【課題】項目名、特性等の属性を有する複数の項目間を関係線で接続することによりその関係を表現した連関図において、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されている場合に、この少なくとも2つの項目の属性をユーザに知らせることにある。
【解決手段】複数の項目間を関係線で接続することにより複数の項目間の関係を表現した連関図を表示する表示手段と、複数の項目のうちの少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されているが同一又は類似の属性を有する場合に、少なくとも2つの項目の属性を通知する通知情報を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
前記出力手段は、前記少なくとも2つの項目のうちの一の項目に属性を設定する操作に応じて、前記通知情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
前記通知情報は、前記少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可することが可能である旨を通知する第1の通知情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
前記第1の通知情報は、前記少なくとも2つの項目の何れかの項目の属性を変更することにより当該少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可することが可能である旨を通知する情報であることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
前記表示手段は、前記第1の通知情報に対する操作に応じて、前記何れかの項目を、当該何れかの項目の属性を変更可能な状態で表示することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
前記第1の通知情報は、前記少なくとも2つの項目の何れの項目の属性も変更せずに当該少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可することが可能である旨を通知する情報であることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
前記通知情報は、前記少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可しないことが可能である旨を通知する第2の通知情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
前記第2の通知情報は、前記少なくとも2つの項目のうちの幾つかの項目を統合することにより当該少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可しないことが可能であることを通知する情報であることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
項目名、特性等の属性を有する複数の項目間を関係線で接続することによりその関係を表現した連関図では、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目を異なる位置に表示する場合がある。このような場合に、この少なくとも2つの項目の属性をユーザに知らせることができない。
【0005】
本発明の目的は、項目名、特性等の属性を有する複数の項目間を関係線で接続することによりその関係を表現した連関図において、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されている場合に、この少なくとも2つの項目の属性をユーザに知らせることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、複数の項目間を関係線で接続することにより当該複数の項目間の関係を表現した連関図を表示する表示手段と、前記複数の項目のうちの少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されているが同一又は類似の属性を有する場合に、当該少なくとも2つの項目の属性を通知する通知情報を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記出力手段は、前記少なくとも2つの項目のうちの一の項目に属性を設定する操作に応じて、前記通知情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記通知情報は、前記少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可することが可能である旨を通知する第1の通知情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記第1の通知情報は、前記少なくとも2つの項目の何れかの項目の属性を変更することにより当該少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可することが可能である旨を通知する情報であることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記表示手段は、前記第1の通知情報に対する操作に応じて、前記何れかの項目を、当該何れかの項目の属性を変更可能な状態で表示することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