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特開2019-219128空気調和装置、空気調和システム及び電気機器システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-219128(P2019-219128A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】空気調和装置、空気調和システム及び電気機器システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/46 20180101AFI20191129BHJP
   F24F 11/65 20180101ALI20191129BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20191129BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20191129BHJP
   F24F 120/10 20180101ALN20191129BHJP
【FI】
   F24F11/46
   F24F11/65
   F24F11/80
   F24F11/74
   F24F120:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-117948(P2018-117948)
(22)【出願日】2018年6月21日
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(72)【発明者】
【氏名】萱野 誠一
(72)【発明者】
【氏名】河合 正浩
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA13
3L260BA41
3L260CA03
3L260CA12
3L260CA15
3L260FA02
3L260FA03
3L260FA07
(57)【要約】
【課題】室内に人が不在であるときの省エネルギー運転を可能にするとともに、空気調和装置の運転制御を安定させることを目的とする。
【解決手段】空気調和装置2は、室内に設置され人の有無を検知する人感センサ3から送信された人の不在に関する信号を受信する受信部5と、受信部5が受信した人の不在に関する信号に基づいて、人の不在が生じてから所定時間経過した後、通常運転モードから省エネルギー運転モードへ運転を切り替える運転制御部7とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に設置され人の有無を検知する人感センサから送信された前記人の不在に関する信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記人の不在に関する信号に基づいて、前記人の不在が生じてから所定時間経過した後、通常運転モードから省エネルギー運転モードへ運転を切り替える運転制御部と、
を備える空気調和装置。
【請求項2】
前記省エネルギー運転モードは、冷房運転時、所定最高温度よりも低い範囲で、前記通常運転モードで設定された設定温度よりも高い温度に設定し、又は、暖房運転時、所定最低温度よりも高い範囲で、前記通常運転モードで設定された設定温度よりも低い温度に設定する請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記省エネルギー運転モードは、前記通常運転モードで設定された風量よりも低下する風量に設定する請求項1又は2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記受信部が、前記人感センサから送信された前記人の滞在に関する信号を受信し、
前記運転制御部が、前記受信部が受信した前記人の滞在に関する信号に基づいて、前記省エネルギー運転モードから前記通常運転モードへ切り替え、前記通常運転モードの開始時にデマンド制御を行う請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記人感センサは、前記室内に滞在している人数を検知し、
前記受信部が、前記人感センサから送信された前記人数に関する信号を受信し、
前記運転制御部は、前記室内に滞在している前記人数に応じてデマンド率を変更する請求項4に記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記省エネルギー運転モードは、前記省エネルギー運転モードが開始されてから所定時間経過した後、運転を停止させる請求項1から5のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【請求項7】
前記人感センサは、前記室内に滞在している人の表面温度を検知し、
前記受信部が、前記人感センサから送信された前記人の表面温度に関する信号を受信し、
