【課題】歩行や車椅子に乗っての進行などがガタつきなくまた転倒のおそれなく円滑かつ安全になされるようにし、しかも進路誘導機能が確実に得られるようにした目の不自由な人等への進路誘導システムを提供する。
【解決手段】面状の本体4に案内指標部5を備えた進路案内床張材1と、前記案内指標部5を先端で検知して該案内指標部5の指示内容が所持する利用者に伝わるようにした検知ホルダー部材17との組み合わせでなる目の不自由な人等への進路誘導システムであって、前記進路案内床張材1の案内指標部5は、鉄材あるいは磁性材などの被検知材aを一体に備えるとともに、該進路案内床張材1の本体上面と略同面状をなすように設けられ、前記検知ホルダー部材17は、規定された検知反応を電気的に得るセンサー22と、このセンサー22からの検知反応に基づき利用者に電気的に音や振動、発光などで次の行動指示を伝える伝播手段とを有する。
面状の本体に案内指標部を備え裏面を介して設置対象面に定着可能とされた進路案内床張材と、前記案内指標部を先端で検知して該案内指標部の指示内容が所持する利用者に伝わるようにした検知ホルダー部材との組み合わせでなる目の不自由な人等への進路誘導システムであって、前記進路案内床張材の案内指標部は、鉄材あるいは磁性材などの被検知材を一体に備えるとともに該進路案内床張材の本体上面と略同面状をなすように設けられ、前記検知ホルダー部材は、進路案内床張材の案内指標部に臨んだ際該案内指標部との関係において規定された検知反応を電気的に得るセンサーと、このセンサーからの検知反応に基づき利用者に電気的に音や振動、発光などで次の行動指示を伝える伝播手段とを有することを特徴とする目の不自由な人等への進路誘導システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明である目の不自由な人等への進路誘導システムの一実施形態を
図1ないし
図3に基づいて説明する。
これらの図は一般歩道、駅構内や駅ホームなどの設置対象面3を対象として設置された進路誘導システムであって、1は第1進路案内床張材、2は第2進路案内床張材である。
第1進路案内床張材1は、
図2にその横断面を拡大して示すように、第1本体4が樹脂(ポリウレタンエラストマー)製のものであって、平面寸法は30cm(あるいは40cm)角で厚みが2〜3cm程度のものとされている。これらの寸法は必要により変更されることがある。第1進路案内床張材1の一方向である幅方向には、例えば、6cm幅で深さが1cmの第1案内指標部5,5が2本平行に一体埋着されてなるもので、第1案内指標部5内には鉄粉粒や磁粉粒などの被検知材a…が一体混合されている。第1案内指標部5内には、例えば、鉄あるいは磁性をもつ線材などが混在するようにしてもよい。
【0010】
また、第2進路案内床張材2は、
図3にその横断面を拡大して示すように、第2本体7が樹脂(ポリウレタンエラストマー)マット製のものであって、平面寸法は30cm角で厚みが3cm前後のものとされている。これらの寸法は必要により変更されることがある。第2進路案内床張材2には、直径5cmで深さが1cm程度の第2案内指標部8…を上からみてX字上に複数配列して一体埋着してなるもので、第2案内指標部8内には鉄粉粒あるいは磁粉粒などの被検知材a…が一体混合されている。第2案内指標部8内には例えば、鉄あるいは磁性をもつ線材などが混在するようにしてもよい。前記第1、第2進路案内床張材1,2の厚みは2〜5mmの極く薄い樹脂シート(フィルム)にするとその外周縁部でつまづいたりしにくく、その場合外周縁部は斜面カットしてさらに安全なシートにすることができる。進路案内床張材1,2はタイル、カーペット、リノリウムなどとすることもできる。
【0011】
第1、第2案内指標部5,8は、各本体4,7の上面から上向きに突き出すのではなく突っ掛らないように本体4,7の上面を含めた全体が同面状となるようにされている。また、第1、第2案内指標部5,8の表面は滑りにくい材質にしたり物理的に凹凸状をなすように形成される。
第1、第2案内指標部5,8は、本体4,7である樹脂(ポリウレタンエラストマー)マットと一体成形する場合と、本体4,7に形成した溝内に別体として形成した案内指標部5,8を同面状をなすように埋着一体化する場合とがある。また、
図2の右上欄に示すように、本体4,7の上面に鉄粉粒や磁性粉粒(マグネット)である被検知材a…を混合した塗料を後塗着して薄い塗着面として案内指標部16を形成する場合とがある。この場合は、案内指標部16が本体4,7の上面よりも微少厚さ(2〜3mm)をもって塗着されことから上面と略同面状ということにしてある。