記第1の通知情報は、前記少なくとも2つの項目の何れの項目の属性も変更せずに当該少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可することが可能である旨を通知する情報であることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記通知情報は、前記少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可しないことが可能である旨を通知する第2の通知情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記第2の通知情報は、前記少なくとも2つの項目のうちの幾つかの項目を統合することにより当該少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可しないことが可能であることを通知する情報であることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記表示手段は、前記第2の通知情報に対する操作に応じて、前記幾つかの項目を統合した1つの項目を表示することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記通知情報は、前記幾つかの項目を選択するための情報を含むことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置である。
請求項11に記載の発明は、コンピュータに、複数の項目間を関係線で接続することにより当該複数の項目間の関係を表現した連関図を表示する機能と、前記複数の項目のうちの少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されているが同一又は類似の属性を有する場合に、当該少なくとも2つの項目の属性を通知する通知情報を出力する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、項目名、特性等の属性を有する複数の項目間を関係線で接続することによりその関係を表現した連関図において、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されている場合に、この少なくとも2つの項目の属性をユーザに知らせることができる。
請求項2の発明によれば、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目の属性を例えば定期的にユーザに知らせるよう構成された場合に比較して、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目の属性を迅速にユーザに知らせることができる。
請求項3の発明によれば、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可することが可能であることをユーザに知らせることができる。
請求項4の発明によれば、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目の何れかの項目の属性を変更することにより少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可することが可能であることをユーザに知らせることができる。
請求項5の発明によれば、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目の何れかの項目を例えばユーザが探し出して属性を変更するよう構成された場合に比較して、項目の属性を変更する際の効率が向上する。
請求項6の発明によれば、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目の何れの項目の属性も変更せずに少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可することが可能であることをユーザに知らせることができる。
請求項7の発明によれば、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可しないことが可能であることをユーザに知らせることができる。
請求項8の発明によれば、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目のうちの幾つかの項目を統合することにより少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可しないことが可能であることをユーザに知らせることができる。
請求項9の発明によれば、同一又は類似の属性を有する項目を異なる位置に表示するよう構成された場合に比較して、同一又は類似の属性を有する項目を判別し易くなる。
請求項10の発明によれば、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目のうちの統合する幾つかの項目を例えばユーザが1つ1つ検討して選択するよう構成された場合に比較して、統合する幾つかの項目を選択し易くなる。
請求項11の発明によれば、項目名、特性等の属性を有する複数の項目間を関係線で接続することによりその関係を表現した連関図において、同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されている場合に、この少なくとも2つの項目の属性をユーザに知らせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
