【解決手段】実施形態の計量装置は、重量計、判定手段、識別手段、取得手段及び通知処理手段を備える。判定手段は、重量計により計測された飲食物の重量に基づき、予め定められた成分及びカロリーの少なくとも一方として定められた着目項目についての飲食物の飲食に伴う摂取量を判定する。識別手段は、飲食物の購買者を識別する。取得手段は、識別手段により識別された購買者が過去の予め定められた期間内に購買した飲食物の飲食に伴う着目項目についての摂取量を取得する。通知処理手段は、取得手段により取得された摂取量及び判定手段により判定された摂取量の合計と予め定められた基準量とが予め定められた関係にある場合に、その旨を購買者に通知するための通知処理を行う。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施の形態は、スーパーマーケットなどの惣菜売場において惣菜の量り売りを行うのに好適な計量装置に関する。なお、以下において「惣菜」とは、惣菜売場において量り売りされ得る全ての飲食物を含むこととする。つまり、例えば「白飯」が「惣菜」の1つであってもよい。
【0008】
図1は第1の実施形態に係る計量装置10の要部回路構成を示すブロック図である。
図2は計量装置10の外観を示す斜視図である。なお、
図1及び
図2において、同一の要素については同一の符号を付している。
図1に示すように計量装置10は、プロセッサ1、記憶部2、タッチパネル3、キーパッド4、近接通信部5、ラベルプリンタ6、重量計7、通信インタフェース8及び伝送路9を含む。
プロセッサ1、記憶部2、近接通信部5、ラベルプリンタ6、重量計7及び通信インタフェース8は、
図2に示す筐体100の内部に収容される。タッチパネル3及びキーパッド4は、
図2に示す操作パネル200に取り付けられる。
【0009】
プロセッサ1は、計量装置10を制御するための情報処理を実行するためのコンピュータを、記憶部2とともに構成する。プロセッサ1は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ1は、オペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムなどの情報処理プログラムに従った情報処理を実行することで、計量装置10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0010】
記憶部2は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。記憶部2は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。記憶部2は、不揮発性のメモリ領域では上記の情報処理プログラムを記憶する。また記憶部2は、プロセッサ1が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。記憶部2は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ1によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。記憶部2は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する記憶デバイスを含んでもよい。当該記憶デバイスとしては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスなどを適宜に適用できる。記憶デバイスは、プロセッサ1が各種の処理を行う上で使用するデータと、プロセッサ1での処理によって生成されたデータとを保存する。記憶デバイスは、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。
【0011】
タッチパネル3は、操作者に対して各種の情報を通知するための各種画面を表示する。タッチパネル3は、上記の画面に対するタッチ操作を入力することにより、操作者による各種の指示を入力する。
キーパッド4は、テンキーを含む複数のキーを配列したものである。キーパッド4は、キー操作を入力することにより、操作者による数値などの各種の指定を入力する。
【0012】
なお本実施形態においては、タッチパネル3及びキーパッド4は、操作パネル200に
図21に示すように並べて取り付けられている。操作パネル200は、タッチパネル3及びキーパッド4の向きを変えられるよう、筐体100に対する傾きを変更可能なように筐体100に取り付けられている。
