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特開2019-218843家具製品の家具本体に支持される家具部品を動かすための装置に用いる連結レバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-218843(P2019-218843A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】家具製品の家具本体に支持される家具部品を動かすための装置に用いる連結レバー
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/46 20060101AFI20191129BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   E05D15/46
   A47B55/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-78573(P2019-78573)
(22)【出願日】2019年4月17日
(31)【優先権主張番号】20 2018 102 086.2
(32)【優先日】2018年4月17日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】519141519
【氏名又は名称】グラス ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ボリス クリュードナー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ハーパー
【テーマコード(参考)】
3B067
【Fターム(参考)】
3B067AA05
3B067AA11
3B067DA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】費用効率よく製造でき、部品数の少ない家具フラップの連結レバーを提供する。
【解決手段】家具製品の家具本体に支持される家具部品を動かすための装置に用いる連結レバー16であって、連結レバーは第1及び第2のエンボス部の形態をとるスペーサ部材を有し、第1のエンボス部は第1の連結レバーの第1の側面に存在し、第2のエンボス部は第1の連結レバーの第2の側面に存在し、第1の連結レバーの第1及び第2の側面は、互いの反対側に、かつ、互いから離間して存在し、第1及び第2のエンボス部は互いに反対側に存在し、第1のエンボス部は、中心部の周囲に、方位角方向及び/又は径方向において、第1の側面の残りの表面に対して隆起部と凹部とを有し、第2のエンボス部は、中心部の周囲に、方位角方向及び/又は径方向において、第2の側面の残りの表面に対して隆起部と凹部とを有する、という事実によって識別される連結レバー。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具製品(1)の家具本体(2)に支持される家具部品(3)を動かすための装置(9)に用いる連結レバー(16)であって、
前記連結レバー(16)は、第1及び第2のエンボス部(29,32)の形態をとるスペーサ部材を備え、前記第1のエンボス部(29)は前記第1の連結レバー(16)の第1の側面(21)に存在し、前記第2のエンボス部(32)は前記第1の連結レバー(16)の第2の側面(33)に存在し、前記第1の連結レバー(16)の前記第1及び第2の側面(21,33)は、反対側に、かつ、互いから離間して存在し、前記第1及び第2のエンボス部(29,32)は、反対側に存在し、前記第1のエンボス部(29)は、中心部の周囲に、方位角方向及び/又は径方向において、隆起部(22〜24)と凹部(25〜27)とを第1の側面(21)の残りの表面(28)に対して備え、前記第2のエンボス部(32)は、中心部の周囲に、方位角方向及び/又は径方向において、隆起部(35)と凹部とを第2の側面(33)の残りの表面(34)に対して備える、連結レバー(16)。
【請求項2】
前記第1及び/又は第2のエンボス部(29,32)は、複数の隆起部及び/又は複数の凹部を備え、前記複数の隆起部及び前記複数の凹部が交互に形成される、請求項1に記載の、家具製品(1)の家具本体(2)に支持される家具部品(3)を動かすための装置(9)に用いる連結レバー(16)。
【請求項3】