前記運転制御部が、前記受信部が受信した前記人の表面温度に関する信号に基づいて、設定温度を変更する請求項1から6のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【請求項8】
前記人感センサは、前記室内に滞在している人数を検知し、
前記受信部が、前記人感センサから送信された前記人数に関する信号を受信し、
前記運転制御部が、前記受信部が受信した前記人数に関する信号に基づいて、設定温度を変更する請求項1から7のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【請求項9】
室内に設置され人の有無を検知する人感センサと、
請求項1から8のいずれか1項に記載の空気調和装置と、
を備える空気調和システム。
【請求項10】
請求項9に記載の空気調和システムと、
前記人感センサから送信された前記人の不在に関する信号を受信する第2受信部と、前記第2受信部が受信した前記人の不在に関する信号に基づいて、通常モードから省エネルギーモードへ運転を切り替える又は電源をオフにする第2運転制御部とを備える電気機器と、
を備える電気機器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置、空気調和システム及び電気機器システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホテルの客室内の空調機、照明やテレビなどは、利用者が客室に滞在しているときに使用され、滞在していないときは使用されない。そのため、省エネルギーの観点から、利用者が客室不在の際は、空調機などの電源がオフにされることが好ましい。客室へ入室するときルームキーをボックスに挿入すると客室内の空調機等の電源系統がオフからオンになるシステムが設置される場合がある。この場合、利用者が退室時にルームキーをボックスから抜くことによって、電源系統がオンからオフになる。
【0003】
一方、退室後、空調機の運転が停止すると、季節や環境によっては、客室内の温度が非常に高温又は低温になる。そのため、利用者が再度入室した際、空調機の運転を開始すると、空調機の消費電力が急激に増大するため、省エネルギー化を図ることができない。また、入室時における利用者の快適性も損なわれ、ホテルのサービス面でも課題が生じている。
【0004】
下記の特許文献1では、利用客に対する空調サービスの質を低下させないことを目的とし、ルームキー等の検出センサ、又は、人体検知センサからの入力に基づいて、客室の非利用状態が判別されたとき、省エネルギー用の設定温度で空調機を運転することが記載されている。
【0005】
客室に利用者がいないと判別された場合、冷房運転であれば利用者が設定した設定温度よりも高い温度に自動設定し、暖房運転であれば利用者の設定温度より低い温度に自動設定して運転を継続する。これにより、空調機が停止された場合に比べて、室温の上下動の幅が小さくなる。その結果、利用者が再度入室して通常運転に戻ったとき、室温が設定温度まで到達しやすくなるため、空調機の消費電力を低減できる。また、ある程度の室温が維持されているため、入室時に利用者が感じる不快感を減らすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−241731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
利用者が予備のルームキーを持っている場合、客室の温度を維持するため、予備のルームキーをボックスに挿入したまま外出する場合がある。この場合、ルームキーがボックスに挿入されたままであっても、人感センサによって利用者の不在を検知できれば、空調機を省エネルギーモードへ移行でき、消費電力を抑制できる。
【0008】
ホテル滞在時における利用者の客室の利用方法を考慮すると、利用者が客室から退室した後、忘れ物を取りに戻ったり、一つのグループが複数の客室に滞在しているとき利用者が客室間を出入りしたりするなど、短時間で客室の出入りが繰り返される場合がある。人感センサの検知又は非検知に応じて通常運転モードと省エネルギーモードの切り替えを瞬時に行うとすると、設定温度や風量などに関する運転モードの切り替えを頻繁に行うことになり、制御装置のスイッチがチャタリングするなど運転制御が不安定になる。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、室内に人が不在であるときの省エネルギー運転を可能にするとともに、空気調和装置の運転制御を安定させることが可能な空気調和装置、空気調和システム及び電気機器システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の空気調和装置、空気調和システム及び電気機器システムは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る空気調和装置は、室内に設置され人の有無を検知する人感センサから送信された前記人の不在に関する信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記人の不在に関する信号に基づいて、前記人の不在が生じてから所定時間経過した後、通常運転モードから省エネルギー運転モードへ運転を切り替える運転制御部とを備える。
