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特開2019-219424摩耗検査装置、摩耗検査方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-219424(P2019-219424A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】摩耗検査装置、摩耗検査方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/30 20060101AFI20191129BHJP
   G01B 11/245 20060101ALI20191129BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   G01B11/30 A
   G01B11/245 H
   B61B13/00 R
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-170772(P2019-170772)
(22)【出願日】2019年9月19日
(62)【分割の表示】特願2015-38661(P2015-38661)の分割
【原出願日】2015年2月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】森田 克明
(72)【発明者】
【氏名】山田 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 和基
(72)【発明者】
【氏名】河野 浩幸
【テーマコード(参考)】
2F065
3D101
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA06
2F065AA25
2F065AA63
2F065BB15
2F065BB16
2F065CC13
2F065DD06
2F065FF04
2F065FF11
2F065GG04
2F065HH05
2F065JJ01
2F065JJ03
2F065LL59
2F065MM02
2F065MM16
2F065PP22
2F065QQ03
2F065QQ13
2F065QQ24
2F065QQ28
2F065QQ31
2F065SS09
2F065UU07
3D101BA08
3D101BC02
3D101BC12
(57)【要約】
【課題】車両の部品の摩耗状況の検知を効率化できるようにする。
【解決手段】摩耗検査装置が、車両の下方に走行用タイヤが設けられた交通システムにおける路面のうち前記走行用タイヤが走行する位置の、前記走行用タイヤの幅よりも狭い幅の穴の中に設けられて、その上方に位置する物までの距離を測定可能な距離測定部と、前記距離測定部が測定した、当該距離測定部と前記走行用タイヤとの距離に基づいて、当該走行用タイヤの摩耗状況を検知するタイヤ摩耗状況検知部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の下方に走行用タイヤが設けられた交通システムにおける路面のうち前記走行用タイヤが走行する位置の、前記走行用タイヤの幅よりも狭い幅の穴の中に設けられて、その上方に位置する物までの距離を測定可能な距離測定部と、
前記距離測定部が測定した、当該距離測定部と前記走行用タイヤとの距離に基づいて、当該走行用タイヤの摩耗状況を検知するタイヤ摩耗状況検知部と、
を備える摩耗検査装置。
【請求項2】
前記距離測定部は、鉛直方向に対して車両進行方向に傾きを有する上方に位置する物までの距離を測定可能である、
請求項1に記載の摩耗検査装置。
【請求項3】
前記距離測定部は、前記走行用タイヤの幅方向に広がりのあるレーザ光を照射し、前記走行用タイヤの幅方向の各部までの距離を測定する、
請求項1または請求項2に記載の摩耗検査装置。
【請求項4】
前記タイヤ摩耗状況検知部は、前記走行用タイヤの摩耗度合いを示す値として、前記走行用タイヤの表面に設けられた溝の深さを算出し、
前記タイヤ摩耗状況検知部は、前記溝の深さが、前記走行用タイヤの仕様に基づいて予め定められた閾値以下であると判定した場合、前記走行用タイヤが摩耗していることを示す警報を出力する、
請求項1から3の何れか一項に記載の摩耗検査装置。
【請求項5】
前記タイヤ摩耗状況検知部は、前記走行用タイヤの摩耗度合いを示す値として、前記走行用タイヤの表面に設けられた溝の深さを算出し、
前記タイヤ摩耗状況検知部は、前記溝の深さを出力する、
請求項1から3の何れか一項に記載の摩耗検査装置。
【請求項6】
側方に案内輪が設けられた車両が走行可能な軌道の側方に設けられて、テレセントリックレンズを介して前記軌道の内側を撮像可能な第1撮像部と、
前記軌道の側方において前記第1撮像部に対して車両進行方向に設けられて、テレセントリックレンズを介して前記軌道の内側を撮像可能な第2撮像部と、
前記第1撮像部が撮像した前記案内輪の車両進行方向一方側の境界の画像と、前記第1撮像部による前記画像の撮像と同時刻に前記第2撮像部が撮像した、前記案内輪における車両進行方向他方側の境界の画像とを取得する画像取得部と、
前記画像取得部が取得した画像にて示される境界の位置に基づいて、前記案内輪の摩耗状況を検知する案内輪摩耗状況検知部と、
をさらに備える請求項1から5の何れか一項に記載の摩耗検査装置。
【請求項7】
側方に案内輪が設けられた車両が走行可能な軌道の側方に設けられて、テレセントリックレンズを介して前記軌道の内側を撮像可能な第3撮像部と、
前記軌道の側方において前記第3撮像部に対して車両進行方向に設けられて、テレセントリックレンズを介して前記軌道の内側を撮像可能な第4撮像部と、
をさらに備え、
前記軌道の側方に、前記案内輪に接して当該案内輪を回転させる回転機構が設けられており、
前記第1撮像部、前記第2撮像部は、いずれも、前記回転機構が前記案内輪を回転させる前に前記案内輪における境界の画像を撮像可能な位置に設けられており、
前記第3撮像部、前記第4撮像部は、いずれも、前記回転機構が前記案内輪を回転させた後に前記案内輪における境界の画像を撮像可能な位置に設けられており、
前記画像取得部は、前記第3撮像部が撮像した前記案内輪の車両進行方向一方側の境界の画像と、前記第3撮像部による前記画像の撮像と同時刻に前記第4撮像部が撮像した、前記案内輪における車両進行方向他方側の境界の画像とをさらに取得し、
前記案内輪摩耗状況検知部は、前記第1撮像部が撮像した画像、前記第2撮像部が撮像した画像それぞれにて示される境界の位置に基づいて前記案内輪の摩耗状況を検知し、さらに、前記第3撮像部が撮像した画像、前記第4撮像部が撮像した画像それぞれにて示される境界の位置に基づいて前記案内輪の摩耗状況を検知する、
請求項6に記載の摩耗検査装置。
【請求項8】
車両の下方に走行用タイヤが設けられた交通システムにおける路面のうち前記走行用タイヤが走行する位置の、前記走行用タイヤの幅よりも狭い幅の穴の中に設けられた距離測定部と、その上方に位置する走行用タイヤとの距離を測定する工程と、
