特開2019-218927(P2019-218927A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-218927(P2019-218927A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】遠心ファン
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/42 20060101AFI20191129BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   F04D29/42 H
   F04D29/42 N
   H05K7/20 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-118472(P2018-118472)
(22)【出願日】2018年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】玉岡 健人
(72)【発明者】
【氏名】平山 正士
【テーマコード(参考)】
3H130
5E322
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB06
3H130AB26
3H130AB43
3H130AB47
3H130AC19
3H130BA53A
3H130BA97A
3H130CA06
3H130CA21
3H130DA02Z
3H130DB01Z
3H130DB02Z
3H130DB03Z
3H130DD02Z
3H130DF01X
3H130EA01A
3H130EA07A
3H130EA07H
3H130EB02A
3H130EC12A
3H130EC17A
5E322BB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】遠心ファンの送風性能の低下を抑制し、かつ軽量化を実現できる構造を提供する。
【解決手段】ハウジング10は、インペラの上側において中心軸に対して垂直に拡がるカバー部12と、インペラの下側において中心軸に対して垂直に拡がるベース部11と、インペラの径方向外側においてカバー部とベース部とを軸方向に繋ぎ、かつ、周方向の一部においてカバー部およびベース部とともに送風口130を形成する側壁部13と、インペラの径方向外側の端部よりも径方向内側において、カバー部およびベース部の少なくとも一方を軸方向に貫通する吸気口110、120と、を有する。ベース部およびカバー部の少なくとも一方は、インペラの径方向外側の端部よりも径方向外側において軸方向に貫通する少なくとも1つの孔部90と、孔部を封止するシール部91と、を有する。シール部の比重は、ベース部およびカバー部のうち孔部を有する方の比重よりも小さい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心ファンであって、
ステータを有する静止部と、前記静止部に対して、上下に延びる中心軸を中心として回転する回転部と、を有するモータと、
前記中心軸を中心として周方向に並ぶ複数の羽根を有し、前記回転部とともに回転するインペラと、
前記モータの少なくとも一部および前記インペラを内部に収容するハウジングと、
を有し、
前記ハウジングは、
前記インペラの上側において前記中心軸に対して垂直に拡がるカバー部と、
前記モータの前記静止部が固定され、かつ、前記インペラの下側において前記中心軸に対して垂直に拡がるベース部と、
前記インペラの径方向外側において前記カバー部と前記ベース部とを軸方向に繋ぎ、かつ、周方向の一部において前記カバー部および前記ベース部とともに送風口を形成する側壁部と、
前記インペラの径方向外側の端部よりも径方向内側において、前記カバー部および前記ベース部の少なくとも一方を軸方向に貫通する吸気口と、
を有し、
前記ベース部および前記カバー部の少なくとも一方は、
前記インペラの径方向外側の端部よりも径方向外側において軸方向に貫通する少なくとも1つの孔部と、
前記孔部を封止するシール部と、
を有し、
前記シール部の比重は、前記ベース部および前記カバー部のうち前記孔部を有する方の比重よりも小さい、遠心ファン。
【請求項2】
請求項1に記載の遠心ファンであって、
前記孔部は、前記ベース部を軸方向に貫通し、
前記シール部は、前記ベース部の下面に配置される、遠心ファン。
【請求項3】
請求項2に記載の遠心ファンであって、
前記モータは、
前記ステータと電気的に接続された回路基板
をさらに有し、
前記回路基板の少なくとも一部は、前記ベース部と前記シール部との間に配置される、遠心ファン。
【請求項4】
請求項1に記載の遠心ファンであって、
前記孔部は、前記カバー部を軸方向に貫通し、