複合的な物理現象を利用したシステムは、例えば、製品の最終的な品質等の結果の事象に対して、その結果の要因となる事象が複数あり、それらの事象を結果として生じる要因となる事象が複数あり、更にその事象を結果として生じる要因となる事象が複数ある、という具合に多くの事象が連鎖的につながっているのが一般的である。また、そのような複雑なシステムにおいては、充足しなければならない品質が数多くあるため、要因群と結果群の因果関係は極めて複雑になる。そのため、所望の品質(結果)を満足するための設計項目(要因)を見出すのが困難であり、ある品質を満足するための設計値の変更が他の品質に悪影響を及ぼすなどの問題を生じやすい。
そのような複雑な因果関係を可視化し、整理するために用いられる図の1つに、連関図がある。連関図は、結果とその要因との間を関係線で接続することで因果関係を表現するものであり、ロジックツリーは、その典型例である。連関図は、結果とその要因を漏れなくかつ重複なく詳細に示すのに適している。
【0011】
ところで、連関図では、多くの事象が連鎖しかつ交差してつながっているので、可視性を保つために、同一又は類似の属性を持つ複数の事象を離れた場所に配置することがある。したがって、例えば、新たに追加する事象に対してこの複数の事象が持つ属性と同一又は類似の属性が入力された場合に、その複数の事象が持つ属性の情報をユーザに知らせることは有用である。
【0012】
そこで、本実施の形態では、同一又は類似の属性を持つ複数の事象が離れた場所に配置された場合に、その複数の事象が持つ属性の情報をユーザに知らせる。
【0013】
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
【0014】
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0015】
本実施の形態である情報処理装置100は、連関図を表示するものであって、
図1の例に示すように、連関図処理モジュール110、情報記憶モジュール140を有している。
連関図とは、解決すべき問題が明確になっているときに、発生の原因が複雑に絡み合っている状況の中で、その因果関係を明らかにするための図である。連関図は、
図7に示すように、項目と関係線によって構成されている。
【0016】
連関図処理モジュール110は、連関図作成モジュール115、表示モジュール120、連関図編集モジュール125、出力モジュール130を有している。連関図処理モジュール110は、連関図の作成、連関図の編集、連関図の表示を行う。
【0017】
連関図作成モジュール115は、表示モジュール120、情報記憶モジュール140の連関図記憶モジュール145と接続されている。連関図作成モジュール115は、連関図を作成するにあたって必要な情報を受け付ける。例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置に表示したユーザインターフェース上に、ユーザによるキーボードのキー操作及びマウスの操作等により作成された、連関図、項目、関係線の情報を受け付ける。ユーザによるキーボードのキー操作等からの受付の他に、ハードディスク(コンピュータに内蔵されているものの他に、ネットワークを介して接続されているもの等を含む)等に記憶されている情報を読み出すこと等が含まれる。
【0018】
表示モジュール120は、連関図作成モジュール115、連関図編集モジュール125と接続されている。表示モジュール120は、連関図作成モジュール115で作成された連関図や、連関図編集モジュール125で編集された連関図をディスプレイ等の表示装置に表示する。ここで、ユーザによるディスプレイ上の更なる操作が行われない場合には、表示モジュール120は、連関図を、例えば、プリンタ等の印刷装置で印刷したり、ファクシミリ等の画像送信装置で画像を送信したり、データベース等の記憶装置へ書き込んだり、メモリーカード等の記憶媒体に記憶したり、他の情報処理装置へ渡したりする出力モジュールであってもよい。本実施の形態では、連関図を表示する表示手段の一例として、表示モジュール120を設けている。また、表示モジュール120は、連関図における項目の属性を変更する場合、連関図における項目を、その属性を変更可能な状態でディスプレイ等の表示装置に表示する。本実施の形態では、何れかの項目をその属性を変更可能な状態で表示する表示手段の一例として、表示モジュール120を設けている。更に、表示モジュール120は、連関図における複数の項目を1つの項目に統合してディスプレイ等の表示装置に表示することもある。本実施の形態では、幾つかの項目を統合した1つの項目を表示する表示手段の一例として、表示モジュール120を設けている。
【0019】
連関図編集モジュール125は、表示モジュール120、出力モジュール130、情報記憶モジュール140の連関図記憶モジュール145と接続されている。連関図編集モジュール125は、表示モジュール120によって表示されている連関図に対するユーザの編集操作に応じて、その連関図を編集する。例えば、ユーザの編集操作に応じて、項目の編集(追加、削除等を含む)、項目の属性(項目の名称、特性等)の編集、関係線の付け直し(追加、削除等を含む)、関係線の属性(強度、方向等)の編集等を行う。また、出力モジュール130によって表示されている画面に対するユーザの操作に応じて、新たな項目及びこの新たな項目とは異なる連関図上の位置に既に存在する同一又は類似の属性の他の項目を、異なる位置に別々に表示したり、同じ位置で統合して表示したりする。
なお、上記において、項目が「同一」であるとは、項目名、特性、属する軸(
図3参照)の全てが同一であることをいう。ここで特性が「同一」には、例えば、単位変換すると同一の単位になるという場合も含まれる。項目が「類似」であるとは、項目名、特性、属する軸(