前記距離測定部と前記走行用タイヤとの距離に基づいて、当該走行用タイヤの摩耗状況を検知する工程と、
を含む摩耗検査方法。
【請求項9】
コンピュータに、
車両の下方に走行用タイヤが設けられた交通システムにおける路面のうち前記走行用タイヤが走行する位置の、前記走行用タイヤの幅よりも狭い幅の穴の中に設けられた距離測定部と、その上方に位置する走行用タイヤとの距離を測定する工程と、
前記距離測定部と前記走行用タイヤとの距離に基づいて、当該走行用タイヤの摩耗状況を検知する工程と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摩耗検査装置、摩耗検査方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道や新交通システムなどにおいて、車両に用いられている部品の摩耗の検査は、一般に手作業で行われている。
例えば、新交通システムの車両に用いられ消耗する部品として、走行用タイヤ、パンタグラフ、案内輪および分岐輪が挙げられる。これらの部品について、走行用タイヤの溝の深さ、パンタグラフの摩耗量・案内輪の直径、および、分岐輪の直径を、ノギス等を用いて手作業で測定し、手作業で測定結果をデータベースに入力するといった運用がなされる場合がある。これら測定作業や測定結果の入力作業に人件費がかかり、作業の効率化が望まれる。
【0003】
車両に用いられる部品の摩耗の検査に関連して、特許文献1に記載の、摺り板の摩耗量自動計測システムでは、車庫内を移動中の車両を対象とし、そのパンタグラフを検出した検出信号により、摺り板の摩耗量を非接触で自動計測する。特許文献1では、これにより、パンタグラフ保守者の安全と省力化に寄与するところには大きいものがある、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3171209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パンタグラフに限らず他の部品についても、摩耗状況の検知を効率化できることが望ましい。
【0006】
本発明は、車両の部品の摩耗状況の検知を効率化することができる摩耗検査装置、摩耗検査方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、摩耗検査装置は、車両の下方に走行用タイヤが設けられた交通システムにおける路面のうち前記走行用タイヤが走行する位置の、前記走行用タイヤの幅よりも狭い幅の穴の中に設けられて、その上方に位置する物までの距離を測定可能な距離測定部と、前記距離測定部が測定した、当該距離測定部と前記走行用タイヤとの距離に基づいて、当該走行用タイヤの摩耗状況を検知するタイヤ摩耗状況検知部と、を備える。
【0008】
前記距離測定部は、鉛直方向に対して車両進行方向に傾きを有する上方に位置する物までの距離を測定可能であるようにしてもよい。
【0009】
前記距離測定部は、前記走行用タイヤの幅方向に広がりのあるレーザ光を照射し、前記走行用タイヤの幅方向の各部までの距離を測定するようにしてもよい。
【0010】
前記タイヤ摩耗状況検知部は、前記走行用タイヤの摩耗度合いを示す値として、前記走行用タイヤの表面に設けられた溝の深さを算出し、前記タイヤ摩耗状況検知部は、前記溝の深さが、前記走行用タイヤの仕様に基づいて予め定められた閾値以下であると判定した場合、前記走行用タイヤが摩耗していることを示す警報を出力する、ようにしてもよい。
【0011】
前記タイヤ摩耗状況検知部は、前記走行用タイヤの摩耗度合いを示す値として、前記走行用タイヤの表面に設けられた溝の深さを算出し、前記タイヤ摩耗状況検知部は、前記溝の深さを出力する、ようにしてもよい。
【0012】
側方に案内輪が設けられた車両が走行可能な軌道の側方に設けられて、テレセントリックレンズを介して前記軌道の内側を撮像可能な第1撮像部と、前記軌道の側方において前記第1撮像部に対して車両進行方向に設けられて、テレセントリックレンズを介して前記軌道の内側を撮像可能な第2撮像部と、前記第1撮像部が撮像した前記案内輪の車両進行方向一方側の境界の画像と、前記第1撮像部による前記画像の撮像と同時刻に前記第2撮像部が撮像した、前記案内輪における車両進行方向他方側の境界の画像とを取得する画像取得部と、前記画像取得部が取得した画像にて示される境界の位置に基づいて、前記案内輪の摩耗状況を検知する案内輪摩耗状況検知部と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0013】
側方に案内輪が設けられた車両が走行可能な軌道の側方に設けられて、テレセントリックレンズを介して前記軌道の内側を撮像可能な第3撮像部と、前記軌道の側方において前記第3撮像部に対して車両進行方向に設けられて、テレセントリックレンズを介して前記軌道の内側を撮像可能な第4撮像部と、をさらに備え、前記軌道の側方に、前記案内輪に接して当該案内輪を回転させる回転機構が設けられており、前記第1撮像部、前記第2撮像部は、いずれも、前記回転機構が前記案内輪を回転させる前に前記案内輪における境界の画像を撮像可能な位置に設けられており、前記第3撮像部、前記第4撮像部は、いずれも、前記回転機構が前記案内輪を回転させた後に前記案内輪における境界の画像を撮像可能な位置に設けられており、前記画像取得部は、前記第3撮像部が撮像した前記案内輪の車両進行方向一方側の境界の画像と、前記第3撮像部による前記画像の撮像と同時刻に前記第4撮像部が撮像した、前記案内輪における車両進行方向他方側の境界の画像とをさらに取得し、前記案内輪摩耗状況検知部は、前記第1撮像部が撮像した画像、前記第2撮像部が撮像した画像それぞれにて示される境界の位置に基づいて前記案内輪の摩耗状況を検知し、さらに、前記第3撮像部が撮像した画像、前記第4撮像部が撮像した画像それぞれにて示される境界の位置に基づいて前記案内輪の摩耗状況を検知するようにしてもよい。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、摩耗検査方法は、車両の下方に走行用タイヤが設けられた交通システムにおける路面のうち前記走行用タイヤが走行する位置の、前記走行用タイヤの幅よりも狭い幅の穴の中に設けられた距離測定部と、その上方に位置する走行用タイヤとの距離を測定する工程と、前記距離測定部と前記走行用タイヤとの距離に基づいて、当該走行用タイヤの摩耗状況を検知する工程と、を含む。
【0015】
本発明の第3の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、車両の下方に走行用タイヤが設けられた交通システムにおける路面のうち前記走行用タイヤが走行する位置の、前記走行用タイヤの幅よりも狭い幅の穴の中に設けられた距離測定部と、その上方に位置する走行用タイヤとの距離を測定する工程と、前記距離測定部と前記走行用タイヤとの距離に基づいて、当該走行用タイヤの摩耗状況を検知する工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
