【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の磁界発生装置は、磁界を発生する磁界発生部と、
前記磁界発生部に電圧を印加する、または前記磁界発生部に電流を流す駆動部と、
前記磁界発生部の温度と共に値が変化する状態情報を取得する監視部と、
前記監視部が取得した状態情報に基づいて、前記駆動部が印加する電圧、または前記駆動部が流す電流を制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明の磁界発生装置では、磁界発生部の温度と共に値が変化する状態情報に応じて、妨害磁界を発生させるために磁界発生部に印加する電圧、または磁界発生部に流す電流の大きさを変化させる。そのため、本発明では、磁界発生部の損傷を回避しながら、スキミングを防止することができる。
【0008】
本発明において、前記制御部は、前記監視部が取得した状態情報が示す値と所定の閾値との比較の結果に基づいて、前記駆動部が前記磁界発生部に印加する電圧を、現在印加している電圧から該電圧とは異なる電圧へ変更する、または前記駆動部が前記磁界発生部に流す電流を、現在流している電流から該電流とは異なる電流へ変更する。この場合には、状態情報と閾値との比較の結果に基づいて、電圧または電流を変更するため、その変更の制御を容易に行うことができる。
【0009】
本発明において、磁界発生装置は、前記監視部は、前記状態情報として、前記磁界発生部に流れる電流値を取得し、
前記制御部は、前記監視部が取得した電流値に基づいて、前記駆動部が印加する電圧、または前記駆動部が流す電流を制御する。この場合には、電流値のみを測定するだけで良いため、温度センサなどの追加の装備が不要となり、装置のコストを低減することができる。
【0010】
本発明において、磁界発生装置は、前記制御部は、前記監視部が取得した電流値が所定の第1の電流閾値を下回った場合、前記駆動部が前記磁界発生部に印加する電圧を、現在印加している第1の電圧の最大値よりも最大値が低い第2の電圧へ変更する。この場合には、電圧を低いものへ変更するための基準を設けることで制御をしやすくすることができる。また、磁界発生部の損傷を未然に防止することができる。
【0011】
本発明において、磁界発生装置は、前記制御部は、前記磁界発生部に印加する電圧を前記第2の電圧へ変更した後、前記監視部が取得した電流の値が前記第1の電流閾値よりも大きな値である第2の電流閾値を超えた場合、前記磁界発生部に印加する電圧を前記第1の電圧へ変更する。この場合には、電圧を元の値に戻すための基準を設けることで制御をしやすくすることができる。
【0012】
本発明において、磁界発生装置は、前記制御部は、所定の固定磁界パターンを出力し、
前記駆動部は、前記制御部から出力された固定磁界パターンに応じた電圧を前記磁界発生部に印加し、
前記監視部は、前記駆動部が前記固定磁界パターンに応じた電圧を前記磁界発生部に印加したときの前記磁界発生部に流れる電流値を取得する。この場合には、磁界発生部に流れる電流値を測定しやすくすることができる。
【0013】
本発明において、磁界発生装置は、電流値と温度とを対応付けたテーブルを有し、
前記制御部は、前記監視部が取得した電流値と対応付けられた温度を前記テーブルから読み出し、該読み出した温度に基づいて、前記駆動部が印加する電圧を制御する。この場合には、磁界発生部の温度を基準として磁界発生部に印加する電圧を制御することができる。
【0014】
本発明において、磁界発生装置は、前記制御部は、前記テーブルから読み出した温度が所定の第1の温度閾値を超えた場合、前記駆動部が前記磁界発生部に印加する電圧を、現在印加している第1の電圧の最大値よりも最大値が低い第2の電圧へ変更する。この場合には、電圧を低いものへ変更するための基準を設けることで制御をしやすくすることができる。
【0015】