【0013】
近接通信部5は、筐体100の上面の一部として設定された通信面100aに近接された無線タグに記憶されている情報を無線通信によって読み取る。
ラベルプリンタ6は、代金の金額などを表したラベルを発行する。ラベルは例えば、飲食物を収容する容器に貼り付けられる。ラベルプリンタ6が発行したラベルは、筐体100に形成された発行口100bを通して筐体100の外部へと排出される。
重量計7は、筐体100の外部に配置された秤皿7aを含む。重量計7は、秤皿7aに載置された物品の重量を計測する。
【0014】
通信インタフェース8は、通信ネットワーク20を介したデータ通信を行う。通信インタフェース8としては、例えばLAN(local area network)及びインターネットを介したデータ通信のための周知の処理を行うように構成された周知のものを用いることができる。通信インタフェース8の通信対象は、例えばデータサーバ30である。
伝送路9は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続されている各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0015】
計量装置10は、後述する情報処理について記述した情報処理プログラムを記憶部2に記憶する。なお、当該情報処理プログラムは、計量装置10のハードウェアの譲渡の際に記憶部2に記憶されていてもよいし、上記のハードウェアとは別に譲渡されてもよい。後者の場合、情報処理プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して譲渡される。後者の場合、情報処理プログラムはバージョンアッププログラムとして提供され、記憶部2に既に記憶されている別の同種の情報処理プログラムに置き換えられるケースが想定される。
【0016】
データサーバ30は、商品データベース及び会員データベースを管理する。
商品データベースは、計量装置10を用いた量り売りの対象商品である飲食物に関する情報の集合である。商品データベースには例えば、飲食物の個々を識別するための商品コードに関連づけて、その商品名、単位重量当たりの価格、消費期限などのラベルに表示すべき各種の情報が含まれる。商品データベースはさらに、アレルゲン、原材料、あるいは栄養素などの成分についての、単位重量の飲食物における含有量を示す。商品データベースはさらに、単位重量の飲食物に含まれるカロリー(熱量)を示す。ただし商品データベースは、成分の含有量及びカロリーのいずれか一方のみを示していてもよい。また商品データベースがどの成分についての含有量を示すかも任意である。
【0017】
会員データベースは、会員登録済みの購買者に関する情報の集合である。会員データベースには例えば、会員の個々を識別するための会員コードに関連づけて、条件データ及び過去摂取量が含まれる。条件データは、会員に対する情報提供の条件を表す。条件は任意であってよいが、例えば以下のようなものが想定される。
【0018】
・原材料(××)の目標摂取量は○○g。
・目標摂取カロリーは○○kcal。
・栄養素(××)の目標摂取量は○○g。
なお、以上の条件の具体例において、「○○」は任意の数値として定められる基準量である。「原材料(××)」における「××」は、豚肉、酒などの任意の原材料である。「栄養素(××)」における「××」は、タンパク質、脂質、炭水化物、無機質、ビタミンなどの任意の栄養素である。
【0019】
過去摂取量は、予め定められた過去の期間に、条件データに示された成分又はカロリーについての会員による摂取量である。なお上記の過去の期間は、例えば当日中の現時点までの期間とすることが想定される。しかしながらこの期間は、例えば計量装置10の設計者又は管理者により任意に定められてよい。
【0020】
次に以上のように構成された計量装置10の動作について説明する。
計量装置10は、スーパーマーケットの惣菜売場等に設置される。そして計量装置10は、量り売りの対象となる商品としての惣菜を計量し、その重量に応じた販売価格などを表したラベルを発行する。購買者は、購買しようとする惣菜を、任意の量だけ所定の容器に入れた上で秤皿7aに乗せ、これにより発行されるラベルを上記の容器に貼り付ける。
【0021】
購買者は、このような作業の最中に個人向けの情報提供を受けたいならば、事前に会員登録を行っておく。この会員登録は、計量装置10での情報提供を受けるためのものであってもよいし、例えばポイントサービス、電子レシートサービス、あるいはその他の任意のサービスを受けるためのものを流用してもよい。そして会員登録済みの購買者は、会員コードを近接無線通信により送信するタグを内蔵した会員証を所持していることとする。
