【解決手段】真空発生機構50と破壊流路48との間に封止弁機構70を設けた真空エジェクタ10Bにおいて、封止弁機構70は、破壊流路48側から封止口65に付勢されて封止口65を塞ぐ弁体76を備えるとともに、その弁体76を真空発生機構50に供給される供給エアで動作するピストン部66で封止口65から離間させて開くように構成した。
請求項2記載の真空エジェクタにおいて、前記ピストン部の先端部に前記封止口よりも小さな径の縮径部が形成され、該縮径部が前記弁体と当接して押圧することで前記弁体を前記封止口から離間させることを特徴とする真空エジェクタ。
請求項3記載の真空エジェクタにおいて、前記封止弁機構は、前記弁体を前記封止口に付勢する第1の弾性部材と、前記ピストン部を前記弁体から離間させる方向に付勢する第2の弾性部材とを備えたことを特徴とする真空エジェクタ。
圧縮エアが供給される供給ポートと、吸着手段に接続される真空ポートと、前記供給ポートから供給された供給エアの作用下に負圧を発生させる真空発生機構と、前記真空ポートに破壊エアを供給する破壊弁と、前記供給ポートと前記真空発生機構とを接続するとともに、その流路上に供給弁を備えた供給流路と、前記真空発生機構と前記真空ポートとを接続する負圧流路と、前記破壊弁と前記負圧流路とを接続する破壊流路と、を備えた真空エジェクタに脱着自在に装着される封止弁ユニットであって、
前記真空発生機構と前記破壊流路との間の前記負圧流路に配置され、前記破壊流路を通って真空ポートに供給される破壊エアの前記真空発生機構への流出を阻止する封止弁機構と、を備えたことを特徴とする封止弁ユニット。
請求項6記載の封止弁ユニットにおいて、前記ピストン部の先端部に前記封止口よりも小さな径の縮径部が形成され、該縮径部が前記弁体と当接して押圧することで前記弁体を前記封止口から離間させることを特徴とする封止弁ユニット。
請求項7記載の封止弁ユニットにおいて、前記封止弁機構は、前記弁体を前記封止口に付勢する第1の弾性部材と、前記ピストン部を前記弁体から離間させる方向に付勢する第2の弾性部材とを備えたことを特徴とする封止弁ユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、用途によっては、吸着パッドに張り付いたワークを取り除いたり、ワークに付着した埃や異物を除去するために、より高圧の破壊エアが求められる場合がある。
【0007】
このような場合には、負圧流路と負圧を発生させるエジェクタ部(真空発生機構)との間を封止し、破壊エアが真空発生機構側に流出しないようにする封止弁において、更なる高圧の破壊エアに対しても確実に動作する構造が望まれる。
【0008】
また、用途によっては、ワークに高圧の破壊エアを吹き付けることは求められず、破壊エアに高い圧力が必要ない場合もある。この場合には、コストの高い封止弁は不要であり、できるだけ簡素な装置構成とすることが好ましい。そのため、必要に応じて封止弁を真空エジェクタから取り外せることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
下記の開示の一観点に係る真空エジェクタは、圧縮エアが供給される供給ポートと、吸着手段に接続される真空ポートと、前記供給ポートから供給された供給エアの作用下に負圧を発生させる真空発生機構と、前記真空ポートに破壊エアを供給する破壊弁と、前記供給ポートと前記真空発生機構とを接続するとともに、その流路上に供給弁を備えた供給流路と、前記真空発生機構と前記真空ポートとを接続する負圧流路と、前記破壊弁と前記負圧流路とを接続する破壊流路と、前記真空発生機構と前記破壊流路との間の前記負圧流路に配置され、前記破壊流路を通って真空ポートに供給される破壊エアの前記真空発生機構への流出を阻止する封止弁機構と、を備え、前記封止弁機構は、前記供給弁からの供給エアの供給によって開状態となり、前記供給弁からの供給エアの供給が停止すると閉状態となることを特徴とする。
【0010】
上記の真空エジェクタによれば、封止弁機構を閉状態とするのに供給エア(又は破壊エア)の作用を不要としている。そのため、破壊エアの破壊圧が高い場合であっても、閉状態を維持し続けることができる。すなわち、より高圧の破壊エアを負圧流路に供給した場合であっても、封止弁機構が閉状態に維持されるため、確実に負圧流路を封止することができる。
【0011】
上記観点の真空エジェクタにおいて、前記封止弁機構は、前記負圧流路を縮径してなる封止口と、前記破壊流路側から前記封止口に付勢されて前記封止口を塞ぐ弁体と、前記供給エアの圧力を受けて前記弁体を前記封止口から離間させる方向に変位させるピストン部と、を備えていてもよい。
【0012】
上記の真空エジェクタは、封止弁機構の弁体が、破壊流路側から封止口に付勢されることで封止口を塞ぐように構成されている。そのため、破壊流路側の破壊圧が高まった場合であっても、弁体が開くことはなく、確実に負圧流路を封止できる。
【0013】
上記観点の真空エジェクタにおいて、前記ピストン部の先端部に前記封止口よりも小さな径の縮径部が形成され、該縮径部が前記弁体と当接して押圧することで前記弁体を前記封止口から離間させるように構成してもよい。
【0014】