前記連結レバー(16)は、前記連結レバー(16)の前記第1の側面(21)から、反対側の、前記連結レバー(16)の第2の側面(33)まで延在する貫通開口(20)の形態をとる取付手段を有し、前記第1及び/又は第2のエンボス部(29,32)は、前記開口(20)の周囲に延在するように形成される、請求項1又は2に記載の、家具製品(1)の家具本体(2)に支持される家具部品(3)を動かすための装置(9)に用いる連結レバー(16)。
【請求項4】
前記連結レバー(16)は、互いに離間するように前記連結レバー(16)上に形成された、2つ、3つ、又はそれ以上のスペーサ部材(19,31)を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の、家具製品(1)の家具本体(2)に支持される家具部品(3)を動かすための装置(9)に用いる連結レバー(16)。
【請求項5】
前記第1及び/又は前記第2のエンボス部(29,32)がベアリング面(35)を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の、家具製品(1)の家具本体(2)に支持される家具部品(3)を動かすための装置(9)に用いる連結レバー(16)。
【請求項6】
前記第1のエンボス部(29)の前記隆起部(22〜24)及び/又は前記第2のエンボス部(32)の前記隆起部(35)が前記ベアリング面を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の、家具製品(1)の家具本体(2)に支持される家具部品(3)を動かすための装置(9)に用いる連結レバー(16)。
【請求項7】
家具製品(1)の家具本体(2)に支持される家具部品(3)を動かすための装置(9)であって、
前記装置(9)はガイド手段(13)を備え、
前記装置(9)が前記家具製品(1)に取り付けられた状態においては、前記家具部品(3)が、家具本体(2)に対する閉位置から家具本体(2)に対する開位置へと移動可能であり、前記ガイド手段(13)によって前記閉位置へと戻ることが可能であり,前記閉位置では、前記家具部品(3)は、前記家具本体(2)の前面(4b)へと移動された位置にあり、1つのガイド手段(13)が第1の連結レバー(16)として形成され、別のガイド手段が第2の連結レバー(18)として形成され、前記第2の連結レバー(18)は、少なくとも2つのレバーアーム(17a,17b)を有してサンドイッチ状に形成され、その結果、前記第1の連結レバー(16)は、前記第2の連結レバー(18)の前記2つのレバーアーム(17a,17b)の間で移動可能に支持され、前記第1及び前記第2の連結レバー(16,18)は、取付手段によって取付領域(19)において互いに関節式に接続され、前記第1の連結レバー(16)は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の連結レバーとして形成され、前記第1の連結レバー(16)の前記エンボス部(29,32)は、前記第2の連結レバー(18)のレバーアーム(17a,17b)間に配置される、
家具製品(1)の家具本体(2)に支持される家具部品(3)を動かすための装置(9)。
【請求項8】
前記装置(9)がリベット部材(30)を備え、
前記リベット部材(30)は、該リベット部材(30)の第1端部の領域及び該リベット部材(30)の第2端部の領域よりも大きな直径の円柱形状を中央領域(59)において有する、請求項7のプリアンブル、具体的には請求項7に記載の、前記家具製品(1)の家具本体(2)に支持される家具部品(3)を動かすための装置(9)。
【請求項9】
前記リベット部材(30)が中実リベットとして形成される、請求項8に記載の、家具製品(1)の家具本体(2)に支持される家具部品(3)を動かすための装置(9)。
【請求項10】
前記リベット部材(30)は、前記リベット部材(30)が前記第1の連結レバー(16)の前記開口(20)に配置された状態においては前記開口(20)を通って係着され、前記開口(20)の領域に配置される中央領域(59)を有するように存在し、
前記リベット部材(30)は、前記第1端部(58)が前記第1の連結レバー(16)の前記第1の側面(21,28)を超えて延在し、前記第2端部(60)が前記第1の連結レバー(16)の前記第2の側面(33,34)を超えて延在し、前記リベット部材(30)の前記中央領域(59)は、前記リベット部材(30)の円柱軸に沿って、前記第1の連結レバー(16)の幅よりも長く、前記幅は、前記第1の連結レバー(16)の前記第1の側面(21)の前記残りの表面(28)から、前記第1の連結レバー(16)の前記第2の側面(33)の前記残りの表面(34)まで延び、その結果、前記中央領域(59)の端面(63,64)が前記第2の連結レバー(18)を受けるベアリング部材(65,66)を形成する、
