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特開2019-219087復水設備、及びこれを備える蒸気タービンプラント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-219087(P2019-219087A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】復水設備、及びこれを備える蒸気タービンプラント
(51)【国際特許分類】
   F28B 9/08 20060101AFI20191129BHJP
   F01K 11/02 20060101ALI20191129BHJP
   F01K 9/00 20060101ALI20191129BHJP
   F28B 1/02 20060101ALI20191129BHJP
   F28B 9/10 20060101ALI20191129BHJP
   F28B 11/00 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   F28B9/08
   F01K11/02
   F01K9/00 Z
   F28B1/02
   F28B9/10
   F28B11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-115331(P2018-115331)
(22)【出願日】2018年6月18日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 太一
(72)【発明者】
【氏名】藤村 大輝
(57)【要約】
【課題】復水設備の気液分離タンクから液体がオーバーフローすることを抑制する。
【解決手段】復水設備20は、復水器21と、復水器21内を吸引する真空ポンプ25と、タンク30と、戻しライン40と、ポンプ41と、を備える。タンク30には、真空ポンプ25で吸引され、真空ポンプ25から排気された復水器21内の流体が貯まる。戻しライン40は、タンク30と復水器21とを接続し、タンク30内の流体のうちの液体を復水器21内に戻すためのラインである。ポンプ41は、戻しライン40中に設けられ、タンク30内の液体を吸い込み、この液体を昇圧して、復水器21内に送る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気タービンから排気された蒸気を水に戻す復水器と、
前記復水器内を吸引する真空ポンプと、
前記真空ポンプで吸引され、前記真空ポンプから排気された前記復水器内の流体が貯まるタンクと、
前記タンクと前記復水器とを接続し、前記タンク内の前記流体のうちの液体を前記復水器内に戻すための戻しラインと、
前記戻しライン中に設けられ、前記タンク内の前記液体を吸い込み、前記液体を昇圧して、前記復水器内に送るポンプと、
を備える復水設備。
【請求項2】
請求項1に記載の復水設備において、
前記戻しライン中で前記ポンプよりも前記復水器側の位置と前記真空ポンプの軸封装置とを接続するシール液ラインを備える、
復水設備。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の復水設備において、
前記戻りラインに設けられ、前記復水器内に流入する前記液体の流量を調節する調節弁を備える、
復水設備。
【請求項4】
請求項3に記載の復水設備において、
前記タンク内の前記液体の量を検知する液量計を備え、
前記調節弁は、前記液量計で検知された前記液体の量に応じて開度を変える、
復水設備。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の復水設備と、
蒸気を発生するボイラーと、
前記ボイラーからの蒸気で駆動する前記蒸気タービンと、
前記復水器内の水を前記ボイラーに導く給水ラインと、
前記給水ラインに設けられ、前記復水器内の水を前記ボイラーに送るポンプと、
前記復水器内の水又は前記給水ライン中の水に薬液を注入する薬液装置と、
前記復水器内の水又は前記給水ライン中の水を受け入れて、前記水に含まれる薬液の濃度を低下させる水処理装置と、
を備える蒸気タービンプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、復水設備、及びこれを備える蒸気タービンプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービンプラントは、一般的に、蒸気を発生するボイラーと、このボイラーからの蒸気で駆動する蒸気タービンと、蒸気タービンから排気された蒸気を凝縮させて水に戻す復水器と、復水器内の水をボイラーに導く給水ラインと、この給水ラインに設けられている給水ポンプと、を備える。