図3参照)の少なくとも1つが類似でその他が同一であることをいう。この場合において、項目名が「類似」であるとは、例えば、項目名が部分的に一致すること、一方の項目名が他方の項目名の言い換え(意味を変えずに表記を変えたもの)であることをいう。特性が「類似」であるとは、例えば、特性が部分的に一致することをいう。特性が部分的に一致するとは、例えば、「空気流量」と「液体流量」のように特性名の表記が部分的に一致することをいう。また、予め類似した特性や類似した単位を記憶しておき、それに基づいて類似している特性を判断してもよい。属する軸が「類似」するとは、軸の番号の差が予め定められた値以下であることをいう。予め定められた値が1であるとすると、例えば、第2軸と第3軸は、「類似」していることになる(
図9、10参照)。なお、項目が「類似」であることは、ユーザが設定した基準に基づいて判断してもよいし、基本的な類似パターンを設定しておいて予め定められたロジックを実行することにより判断してもよい。
【0020】
出力モジュール130は、ユーザが、連関図上に新たな項目を追加し、新たな項目の属性を、新たな項目とは異なる連関図上の位置に既に存在する他の項目と同一又は類似の属性に変更すると、新たな項目及び既に存在する他の項目の情報を通知し、新たな項目及び既に存在する他の項目を異なる位置に別々に表示するか同じ位置で統合して表示するかを問い合わせる画面を表示する。本実施の形態では、異なる位置に表示されているが同一又は類似の属性を有する少なくとも2つの項目の一例として、新たな項目及び既に存在する他の項目を用いており、少なくとも2つの項目の属性を通知する通知情報の一例として、新たな項目及び既に存在する他の項目の情報を通知する画面を用いており、通知情報を出力する出力手段の一例として、出力モジュール130を設けている。なお、ここでは、新たな項目の属性を修正することにより、連関図上に既に存在する他の項目と同一又は類似の属性になった場合に、画面を表示することとしたが、これには限らない。連関図上に同一又は類似の属性を有する複数の項目が存在することが判明した任意のタイミングで、画面を表示してもよい。その意味で、新たな項目は、少なくとも2つの項目のうちの属性を設定する操作が行われる一の項目の一例である。
【0021】
情報記憶モジュール140は、連関図記憶モジュール145を有している。情報記憶モジュール140は、連関図に関する情報を記憶している。
連関図記憶モジュール145は、連関図の情報を記憶している。具体例として、連関図情報テーブル900、項目情報テーブル1000、関係線情報テーブル1100を記憶している。
図2は、連関図情報テーブル900のデータ構造例を示す説明図である。連関図情報テーブル900は、連関
図ID欄905、連関図名欄910、作成者欄915、作成日時欄920、項目数欄925、項目ID欄930、関係線数欄935、関係線ID欄940を有している。連関
図ID欄905は、本実施の形態において、連関図を一意に識別するための情報(連関
図ID:IDentification)を記憶している。連関図名欄910は、その連関
図IDの連関図の名称を記憶している。作成者欄915は、その連関図の作成者を記憶している。作成日時欄920は、その連関図の作成または編集した日時(年、月、日、時、分、秒、秒以下、又はこれらの組み合わせであってもよい)を記憶している。項目数欄925は、その連関図における項目数を記憶している。項目数欄925内の項目数だけ、その後に項目ID欄930が続く。項目ID欄930は、本実施の形態において、項目を一意に識別するための情報(項目ID)を記憶している。項目IDが示す情報は、項目情報テーブル1000に記憶されている。関係線数欄935は、その連関図における関係線数を記憶している。関係線数欄935内の関係線数だけ、その後に関係線ID欄940が続く。関係線ID欄940は、本実施の形態において、関係線を一意に識別するための情報(関係線ID)を記憶している。関係線IDが示す情報は、関係線情報テーブル1100に記憶されている。
【0022】
図3は、項目情報テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。項目情報テーブル1000は項目IDごとに用意され、属性として、項目に付属した属性である項目付属属性と、連関図を構成するための属性である連関図構成属性とを有する。項目付属属性は、項目名、特性、属する軸等の属性である。なお、ここでいう特性とは、性質、挙動、及び作用である。連関図構成属性は、接続項目数、接続項目ID、座標等の属性である。それに伴い、項目情報テーブル1000は、項目ID欄1005、項目名欄1010、座標欄1015、特性欄1020、属する軸欄1025、接続項目数欄1030、接続項目ID欄1035を有している。項目ID欄1005は、項目IDを記憶している。項目名欄1010は、その項目IDの項目の名称を記憶している。座標欄1015は、その項目が表示されている連関図上の座標を記憶している。特性欄1020は、その項目の特性を記憶している。属する軸欄1025は、連関図を展開図に変換した場合にその項目に対応する軸項目が属することとなる軸を記憶している。接続項目数欄1030は、その項目が接続されている項目数、つまり、その項目が接続元項目である場合の接続先項目数とその項目が接続先項目である場合の接続元項目数との和を記憶している。接続項目数欄1030内の項目数だけ、その後に接続項目ID欄1035が続く。接続項目ID欄1035は、接続先項目ID及び接続元項目IDを記憶している。リード部流速を例とすると、項目ID「0006」、項目名「リード部流速」、特性「流速(cm/s)」、属する軸「3」、接続項目数「3」、接続項目ID「0004、0007、0008」、座標「(100,80)」のように表される。
