【解決手段】シート材容器100は、容器本体20を備え、容器本体20は、第1フィルム層と第2フィルム層とを含む複数のフィルム層を積層した本体構成シート材により構成されており、本体構成シート材は、複数のフィルム層どうしが部分的に非接合とされた非接合部を有するとともに非接合部における複数のフィルム層どうしの層間に充填材が封入されている充填部40を有し、シート材容器100は、容器本体20の縁部に位置する第1フィルム層の縁部に形成されていて破断の起点となる第1ノッチ71と、第1ノッチ71を起点とした破断の伸展先に配置されている第2ノッチ72とを備え、第1ノッチ71を起点とした破断に引き続いて第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展先に充填部40が配置されている。
前記第1ノッチと、前記第2ノッチと、前記第2ノッチから伝搬する破断の伸展先に位置する前記充填部と、が実質的に同一直線上に配置されている請求項1又は2に記載のシート材容器。
前記第2ノッチと、前記第2ノッチから伝搬する破断の伸展先に位置する前記充填部との間に、前記第2ノッチから伝搬する破断を当該充填部に向けて誘導する易破断部が形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載のシート材容器。
前記第3ノッチから伝搬する破断の伸展方向と、前記第2ノッチから伝搬する破断の伸展方向と、が互いに異なる方向となっている請求項6又は7に記載のシート材容器。
前記第3ノッチと前記第2ノッチとの間に、前記第3ノッチから伝搬する破断を前記第2ノッチに向けて誘導する易破断部が形成されている請求項6から8のいずれか一項に記載のシート材容器。
前記収容領域は、前記突出部の基端側における当該シート材容器の前記縁辺部よりも当該シート材容器の中心側の領域に収まっている請求項11又は12に記載のシート材容器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
【0011】
〔第1実施形態〕
先ず、
図1から
図6を用いて第1実施形態を説明する。なお、
図5(a)及び
図6では、内袋30を構成する内袋構成シート材31のシール境界線31aを便宜的に実線で示している。シール境界線31aは、容器構成シート材51(
図6)を用いてシート材容器100が形成される際に、内袋構成シート材31どうしが接合(シール)される領域と、内袋構成シート材31における他の領域と、の境界線である。
【0012】
本発明に係るシート材容器の形態は特に限定されず、自立可能な形態であっても良いし、自立せず寝かせて配置することを想定した形態であっても良い。ただし、本実施形態の場合、シート材容器100は、底マチ19(
図1、
図4)を有しており、
図1に示すように底マチ19が水平な載置面50に載置された状態で自立可能な自立容器である。
【0013】
本実施形態において、シート材容器100の各構成要素の位置関係(上下関係等)の説明は、特に断りのない場合は、シート材容器100を
図1のように自立させた状態での位置関係を説明したものである。ただし、この説明における位置関係は、シート材容器100の使用時や製造時の位置関係とは必ずしも一致しない。
なお、シート材容器100の各構成要素の位置関係について、各図に示される位置関係を説明する場合もある。
また、シート材容器100の正面側(
図1における手前側)を前方、シート材容器100の背面側(
図1における奥側)を後方といい、シート材容器100の正面に向かって左側(
図1における左側)を左方、シート材容器100の正面に向かって右側(
図1における右側)を右方という。また、シート材容器100の左右方向を横幅方向という場合がある。
【0014】
図1から
図3に示すように、本実施形態に係るシート材容器100は、内容物90を収容する収容領域35を包囲する容器本体20を備えるシート材容器100である。
容器本体20は、第1フィルム層(外側フィルム22)と第2フィルム層(内側フィルム23)とを含む複数のフィルム層を積層した本体構成シート材21により構成されている。
本体構成シート材21は、複数のフィルム層どうしが部分的に非接合とされた非接合部24(
図3、
図5(b)、
図6)を有するとともに、非接合部24における複数のフィルム層どうしの層間(本実施形態の場合、外側フィルム22と内側フィルム23との層間)に充填材が封入されている充填部40を有する。
第1フィルム層(外側フィルム22)は、第2フィルム層(内側フィルム23)よりも、容器本体20の外面側に配置されているとともに、第2フィルム層の外形線の少なくとも一部分は第1フィルム層の外形線よりも内側に配置されている。
シート材容器100は、容器本体20の縁部に位置する第1フィルム層(外側フィルム22)の縁部に形成されていて破断の起点となる第1ノッチ71と、第1ノッチ71を起点とした破断の伸展先に配置されている第2ノッチ72と、を備える。
第2ノッチ72は、第1フィルム層(外側フィルム22)の外形線よりも内側に配置されているとともに、第2フィルム層(内側フィルム23)と第1フィルム層とのうち少なくとも第2フィルム層に形成されている。
ここで、第2ノッチ72が第1フィルム層(外側フィルム22)の外形線よりも内側に配置されているとは、第2ノッチ72の少なくとも最奥部が第1フィルム層の外形線よりも内側に配置されていることをいう。本実施形態の場合、第2ノッチ72の全体が第1フィルム層の外形線よりも内側に配置されている。
また、第1ノッチ71を起点とした破断の伸展先に第2ノッチ72が配置されているとは、第2ノッチ72の少なくとも最奥部が、第1ノッチ71を起点とした破断の伸展先に配置されていることをいう。
第1ノッチ71を起点とした破断に引き続いて第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展先に充填部40が配置されている。
【0015】
本実施形態によれば、使用者が、第1ノッチ71を起点としてシート材容器100を破断し、引き続き第2ノッチ72から破断を伸展させることによって、容易に破断を充填部40に到達させることができる。よって、充填部40内の充填材を外部に排出するためのシート材容器100の破断をより容易に行うことが可能となる。
【0016】
なお、シート材容器100は、後述する他の実施形態のように、充填部40内の充填材を外部の排出するために用いられる3つ以上のノッチを備えていてもよい。換言すれば、シート材容器100は、複数のノッチを備え、これら複数のノッチのうち、充填部40の手前で最終的に破断の起点となるノッチ(最終ノッチ)が、第2ノッチである。