上記した摩耗検査装置、摩耗検査方法及びプログラムによれば、車両の部品の摩耗状況の検知を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態における摩耗検査装置の機能構成を示す概略ブロック図である。
図2】同実施形態における車両の下部を正面から見た外形の概略を示す外観図である。
図3】同実施形態のテレセントリックレンズにおける主光線の例を示す説明図である。
図4】同実施形態における、カメラによる案内輪及び分岐輪の撮像箇所の例を示す説明図である。
図5】同実施形態における車両を上から見た外形の概略を示す外観図である。
図6】同実施形態におけるレーザセンサの設置例を示す説明図である。
図7】同実施形態におけるカメラが撮像する画像と案内輪との対応関係の例を示す説明図である。
図8】同実施形態における演算装置が案内輪の摩耗状況を検知する処理手順の例を示すフローチャートである。
図9】同実施形態における演算装置が走行用タイヤの摩耗状況を検知する処理手順の例を示すフローチャートである。
図10】同実施形態における案内輪の向きの変更の例を示す説明図である。
図11】同実施形態における摩耗検査装置の第1の変形例の機能構成を示す概略ブロック図である。
図12】同実施形態における摩耗検査装置の第2の変形例の機能構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態における摩耗検査装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、摩耗検査装置1は、カメラ110と、レーザセンサ200と、演算装置300とを備える。カメラ110は、テレセントリックレンズ111と、撮像素子112とを備える。演算装置300は、画像取得部310と、距離情報取得部320と、記憶部380と、演算部390とを備える。演算部390は、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391と、タイヤ摩耗状況検知部392とを備える。
また、2つのカメラ110が対になって撮像部対100を構成している。なお、摩耗検査装置1が備える撮像部対100の数は1つ以上であればよい。
【0019】
摩耗検査装置1は、交通システムの車両に設けられた案内輪の摩耗、分岐輪の摩耗、及び走行用タイヤの摩耗を検査する装置である。ここで、図2を参照して案内輪、分岐輪及び走行用タイヤの配置例について説明する。
図2は、車両の下部を正面から見た外形の概略を示す外観図である。同図に示す車両900において、車両本体910の左右それぞれに、軸922を介して走行用タイヤ921が設けられており、走行用タイヤ921は路面に接している。また、車両本体910の左右それぞれに支持体930が設けられている。支持体930には、軸942を介して案内輪941が設けられている。また、支持体930には、軸952を介して分岐輪951が設けられている。
【0020】
走行用タイヤ921が軸922を中心に回転することで、車両900が走行する。また、案内輪941は、車両900が走行する軌道の側方に設けられたガイドレールに接して車両900の進行方向を制限することで、車両900を軌道に沿って走行させる。また、分岐輪951は、軌道の分岐点において、軌道の側方に設けられたガイドレールに接して車両900の進行方向を制限することで、分岐点における車両900の進行方向を制御する。
このように、走行用タイヤ921は路面との接触により摩耗する。また、案内輪941、分岐輪951はいずれも、ガイドレールとの接触により摩耗する。
【0021】
また、図2には、カメラ110とレーザセンサ200との配置例が示されている。カメラ110としてカメラ110−1及び110−2が、軌道の側方に、軌道の内側を撮像可能に設けられている。カメラ110−1は、案内輪941を水平方向から撮像可能な高さに設けられている。カメラ110−1が撮像する画像は、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が案内輪941の摩耗状況を判定するために用いられる。
また、カメラ110−2は、分岐輪951を水平方向から撮像可能な高さに設けられている。カメラ110−2が撮像する画像は、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が分岐輪951の摩耗状況を判定するために用いられる。
また、レーザセンサ200は、路面に穴を設けて設置されている。なお、レーザセンサ200は、後述するように、鉛直方向に対して車両900の進行方向に傾きを有する向きに設置されている。
【0022】
カメラ110は、車両900が走行可能な軌道の側方に設けられて、軌道の内側を撮像可能である。特に、カメラ110のうちカメラ110−1は、上記のように案内輪941を撮像可能である。また、カメラ110のうちカメラ110−2は、上記のように分岐輪951を撮像可能である。カメラ110が設けられる軌道は、車両900が通常の運行において走行する軌道であってもよいし、検査専用の軌道であってもよい。
【0023】
テレセントリックレンズ111は、カメラ110の外界からの光を撮像素子112の位置で集光させて被写体の像を結ばせる。
図3は、テレセントリックレンズ111における主光線の例を示す説明図である。同図において、テレセントリックレンズ111は、レンズ本体121と絞り122とを備えている。絞り122は、レンズ本体121の焦点P11の位置に設けられており、これにより、主光線がレンズ光軸に対して平行な物体側テレセントリックとなっている。図3では、線L11がレンズ光軸を示し、線L12、L13がいずれも主光線の例を示している。主光線を示す線L12、L13のいずれも、レンズ光軸を示す線L11と物体側(被写体側)において平行になっている。
カメラ110がテレセントリックレンズ111を備えることで、被写体の位置がカメラ110の奥行き方向に変化しても、撮像画像における被写体の像の位置が変化しない。
【0024】
案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が案内輪941の摩耗状況を判定するために、カメラ110が案内輪941の側方から全体を撮像し、案内輪941の大きさ(直径)を測定することが考えられる。しかしながら、案内輪941の全体を撮像するためには、テレセントリックレンズ111として大口径のテレセントリックレンズが必要になる。口径の大きいテレセントリックレンズを用いると、設備コストがかかり、また、カメラ110の設置に大きなスペースを要することが考えられる。
そこで、摩耗検査装置1では、2つのカメラ110が対になった撮像部対100が、案内輪941の左右両側の境界を同時刻に撮像する。この点について、図4を参照して説明する。
【0025】
図4は、カメラ110による案内輪941及び分岐輪951の撮像箇所の例を示す説明図である。カメラ110−1a及び110−1bは、案内輪941を撮像している。また、カメラ110−2a及び110−2bは、分岐輪951を撮像している。また、矢印A11は、車両900の進行方向を示している。