【0011】
この構成によれば、受信部が、室内に設置され人の有無を検知する人感センサから送信された人の不在に関する信号を受信し、受信部が受信した信号に基づいて、運転制御部が、人の不在が生じてから所定時間経過した後、空気調和装置の運転を通常運転モードから省エネルギー運転モードへ切り替える。したがって、室内で人の不在が検知され所定時間経過すると、空気調和装置が省エネルギー運転モードで運転することから、運転を完全に停止する場合と比べて室内の温度が所定温度で維持され、非常に高温又は低温になることがない。また、人の不在が生じてから所定時間経過した後に省エネルギー運転モードに切り替わることから、人の不在を検知してすぐに切り替わる場合と異なり、短時間で人の出入りが繰り返されたとしても、運転モードの頻繁な切り替えが実行されない。そのため、制御装置のスイッチがチャタリングするなど制御が不安定になることがない。
【0012】
上記発明において、前記省エネルギー運転モードは、冷房運転時、所定最高温度よりも低い範囲で、前記通常運転モードで設定された設定温度よりも高い温度に設定し、又は、暖房運転時、所定最低温度よりも高い範囲で、前記通常運転モードで設定された設定温度よりも低い温度に設定してもよい。
【0013】
上記発明において、前記省エネルギー運転モードは、前記通常運転モードで設定された風量よりも低下する風量に設定してもよい。
【0014】
上記発明において、前記受信部が、前記人感センサから送信された前記人の滞在に関する信号を受信し、前記運転制御部が、前記受信部が受信した前記人の滞在に関する信号に基づいて、前記省エネルギー運転モードから前記通常運転モードへ切り替え、前記通常運転モードの開始時にデマンド制御を行ってもよい。
【0015】
上記発明において、前記人感センサは、前記室内に滞在している人数を検知し、前記受信部が、前記人感センサから送信された前記人数に関する信号を受信し、前記運転制御部は、前記室内に滞在している前記人数に応じてデマンド率を変更してもよい。
【0016】
上記発明において、前記省エネルギー運転モードは、前記省エネルギー運転モードが開始されてから所定時間経過した後、運転を停止させてもよい。
【0017】
室内が利用されない状態が長時間継続した場合、利用者の入室の見込みが立たないため、省エネルギー運転モードの運転でも消費電力が無駄になる。所定時間が経過した後、空気調和装置の運転を停止することによって、無駄な消費電力を低減できる。
【0018】
上記発明において、前記人感センサは、前記室内に滞在している人の表面温度を検知し、前記受信部が、前記人感センサから送信された前記人の表面温度に関する信号を受信し、前記運転制御部が、前記受信部が受信した前記人の表面温度に関する信号に基づいて、設定温度を変更してもよい。
【0019】
上記発明において、前記人感センサは、前記室内に滞在している人数を検知し、前記受信部が、前記人感センサから送信された前記人数に関する信号を受信し、前記運転制御部が、前記受信部が受信した前記人数に関する信号に基づいて、設定温度を変更してもよい。
【0020】
これらの構成によれば、人が例えば操作部で設定温度を調整することなく、自動的に設定温度が変更され、快適かつ省エネルギー効果の高い温度調整を行うことができる。
【0021】
本発明に係る空気調和システムは、室内に設置され人の有無を検知する人感センサと、上記の空気調和装置とを備える。
【0022】
本発明に係る電気機器システムは、上記の空気調和システムと、前記人感センサから送信された前記人の不在に関する信号を受信する第2受信部と、前記第2受信部が受信した前記人の不在に関する信号に基づいて、通常モードから省エネルギーモードへ運転を切り替える又は電源をオフにする第2運転制御部とを備える電気機器とを備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、室内に人が不在であるときの省エネルギー運転を可能にするとともに、空気調和装置の運転制御を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る空気調和システムを示す平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る空気調和システムを示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る空気調和システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明の一実施形態に係る空気調和システム1について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る空気調和システム1は、図1及び図2に示すように、例えば、ホテルの客室10などに設置される空気調和装置2と、客室10内に設置され客室10内の人の有無を検知する人感センサ3などを備える。空気調和システム1は、客室10内における人の不在を検知して所定時間経過すると、空気調和装置2の運転を通常運転モードから省エネルギー運転モードへ切り替える。