【0003】
復水器には、復水器内の真空度を高めるために、真空ポンプが設けられていることが多い。例えば、以下の特許文献1には、復水器と、真空ポンプと、気液分離タンクと、を備えた設備が開示されている。気液分離タンクには、真空ポンプから吐出された流体が流入する。この気液分離タンクでは、この流体中の気体と液体とが分離される。気液分離タンクと復水器とは、戻しラインで接続されている。気液分離タンク内の液体の一部は、この戻しラインを介して、復水器内に戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−285610号公報 (図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの場合、給水ラインには、アンモニア等の薬液が注入される。給水ラインを流れる水は、ボイラーで蒸気となり、復水器で水に戻る。このため、復水器内の水にも、アンモニア等の薬液が含まれる。さらに、気液分離タンク内の液体にも、アンモニア等の薬液が含まれることになる。
【0006】
このように、気液分離タンク内の液体にも、アンモニア等の薬液が含まれるので、この気液分離タンクから液体がオーバーフローすることを避けることが好ましい。
【0007】
そこで、本発明は、気液分離タンクから液体がオーバーフローすることを抑制できる復水設備、及びこれを備える蒸気タービンプラントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための発明に係る一態様の復水設備は、
蒸気タービンから排気された蒸気を水に戻す復水器と、前記復水器内を吸引する真空ポンプと、前記真空ポンプで吸引され、前記真空ポンプから排気された前記復水器内の流体が貯まるタンクと、前記タンクと前記復水器とを接続し、前記タンク内の前記流体のうちの液体を前記復水器内に戻すための戻しラインと、前記戻しライン中に設けられ、前記タンク内の前記液体を吸い込み、前記液体を昇圧して、前記復水器内に送るポンプと、を備える。
【0009】
真空ポンプの駆動中、タンク内の圧力は、復水器内の圧力より高い。このため、タンクと復水器とが戻しライン等の配管で接続されていれば、タンク内の液体は、タンク内と復水器内との圧力差により、復水器内に流入する。しかしながら、復水器内の圧力は、蒸気タービンから排気される蒸気の流量や圧力の変化や、復水器の伝熱管を流れる冷却媒体の温度の変化等により、変化する。また、タンクが大気開放されていれば、大気圧の変化により、タンク内の圧力も変化する。このため、タンクと復水器とが配管等で接続されただけでは、タンクから復水器内に流入する液体の流量が不安定になる。さらに、流入する液体中に含まれる気体が配管内に溜まり、液体の流れを阻害する可能性もある。
【0010】
本態様では、液戻しライン中に、ポンプが設けられているので、復水器内の圧力変化等に変わらず、ポンプの駆動により、タンク内の液体を復水器内に流入させることができる。よって、本態様によれば、気液分離タンクから液体がオーバーフローすることを抑制できる。
【0011】
ここで、前記一態様の復水設備において、前記戻しライン中で前記ポンプよりも前記復水器側の位置と前記真空ポンプの軸封装置とを接続するシール液ラインを備えてもよい。
【0012】
本態様では、タンク内の液体を復水器内に戻すためのポンプが、真空ポンプの軸封装置に液体を供給するためのポンプとしても機能する。このため、真空ポンプの軸封装置に液体を供給するポンプを別途設ける必要がなくなり、設備コストを抑えることができる。
【0013】
以上のいずれかの態様の復水設備において、前記戻りラインに設けられ、前記復水器内に流入する前記液体の流量を調節する調節弁を備えてもよい。
【0014】
本態様では、タンクから復水器内に流入する液体の流量を調節弁で制御することができる。
【0015】
前記調節弁を備える態様の復水設備において、前記タンク内の前記液体の量を検知する液量計を備えてもよい。この場合、前記調節弁は、前記液量計で検知された前記液体の量に応じて開度を変える。
【0016】
本態様では、液量計で検知されたタンク内の液量に応じて、調節弁の開度が変わるので、タンク内の正確な液量管理を行うことができる。
【0017】
上記目的を達成するための発明に係る一態様の蒸気タービンプラントは、