上記のように構成することにより、ピストン部の先端部が封止口を通じて弁体を押圧することで、封止口を開口させることができる。ピストン部の先端部が封止口よりも小さな径の縮径部となっているため、ピストン部が弁体を押圧しても、ピストン部によって封止口が閉塞されることはない。
【0015】
上記観点の真空エジェクタにおいて、前記封止弁機構は、前記弁体を前記封止口に付勢する第1の弾性部材と、前記ピストン部を前記弁体から離間させる方向に付勢する第2の弾性部材とを備えてもよい。
【0016】
上記のように構成することにより、供給エアの供給が停止した際であっても、封止弁機構を構成する弁体が封止口に付勢されることにより、確実に閉状態とすることができる。
【0017】
下記の開示の別の一観点では、圧縮エアが供給される供給ポートと、吸着手段に接続される真空ポートと、前記供給ポートから供給された供給エアの作用下に負圧を発生させる真空発生機構と、前記真空ポートに破壊エアを供給する破壊弁と、前記供給ポートと前記真空発生機構とを接続するとともに、その流路上に供給弁を備えた供給流路と、前記真空発生機構と前記真空ポートとを接続する負圧流路と、前記破壊弁と前記負圧流路とを接続する破壊流路と、を備えた真空エジェクタに脱着自在に装着される封止弁ユニットであって、封止弁ユニットは、前記真空発生機構と前記破壊流路との間の前記負圧流路に配置され、前記破壊流路を通って真空ポートに供給される破壊エアの前記真空発生機構への流出を阻止する封止弁機構と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
上記の封止弁ユニットによれば、真空エジェクタに脱着自在に構成されているため、高圧の破壊エアが必要とされる場合に真空エジェクタに封止弁ユニットを取り付けるだけで封止弁を有する真空エジェクタを構成できる。
【0019】
上記観点の封止弁ユニットにおいて、前記封止弁機構は、前記負圧流路を縮径してなる封止口と、前記破壊流路側から前記封止口に付勢されて前記封止口を塞ぐ弁体と、前記供給エアの圧力を受けて前記弁体を前記封止口から離間させる方向に変位させるピストン部と、を備えていてもよい。
【0020】
上記の封止弁ユニットによれば、封止弁機構の弁体が、破壊流路側から封止口に付勢されることで封止口を塞ぐように構成されている。そのため、破壊流路側を通じて負圧流路に破壊エアが導入され、負圧流路の破壊圧が高まった場合であっても、弁体が開くことはなく、確実に負圧流路を封止できる。
【0021】
上記観点の封止弁ユニットにおいて、前記ピストン部の先端部に前記封止口よりも小さな径の縮径部が形成され、該縮径部が前記弁体と当接して押圧することで前記弁体を前記封止口から離間させるように構成してもよい。
【0022】
上記のように構成することにより、ピストン部の先端部が封止口を通じて弁体を押圧することで、封止口を開口させることができる。ピストン部の先端部が封止口よりも小さな径の縮径部となっているため、ピストン部が弁体を押圧しても、ピストン部によって封止口が閉塞されることはない。
【0023】
上記観点の封止弁ユニットにおいて、前記封止弁機構は、前記弁体を前記封止口に付勢する第1の弾性部材と、前記ピストン部を前記弁体から離間させる方向に付勢する第2の弾性部材とを備えていてもよい。
【0024】
上記のように構成することにより、供給エアの供給が停止した際であっても、封止弁機構を構成する弁体が封止口に付勢されることにより、確実に閉状態とすることができる。
【0025】
上記観点の封止弁ユニットにおいて、さらに、前記真空ポートと前記負圧流路とが設けられていてもよい。
【0026】
上記のように構成することにより、封止弁ユニット及び真空エジェクタの負圧流路が短くなり、装置構成が簡略化される。
【発明の効果】
【0027】
上記の一観点によれば、真空エジェクタにおいて、高圧の破壊エアであっても確実に動作する封止弁を実現できる。また、別の一観点によれば、封止弁を脱着自在な封止弁ユニットとして構成できるため、封止弁ユニットを脱着するだけで、用途に応じて柔軟に真空エジェクタの装置構成を変えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
【0030】
(第1の実施形態)
本実施形態に係る真空エジェクタ10は、
図1に示すように、本体12と、その本体12に脱着自在に構成された装着ユニット20とを備えてなる。装着ユニット20には、吸着パッド等と接続される真空ポート38が設けられている。この装着ユニット20には、後述するように、封止弁機構70を有せず、サクションフィルタ78のみを内蔵したフィルタユニット20A(
図3参照)と、サクションフィルタ78とともに封止弁機構70を内蔵した封止弁ユニット20B(
図4参照)とがある。真空エジェクタ10は、用途に応じて装着ユニット20として、フィルタユニット20A及び封止弁ユニット20Bのいずれかを装着して使用される。
【0031】
本体12には、真空ポート38への出力を負圧又は正圧に切り替えるバルブユニット14と、負圧を発生させるエジェクタユニット18と、バルブユニット14とエジェクタユニット18とを接続する流路ユニット16と、を備えている。流路ユニット16には、圧縮エアが供給される供給ポート34が設けられており、その供給ポート34から流入した圧縮エアは、バルブユニット14に導かれ、バルブユニット14を介してエジェクタユニット18に供給エア(圧縮エア)が供給される。