【0026】
空気調和装置2は、圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器などを有する冷凍サイクルを備え、冷凍サイクルを冷媒が循環する。空気調和装置2は、室内機2Aと、室外機2Bを備え、室内機2Aと室外機2Bは冷媒が流れる冷媒配管によって接続されている。室内機2Aに設置された熱交換器で温度調整された空気が、ファンによって室内に吹き出される。空気調和装置2は、冷房運転時、室内機2Aの熱交換器が蒸発器として機能し、室外機2Bの熱交換器が凝縮器として機能する。また、空気調和装置2は、暖房運転時、室内機2Aの熱交換器が凝縮器として機能し、室外機2Bの熱交換器が蒸発器として機能する。
【0027】
空気調和装置2は、ホテルの客室10毎に運転開始及び運転停止を切り替えることができ、運転モードを変更することができる。空気調和装置2の運転モードには、通常運転モードと、省エネルギー運転モードなどがある。また、空気調和装置2は、客室10毎に設定温度、送風量などを変更できる。なお、空気調和装置2は、客室10毎の変更だけでなく、管理者側に設置された操作盤からの変更もできるようにしてもよい。
【0028】
空気調和装置2には、制御部4が設置されており、制御部4によって運転が制御される。制御部4の動作は、予め記録されたプログラムを実行して、CPU等のハードウェア資源によって実現される。
【0029】
通常運転モードは、客室10に設置された操作部において利用者が設定した温度や風量で、空気調和装置2が運転するモードである。通常運転モードでは、操作部における操作によって、空気調和装置2の運転開始や運転停止が行われる。通常運転モードでは、利用者が設定した温度や風量を目標値とするデマンド制御が行われてもよい。デマンド制御によって、複数段階で消費電力の低減が行われる。
【0030】
省エネルギー運転モードは、操作部における操作に関わらず予め記録されたプログラムに基づいて、空気調和装置2が運転するモードである。省エネルギー運転モードでは、通常運転モードよりも消費電力が低減されるように設定温度や設定風量が変更される。
【0031】
例えば、省エネルギー運転モードは、冷房運転時、利用者が設定している設定温度に対して、補正温度(例えば10℃)分を上昇させた設定温度とする。但し、省エネルギー運転モードで設定される設定温度は、上限温度(所定最高温度、例えば28℃)よりも低い範囲で設定されるようにする。また、省エネルギー運転モードは、暖房運転時、利用者が設定している設定温度に対して、補正温度(例えば10℃)分を下降させた設定温度とする。但し、省エネルギー運転モードで設定される設定温度は、下限温度(所定最低温度、例えば20℃)よりも高い範囲で設定されるようにする。補正温度、上限温度及び下限温度は、メモリ等に記録されており、利用者によって任意に設定可能としてもよい。
【0032】
さらに、省エネルギー運転モードは、室内機2Aのファンモータのタップ制御を「弱」に設定するなど、通常運転モードで設定された風量よりも低下する風量に設定してもよい。ファンモータの消費電力を低下でき、冷房運転時の場合は、除湿効果を図ることもできる。
【0033】
空気調和装置2は、客室10内に設置された人感センサ3と電気的に接続される。人感センサ3は、客室10内に滞在する人の有無を検知できる。また、人感センサ3として、客室10内に滞在する人の人数又は位置を検出できるものを用いてもよい。人感センサ3は、客室10内の大部分の領域で人の有無を検知できる位置に設置されることが好ましい。人感センサ3における検出手段は、通常行われるものを適用でき、例えば、赤外線、超音波、可視光などを用いた検出手段である。
【0034】
図2に示すように、人感センサ3は、人の滞在又は不在に関する信号を空気調和装置2の受信部5へ送信する。信号の送信間隔は、検知精度に応じて任意に設定されている。受信部5は、人の滞在又は不在に関する信号を人感センサ3から受信する。
【0035】
判断部6は、受信部5が受信した人の不在に関する信号に基づいて、客室10内の人の不在が生じてから(すなわち、客室10からの人の退室時点から)所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間は、メモリ等に記録されており、例えば10分、30分又は60分など分単位の時間である。所定時間は、利用者によって任意に設定可能としてもよい。所定時間とは、客室10の利用者が退室後、忘れ物を取りに戻ったり、一つのグループが複数の客室10に滞在しているとき利用者が客室10間を出入りしたりするなど、客室10の出入りが繰り返される場合に運転モードの切り替えが起こらないようにするための時間である。判断部6は、客室10内の人の不在が生じてから所定時間が経過したか否かの判断結果を運転制御部7に送信する。