【0017】
また、本実施形態に係る内容物詰めシート材容器200は、本実施形態に係るシート材容器100と、収容領域35に収容された内容物90と、を備える。
【0018】
本発明において、内容物90の種類は、特に限定されない。内容物90としては、例えば、洗剤、漂白剤、柔軟剤、シャンプー、リンス、ボディーソープ、飲料、食品などが挙げられる。
また、内容物90は、液体(ペースト状のものを含む)であっても良いし、固体(例えば、粒状のもの(顆粒状のものを含む)、或いは粉状のものなど)であっても良い。
本実施形態の場合、内容物90は、例えば、液体である。
内容物90が液体の場合には、内容物90の粘度は、例えば30℃において好ましくは1mPa・s以上12万mPa・s以下(B型粘度計で測定。例えば東機産業社製ビスコメーターTV−10又はビスコメーターTVB−10等で測定)であり、より好ましくは1mPa・s以上6万mPa・s以下である。
【0019】
本実施形態の場合、シート材容器100は、
図3に示すように、内袋構成シート材31により構成されていて内容物90を収容する収容領域35を有する内袋30を備えている。
容器本体20は、内袋30の周囲を覆っているとともに、内袋30を保持している。容器本体20は、収容領域35を有する内袋30を覆っているため、収容領域35を包囲している。本実施形態の場合、容器本体20は、シート材容器100の外袋である。
【0020】
シート材容器100の正面形状、すなわち容器本体20の正面形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、シート材容器100の正面形状は、例えば、
図1に示すように、縦長の長方形状となっている。容器本体20は、底マチ19を有する袋状に形成されている。
図3に示すように、容器本体20は、正面側に位置する第1主面部20aと背面側に位置する第2主面部20bとを有する。
内袋30の正面形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、内袋30の正面形状も、縦長の長方形状となっている。内袋30も、底マチを有する袋状に形成されている。また、内袋30も、正面側に位置する第1主面部30aと背面側に位置する第2主面部30bとを有する。第1主面部30aと第2主面部30bとは収容領域35を間に挟んで互いに前後に対向している。
例えば、シート材容器100の下端部以外においては、正面視における容器本体20の外形線と内袋30の外形線とがほぼ一致しており、シート材容器100の下端部においては、正面視における容器本体20の外形線の内側に内袋30の外形線が配置されている。
【0021】
本実施形態の場合、シート材容器100は、底部には底マチ19を有しているが、上端部にはマチを有していない。このため、シート材容器100の厚み寸法(前後方向の厚み寸法)は、底部側から上部側に向かって減少している。収容領域35の内腔領域の厚み寸法も、底部側から上部側に向かって減少しており、従って、収容領域35の内腔断面積も、底部側から上部側に向かって減少している。
ただし、シート材容器100は、上端部にもマチ(天マチ)を有していてもよい。
【0022】
シート材容器100は、内袋30から内容物90を注出するための注出口(不図示)の形成予定部14を有する。
内袋30から内容物90を注出するための注出口の形成予定部14は、収容領域35の端部を横切る位置に配置されている。形成予定部14は、例えば、シート材容器100の上端部の横幅方向における一端部(
図1では左端部)に配置されている。
【0023】
本実施形態の場合、形成予定部14の端部には開封ノッチ13が形成されている。開封ノッチ13は、シート材容器100の周縁に形成された切欠形状部である。
形成予定部14には、開封ノッチ13に連なる開封案内線が形成されていることが好ましい。開封案内線は、容器本体20と内袋30との少なくとも一方に形成されたハーフカット溝、容器本体20に形成されたミシン目、又は易開封フィルムなどにより構成されている。ただし、形成予定部14には開封案内線が形成されていなくてもよい。
シート材容器100において、形成予定部14を境界とする一方の部分を開封タブ12と称し、シート材容器100における残りの部分、すなわち形成予定部14を境界とする他方の部分を本体部11と称する。
使用者が、開封ノッチ13を起点として、形成予定部14に沿ってシート材容器100の容器本体20及び内袋30を破断し、本体部11から開封タブ12を分離させることにより、内袋30に注出口(不図示)が形成される。
よって、注出口が形成された状態で、注出口を下向きにする(収容領域35を注出口の上側に位置させる)ことにより、内袋30の収容領域35の内容物90が、当該内容物90の自重などによって、注出口を介してシート材容器100の外部に注出される。
本実施形態の場合、シート材容器100は、当該シート材容器100の上縁から下方に延びる切欠形状部15が形成されている。
形成予定部14は、シート材容器100の一方の側縁部(例えば左側の側縁部17)と切欠形状部15との間に形成されている。
内袋30の収容領域35において、内袋30の一方の側縁部(例えば左側縁部)と切欠形状部15との間の部分は、形成予定部14に向けて先細りのノズル状に形成されている。
なお、本発明は、この例に限らず、注出口は、形成予定部14に設けられたスパウトのキャップ(例えばスクリューキャップ)をスパウトから取り外すことにより形成されるスパウトの開口であってもよい。
【0024】
シート材容器100における充填部40の配置は特に限定されないが、本実施形態の場合、充填部40は、容器本体20の第1主面部20aの左右の側縁部においてそれぞれ上下に延在している上下延在充填部41と、容器本体20の第2主面部20bの左右の側縁部においてそれぞれ上下に延在している上下延在充填部41と、底マチ19の周縁に沿って周回状に形成されている周回状充填部42と、を含んで構成されている。そして、4つの上下延在充填部41の下端は、それぞれ周回状充填部42と連通している。
充填部40に封入されている充填材は、流体(気体または液体)、固体(例えば粉粒体、樹脂ペレット等)または半固体(例えば発泡材等)とすることができ、空気などの気体であることが好ましい。
【0025】
シート材容器100は、
図5(a)に示すように、内袋30を構成する内袋構成シート材31と、容器本体20を構成する本体構成シート材21と、を備えて構成されている。