請求項7〜9に記載の、前記家具製品(1)の家具本体(2)に支持される家具部品(3)を動かすための装置(9)。
【請求項11】
前記リベット部材(30)は、配置された状態においては、前記リベット部材(30)の前記中央領域(59)が前記リベット部材(30)の円柱軸に沿って第1のエンボス部(28)の隆起部のベアリング面(68)から前記第2のエンボス部(32)の隆起部のベアリング面(67)まで延在するように存在する、請求項7〜10に記載の、前記家具製品(1)の家具本体(2)に支持される家具部品(3)を動かすための装置(9)。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の連結レバー(16)、及び/又は、請求項7〜11のいずれか1項に記載の装置(9)を有する家具製品(1)。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[先行技術]
家具製品の分野では、家具本体に対して家具部品を動かすことができるようにするための、家具用ヒンジやフラップ接続具等のガイド手段が知られている。
【0002】
ガイド手段は、様々な要件を満たさなければならず、特に、家具本体の内部、又は、可動式家具部品の内部は、そこに物を収納したり、そこから物を取り出したりできるように、移動ガイド部材によってアクセス可能であるべきである。
【0003】
公知のガイド手段の欠点は、比較的多数の部品によって構成されていることと、製造コストが比較的高いことである。
[発明の目的及び利点]
本発明の目的は、家具製品の家具本体に支持される家具部品を動かすための装置に用いる連結レバーを改良することであり、結果として、当該家具製品、具体的には当該装置が比較的費用効率よく製造でき、装置が比較的少ない個々の部品を有する。
【0004】
この目的は、独立請求項に記載される発明によって達成される。
本発明の有利で適切な発展形態については、従属請求項に記載する。
本発明は、家具製品の家具本体に支持される家具部品を動かすための装置に用いる連結レバーに基づくものである。
【0005】
本発明の本質は、以下に記載の事実に見て取れる。連結レバーは、第1及び第2のエンボス部の形態をとるスペーサ部材を備え、第1のエンボス部は第1の連結レバーの第1の側面に存在し、第2のエンボス部は第1の連結レバーの第2の側面に存在し、第1の連結レバーの第1及び第2の側面は、互いに反対側に、かつ、互いから離間して存在し、第1及び第2のエンボス部は、互いに反対側に存在し、第1のエンボス部は、中心部の周囲に、方位角方向及び/又は径方向において、第1の側面の残りの表面に対して隆起部及び凹部を備え、第2のエンボス部は、中心部の周囲に、具体的には中心点の周囲に、方位角方向及び/又は径方向において、第2の側面の残りの表面に対して隆起部及び凹部を備える。
【0006】
エンボス部とは、例えば、連結レバーの表面領域の賦形部を意味すると理解され、好適には、当該表面領域の賦形部はエンボス加工方法によって形成される。エンボス部は、例えば、連結レバーの表面構造を形成する。例えば、第1及び第2のエンボス部は、エンボス加工方法によって、特に単一のエンボス加工方法によって、例えば、特に単一のエンボス加工工程によって、製造されてもよい。例えば、第1のエンボス部はエンボスパンチの形状によって予め定められ、第2のエンボス部はエンボスダイの形状によって予め定められる。また、第1のエンボス部及び第2のエンボス部が、エンボスパンチ又はエンボスダイの形状によってのみ製造されることも想定され、この場合、好適には、第1のエンボス部は第1の製造工程にて製造され、第2のエンボス部が別の製造工程にて製造される。連結レバーは、好適には、エンボス部と一体的に存在する。
【0007】
好ましくは、装置は、ヒンジ又は接続具、具体的には、上部フラップ接続具の形態をとる。
また、第1及び/又は第2のエンボス部が複数の隆起部及び/又は複数の凹部を備えると有利であること、ならびに、これら複数の隆起部及び複数の凹部が交互に形成されると有利であることが証明されている。エンボス部は、例えば、波状に存在する。隆起部及び/又は凹部は、例えば、環状又は波状に設計される。具体的には、複数の環状又は波状の隆起部と、複数の環状又は波状の凹部とが、同心状に存在し、具体的には、中心点を中心として同心状に存在する。