【0026】
カメラ110−1a、110−1bのうちいずれか一方が第1撮像部の例に該当し、案内輪941の車両進行方向一方側の境界の画像を撮像する。また、カメラ110−1a、110−1bのうち他方が第2撮像部の例に該当し、案内輪941の車両進行方向他方側の境界の画像を撮像する。具体的には、カメラ110−1aは、案内輪941の車両進行方向前方の境界の画像を撮像し、カメラ110−1bは、案内輪941の車両進行方向後方の境界の画像を撮像する。カメラ110−1aは、カメラ110−1bに対して、車両進行方向に離間して設けられている。また、カメラ110−1aとカメラ110−1bとは同時刻に撮像を行う。但し、カメラ110−1aの撮像タイミングとカメラ110−1bの撮像タイミングとは厳密に同時である必要は無く、ほぼ同時であればよい。
【0027】
カメラ110−1aが撮像した画像、および、カメラ110−1bが撮像した画像から、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391の両側の境界間の距離D11を算出することができる。具体的には、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、カメラ110−1aが撮像した画像、および、カメラ110−1bが撮像した画像から、それぞれ、案内輪941の境界の像を検出する。案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、カメラ110−1aと110−1bの位置関係(特に、カメラ110−1aと110−1bとの間の距離)、および画像の倍率(拡大縮小率)について既知であり、検出した境界の像の、画像内における位置に基づいて、距離D11を算出する。
カメラ110−1a及び110−1bがテレセントリックレンズ111を備えていることで、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、カメラ110から見た案内輪941の奥行き方向の位置に応じて距離の補正を行う必要無しに、距離D11を算出することができる。
【0028】
また、カメラ110−2a、110−2bは、それぞれ、分岐輪951の車両進行方向一方側の境界の画像、分岐輪951の車両進行方向他方側の境界の画像を撮像する。具体的には、カメラ110−2aは、分岐輪951の車両進行方向前方の境界の画像を撮像し、カメラ110−2bは、分岐輪951の車両進行方向後方の境界の画像を撮像する。カメラ110−2aは、カメラ110−2bに対して、車両進行方向に設けられている。
【0029】
カメラ110−2aが撮像した画像、および、カメラ110−2bが撮像した画像から、分岐輪951の両側の境界間の距離D12を算出することができる。具体的には、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、カメラ110−2aが撮像した画像、および、カメラ110−2bが撮像した画像から、それぞれ、分岐輪951の境界の像を検出する。案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、カメラ110−2aと110−2bの位置関係(特に、カメラ110−2aと110−2bとの間の距離)、および画像の倍率(拡大縮小率)について既知であり、検出した境界の像の、画像内における位置に基づいて、距離D12を算出する。
カメラ110−1a及び110−1bがテレセントリックレンズ111を備えていることで、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、カメラ110から見た案内輪941の奥行き方向の位置に応じて距離の補正を行う必要無しに、距離D12を算出することができる。
【0030】
図5は、車両900を上から見た外形の概略を示す外観図である。図2を参照して説明したように、車両本体910の左右それぞれに支持体930が設けられており、支持体930には、案内輪941と分岐輪951とが設けられている。
また、カメラ110として、カメラ110−1a、110−1b、110−2a及び110−2bが、軌道の側方に、軌道の内側を撮像可能に設けられている。図4を参照して説明したように、カメラ110−1a及び110−1bは、案内輪941を撮像している。また、カメラ110−2a及び110−2bは、分岐輪951を撮像している。また、矢印A21は、車両900の進行方向を示している。
【0031】
車両本体910の各側面に複数の案内輪941及び分岐輪951が設けられている。例えば、カメラ110−1a、110−1bが常時、撮像を行うなど、案内輪941の境界がカメラ110自らの前に位置する毎に境界の画像を撮像するようにしてもよい。これにより、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、複数の案内輪941について摩耗状況を判定することができる。また、例えば、カメラ110−2a、110−2bが常時、撮像を行うなど、分岐輪951の境界がカメラ110自らの前に位置する毎に境界の画像を撮像するようにしてもよい。これにより、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、複数の分岐輪951について摩耗状況を判定することができる。
なお、図5では、軌道の側方のうち一方側のみにカメラ110が設けられている場合の例を示しているが、軌道の両側の側方にカメラ110が設けられていてもよい。
【0032】
撮像素子112は、テレセントリックレンズ111が集光した光を光電変換して画像データを生成する。
レーザセンサ200は、距離測定部の例に該当し、レーザ照射方向にある物までの距離を測定する。特に、レーザセンサ200は、レーザ照射方向に走行用タイヤ921がある場合、レーザセンサ200と走行用タイヤ921の表面との距離を測定する。その際、レーザセンサ200は、走行用タイヤ921の幅方向に広がりのあるレーザ光を照射し、各部との距離を測定する。
【0033】
図6は、レーザセンサ200の設置例を示す説明図である。同図において、路面のうち走行用タイヤ921が走行する位置に走行用タイヤ921の幅D21よりも狭い幅D22の穴が設けられ、穴の中に、レーザセンサ200が設けられている。レーザセンサ200は、走行用タイヤ921において幅D24の広がりを有するレーザ光を照射し、レーザセンサ200から各部までの距離を測定する。従って、レーザセンサ200は、走行用タイヤ921の幅方向に線状に、レーザセンサ200から各部までの距離を測定する。
【0034】
例えば、走行用タイヤ921の幅D21が300ミリメートル(mm)程度であるのに対し、穴の幅D22は50ミリメートル程度である。レーザセンサ200は、レーザ光の照射距離が450ミリメートル程度となる走行用タイヤ921の位置において、250ミリメートル程度の幅D24について各部までの距離を測定する。