【0036】
判断部6は、受信部5が受信した人の滞在に関する信号に基づいて、省エネルギー運転モードでの運転を開始した後に再び人が入室したか否かを判断する。判断部6は、省エネルギー運転モードでの運転を開始した後に再び人が入室したか否かの判断を運転制御部7に送信する。
【0037】
判断部6は、運転制御部7から、現在の運転モード(例えば通常運転モード又は省エネルギー運転モード)を受信する。これにより、判断部6は、空気調和装置2が通常運転モード又は省エネルギー運転モードを行っているという条件と合わせて、判断を行うことができる。例えば、判断部6は、空気調和装置2において省エネルギー運転モードの運転が開始されてから所定時間経過したか否かを判断する。所定時間は、メモリ等に記録されており、例えば24時間など時間単位の時間である。所定時間は、利用者によって任意に設定可能としてもよい。所定時間とは、長時間にわたって客室10の利用がない場合に無駄な運転が行われないようにするための時間である。判断部6は、空気調和装置2において省エネルギー運転モードの運転が開始されてから所定時間が経過したか否かの判断結果を運転制御部7に送信する。
【0038】
判断部6は、受信部5が受信した人の滞在に関する信号に基づいて、客室10内に滞在している人数を判断するようにしてもよい。
【0039】
運転制御部7は、判断部6から、客室10内の人の不在が生じてから所定時間が経過したという判断結果を受信した場合、空気調和装置2の運転を通常運転モードから省エネルギー運転モードへ切り替える。
【0040】
運転制御部7は、判断部6から、省エネルギー運転モードでの運転を開始した後に再び人が入室したという判断結果を受信した場合、空気調和装置2の運転を省エネルギー運転モード又は運転停止状態から通常運転モードへ切り替える。通常運転モードに切り替えた際、空気調和装置2がデマンド制御運転を行うようにしてもよい。デマンド制御を行う場合、運転制御部7は、人感センサ3で検知された、又は、判断部6で判断された客室10内に滞在している人数、又は、客室10の単位面積当たりの滞在人数に応じてデマンド率(例えば、20%、40%、60%又は80%など)を変更してもよい。運転制御部7は、客室10内の温度が利用者の設定温度に到達した時点で、デマンド制御を解除する。また、省エネルギー運転モードから通常運転モードへ切り替える際、省エネルギー運転モードに移行する前と同じ設定温度や風量を設定値とする運転モードに戻すようにしてもよい。
【0041】
運転制御部7は、判断部6から、省エネルギー運転モードの運転が開始されてから所定時間経過したという判断結果を受信した場合、空気調和装置2の運転を停止する。
【0042】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る空気調和システム1の運転について説明する。
【0043】
人(利用者)が客室10に滞在しているとき、空気調和装置2は、通常運転モードで運転が行われる。通常運転モードでは、人が客室10内に設置された操作部を操作することによって、操作内容に応じて、空気調和装置2の運転が制御される。操作部における操作によって、例えば、空気調和装置2の運転開始及び運転終了を切り替えたり、設定温度を変更したりすることができる(ステップS1)。
【0044】
人が客室10に入室して滞在している間、人感センサ3は、人の滞在を検知して、人の滞在に関する信号を空気調和装置2の受信部5へ送信している。人が客室10から退室して不在である間、人感センサ3は、人の不在を検知して、人の不在に関する信号を空気調和装置2の受信部5へ送信している。
【0045】
受信部5において人の不在に関する信号が受信された場合、判断部6において、客室10内の人の不在が生じてから(すなわち、客室10からの人の退室時点から)所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS2)。客室10内の人の不在が生じてから所定時間が経過していない場合、空気調和装置2は、省エネルギー運転モードには切り替わらず、通常運転モードによる運転を継続する。
【0046】
一方、客室10内の人の不在が生じてから所定時間(例えば30分)が経過した場合、空気調和装置2の運転を通常運転モードから省エネルギー運転モードに切り替える(ステップS3)。このとき、冷房運転の場合、上限温度よりも低い範囲で、通常運転モードで設定された設定温度よりも補正温度分高い温度に設定温度が設定され、又は、暖房運転の場合、下限温度よりも高い範囲で、通常運転モードで設定された設定温度よりも補正温度分低い温度に設定温度が設定される。また、室内機2Aのファンモータのタップ制御を「弱」に設定するなど、通常運転モードで設定された風量よりも低下する風量に設定してもよい。
【0047】