【0032】
エジェクタユニット18には、供給エアの作用に基づいて負圧を発生させる真空発生機構50(
図3参照)が設けられている。また、エジェクタユニット18には、真空発生機構50を通過した供給エアを排出する排気ポート36が設けられている。エジェクタユニット18で発生した負圧は、
図2に示すように、本体12の下部に設けられた接続口58、60を介して、装着ユニット20に供給される。装着ユニット20は、内部の負圧流路を通じて真空ポート38に負圧を伝えるように構成されている。
【0033】
図1及び
図2に示すように、装着ユニット20は、直方体状に形成された枠部21を備えており、その枠部21の接続面21aには、X1側に向けて突出した突出部22と、係合部24と、突部26とが形成されている。また、本体12の接続部12aには、突出部22を受け入れる凹部32と、係合部24と係合する係合受部30と、弾性変形することで突部26に係合して装着ユニット20の脱落を阻止するロック片28が設けられている。装着ユニット20は、
図2の矢印の方向にスライドさせつつ、突出部22を本体12の凹部32に入れるとともに、係合部24を本体12の係合受部30に係合させることで装着される。以下、真空エジェクタ10A、10Bの各部の構成について説明する。
【0034】
真空エジェクタ10Aは、
図3に示すように、本体12に装着ユニット20としてフィルタユニット20Aを装着して構成される。このうち、本体12は、バルブユニット14、流路ユニット16及びエジェクタユニット18と、電磁弁ユニット41とを有している。
【0035】
バルブユニット14は、供給弁42aと破壊弁42bとを有するバルブ機構42と、供給流路44と、導入エア流路46と、破壊流路48とを備えている。導入エア流路46は、流路ユニット16の供給ポート34と、供給弁42a及び破壊弁42bとを接続する流路であり、流路ユニット16内で分岐して供給弁42a及び破壊弁42bとに接続されている。供給弁42aは、導入エア流路46と供給流路44との間に配置されている。また、破壊弁42bは、導入エア流路46と破壊流路48との間に配置されている。
【0036】
電磁弁ユニット41は、バルブ機構42を構成する供給弁42a及び破壊弁42bを駆動するパイロットエアを出力する。供給弁42a及び破壊弁42bは、同一軸上に相互に連携して動作するバルブとして構成されており、電磁弁ユニット41から供給されるパイロット圧によって動作する。供給弁42aには、導入エア流路46と供給流路44とに連通可能な凹部42a1が形成されている。供給弁42aが閉状態のときには、凹部42a1は導入エア流路46と連通しない位置に変位して供給弁42aが導入エア流路46を塞ぐ。一方、破壊弁42bには、導入エア流路46と破壊流路48に連通可能な凹部42b1が形成されている。供給弁42aが閉状態のときには、凹部42b1は導入エア流路46と連通しない位置に変位して破壊弁42bが導入エア流路46を塞ぐ。
【0037】
バルブ機構42の破壊弁42bを供給弁42a側に付勢すると破壊弁42bが開位置となり破壊弁42bが開状態となる。このとき、供給弁42aが閉位置に押し出されて供給弁42aが閉状態となる。破壊弁42bの付勢を停止するとバネ42cによって破壊弁42bが閉位置に戻る。このとき、破壊弁42b及び供給弁42aが閉状態となる。また、供給弁42aにパイロットエアを供給すると、供給弁42aが開位置に移動して開状態となる。このとき、破壊弁42bはバネ42cからの付勢力によって閉位置に保たれる。
【0038】
流路ユニット16は、供給ポート34と、供給流路44と、導入エア流路46と、破壊流路48と、破壊流量調整ニードル79と、を備えている。このうち、供給ポート34からは、図示しない圧縮エア供給手段から圧縮エアが供給される。供給ポート34には、導入エア流路46が接続されている。導入エア流路46は、流路ユニット16内で分岐しており、分岐した一方が供給弁42aに接続され、分岐した他方が破壊弁42bに接続されている。
【0039】
供給流路44は、その一端が供給弁42aに接続され、他端がエジェクタユニット18のノズル52に接続される。流路ユニット16内において、供給流路44は、エジェクタユニット18のノズル52が設けられた端部に向けて伸びている。破壊流路48は、破壊弁42bと負圧流路61とを接続する流路であり、流路ユニット16内において負圧流路61に向けて屈曲して伸びている。破壊流路48は、エジェクタユニット18を貫通し、フィルタユニット20Aの負圧流路61に連通する。
【0040】
破壊流量調整ニードル79は、破壊流路48の屈曲部分に取り付けられている。この破壊流量調整ニードル79には、破壊流路48に挿入可能な先端部79aを有しており、この先端部79aと破壊流路48との間隙により、破壊エアの流量を調節することができる。
【0041】