購買者は、任意の情報端末を用いてデータサーバ30にアクセスし、情報提供を受けるための条件を設定しておく。データサーバ30は、設定された条件を、会員データベースに会員コードに関連づけて含める。
【0022】
計量装置10が惣菜を計量してラベルを発行する動作状態にあるとき、プロセッサ1は記憶部2に記憶された前述の情報処理プログラムに従って、以下に説明する情報処理を実行する。
図3及び
図4は、プロセッサ1による情報処理のフローチャートである。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。
【0023】
Act1としてプロセッサ1は、近接通信部5により会員コードが読み取られたか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、会員コードが読み取られていないためにNoと判定したならば、Act2へと進む。
Act2としてプロセッサ1は、計量の対象となる商品の指定がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、商品の指定がなされていないためにNoと判定したならば、Act1へと戻る。
かくしてプロセッサ1はAct1及びAct2としては、会員コードが読み取られるか、商品が指定されるのを待ち受ける。
【0024】
さて購買者は、計量装置10における情報提供を受けたい場合には、商品を指定するのに先立って、会員証を通信面100aに近接させる。そうすると、会員証に内蔵されたタグと近接通信部5との間での近接無線通信が開始され、タグが記憶する会員コードが近接通信部5により読み取られる。つまり近接通信部5は、記憶媒体としての会員証に記憶された識別コードである会員コードを読み取る読取手段の一例である。そしてプロセッサ1は、これに応じてAct1にてYesと判定し、Act3へと進む。
Act3としてプロセッサ1は、近接通信部5により読み取られた会員コードを記憶部2に保存する。
【0025】
Act4としてプロセッサ1は、購買者に関するデータをデータサーバ30に要求する。プロセッサ1は具体的には、近接通信部5により読み取られた会員コードを含んだ所定の要求データをデータサーバ30に通信ネットワーク20を介して送る。データサーバ30は、要求データに含まれた会員コードに関連づけて会員データベースに含まれている条件データ及び過去摂取量を含んだ応答データを計量装置10に通信ネットワーク20を介して送る。この応答データが計量装置10へと伝送されると、この応答データは通信インタフェース8により受信される。
【0026】
Act5としてプロセッサ1は、Act4での要求に対する応答がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、応答データが通信インタフェース8により受信されたことに応じてYesと判定し、Act6へと進む。
Act6としてプロセッサ1は、通信インタフェース8により受信された応答データに含まれた条件データ及び過去摂取量を記憶部2に保存する。
【0027】
そしてこののちにプロセッサ1は、Act1及びAct2の待受状態に戻る。なお、プロセッサ1は、会員コードが会員データベースに含まれていない、あるいはデータサーバ30が計量装置10と通信することができない、等の何らかの事情により、予め定められた待受期間内に応答を確認できなかった場合には、Act5にてNoと判定する。そしてこの場合にプロセッサ1は、Act6をパスしてAct1及びAct2の待受状態に戻る。なお、プロセッサ1は、Act3を実行した後に、近接通信部5により改めて会員コードが取得されたために再度Act3へと進むことがある。プロセッサ1はこの場合、新たに読み取られた会員コードと、当該会員コードに関して取得した条件データ及び過去摂取量とをそれぞれ上書き保存する。
【0028】
以上のようにプロセッサ1は、近接通信部5によって読み取られた会員コードで識別される会員として購買者を識別していることになる。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータは識別手段として機能する。またプロセッサ1は、上記のように識別した購買者が過去の予め定められた期間内に購買した飲食物の飲食に伴う成分又はカロリーの摂取量である過去摂取量を上記のように取得している。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータはそのような取得を行う取得手段として機能する。