レーザセンサ200が測定する距離について走行用タイヤ921の幅方向の変化量(隣との差分)を求めることで、走行用タイヤ921の表面の凹凸を検出することができる。これにより、タイヤ摩耗状況検知部392は、走行用タイヤ921の表面に設けられた溝の深さを算出する。
【0035】
図6に示すように、レーザセンサ200は、軌道の下方に設けられて、鉛直方向に対して車両進行方向に傾きを有する上方に位置する走行用タイヤ921までの距離を測定するように設置されている。このように、レーザセンサ200が、鉛直方向に対して車両進行方向に傾きを有する向きに位置する走行用タイヤ921までの距離を測定することで、走行用タイヤ921が地面に接していない状態、従って、走行用タイヤ921が重みで潰れていない状態で測定を行うことができる。
これにより、タイヤ摩耗状況検知部392は、走行用タイヤ921の溝の深さを、走行用タイヤ921が重みで潰れた状態で算出する場合よりも正確に算出することができる。
【0036】
演算装置300は、カメラ110が撮像する画像に基づいて、案内輪941の摩耗状況及び分岐輪951の摩耗状況を検知する。また、演算装置300は、レーザセンサ200が検出する距離に基づいて、走行用タイヤ921の摩耗状況を検知する。
演算装置300は、例えばコンピュータを用いて構成される。
【0037】
画像取得部310は、カメラ110が撮像した画像を取得する。特に、画像取得部310は、撮像部対100を成す2つのカメラ110が撮像する、案内輪941における車両進行方向一方側の境界の画像、および、車両進行方向他方側の境界の画像を取得する。また、画像取得部310は、撮像部対100を成す2つのカメラ110が撮像する、分岐輪951における車両進行方向一方側の境界の画像、および、車両進行方向他方側の境界の画像を取得する。
画像取得部310は、例えば、カメラ110の各々と通信を行って画像データを受信する通信回路として構成される。
【0038】
距離情報取得部320は、レーザセンサ200による距離測定の結果を示す距離情報を取得する。距離情報取得部320は、例えば、レーザセンサ200と通信を行って距離情報を受信する通信回路として構成される。
記憶部380は、演算装置300が備える記憶デバイスを用いて構成され、各種情報を記憶する。特に、記憶部380は、画像取得部310が取得した画像データや、距離情報取得部320が取得した距離情報を記憶する。
【0039】
演算部390は、演算装置300の各部を制御して、各種演算など各種処理を行う。演算部390は、例えば演算装置300が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が記憶部380からプログラムを読み出して実行することで構成される。
案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、案内輪摩耗状況検知部の例に該当し、画像取得部310が取得した画像にて示される案内輪941の境界の位置に基づいて、案内輪941の摩耗状況を検知する。より具体的には、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、撮像部対100を成す2つのカメラ110が撮像した、案内輪941の両側の境界の画像に基づいて、境界間の長さを算出し、得られた長さを閾値と比較して、警報を出力するか否かを判定する。また、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、案内輪941の場合と同様に分岐輪951についても摩耗状況を検知する。
【0040】
図7は、カメラ110が撮像する画像と案内輪941との対応関係の例を示す説明図である。同図において、画像P21はカメラ110(例えば、図4のカメラ110−1a)が撮像した、案内輪941における車両進行方向一方側の境界の画像の例を示す。画像P21において、領域A31は、案内輪941の像以外の領域であり、領域A32は、案内輪941の像の領域である。また、距離D31は、案内輪941において領域A32に相当する部分の実際の幅を示す。案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、カメラ110が撮像する画像の倍率(拡大縮小率)を予め記憶しておき、画像P21における領域A32の幅を検出し、得られた幅を当該倍率で除算することで距離D31を算出する。
【0041】
また、画像P22はカメラ110(例えば、図4のカメラ110−1b)が撮像した、案内輪941における車両進行方向他方側の境界の画像の例を示す。画像P22において、領域A33は、案内輪941の像の領域であり、領域A34は、案内輪941の像の以外領域である。また、距離D32は、案内輪941において領域A33に相当する部分の実際の幅を示す。案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、画像P22における領域A33の幅を検出し、得られた幅を画像P22の倍率で除算することで距離D32を算出する。
【0042】
また、距離D33は、画像P21と画像P22との隙間に相当する距離である。この距離D33は、2つのカメラ110が離間して設置された距離に応じた固定である。例えば、摩耗検査装置1のユーザが距離D33を登録しておき、記憶部380が当該距離D33を予め記憶しておく。
案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、距離D31およびD32を算出し、また、距離D33を記憶部380から読み出して、距離D31、D32及びD33の合計を算出することで、案内輪941における境界間の幅(距離D11)を算出する。距離D11は、案内輪941の直径に相当する。
【0043】
そして、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、算出した距離D11と所定の閾値とを比較し、距離D11が閾値以下であると判定すると、案内輪941が摩耗していることを示す警報を出力する。この閾値は、例えば、摩耗検査装置1のユーザが、案内輪941の仕様(特に、新品の案内輪941の直径)に基づいて値を決定し登録しておき、記憶部380が当該閾値を予め記憶しておく。
【0044】
案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が警報を出力する態様は、色々な態様であってよい。例えば、演算装置300が備える表示装置が、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が出力する警報を表示するようにしてもよい。あるいは、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が出力する警報を、演算装置300が他の機器へ送信するようにしてもよい。
なお、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が、案内輪941の摩耗状況の評価として、警報の出力に加えて、あるいは代えて、案内輪941の直径に相当する距離D11を出力するなど、案内輪941の摩耗の度合いを示す値を出力するようにしてもよい。