これにより、人の退室によって、客室10内で人の不在が検知され所定時間経過すると、空気調和装置2が省エネルギー運転モードで運転することから、空気調和装置2の運転を完全に停止する場合と比べて客室10内の温度が所定温度で維持され、客室10内が非常に高温又は低温になることがない。また、人の不在が生じてから所定時間経過した後に省エネルギー運転モードに切り替わることから、人の不在を検知してすぐに切り替わる場合と異なり、短時間で人の出入りが繰り返されたとしても、運転モードの切り替えが実行されない。そのため、制御部4のスイッチがチャタリングするなど制御が不安定になることがない。
【0048】
すなわち、人が客室10から一旦退室しても所定時間以内に入室するような場合、例えば客室10の利用者が退室後、忘れ物を取りに戻ったり、一つのグループが複数の客室10に滞在しているとき利用者が客室10間を出入りしたりする場合は、省エネルギー運転モードに切り替わらずに、通常運転モードのままで、空気調和装置2が運転を継続している。
【0049】
その後、省エネルギー運転モードでの運転を開始してから(すなわち、人の退室から所定時間経過した後)、別の所定時間(例えば24時間)が経過したか否かが判断される(ステップS4)。省エネルギー運転モードでの運転を開始してから所定時間が経過した場合は、空気調和装置2の運転を停止する(ステップS5)。客室10が利用されない状態が長時間継続した場合、利用者の入室の見込みが立たないため、省エネルギー運転モードの運転でも消費電力が無駄になる。所定時間が経過した後、空気調和装置2の運転を停止することによって、無駄な消費電力を低減できる。
【0050】
省エネルギー運転モードでの運転を開始してから所定時間が経過していない場合、空気調和装置2の運転を停止せず、省エネルギー運転モードでの運転を継続する(ステップS6)。
【0051】
また、省エネルギー運転モードでの運転を開始した後、再び人が入室したか否かが判断される(ステップS7,S8)。人が入室していない場合は、省エネルギー運転モード又は運転停止状態を継続する。一方、再び人が入室した場合、空気調和装置2の運転を省エネルギー運転モード又は運転停止状態から通常運転モードへ切り替える(ステップS9)。通常運転モードに切り替えた際、空気調和装置2がデマンド制御運転を行うようにしてもよい。デマンド制御を行う場合、運転制御部7は、判断部6で判断された客室10内に滞在している人数、又は、客室10の単位面積当たりの滞在人数に応じてデマンド率(例えば、20%、40%、60%又は80%など)を変更してもよい。運転制御部7は、客室10内の温度が利用者の設定温度に到達した時点で、デマンド制御を解除する。これにより、消費電力が抑制された状態で、通常運転モードの運転を開始することができる。または、省エネルギー運転モードに移行する前と同じ設定温度や風量を設定値とする運転モードに戻すようにしてもよい。
【0052】
以上、本実施形態によれば、人の不在に関する信号が受信された場合、直ちに通常運転モードから省エネルギー運転モードへ切り替えるのではなく、人の不在が生じてから所定時間経過した後、空気調和装置2の運転を通常運転モードから省エネルギー運転モードへ切り替える。したがって、室内で人の不在が検知され所定時間経過すると、空気調和装置2が省エネルギー運転モードで運転することから、運転を完全に停止する場合と比べて室内の温度が所定温度で維持され、非常に高温又は低温になることがない。また、人の不在が生じてから所定時間経過した後に省エネルギー運転モードに切り替わることから、人の不在を検知してすぐに切り替わる場合と異なり、短時間で人の出入りが繰り返されたとしても、運転モードの切り替えが実行されない。そのため、制御部4のスイッチがチャタリングするなど制御が不安定になることがない。
【0053】
なお、上記実施形態に係る人感センサ3は、室内に滞在している人の表面温度を検知してもよい。この場合、受信部5が、人感センサ3から送信された人の表面温度に関する信号を受信し、運転制御部7が、受信部5が受信した人の表面温度に関する信号に基づいて、設定温度を変更する。客室10内に設定された人感センサ3により、滞在している人の人数が検知できれば、人の表面温度に加えて、滞在人数にも基づいて、設定温度を変更できるようにしてもよい。これにより、人が操作部で設定温度を調整することなく、自動的に設定温度が変更され、快適かつ省エネルギー効果の高い温度調整を行うことができる。
【0054】
また、人感センサ3からの人の不在に関する信号に基づいて、他の電気機器(例えば、照明、テレビ、温水洗浄便座など)を通常モードから省エネルギーモード又は電源オフへ切り替えてもよい。このとき、上述した実施形態と同様に、人の不在が生じてから所定時間経過した後に省エネルギーモード又は電気オフに切り替わるようにしてもよい。これにより、短時間で人の出入りが繰り返されたとしても、運転モードの切り替えがすぐに実行されないため、制御部のスイッチがチャタリングするなど制御が不安定になることがない。
【符号の説明】
【0055】
1 :空気調和システム
2 :空気調和装置
2A :室内機
2B :室外機
3 :人感センサ
4 :制御部
5 :受信部
6 :判断部
7 :運転制御部
図1
図2
図3