特開2019-218171(P2019-218171A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-218171(P2019-218171A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】原料貯蔵方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 3/02 20060101AFI20191129BHJP
   B65G 63/00 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   B65G3/02 A
   B65G63/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-115861(P2018-115861)
(22)【出願日】2018年6月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】藤沖 春美
(72)【発明者】
【氏名】田中 一郎
(57)【要約】
【課題】自然発火性の高い原料による自然発火を防止できる原料貯蔵方法を提供する。
【解決手段】貯蔵エリア1の地面に、原料山の刈取りをしない底部層40を規定するための原料山の最低厚さ寸法H1よりも厚い最下層41を形成し、最下層41の上に、最下層41の原料よりも自然発火性の高い原料を山積みして本体層42を形成することで原料山4を形成する。刈取りの際に最低厚さ寸法H1まで刈取れば、原料山の刈取りしない底部層40に、自然発火性の高い原料が含まれることが抑制され、自然発火性の高い原料による自然発火を抑制できる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然発火性の原料を山積みして原料山として貯蔵し、且つ前記原料山から原料を刈取って原料燃焼設備に搬送する作業が行われる貯蔵エリアの地面に、前記原料山の刈取りをしない底部層を規定するための前記原料山の最低厚さ寸法よりも厚い最下層を形成し、前記最下層の上に、前記最下層の原料よりも自然発火性の高い原料を山積みして本体層を形成することで原料山を形成することを特徴とする原料貯蔵方法。
【請求項2】
前記本体層を形成した後に、前記本体層の山頂部分を刈取ることで原料山を形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の原料貯蔵方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料燃焼設備の燃料に使用される自然発火性の原料を山積みして形成された原料山、例えば発電所のボイラの燃料に使用される石炭を山積みして形成された石炭山を貯蔵エリアに貯蔵する原料貯蔵方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、発電所のボイラの燃料に使用される石炭は、輸送船から貯蔵エリアに荷揚げされる。貯蔵エリアでは、石炭が山積みされ形成された石炭山として貯蔵される。ボイラの燃料に使用される石炭としては、例えば、瀝青炭と亜瀝青炭とを所定の割合で混合して使用しており、亜瀝青炭は、瀝青炭に比して高い自然発火性を有し、長期間貯蔵すると自然発火するため、早期に石炭山から刈取ってボイラへ搬出されている。
【0003】
石炭山から石炭を刈取る場合には、刈取り用装置を用いるところ、該刈取り用装置で貯蔵エリアの地面を誤って刈取らないよう、石炭山の底部において、刈取りしない領域としての石炭山の最低厚さ寸法が規定されている。そのため、貯蔵エリアには、前記最低厚さ寸法に応じた石炭山の刈残した底部層が残存することになる。この底部層に、自然発火性の高い亜瀝青炭が含まれていると、貯蔵期間中に底部層から発火する可能性がある。
【0004】
ところで、自然発火性の高い石炭の自然発火を予測する方法が特許文献1に提供されている。この石炭の自然発火予測方法は、貯蔵される石炭の物性値に基づいて、石炭山の内部の温度分布を予測する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−132575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の石炭の自然発火予測方法では、自然発火を予測するものに過ぎず、自然発火自体を抑制することができない。なお、このようなことは、石炭の場合に限らず、山積みして貯蔵する自然発火性の原料全般に共通する。
【0007】