内袋30は、内袋構成シート材31を折り曲げて当該内袋構成シート材31の周縁部(
図5(a)に示すシール境界線31aの外側の部分など)どうしを相互に接合して接合部(内袋シール部32)を形成することにより、袋状に形成されている。
内袋構成シート材31の周縁部どうしの接合の手法としては、一例として、ヒートシール、超音波シール、接着剤による接合等を用いることができる。
【0026】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、本体構成シート材21は、容器本体20の外面側を構成する外側フィルム22と、容器本体20の内面側を構成する内側フィルム23と、を相互に積層及び接合することにより構成されている。すなわち、一例として、本実施形態の場合、本体構成シート材21は、外側フィルム22と内側フィルム23との2層のフィルム層により構成されている。ただし、本発明は、この例に限らず、本体構成シート材21は、外側フィルム22及び内側フィルム23以外のフィルム層を有していても良い。
本体構成シート材21には、外側フィルム22と内側フィルム23とが部分的に非接合とされた非接合部24が形成されている。例えば、外側フィルム22又は内側フィルム23の一方または両方において、他方に対して対向する面には、部分的に非接合処理が施されている。非接合処理は、非接合剤(いわゆる糊殺し剤)を塗布して糊殺し状態とすることによって、容易に形成することができる。糊殺し剤としては、外側フィルム22と内側フィルム23との接合を防止できるものであれば、いかなるものも使用することができる。糊殺し剤としては、例えば、オフセット印刷、フレキソ印刷、レタープレス印刷(凸版印刷)のそれぞれに使用する印刷用インキ、メジウムインキ、糊殺し専用インキ等を好ましく用いることができる。また、熱硬化型や紫外線硬化型のインキを好ましく用いることができる。
非接合処理が施された範囲が非接合部24となる。非接合部24に充填材が封入されることによって、充填部40が形成されるようになっている。
充填部40は、非接合部24すべてに形成されているものに限定されず、複数ある非接合部24の一部に形成されていてもよい。
非接合部24を除いて、内側フィルム23の全面が外側フィルム22の一方の面に対して接合されていることが好ましく、本実施形態ではそのようになっている。
外側フィルム22と内側フィルム23との接合の手法としては、一例として、ヒートシール、超音波シール、接着剤による接合等を用いることができる。
【0027】
外側フィルム22及び内側フィルム23の各々も、複数の層構造をなしている。また、内袋構成シート材31も、複数の層構造をなしている。
【0028】
外側フィルム22は、一例として、第1層、第2層、第3層及び第4層をこの順に積層することにより構成された4層構造をなしている。
このうち第1層は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)または延伸ナイロン(ONy)により構成されている。第1層の主な機能としては、容器本体20に光沢感及び印刷適性をもたらすとともに容器本体20の剛性を確保することが挙げられる。
第2層は、例えば、当該第2層における第1層側の面にシリカ及び/又はアルミナが蒸着されたポリエチレンテレフタレートにより構成された透明蒸着PETの層である。第2層の主な機能としては、容器本体20にガスバリア性をもたらすことが挙げられる。
第3層は、例えば、延伸ナイロンにより構成されている。第3層の主な機能としては、容器本体20の耐ピンホール性を確保することが挙げられる。
第4層は、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)により構成されている。第4層の主な機能としては、内側フィルム23とのヒートシール性、外側フィルム22どうしのヒートシール性、及び、内袋構成シート材31とのヒートシール性を確保することが挙げられる。
【0029】
内側フィルム23の層構造としては、外側フィルム22と同様の層構造を採用することができる。ただし、外側フィルム22及び内側フィルム23を構成する各層の材料は、上記の例に限らない。また、内側フィルム23は、外側フィルム22とは異なる層構造を有していてもよい。
【0030】
内袋構成シート材31は、一例として、第1層、第2層及び第3層をこの順に積層することにより構成された3層構造をなしている。
このうち第1層は、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンにより構成されている。第1層の主な機能としては、本体構成シート材21とのヒートシール性(外側フィルム22とのヒートシール性)を確保することが挙げられる。
第2層は、例えば、当該第2層における第1層側の面にシリカ及び/又はアルミナが蒸着された延伸ナイロンにより構成された透明蒸着延伸ナイロンの層である。第2層の主な機能としては、ガスバリア性及び耐ピンホール性を確保することが挙げられる。
第3層は、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンにより構成されている。第3層の主な機能としては、内袋構成シート材31どうしのヒートシール性を確保することが挙げられる。
なお、内袋構成シート材31の層構造は、ここで説明した構造に限らない。
【0031】
本体構成シート材21は、例えば、
図5(b)における上下方向に長尺な矩形状のシート本体部28と、シート本体部28から
図5における上方に突出しているチューブ状の延出部25とを有する。
非接合部24は、シート材容器100の充填部40の形状と対応する形状に形成されている。非接合部24は、例えば、延出部25の先端の開放端24aにおいてのみ外部と連通している。
【0032】
図5(b)に示すように、外側フィルム22においてシート本体部28を構成する部分の周縁部は、例えば、延出部25の基端と対応する部位を除き、内側フィルム23によって覆われていない露出部26となっている。なお、延出部25においては、外側フィルム22の外形線と内側フィルム23の外形線とが平面視において互いに一致している。
露出部26は、本体構成シート材21と内袋構成シート材31との接合部(内外シール部33)、及び、本体構成シート材21どうしの接合部(本体シール部38)となる。
【0033】