エジェクタユニット18は、真空発生機構50と、排気ポート36と、接続口58、60を備えている。真空発生機構50は、ノズル52と、第1デフューザ54と、第2デフューザ56とを備えている。ノズル52の基端側は、供給エア導入部44aに接続されている。供給エア導入部44aは供給流路44の一部を構成し、供給エアをノズル52の入口に導く。ノズル52は途中に内径が小さく絞られた部分を有する筒状の部材であり、その入口が供給エア導入部44aに接続されている。また、ノズル52の放出側には、第1デフューザ54と、第2デフューザ56とが順に配置されている。第1デフューザ54及び第2デフューザ56は、長尺な筒状の部材である。ノズル52、第1デフューザ54及び第2デフューザ56は、所定幅の間隙をあけて配置されている。排気ポート36は、第2デフューザ56の放出側に設けられている。
【0042】
ノズル52と第1デフューザ54との間の間隙52aは接続口58と連通し、第1デフューザ54と第2デフューザ56との間隙54aは接続口60と連通している。接続口60の端部には、チェック弁60aが設けられている。チェック弁60aは、接続口60と負圧流路61(又は負圧流路62(
図4参照))との差圧に応じて開閉する。すなわち、負圧流路61(又は負圧流路62)側の負圧が接続口60の負圧よりも小さい場合にはチェック弁60aは開いている。一方、負圧流路61(又は負圧流路62)側の負圧が接続口60の負圧よりも所定値以上大きくなった場合には、接続口60の端部を塞ぐ。
【0043】
また、エジェクタユニット18には、後述する封止弁機構70を駆動するパイロットエアの流路となる封止弁用流路53が設けられている。封止弁用流路53は、その一端が供給エア導入部44aに接続されている。封止弁用流路53は、エジェクタユニット18を貫通して、他端が装着ユニット20側の面で開口している。但し、装着ユニット20が封止弁を有さないフィルタユニット20Aの場合には、封止弁用流路53は、フィルタユニット20Aによって塞がれている。
【0044】
フィルタユニット20Aは、真空ポート38と、サクションフィルタ78と、負圧流路61と、破壊流路48cとを備えている。負圧流路61は、フィルタユニット20Aの長手方向に沿って伸びるとともに、その内部で第1負圧流路61aと第2負圧流路61bとに分岐している。第1負圧流路61aは、エジェクタユニット18の接続口58に接続され、第2負圧流路61bは接続口60に接続される。また、第1負圧流路61aには、圧力センサ19に向けて伸びるセンサ用流路19aが接続されている。フィルタユニット20A内の破壊流路48cは、一端がエジェクタユニット18の破壊流路48bに接続されるとともに、他端が負圧流路61と連通している。
【0045】
負圧流路61と真空ポート38との間には、フィルタ収容部23aが設けられており、そのフィルタ収容部23a内にサクションフィルタ78が配置されている。サクションフィルタ78は、筒状に形成されたフィルタであり、その一端部が負圧流路61側に接続され、他端部がポート部材78aで封じられている。ポート部材78aは、真空ポート38用の継手ボディとサクションフィルタ78の装着部とを兼ね備えている。サクションフィルタ78の内部78bは、負圧流路61と連通している。また、サクションフィルタ78とフィルタ収容部23aとの間隙は真空ポート38と連通している。サクションフィルタ78はエア中の異物を除去することで、真空エジェクタ10Aの誤動作や機能の低下を防ぐ。
【0046】
上記のように構成された真空エジェクタ10Aは下記のように作用する。真空エジェクタ10Aにおいて、バルブユニット14の供給弁42aを開状態とし、破壊弁42bを閉状態とする。供給ポート34から供給された圧縮エアは、供給弁42aを通り、供給流路44を介して供給エアがエジェクタユニット18の真空発生機構50に供給される。供給エアは、ノズル52、第1デフューザ54及び第2デフューザ56を順に通過して排気ポート36から排出される。その際に、間隙52a、54aから空気を吸引することで負圧を発生させる。
【0047】
このとき、負圧が低い間は、接続口60に設けられたチェック弁60aが流れ方向に開いており、接続口58、60の両方に負圧の流れがあるが、負圧が高くなると、チェック弁60aが図示のような閉じた状態となり、接続口58を介した間隙52aで発生する負圧の流れだけになり、高い真空圧を発生することができる。
【0048】
このようにして真空発生機構50で発生した負圧は、接続口58、60を介して負圧流路61に伝わり、サクションフィルタ78を介して真空ポート38側に伝わる。これにより、真空ポート38に接続された吸着パッド等の機器に吸着力を発生する。
【0049】
また、バルブユニット14の破壊弁42bを閉状態から開状態に切り替えると、供給弁42aは開状態から閉状態に切り替わり、供給流路44への供給エアの供給が停止される。一方、供給ポート34から供給された圧縮エアは、破壊弁42bを通り破壊エアとして破壊流路48を経て負圧流路61に流入する。これにより、負圧流路61の圧力が高まり、破壊エアの一部は、サクションフィルタ78を経て真空ポート38に流れる。また、破壊エアの一部は、接続口58、60及び真空発生機構50を介して排気ポート36から放出される。真空ポート38に破壊エアが流れることにより、真空ポート38に接続された機器の真空が破壊されて吸着が解放される。
【0050】
次に、装着ユニット20として、封止弁ユニット20Bを装着した真空エジェクタ10Bについて説明する。
図4に示すように、真空エジェクタ10Bでは、封止弁ユニット20Bが装着される。
【0051】