前記シール部は、前記カバー部の上面に配置される、遠心ファン。
【請求項5】
請求項1に記載の遠心ファンであって、
前記シール部は、前記ベース部および前記カバー部のうち前記孔部を有する方における前記インペラと軸方向に対向する面に配置される、遠心ファン。
【請求項6】
請求項1に記載の遠心ファンであって、
前記シール部は、前記孔部内に配置される、遠心ファン。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の遠心ファンであって、
前記ベース部または前記カバー部に設けられる前記孔部の数は、1つである、遠心ファン。
【請求項8】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の遠心ファンであって、
前記ベース部または前記カバー部に設けられる前記孔部の数は、複数である、遠心ファン。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の遠心ファンであって、
軸方向に見たときに、前記孔部の形状は円形である、遠心ファン。
【請求項10】
請求項8に記載の遠心ファンであって、
軸方向に見たときに、前記複数の孔部は格子状に配置されている、遠心ファン。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の遠心ファンであって、
前記ベース部および前記カバー部は金属製である、遠心ファン。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の遠心ファンであって、
前記シール部は樹脂製である、遠心ファン。
【請求項13】
請求項6に記載の遠心ファンであって、
前記シール部の材料は熱硬化性樹脂である、遠心ファン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心ファンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノート型パソコン等の電子機器には、筐体の内部を冷却するために、遠心ファンが搭載されている。遠心ファンは、遠心型のインペラと、インペラを回転させるモータと、それらを収容するハウジングとを有する。遠心ファンのモータを駆動させると、インペラが回転することによって、電子機器の内部に気流が生じる。これにより、電子機器の内部に搭載されたCPU等の電子部品から発せられる熱が排出される。従来の遠心ファンの構造については、例えば、特開2008−223743号公報に記載されている。
【特許文献1】特開2008−223743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特開2008−223743号公報のファン装置は、遠心羽根車と、遠心羽根車を収容するケースと、ステータを含むモータとを有する。モータが起動されると、遠心羽根車が所定の速度で回転し、ケースに設けられた上部吸気口および下部吸気口を介してケース外の空気がケース内に吸い込まれる。そして、ケース内に吸い込まれた空気が、回転する遠心羽根車によって遠心方向へ加速された後、ケースの側面に設けられた排気口より排出される。
【0004】
近年、電子機器の小型化に伴い、当該電子機器に搭載される遠心ファンについて、送風性能の低下を抑制し、かつ薄型化および軽量化を行うことが求められている。そこで、遠心ファンの送風性能の低下を抑制しつつ薄型化を行う方法として、例えば、インペラの大きさを一定に保った上で、インペラを収容するハウジングを、平らな金属板を打ち抜き加工またはプレス加工することによって形成する方法が考えられる。金属板を加工してハウジングのプレートを形成することによって、例えば、金型内に樹脂を行き渡らせてプレートを形成する場合と比べて、プレートをより薄くすることができるため、最終的にハウジング全体を薄型化できる。しかしながら、このように金属板を用いる場合、ハウジングを含む遠心ファンの軽量化を同時に実現することは難しい。
【0005】
本発明の目的は、遠心ファンにおいて、遠心ファンの送風性能の低下を抑制し、かつ軽量化を実現できる構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の例示的な第1発明は、遠心ファンであって、ステータを有する静止部と、前記静止部に対して、上下に延びる中心軸を中心として回転する回転部と、を有するモータと、前記中心軸を中心として周方向に並ぶ複数の羽根を有し、前記回転部とともに回転するインペラと、前記モータの少なくとも一部および前記インペラを内部に収容するハウジングと、を有し、前記ハウジングは、前記インペラの上側において前記中心軸に対して垂直に拡がるカバー部と、前記モータの前記静止部が固定され、かつ、前記インペラの下側において前記中心軸に対して垂直に拡がるベース部と、前記インペラの径方向外側において前記カバー部と前記ベース部とを軸方向に繋ぎ、かつ、周方向の一部において前記カバー部および前記ベース部とともに送風口を形成する側壁部と、前記インペラの径方向外側の端部よりも径方向内側において、前記カバー部および前記ベース部の少なくとも一方を軸方向に貫通する吸気口と、を有し、前記ベース部および前記カバー部の少なくとも一方は、前記インペラの径方向外側の端部よりも径方向外側において軸方向に貫通する少なくとも1つの孔部と、前記孔部を封止するシール部と、を有し、前記シール部の比重は、前記ベース部および前記カバー部のうち前記孔部を有する方の比重よりも小さい。