【0023】
図4は、関係線情報テーブル1100のデータ構造例を示す説明図である。関係線情報テーブル1100は、関係線ID欄1105、接続元項目ID欄1110、接続先項目ID欄1115、属性欄1120を有している。関係線ID欄1105は、関係線IDを記憶している。接続元項目ID欄1110は、その関係線の接続元である項目の項目IDを記憶している。接続先項目ID欄1115は、その関係線の接続先である項目の項目IDを記憶している。属性欄1120は、その関係線の属性を記憶している。属性として、例えば、その関係線の極性がある。極性とは、接続元である項目の数値が増加すれば、接続先である項目の数値も増加する関係(例えば、正比例等)にあるのか、接続元である項目の数値が増加すれば、接続先である項目の数値は減少する関係(例えば、反比例等)にあるのか、の性質である。属性として、例えば、その関係線の関係度合いの強弱や関係の方向もある。
図2〜4は例示であって、この他のデータ構造であってもよい。例えば、グラフ構造を示すデータ構造を用いてもよい。
【0024】
図5は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
情報処理装置100、ユーザ端末210A、ユーザ端末210B、ユーザ端末210C、情報記憶装置250は、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。また、情報処理装置100、情報記憶装置250による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。情報記憶装置250は、連関図記憶モジュール145を有しており、情報処理装置100は、連関図記憶モジュール145として、通信回線290を介して情報記憶装置250内の連関図記憶モジュール145を利用するようにしてもよい。
例えば、情報処理装置100で、ユーザ端末210Aでのユーザの操作にしたがって、連関図が作成される。その連関図情報は、通信回線290を介して情報記憶装置250内の連関図記憶モジュール145に記憶される。
例えば、情報処理装置100で、ユーザ端末210Bでのユーザの操作にしたがって、連関図が編集される。特に、ユーザ端末210Bから連関図に対する新たな項目の追加及びその属性の設定が行われると、情報処理装置100は、この新たな項目及び連関図上に既に存在する同一又は類似の属性の他の項目の情報を含む画面をユーザ端末210Bに表示する。
また、ユーザ端末210内に、情報処理装置100が内蔵されていてもよい。その場合は、スタンドアロンとしてのシステム形態になる。
【0025】
次に、
図6〜
図10を用いて、ストロー笛のメカニズムについて、連関図を作成し、展開表を生成する例を示す。
図6は、連関図、展開表の対象とする技術(ストロー笛のメカニズム)例の説明図である。
ベルヌーイの定理(式1参照)である「流速が大きくなると圧力が下がる」という流体工学の法則を用いている。
【数1】
「なぜ振動するのか」について、以下のように説明できる。かっこの番号は、
図6のかっこの番号に対応している。
(1)吹き込むとストローの中の流速が速くなる
(2)流速が速くなると圧力が下がる
(3)圧力が下がると、リードが吸い寄せられる
(4)リードが吸い寄せられると、流路が狭くなる
(5)流路が狭くなると流速が遅くなる
(6)流速が遅くなると、圧力が元に戻る
(7)圧力が戻ると、リードが開く。(1)に戻る。
【0026】
図7は、連関図の例を示す説明図である。これは、ストロー笛の音が出ないメカニズムの連関図例を示している。連関図作成モジュール115が、ユーザの操作にしたがって作成したものである。
なお、前提として「空気の密度は不変」、「つぶし加工方法は未定」であるとする。
図7の例では、矩形で囲まれている各項目が関係線によって接続されている。なお、項目内の上向き矢印は、その項目が増加したことを示しており、下向き矢印は、その項目が減少したことを示している。
なお、項目間の関係線の色は因果関係の極性を示している。項目間をつなぐ実線の関係線は、正の相関関係があることを示しており、項目間をつなぐ破線の関係線は、負の相関関係があることを示している。例えば、項目「振動しやすさ」が減少すると、項目「音の出易さ」も減少することを示している。また、因果関係の影響度合いの強弱を、線の太細等によって示してもよい。これらの情報は、関係線情報テーブル1100の属性欄1120に記憶されている。
また、図では、連関図上に項目ID及び関係線IDを示したが、実際に画面に表示された連関図上には、項目ID及び関係線IDを表示してもしなくてもよい。
【0027】
図8は、連関図の例を示す説明図である。
図9の例に示した連関図内の各項目を増加の要因に統一したものである。つまり、音の出易さの連関図例を示している。これによって、項目間で正の相関関係が負の相関関係になる関係線、逆に、項目間で負の相関関係が正の相関関係になる関係線がある。
【0028】
図9は、連関図の例を示す説明図である。
ユーザの操作によって、展開表の軸(軸項目)として採用する項目を選択した例を示している。ここでは、第1軸として品質、第2軸として機能、第3軸として物理量、第4軸として設計を示している。
項目(音の出易さ)710は、第1軸として選択されている。
項目(開き時の閉じ易さ)715、項目(閉じ時の開き易さ)720は、第2軸として選択されている。
項目(リード部流速)725、項目(リードの素材かたさ)730、項目(リードの形状的かたさ)735、項目(閉じ中の圧力差)740は、第3軸として選択されている。