【0012】
図1はそれまで従来型誘導ブロック10…、従来型警告ブロック11…が貼られていたところそれらを剥がした一般歩道(設置対象面)3に前記第1・第2進路案内床張材1,2…の複数枚をブチル系粘着剤(裏のり)などを使用して貼り付けて進路案内となるようにしたものであり、例えば、図例の場合、第1案内指標部5であるラインを前後に向けて複数枚配列したあと、その端部に第2進路案内床張材2を1枚貼付けたものにしてある。第1進路案内床張材1はそのラインである第1案内指標部5が前後に向けられているので、それを検知する人に進路は前後方向であることを知らせるものになっている。第2進路案内床張材2は、従来の警告ブロック11に代わるもので、前方の危険の可能性、歩行方向の変更の必要性の予告などを指示するものとなっている。
尚、その横サイドには、中央に大きな丸型をした別タイプの第3案内指標部13を備えた第3本体14である第3進路案内床張材15を併設しておいて、例えば、デパート内に設置使用した場合のデパート内の売り場説明や商品説明ガイドなどにつながるようにしてもよく、また美術館内に設置使用した場合のように各展示品の説明ガイドができるようにすることもできる。
【0013】
第2進路案内床張材2のさらに前方には、それに直交するようにして第1進路案内床張材1…が貼付けられている。これら第1進路案内床張材1…は、その第1案内指標部5のラインを左右に向けていてそれを検知することで左右が進路方向として適切であることを指示するものになっている。
【0014】
17は検知ホルダー部材で、前記案内指標部5,8を先端で検知して該案内指標部5,8の指示内容が所持する利用者に伝わるようにしたものである。同検知ホルダー部材17は、杖のパイプ部分のようなホルダー本体18をもち、その上端には持ち手19がまた下部先端にはゴムキャップ21が防水式ですべりにくいものとして取り付けられている。ゴムキャップ21内には、センサー22が内蔵されていて案内指標部5,8に臨んだ際該案内指標部5,8との関係において規定された検知反応を電気的に得るようにされている。20は伝播手段で、センサー22からの検知反応に基づき利用者に電気的に音や振動、発光などで次の行動指示を伝えるものになっている。
前記音はブザー音や誘導ガイドの音声と規定したりすることができる。例えば、ブザー音であれば、第1案内指標部5を検知したときは軽快な「ピンポン・ピンポン…」と報知し、第2案内指標部8を検知したときは危険性もあることから「ブー・ブー…」と報知するようにする。誘導ガイドの音声であれば、第1案内指標部5を検知したときは「そのまま真っ直ぐに進んでください」と、第2案内指標部8を検知したときは「ここで一旦停止して前方を検知して進路を確かめてください」のようにガイドされるようにする。
前記振動については、第1案内指標部5を検知したときは低い振動を発し進行方向に則していること知らせ、第2案内指標部8を検知したときは強い振動を発しそこで一旦停止して前方の進路案内床張材を探るべく知らせるように規定することができる。尚、振動については、センサー22が進路案内床張材1,2からそれると伝播手段20が大きな振動を発して警告指示するように規定することもできる。
23は交換式あるいは充電式などのバッテリである。
図3の右欄のように、本体7に対し別シートとして第2案内指標部8´を形成しておいて粘着あるいは熱融着式で取付けるようにしてもよい。
検知ホルダー部材17は、前記では杖型にしてあるが、靴や靴下、スリッパであってもよい。
【0015】
図1の下側の第1進路案内床張材1と上側の第1進路案内床張材1との間には、第2進路案内床張材2が一旦停止指示用として配置されているが、第2進路案内床張材2は省略し、その部分に下側の第1進路案内床張材1を配置することもある。また、
図1の左下に示すように、R状の第2案内指標部8´をもつ第2進路案内床張材2´を第1進路案内床張材1,1間に配置して構成することもできる。
【0016】
図4は一般住宅や老人ホーム、リハビリテーション施設などの建物内の1階ないし上階に目の不自由な人40等への進路誘導システムを実施した例を示す。
30は床面、31は手前・奥側・左右の側壁、32は複数のドア、33は柱、34は安全手摺をそれぞれ示している。