【0008】
また、エンボス部は、星型、放射状(sonnenstrahlenartig) 、及び/又は羽根車様(fl uegelradartig) に存在していてもよい。複数の隆起部及び複数の凹部は、例えば、円弧状又は扇形状に存在する。好適には、複数の円弧状又は扇形状の隆起部及び/又は複数の円弧状又は扇形状の凹部は同心状に配置され、例えば、中心点を中心として同心状に存在する。
【0009】
好適には、第1及び第2のエンボス部の複数の隆起部及び複数の凹部は、共通の中心点を中心として同心状に延在するように設計される。
さらに、好適には、連結レバーは、連結レバーの第1の側面から、反対側の、連結レバーの第2の側面まで延在する貫通開口の形態をとる取付手段を備え、第1及び/又は第2のエンボス部は、開口の周囲、具体的には、連結レバーの表面領域において開口の周囲に延在するように設計される。取付手段は、連結レバーが、例えば枢動可能に、別の要素に接続され得る、例えば、孔及び/又はボルトとして存在する。好ましくは、連結レバーの第1及び第2のエンボス部は、連結レバー上の取付手段の周囲の領域に存在する。好適には、第1及び第2のエンボス部は、取付手段、具体的には開口の周囲に、円状に延在するように存在する。開口は、例えば、円柱状に設計される。第1及び/又は第2のエンボス部は、例えば、連結レバーの表面上において、円形又は環状の領域、具体的には表面領域を占める。
【0010】
さらに、連結レバーが、互いに離間するように連結レバー上に形成された2つ、3つ、又はそれ以上のスペーサ部材を備えることが提案される。好適には、連結レバーは、厳密に1つのスペーサ部材、厳密に2つのスペーサ部材、又は厳密に3つのスペーサ部材を備える。例えば、厳密に2つの、又は厳密に3つの開口が連結レバー上に存在する。好適には、いずれの場合にも第1のエンボス部が、そして、いずれの場合にも第2のエンボス部が、開口の周囲に延在する。
【0011】
連結レバーの有利な実施形態の1つでは、第1及び/又は前記第2のエンボス部はベアリング面を備える。
好適には、ベアリング面は、装置の別の要素、例えば別の連結レバーが、特に、ベアリング面に対して平らに当接して配置され得るように形成される。好適には、第1及び/又は第2のエンボス部は、特に別の要素の平坦ベアリングのために、複数の、具体的には3つのベアリング面を備え、結果として、第1及び/又は第2のエンボス部は、例えば、当該別の要素のための三点軸受支持部を形成する。
【0012】
また、好適には、第1のエンボス部の隆起部及び/又は第2のエンボス部の隆起部は、ベアリング面を備え、具体的には、ベアリング面を形成する。
また、家具製品の家具本体に支持される家具部品を動かすための装置が提案され、該装置はガイド手段を備え、該装置が家具製品に取り付けられた状態においては、家具部品は、家具本体に対する閉位置から家具本体に対する開位置へと移動可能であり、ガイド手段によって閉位置へ戻ることが可能であり、閉位置においては、家具部品は家具本体の前面へと移動された位置にあり、1つのガイド手段が第1の連結レバーとして形成され、別のガイド手段が第2の連結レバーとして形成され、第2の連結レバーは少なくとも2つのレバーアームを有してサンドイッチ状に形成され、結果として、第1の連結レバーは、第2の連結レバーの2つのレバーアームの間で移動可能に支持され、第1及び第2の連結レバーは、取付領域において、取付手段によって互いに関節状に接続され、第1の連結レバーは、上述の設計の1つに基づく連結レバーとして形成され、第1の連結レバーのエンボス部、具体的には第1及び第2のエンボス部は、第2の連結レバーのレバーアームの間に配置される。結果として、装置の取り付けが簡素化される。
【0013】
好適には、第1の連結レバーは取付領域にエンボス部を有し、結果として、第2の連結レバー上に配置された状態において、第1の連結レバーの第1の側面の残りの表面及び/又は第1の連結レバーの第2の側面の残りの表面は、第1及び/又は第2のエンボス部によって、第2の連結レバーの側面から、具体的には第2の連結レバーのレバーアームの側面から、離間して存在する。好ましくは、第2の連結レバーのレバーアームは、第1の連結レバーのエンボス部のベアリング面に当接する。好適には、エンボス部は、スペーサディスク又はスペーサ要素の機能を有する。