項目(吹き込み圧)745、項目(長さ)755、項目(直径)760、項目(厚さ)765、項目(材料)770、項目(つぶし)780、項目(切込み量)785は、第4軸として選択されている。
これらの選択された軸の情報は、項目情報テーブル1000の属する軸欄1025に記憶されることとなる。
【0029】
図10は、展開表の例を示す説明図である。
図9の例に示した連関図から生成した展開表を示している。つまり、
図10は、ストロー笛の音の出易さの展開表例を示している。
展開表の対象となるものは、開発・設計するシステムの全体又は一部である。
第1軸(品質)810Aは、品質であり、顧客に保証する価値の指標である。そして、展開表の対象とするシステム(部品)がその機能を発現した結果得られる価値の指標であり、かつそのシステム又はその上位システムが顧客に保証する価値の指標である。第1軸(品質)810Aには、軸項目(音の出易さ)810がある。
第2軸(機能)815Aは、システムが品質を達成するために、その部品や部分システムが果たす役割である。第2軸(機能)815Aには、軸項目(開き時の閉じ易さ)815、軸項目(閉じ時の開き易さ)820がある。
【0030】
第3軸(物理量)825Aは、部品や部分システムが発揮する機能を決める物理量である。第3軸(物理量)825Aには、軸項目(リード部流速)825、軸項目(リードの素材かたさ)830、軸項目(リードの形状的かたさ)835、軸項目(閉じ中の圧力差)840がある。
第4軸(設計)845Aは、対象の部品や部分システムの物理量を制御するための設定条件であり、設計者、開発者が決められる(又は決めるべき)量及び条件である。第4軸(設計)845Aには、軸項目(吹き込み圧)845、軸項目(ストロー)850、軸項目(加工)875がある。軸項目(ストロー)850内には、軸項目(長さ)855、軸項目(直径)860、軸項目(厚さ)865、軸項目(材料)870がある。軸項目(加工)875内には、軸項目(つぶし)880、軸項目(切込み量)885がある。
【0031】
展開表内の隣り合う軸項目で位置が決定されているセル(
図10の例では、◎等が記載されている矩形)内が、因果関係情報である。この因果関係情報は、2つの軸項目間の因果関係を示している。「◎」、「○」、「△」の記号は因果関係の影響度合いの強弱を示すとともに、それに付随している「+」、「−」は因果関係の極性を示している。つまり、正の相関関係は「+」と示し、負の相関関係は「−」と示し、正の相関関係が強いものは「◎+」と示し、正の相関関係が弱いものは「△+」と示し、負の相関関係が強いものは「◎−」と示し、負の相関関係が弱いものは「△−」と示し、無関係は「−」と示している。例えば、軸項目(音の出易さ)810と軸項目(開き時の閉じ易さ)815の関係は「◎+」である。これらの情報は、関係線情報テーブル1100の属性欄1120に記憶された属性を反映させたものである。
【0032】
ここで、連関図に新たな項目を追加する処理について説明する。なお、以下では、新たな項目を追加した際に修正する属性として項目名を例にとり、新たな項目と既に存在する他の項目とが同一又は類似の項目名を有する場合の例として同じ項目名を有する場合を想定して説明する。なお、この処理は項目名に限らず、項目IDに対応する属性、例えば項目名、座標、特性、軸、接続項目数、接続項目IDによる処理であってもよい。
図11は、本実施の形態による連関図に対する処理例を示す説明図である。
図11では、ユーザが、連関図上に新たな項目を追加し、この新たな項目の項目名を、この新たな項目とは異なる連関図上の位置に既に存在する他の項目と同じ項目名に修正する編集操作を行っている。例えば、ユーザは、項目(直径)401を編集中であり、項目(直径)401と項目(流路幅)406とを関係線411で接続している。一方で、項目(直径)401と同じ項目名を有する項目(直径)402及び項目(直径)403が連関図上に既に存在しており、項目(直径)402と項目(管の流れ易さ)407とが関係線412で接続され、項目(直径)403と項目(リード幅)408、項目(リード湾曲率)409とがそれぞれ関係線413、414で接続されている。
【0033】
ユーザがこのような編集操作を行うと、編集中の項目及びこの編集中の項目とは異なる連関図上の位置に既に存在する同じ項目名を有する他の項目の情報を通知し、これらの項目を異なる位置に別々に表示するか同じ位置で統合して表示するかを問い合わせる画面が表示される。
図12は、画面の例を示す説明図である。
表示領域301には、編集中の項目と同じ項目名を有する他の項目が既に存在する旨の情報に加え、編集中の項目及び同じ項目名を有する他の項目の属性として、項目名、同じ項目名を有する他の項目の数である同名項目数が表示されている。例えば、項目名として「直径」が表示され、同名項目数として「2」が表示されている。
表示領域302には、編集中の項目の属性として、その項目の座標及び属する軸が表示されている。
選択領域303には、編集中の項目と同じ項目名を有する他の項目の属性として、それらの項目の座標及び属する軸が表示され、編集中の項目を他の項目に統合する場合にいずれの項目に統合するかを選択できるようになっている。ここで、選択領域303に表示された情報は、少なくとも2つの項目のうちの幾つかの項目を選択するための情報の一例である。
【0034】
ボタン304及びボタン305は、編集中の項目及びこの編集中の項目とは異なる連関図上の位置に既に存在する同じ項目名を有する他の項目を異なる位置に別々に表示する際にユーザにより操作される。ここで、ボタン304及びボタン305は、編集中の項目及びこの編集中の項目とは異なる連関図上の位置に既に存在する同じ項目名を有する他の項目を異なる位置に別々に表示することが可能な旨を通知するものと捉えることもできる。その意味で、ボタン304及びボタン305は、少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可することが可能である旨を通知する第1の通知情報の一例である。