【0045】
案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、分岐輪951についても同様に、境界間の距離を算出し、所定の閾値と比較する。そして、分岐輪951における境界間の距離が閾値以下であると判定すると、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、分岐輪951が摩耗していることを示す警報を出力する。
【0046】
案内輪941の場合と同様、分岐輪951についても、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が警報を出力する態様は、色々な態様であってよい。
また、案内輪941の場合と同様、分岐輪951についても、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が、分岐輪951の摩耗の度合いを示す値を出力するようにしてもよい。
【0047】
タイヤ摩耗状況検知部392は、レーザセンサ200が測定した、レーザセンサ200自らと走行用タイヤ921の表面との距離に基づいて、走行用タイヤ921の摩耗状況を検知する。より具体的には、レーザセンサ200は、図6を参照して説明したように、走行用タイヤ921の幅方向に線状に、レーザセンサ200自らと走行用タイヤ921の表面との距離を測定する。そして、タイヤ摩耗状況検知部392は、レーザセンサ200が測定する距離について走行用タイヤ921の幅方向の変化量(隣との差分)を求めることで、走行用タイヤ921の表面の凹凸を検出する。これにより、タイヤ摩耗状況検知部392は、走行用タイヤ921の表面に設けられた溝の深さを算出する。そして、タイヤ摩耗状況検知部392は、得られた溝の深さと所定の閾値とを比較し、溝の深さが閾値以下であると判定すると、走行用タイヤ921が摩耗していることを示す警報を出力する。この閾値は、例えば、摩耗検査装置1のユーザが、走行用タイヤ921の仕様(特に、新品の走行用タイヤ921における溝の深さ)に基づいて値を決定し登録しておき、記憶部380が当該閾値を予め記憶しておく。
【0048】
タイヤ摩耗状況検知部392が警報を出力する態様は、色々な態様であってよい。例えば、演算装置300が備える表示装置が、タイヤ摩耗状況検知部392が出力する警報を表示するようにしてもよい。あるいは、タイヤ摩耗状況検知部392が出力する警報を、演算装置300が他の機器へ送信するようにしてもよい。
なお、タイヤ摩耗状況検知部392が、走行用タイヤ921の摩耗状況の評価として、警報の出力に加えて、あるいは代えて、走行用タイヤ921の溝の深さを出力するなど、走行用タイヤ921の摩耗の度合いを示す値を出力するようにしてもよい。
【0049】
次に、図8および図9を参照して、演算装置300の動作について説明する。
図8は、演算装置300が案内輪941の摩耗状況を検知する処理手順の例を示すフローチャートである。演算装置300は、例えば所定周期毎に図8の処理を行う。
図8の処理において、画像取得部310は、撮像部対100を構成する2つのカメラ110が撮像した、案内輪941の境界の画像を取得する(ステップS101)。上述したように、画像取得部310は、案内輪941の進行方向一方側の境界の画像、及び、進行方向他方側の境界の画像の、2つの画像を取得する。
【0050】
次に、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、ステップS101で得られた2つの画像それぞれについて、画像内における境界の像の位置を検出する(ステップS102)。案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、例えば画像マッチングにより、画像内における境界の像を検出し、検出した境界の像の、画像内における位置を示す座標を求める。
そして、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、図4を参照して説明したように、案内輪941における境界間の距離(図4の距離D11)を算出する(ステップS103)。
【0051】
そして、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、ステップS103で得られた境界間の距離が閾値以下か否かを判定する(ステップS104)。閾値より大きいと判定した場合(ステップS104:NO)、図8の処理を終了する。
一方、境界間の距離が閾値以下であると判定した場合(ステップS104:YES)、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、案内輪941が摩耗していることを示す警報を出力する(ステップS111)。
ステップS111の後、図8の処理を終了する。
なお、演算装置300が分岐輪951の摩耗状況を検知する処理の手順も、案内輪941の場合と同様である。
【0052】
図9は、演算装置300が走行用タイヤ921の摩耗状況を検知する処理手順の例を示すフローチャートである。演算装置300は、例えば所定周期毎に図9の処理を行う。 図9の処理において、距離情報取得部320は、レーザセンサ200が距離を測定して得られた距離情報を取得する(ステップS201)。
次に、タイヤ摩耗状況検知部392は、ステップS201で得られた距離情報に基づいて、上記のように走行用タイヤ921の表面に設けられた溝の深さを算出する(ステップS202)。
【0053】
そして、タイヤ摩耗状況検知部392は、ステップS202で得られた溝の深さが閾値以下か否かを判定する(ステップS203)。閾値より大きいと判定した場合(ステップS203:NO)、図9の処理を終了する。
一方、溝の深さが閾値以下であると判定した場合(ステップS203:YES)、タイヤ摩耗状況検知部392は、走行用タイヤ921が摩耗していることを示す警報を出力する(ステップS211)。
ステップS211の後、図9の処理を終了する。
【0054】
以上のように、撮像部対100を構成するカメラ110の一方は、車両900が走行可能な軌道の側方に設けられて、テレセントリックレンズ111を介して軌道の内側を撮像可能に設置されている。また、撮像部対100を構成するカメラ110の他方は、車両900が走行可能な軌道の側方において一方のカメラ110に対して車両進行方向に設けられて、テレセントリックレンズ111を介して軌道の内側を撮像可能に設置されている。 また、画像取得部310は、カメラ110が撮像した案内輪941の車両進行方向一方側の境界の画像、および、案内輪941における車両進行方向他方側の境界の画像を取得する。
そして、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、画像取得部310が取得した画像にて示される境界の位置に基づいて、案内輪941の摩耗状況を検知する。
【0055】