【0014】
第1及び第2の連結レバーは、具体的には枢動可能に、互いに接続される。好適には、第1及び第2の連結レバーは、枢動軸を中心に、互いに対して移動可能である。好ましくは、第1のエンボス部の隆起部は、枢動軸に沿って、第2のエンボス部の凹部の反対側の位置に存在する。
【0015】
さらに、好適には、装置はリベット部材を備え、リベット部材は、リベット部材の第1端部の領域の直径及び、リベット部材の第2端部の領域の直径よりも大きな直径を中央領域において有する円柱形状を有する。結果として、装置の取り付けが容易になる。
【0016】
リベット部材の中央領域は、例えば、円柱状に設計される。リベット部材の第1端部及び第2端部は、例えば、円柱状に設計される。リベット部材の円柱状の第1端部の直径が、リベット部材の円柱状の第2端部の直径と少なくとも略同じであることも想定される。
【0017】
例えば、リベット部材は、円柱状要素の端面同士が互いに支持し合って一体的に形成された3つの円柱要素で構成され、2つの円柱要素は第3の円柱要素よりも小さな直径を有する。好適には、第3の円柱要素は、リベット部材の中央領域を形成する。好ましくは、中央領域は第3の円柱要素の円柱軸に沿って延在し、具体的には、第3の円柱要素の全長にわたって延在する。好適には、ベアリング部材は、第3の円柱要素の端面の一部である。
【0018】
また、リベット部材が中実リベットとして形成されていることが有利であると証明されている。リベット部材は、例えば、中実材料から形成され、好適には、キャビティを有さない。
【0019】
さらに、リベット部材が装置に、具体的には第1の連結レバーの開口に配置された状態において、リベット部材が開口を通って係着され、リベット部材の中央領域が開口の領域に配置されるようにリベット部材が存在していることも提案されており、リベット部材の第1端部が第1の連結レバーの第1の側面を超えて延在し、リベット部材の第2端部が第1の連結レバーの第2の側面を超えて延在し、リベット部材の中央領域は、リベット部材の円柱軸に沿って第1の連結レバーの幅よりも長く、当該幅は、具体的には、少なくとも第1の連結レバーの第1の側面の残りの表面から第1の連結レバーの第2の側面の残りの表面まで延在し、結果として中央領域の端面が第2の連結レバー用のベアリング部材を形成する。例えば、第1の連結レバーの幅は、第1の連結レバーの第1のエンボス部のベアリング面から第1の連結レバーの第2のエンボス部のベアリング面まで延在する。
【0020】
好適には、リベット部材の中央領域の長さは、第1の連結レバーの幅と略同一、具体的には、まったく同一であり、第1の連結レバーの幅は、第1の連結レバーの第1のエンボス部のベアリング面から第1の連結レバーの第2のエンボス部のベアリング面まで延在する。
【0021】
好適には、リベット部材の中央領域は、リベット部材の残りの領域に対してずれるように、又は段差を有するように構成されている。
ベアリング部材は、例えば、ベアリング面として存在する。ベアリング部材は、例えば環状に、例えば円形のリング状の表面として設計される。
【0022】
好適には、リベット部材は、配置された状態においては、リベット部材の中央領域がリベット部材の円柱軸に沿って第1のエンボス部の隆起部のベアリング面から第2のエンボス部の隆起部のベアリング面まで延在するように存在する。
【0023】
好適には、リベット部材の中央領域は、第1のベアリング部材からリベット部材の別のベアリング部材まで延在し、好適には、第1のベアリング部材はリベット部材の第1端部の領域に存在し、第2のベアリング部材はリベット部材の第2端部の領域に存在する。
【0024】
さらに、上述の変形例のいずれかによる連結レバーを有する家具製品、及び/又は、上述の実施形態のいずれかによる装置を有する家具製品が提案される。
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の図面に概略的に示す実施例を参照して、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】開状態にある、家具部品を動かすための本発明による装置を有する本発明による家具製品の斜視図を示す。
図2図1において円で囲った領域Aの拡大図を示す。
図3】装置のガイド手段の側面図を示す。
図4図3のガイド手段の側面図を、ガイド部材の一部を透視した状態で示す。
図5図4のガイド手段の詳細Bを示す。
図6】本発明による連結レバーの平面図を示す。