【発明の効果】
【0007】
本願の例示的な第1発明によれば、遠心ファンは、ベース部およびカバー部の少なくとも一方を軸方向に貫通する少なくとも1つの孔部を有する。そして、当該孔部は、ベース部およびカバー部のうち当該孔部を有する方の比重よりも小さいシール部によって、封止される。これにより、遠心ファンにおいて、送風性能の低下を抑制し、かつ遠心ファンの軽量化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る遠心ファンの縦断面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る遠心ファンの部分斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係る遠心ファンの部分縦断面図である。
図4図4は、変形例に係る遠心ファンの縦断面図である。
図5図5は、変形例に係る遠心ファンの縦断面図である。
図6図6は、変形例に係る遠心ファンの縦断面図である。
図7図7は、変形例に係る遠心ファンの部分斜視図である。
図8図8は、変形例に係る遠心ファンの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本願では、遠心ファンの中心軸と平行な方向を「軸方向」、当該中心軸に直交する方向を「径方向」、当該中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。また、本願では、軸方向を上下方向とし、ベース部に対してカバー部側を上として、各部の形状や位置関係を説明する。ただし、この上下方向の定義により、本発明に係る遠心ファンの使用時の向きを限定する意図はない。また、本願において「平行な方向」とは、略平行な方向も含む。また、本願において「直交する方向」とは、略直交する方向も含む。
【0010】
<1.第1実施形態>
<1−1.遠心ファンの構成>
図1は、第1実施形態に係る遠心ファン1の縦断面図である。図2は、遠心ファン1のうちカバー部12を除く部位の部分斜視図である。この遠心ファン1は、ノート型パソコンやタブレット型パソコン等の電子機器に搭載され、内部冷却用の気流を発生させるために使用される。ただし、本発明の遠心ファン1は、冷却以外の目的で気流を発生させる用途に使用されてもよい。また、本発明の遠心ファンは、自動車等の電子機器以外の装置に使用されてもよい。
【0011】
図1および図2に示すように、遠心ファン1は、ハウジング10、モータ20、および遠心型のインペラ50を有する。
【0012】
ハウジング10は、モータ20の少なくとも一部とインペラ50とを内部に収容する筐体である。ハウジング10は、ベース部11、カバー部12、および側壁部13を有する。
【0013】
本実施形態のベース部11およびカバー部12は、それぞれ、厚さ0.5mm程度の薄く平らな金属板を、例えば打ち抜き加工またはプレス加工することによって、形成される。金属板を用いることによって、薄肉状のベース部11およびカバー部12を、容易に得ることができる。ベース部11およびカバー部12の材料には、例えば、ステンレス、アルミニウム合金、または亜鉛めっき鋼板等の金属が用いられる。ベース部11は、インペラ50よりも下側において、上下に延びる中心軸9に対して垂直に拡がる。また、ベース部11には、後述するモータ20の静止部30が固定される。カバー部12は、ベース部11およびインペラ50よりも上側において、中心軸9に対して垂直に拡がる。つまり、カバー部12は、ベース部11と略平行に配置される。そして、ベース部11の上面と、カバー部12の下面とは、互いに対向する。
【0014】
本実施形態のベース部11は、ハウジング10内へ気体を取り込むための下側吸気口110を有する。下側吸気口110は、インペラ50よりも下側かつインペラ50の径方向外側の端部よりも径方向内側において、ベース部11を軸方向に貫通する。ここで、ベース部11は、後述するモータ20の静止部30を固定するための貫通孔61を有する。貫通孔61は、中心軸9と同軸に形成され、かつ、ベース部11を軸方向に貫通する。下側吸気口110は、貫通孔61を構成する周縁部の径方向外側に設けられる。また、下側吸気口110は、軸方向に見たときに、中心軸9を中心として周方向に間隔を空けて、複数箇所に設けられる。