図6に示すように、本体構成シート材21に内袋構成シート材31が積層されるとともに、外側フィルム22の露出部26と内袋構成シート材31の周縁部とが相互に接合されて内外シール部33が形成されることによって、本体構成シート材21と内袋構成シート材31とにより容器構成シート材51が構成されている。
【0034】
容器構成シート材51が、
図6に示す折り曲げ線81及び折り曲げ線82においてそれぞれ谷折りされるとともに、折り曲げ線83において山折りされた状態で、容器構成シート材51の周縁部どうしが接合されることによって、容器構成シート材51が袋状(二重構造の袋状)に形成される。ここで、谷折りとは、
図6における奥側に向けて凸の折り曲げ方であり、山折りとは、
図6における手前側に向けて凸の折り曲げ方である。
すなわち、内袋構成シート材31の周縁部どうしが接合されて内袋シール部32が形成されることにより、内袋構成シート材31によって袋状の内袋30が形成される。この段階では、内袋30の内部空間すなわち収容領域35は、例えば、部分的に外部と連通しており、この連通部分を介して、収容領域35に内容物90を充填することができるようになっている。
また、本体構成シート材21において容器本体20の底部52を構成する部分にて、外側フィルム22どうしが相互に接合されて本体シール部38が形成されることにより、底マチ19を有する容器本体20が形成される。
【0035】
容器構成シート材51が袋状に形成された後、開放端24aから非接合部24に充填材が注入され、例えば、延出部25の基端側に連接する封止シール部27(
図1)において非接合部24が封止されることによって、非接合部24に充填材が封入されて充填部40が形成される。充填部40の形成後、例えば、延出部25は切除される。ただし、シート材容器100の状態でも延出部25が残留していてもよい。
容器本体20が充填部40を有することにより、容器本体20の良好な保形性、ひいてはシート材容器100の良好な保形性を確保できる。
こうして、シート材容器100が得られる。
【0036】
また、収容領域35に内容物90を充填した後で、内袋30の連通部分が封止シール部37(
図1)において封止されることによって、収容領域35に内容物90が封入された内容物詰めシート材容器200が得られる。
【0037】
内袋シール部32は、シート材容器100の上縁部16及び切欠形状部15に沿って配置されているとともに、シート材容器100の左右の側縁部17、18の上端から下端部に亘って配置されている。内袋30の底部の内袋シール部32は、シート材容器100の外形線よりも内側に配置されている。
内外シール部33は、シート材容器100の上縁部16及び切欠形状部15に沿って配置されているとともに、シート材容器100の左右の側縁部17、18の上端から下端部に亘って配置されている。
【0038】
なお、シート材容器100は、内袋30の外面と容器本体20の内面との間に外気を導入するための外気導入部(不図示)を有することも好ましい。このようにすることによって、シート材容器100からの内容物90の注出の際に、内袋30が容易に容器本体20とは独立して収縮できるため、シート材容器100からの内容物90の排出性が向上する。
【0039】
ここで、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、外側フィルム22の縁部の2箇所にそれぞれ第1ノッチ71が形成されている。これら第1ノッチ71は、本体構成シート材21を用いてシート材容器100が形成された状態(
図1)では、互いに前後に重なっている。
また、内袋構成シート材31の縁部の2箇所にそれぞれ内袋ノッチ76が形成されている。これら内袋ノッチ76は、本体構成シート材21を用いてシート材容器100が形成された状態(
図1)では、互いに前後に重なっているとともに、第1ノッチ71とも前後に重なっている。
また、内側フィルム23の縁部の2箇所にそれぞれ第2ノッチ72が形成されている。これら第2ノッチ72は、本体構成シート材21を用いてシート材容器100が形成された状態(
図1)では、互いに前後に重なっている。
【0040】
第1ノッチ71は、シート材容器100の使用後(例えば廃棄する際)に充填部40内から充填物を排出するために、シート材容器100(少なくとも容器本体20)を破断する際において、その破断の起点となるものである。第1ノッチ71は、外側フィルム22の縁部であって且つ容器本体20の縁部に位置する部位に形成されている。
【0041】
第1ノッチ71は、シート材容器100の底部52よりも上方に配置されていることが好ましく、これにより、第1ノッチ71を起点としたシート材容器100の破断がより容易となる。第1ノッチ71は、シート材容器100の上半部に配置されていることが更に好ましい。
より詳細には、第1ノッチ71は、例えば、シート材容器100の側縁部18におけるシール部(内袋シール部32及び内外シール部33が配置されている部分)の上端部において、側縁部18側に位置する上下延在充填部41の上端部の側方に配置されている。
【0042】
第2ノッチ72は、第1ノッチ71を起点としたシート材容器100の破断の伸展先に配置されている。すなわち、第1ノッチ71を起点としてシート材容器100を破断したときに、その破断が到達する位置に、第2ノッチ72が配置されている。
本実施形態の場合、
図2に示すように、第1ノッチ71の深さ方向(
図2における左方向)には、第1ノッチ71の延長上に、第2ノッチ72が配置されている。これにより、第1ノッチ71を起点としてシート材容器100を破断したときに、その破断が第2ノッチ72に容易に到達するようになっている。
【0043】
更に、第2ノッチ72の深さ方向(
図2における左方向)には、第2ノッチ72の延長上に、充填部40(より詳細には、本実施形態の場合、側縁部18側の上下延在充填部41)が配置されている。これにより、第1ノッチ71を起点とした破断に引き続いて第2ノッチ72から伝搬する破断が、充填部40に容易に到達するようになっている。
より詳細には、第2ノッチ72からの破断の伸展方向は、第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展先に位置する充填部40(側縁部18側の上下延在充填部41)の長手方向に対して交差(例えば直交)している。このため、第2ノッチ72から伝搬する破断が、より確実に充填部40に到達するようになっている。
【0044】