これにより、摩耗検査装置1では、案内輪941の摩耗状況を自動にて監視することができる。この点において、摩耗検査装置1によれば、車両の部品の1つである案内輪941の摩耗状況の検知を効率化することができる。
また、カメラ110がテレセントリックレンズ111を備えることで、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、カメラ110が撮像した画像に対して奥行方向における被写体の位置に基づく補正を行う必要なしに、案内輪941の境界間の距離を算出することができる。この点において、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391の処理負荷の増大を防止することができる。
【0056】
また、2つのカメラ110が、それぞれ案内輪941の境界を撮像することで、口径の大きいテレセントリックレンズを用いる必要なしに、案内輪941の両側の境界を撮像することができる。口径の大きいテレセントリックレンズを用いる必要がない点で、設備コストを抑制することができ、また、カメラ110の大型化を回避することができる。
【0057】
また、レーザセンサ200は、車両900の軌道の下方に設けられて、鉛直方向に対して車両進行方向に傾きを有する上方に位置する物までの距離を測定可能である。そして、タイヤ摩耗状況検知部392は、レーザセンサ200が測定した、レーザセンサ200と走行用タイヤ921との距離に基づいて、走行用タイヤ921の摩耗状況を検知する。
【0058】
これにより、摩耗検査装置1では、走行用タイヤ921の摩耗状況を自動にて監視することができる。この点において、摩耗検査装置1によれば、車両の部品の1つである走行用タイヤ921の摩耗状況の検知を効率化することができる。
また、レーザセンサ200が、鉛直方向に対して車両進行方向に傾きを有する上方にて走行用タイヤ921との距離を測定することで、レーザセンサ200は、走行用タイヤ921が地面に接していない状態、従って、走行用タイヤ921が重みで潰れていない状態で測定を行うことができる。これにより、タイヤ摩耗状況検知部392は、走行用タイヤ921の溝の深さを、走行用タイヤ921が重みで潰れた状態で算出する場合よりも正確に算出することができる。
【0059】
なお、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が、案内輪941の偏摩耗を検知できるように、案内輪941の複数の向きについて、案内輪941の摩耗度合いを検知するようにしてもよい。
図10は、案内輪941の向きの変更の例を示す説明図である。同図において、矢印A41は、車両900の進行方向を示している。また、車両900の軌道の側方に、案内輪941を回転させるための板411と、分岐輪951を回転させるための板412とが設けられている。車両900の走行に伴って、案内輪941は板411に接して回転して向きを変える。また、車両900の走行に伴って、分岐輪951は板412に接して回転して向きを変える。図10の例では、案内輪941、分岐輪951とも向きを90度変化させている。板411は、回転機構の例に該当する。
【0060】
また、案内輪941が向きを変える前、向きを変えた後のそれぞれについて、案内輪941の両側の境界を撮像するためにカメラ110−1が2つずつ、合計4つ設けられている。
これら4つのカメラ110−1のうち、案内輪941が板411に接して回転して向きを変える前の状態で撮像する2つのカメラ110−1(カメラ110−1a及びカメラ110−1b)が、第1撮像部及び第2撮像部の例に該当する。一方、4つのカメラ110−1のうち、案内輪941が板411に接して回転して向きを変えた後の状態で撮像する2つのカメラ110−1(カメラ110−1c及びカメラ110−1d)が、第3撮像部及び第4撮像部の例に該当する。
【0061】
案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、カメラ110−1a、カメラ110−1bそれぞれが撮像した、案内輪941が回転する前の状態での境界の画像に基づいて摩耗状況を検出する。さらに、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、カメラ110−1c、カメラ110−1dそれぞれが撮像した、案内輪941が回転した後の状態での境界の画像に基づいて摩耗状況を検出する。
【0062】
このように、カメラ110−1が、案内輪941が向きを変える前、向きを変えた後のそれぞれについて、案内輪941の両側の境界を撮像することで、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、案内輪941の複数の向き(図10の例では2つの向き)について境界間の長さを算出することができる。これにより、案内輪941が偏摩耗している場合でも、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が、案内輪941の摩耗を検知できる(例えば、案内輪941の摩耗の大きさが所定の大きさ以上であるか否かを判定できる)可能性が高くなる。
なお、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が、案内輪941の3つ以上の向きについて、案内輪941の摩耗度合いを検知するようにしてもよい。これにより、案内輪941が偏摩耗している場合でも、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が、案内輪941の摩耗を検知できる可能性が、さらに高くなる。
【0063】
また、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が、分岐輪951についても案内輪941の場合と同様、複数の向きについて摩耗度合いを検知するようにしてもよい。
図10において、分岐輪951が向きを変える前、向きを変えた後のそれぞれについて、分岐輪951の両側の境界を撮像するためにカメラ110−2が2つずつ、合計4つ設けられている。
カメラ110−2が、分岐輪951が向きを変える前、向きを変えた後のそれぞれについて、分岐輪951の両側の境界を撮像することで、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、分岐輪951の複数の向き(図10の例では2つの向き)について境界間の長さを算出することができる。これにより、分岐輪951が偏摩耗している場合でも、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が、分岐輪951の摩耗を検知できる可能性が高くなる。
なお、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が、分岐輪951の3つ以上の向きについて、分岐輪951の摩耗度合いを検知するようにしてもよい。これにより、分岐輪951が偏摩耗している場合でも、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391が、分岐輪951の摩耗を検知できる可能性が、さらに高くなる。