【0015】
また、カバー部12は、ハウジング10内へ気体を取り込むための上側吸気口120を有する。上側吸気口120は、インペラ50よりも上側かつインペラ50の径方向外側の端部よりも径方向内側において、カバー部12を軸方向に貫通する。上側吸気口120は、軸方向に見たときに円形であり、かつ、中心軸9と略同軸に配置される。このように、本実施形態では、ベース部11およびカバー部12の双方に、ハウジング10内へ気体を取り込むための吸気口が設けられる。ただし、吸気口は、ベース部11およびカバー部12の少なくとも一方に設けられればよい。
【0016】
側壁部13は、樹脂の射出成型により、ベース部11上に形成される。側壁部13は、ベース部11から上側へ向けて延びるとともに、ベース部11の端縁部に沿って拡がり、カバー部12の下面に接触する。また、カバー部12は、ネジ止めまたは接着によって、側壁部13に固定される。これにより、ベース部11とカバー部12とが、インペラ50の径方向外側において、側壁部13によって軸方向に繋がれる。さらに、側壁部13は、周方向の一部において、ベース部11およびカバー部12とともに送風口130を形成する。そして、ベース部11、カバー部12、および側壁部13によって、インペラ50を囲む風洞領域16が構成される。風洞領域16は、ベース部11の上側、カバー部12の下側、側壁部13の径方向内側、かつ、インペラ50の径方向外側に位置する領域である。さらに、風洞領域16は、ハウジング10の外側の空間と、送風口130を介して径方向に連通する。
【0017】
モータ20は、駆動電流に応じてトルクを発生させ、インペラ50を回転させる。モータ20は、静止部30および回転部40を有する。静止部30は、ハウジング10に対して、相対的に静止する。回転部40は、静止部30に対して、中心軸9を中心として回転可能に支持される。
【0018】
本実施形態の静止部30は、ホルダ31、ステータ32、静止軸受33、および回路基板34を有する。
【0019】
ホルダ31は、樹脂の射出成型により、ベース部11の径方向内側に形成される。ホルダ31は、筒状部71と底板部72とを有する。底板部72は、貫通孔61内において環状に広がる。筒状部71は、底板部72から上側へ向けて、円筒状に延びる。筒状部71および底板部72は、中心軸9を円環状に取り囲む。
【0020】
ステータ32は、ステータコア81と複数のコイル82とを有する電機子である。ステータ32は、ベース部11の上方かつ筒状部71の径方向外側に位置する。ステータコア81は、例えば、珪素鋼板等の電磁鋼板が軸方向に積層された積層鋼板からなる。ステータコア81は、筒状部71の外周面に、例えば接着剤で固定されることによって、ベース部11にホルダ31を介して間接的に支持される。なお、ステータコア81は、ベース部11に直接的に支持されてもよい。
【0021】
また、ステータコア81は、円環状のコアバック811と、コアバック811から径方向外側へ向けて突出した複数のティース812と、を有する。複数のコイル82は、複数のティース812の周囲に巻かれた導線821の集合体である。導線821の一部は、例えば、下側吸気口110を通ってベース部11よりも下側へ引き出される。複数のティース812および複数のコイル82は、好ましくは、中心軸9を中心とした周方向に、円環状に略等間隔に配列される。
【0022】
静止軸受33は、ホルダ31の内側に接着により固定されることによって、支持される。静止軸受33は、スリーブ部331とスラスト部332とを有する。スリーブ部331は、中心軸9を中心として略円筒状に延びる。スラスト部332は、中心軸9を中心として径方向に板状に拡がり、スリーブ部331の下端部を閉塞する。スリーブ部331の径方向内側かつスラスト部332の上側には、後述する回転部40のシャフト部41の一部が収容される。
【0023】
ベース部11の下面には、モータ20に駆動電流を供給するための回路基板34が配置されている。回路基板34には、上述の導線821が接続される。これにより、回路基板34は、ステータ32と電気的に接続される。モータ20の駆動電流は、外部電源(図示省略)から、回路基板34および導線821を介して、コイル82に供給される。
【0024】
本実施形態の回転部40は、シャフト部41、およびロータ部42を有する。
【0025】
シャフト部41は、中心軸9に沿って配置される。シャフト部41は、シャフト本体部411とシャフトフランジ部412とを有する。シャフト本体部411は、中心軸9に沿って柱状に延びる。シャフトフランジ部412は、シャフト本体部411の下端部から径方向外側へ拡がる。