本発明において、磁界発生装置は、前記磁界発生部に印加する電圧を前記第2の電圧へ変更した後、前記テーブルから読み出した温度が前記第1の温度閾値よりも小さな値である第2の温度閾値を下回った場合、前記駆動部が前記磁界発生部に印加する電圧を前記第1の電圧へ変更する。この場合には、電圧を元の値に戻すための基準を設けることで制御をしやすくすることができる。
【0016】
上記課題を解決するため、本発明の磁気記録媒体処理装置は、磁気カードが挿入されるカード挿入口と、
前記カード挿入口に挿入された磁気カードから所定の情報を読み取る情報読み取り部と、
前記磁気カードに記録された磁気データの不正な読み取りを妨害するための磁界発生装置であって、
磁界を発生する磁界発生部と、
前記磁界発生部に電圧を印加する、または前記磁界発生部に電流を流す駆動部と、
前記磁界発生部の温度と共に値が変化する状態情報を取得する監視部と、
前記監視部が取得した状態情報に基づいて、前記駆動部が印加する電圧、または前記駆動部が流す電流を制御する制御部とを具備する磁界発生装置とを有することを特徴とする。
【0017】
本発明の磁気記録媒体処理装置では、挿入された磁気カードから所定の情報を読み取る際、磁界発生部の温度と共に値が変化する状態情報に応じて、妨害磁界を発生させるために磁界発生部に印加する電圧、または磁界発生部に流す電流の大きさを変化させる。そのため、本発明では、磁界発生部の損傷を回避しながら、スキミングを防止することができる。
【0018】
上記課題を解決するため、本発明の磁界発生方法は、磁界を発生するコイルに電圧を印加する、または前記コイルに電流を流す処理と、
前記コイルの温度と共に値が変化する状態情報を取得する処理と、
前記取得した状態情報に基づいて、前記コイルに印加する電圧、または前記コイルに流す電流を制御する処理とを行うことを特徴とする。
【0019】
本発明の磁界発生方法では、コイルの温度と共に値が変化する状態情報に応じて、妨害磁界を発生させるためにコイルに印加する電圧、またはコイルに流す電流の大きさを変化させる。そのため、本発明では、コイルの損傷を回避しながら、スキミングを防止することができる。
【0020】
本発明において、磁界発生方法では、前記取得した状態情報が示す値と所定の閾値とを比較する処理と、
前記比較の結果に基づいて、前記コイルに印加する電圧を、現在印加している電圧から該電圧とは異なる電圧へ変更する、または前記コイルに流す電流を、現在流している電流から該電流とは異なる電流へ変更する処理を行う。この場合には、状態情報と閾値との比較の結果に基づいて、電圧または電流を変更するため、その変更の制御を容易に行うことができる。
【0021】
本発明において、磁界発生方法では、前記状態情報として前記コイルに流れる電流値を取得する処理と、
前記取得した電流値に基づいて、前記コイルに印加する電圧、または前記コイルに流す電流を制御する処理とを行う。この場合には、電流値のみを測定するだけで良いため、温度センサなどの追加の装備が不要となり、装置のコストを低減することができる。
【0022】
本発明において、磁界発生方法では、前記取得した電流値が所定の第1の電流閾値を下回った場合、前記コイルに印加する電圧を、現在印加している第1の電圧の最大値よりも最大値が低い第2の電圧へ変更する処理を行う。この場合には、電圧を低いものへ変更するための基準を設けることで制御をしやすくすることができる。
【0023】
本発明において、磁界発生方法では、前記取得した電流値と対応付けられた温度を、電流値と温度とを対応付けたテーブルから読み出す処理と、
前記テーブルから読み出した温度に基づいて、前記コイルに印加する電圧を制御する処理とを行う。この場合には、コイルの温度を基準としてコイルに印加する電圧を制御することができる。
【0024】
本発明において、磁界発生方法では、前記テーブルから読み出した温度が所定の第1の温度閾値を超えた場合、前記コイルに印加する電圧を、現在印加している第1の電圧の最大値よりも最大値が低い第2の電圧へ変更する処理を行う。この場合には、電圧を低いものへ変更するための基準を設けることで制御をしやすくすることができる。