室内床面の略中央には、手前のドア(図示省略)から入って向う側へ向かうように第1進路案内床張材1…の複数枚が貼付けられており、その終端には第2進路案内床張材2が貼付けられるとともに、それらに直交するようにして左右いずれかを進行方向とするように第1進路案内床張材1…が貼付けられている。第1進路案内床張材1の右端と左端には第2進路案内床張材2,2が設けられ、左端の第2進路案内床張材2から手前側へは第1進路案内床張材1…がまたその手前には第2進路案内床張材2…が設けられてそれぞれドア32,32に直面する形になっている。
【0017】
これに対して、17は検知ホルダー部材で、前記案内指標部5,8を先端で検知して該案内指標部5,8の指示内容が所持する利用者に伝わるようにしたものである。同検知ホルダー部材17は、杖のパイプ部分のようなホルダー本体18をもち、その上端には持ち手19がまた下部先端にはゴムキャップ21が防水式ですべりにくいものとして取り付けられている。ゴムキャップ21内には、センサー22が内蔵されていて案内指標部5,8に臨んだ際該案内指標部5,8との関係において規定された検知反応を電気的に得るようにされている。20は伝播手段で、センサー22からの検知反応に基づき利用者に電気的に音や振動、発光などで次の行動指示を伝えるものになっている。
【0018】
目の不自由な人40は
図4に示す第1、第2進路案内床張材1,2の敷設された範囲に添って自由に行き来することができる。尚、前記第1、第2進路案内床張材1,2は、タイルカーペットなどのカーペットやリノリウムであってもよく、また畳、床板であってもよい。
尚、
図4の右側に示すものは柱33表面にゴムクッション38を貼付けておくことで老人などが倒れてきても安全なようにしてあり、特に、その手前の床面上に進路案内床張材39を貼付けておくことにより検知ホルダー部材17で柱33に衝突する危険を知らせることでそれ以上前進して柱33にぶつからないようにしている。
【0019】
図4では進路案内床張材1…、2…が敷設されていて検知ホルダー部材17により進路を得るようにしていたが、これらの進路案内床張材1,2および検知ホルダー部材17などを全て省略して、スマホあるいはタブレットなどの情報処理端末機器45に該部屋を含む関連部屋の間取り情報(トイレやバス、冷蔵庫などの設備・設置品の配置情報も含む)や安全歩行ルート情報などをデーター化してインプットしておきさらにその住居内での住人(目の不自由な人40)の位置情報をGPS(全地球測位システム)との連携によって検知可能にするとともに常時住人45の部屋内での居場所と身体向きの情報を前記GPSなどとの情報連係によって確認できるようにしつつ住人45の進むべき目的場所を音声で指示することによりこれらのシステムにより住人の進むべき方向を次々と音声などで指示誘導できるようにすることができる。スマホなどの他に、設置台43に設置のAIスピーカー42により同様にGPS連携のもと住人45を音声で進路誘導させることができるようにしてもよい。これらの情報機器にAIカメラ41,41を組み合わせて進路誘導を行うようにすることもできる。
前記GPSやAIカメラ、AIスピーカーなどを利用すれば進路案内床張材などを敷設する必要がなくなり、例えば、畳が敷設されたところや一般リビング等の床板が敷設されたところであっても目の不自由な人などを安全に進路誘導することができるようになる。
【0020】
図4に示す進路案内床張材1,2は2〜3cmの樹脂マット製のものであったが、
図5に示すように、透明(あるいは半透明や非透明)な粘着式シート(フィルム)である極く薄い帯長状本体51に被検知材a…を含む1本あるいは複数本ライン型案内指標部54付きの進路案内床張材52として巻芯50回りに巻き付け・繰出し可能に構成することができる。この進路案内床張材52は図のように繰出して床面53に貼り付けることでラインに添った方向に前進可能であることを指示でき、また同図右欄のように進路案内床張材52を四角に2枚カットしたものを案内指標部54,54が十字となるように重ね合わせて床面53に貼り付けるようにすることで一時停止用の進路案内床張材55を構成することができる。一定長さ(例えば、2m)にカットした進路案内床張材52を床面53に貼り付け、その端部に
図5の右欄の進路案内床張材55を貼付けるとともに、
図1の上側のようにラインを横向きにした進路案内床張材52を貼付けておけば、
図1と同様の進路誘導ができるようになる。特に、
図1、
図4のものとは進路案内床張材の厚みが大きく異なることから進路案内床張材51,54の側縁のなす高さが2〜3mmと非常に低く床面と同化する程度になるので利用者が転倒したりガタ付いたりするおそれが非常に少なくなる。