このように、本実施形態の場合、第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展先に位置する充填部40(側縁部18側の上下延在充填部41)は、シート材容器100の縁辺部(例えば側縁部18)に沿って延在しており、当該縁辺部に第1ノッチ71が形成されている。そして、第1ノッチ71と、第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展先に位置する充填部(側縁部18側の上下延在充填部41)と、の間に第2ノッチ72が配置されている。
従って、第1ノッチ71の近傍に充填部40(側縁部18側の上下延在充填部41)が位置するとともに、当該充填部40の近傍に第2ノッチ72が位置することとなるため、第1ノッチ71を起点とした破断に引き続いて容易に第2ノッチ72から破断を伝搬させ、シート材容器100の破断を容易に充填部40に到達させることができる。
【0045】
より詳細には、
図2に示すように、第1ノッチ71と、第2ノッチ72と、第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展先に位置する充填部40(側縁部18側の上下延在充填部41)と、が実質的に同一直線上に配置されている。「実質的に同一線上に配置」とは、具体的には、第1ノッチ71のいずれかの部分と第2ノッチ72のいずれかの部分とを結ぶ直線を基準として、当該直線に対して直交する方向に±10mm以内の範囲内に、第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展先に位置する充填部40が配置されていることをいう。好ましくは、第1ノッチ71の最奥部と第2ノッチ72の最奥部とを結ぶ直線を基準として、当該直線に対して直交する方向に±10mm以内の範囲内に、第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展先に位置する充填部40が配置されていることをいう。本実施形態のように、第1ノッチ71と、第2ノッチ72と、第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展先に位置する充填部40(側縁部18側の上下延在充填部41)と、が完全に同一直線上に配置されているのがより好ましい。
これにより、第1ノッチ71を起点としてシート材容器100を一方向に破断することによって、その破断が第2ノッチ72及び充填部40に順次に到達するようにできる。よって、充填部40から充填材を排出するためにシート材容器100を破断する動作をより容易に行うことが可能となる。
【0046】
第1ノッチ71の形状は、特に限定されない。好ましくは、第1ノッチ71は、V字状又はU字状の形状のように、当該ノッチの奥部に向けて幅寸法(開口幅)が狭まる形状である。ただし、第1ノッチ71は、I字状(直線状)の形状であってもよいし、その他の形状であってもよい。より好ましくは、第1ノッチ71は、
図1及び
図2に示すようなV字状の形状のように、最奥部が急峻に折れ曲がった形状(最奥部に角がある形状)である。第1ノッチ71がI字状の形状である場合には、第1ノッチ71は、奥行き方向に対して直交する方向において実質的に隙間の無いスリット状の形状であるよりも、奥行き方向に対して直交する方向において幅(間隙)を有する形状であることが好ましい。
【0047】
同様に、内袋ノッチ76の形状は、特に限定されない。ただし、内袋ノッチ76は、第1ノッチ71と同形状であるとともに第1ノッチ71と外形線が一致して重なっていることが好ましい。
【0048】
第2ノッチ72の形状も、第1ノッチ71の形状と同様に、特に限定されない。第2ノッチ72も、好ましくは、V字状又はU字状の形状のように、当該ノッチの奥部に向けて幅寸法(開口幅)が狭まる形状であり、より好ましくは、最奥部が急峻に折れ曲がった形状(最奥部に角がある形状)である。
なお、
図2において、第2ノッチ72の開口部に示される、上下に延在する破線は、内袋構成シート材31どうしのシール部である内袋シール部32における内側の縁辺である。
【0049】
図5(b)、
図6及び
図2から分かるように、第2ノッチ72は、外側フィルム22の外形線よりも内側において、内側フィルム23の縁部に形成されている。換言すれば、本実施形態の場合、第2ノッチ72は、本体構成シート材21を当該本体構成シート材21の縁部から破断する際に、本体構成シート材21の厚みが内側フィルム23の厚み分だけ増加する段差部分に形成されている。このため、本体構成シート材21を破断する際の破断の伸展を、当該段差部分を超えて容易に継続させることが可能となる。
このように、本実施形態の場合、第2ノッチ72は、第2フィルム層(内側フィルム23)の縁部に形成されている。
【0050】
本実施形態によれば、シート材容器100は、上述した第1ノッチ71及び第2ノッチ72(及び内袋ノッチ76)を有するので、シート材容器100の使用後に、使用者が、第1ノッチ71(及び内袋ノッチ76)を起点としてシート材容器100(容器本体20及び内袋30)を破断し、引き続き第2ノッチ72から破断を伸展させて、この破断を容易に充填部40に到達させることができる。
破断が充填部40に到達することにより、充填部40の内部空間がシート材容器100の外部空間と連通するので、充填部40から容易に充填材を排出することができる。よって、例えば、シート材容器100を容易に平坦に押し潰してコンパクトにして、シート材容器100を廃棄することができる。
【0051】
〔第2実施形態〕
次に、
図7を用いて第2実施形態を説明する。
本実施形態に係るシート材容器100は、
図7に示すように、第2ノッチ72の形状が直線状(I字状)である点で、上記の第1実施形態に係るシート材容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係るシート材容器100と同様に構成されている。
図7に示すように、第2ノッチ72は、当該第2ノッチ72の奥行き方向(
図7における左方向)に対して直交する方向(
図7における上下方向)において幅(間隙)を有する形状となっている。また、第2ノッチ72は、第1ノッチ71を起点としたシート材容器100の破断の伸展先に配置され、該伸展方向に沿って延在するように直線状をなしている。
本実施形態によれば、使用者が、第1ノッチ71を起点としてシート材容器100を破断し、引き続き第2ノッチ72から破断を伸展させることによって、容易に破断を充填部40に到達させることができる。よって、充填部40内の充填材を外部に排出するためのシート材容器100の破断をより容易に行うことが可能となる。
【0052】
〔第3実施形態〕
次に、