封止弁ユニット20Bは、筐体23Bを備えてなり、その内部に真空ポート38と、破壊流路48dと、負圧流路62と、封止弁機構70と、サクションフィルタ78と、を備えている。
【0052】
筐体23Bには、それを長手方向に貫く貫通孔23bが設けられている。真空ポート38は、その貫通孔23bのX2側の端部に取り付けられている。真空ポート38に隣接する部分の貫通孔23bには、フィルタ収容部23cが設けられており、そのフィルタ収容部23cにサクションフィルタ78が配置されている。サクションフィルタ78は、筒状に形成されており、その一方の端部がポート部材78aに接続されて保持される。サクションフィルタ78の一方の端部はポート部材78aで封じられている。サクションフィルタ78の他方の端部は、支持部材73に接続されて保持されている。支持部材73は、フィルタ収容部23cと、負圧流路62との境界に設けられており、サクションフィルタ78の内部と負圧流路62とを連通する開口部73bが形成されている。これにより、サクションフィルタ78の内周側は負圧流路62と連通し、外周側は真空ポート38と連通している。また、支持部材73の基端側(X1側)には、後述する弁体76の軸部76bを受け入れて支持するガイド孔73aが軸方向(X方向)に伸びている。
【0053】
負圧流路62は、サクションフィルタ78とエジェクタユニット18の接続口58、60とを接続する流路である。負圧流路62は、筐体23Bの長尺方向に伸びた第1の流路62aと、その第1の流路62aからエジェクタユニット18の接続口58、60に向けて分岐して伸びる第2の流路62bとを備えている。第1の流路62aはサクションフィルタ78の内側と連通するとともに、破壊流路48dと連通している。また、第1の流路62aには、他の部分よりも内径が小さい封止口65が形成されている。封止弁ユニット20B内の破壊流路48dの一端は、封止口65とサクションフィルタ78との間の負圧流路62に接続されている。すなわち、破壊流路48は、封止口65よりも真空ポート38寄りの部分で負圧流路62に接続されている。
【0054】
また、第2の流路62bは、分岐部を経てエジェクタユニット18の接続口58、60に接続されている。なお、第2の流路62bには、センサ用流路19aを介して圧力センサ19が接続されている。
【0055】
封止弁機構70は、封止口65を塞ぐ弁体76と、弁体76を封止口65から離間させて封止口65を開放するピストン部66とを備えている。弁体76は、封止口65のサクションフィルタ78側に配置されている。
【0056】
弁体76は、第1の流路62aに設けられた封止口65よりも大きな直径に形成された弁部76aと、その弁部76aの中心から伸び出た軸部76bとを備えている。弁部76aの表面にはシール部材75が装着されており、そのシール部材75を介して弁部76aが封止口65を塞ぐ。軸部76bは、支持部材73のガイド孔73aに挿入されている。弁体76は、ガイド孔73aによって案内されて矢印X方向に移動可能となっている。また、弁体76の軸部76bの外方には、例えばコイルばねよりなる第1の弾性部材74が取り付けられている。第1の弾性部材74の一端は支持部材73に当接し、他端は弁体76の弁部76aと当接する。弁体76は、第1の弾性部材74によって封止口65側に付勢されている。
【0057】
ピストン部66は、受圧室68と負圧流路62との間に配置されている。受圧室68は、エンドキャップ69で封じられた部分である。ピストン部66は、受圧室68に隣接する受圧部66aと、受圧部66aよりも細い径に形成された本体66bと、本体66bの先端側(X2側)に形成された縮径部66cとを備えている。受圧部66aは、供給エアの圧力を受けてピストン部66をX2方向に変位させる。縮径部66cは、封止口65の内径よりも小さい直径に形成されており、封止口65を塞ぐことなく封止口65に挿通可能に構成されている。また、本体66bの外周には第2の弾性部材72が装着されている。この第2の弾性部材72は、例えばコイルばねよりなり、ピストン部66を、封止口65から離間する方向(X1方向)に付勢する。エンドキャップ69には、軸方向(X方向)に伸びた規制ピン71が設けられている。ピストン部66は、その規制ピン71に当接するまでX1方向に移動可能となっている。受圧室68には、供給流路44から分岐した封止弁用流路53、53aが接続されており、供給エアを導入可能に構成されている。
【0058】
以上のように構成された真空エジェクタ10Bの動作について、
図4及び
図5を参照しつつ説明する。真空エジェクタ10Bにおいて、供給ポート34から導入された圧縮エアは、導入エア流路46を介して供給弁42a及び破壊弁42bに供給される。電磁弁ユニット41のパイロット圧により、供給弁42aが開状態になると、供給流路44に供給エアが供給される。これにより、真空発生機構50に供給エアが流れて負圧が発生する。
【0059】
供給流路44から分岐した封止弁用流路53にも供給エアが導入され、
図4に示すように、供給エアが受圧室68に流入する。その結果、ピストン部66が、第2の弾性部材72の付勢力に抗して封止口65側に変位して、ピストン部66の縮径部66cが弁体76に当接してこれを押圧する。その結果、弁体76が封止口65から離間する方向に変位して封止口65が開き、真空発生機構50の負圧が負圧流路62を通じて真空ポート38に伝わる。これにより、真空ポート38に接続された吸着パッド等の機器に吸着力を発生させることができる。