尚、案内指標部54は、本体51の裏面に一体形成することで剥がれにくい案内指標部となる。進路案内床張材55は、進路案内床張材52をカットして重ねたものとされていたが、1枚の本体に十字型をした案内指標部を形成してなるものにしてカットして使用するようにしてもよい。
前記進路案内床張材52の裏面一側あるいは両側には、目の不自由な人などが判別しやすいような蛍光帯57,57が付設されていてもよい。この蛍光帯57に代えてテープ式のLED照明にしてもよい。進路案内床張材52の表側に対応する面は滑りにくい加工が施されてもよい。
【0021】
図6は摩耗に強い透明樹脂シートでなる本体61にバーコードである案内指標部62…を一定間隔置きに付した進路案内床張材60についての例で、この進路案内床張材60は床面に貼り付け可能としてあり、またその一端には他の構成のバーコードである案内指標部65をもつ四角形状の進路案内床張材66を貼付けるとともに、同進路案内床張材66の端部には前記進路案内床張材60をつなげてなることにより例えば、直進と一旦停止および右折直進ができるようになっている。64はバーコードリーダー型の検知ホルダー部材で先端のセンサー64aと伝播手段64bとでなる。案内指標部62,65は鉄粉粒や磁性粉粒である被検知材a…でなるが本体61の裏面側に設けることで摩耗に強いものとなる。尚、前記案内指標部62はバーコードであったがQRコードであってもよい。
図6の右上欄に示すように、本体61の長手方向に一定間隔を置いてマグネット型の案内指標部68…を埋め込んで進路案内床張材を構成してもよい。
【0022】
図7は目の不自由な人70が検知ホルダー部材71を所持して横断歩道73に差し掛かった際に一旦停止を促し安全に横断歩道73を渡れるようにした例を示す。72は進路案内床張材である。歩道前コンクリート75には鉄粉粒や磁性粉粒あるいは鉄線材などの被検知材a…が練り込まれて一体化された案内指標部74が設けられ、この案内指標部74をセンサー74が一旦停止信号として検知するとそのことを伝播手段77に伝えて音あるいは振動として目の不自由な人70に伝えるようになっている。前記検知ホルダー部材71は杖型であったが、靴型であって靴に設けたセンサーが案内指標部74を検知して伝播手段で目の不自由な人に警告を伝えるようにしてもよい。
【0023】
図8は付加的な提案例を示す。地下街や倉庫などの床面には、細幅で一定長さを有する厚さ2cm前後の進路案内床張材が貼付けられ、それが非常階段への進路を指示するものとなっているが、そのものはそのままでは暗いところで全く方向指示をする機能がなく却ってつまづいて危険ですらあった。
【0024】
そのことから
図8に進路案内床張材79を示すように四角形をした基盤である広い本体80の上に細幅状の案内指標部81を一体化するとともに蛍光塗料(蓄光手段も含む)や発光手段(太陽光発電によるものを含む)を施して暗いところでも遠くから案内指標部81や避難方向矢印表示82が目視できるようになる。また、案内指標部81は従来のように細長いものが床面に直接貼付けられているのでなく、広い本体80を一旦介して設けられているので、前記蛍光塗料などが機能を発揮できない暗い状況下にあっても本体80が広いものでありしかも案内指標部81が本体80上のやや高いところにあることから、足探りによる方向確認がしやすくなる。
【0025】
尚、案内指標部81の内部には空気室を設けるとともにその外部に空気孔83…を開けておくことによって、案内指標部81の一側部を避難する人が踏み込めば空気室が潰されるとともに膨らみ復元する作用を伴うことから空気音が発生し、その音を避難する人が聞き取ることで、避難すべき方向が暗くても分かりやすくなって安全避難を可能とするものである。
図8の右欄の付加的な提案例のように、進路案内床張材は基盤80の一側に踏込式の案内指標部81Aを他側に空気音発生凸部81Bを分けて設けたものである。
【0026】
図9は目の不自由な人等への進路誘導システムについての他の付加的な提案例を示すもので、一般歩道や駅構内、駅ホームなどの設置面100を対象にして敷設されたものである。101は従来型点字ブロック(誘導ブロック)である第1進路案内床張材を示し、第1本体102が樹脂(ポリウレタンエラストマー)製のものであって平面寸法は30cm(あるいは40cm)角で厚みが2〜3cm程度のものとされ、その上面にはそれぞれが台形断面で互いに平行をなして伸びる複数本の第1案内指標部103…が一体形成されている。この第1本体102は、
図1および