【0029】
購買者は、購買しようとする惣菜を秤皿7aに乗せるのに先立って、どの惣菜を計量対象の商品とするのかを指定するための予め定められた操作を、例えばタッチパネル3又はキーパッド4により行う。具体的には例えば、プロセッサ1は、量り売りの対象となっている惣菜のそれぞれを対応付けた複数のボタンを配列してなるGUI(graphical user interface)画面をタッチパネル3に表示させておく。そして購買者は、購買しようとする惣菜に対応するボタンにタッチする。そしてプロセッサ1は、このようにして惣菜の指定がなされたならば、Act2にてYesと判定し、Act7へと進む。なおプロセッサ1は、秤皿7aに乗せられている惣菜を撮影した画像に基づいて、それがどの惣菜であるのかを情報処理によって認識してもよい。
Act7としてプロセッサ1は、上記のように指定された惣菜の商品コードを判定する。
【0030】
Act8としてプロセッサ1は、計量が完了するのを待ち受ける。具体的にはプロセッサ1は例えば、重量計での計測値がゼロ以外の値で一定時間に渡り安定した場合に、計量が完了したとしてYesと判定し、
図4中のAct9へと進む。なお、以下においては、当該計量完了時の計測値を計測重量と称する。
【0031】
Act9としてプロセッサ1は、過去摂取量が有るか否かを確認する。プロセッサ1は例えば、Act6により記憶部2に過去摂取量が保存されているか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、記憶部2に過去摂取量が保存されているならばYesと判定し、Act10へと進む。
【0032】
Act10としてプロセッサ1は、総摂取量を算出する。総摂取量は、Act4にて判定した商品コードで識別される惣菜を計測重量だけ摂取する場合における摂取量(以下、今回摂取量と称する)と過去摂取量との合算である。ここで算出する総摂取量は、記憶部2に保存されている条件データが表す条件(以下、適用条件と称する)が成立するか否かの判定に必要な成分又はカロリーに関するものとする。例えばプロセッサ1は、Act4で判定した商品コードに関連づけて商品データベースに含められている成分の含有量及び熱量を、データサーバ30から取得する。そしてプロセッサ1は、当該取得した含有量及び熱量のうちの、適用条件に含まれる成分又は熱量に関するものに、計測重量を単位重量で除して求まる値を乗じた値として、今回摂取量を算出する。プロセッサ1はさらに具体的には、適用条件に「原材料(豚肉)の目標摂取量は○○g以上。」が含まれるならば、「豚肉」の単位重量当たりの含有量に、[計測重量÷単位重量]として求まる値を乗じることによって、「原材料(豚肉)」の今回摂取量を算出する。そしてプロセッサ1は、この今回摂取量と、記憶部2に保存されている「原材料(豚肉)」に関する過去摂取量との和を求めることで、「原材料(豚肉)」に関する総摂取量を算出する。プロセッサ1は、適用条件に「目標摂取カロリーは○○kcal以上。」が含まれるならば、単位重量当たりのカロリーに、[計測重量÷単位重量]として求まる値を乗じることによって、今回摂取カロリーを算出する。そしてプロセッサ1は、この今回摂取量と、記憶部2に保存されている「カロリー」に関する過去摂取量との和を求めることで、「カロリー」に関する総摂取量を算出する。プロセッサ1は、適用条件に「栄養素(ビタミンC)の目標摂取量は○○g以上。」が含まれるならば、「ビタミンC」の単位重量当たりの含有量に、[計測重量÷単位重量]として求まる値を乗じることによって、「栄養素(ビタミンC)」の今回摂取量を算出する。そしてプロセッサ1は、この今回摂取量と、記憶部2に保存されている「栄養素(ビタミンC)」に関する過去摂取量との和を求めることで、「栄養素(ビタミンC)」に関する総摂取量を算出する。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータは判定手段として機能する。なお、上記の例では、「原材料(豚肉)」「カロリー」及び「栄養素(ビタミンC)」が、それぞれ着目項目である。
【0033】
Act11としてプロセッサ1は、算出した総摂取量により適用条件が成立するか否かを確認する。プロセッサ1は例えば、適用条件に「栄養素(ビタミンC)の目標摂取量は○○g以上。」が含まれるならば、栄養素(ビタミンC)」の今回摂取量が○○g以上であるか否かを確認する。なおプロセッサ1は、適用条件が複数である場合には、それら複数の適用条件のそれぞれについて成立するか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、適用条件の全てが成立するならばYesと判定し、Act12へと進む。