【0026】
シャフト本体部411の外周面と、スリーブ部331の内周面とは、潤滑液333が介在する僅かな隙間を介して、径方向に対向する。シャフト本体部411の外周面およびスリーブ部331の内周面の少なくとも一方には、複数の動圧溝(図示省略)が設けられている。また、シャフトフランジ部412の下面と、スラスト部332の上面とは、潤滑液333が介在する僅かな隙間を介して、軸方向に対向する。シャフトフランジ部412の下面およびスラスト部332の上面の少なくとも一方には、複数の動圧溝(図示省略)が設けられている。さらに、シャフトフランジ部412の上面と、スリーブ部331の下面とは、潤滑液333が介在する僅かな隙間を介して、軸方向に対向する。なお、本実施形態では、潤滑液333は、静止軸受33の内側とシャフト部41の外側との間において、連続して存在する。また、潤滑液333には、例えば、ポリオールエステル系オイルや、ジエステル系オイルが使用される。
【0027】
モータ20の駆動時には、これらの動圧溝によって、潤滑液333に流体動圧が誘起される。これにより、回転部40が静止部30から支持されることで、安定して回転する。すなわち、本実施形態では、静止部30側の部材である静止軸受33と、回転部40側の部材であるシャフト部41と、複数の動圧溝と、潤滑液333とで、流体動圧軸受が構成されている。回転部40は、流体動圧軸受によって、回転可能に支持される。ただし、流体動圧軸受に代えて、滑り軸受等の他方式の軸受が用いられてもよい。
【0028】
ロータ部42は、ロータホルダ421、ヨーク422、およびマグネット423を有する。
【0029】
ロータホルダ421は、シャフト部41の上部から径方向外側へ拡がるとともに、ステータ32よりも径方向外側において、軸方向下側へ向けて略円筒状に延びる。
【0030】
ヨーク422は、中心軸9と略同軸に配置される円環状の部材である。ヨーク422は、ステータ32の径方向外側において、ロータホルダ421の内周面に、例えば、接着剤またはかしめによって固定される。ヨーク422の材料には、鉄などの強磁性体が用いられる。これにより、マグネット423から発生した磁束が外部に漏れてしまうことを抑制できる。
【0031】
マグネット423は、ヨーク422の内周面に、例えば接着剤で固定される。本実施形態のマグネット423には、円環状の永久磁石が用いられている。マグネット423は、ステータ32の径方向外側に位置する。マグネット423の内周面は、ステータ32の複数のティース812の径方向外側の端面と、僅かな間隙を介して径方向に対向する。また、マグネット423の内周面には、N極とS極とが周方向に交互に着磁される。ただし、円環状のマグネット423に代えて、複数のマグネットが用いられてもよい。その場合には、N極の磁極面とS極の磁極面とが周方向に交互に並ぶように、複数のマグネットをヨーク422の内周面に配置すればよい。
【0032】
インペラ50は、複数の羽根501を有する。複数の羽根501は、ベース部11の上側かつカバー部12の下側に配置される。各羽根501は、ロータホルダ421の外周面から、径方向外側へ向けて延びる。また、図2に示すとおり、複数の羽根501は、中心軸9を中心として周方向に等間隔に並ぶ。
【0033】
なお、本実施形態では、シャフト部41、ロータ部42、およびインペラ50が、一体の部品である。ただし、シャフト部41、ロータ部42、およびインペラ50は、それぞれ、別々の部品であってもよい。例えば、ロータ部とシャフト部とを、別々の部品とし、ロータ部の中央に設けられた貫通孔に、シャフト部の上部を接着または圧入によって固定してもよい。また、シャフト部41、ロータ部42、およびインペラ50の各々が、さらに複数の部材によって構成されていてもよい。
【0034】
ステータ32のコイル82に駆動電流を供給すると、ステータコア81の複数のティース812に、磁束が発生する。そして、ティース812とマグネット423との間の磁束の作用により、周方向のトルクが生じる。その結果、モータ20の回転部40が、中心軸9を中心として回転する。さらに、回転部40と一体の部品であるインペラ50が、回転部40とともに中心軸9を中心として回転する。インペラ50が回転すると、ハウジング10よりも上方の空間から上側吸気口120を通って、また、ハウジング10よりも下方の空間から下側吸気口110を通って、ハウジング10の内部へ、気体が取り込まれる。ハウジング10内に取り込まれた気体は、インペラ50による遠心力を受け、ハウジング10内の風洞領域16から、送風口130を介してハウジング10の側方へ排出される。これにより、当該遠心ファン1が搭載された電子機器を冷却することができる。
【0035】
<1−2.ベース部の詳細な構成>