そこで、本発明は、自然発火性の原料による自然発火を抑制できる原料貯蔵方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の原料貯蔵方法は、自然発火性の原料を山積みして原料山として貯蔵し、且つ前記原料山から原料を刈取って原料燃焼設備に搬送する作業が行われる貯蔵エリアの地面に、前記原料山の刈取りをしない底部層を規定するための前記原料山の最低厚さ寸法よりも厚い最下層を形成し、前記最下層の上に、前記最下層の原料よりも自然発火性の高い原料を山積みして本体層を形成することで原料山を形成することを特徴とする。
【0009】
上記構成を備えた原料貯蔵方法では、前記最低厚さ寸法よりも厚い最下層の上に、該最下層の原料よりも自然発火性の高い原料を山積みして本体層を形成することで、原料山を形成するので、刈取りの際に前記最低厚さ寸法まで刈取れば、原料山の刈取りしない底部層に、自然発火性の高い原料が含まれることが抑制され、自然発火性の高い原料による自然発火を抑制できる。
【0010】
本発明においては、前記本体層を形成した後に、前記本体層の山頂部分を刈取ることで原料山を形成する構成を採用することもできる。
【0011】
上記構成では、自然発火性の高い原料が山積みされて形成された本体層の山頂部分を刈取ることで、本体層の内部に対する通気性がよくなり、本体層の内部の放熱がよくなり、本体層からの自然発火を効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る原料貯蔵方法は、自然発火性の原料による自然発火を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る原料貯蔵方法に使用される貯蔵エリアの構成を示す概略平面図。
図2図2(a)は、図1のスタッカーを示す正面図であり、図2(b)は、図1のリクレーマを示す正面図。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る原料貯蔵方法の説明図であり、図3(a)は、貯蔵エリアの地面に、最低厚さ寸法よりも厚い石炭山の最下層を形成した図、図3(b)は、最下層の上に本体層を積付け石炭山を形成した図、図3(c)は、本体層の山頂部分を刈取って形成された石炭山の図。
図4図4は、同実施形態に係る原料貯蔵方法の説明図であり、図3(c)の石炭山の石炭を刈取る場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る原料貯蔵方法について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、自然発火性の原料を燃焼する原料燃焼設備を、発電所のボイラとし、その燃料として使用される原料を、石炭のうちの瀝青炭と、該瀝青炭よりも自然発火性の高い亜瀝青炭とする。
【0015】
はじめに、石炭を貯蔵する貯蔵エリアについて説明する。図1に示すように、貯蔵エリア1は、輸送船2から発電所のボイラ3に向かって延びる平面視矩形状の敷地を有している。
【0016】
貯蔵エリア1には、貯蔵エリア1の一側の長手方向に沿って配置された搬入コンベア10と、貯蔵エリア1の他側の長手方向に沿って配置された搬出コンベア11と、搬入コンベア10と搬出コンベア11との間に、貯蔵エリア1の短手方向に沿って所定の間隔を置いて平行配置された複数の第一の軌条12と、各第一の軌条12間に、該第一の軌条12と同様に配置された複数の第二の軌条13と、第一の軌条12上に配置された第一の中継コンベア14と、第二の軌条13上に配置された第二の中継コンベア15と、第一の軌条12を走行可能に設けられたスタッカー5と、第二の軌条13を走行可能に設けられたリクレーマ6と、第一の軌条12と第二の軌条13との間に設けられた作業スペース16とを備える。
【0017】
搬入コンベア10は、第一の中継コンベア14に連結され、搬入コンベア10から第一の中継コンベア14を介して輸送船2から搬入された石炭をスタッカー5のブームコンベア530に搬送する。
【0018】
搬出コンベア11は、第二の中継コンベア15に連結され、リクレーマ6のブームコンベア630で刈取られた石炭を、第二の中継コンベア15から受取ってボイラ3に搬出する。
【0019】
作業スペース16は、石炭山4を形成する地面としてのスペースであり、複数の石炭山を形成できる平面視矩形状の敷地を有する。作業スペース16には、石炭の種類や出産地に応じて区分けして石炭山4として貯蔵される。作業スペース16の両側には、スタッカー5とリクレーマ6とが対向するように配置されており、スタッカー5によって、輸送船2から荷揚げされた石炭が山積みされて複数の石炭山4(図3参照)が形成され、リクレーマ6によって、石炭山4から石炭が刈取られ、第二の中継コンベア15と搬出コンベア11によって発電所のボイラ3に搬送される。