【0034】
Act12としてプロセッサ1は、第1の結果画面をタッチパネル3に表示させる。第1の結果画面は、計量の結果を表し、適用条件に関する通知を表さない画面である。
図5は第1の結果画面SC1の一例を示す図である。
第1の結果画面SC1は、表示エリアAR1,AR2,AR3,AR4,AR5及びボタンBO1をそれぞれ含む。
【0035】
表示エリアAR1は、商品名を表示するためのエリアである。表示エリアAR2は、単位重量当りの価格、すなわち単価を表示するためのエリアである。プロセッサ1は、Act4で判定した商品コードに関連づけて商品データベースに含められている商品名及び単価をデータサーバ30から取得し、これら表示エリアAR1,AR2にそれぞれ表す。なお
図5においては、商品名が「ポテトサラダ」であり、単価が160円である例を示している。
【0036】
表示エリアAR3は、計測重量を表示するためのエリアである。表示エリアAR4は、秤皿7aに乗せられている惣菜についての販売価格を表示するエリアである。プロセッサ1は、重量計7による計測重量と、[計測重量÷単位重量]として求まる値を上記の単価に乗じた金額とを、表示エリアAR3,AR4にそれぞれ表す。なお
図5においては、計測重量が82gであり、販売価格が131円である例を示している。
【0037】
表示エリアAR5は、購買者に対する各種のメッセージを表示するためのエリアである。プロセッサ1は、第1の結果画面SC1の表示エリアAR5には、多数の購買者に対する共通のメッセージを表示する。当該メッセージの内容は任意であってよく、計量装置10の設計者又は管理者により定められたものとする。
ボタンBO1は、ラベルの発行を購買者が指示するためのボタンである。
【0038】
プロセッサ1は一方、適用条件のいずれか1つでも成立しないならばAct11にてNoと判定し、Act13へと進む。またプロセッサ1は、記憶部2に過去摂取量が保存されていないならば、Act9にてNoと判定し、Act13へと進む。
Act13としてプロセッサ1は、第2の結果画面をタッチパネル3に表示させる。第2の結果画面は、計量の結果を表すとともに、購買者毎に提供する情報も表した画面である。
【0039】
第2の結果画面は、第1の結果画面SC1と同様に、表示エリアAR1−AR5及びボタンBO1をそれぞれ含む。そしてプロセッサ1は、表示エリアAR1−AR4については、第1の結果画面と同様な情報をそれぞれ表す。つまり、第2の結果画面が第1の結果画面SC1と異なるのは、表示エリアAR5に表す情報である。プロセッサ1は、成立すると判定した適用条件に応じたメッセージを表示エリアAR5に表す。
図6は第2の結果画面SC2の一例を示す図である。
【0040】
プロセッサ1は
図6の例においては、表示エリアAR5に「注意! ビタミンCの摂取量が目標の75%です。」というメッセージを表している。このメッセージは、「栄養素(ビタミンC)」の総摂取量が○○g未満であり、「栄養素(ビタミンC)の今回摂取量が○○g以上である。」なる適用条件が成立しない場合の一例である。さらにはこのメッセージは、栄養素(ビタミンC)の総摂取量が、適用条件中の「○○g」の75%である場合の一例である。
【0041】
なお、プロセッサ1は、複数の適用条件が成立していないならば、それらの条件にそれぞれ応じたメッセージを表示エリアAR5に表す。この場合にプロセッサ1は、複数のメッセージを表示エリアAR5に順次に表すように第2の結果画面SC2を定期的に更新する。あるいはプロセッサ1は、複数のメッセージを表示エリアに並べて同時に表すのでもよい。
【0042】
このように第2の結果画面SC2の表示に係る処理は、取得された摂取量及び判定された摂取量の合計と予め定められた基準量とが予め定められた関係にある場合に、その旨を購買者に通知するための通知処理の一例である。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータは上記の通知処理を行う通知処理手段として機能する。
【0043】
プロセッサ1は、Act12又はAct13を終えたならば、第1の結果画面又は第2の結果画面を表示させた状態で、Act14へと進む。
