車両1が走行停止状態であるとき、弾性膜102bの上面は、トランクリッド17の上面に沿った形状を維持する。これにより、車両1は、走行停止状態において外観が損なわれ難い。
【0052】
このように、本実施形態のディンプル生成装置100は、車両1の走行状態において車両1の表面にディンプルDを形成し、車両1の燃費を改善することができる。一方、本実施形態のディンプル生成装置100は、車両1の走行停止状態において車両1の表面にディンプルDを形成させないことで、車両1の外観を損なわれ難くする。また、車両1の走行停止状態では、弾性膜102bの上面がトランクリッド17の上面に沿った形状を維持するため、車両発進時における空気抵抗が小さくなる。そのため、車両1の燃費が改善される。
【0053】
また、本実施形態では、負圧発生部104は、車両1の走行時における車両1の表面を流れる空気を利用し、ベンチュリ部104aの絞りで負圧を発生させている。したがって、負圧を発生させるための動力源が別途不要である。負圧を発生させるための動力源が別途不要であるため、車両1の燃費を改善することができる。
【0054】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0055】
上記実施形態では、トランクリッド17の後部にディンプル生成装置100を1つだけ設ける例について説明した。しかし、これに限定されず、ディンプル生成装置100は、トランクリッド17の後部に複数設けられてもよい。また、複数のディンプル生成装置100は、弾性膜102bの硬さ(材質)が互いに異なっていてもよい。
【0056】
例えば、弾性膜102bの硬さが硬い方のディンプル生成装置100は、車両1の低速走行状態においてディンプルDを生成せずに、車両1の高速走行状態においてディンプルDを生成する。一方、弾性膜102bの硬さが柔らかい方のディンプル生成装置100は、車両1の低速走行状態および高速走行状態においてディンプルDを生成する。
【0057】
これにより、車両1の車速が大きくなるほど、ディンプルDの数を増加させることができる。つまり、カルマン渦が大きくなるほど、ディンプルDの数を増加させることができる。したがって、カルマン渦の形成を効果的に抑制することができる。
【0058】
上記実施形態では、ディンプル生成装置100は、複数のディンプルDを生成する例について説明した。しかし、これに限定されず、ディンプル生成装置100は、単数のディンプルDを生成してもよい。また、車両1には、単数のディンプルDを生成するディンプル生成装置100が複数設けられてもよい。このとき、複数のディンプル生成装置100は、小径部104acの内径が互いに異なっていてもよい。ここで、負圧発生部104は、小径部104acの内径が小さくなるほど、差圧ΔPを大きくすることができる。したがって、小径部104acの互いに異なる内径を調整することで、ディンプル1つ1つの窪み量を調整することができる。
【0059】
上記実施形態では、トランクリッド17の後部にディンプル生成装置100を設ける例について説明した。ただし、ディンプル生成装置100は、車両1の表面を流れる空気が剥離される場所(部材)に設けられていればよい。したがって、ディンプル生成装置100が設けられる場所は、トランクリッド17に限定されない。例えば、ディンプル生成装置100は、フロントフェンダー5、ルーフ9、リアピラー21、リアフェンダー13、リアバンパー15、および、トランクリッド17のうち少なくともいずれかに設けられていればよい。
【0060】
上記実施形態では、負圧発生部104が負圧を発生させるための動力源を備えない例について説明した。しかし、これに限定されず、負圧発生部104は、負圧を発生させるための動力源を備えてもよい。例えば、負圧発生部104は、送風機を備えてもよい。その場合、ベンチュリ部104aには、送風機から送出される空気が流入する。送風機から送出される空気の流量を制御することで、ディンプルDの形状(深さ)を制御することができる。また、負圧発生部104は、真空ポンプを備えてもよい。その場合、チャンバ部104bには、真空ポンプが接続される。真空ポンプがチャンバ室から排出する空気の量を制御することで、ディンプルDの形状(深さ)を制御することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、車両に利用できる。
【符号の説明】
【0062】
1 車両
102a 貫通孔板
102aa 貫通孔
102b 弾性膜
104 負圧発生部
104aa 第1大径部(大径部)
104ac 小径部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C