図7図6の連結レバーの詳細Cの詳細図を示す。
図8図6の連結レバーの側面図を示す。
図9】別の連結レバーの斜視図を示す。
図10】別の設計の連結レバーを有するガイド手段の側面図を、連結レバーの一部を透視した状態で示す。
図11図10のガイド手段の連結レバーの詳細図Dを示す。
図12図10及び図11のガイド手段の連結レバーの側面図を示す。
図13図12の連結レバーの平面図を示す。
図14図13の連結レバーの詳細図Eを示す。
図15】別の設計のガイド手段の平面図を示す。
図16図15のガイド手段の断面図を示す。
図17図16の断面の詳細図Fを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、箱型の家具本体2と、家具本体2に支持され、パネル状の上部フラップ3の形態をとる家具部品と、を備える本発明による家具製品、つまりウォールユニット1の斜視図を示し、図面において、上部フラップ3は家具本体2に対して開位置にて示されている。
【0027】
家具本体2は対向する2つの直立側壁4及び5を備え、直立側壁4及び5は、下側において底部6に接続され、上側において上部7に接続される。家具本体2は、後壁8によって後側が閉鎖されている。
【0028】
図1に示す開位置から家具本体2の前面へ移動される閉位置(図示せず)へと、家具本体2に対して水平枢動軸を中心に上部フラップ3を動かすために、上部フラップ接続具9として構成される、本発明による移動装置が存在する。上部フラップ接続具9は、側壁4に第1接続具ユニット10を備え、側壁5に第2接続具ユニット11を備える。これら接続具ユニットは、同一に構成されているが、機能的には、各側壁4,5上において横並びで関連し合って、正確な配置を行うためのものである。
【0029】
接続具ユニット10及び11は、それぞれ、ベースユニット12と、複数の連結レバーを有するガイド手段13と、取付プレート15a,15bの形態をとる取付ユニットとを備える。枢動アーム構成14の枢動部又はレバーアームとして存在する、関節式に連結される複数の連結レバーは、取付プレート15a,15bに対してベースユニット12を接続するように機能し、取付プレート15a,15bは、上部フラップ3の内側に確実に、例えば材料の凹部に入り込むように、固定されている。
【0030】
図3及び図4は、第1の設計変形例における、ガイド手段13aの側面図を示す。図4は、ガイド手段13の部品を一部透視図で示したものである。
図5は、ガイド手段13aの詳細図Bを示し、サンドイッチ状に形成された、連結レバー16及び別の連結レバー18のレバーアーム17を示す。連結レバー18は、2つのレバーアーム17a,17bを備える。連結レバー16は、単一のレバーアームを備え、配置された状態では、連結レバー18のレバーアーム17a,17bの間に存在する。開口20の形態をとる取付手段は、連結レバー16上において取付領域19に形成される。連結レバー16の第1の側面21上の開口20の周囲において径方向に延在しているのは、隆起部22〜24及び凹部25〜27の形態をとる第1のエンボス部29である。好適には、隆起部22〜24及び凹部25〜27は、円弧状に存在する。好適には、隆起部22〜24及び凹部25〜27は、仮想平面で見ると、第1の側面21の残りの表面28に対してずれるように設計される。さらに、開口20内にはリベット部材30が示されている。好適には、連結レバー16は、2つの取付領域19,31を備える。
【0031】
連結レバー16の詳細図C図7)には、第1のエンボス部29及び第2のエンボス部32が示されている。エンボス部32は、第1のエンボス部29とは反対側の、第2の側面33上の取付領域19に位置し、第2のエンボス部32の一部は、連結レバー16の第2の側面33の残りの表面34に対して凸状又は凹状に設計される。好適には、第1のエンボス部29の凹部26は、第2のエンボス部32の隆起部35の反対側に位置するように設計される。好適には、連結レバー16の厚さ、つまり幅dは、連結レバー16の第2の側面33の残りの表面34から、第1の側面21の残りの表面28までの間隔によって形成される。好適には、第1のエンボス部29の凹部26の表面42から、第2のエンボス部32の隆起部35の表面41までの間隔、又はその逆の間隔は、連結レバー16の幅dと等しい。
【0032】