【0060】
一方、供給弁42aを閉状態とし、破壊弁42bを開状態とすると、供給エアの供給が絶たれ、受圧室68の圧力が低下する。これにより、第2の弾性部材72の付勢力によってピストン部66が封止口65から離間する方向に変位する。それに伴って、弁体76が第1の弾性部材74に付勢されて封止口65に押し付けられて封止口65を塞ぐ。すなわち、
図5において、封止弁機構70が閉状態となり、負圧流路62から真空発生機構50への流路が塞がれる。
【0061】
その結果、破壊弁42bから供給された破壊エアは、真空発生機構50から流出することなく、すべて真空ポート38側に供給することができる。これにより、高圧且つ大流量の破壊エアを真空ポート38に供給することができる。
【0062】
以上のように、本実施形態によれば、用途に合わせて装着ユニット20を、フィルタユニット20A及び封止弁ユニット20Bから選択することで、最適な真空エジェクタ10A、10Bを構成することができる。
【0063】
また、封止弁機構70を供給エアのパイロット圧の下に開状態となり、供給エアが絶たれた際には閉状態となるように構成したことにより、封止弁機構70を閉状態に保つのにエアの供給が不要となっている。これにより、高圧の破壊エアを供給した場合であっても、封止弁機構70を確実に閉状態に保つことができる。
【0064】
また、封止弁機構70において、真空発生機構50と破壊流路48との間の負圧流路62に封止口65が形成され、封止弁機構70は、破壊流路48側から封止口65に付勢されて封止口65を塞ぐ弁体76と、供給エアの圧力を受けて弁体76を封止口65から離間させる方向に変位するピストン部66とで構成されている。このように、弁体76が、破壊流路48の破壊圧によって封止口65に付勢されることで封止口65を確実に封止できる。そのため、破壊流路48側の破壊圧が高まった場合であっても、弁体76が開くことはなく、確実に負圧流路62を封止できる。
【0065】
また、封止弁機構70において、ピストン部66の先端部に封止口65よりも小さな径の縮径部66cが形成され、その縮径部66cで弁体76を押圧するように構成されている。このように、ピストン部66の縮径部66cを封止口65よりも小さな径としたことで、封止口65を通じて弁体76を押圧することができる。
【0066】
また、封止弁機構70において、弁体76を封止口65に付勢する第1の弾性部材74と、ピストン部66を弁体76から離間させる方向に付勢する第2の弾性部材72とを設けている。これにより、封止弁機構70を構成する弁体76が封止口65に付勢されることにより、確実に封止弁機構70を閉状態とすることができる。
【0067】
(第2の実施形態)
図6に示すように、第2の実施形態の一態様に係る真空エジェクタ80Aは、本体82の一方の側面82aに供給ポート34及び真空ポート38が設けられるとともに、正面82bに排気部36Aが形成されている。エジェクタユニット84は、本体82の他方の側面82cに装着されている。このエジェクタユニット84は、本体82に脱着可能に装着される。また、エジェクタユニット84の側端部84bには、エジェクタユニット84の開口部を塞ぐヘッドカバー86が取り付けられている。この真空エジェクタ80Aは、本体82の内部にバルブ及びサクションフィルタが設けられているが、封止弁機構70は含まれていない構成となっている。
【0068】
図7に示すように、本体82とエジェクタユニット84との間に封止弁ユニット88を装着することで、封止弁を備えた真空エジェクタ80Bを構成することができる。真空エジェクタ80Bは、破壊流路と真空発生機構との間の流路を塞ぐ封止弁を備えることにより、真空エジェクタ80Aよりも高い破壊圧を発生させることができる。このように、本実施形態においても、封止弁ユニット88の脱着によって、用途に合わせた装置構成の真空エジェクタ80A、80Bを構成できる。以下、真空エジェクタ80A、80Bの詳細について説明する。
【0069】
図8に示すように、真空エジェクタ80Aの本体82には、供給ポート34、真空ポート38、電磁弁92、94、破壊弁96、供給弁98、サクションフィルタ78、負圧流路83及びサイレンサ104が設けられている。供給ポート34は、本体82の一方の側面82aに設けられている。供給ポート34は、導入エア流路46を介して破壊弁96及び供給弁98と接続されている。
【0070】
破壊弁96は、パイロット流路96aを介して破壊用電磁弁92に接続されている。破壊用電磁弁92は、パイロット流路96aを介して破壊弁96にパイロットエアを供給する。破壊弁96は、破壊用電磁弁92からパイロットエアが供給されると開状態となり、破壊弁96の出口に接続された破壊流路48に破壊エアを出力する。
【0071】
供給弁98は、パイロット流路98aを介して供給用電磁弁94に接続されている。供給用電磁弁94は、パイロット流路98aを介して供給弁98にパイロットエアを供給する。供給弁98は、供給用電磁弁94からパイロットエアが供給されると開状態となり、供給弁98の出口に接続された供給流路44に供給エアを出力する。供給流路44の一端は本体82の側面82cに伸びて側面82cに開口している。