図8を用いて第3実施形態を説明する。
本実施形態に係るシート材容器100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係るシート材容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係るシート材容器100と同様に構成されている。
【0053】
図8に示すように、本実施形態の場合、シート材容器100は、当該シート材容器100の縁辺部(例えば上縁部16)から外方(例えば上方)に突出している突出部53を有する。
突出部53には、シート材容器100の説明書き又はPOP広告(Point of purchase advertising)が印刷又はラベルの貼り付けなどにより付されているのが好ましい。
一例として、突出部53には、「使用後、廃棄の際に、ここを切り取って下さい」といった説明書き(不図示)が印刷されている。
そして、突出部53に第1ノッチ71及び第2ノッチ72が形成されている。
説明書き又はPOP広告が付された突出部53に充填部40の突出部内充填部43が設けられているため、例えば、輸送時などに突出部53に外力が作用して当該突出部53が折れ曲がっても、突出部内充填部43によって補強された突出部53は、外力の解除後に、元の起立状態に復元(弾性的に復元)できる。よって、説明書き又はPOP広告の良好な表示状態を維持できる。
【0054】
より詳細には、例えば、第1ノッチ71及び第2ノッチ72は、突出部53の基端部(下端部)に配置されている。
図8の例では、第1ノッチ71及び第2ノッチ72が、突出部53の基端部における左端部(例えば、切欠形状部15側)に配置されている例を示す。この場合、第1ノッチ71を起点とした破断の伸展方向は、
図8における右方であり、第2ノッチ72からの破断の伸展方向も、
図8における右方である。
なお、第1ノッチ71及び第2ノッチ72は、突出部53の基端部における右端部(側縁部18側)に配置されていてもよい。
【0055】
本実施形態の場合、充填部40は、例えば、第1主面部20aにおける側縁部18側の上下延在充填部41の上端から上方に延びている突出部内充填部43を含んでいる。突出部内充填部43の上端は、突出部53の下端よりも上方位置(突出部53の内部)に達している。
突出部内充填部43は、第1主面部20aにおける側縁部18側の上下延在充填部41と連通している。従って、突出部内充填部43は、当該上下延在充填部41を介して、周回状充填部42及び他の3つの上下延在充填部41と連通している。
【0056】
本実施形態の場合、第1ノッチ71を起点とした破断に引き続いて第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展先には、突出部内充填部43が配置されている。
すなわち、第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展先に位置する充填部40(例えば後述する突出部内充填部43)が、突出部53に配置されている。
突出部内充填部43は、例えば、上下に延在している。より詳細には、第2ノッチ72からの破断の伸展方向は、突出部内充填部43の長手方向に対して交差(例えば直交)している。これにより、第2ノッチ72からの破断がより確実に突出部内充填部43に到達するようになっている。
突出部内充填部43は、例えば、上下延在充填部41よりも細い形状に形成されている。
【0057】
更に、本実施形態の場合、第2ノッチ72と、第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展先に位置する充填部40(突出部内充填部43)との間に、第2ノッチ72から伝搬する破断を当該充填部40に向けて誘導する易破断部74が(突出部53に)形成されている。
これにより、第2ノッチ72からの破断が、易破断部74に沿って伸展し、より確実に突出部内充填部43に到達するようになっている。
【0058】
易破断部74は、例えば、外側フィルム22と内側フィルム23とのうち一方又は両方に形成されたハーフカット溝又はミシン目などにより構成されている。易破断部74は、本体構成シート材21において第1主面部20aを構成する部分と第2主面部20bを構成する部分とのうち一方又は両方に形成されている。
易破断部74は、例えば、
図8に示すように、直線状に形成されている。ただし、易破断部74は、曲線状に形成されていてもよいし、直線状の部分と曲線状の部分との含む形状に形成されていてもよい。
【0059】
本実施形態の場合、第1ノッチ71を起点としてシート材容器100を破断することによって、突出部53を容易に本体部11から切除できるように、突出部内充填部43を間に挟んで易破断部74とは反対側に配置された易破断部75が突出部53に形成されている。
これにより、第1ノッチ71を起点とした破断が突出部内充填部43に到達した後、引き続き、シート材容器100を易破断部75に沿って破断し、突出部53を本体部11から切除することができる。
なお、易破断部74と易破断部75とは、互いに一連の易破断部であってもよい。
【0060】
本実施形態の場合、突出部53は、容器本体20の一部分であり、本体構成シート材21どうしを前後で接合することにより構成されている。すなわち、突出部53の周縁に沿ったシール部は、例えば、本体構成シート材21どうしのシール部である本体シール部38である。
【0061】
一方、内袋30の内部領域すなわち収容領域35は、突出部53の基端側に位置する上縁部16の下方に位置している。例えば、収容領域35への内容物90の充填後に形成される内袋構成シート材31どうしのシール部である封止シール部37は、上縁部16に配置されており、収容領域35は封止シール部37よりも下側に配置されている。
このため、本実施形態の場合、収容領域35は、突出部53の基端側における当該シート材容器100の縁辺部(上縁部16)よりも当該シート材容器100の中心側の領域に収まっている。
よって、使用者が誤ってシート材容器100の使用前などにおいて、第1ノッチ71を起点としてシート材容器100を破断した場合にも、収容領域35から内容物90が漏洩することが抑制される。
【0062】
充填部40に充填材を充填した後に充填部40を封止するための封止シール部27は、例えば、突出部内充填部43の上方などに配置されていてもよいし、その他の場所に配置されていてもよい。
【0063】