以上のいずれかの態様の復水設備と、蒸気を発生するボイラーと、前記ボイラーからの蒸気で駆動する前記蒸気タービンと、前記復水器内の水を前記ボイラーに導く給水ラインと、前記給水ラインに設けられ、前記復水器内の水を前記ボイラーに送るポンプと、前記復水器内の水又は前記給水ライン中の水に薬液を注入する薬液装置と、前記復水器内の水又は前記給水ライン中の水を受け入れて、前記水に含まれる薬液の濃度を低下させる水処理装置と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、気液分離タンクから液体がオーバーフローすることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る一実施形態における蒸気タービンプラントの系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る蒸気タービンプラントの一実施形態について、図1を用いて説明する。
【0021】
本実施形態の蒸気タービンプラントは、図1に示すように、蒸気を発生するボイラー12と、ボイラー12からの蒸気で駆動する蒸気タービン13と、蒸気タービン13から排気された蒸気を水に戻す復水器21を含む復水設備20と、復水器21内の水をボイラー12に導く給水ライン10と、給水ライン10に設けられている給水ポンプ11と、給水ライン10中の水に薬液を注入する薬液装置17と、復水器21内の水を受け入れて、この水に含まれる薬液の濃度を低下させる水処理装置18と、を備える。
【0022】
蒸気タービン13は、タービンロータ14と、このタービンロータ14を覆うタービンケーシング15と、を有する。タービンロータ14には、例えば、発電機19のロータが接続されている。ボイラー12とタービンケーシング15の蒸気入口とは、主蒸気ライン16で接続されている。
【0023】
復水設備20は、前述の復水器21と、吸引ライン24と、真空ポンプ25と、気液分離タンク30と、液戻しライン40と、液戻しポンプ41と、戻し量調節弁42と、シール液ライン43と、シール液クーラー44と、を備える。
【0024】
復水器21は、冷却媒体が流れる伝熱管22と、伝熱管22を覆う復水器ケーシング23と、を有する。復水器ケーシング23の蒸気入口とタービンケーシング15の排気口とは接続されている。復水器ケーシング23には、補給水ライン35が接続されている。この補給水ライン35には、この補給水ライン35を流れる補給水の流量を調節する補給水調節弁36が設けられている。復水器ケーシング23と気液分離タンク30とは、吸引ライン24で接続されている。真空ポンプ25は、この吸引ライン24に設けられている。真空ポンプ25は、復水器ケーシング23内の真空度を高めるために、復水器ケーシング23内の流体を吸引して、この流体を気液分離タンク30に送る。この真空ポンプ25は、回転軸26と、回転軸26に取り付けられているロータ又はインペラ27と、これらを覆うポンプケーシング28と、軸封装置29と、を有する。軸封装置29は、回転軸26とポンプケーシング28との隙間に液体を導入することで、この隙間を封止する役目を担う。
【0025】
気液分離タンク30内には、デミスター31が配置されている。このデミスター31は、例えば、複数のワイヤーが編み込まれて形成されたワイヤーメッシュデミスターである。このデミスター31は、気液分離タンク30内を上下二室に仕切るように、気液分離タンク30内に配置されている。気液分離タンク30内の二室のうち下室には、吸引ライン24、液戻しライン40、及びタンク補給水ライン37が接続されている。この下室には、下室内に貯まる液体の量を検知する液量計33が設けられている。また、気液分離タンク30内の二室のうち上室には、排気ライン34が接続されている。さらに、上室内には、水散布器32が配置されている。タンク補給水ライン37は、例えば、前述の補給水ライン35から分岐したラインである。タンク補給水ライン37には、タンク補給水調節弁38が設けられている。タンク補給水ライン37中で、タンク補給水調節弁38よりも気液分離タンク30側の位置から散布水ライン39が分岐している。散布水ライン39は、水散布器32に接続されている。
【0026】
液戻しライン40は、復水器ケーシング23に接続されている。この液戻しライン40に、液戻しポンプ41及び戻し量調節弁42が設けられている。戻し量調節弁42は、液戻しライン40中で、液戻しポンプ41よりも復水器ケーシング23側に配置されている。液戻しライン40中で、液戻しポンプ41と戻し量調節弁42との間からは、シール液ライン43が分岐している。このシール液ライン43は、真空ポンプ25の軸封装置29に接続されている。このシール液ライン43には、このシール液ライン43を通る液体を冷却するシール液クーラー44、及び、このシール液ライン43を通る液体の流量を検知する流量計45が設けられている。