図2に示すような被検知材a…が一体混合された平坦タイプのものにしてもよい。これら第1進路案内床張材101は、
図9に矢印で示す進路方向に対応するように縦列に配列されている。
【0027】
105は路面タイルで、第1進路案内床張材101の左右脇部に同面状に配置されている。第1進路案内床張材101の底面には、上面の雪・氷を融かすためのヒーター107を設けてもよい。
【0028】
第1進路案内床張材101の一側(図の左側)には長い矩形筒状をした添接パイプ(機能パイプ)108が通され、その両側には目地109が施されている。添接パイプ108は、上面が同じ高さレベルの第1本体102と路面タイル105と同じ上面高さとされ、つまずきにくくなっている。添接パイプ108は、少なくとも上面部が透明なアクリルやポリカーボネート、強化ガラスなどを使って形成され、その内部に単色あるいは多色(RGB)発光可能なLED111…を配備した防水型チューブあるいはテープ式などのライン発光手段112を通してある。
【0029】
ライン発光手段112は、夕方あるいは夜の暗くなり始める一定時間に毎日自動で点灯を始め朝方消灯するもので、目の不自由な人が暗くなってもより安全に歩いたり車椅子で進むことができるようになるもので、その一方において、第1進路案内床張材101…の側脇において照光があると、目の不自由な人以外の人々にとってはそこが目の不自由な人にとっての優先路であることを認識させるのに有効になる。
【0030】
この添接パイプ108の上面はすべりやすくなるため、その上面には凸状片によるすべり止め113…が一体あるいは別体(ゴムなど)に配備されている。添接パイプ108の上部コーナーにはL字形をなす連通路体115が一体に通されるとともに、同パイプ108の上部コーナーには長手方向に多数をなすように通孔116…が形成されている。この通孔116…からは、連通路体115を通じて通されてくる例えば、音、空気、水(温水を含む)などの選択された1つあるいは複数のものの上方放出が可能になっている。
【0031】
音は、例えば、目の不自由な人が杖を使って第1進路案内床張材101上を進行してきて杖が接近してきた場合その接近を添接パイプ108内の検知手段が検知することで発生し、その継続する音を目の不自由な人が察知しながら進行することで安全確実に矢印方向に進行することができるようにしたものである。音は、音楽でも音声でもよい。
【0032】
空気は、例えば、目の不自由な人が杖を使って第1進路案内床張材101上を進行してきて杖が接近してきた場合その接近を添接パイプ108内の検知手段が検知することで発生し、その継続して放出される空気を目の不自由な人が歩きながら察知しながら空気の出てくる方向を保って進行することで安全確実に矢印方向に進行することができるようにしたものである。
【0033】
水(温水)が通孔116から放出される場合、第1進路案内床張材101上に積雪・着雪等があったときに自動制御によりなされる。
添接パイプ108は、透明でないSUSやアルミ合金などの金属や樹脂などを用いることができる。
【0034】
前記添接パイプ108は
図9のように第1進路案内床張材101の右側にも配備しても良い。118は振動発生手段で、第1進路案内床張材101を通じて歩行する人の足底や杖に振動を伝えることで進行方向が分かるようにすることができる。
【0035】
図10は目の不自由な人等への進路誘導システムについての他の付加的な提案例を示すもので、一般歩道や駅構内、駅ホームなどの設置面120を対象にして敷設されたものである。121は点字ブロック(誘導ブロック)である第1進路案内床張材を示し、第1本体122は従来型の樹脂(ポリウレタンエラストマー)製のものでなくアクリルやポリカーボネートあるいは強化ガラスによる中空平坦版によるもので、平面寸法は30cm(あるいは40cm)角で厚みが3〜4cm程度のものとされ、その上面にはそれぞれが台形断面で互いに平行をなして伸びる複数本のゴムあるいは樹脂製第1案内指標部123…がすべり止めを兼ねるものとして突設されている。
【0036】
125は路面タイルで、第1進路案内床張材121の左右側方に床張材121と同面状をなすように固定配置されている。第1進路案内床張材121の底面と左右両側部には、アクリルなどの透明四角パイプ製の底部添接パイプ127と側部添接パイプ128が配備されている。これらのパイプ127,128内には
図9で示すと同じような機能をもつライン発光手段130が内装されている。底部添接パイプ127は省略することがある。