Act14としてプロセッサ1は、再計量が必要であるか否かを確認する。プロセッサ1は、例えば、秤皿7aに乗せられている惣菜の量が変化せず、計測値が変化していなければNoと判定し、Act15へと進む。なおプロセッサ1は、再計量を指示する操作が行われていない場合など、予め定められた別の判断によりAct14にてNoと判定してもよい。
Act15としてプロセッサ11は、ラベル発行の指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、該当の指示がなされていないならばNoと判定し、Act14へと戻る。
かくしてプロセッサ1はAct14及びAct15としては、再計量が必要となるか、ラベル発行の指示がなされるのを待ち受ける。
【0044】
この待ち受け状態にあるときに購買者は、秤皿7aに乗せられている惣菜を購入することを決定したならば、ラベルの発行を指示するための予め定められた操作を行う。当該操作は例えば、第1の結果画面SC1及び第2の結果画面SC2に表されたボタンBO1へのタッチ操作である。そしてプロセッサ1は、該当の操作によりラベルの発行が指示されたならばAct15にてYesと判定し、Act16へと進む。
【0045】
Act16としてプロセッサ1は、ラベルを発行するようにラベルプリンタ6に指示する。この指示に応じてラベルプリンタ6は、商品名、単価、計測重量及び販売価格などを表したラベルを発行する。当該ラベルは、発行口100bを通して筐体100の外部へと排出される。購買者は、当該ラベルと、秤皿7aに乗せられている惣菜とをそれぞれ取り除き、惣菜を入れた容器にラベルを貼り付ける。
【0046】
Act17としてプロセッサ1は、計測値がゼロになるのを待ち受ける。上記のように秤皿7aに乗せられている惣菜が購買者により取り去られると、やがて重量計7の計測値がゼロとなる。そしてプロセッサ1はこれに応じてYesと判定し、Act18へと進む。
Act18としてプロセッサ1は、購買者が会員であるか否かを確認する。プロセッサ1は例えば、記憶部2に会員コードが保存されているか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、記憶部2に会員コードが保存されているならばYesと判定し、Act19へと進む。
【0047】
Act19としてプロセッサ1は、会員データベースの更新をデータサーバ30に要求する。プロセッサ1は具体的には、記憶部2に保存されている会員コードと、Act10にて算出した総摂取量とを含んだ所定の要求データをデータサーバ30に送る。この要求データを受けるとデータサーバ30は、要求データに含まれた会員コードに関連づけられた過去摂取量を要求データに含まれた総摂取量に置き換えるように会員データベースを更新する。
【0048】
プロセッサ1は、Act19での要求を終えると、
図3及び
図4に示す情報処理を終了する。なおプロセッサ1は、購買者が会員ではないために記憶部2に会員コードが保存されていない場合は、Act18にてNoと判定する。そしてプロセッサ1はこの場合には、Act19を行うことなしに、
図3及び
図4に示す情報処理を終了する。
【0049】
一方でプロセッサ1がAct14及びAct15の待ち受け状態にあるときに、購買者は秤皿7aに乗せられている惣菜の量を増減するか、その購入を取り止めるべく惣菜を秤皿7aから取り去ることもできる。そしてプロセッサ1は、これにより計測値が変化したならばAct14にてYesと判定し、Act20へと進む。なおプロセッサ1は、再計量を指示する操作が行われた場合など、予め定められた別の判断によりYesと判定してもよい。
【0050】
Act20としてプロセッサ1は、Act8と同様にして計量が完了するのを待ち受ける。そしてプロセッサ1は、計量が完了したならばYesと判定し、Act21へと進む。
Act21としてプロセッサ1は、計測値がゼロであるか否かを確認する。購買者が秤皿7aに乗せられている惣菜の量を増減した場合には、計測値はゼロにはならない。そしてプロセッサ1はこの場合にNoと判定し、Act9以降を前述と同様に繰り返す。
【0051】
購買者が、秤皿7aに乗せられている惣菜の購入を取り止めるべく惣菜を秤皿7aから取り去った場合には、計測値がゼロとなる。そしてプロセッサ1はこの場合にはAct21にてYesと判定し、
図3及び
図4の情報処理を終了する。
【0052】
なお、プロセッサ1は、
図3及び
図4の情報処理を終了したのちには、計測重量がゼロのままであることを確認して、記憶部2に保存された会員コード及び過去摂取量をクリアするなどの初期化を行うなどした上で、当該情報処理を再度開始する。
【0053】