【0027】
復水器ケーシング23とボイラー12とは、給水ライン10で接続されている。給水ポンプ11は、この給水ライン10に設けられている。薬液装置17は、アンモニア等の薬液を給水ライン10に注入する。水処理装置18は、復水器ケーシング23内の水を受け入れて、この水に含まれる薬液の濃度を低下させる公知の水処理装置である。なお、本実施形態の薬液装置17は、給水ライン10中に薬液を注入するが、薬液装置は、復水器ケーシング23内に薬液を注入してもよい。また、本実施形態の水処理装置18は、復水器ケーシング23内の水を受け入れるが、水処理装置は、給水ライン10内の水を受け入れ、この水を処理してもよい。
【0028】
以上で説明した蒸気タービンプラントの動作について説明する。
【0029】
ボイラー12で発生した蒸気は、主蒸気ライン16を介して、タービンケーシング15内に流入する。この蒸気は、タービンケーシング15内を流れる過程で、タービンロータ14を回転させる。この結果、発電機19のロータが回転し、発電機19が発電する。この蒸気は、タービンケーシング15の排気口から排気され、復水器ケーシング23内に流入する。復水器ケーシング23内に流入した蒸気は、伝熱管22内を流れる冷却媒体と熱交換して、冷却されて水に戻る。この水は、復水器ケーシング23内に一時的に貯まる。復水器ケーシング23内の水は、給水ライン10を経て、ボイラー12に送られる。水は、ボイラー12内で加熱されて蒸気となり、前述したように、主蒸気ライン16を介して蒸気タービン13に送られる。
【0030】
本実施形態の蒸気タービンプラントでは、各種ライン内が錆びるのを抑制等するため、薬液装置17からアンモニア等の薬液を給水ライン10に注入する。復水器ケーシング23内又は給水ライン10内における水中の薬液濃度が、例えば、予め定められた濃度以上になると、復水器ケーシング23内の水の一部を水処理装置18に流入させる。水処理装置18では、この水に含まれる薬液の濃度を低下させる。復水器ケーシング23内の水量が減ると、補給水調節弁36が開き、補給水ライン35から復水器21内に純水が供給される。
【0031】
蒸気タービン13の駆動中、復水器ケーシング23内の真空度を高めるために、真空ポンプ25は駆動している。この結果、復水器ケーシング23内の流体(気体及び液体を含む)は、吸引ライン24を介して気液分離タンク30の下室に流入する。下室内に流入した流体のうちの液体は、この下室内に一時的貯まる。一方、下室内に流入した流体のうちの気体は、デミスター31を経て、上室に流入する。上室内では、水散布器32から純水が散布される。水散布器32から散布された水は、デミスター31及び上室内を気体が流れる過程で、この気体に含まれているアンモニアガスを吸収する。アンモニアガスを吸収した水は、下室内に一時的貯まる。アンモニアガスの一部が吸収された気体は、排気ライン34を介して外部へ排気される。このため、本実施形態では、気液分離タンク30から大気放出されるアンモニアガスの流量を減らすことができる。
【0032】
気液分離タンク30の下室に貯まった液体には、アンモニア等の薬液が含まれている。この液体は、液戻しポンプ41により昇圧されて、液戻しライン40を介して、一部が復水器ケーシング23内に戻る。また、残りの一部の液体は、シール液クーラー44で冷却された後、真空ポンプ25の軸封装置29に送られる。
【0033】
少なくとも、真空ポンプ25の駆動中、液戻しポンプ41が駆動している。従って、真空ポンプ25の駆動中、真空ポンプ25の軸封装置29には、気液分離タンク30の下室に貯まった液体の一部が常時供給される。真空ポンプ25の駆動中、液戻しポンプ41の吐出量は、流量計45で検知された液体の流量が予め定められた範囲内になるよう、液戻しポンプ41の駆動量が制御される。ここでは、液戻しポンプ41の駆動量を制御することで、シール液ライン43を流れる液体の流量を予め定められた範囲内にしている。しかしながら、シール液ライン43に、シール液調節弁を設け、シール液ライン43を流れる液体の流量が予め定められた範囲内になるよう、シール液調節弁の開度を制御してもよい。
【0034】