なお、上記の第3実施形態では、突出部内充填部43と他の充填部40(上下延在充填部41、周回状充填部42)とが相互に連通している例を説明したが、突出部内充填部43は、他の充填部40とは独立していてもよい。この場合、例えば、
図8における突出部内充填部43の下端(例えば、封止シール部37と重なる位置)に、封止シール部27が形成されている。
また、この場合、シート材容器100は、例えば、上記の第1実施形態又は第2実施形態と同様の位置に第1ノッチ71、第2ノッチ72及び内袋ノッチ76を有する。
【0064】
また、上記の第3実施形態では、収容領域35が、突出部53の基端側におけるシート材容器100の縁辺部よりもシート材容器100の中心側の領域に収まっている例を説明したが、本発明は、この例に限らず、内袋30及び収容領域35の一部分が突出部53にも張り出していてもよい。
この場合、突出部53の周縁に沿ったシール部は、例えば、内袋構成シート材31どうしのシール部である内袋シール部32及び内袋構成シート材31と本体構成シート材21とのシール部である内外シール部33となる。また、シート材容器100は、例えば、突出部53の第1ノッチ71と重なる内袋ノッチ76を有する。
【0065】
〔第4実施形態〕
次に、
図9を用いて第4実施形態を説明する。
本実施形態に係るシート材容器100は、以下に説明する点で、上記の第3実施形態に係るシート材容器100と相違しており、その他の点では、上記の第3実施形態に係るシート材容器100と同様に構成されている。
【0066】
図9に示すように、本実施形態の場合、第3実施形態と比べて、第2ノッチ72がより深い形状(深さ方向に長い形状)に形成されており、第2ノッチ72の最奥部が突出部内充填部43の近傍に配置されている。
これにより、第1ノッチ71を起点とした破断が、容易に、第2ノッチ72により誘導されて第2ノッチ72の最奥部に到達するようにでき、且つ、第2ノッチ72からの破断が、より容易に(速やかに)突出部内充填部43に到達するようにできる。
第2ノッチ72の深さ方向における長さLは、例えば、第2ノッチ72の最奥部と突出部内充填部43との距離Dよりも長い。
第2ノッチ72の形状は特に限定されないが、
図9の例では、第2ノッチ72は、奥部がV字形状であり、その他の部分がI字形状に形成されている。
【0067】
図9では、シート材容器100が易破断部74及び易破断部75を有していない例を示すが、本実施形態の場合も、シート材容器100は、易破断部74及び易破断部75の一方又は両方を有していてもよい。
【0068】
〔第5実施形態〕
次に、
図10(a)及び
図10(b)を用いて第5実施形態を説明する。
本実施形態に係るシート材容器100は、以下に説明する点で、上記の第3実施形態に係るシート材容器100と相違しており、その他の点では、上記の第3実施形態に係るシート材容器100と同様に構成されている。
【0069】
図10(a)に示すように、本実施形態の場合、シート材容器100は、突出部内充填部43を有しておらず、上下延在充填部41の上端は、本体部11内において終端している。
【0070】
本実施形態の場合、シート材容器100は、第3ノッチ73を有する。第3ノッチ73は、第3実施形態における第2ノッチ72と同様のものであり、第3実施形態における第2ノッチ72と同じ位置に配置されている。
すなわち、シート材容器100は、第1ノッチ71の破断の伸展先に配置されている第3ノッチ73を更に備えている。
また、第3ノッチ73は、第2フィルム層(内側フィルム23)の縁部に形成されている。
【0071】
更に、本実施形態の場合、
図10(a)に示すように、第1ノッチ71を起点とした破断に引き続いて第3ノッチ73から伝搬する破断の伸展先に第2ノッチ72が配置されている。
第2ノッチ72は、本体構成シート材21を貫通して形成されている。すなわち、第2ノッチ72は、本体構成シート材21の外側フィルム22及び内側フィルム23を貫通して形成されている。より詳細には、第2ノッチ72は、本体構成シート材21において第1主面部20aを構成する部分を貫通して形成されているとともに、本体構成シート材21において第2主面部20bを構成する部分を貫通して形成されている。
本実施形態の場合、第2ノッチ72を起点とする破断の伸展先に、上下延在充填部41の上端が位置している。
【0072】
また、第3ノッチ73から伝搬する破断の伸展方向と、第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展方向と、が互いに異なる方向となっている。
一例として、第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展方向は
図10(a)における下方向であり、第3ノッチ73から伝搬する破断の伸展方向は
図10(a)における右方向であり、これらの方向は互いに直交している。
第2ノッチ72は、例えば、下方に向けて当該第2ノッチ72の幅寸法(開口幅)が狭まる形状となっている。
【0073】
本実施形態の場合、第3ノッチ73と第2ノッチ72との間に、第3ノッチ73から伝搬する破断を第2ノッチ72に向けて誘導する易破断部74が形成されている。
更に、第1ノッチ71を起点としてシート材容器100を破断することによって、突出部53を容易に本体部11から切除できるように、第2ノッチ72を間に挟んで易破断部74とは反対側に配置された易破断部75が突出部53に形成されている。
なお、易破断部74と易破断部75とは、互いに一連の易破断部であってもよい。
【0074】
本実施形態の場合、充填部40に充填材を充填した後に充填部40を封止するための封止シール部27は、例えば、
図10(a)に示す範囲外に配置されている。
【0075】
本実施形態において、充填部40から充填材を排出するためにシート材容器100を破断する動作は、例えば、以下のようにして行う。
先ず、第1ノッチ71を起点として突出部53を破断し、引き続き第3ノッチ73から伸展する破断を易破断部74に沿って第2ノッチ72に伝搬させる。更に、易破断部75も破断する。こうして、突出部53を本体部11から切除する。これにより、シート材容器100は、
図10(b)に示す形状となり、第2ノッチ72がシート材容器100の縁部に現れる。
次に、第2ノッチ72を起点として、シート材容器100を下方に破断する。これにより、シート材容器100の破断を上下延在充填部41の上端部に到達させることができる。よって、本実施形態の場合も、充填部40から容易に充填材を排出することができる。このように、第3ノッチ73から伝搬する破断の伸展方向と、第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展方向と、が互いに異なる方向とすることによって、誤って第1ノッチ71を起点としてシート材容器100を破断した場合であっても、当該破断の伸展が直接充填部40に及ばないので、意図しない充填材の排出を抑制することができる。