続いて、ベース部11のより詳細な構成について、説明する。図3は、第1実施形態に係る遠心ファン1の部分縦断面図である。以下では、図3とともに、図1および図2を適宜に参照する。
【0036】
図1図3に示すとおり、ベース部11には、孔部90が設けられている。孔部90は、インペラ50の径方向外側の端部よりも径方向外側において、ベース部11を軸方向に貫通する。また、孔部90は、軸方向に見たときに、円形の形状を有する。遠心ファン1の製造時には、ベース部11を形成する平らな金属板を、例えば打ち抜き加工することによって、孔部90を設ける。なお、本実施形態では、ベース部11に3つの孔部90が設けられている。ただし、孔部90は、ベース部11に少なくとも1つ設けられればよく、3つには限定されない。すなわち、ベース部11に設けられる孔部90の数は、1つであってもよく、複数であってもよい。本実施形態では、1つの大きな孔部ではなく、複数の孔部90が、互いに間隔を空けて設けられることで、ベース部11の強度が一定以上確保されている。
【0037】
ベース部11の下面には、3つの孔部90を封止するシール部91がそれぞれ配置される。シール部91には、例えば、片面に接着剤または粘着剤が塗布された、厚さ0.1mm程度の薄い紙製または樹脂製のシートが用いられる。遠心ファン1の製造時には、ベース部11の下面に当該シール部91を貼り付けて、孔部90を封止する。シート状のシール部91を用いることによって、ベース部11を容易に封止できる。なお、本実施形態では、各孔部90は、軸方向に見たときに、各孔部90よりも僅かに大きい面積を有するシール部91によって封止されている。これにより、シール部91の使用量を抑制することができるため、コスト削減に繋がる。なお、シール部91は、1枚のシール部によって、ベース部11の下面に、全面に亘って配置されてもよい。これにより、複数のシール部91をベース部11の下面に貼り付ける場合と比べて、工数を削減することができる。
【0038】
また、シール部91の比重は、ベース部11の比重よりも小さい。シール部91の材料重量は、ベース部11の孔部90によって形成された空間において本来存在していたベース部11の材料重量よりも軽い。このように、材料重量の大きいベース部11に孔部90を設け、代わりに材料重量の小さいシール部91で孔部90を封止することによって、ベース部11を含む遠心ファン1を軽量化することができる。同時に、孔部90を介するハウジング10内の風洞領域16への気体の出入りを抑制できる。この結果、送風性能の低下を抑制し、かつ遠心ファン1の軽量化を実現できる。
【0039】
<2.変形例>
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0040】
上述の実施形態では、孔部90は、ベース部11を軸方向に貫通し、シール部91は、ベース部11の下面に配置されていた。しかしながら、孔部90は、インペラ50の径方向外側の端部よりも径方向外側において、カバー部12を軸方向に貫通してもよい。また、カバー部12の比重よりも比重の小さいシール部91が、カバー部12の上面に、孔部90を封止するように配置されてもよい。これにより、同様に、送風性能の低下を抑制し、かつ遠心ファン1の軽量化を実現できる。
【0041】
図4は、一変形例に係る遠心ファン1Bの縦断面図である。図4の例では、孔部90Bは、インペラ50Bの径方向外側の端部よりも径方向外側において、ベース部11Bを軸方向に貫通する。また、ベース部11Bの比重よりも比重の小さいシール部91Bが、ベース部11Bの上面に、孔部90Bを封止するように配置されている。これにより、上述の実施形態と同様に、送風性能の低下を抑制し、かつ遠心ファン1Bの軽量化を実現できる。なお、シール部91Bの厚みは、ベース部11Bの厚みに比べて十分に薄い。本変形例では、シール部91Bを、風洞領域16Bに面するベース部11Bの上面に配置することによって、ベース部11Bの孔部90B付近の上面を、ほぼ段差が無い状態にすることができる。このため、風洞領域16Bの気流への影響を抑制することができる。
【0042】
さらに、孔部は、インペラの径方向外側の端部よりも径方向外側において、カバー部を軸方向に貫通し、シール部は、カバー部の下面に配置されてもよい。これにより、カバー部の孔部付近の下面を、ほぼ段差が無い状態にすることができるため、風洞領域の気流への影響を抑制することができる。
【0043】