このうち、ボタン304は、編集中の項目の項目名を再修正することにより、編集中の項目及びこの編集中の項目とは異なる連関図上の位置に既に存在する同じ項目名を有する他の項目を異なる位置に別々に表示する際にユーザにより操作される。例えば、編集中の項目が項目(直径)401である場合に、ボタン304が押下されると、項目(直径)401の項目名「直径」が再修正可能な状態で表示され、項目名「直径」が別の項目名に再修正されると、項目401は、その別の項目名で追加される。ここで、ボタン304は、編集中の項目の項目名を再修正することにより、編集中の項目及びこの編集中の項目とは異なる連関図上の位置に既に存在する同じ項目名を有する他の項目を異なる位置に別々に表示することが可能な旨を通知するものと捉えることもできる。その意味で、ボタン304は、少なくとも2つの項目の何れかの項目の属性を変更することにより少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可することが可能である旨を通知する情報の一例である。
また、ボタン305は、編集中の項目を同名項目として保持することにより、編集中の項目及びこの編集中の項目とは異なる連関図上の位置に既に存在する同じ項目名を有する他の項目を異なる位置に別々に表示する際にユーザにより操作される。例えば、編集中の項目が項目(直径)401である場合に、ボタン305が押下されると、項目(直径)401は、項目名を「直径」としたまま追加される。ここで、ボタン305は、編集中の項目を同名項目として保持することにより、編集中の項目及びこの編集中の項目とは異なる連関図上の位置に既に存在する同じ項目名を有する他の項目を異なる位置に別々に表示することが可能な旨を通知するものと捉えることもできる。その意味で、ボタン305は、少なくとも2つの項目の何れの項目の属性も変更せずに少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可することが可能である旨を通知する情報の一例である。
【0035】
ボタン306は、編集中の項目及びこの編集中の項目とは異なる連関図上の位置に既に存在する同じ項目名を有する他の項目を統合して表示する際にユーザにより操作される。例えば、編集中の項目が項目(直径)401である場合に、ボタン306が押下されると、項目(直径)401は、項目(直径)402、項目(直径)403のうち、選択領域303で選択された項目に統合される。つまり、選択領域303で項目(直径)402が選択されたとすると、項目(直径)401、402のいずれか1つが表示され、この表示された項目と項目(流路幅)406、項目(管の流れ易さ)407とがそれぞれ関係線411、412で接続される。また、選択領域303で項目(直径)403が選択されたとすると、項目(直径)401、403のいずれか1つが表示され、この表示された項目と項目(流路幅)406、項目(リード幅)408、項目(リード湾曲率)409とがそれぞれ関係線411、413、414で接続される。更に、選択領域303で項目(直径)402、403の両方が選択されたとすると、項目(直径)401、402、403のいずれか1つが表示され、この表示された項目と項目(流路幅)406、項目(管の流れ易さ)407、項目(リード幅)408、項目(リード湾曲率)409とがそれぞれ関係線411、412、413、414で接続される。ここで、ボタン306は、編集中の項目及びこの編集中の項目とは異なる連関図上の位置に既に存在する同じ項目名を有する他の項目を異なる位置に別々に表示しないようにすることが可能な旨を通知するものと捉えることもできる。その意味で、ボタン306は、少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可しないことが可能である旨を通知する第2の通知情報の一例である。また、少なくとも2つの項目のうちの幾つかの項目を統合することにより少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されることを許可しないことが可能であることを通知する情報の一例でもある。
【0036】
図13は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
情報処理装置100では、まず、連関図編集モジュール125が、連関図に対する新たな項目及び新たな関係線の追加指示を受け付ける(ステップ601)。
これにより、表示モジュール120は、ステップ601で追加指示を受け付けた新たな項目及び新たな関係線を連関図上に表示する(ステップ602)。
また、連関図編集モジュール125は、連関図記憶モジュール145内の連関図情報テーブル900を更新し、連関図記憶モジュール145内に新たな項目に対する項目情報テーブル1000及び新たな関係線に対する関係線情報テーブル1100を作成する(ステップ603)。例えば、この連関図に対する連関図情報テーブル900において、項目ID欄930に新たな項目の項目IDをセットし、関係線ID欄940に新たな関係線の関係線IDをセットする。また、新たな項目の項目IDが項目ID欄1005にセットされ、新たな項目の座標が座標欄1015にセットされ、新たな関係線により接続されている項目の項目IDが接続項目ID欄1035にセットされた項目情報テーブル1000を作成する。その際、項目名欄1010には、仮の項目名をセットしておく。更に、新たな関係線の関係線IDが関係線ID欄1105にセットされ、新たな関係線の接続元の項目の項目IDが接続元項目ID欄1110にセットされ、新たな関係線の接続先の項目の項目IDが接続先項目ID欄1115にセットされた関係線情報テーブル1100を作成する。