【0072】
サクションフィルタ78は、負圧流路83と破壊流路48との境界部分、及び負圧流路83と真空ポート38との境界部分に取り付けられている。このように、破壊流路48はサクションフィルタ78を介して負圧流路83に接続されている。
【0073】
負圧流路83は、本体82の側面82cに向けて分岐している。負圧流路83の分岐した一方は、側面82cに開口した第1接続口106となっており、他方は、側面82cに開口した第2接続口108となっている。なお、封止弁を有さない真空エジェクタ80Aにおいては、第1接続口106がエジェクタユニット84の吸引室105に接続され、第2接続口108はエジェクタユニット84によって閉塞される。
【0074】
真空ポート38は、サクションフィルタ78を介して負圧流路83に接続されている。真空ポート38は、二股に分岐しており、その一方が本体82の側面82aに形成され、他方が本体82の側面82dに形成されている。なお、真空ポート38は分岐していなくてもよい。
【0075】
サイレンサ104は、本体82の側面82cに開口した排気接続口104aに接続されている。サイレンサ104は、本体82の正面82bに設けられた排気部36Aの内方に設けられており、エジェクタユニット84から排出された供給エアの排気ノイズを抑制して外気に放出する。
【0076】
真空エジェクタ80Aのエジェクタユニット84は、供給エア導入部103、ノズル114、デフューザ115、吸引室105及び排気室112を備えている。供給エア導入部103は、エジェクタユニット84の上端側に設けられており、両側部が開口している。供給エア導入部103の本体82側の開口は、供給流路44と接続されている。また、供給エア導入部103のヘッドカバー86側の開口はヘッドカバー86によって封じられている。また、供給エア導入部103の上端部はキャップ102によって封じられている。
【0077】
ノズル114は、供給エア導入部103と吸引室105との間に配置されている。ノズル114の下流側には、デフューザ115が配置されている。デフューザ115は、筒状に形成されており、その一端が吸引室105に連通し、他端が排気室112に連通する。デフューザ115は、ノズル114と所定の隙間をあけて配置されており、その隙間から吸引室105のエアを吸引可能に構成されている。このように、ノズル114及びデフューザ115が本実施形態の真空発生機構50Aを構成する。
【0078】
排気室112は、デフューザ115の下流側に設けられている。排気室112は、エジェクタユニット84の本体82側の面において開口しており、排気接続口104aに連通している。排気室112の下端部はキャップ110によって封じられている。
【0079】
ヘッドカバー86は、エジェクタユニット84の側端部84bに装着されて、供給エア導入部103、吸引室105及び排気室112の開口を封じる。なお、ヘッドカバー86を、エジェクタユニット84と一体的に形成してもよい。
【0080】
以上のように構成された真空エジェクタ80Aは、負圧流路83が本体82側に設けられている以外は第1実施形態の真空エジェクタ10Aと同様であり、同様に動作する。すなわち、破壊流路48から供給される破壊エアは、真空ポート38に供給されるとともに、その一部はエジェクタユニット84にも流出する。このような真空エジェクタ80Aは、封止弁機構70を有さない分だけ構造が簡略化される。
【0081】
次に、封止弁ユニット88を装着した真空エジェクタ80Bについて説明する。
図9に示すように、真空エジェクタ80Bでは、本体82とエジェクタユニット84との間に封止弁ユニット88が装着される。
【0082】
封止弁ユニット88は、筐体88aを備えてなり、その内部に負圧流路126と、封止弁機構70と、排気流路130と、を有している。
【0083】
筐体88aには、長手方向に貫く貫通孔88bが設けられている。この貫通孔88bの一端は、エンドキャップ117によって封じられている。エンドキャップ117には、規制ピン119が突設されている。その規制ピン119は、封止弁機構70のピストン部66の受圧部66aに当接し、ピストン部66をエンドキャップ117から離間した位置で停止させる。このピストン部66とエンドキャップ117との間が供給流路128を構成する。供給流路128の一端は本体82の供給流路44と連通し、他端はエジェクタユニット84の供給エア導入部103と連通する。
【0084】
負圧流路126は、封止弁機構70のピストン部66で供給流路128と隔てられている。また、供給流路128は、キャップ122によって排気流路130と隔てられている。供給流路128は、エジェクタユニット84の吸引室105と連通するとともに、本体82の第2接続口108と連通している。すなわち、本体82の負圧流路83は、封止弁ユニット88の負圧流路126を介してエジェクタユニット84の吸引室105に接続されている。なお、本体82の第1接続口106は、封止弁ユニット88の筐体88aによって塞がれている。
【0085】
負圧流路126には、他の部分よりも内径が小さい封止口127が形成されている。封止弁機構70は、封止口127の開閉を行うことで、負圧流路126の開通又は封止を制御する。