図5は、他の変形例に係る遠心ファン1Cの縦断面図である。図5の例では、孔部90Cは、インペラ50Cの径方向外側の端部よりも径方向外側において、ベース部11Cを軸方向に貫通する。一方、上述の実施形態および変形例と異なり、図5の例では、孔部90C内に、ベース部11Cの比重よりも比重の小さいシール部91Cが配置される。シール部91Cには、熱硬化性樹脂が用いられる。遠心ファン1Cの製造時には、孔部90Cに液状のシール部91Cを配置した後に硬化させることによって、孔部90Cを封止する。これにより、ベース部11Cを含む遠心ファン1Cを軽量化することができる。同時に、孔部90Cを介するハウジング10C内の風洞領域16Cへの気体の出入りを抑制できる。この結果、送風性能の低下を抑制し、かつ遠心ファン1Cの軽量化を実現できる。さらに、ベース部11Cの孔部90C付近の上面を、ほぼ段差が無い状態にすることができる。このため、風洞領域16Cの気流への影響を抑制することができる。
【0044】
図6は、他の変形例に係る遠心ファン1Dの縦断面図である。図6の例では、孔部90Dは、インペラ50Dの径方向外側の端部よりも径方向外側において、ベース部11Dを軸方向に貫通する。一方、シール部91Dは、ベース部11Dの下面の全体に亘って装着され、孔部90Dを下方から封止する。そして、ベース部11Dの下面に配置される回路基板34Dの少なくとも一部は、ベース部11Dとシール部91Dとの軸方向の間に配置される。これにより、回路基板34Dがベース部11Dから脱落することが、さらに抑制される。
【0045】
図7は、他の変形例に係る遠心ファン1Eのうちカバー部を除く部位の部分斜視図である。図7の例では、ベース部11Eには、インペラ50Eの径方向外側の端部よりも径方向外側において、1つの孔部90Eが設けられている。孔部90Eは、ベース部11Eを軸方向に貫通し、かつ、軸方向に見たときに、上述の実施形態および変形例に記載された複数の孔部の総面積よりも大きな面積を有する。そして、孔部90Eは、シール部91Eによって封止されている。このように、1つの孔部90Eを設ける場合、ベース部11Eの打ち抜き加工の作業量を軽減し、かつ、ベース部11Eの体積をより減らして遠心ファン1Eを軽量化することができる。
【0046】
図8は、他の変形例に係る遠心ファン1Fのうちカバー部を除く部位の部分斜視図である。図8の例では、ベース部11Fには、インペラ50Fの径方向外側の端部よりも径方向外側において、複数の孔部90Fが、軸方向に見たときに格子状に配置されている。また、本変形例では、各孔部90Fは、ベース部11Fを軸方向に貫通し、かつ、軸方向に見たときに、六角形状の形状を有する。ただし、各孔部90Fの形状は、これに限定されない。本変形例のように、複数の孔部90Fを互いに間隔を空けて格子状に設けることで、ベース部11Fの強度を一定以上確保しつつ、遠心ファン1Fの重量を低減することができる。
【0047】
すなわち、本発明の遠心ファンにおいては、インペラの径方向外側の端部よりも径方向外側において、ベース部およびカバー部の少なくとも一方を軸方向に貫通する孔部が設けられる。そして、ベース部およびカバー部のうち孔部を有する方の比重よりも比重の小さいシール部が、孔部を封止するように配置される。これにより、送風性能の低下を抑制し、かつ遠心ファンの軽量化を実現できる。なお、ベース部およびカバー部の少なくとも一方に設けられる孔部の数は、1つであってもよく、複数であってもよい。また、シール部は、ベース部およびカバー部のうち孔部を有する方における、インペラと軸方向に対向する面に配置されてもよく、インペラと軸方向に対向する面の反対の面に配置されてもよい。さらに、シール部は、孔部内に配置されてもよい。
【0048】
また、遠心ファンの細部の形状については、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。
【0049】
また、上述の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、遠心ファンに利用できる。
【符号の説明】
【0051】
1,1B,1C,1D,1E,1F 遠心ファン
9 中心軸
10,10C ハウジング
11,11B,11C,11D,11E,11F ベース部
12 カバー部
13 側壁部
16,16B,16C 風洞領域
20 モータ
30 静止部
31 ホルダ
32 ステータ
33 静止軸受
34,34D 回路基板
40 回転部
41 シャフト部
42 ロータ部
50,50B,50C,50D,50E,50F インペラ
61 貫通孔
71 筒状部
72 底板部
81 ステータコア
82 コイル
90,90B,90C,90D,90E,90F 孔部
91,91B,91C,91D,91E シール部
110 下側吸気口
120 上側吸気口
130 送風口
331 スリーブ部
332 スラスト部
333 潤滑液
411 シャフト本体部
412 シャフトフランジ部
421 ロータホルダ
422 ヨーク
423 マグネット
501 羽根
811 コアバック
812 ティース
821 導線

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8