【0037】
次に、連関図編集モジュール125は、ステップ601で追加指示を受け付けた新たな項目の項目名の修正指示を受け付ける(ステップ604)。
これにより、連関図編集モジュール125は、連関図上に既に存在する項目の中に、ステップ604で受け付けた修正指示による修正後の項目名と同じ項目名を有する他の項目が存在するかどうかを判定する(ステップ605)。連関図上に既に存在する項目の中に、修正後の項目名と同じ項目名を有する他の項目が存在すると判定されれば、出力モジュール130は、
図12の画面を表示する(ステップ606)。また、連関図編集モジュール125は、この画面上でボタンを押下する操作があったかどうかを判定する(ステップ607)。連関図編集モジュール125は、画面上でボタンを押下する操作があったと判定しなければ、ステップ607を繰り返し、画面上でボタンを押下する操作があったと判定すれば、どのボタンが押下されたかを判定する(ステップ608)。
【0038】
まず、
図12のボタン304が押下されたと連関図編集モジュール125が判定した場合について説明する。この場合、表示モジュール120は、ステップ601で追加指示を受け付けた新たな項目を、項目内で項目名を再修正可能な状態で表示する(ステップ609)。ユーザが項目名を再修正すると、連関図編集モジュール125は、再修正後の項目名を受け付ける(ステップ610)。これにより、新たな項目内に再修正後の項目名が表示される。また、連関図編集モジュール125は、この再修正後の項目名を項目情報テーブル1000にセットする(ステップ611)。つまり、項目情報テーブル1000の項目名欄1010に、仮の項目名に代えて、この再修正後の項目名をセットする。
【0039】
次に、
図12のボタン305が押下されたと連関図編集モジュール125が判定した場合について説明する。この場合、連関図編集モジュール125は、ステップ604で受け付けた修正指示による修正後の項目名を項目情報テーブル1000にセットする(ステップ612)。つまり、項目情報テーブル1000の項目名欄1010に、仮の項目名に代えて、修正後の項目名をセットする。
【0040】
次に、
図12のボタン306が押下されたと連関図編集モジュール125が判定した場合について説明する。この場合、連関図編集モジュール125は、修正後の項目名と同じ項目名を有する他の項目から、統合対象の項目を特定する(ステップ613)。この統合対象の項目の特定は、選択領域303におけるユーザの選択操作に基づいて行うとよい。これにより、表示モジュール120は、ステップ601で追加指示を受け付けた新たな項目と、ステップ613で特定された統合対象の項目とを、統合した状態で表示する(ステップ614)。また、連関図編集モジュール125は、連関図情報テーブル900を更新し、項目情報テーブル1000を統合し、関係線情報テーブル1100を更新する(ステップ615)。例えば、連関図情報テーブル900の項目ID欄930にセットされた新たな項目の項目IDと統合対象の項目の項目IDとから1つの項目IDを選択し、選択されなかった項目IDは削除する。また、新たな項目に対する項目情報テーブル1000及び統合対象の項目に対する項目情報テーブル1000を、選択された項目IDが項目ID欄1005にセットされ、修正後の項目名が項目名欄1010にセットされ、統合後の項目の座標が座標欄1015にセットされ、統合後の項目が接続されている全ての項目の項目IDが接続項目ID欄1035にセットされた1つの項目情報テーブル1000に変換する。更に、複数の関係線情報テーブル1100のそれぞれの接続元項目ID欄1110又は接続先項目ID欄1115にセットされた項目IDを、関係線の付け替えに応じて変更する。
【0041】
図14は、本実施の形態のハードウェア構成例を示す説明図である。
情報処理装置100は、演算手段であるCPU101と、記憶手段であるメインメモリ102及びHDD(Hard Disk Drive)103とを備える。ここで、CPU101は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、上述した各処理モジュールを実現する。また、メインメモリ102は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶し、HDD103は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶し、これらの一方又は両方が各記憶モジュールを実現する。更に、情報処理装置100は、外部との通信を行うための通信インターフェース(通信I/F)104と、ディスプレイ等の表示デバイス105と、キーボードやマウス等の入力デバイス106とを備える。
【0042】
本実施の形態における情報処理装置100で行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
【0043】
即ち、本実施の形態を実現するプログラムは、コンピュータに、複数の項目間を関係線で接続することにより複数の項目間の関係を表現した連関図を表示する機能と、複数の項目のうちの少なくとも2つの項目が異なる位置に表示されているが同一又は類似の属性を有する場合に、少なくとも2つの項目の属性を通知する通知情報を出力する機能とを実現させるためのプログラムとしても捉えられる。
【0044】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。