図9は、ガイド手段13aの別の連結レバー37のレバーアーム36を示す。好適には、レバーアーム36は、3つの取付領域38〜40を備える。特に単一のレバーアームを有する連結レバー18,37は、好適には、ガイド手段13a上に配置された状態においては、ある平面上において隣り合って配置される(図4参照)。
【0033】
図10〜14は、エンボス部の更なる変形例を有するガイド手段13bを示しており、2つの取付領域44,45を有する連結レバー43が示されている。取付領域44,45のエンボス部50,51は、円形の隆起部47,49及び凹部46,48を備える。取付領域44,45の開口52,53を中心に径方向で見ると、エンボス部50,51の隆起部及び凹部は、交互に延在するように設計される。好適には、取付領域44は2つのエンボス部50,54を備え、連結レバー43の第1の側面55上に設けられた第1のエンボス部50と、連結レバー43の第2の側面56上に設けられた第2のエンボス部54とが、互いの反対側に配置される。図10〜14の変形例では、第1のエンボス部50の隆起部49は、取付領域44の第2のエンボス部54の隆起部57とは異なる円形領域を有する。例えば、第2のエンボス部54の隆起部57の外径D1は、第1のエンボス部50の隆起部49の内径と同一である。第1のエンボス部50の隆起部49の外径D2は、例えば、第2のエンボス部54の隆起部57の外径D1よりも大きい。例えば、逆に、同じことが、エンボス部50,54の凹部にも当てはまる。
【0034】
ガイド手段13aの取付領域19における断面図が図17に示されている。連結レバー16と、連結レバー18のレバーアーム17a,17bと、リベット部材30とが示されている。リベット部材30は、互いに一体的に形成された3つの円柱要素58〜60からなる。リベット部材30の中央要素59は、2つの外側要素58,60よりも大きな外径を有する。好適には、リベット部材30は、中央要素59によってリベット部材30が連結レバー16の開口20に挿入可能であるように、好適には正確に適合するように、形成される。
【0035】
好適には、中央要素59の端面は、連結レバー18のレバーアーム17a,17bの内面65,66を受けるベアリング面63,64を形成する。好適には、レバーアーム17a,17bは、配置された状態においては、中央要素59のベアリング面63,64上に移動可能に取り付けられる。さらに、好ましくは、連結レバー18のレバーアーム17a,17bの内面65,66は、配置された状態においては、連結レバー16のエンボス部29,32の隆起部のベアリング面67,68上に移動可能に取り付けられる。好適には、連結レバー16のエンボス部29,32の隆起部は、リベット部材30のベアリング面63,64とともに、連結レバー18のレバーアーム17a,17bの内面65,66を受けるベアリング平面又は支持平面を形成する。
【0036】
好適には、外側要素58,60は、配置された状態において、レバーアーム17a,17bの外面61,62を越えて延在する。結果として、リベット部材30の外側要素58,60は、例えば、搖動式リベット機(Taumlers)を用いて搖動により成形されることができ、具体的には変形されることができる。その結果、搖動により成形又は変形された後に、リベット部材30は、連結レバー16,18を相互に、具体的には移動可能かつ離脱不能に、連結する。
【0037】
[参照符号の一覧]
1…ウォールユニット、2…家具本体、3…上部フラップ、4…側壁、5…側壁、6…底部、7…上部、8…後壁、9…上部フラップ接続具、10…接続具ユニット、11…接続具ユニット、12…ベースユニット、13…ガイド手段、13a,13b…ガイド手段、14…枢動アーム構成、15a,15b…取付プレート、16…連結レバー、17a,17b…レバーアーム、18…連結レバー、19…取付領域、20…開口、21…側面、22〜24…隆起部、25〜27…凹部、28…表面、29…エンボス部、30…リベット部材、31…取付領域、33…側面、32…エンボス部、34…表面、35…隆起部、36…レバーアーム、37…連結レバー、38〜40…取付領域、41…表面、42…表面、43…連結レバー、44,45…取付領域、46,48…凹部、47,49…隆起部、50,51…エンボス部、52,53…開口、54…エンボス部、55,56…側面、57…隆起部、58〜60…要素、61,62…表面、63,64…ベアリング面、65,66…表面、67,68…ベアリング面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【外国語明細書】
2019218843000001.pdf