【0076】
なお、上記の第5実施形態では、
図10(a)の状態から第1ノッチ71を起点として突出部53を破断して突出部53を切除する動作と、
図10(b)の状態から第2ノッチ72を起点としてシート材容器100を破断する動作と、の2アクションにより、充填部40を外部空間と連通させる例を説明したが、1アクションによって充填部40を外部空間と連通させることが可能であってもよい。
例えば、
図10(a)において、易破断部75が無い構造を採用することによって、第1ノッチ71を起点とした破断と、第2ノッチ72を起点とした破断とを一連の動作の中で(1アクションで)行うことができる。
【0077】
〔第6実施形態〕
次に、
図11から
図13を用いて第6実施形態を説明する。
本実施形態に係るシート材容器100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係るシート材容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係るシート材容器100と同様に構成されている。
【0078】
上記の第1実施形態では、シート材容器100が内袋30を有する(内袋30と容器本体20との二重構造である)例を説明したが、本実施形態の場合、シート材容器100は内袋30を有していない。
このため、容器本体20自体がシート材容器100であり、
図12に示すように、容器本体20の内部空間が収容領域35となっている。
【0079】
図13に示すように、本実施形態の場合、容器本体20を構成する本体構成シート材21の形状が、第1実施形態とは異なっている。すなわち、本体構成シート材21を用いて容器本体20が構成された際に開封タブ12(
図11)を構成する部分(
図13に示す一対の開封タブ構成部29)にも、内側フィルム23の一部分が張り出している。これにより、開封タブ12にも収容領域35の一部分が張り出すようにできる。
【0080】
本実施形態の場合、本体構成シート材21が、
図13に示す折り曲げ線81及び折り曲げ線82においてそれぞれ谷折りされるとともに、折り曲げ線83において山折りされた状態で、本体構成シート材21の周縁部どうしが接合されることによって、本体構成シート材21が袋状に形成される。
すなわち、本体構成シート材21の周縁部において外側フィルム22どうしが接合されて本体シール部38が形成されることにより、底マチ19を有する袋状の容器本体20が形成される。この段階では、容器本体20の内部空間すなわち収容領域35は、例えば、部分的に外部と連通しており、この連通部分を介して、収容領域35に内容物90を充填することができるようになっている。
【0081】
本体構成シート材21が袋状に形成された後、開放端24aから非接合部24に充填材が注入され、例えば、延出部25の基端側に連接する封止シール部27(
図11)において非接合部24が封止されることによって、非接合部24に充填材が封入されて充填部40が形成される。充填部40の形成後、例えば、延出部25は切除される。ただし、シート材容器100の状態でも延出部25が残留していてもよい。
こうして、シート材容器100が得られる。
【0082】
また、収容領域35に内容物90を充填した後で、容器本体20の連通部分が封止シール部54(
図11)において封止されることによって、収容領域35に内容物90が封入された内容物詰めシート材容器200が得られる。
本実施形態によっても、使用者が、第1ノッチ71を起点としてシート材容器100を破断し、引き続き第2ノッチ72から破断を伸展させることによって、容易に破断を充填部40に到達させることができる。よって、充填部40内の充填材を外部に排出するためのシート材容器100の破断をより容易に行うことが可能となる。
【0083】
〔第7実施形態〕
次に、
図14を用いて第7実施形態を説明する。
図14は、シート材容器100における第1ノッチ及び第2ノッチが形成された部分を拡大した図である。
本実施形態の場合、本体構成シート材21を構成する第1フィルム層(外側フィルム22)と第2フィルム層(内側フィルム23)とが、ノッチ部(第1ノッチ71、第2ノッチ72)を除き、互いに同一の形状及び寸法に形成されている。そして、第1フィルム層の外形線と第2フィルム層の外形線とが、ノッチ部を除き互いに一致するように、第1フィルム層と第2フィルム層とが積層されている。
より詳細には、
図14に示すように、外側フィルム22に形成された第1ノッチ71よりも、内側フィルム23に形成された第2ノッチ72の方が、より深く切り欠かれた形状となっており、第2ノッチ72に第1ノッチ71が包含されている。すなわち、第2フィルム層(内側フィルム23)の外形線の第2ノッチ72部分は第1フィルム層(外側フィルム22)の外形線よりも内側に配置されている。なお、本実施形態においても、第2ノッチ72の少なくとも最奥部が、第1ノッチ71を起点とした破断の伸展先に配置されている。つまり、第2ノッチ72が、第1ノッチ71を起点とした破断の伸展先に配置されている。また、第2ノッチ72の少なくとも最奥部が外側フィルム22の外形線よりも内側に配置されている。
本実施形態に係るシート材容器100は、その他の点については、上記のいずれかの実施形態に係るシート材容器100と同様に構成されている。すなわち、第1ノッチ71を起点とした破断に引き続いて第2ノッチ72から伝搬する破断の伸展先に充填部40が配置されている。
本実施形態によっても、使用者が、第1ノッチ71を起点としてシート材容器100を破断し、引き続き第2ノッチ72から破断を伸展させることによって、容易に破断を充填部40に到達させることができる。よって、充填部40内の充填材を外部に排出するためのシート材容器100の破断をより容易に行うことが可能となる。
【0084】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
また、上記の実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
また、本実施形態に係るシート材容器100の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。