【0020】
スタッカー5は、作業スペース16に石炭を山積みして石炭山4を形成するための走行式積付け機であり、図2(a)に示すように、第一の中継コンベア14を跨ぐように配置され、第一の軌条12に沿って走行する台車50と、該台車50の上面に回動自在に支持された上下方向の回動軸51と、該回動軸51を中心に旋回可能に構成された機体52と、該機体52に基端部を支点に上下方向に回動支持されたアーム53と、該アーム53の上下方向の回動および機体52の回動軸51廻りの旋回を行う駆動操作部54とを備える。
【0021】
アーム53には、該アーム53の延びる方向に沿って配置されたブームコンベア530が配置されている。ブームコンベア530は、第一の中継コンベア14に連結されている。石炭は、貯蔵エリア1の地面に敷設された搬入コンベア10、第一の中継コンベア14、ブームコンベア530を経て作業スペース16に積付けられる。
【0022】
リクレーマ6は、石炭山4の石炭を刈取るための走行式払出し機であり、図2(b)に示すように、第二の中継コンベア15を跨ぐように配置され、第二の軌条13に沿って走行する台車60と、該台車60の上面に回動自在に支持された上下方向の回動軸61と、該回動軸61を中心に旋回可能に構成された機体62と、該機体62に基端部を支点に上下方向に回動支持されたアーム63と、アーム63の上下方向の回動および機体62の回動軸61廻りの旋回を行う駆動操作部64と、アーム63の先端部に回転可能に支持されたバケットホイール65とを備える。アーム63には、アーム63の延びる方向に沿ってブームコンベア630が配置され、石炭は、ブームコンベア630から第二の中継コンベア15、搬出コンベア11を経てボイラ3に搬出される。
【0023】
つぎに原料貯蔵方法について説明する。はじめに、作業者は、図3(a)に示すように、作業スペース16に形成された瀝青炭からなる石炭山4に、リクレーマ6のバケットホイール65を移動させ、該バケットホイール65を回動させ、最下層41の厚さH2が、例えば0.8mとなるよう、図3(a)の鎖線に示す本体層を払い出す。
【0024】
最下層41の厚さH2は、該最下層41の地面からの高さH2として規定され、作業スペース16の地面(貯蔵エリア1の地面)を刈取らないように石炭山4の刈取りをしない領域としての底部層40を規定するための最低厚さ寸法(例えば、0.5m)H1よりも厚く(例えば、0.8m)形成されている。すなわち、最下層41は、底部層40の上にさらに瀝青炭を山積みした層である。この最下層41は、石炭山4の底部となる層であり、刈取りをしない層である底部層40よりも厚くなっており、その上面が略平坦に形成されている。このように、最下層41の上面を平坦に形成することで、本体層42を形成する亜瀝青炭が最下層41に混入するのを抑制できる。なお、最下層41は、底部層40の厚さH1よりも、例えば0.2m〜0.5m程度厚く形成する。
【0025】
つぎに作業者は、輸送船2から搬入コンベア10を経て亜瀝青炭等の原料を搬入し、第一の中継コンベア14を経てスタッカー5のブームコンベア530に瀝青炭よりも自然発火性の高い亜瀝青炭を搬入する。つぎに作業者は、図3(b)に示すように、スタッカー5の先端部を、形成しようとする石炭山4の山頂より約2mの高さの位置に移動させる。この高さは、センサによって常に制御されている。つぎに作業者は、ブームコンベア530を駆動させつつ、アーム53を回動軸51廻りに回動させ、最下層41の上に、最下層41の瀝青炭よりも自然発火性の高い亜瀝青炭を山積みし山形状の本体層42を形成し、地面からの高さH3(例えば、12m)の石炭山4を形成する。本体層42は、山形状の傾斜が最下層41の側面傾斜と連続するように山積みされる。また、この時点では、本体層42の山頂は略尖り形状である。
【0026】
つぎに作業者は、図3(c)に示すように、リクレーマ6のバケットホイール65を石炭山4の山頂部分に移動させ、該バケットホイール65を回動させ、本体層42の山頂部分を刈取って略台形状に本体層42を形成し、地面からの高さH4(例えば、9m)の石炭山4として所定期間貯蔵する。この時点で、本体層42の頂部は平坦な天面が形成されている。これにより、本体層42の内部に対する通気性がよくなり、本体層42の内部の放熱がよくなり、本体層42からの自然発火を貯蔵期間中において抑制できる。なお、本体層42の山形部分の刈取りは、1m〜4m程度である。
【0027】