以上のように第1の実施の形態における計量装置10によれば、第2の結果画面SC2の表示によって、計量対象となっている惣菜の摂取に関しての情報提供を、惣菜の購買者毎の目標摂取量を考慮して、つまり購買者の事情を考慮して行うことができる。
【0054】
また第1の実施の形態における計量装置10によれば、近接通信部5により会員カードから会員コードを読み取ることにより、当該会員コードで識別される会員として購買者を識別する。このため購買者は、会員カードを読み取らせるだけで、当該購買者の事情を考慮した情報提供を受けるための手続を終えることができる。
【0055】
(第2の実施形態)
第2の実施の形態は、スーパーマーケット又は弁当販売店などにおいて、個々に量り売りされる飲食物を購買者が任意に組み合わせて作った弁当を販売する業態において好適な計量装置を例に説明する。
【0056】
第2の実施の形態における計量装置は、第1の実施の形態における計量装置10と同様な構成によって実現が可能である。このため、構成の説明は省略し、以下の説明においては、
図1及び
図2を参照して行うこととする。
【0057】
第2の実施の形態における計量装置10が第1の実施形態と異なる点は、
図3及び
図4に示した情報処理を表した情報処理プログラムに代えて、後述する情報処理を表した情報処理プログラムを記憶部2に記憶する点である。そしてプロセッサ1が、当該情報処理プログラムに基づいて、次のように情報処理を行う。
【0058】
図7はプロセッサ1による情報処理の一部のフローチャートである。なお、
図3及び
図4に示されるのと同一の処理に関しては同一の符号を付している。また
図7においては、
図3及び
図4に示されるのと同一の処理の一部の図示を省略している。
【0059】
プロセッサ1は、第1の実施形態と同様に、
図3に示されるAct1−Act8としての処理を実行する。そしてプロセッサ1は、Act8にてYesと判定したならば、Act31へと進む。
Act31としてプロセッサ1は、Act7にて判定した商品コードで識別される商品についての商品重量を算出する。プロセッサ1は具体的には、Act8へと進んだ際の計測重量とは異なる計測値での安定をもってAct8において計測完了と判定する。そしてプロセッサ1は、このように計測完了と判定した時の計測重量からAct8へと進んだ際の計測重量を減じた重量を、商品重量として算出する。そしてプロセッサ1はこののち、Act9へと進む。そしてプロセッサ1は、Act9にてYesと判定したならば、Act32へと進む。
【0060】
Act32としてプロセッサ1は、総摂取量を算出する。このAct32としての処理については後述する。プロセッサ1は、Act32を終えるAct11と、Act12又はAct13とを第1の実施形態と同様に実行する。そしてAct12又はAct13からAct33へと進む。
【0061】
Act33としてプロセッサ1は、
図3中のAct2と同様にして、商品の指定がなされたか否かを確認する。プロセッサ1は、商品の指定がなされていないためにNoと判定したならば、Act14へと進む。プロセッサ1は、Act14にてNoと判定したならばAct15へと進み、Act15でもNoと判定したならばAct33へと戻る。かくしてプロセッサ1はAct33、Act14及びAct15としては、商品の指定がなされるか、再計量が必要となるか、あるいはラベル発行の指示がなされるのを待ち受ける。そしてプロセッサ1は、再計量が必要となったためにAct14にてYesと判定した場合と、ラベル発行の指示がなされたためにAct15にてYesと判定した場合には、第1の実施形態と同様に以降の処理を実行する。
【0062】
さて購買者は、例えば複数の惣菜を盛り付けることが可能な容器を秤皿7aに乗せて、さらにこの容器に複数の惣菜を順次に乗せてゆく。そしてこの際に購買者は、次の惣菜を乗せるのに先立って、その商品の指定を行う。プロセッサ1は、このように2つめ以降の商品の指定がなされたならばAct33にてYesと判定し、Act34へと進む。
【0063】
Act34としてプロセッサ1は、商品リストを更新する。商品リストは、商品コードに関連づけて、計測重量及び販売価格などを含んだデータレコードの集合である。商品リストは、
図7に示す情報処理の開始時などにクリアされ、プロセッサ1がAct34を最初に実行する際にはデータレコードを含まない。プロセッサ1は、Act7で判定した商品コードに関連づけて、Act31で算出した商品重量と、当該商品重量に関して第1又は第2の結果画面に表すために求めた販売価格とを含めたデータレコードを追加するように商品リストを更新する。つまりプロセッサ1は、重量を計測済みの飲食物のリストを、当該計測済みの重量を含んで生成する。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータは生成手段として機能する。