【0064】
なお、摩耗検査装置が、案内輪941の摩耗、分岐輪951の摩耗、及び、走行用タイヤ921の摩耗の全てを検知する必要はなく、これらのうちいずれか1つまたは2つを検知するようにしてもよい。
図11は、本実施形態における摩耗検査装置1の第1の変形例である摩耗検査装置2の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、摩耗検査装置2は、カメラ110と、演算装置500とを備える。カメラ110は、テレセントリックレンズ111と、撮像素子112とを備える。演算装置500は、画像取得部310と、記憶部380と、演算部590とを備える。演算部590は、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391を備える。 また、2つのカメラ110が対になって撮像部対100を構成している。なお、摩耗検査装置1が備える撮像部対100の数は1つ以上であればよい。
【0065】
図11において、図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(100、110、111、112、310、380、391)を付して説明を省略する。
摩耗検査装置2は、案内輪941の摩耗および分岐輪951の摩耗のうち少なくとも一方を検知するための各部を備えている。一方、摩耗検査装置2は、走行用タイヤ921の摩耗を検知するための各部を備えていない。具体的には、摩耗検査装置2は、摩耗検査装置1が備える各部のうち、レーザセンサ200と、距離情報取得部320と、タイヤ摩耗状況検知部392とを備えていない。
【0066】
摩耗検査装置1の場合と同様、摩耗検査装置2において、撮像部対100を構成するカメラ110の一方は、車両900が走行可能な軌道の側方に設けられて、テレセントリックレンズ111を介して軌道の内側を撮像可能に設置されている。また、撮像部対100を構成するカメラ110の他方は、車両900が走行可能な軌道の側方において一方のカメラ110に対して車両進行方向に設けられて、テレセントリックレンズ111を介して軌道の内側を撮像可能に設置されている。
また、画像取得部310は、カメラ110が撮像した案内輪941の車両進行方向一方側の境界の画像、および、案内輪941における車両進行方向他方側の境界の画像を取得する。
そして、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、画像取得部310が取得した画像にて示される境界の位置に基づいて、案内輪941の摩耗状況を検知する。
【0067】
これにより、摩耗検査装置2では、案内輪941の摩耗状況を自動にて監視することができる。この点において、摩耗検査装置2によれば、車両の部品の1つである案内輪941の摩耗状況の検知を効率化することができる。
また、カメラ110がテレセントリックレンズ111を備えることで、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391は、カメラ110が撮像した画像に対して奥行方向における被写体の位置に基づく補正を行う必要なしに、案内輪941の境界間の距離を算出することができる。この点において、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391の処理負荷の増大を防止することができる。
【0068】
また、2つのカメラ110が、それぞれ案内輪941の境界を撮像することで、口径の大きいテレセントリックレンズを用いる必要なしに、案内輪941の両側の境界を撮像することができる。口径の大きいテレセントリックレンズを用いる必要がない点で、設備コストを抑制することができ、また、カメラ110の大型化を回避することができる。
【0069】
図12は、本実施形態における摩耗検査装置1の第2の変形例である摩耗検査装置3の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、摩耗検査装置3は、レーザセンサ200と、演算装置600とを備える。演算装置600は、距離情報取得部320と、記憶部380と、演算部690とを備える。演算部690は、タイヤ摩耗状況検知部392を備える。
図12において、図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(200、320、380、392)を付して説明を省略する。
摩耗検査装置3は、走行用タイヤ921の摩耗を検知するための各部を備えている。一方、摩耗検査装置3は、案内輪941の摩耗及び分岐輪951の摩耗を検知するための各部を備えていない。具体的には、摩耗検査装置3は、摩耗検査装置1が備える各部のうち、カメラ110と、画像取得部310と、案内輪分岐輪摩耗状況検知部391とを備えていない。
【0070】
摩耗検査装置1の場合と同様、摩耗検査装置3において、レーザセンサ200は、車両900の軌道の下方に設けられて、鉛直方向に対して車両進行方向に傾きを有する上方に位置する物までの距離を測定可能である。そして、タイヤ摩耗状況検知部392は、レーザセンサ200が測定した、レーザセンサ200と走行用タイヤ921との距離に基づいて、走行用タイヤ921の摩耗状況を検知する。
【0071】
これにより、摩耗検査装置3では、走行用タイヤ921の摩耗状況を自動にて監視することができる。この点において、摩耗検査装置3によれば、車両の部品の1つである走行用タイヤ921の摩耗状況の検知を効率化することができる。
また、レーザセンサ200が、鉛直方向に対して車両進行方向に傾きを有する上方にて走行用タイヤ921との距離を測定することで、レーザセンサ200は、走行用タイヤ921が地面に接していない状態、従って、走行用タイヤ921が重みで潰れていない状態で測定を行うことができる。これにより、タイヤ摩耗状況検知部392は、走行用タイヤ921の溝の深さを、走行用タイヤ921が重みで潰れた状態で算出する場合よりも正確に算出することができる。
【0072】
なお、演算装置300、500及び600の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0073】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1 摩耗検査装置
100 撮像部対
110 カメラ
111 テレセントリックレンズ
112 撮像素子
200 レーザセンサ
300 演算装置
310 画像取得部
320 距離情報取得部
380 記憶部
390 演算部
391 案内輪分岐輪摩耗状況検知部
392 タイヤ摩耗状況検知部
900 車両
910 車両本体
921 走行用タイヤ
922、942、952 軸
930 支持体
941 案内輪
951 分岐輪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12