つぎに、石炭山4の石炭をボイラ3の燃料として使用する場合、作業者は、図4に示すように、貯蔵していた石炭山4から石炭を刈取る作業を行う。具体的には、作業者は、リクレーマ6のバケットホイール65を、石炭山4の平坦な山頂部分に移動させ、バケットホイール65を回動させつつ、アーム63を回動軸61廻りに回動させ、石炭山4の平坦な山頂部分から裾部(底部)に向かって階段状に刈取り、石炭山4を前記最低厚さ寸法H1まで刈取り、刈取った石炭をボイラ3に搬送する。
【0028】
つまり、刈取りにおいては、本体層42の亜瀝青炭だけでなく、最下層41の瀝青炭のうち、底部層40として刈取らずに残存させる最低厚さ寸法H1より厚い領域(H2〜H1の領域)の瀝青炭を刈取っている。この最下層41のうちで刈取られる領域には、本体層42を山積みする際に亜瀝青炭が紛れ込む可能性が高いため、この領域をも含めて刈取ることで、刈取らずに残存する最低高さ寸法H1(例えば、0.5m)の底部層40には、亜瀝青炭が含まれず、これにより、自然発火性の高い亜瀝青炭による自然発火を抑制できる。
【0029】
なお。原則として、作業スペース16の同一エリア内には,亜瀝青炭の本体層42を連続して山積みは行わないが、連続して亜瀝青炭を山積みする場合には、作業者は、瀝青炭からなる本体層を刈取って例えば高さ1.0mの最下層41を形成した後、亜瀝青炭を前記よりも少ない量で山積みして本体層42を形成する。つぎに、作業者は、最下層41の厚さを例えば0.8mとなるよう本体層42を刈取り、最下層41の上に亜瀝青炭を積み付けして本体層42を形成する。つぎに、作業者は、最低厚さ寸法が例えば0.5mとなるまで石炭山4を刈取る。
【0030】
このように、本実施形態では、自然発火性の高い原料による自然発火を抑制できる。
【0031】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、種々変更することができる。
【0032】
例えば、本実施形態では、最低厚さ寸法H1よりも厚い最下層41を、石炭山4を刈取って形成する構成を例示した。しかしながら、スタッカー5の先端部を、形成しようとする石炭山4の最下層41の高さの位置に移動させ、この位置からブームコンベア530を駆動させつつ、アーム53を回動軸51廻りに回動させ、作業スペース16に瀝青炭を山積みして、瀝青炭からなる石炭山4の最下層41を台形状に形成するようにしてもよい。要は、最低厚さ寸法H1よりも厚く形成した最下層41の上に、自然発火性の高い原料の本体層42を形成する構成であればよい。
【0033】
また、本実施形態では、最下層41を形成した後に、この頂部を刈取る場合について説明したが、これに限らず、最下層41の山積み時に、頂部を天面状に形成してもよい。なお、最下層41の頂部に天面を形成する工程を含まなくてもよい。
【0034】
また、本実施形態では、最下層41を1工程で山積みする場合について説明したが、これに限らず、複数回に分けて山積みしてもよい。
【0035】
また、本実施形態では、本体層42を1工程で山積みする場合について説明したが、これに限らず、複数回に分けて山積みしてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、最下層41の上面を平坦面として説明したが、これに限らず、曲面や山形状あるいは波形状の面であってもよい。
【0037】
また、本実施形態では、本体層42の山頂の天面を平坦面として説明したが、これに限らず、曲面や山形状あるいは波形状の面であってもよい。
【0038】
また、本実施形態では、貯蔵エリア1に貯蔵する原料として、ボイラ3の燃料として使用される石炭を例示した。しかしながら、製鉄所の高炉の燃料に使用される鉱石や他の自然発火性の原料であってもよい。
【0039】
また、本実施形態では、石炭の積付け、および刈取りを行う荷役運搬機械として、スタッカー5およびリクレーマ6の使用を例示した。しかしながら、ブルドーザーやパワーショベルを使用してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…貯蔵エリア、10…搬入コンベア、11…搬出コンベア、12…第一の軌条、13…第二の軌条、14…第一の中継コンベア、15…第二の中継コンベア、16…作業スペース、2…輸送船、3…ボイラ、4…石炭山、40…底部層、41…最下層、42…本体層、5…スタッカー、50…台車、51…回動軸、52…機体、53…アーム、530…ブームコンベア、54…駆動操作部、6…リクレーマ、60…台車、61…回動軸、63…アーム、630…ブームコンベア、64…駆動操作部、65…バケットホイール、H1…石炭山の最低厚さ寸法、H2…石炭山の最下層の高さ、H3…山形状に形成された石炭山の高さ、H4…台形状の石炭山の高さ
図1
図2
図3
図4