【0064】
なおプロセッサ1は、Act7で商品コードを判定した際に、当該商品コードを含み、重量としての有意な値を含まないデータレコードを商品リストに追加しておいてもよい。そしてこの場合にプロセッサ1は、Act34においては、Act31で算出した商品重量を上記のデータレコードに追加する。
【0065】
そしてプロセッサ1はこののち、Act7以降の処理を繰り返す。つまりプロセッサ1は、新たに指定された惣菜に関して、Act7−Act13を実行する。なおプロセッサ1は、Act12又はAct13においては、商品リストに示された複数の惣菜のそれぞれの販売価格の総和を、第1及び第2の結果画面に表すようにしてもよい。
【0066】
さてプロセッサ1は、Act32としての総摂取量の算出は、商品リストに示された惣菜の全てに関して行う。具体的にはプロセッサ1は、例えば「栄養素(ビタミンC)の目標摂取量は○○g以上。」なる条件に関しては、Act10と同様にして商品リストに含まれる商品コードで識別される惣菜毎に「栄養素(ビタミンC)」の摂取量を求める。そしてプロセッサ1は、それら惣菜毎の摂取量の総和を過去摂取量に加算して総摂取量を算出する。
【0067】
以上のように第2の実施の形態における計量装置10によれば、第1の実施の形態と同様な効果を達成できる。加えて、第2の実施の形態における計量装置10によれば、容器に盛り付けられた複数の惣菜の組み合わせからなる弁当を摂取することによる各種成分及びカロリーの摂取量に関する情報提供を購買者毎の事情を考慮して行うことができる。
【0068】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
プロセッサ1は、条件が成立する場合に、第2の結果画面を表示することとし、摂取量が規定量を超えることを購買者に通知するようにしてもよい。この場合の条件としては例えば、以下のようなものが適用できる。
・アレルゲン(××)の摂取量が○○g以上。
・原材料(××)の摂取量が○○g以上。
・摂取されるカロリーが○○kcal以上。
・栄養素(××)の摂取量が○○g以上。
プロセッサ1は、Act11にてYesと判定した場合に、目標達成の見返りとしての特典を購買者に与えるための予め定められた処理を行ってもよい。特典は、ポイント付与、クーポンの発行、商品代金の割引など、どのようなものであってもよい。
【0069】
会員コードの取得方法は任意であってよい。例えば磁気カードなどのような別の記録媒体からの読み取り、バーコードなどを光学的に読み取り、あるいはタッチパネル3又はキーパッド4における手入力などを適用できる。
【0070】
会員である購買者の識別は、会員コードに依存しなくてもよい。例えば、指紋などを用いた生体認証技術を適用できる。
【0071】
ラベルの発行は行わなくてもよい。例えば、金銭収受装置、電子マネー決済端末、あるいはクレジット決済端末などを内蔵又は外付けしておき、計測重量に応じた販売価格を決済するようにしてもよい。また、販売価格を、商品コードなどとともにPOS端末又はキャッシュレジスタなどのような買上登録の機能を持った装置に通知するようにしてもよい。
【0072】
情報提供のための画面表示は、購買者が所持している携帯情報端末にて行わせてもよい。この場合にプロセッサ1は例えば、通信ネットワーク20を介した通信、あるいは無線LANなどを用いた直接無線通信などを利用して携帯情報端末に情報を送信すればよい。つまり通知処理は、他の情報端末への情報の送信であってもよい。
【0073】
画面表示に変えて、あるいは画面表示に加えて、内蔵又は外付けしたスピーカからの音声メッセージの出力などによる情報提供を行うようにしてもよい。この場合、音声メッセージの出力のためのスピーカの駆動が通知処理となる。
【0074】
量り売りの対象となるものであれば、惣菜以外の飲食物の計量のための計量装置としても実現可能である。
【0075】
商品データベース及び会員データベースの少なくとも一方を記憶部2に記憶させておき、プロセッサ1は記憶部2に記憶された商品データベース及び会員データベースを参照してもよい。
【0076】
情報処理によりプロセッサ1が実現する各機能は、その一部または全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。