【0086】
封止弁機構70は、封止口127を塞ぐ弁体76と、弁体76を封止口127から離間させて封止口127を開放するピストン部66とを備えている。弁体76は、封止口127よりも排気流路130側に配置されている。
【0087】
弁体76は、封止口127よりも大きな直径に形成された弁部76aと、その弁部76aの中心から伸び出た軸部76bとを備えている。弁部76aの表面にはシール部材(不図示)が装着されており、そのシール部材を介して弁部76aが封止口127を塞ぐ。軸部76bは、キャップ122に設けられたガイド孔122aに挿入されている。弁体76は、ガイド孔122aによって案内されてピストン部66の軸方向に移動可能となっている。また、弁体76の軸部76bの外方には、例えばコイルばねよりなる第1の弾性部材74が取り付けられている。第1の弾性部材74の一端はキャップ122に当接し、他端は弁体76の弁部76aと当接する。弁体76は、第1の弾性部材74によって封止口127に付勢されている。
【0088】
ピストン部66は、エンドキャップ117で封止された供給流路128と負圧流路126との間に配置されている。ピストン部66は、供給流路128に面した受圧部66aと、受圧部66aよりも細い径に形成された本体66bと、本体66bの先端側に形成された縮径部66cとを備えている。受圧部66aは、供給エアの圧力を受けてピストン部66を封止口127側に変位させる。縮径部66cは、封止口127の内径よりも小さい直径に形成されており、封止口127を塞ぐことなく封止口127に挿通可能に構成されている。また、本体66bの外周には第2の弾性部材72が装着されている。この第2の弾性部材72は、例えばコイルばねよりなり、ピストン部66を、封止口127から離間する方向に付勢する。エンドキャップ117には、軸方向に伸びた規制ピン119が設けられている。ピストン部66の移動範囲は、規制ピン119によって規制される。
【0089】
排気流路130は、エジェクタユニット84の排気室112と本体82のサイレンサ104とに連通している。排気流路130の下端は、ヘッドキャップ116により封じられている。
【0090】
上記のように構成された真空エジェクタ80Bの動作について、
図9及び
図10を参照しつつ説明する。真空エジェクタ80Bにおいて、供給ポート34から導入された圧縮エアは、導入エア流路46を介して供給弁98及び破壊弁96に供給される。供給用電磁弁94のパイロット圧により、供給弁98が開状態になると、供給流路44及び供給流路128を経て供給エアがエジェクタユニット84に供給される。これにより、真空発生機構50Aに供給エアが流れ吸引室105内のエアを吸引して負圧を発生させる。
【0091】
図9に示すように、供給エアは、供給流路128に面したピストン部66の受圧部66aに作用して、ピストン部66を封止口127側に押圧する。これにより、第2の弾性部材72の付勢力に抗してピストン部66が封止口127側に変位し、ピストン部66の縮径部66cが弁体76に当接してこれを押圧する。その結果、弁体76が封止口127から離間して封止口127が開き、吸引室105の負圧が真空ポート38に伝わる。これにより、真空ポート38に接続された吸着パッド等の機器に吸着力を発生させることができる。
【0092】
一方、供給弁98を閉状態とし、破壊弁96を開状態とすると、供給エアの供給が絶たれ、供給流路128の圧力が低下する。これにより、第2の弾性部材72の付勢力によってピストン部66が封止口127から離間する方向に変位する。それに伴って、弁体76が第1の弾性部材74に付勢されて封止口127に押し付けられて封止口127を塞ぐ。すなわち、
図10において、封止弁機構70が閉状態となり、負圧流路83と吸引室105との間の流路が塞がれる。
【0093】
その結果、破壊弁96から供給された破壊エアは、デフューザ115から流出することなく、すべて真空ポート38側に流れ込む。これにより、高圧且つ大流量の破壊エアを真空ポート38に供給することができる。
【0094】
以上のように、本実施形態の真空エジェクタ80Bにおいても、封止弁ユニット88を装着することにより、簡単に封止弁機構70を追加することが可能となる。その結果、封止弁ユニット88の脱着だけで、用途に合わせて所望の破壊圧を出力できる真空エジェクタ80A、80Bを構成することができる。真空エジェクタ80Bのその他の構成において、真空エジェクタ10Bと共通する構成についても同様に作用する。
【0095】
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
電磁弁ユニット41は、バルブ機構42を構成する供給弁42a及び破壊弁42bを駆動するパイロットエアを出力する。供給弁42a及び破壊弁42bは、同一軸上に相互に連携して動作するバルブとして構成されており、電磁弁ユニット41から供給されるパイロット圧によって動作する。供給弁42aには、導入エア流路46と供給流路44とに連通可能な凹部42a1が形成されている。供給弁42aが閉状態のときには、凹部42a1は導入エア流路46と連通しない位置に変位して供給弁42aが導入エア流路46を塞ぐ。一方、破壊弁42bには、導入エア流路46と破壊流路48に連通可能な凹部42b1が形成されている。