気液分離タンク30に設けられている液量計33で検知された液量が予め定めた上限値になると、戻し量調節弁42の開度が大きくなる。この結果、気液分離タンク30の下室に貯まった液体のうち、復水器ケーシング23内に流入する流量が多くなり、気液分離タンク30内の液量が低下する。なお、液量計33で検知された液量が予め定めた上限値に至る前、戻し量調節弁42は閉じていても開いていてもよい。気液分離タンク30に設けられている液量計33で検知された液量が予め定めた下限値になると、タンク補給水調節弁38の開度が大きくなる。この結果、タンク補給水ライン37から気液分離タンク30内に流入する純水の量が増加し、気液分離タンク30内の液量が増加する。
【0035】
真空ポンプ25の駆動中、気液分離タンク30内の圧力は、復水器ケーシング23内の圧力より高い。このため、気液分離タンク30と復水器ケーシング23とが配管等で接続されていれば、気液分離タンク30内の液体は、気液分離タンク30内と復水器ケーシング23内との圧力差により、復水器ケーシング23内に流入する。しかしながら、復水器ケーシング23内の圧力は、蒸気タービン13から排気される蒸気の流量や圧力の変化や、復水器21の伝熱管22を流れる冷却媒体の温度の変化等により、変化する。また、気液分離タンク30内の圧力は、大気圧の変化により変化する。このため、気液分離タンク30と復水器ケーシング23とが配管等で接続されただけでは、気液分離タンク30から復水器ケーシング23内に流入する液体の流量が不安定になる。しかも、真空ポンプ25が停止すると、気液分離タンク30内と復水器ケーシング23内との圧力差が実質的になくなり、気液分離タンク30から復水器ケーシング23内に流入する液体の流量がほぼ0になる。よって、気液分離タンク30と復水器ケーシング23とが配管等で接続されただけでは、気液分離タンク30内の液量管理が極めて困難で、気液分離タンク30から液体がオーバーフローするおそれがある。
【0036】
本実施形態では、液戻しライン40中に、液戻しポンプ41が設けられているので、復水器ケーシング23内の圧力変化等に変わらず、ポンプの駆動により、タンク内の液体を復水器21内に流入させることができる。よって、本実施形態によれば、気液分離タンク30から液体がオーバーフローすることを抑制できる。しかも、本実施形態では、気液分離タンク30に設けられている液量計33で検知された液量が予め定めた上限値になると、戻し量調節弁42の開度が大きくなり、前述したように、気液分離タンク30内の液量が低下する。よって、本実施形態によれば、気液分離タンク30内の液量管理の精度が高まり、気液分離タンク30から液体がオーバーフローすることをより抑制できる。
【0037】
以上のように、本実施形態では、気液分離タンク30内の液体を液戻しポンプ41で昇圧して復水器ケーシング23内に戻し、気液分離タンク30から液体がオーバーフローすることをより抑制している。このため、本実施形態では、気液分離タンク30からオーバーフローした液体を処理する水処理装置18を別途設ける、又は、既設の水処理装置18にオーバーフロー液を導くラインを追加する必要がなく、設備コストを抑えることができる。
【0038】
また、本実施形態では、液戻しポンプ41が、真空ポンプ25の軸封装置29に液体を供給するためのポンプとしても機能する。このため、真空ポンプ25の軸封装置29に液体を供給するポンプを別途設ける必要がなくなり、設備コストを抑えることができる。なお、予め、気液分離タンク30と軸封装置29とを接続するシール液ラインが設けられて、このシール液ライン中にシール液ポンプが設けられている場合、このシール液ライン中で、シール液ポンプよりも下流側の位置から分岐して、復水器ケーシング23に接続するラインを設けることで、以上で説明した復水設備20を構成することができる。この場合、シール液ポンプが液戻しポンプ41として機能する。また、この場合、シール液ポンプよりも下流側の位置から分岐して、復水器ケーシング23に接続するライン中に、戻し量調節弁42を設けることになる。
【符号の説明】
【0039】
10:給水ライン
11:給水ポンプ
12:ボイラー
13:蒸気タービン
14:タービンロータ
15:タービンケーシング
16:主蒸気ライン
17:薬液装置
18:水処理装置
19:発電機
20:復水設備
21:復水器
22:伝熱管
23:復水器ケーシング
24:吸引ライン
25:真空ポンプ
26:回転軸
27:ロータ又はインペラ
28:ポンプケーシング
29:軸封装置
30:気液分離タンク(又は、単にタンク)
31:デミスター
32:水散布器
33:液量計
34:排気ライン
35:補給水ライン
36:補給水調節弁
37:タンク補給水ライン
38:タンク補給水調節弁
39:散布水ライン
40:液戻しライン(又は、単に戻しライン)
41:液戻しポンプ(又は、単にポンプ)
42:戻し量調節弁
43:シール液ライン
44:シール液クーラー
45:流量計
図1